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1953-02-28 第15回国会 衆議院 大蔵委員会 第36号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年二月二十八日(土曜日)     午前十時三十三分開議  出席委員    委員長 奧村又十郎君    理事 淺香 忠雄君 理事 川野 芳滿君    理事 松尾トシ子君 理事 佐藤觀次郎君       上塚  司君    大泉 寛三君       大村 清一君    小山 長規君       島村 一郎君    中田 政美君       西村 茂生君    西村 直己君       宮幡  靖君    三和 精一君       小川 半次君    笹山茂太郎君       中崎  敏君    小川 豊明君       坊  秀男君  出席政府委員         大蔵事務官         (大臣官房日本         専売公社監理         官)      今泉 兼寛君         大蔵事務官         (主計局法規課         長)      白石 正雄君         大蔵事務官         (理財局長)  石田  正君         大蔵事務官         (銀行局長)  河野 通一君         大蔵事務官         (為替局長)  東條 猛猪君  委員外出席者         大蔵事務官         (管財局国有財         産第一課長)  木村 三男君         厚生事務官         (大臣官房国立         公園部管理課         長)      甲賀 春一君         農林事務官         (農地局管理部         管理課長)   大槻 三郎君         農 林 技 官         (水産庁漁政部         漁船保険課長) 伊藤  茂君         通商産業事務官         (通商局輸出保         険課長)    武藤 和雄君         通商産業事務官         (重工業局重工         業品輸出課長) 河合 良一君         通商産業事務官         (軽工業局アル         コール第二課         長)      渡邊 五六君         日本専売公社販         売部長     石田 吉男君         専  門  員 椎木 文也君         専  門  員 黒田 久太君     ————————————— 二月二十八日  委員平岡忠次郎君辞任につき、その補欠として  中崎敏君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 二月二十七日  社寺等に無償で貸し付けてある国有財産の処分  に関する法律の一部を改正する法律案内閣提  出第一二一号)(予) 同日  煙火類に対する物品税撤廃請願外一件(栗田  英男君紹介)(第三〇九〇号)  台湾における外地資産補償に関する請願(足  鹿覺紹介)(第三〇九一号)  写真機等に対する物品税減免に関する請願(森  山欽司紹介)(第三一一〇号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  国有林野事業特別会計法の一部を改正する法律  案(内閣提出第三六号)  開拓者資金融通特別会計において貸付金の財源  に充てるための一般会計からする繰入金に関す  る法律案内閣提出第三七号)  漁船保険特別会計における漁船保険事業に  ついて生じた損失を補てんするための一般会計  からする繰入金に関する法律案内閣提出第三  八号)  日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案(内  閣提出第三九号)  製造たばこの定価の決定又は改定に関する法律  の一部を改正する法律案内閣提出第五九号)  米国日援助物資等処理特別会計法を廃止する  法律案内閣提出第六二号)  国有財産法第十三条の規定に基き、国会議決  を求めるの件(内閣提出議決第三号)  解散団体財産収入金特別会計法を廃止する法律  案(内閣提出第七七号)  設備輸出為替損失補償法の一部を改正する法律  案(内閣提出第七八号)  外国為替資金特別会計法の一部を改正する法律  案(内閣提出第八一号)  アルコール専売事業特別会計法の一部を改正す  る法律案内閣提出第八二号)  造幣局特別会計法の一部を改正する法律案(内  閣提出第八三号)  製塩施設法の一部を改正する法律案内閣提出  第八五号)     —————————————
  2. 奧村又十郎

    奧村委員長 これより会議を開きます。  前会に引続き、本日の日程に掲げました十三法案一括議題として質疑を続行いたします。質疑は通告順によつてこれを許します。宮幡靖君。
  3. 宮幡靖

