○中井
委員 先ほど来
床次委員から
奄美大島の問題につきまして、だんだん事実の御陳述があり、またこれについて有力なる御要請がございましたことは、私は一々
賛成であります。この際ぜひ有効適切な方途をおとり願いたいと
お願いをいたす次第であります。
さらにただいま
牧野委員からこの問題は単に一部局の問題に局限するのではなくして、すでに本院において
決議案まで決定されているのだから、
一つの政治的な問題として扱うべきだ、
政府みずからこれに対する
一つの所見をこの
委員会において明らかにする必要があるということを言われたことにつきましても、私は双手をあげて
賛成するものであります。
委員長におかれましてはすみやかにその手続をと
つていただきたいと思います。
つきましてはこの
機会にその準備とでも申しますか、その用意のために二、三お伺いをいたしておきたいことがあります。この
大島郡の郡民の
復帰その他の問題につきましては、
政府と
アメリカとの間に、先般来種々折衝があ
つたはずなんであります。その問題についての経過はどういうことにな
つているか。御
承知の通りこれが三十八度線、八度半、九度、いろいろな決定によりましては、同じ
日本人でありながら一部は
アメリカの統治のうちに残されるという実に悲惨なる
状態が起きているのであります。最近この
大島郡の人々が、わが国の各地におきまして大会等を催して、親族友人ま
つたく血の出るような思いで全体
復帰ということを叫んでおりますことは、
石井局長もよく御
承知だと思うのであります。その叫びたるやまことに悲痛なものがあります。私は実は自分個人の特殊の
関係がありますので、これらの人々のためにいつも世話をいたしている。そういうためによくその
実情を
承知いたしているのでありまして、今やその切実なる叫びは、まことに一日もこれを猶予することのできない
実情にある。あるいはひいては意外なる政治的な問題にまで及ぶというおそれがあるのであります。従いましてこの際
政府は真剣にかつもつと有効適切なる交渉を
アメリカとの間になされ、一日も早くこれらの気の毒なるわれわれの同胞のために、この同胞が希望しているところを
実現するようになさるべきものだと思うのであります。それがその後ずいぶん長い間になるにかかわらずはつきりしていないということは、
政府の態度はむしろ緩慢ではないのか。私は深く遺憾に存ずる次第なのであります。もつとはつきり申しますと、今
一般に伝えられているところでは、今日の
政府のやり方ではいろいろな所が残る、特に
奄美大島につきましては沖永良部島、与論島というようなものが残る、これではいかにしても親子兄弟互いに相わかれるというような
状態にな
つてじつとしておれぬ、というのがこの島の人々の叫びであります。こういう問題につきまして、次にこの
委員会におきましては
外務大臣自身が出て来て、その経過を御
説明になるが当然だと信ずるのであります。
なお先ほど
石井局長から御
説明がありましたからその点についてお尋ねをいたしますが、
貿易については昨年の十月からこれを
実施することができるように
なつた、こうおつしや
つたと思うのでありますが、事実
内地と同様にできておりますか。
従つて内地との商業取引については自由にやらされておるのがほんとうであるのかどうか。そうじやないのではありませんか。そういうことにおきめに
なつたというのならば、それ以後
内地同様の取引にな
つてしかるべきだが、私の聞くところでは、そんなことにな
つていないのであります。きわめて不便を感じておる。それがために、問題としてはすでに密輸入、密輸出等の問題があ
つて、この
大島に関する当面の取引について刑事事件が起
つておることはたいへんなものです。これをひ
とつはつきりしていただきたい。
それから金を送ることなんですが、
郵便為替の問題で御
説明に
なつたようであります。本日からそれを
実施するように
なつたということでありますが、これもはたしてどうか。そういうとりきめができたとしても、事実上なかなかやれぬのではないか。この点をもつとはつきり御
説明をいただきたい。
それから
交通の問題であります。互いに行き来することくらいは許されていいのではないか。それが全然許されないから、これまたやかましい問題が起る、こういうことにな
つておる。この点ひ
とつ簡単に御
説明を願
つておきましよう。