○原
政府委員 それではそういうつもりで申し上げます。まず先ほど来お話を伺
つておりまして
企業組合というものにつきましての
実態のお
考えということについてまず一言申し上げまして、困難がそこに胚胎するという根本を第一段に申し上げたいと思います。
企業組合と申しますのは、複数の個人企業者が
法人になる。しかも通常の
協同組合でありますと、個人企業の個人性というのを確保しながら、設備を共同に買
つて使うとか、あるいは仕入れの場合に共同に仕入れをするとか、販売の場合に共同に販売をするとかいうような、企業活動の一部について共同の利益をあげるというものでございます。ところが
企業組合になりますと、個人性を没却して全部
法人に
なつてしまう。個人企業はなくなる。従いまして個人企業主でありました人は、
企業組合の
組合員でありますが、同時に使用人になり、経済的な
関係におきましては、
組合員としては利益の分配を受けるなら受ける、使用人としては給料をもらうということに相なります。率直に申しまして、これはどなたがお
考えになりましても非常にむずかしいことであろうというふうに
考えます。端的に申しますれば、非常にむずかしいというふうに
考えるのであります。それがまず第一段で、税務が難渋いたしますのも、この
企業組合の
実態がそういうことであるということにありますので、それをさらにはつきり証明させ
——証明といいますか、フツト・ライトを浴びせるために申しますと、そういう
実態は、
常識的に九割九分個人であると思われるものが
企業組合という
法人格を持
つておる、
法人のからをかぶ
つておるといいますと少し失礼な言い分になるかもしれませんが、
法人格を持
つておる。
実態と
法律上の形とが非常に離れやすいものなのであります。これがわれわれの税務与えられた
企業組合の
実態なのであります。
そこで第二段に参りまして、これに対処しながらわれわれの態度の根本を申し上げたいと思います。これは先ほど
国税庁長官から申し上げましたように、税は適正で公平でなければならない、と申しますことは、事実
実態に
従つて課税しなければならないということでございます。
実態が
企業組合でありましても、その個人々々が取引をしておるという場合においては、これは個人が取引をし、個人が収益を得、個人が所得をあげておる。
従つてこれは個人として課税しなければならない。そうしなければ、先ほど
長官からも申しました
通り、課税の適正と申しますか、公平と申しましようか、これは遂に保ちがたいという
考えで、その原則をも
つて事に臨んでおるわけであります。この原則を若干具体化いたしまして、個人と判定するについての象徴を九項目にわた
つてあげましたものが、世上よくいわれております昭和二十五年の暮れに出しました九原則という通達でございます。
そこでこの第一段と第二段とをからめ合せまして問題が起
つておるわけでございます。
法人の看板を持ちながら個人が取引をしているという場合をわれわれが判定いたしますことは非常に困難であるということは、これは御了解いただけるのではないかと思います。一応
法人として登記をしておりますので、一応だれでも
法人と思うのでありますけれ
ども、実際はただいま申し上げました
通り、個人である場合が非常に多い。本質的に多いのであると私は判断いたしますが、そういうものが個人であるということを判定いたしますために、九項目ありますうち割合に見やすくわかりますのは、看板が前の看板であるということは個人くさいぞということでありまして、爾余の分は、たとえば取引、仕入れが個人名義でなされておるとか、あるいは預金が個人名義でなされておるとか、あるいは自家用として消費した商品の値段を
組合に対して借りに立てる、消費する個人は
法人とは別なのだという
考え方で行きますれば借りに立てなければいけない、そういうことをや
つているかどうかというような、いわば
法律行為といいますか、
法律上の形式がどう
なつているかということを中心にして他の項目ができております。そういう点は非常に判定がむずかしい。と申しますのは、第一に先ほ
ども主税局長からお話のありました
通り、
自分のことは
自分に帳簿があれば、持ち出してそれで証明できる。われわれはかなりの場合にそういう資料をお出し願えないということがございます。それから実際問題といたしましては、そういう
