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鈴木(俊)
政府委員 今回の
政府の補正
予算に
関係をいたしまして、二十七年度の
地方財政の計画につきまして修正を加えたのでござい達すが、その
関係の資料をお手元に配付してございまするので、これによりまして御
説明を申し上げます。
最初の「昭和二十七年度
地方財源不足額及び補填
方法概要」というのでござ、いますが、これは第二ページの「昭和二十七年度修正
地方財政計画」というものの中から、
財源の不足になります分を拔き出して、異動の生じましたものを書き上げたものであります。その次の二枚目のものにつきましてごらんをいただけばいいのでありますが、第一ページを基礎にたしまして御
説明を申し上げます。
(1)の
給与改訂による給与
関係費の増、総額二百八十五億六百万円、これは今回の
政府の国家公務員につきましてのペース・アップに準じまして、
地方公務員につきましても平均約二〇%の給与費の増を見込んだわけでございます。この中には、昨年の補正
予算におきまして
財源措置をいたします場合に、
地方公務員の給与の状況が国家公務員の給与よりも高いという
一つの前提に立ちまして
財源の補填をいたしたのでございますが、その際の調査の基礎になりました当時の大蔵省の調査につきましては、
政府部門におきましてもまだ
意見の一致を見ていなか
つために、これを明確に調査をする必要があるということになりまして、
地方公務員の給与調査の連絡協
議会を設けまして、自治庁、大蔵省、文部省等が中心になりまして共同調査をいたしたのであります。その結果によりますと、昨年調査をいたしました大蔵省の数字というものは若干誤りがあるということになりましたので、この誤りを是正するための
財源の補填もこの二百八十五億の中に含めて計算をいたしております。その
関係の
経費が約九億であります。なお本年勤務地手当の支給地域区分が改訂されましたので、その
関係の増になりました分もこの中に見込んでございます。さようなものを合せまして今回の給与
関係費の増ということで一括書いてございますのが二百八十五億であります。
次の勤務地手当支給地域区分
改正による給与
関係費の増、これは今回のペース・アップに
関連いたしまして、勤務地手当の支給地域区分をさらに改訂をする法律案を
政府といたしましては近く提案する予定でございますが、その
関係で
地方公務員につきまして給与費がふえて参ります。それが七億一千五百万円であります。
次の寒冷地手当支給地域の区分
改正及び石炭手当の支給単価引上げによる増二億六千百万円、これはやはり勤務地手当の支給給地域区分の
改正に並行いたしまして、寒冷地手当支給地域区分の改訂を過般行いましたその
関係の増額の
経費、それから石炭手当の支給単価につきましては、昨年はたしか四千七百円であ
つたと思いますが、それを今回六千百円に増額をいたして計算しておりますので、さような
関係の
経費を含めまして出したのでございます。
その次の
自治体警察廃止による減、これはこれだけ
地方としては負担が減少するのでございます。すなわち一億七百万円だけ減るのでございます。これは本年の五月以降
自治体警察が、たしか二十四でございますか廃止されましたその
関係の減になる分であります。
それから教育
委員会選挙費及び行政整理による不用額の修正減であります。教育
委員会の選挙費は、当初の計画におきまして十七億余りを計上してお
つたのでございますが、大体
都道府県の教育
委員会委員の選挙は全部行われますけれ
ども、市
町村の教育
委員会の
委員の選挙は法律上は今年行うごとに相な
つておりましたが、はたしてさようになるかどうか明確でございませんでしたような
関係もございまして、一応大体
地方事務所単位くらいに組合をつくりまして、教育
委員会が置かれるであろうというような想定のもとに、市
町村の教育
委員会の
委員の選挙費と合せまして計上いたしたものでありまして、それが今申しましたような約十七億余りのものであ
つたのであります。その後全市
町村に教育
委員会を置く、そのための選挙を行うということになりましたので、その
経費を
見込みますと大体二十二億
程度に相なるのでございますが、実際選挙をやりました結果によりますと、四千余りの
町村におきましては、無投票で選挙を行わなか
つたわけであります。また県につきましても、たしか五県は全然選挙を行わなか
つたというようなことがございまして、実際の
経費がそれだけいらなか
つたわけであります。さらに衆議院議員の総選挙と同時に選挙が行われましたような
関係もございまして、重複しております部分につきましては、
経費の節減ができるというようなことがございまして、結局におきまして教育
委員会の選挙費につきましては四億余り節約ができたのであります。
従つて十三億
程度の教育
委員会の選挙費と相なるわけであります。その次に行政整理による不用額の修正減でございますが、これも当初の
見込みといたしましては教員、
警察職員、消防職員を含めまして、一般の職員を通じまして五%減ということで見込んでおりまして、約八十億余りのものが節減できるという
考え方であ
つたのでございますが、この行政整理によりまする節約減は、その後
政府の行政の簡素化の出方等が、必ずしも当初計画をいたしましたようなぐあいにならなか
つた。ことに
警察官につきましては、国においても若干の行政整理が
考えられるということであ
