○阿部(千)委員 私はこの二つの
法案については
基準財政需要額にウエートを置いての立法の理由にきわめて賛成でありますが、この前の大臣の提案理由の御
説明で、近き将来にさらに
基準財政収入額その他の重要な
改正を
予定しておるというふうなお
考えを承
つておりますが、つきましてはこの
基準財政需要額にウエートを置く
考え方を、昨年ですか一昨年ですか、公布せられました国土総合開発法による指定を受けた特定地域の開発によ
つて生ずる
地方の特殊なる負担というものについて、さらにお
考えをいただくような余裕があるかどうかということについて御質問をいたしたいのです。大体国土総合開発法は、当該の府県あるいは
市町村等の事業として行われるものでありましても、そういう
団体の開発ということが本来の目的でない、
国家の開発ということに本旨を置いて、それがたまたま未開発地点に該当して参る、従
つてその開発の結果は効果を当然当該府県
市町村は受けるには受けますけれ
ども、本来の目的が今後の日本の復興のために、
国家の開発を最も効果的にまた急速にや
つて行かなければならぬという
趣旨のために、特別のところをピックアップしまして指定するという
趣旨にな
つておるものですから、従
つて相当厖大なる国の
公共事業等と抱合せになる地帯等は、やはり
地方で負担して行く場合に、たまたま未開発地帯であるというために、負担能力あるいは償還能力の見地から言いますと、きわめて弱体の
地方団体が多いということになると思う。これは新たなる法規が出ましてまだ一年ほどしかたちませんから、該当
地方はまだそれほど顕著にな
つておりませんが、今後やはり国の重要なる施策として続々そういちふうな国策がとられて行くという場合には、同様の
地方団体がふえて行くということになると思います。そういう場合に、
基準財政需要額に、現在の道路の面積であるとか、あるいは橋梁の面積であるとか、河川の延長であるとかいう現状本位の
測定単位だけでは
考えられないのであります。そういう非常に急速な開発を要するような、しかも厖大な負担を要するものを国の計画にタイアツプしてや
つて行くという場合には、
基準財政需要額の中に、あるいは
補正係数ででも何でもそういう点をお含みをいただきお
考えをいただかなければならぬのではないか。さらにまた相当大きな起債が子々孫々に伝えられるということでありますれば、それを将来償還して行くためにも、その
測定単位に
規定しております道府県、
市町村等の
公債費、これは現存のところでは災害復旧事業費及び防空
関係事業費の
財源に充てた
地方債の元利償還金というだけに限定されておりますが、今のような国できめた国土総合開発法による開発計画による起債についても、この
公債費に見て行かなければ負担力にマッチしないのじやないかというような見通しもあるわけです。今後ぼつぼつそういう府県
市町村が多くなるにつきましても、おそらくこれは、やはり現在の方針としては、そういう
地方団体のピック・アップ主義によ
つておるようでありますから、全般的でなくやはり一部の府県の問題になると思うのです。将来
平衡交付金法の全面的なあるいは重要な
改正をなさる場合には、そういうことをお
考えいただく余地がありましようか。その点をお伺いいたしたいということ、これはまたことに
地方財政の重要な重圧の条件にな
つて参ると思います。それともう一つは、これはむしろ
地方団体の今の教育
制度では全面的な問題になると思うのですが、この間中から何べんも問題にな
つておりましたように、現在人事権と
給与権と申しますか、あるいは
給与負担権と申しますか、それがわかれておるという現状において、府県の
財政の重要な
内容の
教育費について、——これは先ほどからもお話があ
つたようですが、今までも、ある方面から輿論としての御要求も再々あるものですから、今後において人事権と
給与権との調整をはかるためにも、それを簡易ならしめるためにも、その前提として義務
教育費はむしろ全額国庫負担にする方がいいのじやないかという
考えもかなりあるようであります。相当この要求もせられておるのでありますが、これらについても、
平衡交付金法の
改正等の場合に関連して御解決を願うということについてお
考えを承りたいということと、従来何かこれについて御審議の経過がありましたでしようか、それらの点について伺います。