法律的な形態は、率直に申してつくることもできるのであります。本来この
企業組合というものは、
法人と個人とのいわば中間地帯の、課税上でも非常にむずかしい範域の問題なのであります。そうして後刻申し上げますように、この
企業組合形態を使われますもののうちに、かなり政治的な角度からこれを利用されておるという向きも
相当ございます。そういうような向きが
法律的な形式を整える、率直に申して、つくろうというような点について非常にくふうをされます。そうされますと、ますますこの判定が困難になるわけでございます。またこの判定の仕事は、なおよくお
考えいただきますればすぐわかりますように、そういう判定をすることは、
法人が取引をしているか、個人が取引をしているかという判定だけであ
つて、その判定が終つたあとに、さらに所得は幾らかということは、通常
通り手間がかかるのであります。従いましてこの判定の仕事は、他のそういう問題のない
法人、個人の場合と比べまして、全然追加的な仕事になるわけであります。従いまして、これが非常にめんどうな仕事であ
つて、かつ量が多いということになりますと、そのために、たとえば
税務官吏の手が半分とられてしまうということになりまして、ほかの人の調査のためのサービスが半分に
なつてしまうというようなことに相なるわけであります。そんなようなわけで、まず第一段に、
企業組合は本来個人である可能性が非常に強いものだ、にもかかわらず
法人という形式を持
つておる、われわれは
実態に
従つて課税しなければ課税の適正公平は期せられない、
従つて判定作業というものをやらざるを得ない、その判定作業は今申し上げたような理由で非常にめんどうである。めんどうというのは、労をいとうという
意味ではいけないのでありますけれ
ども、率直に
考えてこの三つを並べていただきますと、いかに非能率な行政になるかという結論が出て参ると思います。つまり第一段の、
企業組合の
組合員の個人性はなかなか払拭し得ないということ、これは
常識的にどなたに聞いてもそうだと言
つていただけると思うのであります。そうしますと、まず
法律問題は別にして
考えまして、
常識的な判断ということになりますれば、まず
企業組合全体として、これは個人であるとい
つても、全体が
法人であるといつた場合よりも間違う率は絶対に少いと私は思います。
従つて、一切の
法律を抜きにして、
常識をも
つて判定せいということであるなら、これはまず
企業組合は個人であるという推定をするということも、これは
常識として決して妥当を欠くものでない、妥当であろうと私は思います。そういう
事態についてわれわれが要求されておりますことは、
法人格という
法律的な形式をと
つておりますために、非常にむずかしい判定作業をや
つて、そうして個人であるということを言わなければならない
立場にあるのであります。これは
常識的に
考えて、そういう判定作業をわれわれに押しつけられるということは、どうも片手落ちではないかということが御判断の結論に
なつて来ていただきたいと、私はや
つておりましてそういうふうに感じます。か
つてか知りませんが感ずるのであります。そこで、そういう
法律をはずした
常識的な判断でそうであるということに御同意願いまするならば、かつ、これから申し上げますように、
企業組合の判定、さらにそれから続きますもろもろの
混乱のために
税務行政が非常に能率を阻害されておるということがおわかり願えますならば、今回お願いいたしております
改正条文の、推定をするという
規定が六十七条の二に盛
つてありますが、ああいうような点の
常識的な妥当性というものを御
納得いただけるのではないかというふうに思うのであります。つまり申しますれば、
常識的に言
つて個人であるいうことは、まずほとんど大部分の人がそうだと言えるほどはつきりしていることであり、それから税務が一々非常にめんどうな
——しかも相手方が悪意があれば、税務の手をもうどうにもならないほどつくることもできるわけであります。そういうようなことを振りわけして進まなければならぬというような、困難な、非常に不利なハンデイキヤツプを
税務行政にお与えになるということははずしていただきたいということなのであります。それで、くどいようでありますが、これは推定であるから非常にか
つてな
規定だというふうにお
考えになるかしれませんが、私はその前に、本来