つたのでございますが、逆にこれが増員になりまするとか、また国の教育公務員につきましても若干の整理が予想されてお
つたのでございますけれ
ども、これもさようなことはなく
なつたというようなことで、教員あるいは
警察、消防職員等につきましての整理は、その後の状況等もございまして相当困難にな
つて来ておるのであります。しかしながら一般の県庁、市
町村等の職員につきましては、これは
知事あるいは市
町村長の努力によりまして、ある
程度節約をしておるような状況で、補充主義その他によりまして整理をしておるようなところもあるわけでありますので、さような点も
見込みまして一般職員について五%というような計算にいたしておるわけであります。さような
関係で教育
委員会選挙費の節減、行政整理による不用額が逆に少くな
つて来たというようなことをあわせまして、これは三十七億九千五百万円ばかりやはりよけいに
経費がいるということになるわけであります。
次に市
町村教育
委員会設置に要する
経費でありますが、これは当初の
財政計画におきましては選挙費だけを
見込みまして、経営費は見込んでいなか
つたのであります。そこで今回これを新しく見込むごとにいたしたわけであります。これが十億八千四百万円であります。
次に公債費の増でございますが、これは
財政計画のうちには当初見ていなか
つたのでございますが、昨年いわゆる緊急融資と申しますか赤字融資と申しますか、八十億の起債を特に
地方に認めたのであります。そのほかさらにいわゆるルース台風によりまする災害のための起債、これは四十六億と見ておりますが、これはいずれも当初の計画に入
つていなか
つたわけでありまして、その
関係のものを十四億五千百万円見たわけであります。
次に補正
予算による
国庫補助負担金の増額に伴う
地方負担の増でありますが、これは今回
政府が提案をしておりまする補正
予算案の中に出ておりますいわゆる普通補助金と、公共事業
関係の補助金、さような
関係の
地方負担の増でございまして、これが三十二億二千百万円であります。
次は
経費の節約等による歳出の減少額、これは
政府におきましても、本年度の実行
予算におきましてはすでに旅費を一割、物件費を五%節約するということで節約額を見ておるわけでございますが、
地方団体におきましてすでに実行しているものも相当あると思うのでありますが、さようなものを六十億見込んであるわけであります。これはこれだけ
財源に余裕を生ずるということであります。
その次の
地方税収入の自然増減三十六億四千九百万円、この内訳といたしましては、これだけ増収になりますので、
財源の上ではこれだけ余裕を生ずるわけであります。ただ道府県につきましては、法人事業税等につきまして若干の減収を見込まざるを得ない状況でございまするので、それを見ておるのでありまするが、反面市
町村につきましては、固定資産税等につきましては、評価増でありますとか、あるいは償却資産の増加というようなことで増収が見込まれますし、電気ガス税につきましても、五月に電気料金が改訂になり、さらに十一月にガス料金が改訂になりますので、その
関係で増収が見込まれるわけであります。
なおそのほかに、これは府県も市
町村も通じてでございますが、いわゆる旧法による収入というのが、二十六年度の決算
見込み等がだんだん明らかにな
つて参りまして、これも相当量込み得るというようなことであります。さようなことで、市
町村につきましては四十四億増収になるが、府県につきましては七億減収になる、双方差引いたしまして一二十六億だけは
現状のままで行きまして
地方税の増収になる、こういうことであります。
ただその次にございます一月から先般の
地方税法の
改正によりまして入場租、遊興飲食税、電気ガス税が減税になることになりましたので、その
関係で二十六億減収になりますので、この
財源の補填がいるわけであります。この内訳は入場税が十三億、遊興飲食税が十一億、電気ガス税が二億余りというところであります。
その次の道路法の
改正による道路損傷負担金の減収でありますが、これは道路法が先般全文
改正で成立しまして、その際国会の御修正によりまして、道路損傷負担金はこれをやめるということになりましたので、その
関係の減収が九千五百万円であります。
それから税外収入の増収でありますが、これは当初の税外収入の
見込みというものが、若干見方が少か
つた。その後の実際の状況等に徴しまして、使用料あるいは手数料等につきまして相当
程度の増収が見込まれておるというような
現状でございますし、なお今後ともこれらのものにつきまして、徴収の努力を
地方当局に重ねてもらうということで、これによります増収を四十九億見ておるのであります。
その次の昭和二十七年度
地方債の昭和二十六年度繰上げ使用額五十億でありますが、これは昨年度
地方財政の状況が非常にきゆうくつであるというようなことから、今年度の起債のいわゆる先食いをいたしたわけでございまして、これを五十億繰上げて使
つてお
つたわけであります。そのために今年度の実際の起債のわくが五十億だけへこんでおる、これを補填しようというのが五十億であります。
かようなものが大体今回の補正
予算に際しまして、
地方財源の不足額として
政府として
考えて行かなければならない要素でございまして、これらのものを通じますと三百二十億という数字に相なるのであります。これに対しまして、
政府としましては
平衡交付金の増額として二百億、
地方債の増額として百二十億ということを予定をいたしまして、これによ
つて地方財源の不足の補填をするという計画にいたしておる次第であります。