常識的に見て個人である場合が多かろうとだれでも思えるようなものであつたならば、その
法人であるということだけで、あと個人であるはずだと思
つているものを個人であるという証明をするのに非常に一方が苦労するというのは、これは挙証の責任が不当に片寄
つている、
企業組合というものの
法人性のゆえに挙証責任が非常に片寄
つているというふうに思えるのであります。この辺を皆さんに痛切に訴えたいのであります。
なおその論理に裏打ちします現実の困難を申し上げます前に、ここでちよつとはさんでおきたいと思いますのは、私がただいま申し上げておりますことは、端的に申しますると、徹底して申しますればどうも
企業組合という
法律形態が望ましくないというようなことにも
なつて来るかということになりまして、あるいは非常にお気持にまつ正面からぶつかるのじやないかとおそれるのでありますが、この点につきましては、もちろん私もなお根本的に問題はあると思
つております。しかし一方において、たとえば
企業組合になりましたために
信用がつき、金融力がつくというような点が長所にあてられておるのであります。われわれも、
中小企業の窮状を何らかの
方法で打開するといういろいろな
努力に対して、できる限りの声援を送るということは当然いたすべきことでありますので、ただいまのわれわれの気持は、
中小企業等協同組合法による
企業組合形式を、ただいままで申し上げました論理によ
つてつぶせというまでの結論は持
つておりません。むしろそれでも金融力がつく、世間の
信用もつくというようなことがあるならば、そういう点は大いに御協力して伸びていただくというよう
なつもりで、従いまして、今まで実際にこの
企業組合の判定をいたします場合においても、通達に必ずその旨をうたいまして、
中小企業がすこやかに伸びて行くことを阻害してはならぬというふうにきつく申してありますので、そういう態度でおるということを間にはさんで申し上げたいと思います。
そこで、ただいままでのところは、
企業組合に関する
税務行政のいろいろな手間というものが
相当たいへんなんだが、それは
常識的に
考えて、やはり整理していただいた方がよろしい手間であるということを申し上げたわけでありますが、それではどんな手間がかか
つているかということを申し上げたいと思います。概して申しまして、先ほど申しましたように、通常の個人でありますと、毎年九月以降くらいに実際にお店に参
つて実額調査をやるのですが、これも
相当手間がかかります。やはりきちんと調べますには、一軒にまる一日ぐらいではちよつと完全とは行きかねる。しかし非常に
納税者も多いし、日数も少いので、大体その程度でや
つておりますけれ
ども、
法人の場合でも同業で
——法人は大きいのがありますから、大きいのは一週間、一月とかかりますけれ
ども、一生懸命調査をする。われわれは、やはり
税務行政の本道は調査をしつかりするということであると思います。
所得税、
法人税でありますれば、所得調査をしつかりするという点で、皆さんからも常々、たとえば申告
所得税あたりの課税がどうもおかしいのではないかと御批判を受けるのでありますが、調査をしつかりやるという点を中心にしまして、これに一番重点を注ぐというのが、われわれとして、皆さんのおつくりになりました
法律を施行する上の一番大事な点だと思
つているのであります。ところがただいま申しましたように、
企業組合の場合になりますと、調査をする前に、一体
法人として課税していいのか個人なのかということを調べなければいかぬということになるわけであります。しかもそれが、今申したように非常に困難であるというとどういうことになりますかというと、
企業組合が多くなりますれば、それだけ
法人、個人の判定をするという仕事が余分に加わります。これは非常な手数でありまして、たとえば三十人の
企業組合について、これが
法人として取引しているか、個人かということを判定しようという段になりますと、一軒行
つて、その家が個人の名前で預金しておつたとか、仕入れをしておつただけで、三十人の
組合員を全部個人だといつたら、これは不穏当である。やはり
相当数を調べなければならない。われわれはそういう場合には大体十人くらいは調べて、その十人の大部分が個人的な取引だということになれば、個人と判定してよかろうというようなことをや
つております。私
どもの持
つております最近の計数では、
企業組合は
全国で八千五百、
組合員が八万八千ということに
なつておりますが、これにつきましてかりに三割調査するといたしますれば、二万六、七千の
組合員について、そういうことを調べなければいけないということになります。しかもその調べで、ただいま申しましたように、看板が原商店と
なつているか、
企業組合と
なつているかは、見ればすぐわかることでございますけれ
ども、あとの八項目は
法律的な形式と関連するものでありますので、非常にむずかしい資料を出していただかなければそれまでである。いただきましても
——こういうことを申しては失礼ですが、一旦つくられますと、それを破
つて参るのが非常にむずかしいということになりますので、どの程度の手間がかかるかは場合によ
つて大分違いますが、やはり一人に一日くらいの手間はどうしてもかかるであろうと見ております。そういたしますと、
企業組合の場合は、その三割の人間について、一日分だけ余分にかかることになる。ところが一般はどうかといいますと、一番大事な実額調査が、戦後
大分税務署に人を増していただきましたけれ
ども、なお御存じの
通りできません。仕事も多いというので、遺憾ながら申告
所得税におきましては、総
納税者——これは農業者を除いた営業
関係でございますが、やりたくて仕方がない実額調査が、その二割くらいしかできないのであります。ところが
企業組合の場合におきましては、今申し上げましたようなわけで、まず三割ぐらいの人を調べなければ、お宅は個人だと言うのはちよつと失礼であるというのでやりますと、それが一人一日かかる。実額調査も一日くらいだとなりますと、
企業組合関係の人は、判定の仕事をしただけで割当の日数を超過してしまうわけなんでございます。もう実額調査の日がない。それをやろうとすれば、ほかのそういう問題のない
人たちの実額調査をあきらめて、それにかからなければいかぬことになるわけでございます。そんなわけで、ごらんいただいてもわかりますように、ちつとやそつとの手間がよけいいるという問題だけではありません。それだけでも手間がよけいかかるのに、その上に持
つて行きまして、
企業組合は先ほど申しました
通り法人、個人の中間的な、いわば昼と夜のたそがれどきみたいなところの問題であります。率直に申して共産党的な
指導が入
つている
組合が若干ございます。そういうような
組合あたりになりますと、だれが
考えても、企業を大政奉還して
法人に
なつてしまうことは、今の段階ではとてもありそうもないという感じがするのだけれ
ども、
法律的な形態は、伝票なり何なりをしかるべくつくることによりまして作為することができる。そういうことは、そういうような色彩の
組合においては非常に研究が進んでおります。そういうものにぶつかりますと、われわれの判定作業というのは非常な困難に出つくわす。困難だからとい
つて、フアツシヨ的にばしやつときめるのはいかぬのでありますけれ
ども、まず最初に申しました
通り、
常識的に
考えて、個人的なものでしかあり得ない場合がほぼ全部であろうと言うことが私は許されると思うのであります。そういうことがありますものですから、やりながら手間のかかる感じが非常に強いのです。そこで率直に言
つて、なぜこんなに手間をかけなければならないのだろうかと思うわけです。
税務行政は戦後非常に乱れたが、それがだんだん立ち直
つて来て、調査も少しはよく
なつたという声も聞くのでありますけれ
ども、そういう際に率直に申して、こういう非常に不当な手間をかけさせられることについては、もうじりじりといたします。これがなければ税務の調査も非常によく進むと思いますし、全般の
税務行政もよくなると思うのでありますが、そういう
意味で非常にあせ
つております。手間がかかるということを概略的に申し上げますと、そういうことであります。
さらに具体的に少し申し上げて参りたいと思います。
全国八万八千人の
組合員について、ただいま申し上げたことはずつと該当して行くわけでございますが、その中で特に政治的な色彩が強いものは、名状すべからざる困難をなめておる。その特に顕著な例を申し上げて参りたいと思います。これは一部のものであるとごらんになる向きもありますけれ
ども、ただいま申し上げましたように、判定調査というものの全部について言えますが、その中で特に政治的な腰構えを持つた一部のものが特にめんどうが倍加するといいますか、何十倍の手間がかかるという例を申し上げるわけであります。一番顕著な例で申しますと、これは皆様もお聞きに
なつておられると思いますが、九州の共栄
企業組合の例であります。これは福岡市に本部を持ちまして、現在三千人近くの
事業所でございます。これは共産党系統の方の御
指導のもとにあるもので、二十四年の暮れだつたと思いますが、早くからできております。これは非常に特異な形態で、八百屋さんでも菓子屋さんでもお医者さんでも、およそおらゆる業種を含んでおる。しかもそれが福岡なら福岡で固まい
つているならまだ扱いようがあるかもしれないのでありますが、九州全域に及んでおる。それぞれのところではぱらぱらですが、全体になると今申したように二千何百名になるわけであります。それがだんだん伸びまして、山口県にも入
つて来る、広島県にも
事業所ができる、その後東京にもできるというようなことであります。そういう
事業の種類の違う
企業組合の場合に、個人性を没入して
法人に
なつてしまうことは一層困難であり、おそらく
常識的には
考えられないものの最たるものであります。それがさらに地域的に非常に分散しておる。なかなか
法人経営なんかできるはずがないじやないかという感じのものなのであります。そういうのができまして、最初にぶつかりましたのは二十五年度分の
所得税をかけるかかけないかという問題で、二十六年の春、ただいま申しました判定をやれというさしずをいたしたわけであります。ところが何さま全部と
組合員についてその判定の仕事がございますので、それをや
つていると調査の日がなくなるというようなこともございますして、各局とも非常に難渋いたしまして、大阪国税局のごときは、そのために判定調査は四月過ぎて
——年度過ぎてからやろうというようなことにしたところもございますが九州におきましてもあまりにこれが大きい、そして三割を調べると全域にわた
つて手配をして調べなければならぬというようなこともございまして、これはあとまわしに
なつた。そういうような調子で、だんだんあとまわしに
なつて参
つております。これは
組合側では、調べてくれ調べてくれと言うのだけれ
ども、調べないというので先日御批判がありましたが、われわれも調べなければいかぬと思つたのが遅れて済まないのでありますが、同時に途中調べようとしたことは何度もあるのであります。ところが実際問題としては、
事業所に調べに参りますと、調べさせないということがあつたのであります。うちは
事業所なんだから本部へ行
つてくれ、全部伝票は本部にあるから本部に行
つてくれ。お宅だけの、
事業所だけの勘定を教えてくれと言
つても相手にしない。そういつた政治的な何でありますから、ある
事業所に行きますとすぐ連絡をと
つて、その町にある他の
事業所、あるいは
組合の幹部級の
人たちが寄
つて来る。実際問題として押されて調べがつかないというようなことが非常に多くありまして、いろいろそんなような
関係で遅れて参りました。そのうちにだんだん
組合員が多くなりまして
——その間これはうわさでありますから何でありますが、やはり
税金を
相当題目にされたようであります。私自身もうわさを聞いたり、見たりいたしましたが、共栄
企業組合のパンフレツトを見ましても、これで一万五千人の
組合員を獲得するのだというような計画を呼号しておやりに
なつておる。その間税務は、多くなればなるほど、三割は何百人となりますから、しかも調べさしてくれないとなりますと、尋常一様の手段では行かないということにもなります。そんなようなことで遅れ遅れいたして参りましたが、
第一線の署長も、こういうような
組合をそのまま置いておいて課税の態様がはつきりしないということでは、
税務行政に責任が持てませんという声がもう各地からあが
つて参りました。遂に昨年の十一月十八日でございましたが、これについての調査をいたしました。この際は税務職員千人、それに査察
事件として、脱税の疑いということで令状をもら
つてありましたので、査察官も百名ぐらい各地から動員してやりました。しかもそれが一日で済むような事柄でなくて、千人が全部五日はかか
つております。そのほか、そのうちの
相当数は、事後この調査を補完いたしますために、ずつと専従者を置いてかかるというような
状態であります。