    宮幡委員 本日の議題なつております法案のうち、主といたしまして日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案設備輸出為替損失補償法の一部を改正する法律案及び米国日援助物資等処理特別会計法を廃止する法律案、これに主力を置きまして、短かい時間で、昨日に続いてお尋ねをいたします。実はきようは通産省通商局長おいで願つて、その方面について二、三点お伺いいたしたいと思うのでありますが、いまだおいでになりません。しかし有力なる説明員の方がおそろいなつておりますので、私個人としてはそれで満足いたしまして、お尋ねをいたします。  大体プラント輸出を考えますと、大体の方面東南アジア地区の開発、こういうことが主題となりますが、東南アジア地区の問題は御承知のように、よい言葉で申せばポンド貿易改善、悪い言葉で言えば日英支払協定の行き詰まり、特に日英通商航海条約打開の道はないとまで一時追い込まれたのでありますが、その後の情勢は、最近の英国大使等言明等を見ますと、やや楽観的な希望がつながれるようになりましたことは、これはお互いに喜ぶべきであります。しかしこの際、短かい間でありますが、昨年以来の経過をたどつてみますと、何となく日本政府方針に割り切れないところを見出すのであります。ことに外資導入希望しておりました立場において、世界銀行に対する融資申込み、こういうことに対しまして、世界銀行の両調査員が参りました当時、その帰国談として発表せられた状況などから考えてみますると、大いに思いを新たにいたしまして、今回の輸出入銀行法改正業務範囲拡張ほんとうに効果的に期待できるものであるかどうか。これをまず承つて行かなければならないと思うのであります。世界銀行の両調査員が説明しました要旨を申しますと、当時は、昨年の十月ごろでありますが、現在の日本外貨蓄積の実態というものは、特に駐留軍国内消費、こういうものによつて調達せられ蓄積せられたものであるが、将来は深刻なるドル不足になるであろう、こういうことを第一点として掲げております。これに関連して、日本の金利というものは、国際水準から見てあまりに高過ぎる。これでは国際市場の競争に耐え得るとは認められない。第三点としましては外資導入に関する制限規定があまりに多過ぎる。あるいは外資法改正の問題、日米通商条約等交渉過程におきまして、もつと具体的に言えば、大蔵省考え方というものは外資導入をはばむというような傾向が強いではないか、こういう言い方をして帰つておるのであります。当時におきまして、通産省大蔵省、それぞれ貿易関係のあります各省は連合いたしまして、ポンド貿易改善ということを掲げて英政府に迫りました。情勢はただいまより非常にかわつておりますが、それの要点は、ポンド切下げの場合は補償してもらえないか、こういうことを冒頭に掲げまして、当時盛んに問題になりました生糸、絹織物等を中心といたします三角貿易阻止方法をぜひ考えてもらいたい、英連邦東アフリカの綿花あるいは濠洲の砂糖、かようなものを一手買占めのような形にして、間接に輸出を制限いたしておるような措置撤廃、全面的な英連邦にわたりますところの輸入制限措置、さらには関税船舶入港、入国あるいは所有権不平等待遇等について、ぜひ改善をしてほしいと申入れをいたしましたが、当時の状況から行きまして、これらに対して先方からは何らの回答を得られなかつたように承つております。しかしながらその後の進展というものは、やや希望をつなげる状況なつたと思いますが、この間の日英交渉過程は、日本政府の弱腰と申しますか、腰くだけと申しますか、かような態勢を国民は鋭く批判しております。現在輸出入銀行法改正によりまして、業務範囲拡張をいたそうといたしまして、これらの交渉過程に現われた日本政府の腰くだけ的な態度では、この改正趣旨を全うすることは困難である。こういうようなことから私がお尋ねいたしたいのは、今度この法律改正し、かつ設備輸出為替損失補償法等もあわせて改正をいたしました結果、東南アジア地域におきまするいわゆるコロンボ・プラン、あるいはアメリカのポイント・フォア、こういうものとの関係はどうなるか、これらの点についてお見通しをお話いただきたい。あわせて、最近英国ポンド協調性を認めまして、そしてポンド自由交換性を把握いたしたい、かような主張をしております。また最近においては、御承知目印合弁製鉄会社の問題が白紙に返つたとか、複雑な状況もありますが、この改正によりまして、はたして業務分野拡張した効果というものが、従来の経過をたどつてみて可能であるかどうか。政府の所信を、短かい時間でありますから、ごく概略でけつこうでありますが、一通りお話をいただきたいと思います。
  4. 東條猛猪

    東條政府委員 宮幡先生お尋ねのうち、主として為替局関係のございます事項についてお答え申し上げます。全般の広い視野の問題に触れております発言でありますが、従来の日英交渉経緯はしばらくおきまして、現在の日英貿易関係話合いにおきましては、日本側としてはぜひともスターリング地域全体の日本に対する輸入制限緩和をしてもらいたい、イギリス側におきましてさような措置をとらざる限り、日本側といたしましてもやむを得ず輸入貿易につきまして縮小的な施策をとらざるを得ない、その結果は縮小均衡という道をたどるほかはなかろう、その対策といたしましては、イギリス側においてぜひ輸入制限緩和措置を講じてもらいたいという趣旨のもとに、随時話合いを続けておりますことは御高承の通りであります。ただいま私どもの感触からいたしますれば、日本におりまするイギリス側の出先の代表としては、日本政府立場を了解しておられると思います。それを本国政府に取次ぎまして、ただいまのところは英本国からの訓令を待つておるという段階でございます。イギリス政府の問題でございますので、今後の進展状況は、われわれといたしましてこの席から申し上げる立場にはございませんが、比較的近い将来に何分の回答があるのではなかろうか、かような段階にあります。それらの回答を受けました上は、日本側といたしましては、従来主張をいたしておりまするスターリング地域日本との貿易拡大均衡という方向に一貫した方針、あるいは施策をとつて参りまして、日本輸出入貿易拡大ということにぜひ持つて行かなければならないということを今後の方針として脅えておる次第であります。  なお外資導入の問題について、特に大蔵省関係において比較的消極的態度を持つておるのであるまいかというような点にもお触れになつたように拝承いたしましたが、外資導入につきましても決して消極的な態度はとつておりませんが、個々の案件に応じまして、日本技術水準の向上でありまするとか、あるいは日本の乏しい産業資本の補強をする意味におきまして、真に資本の拡充に役立つ場合におきましては、慎重な審査はいたしまするが、積極的な態度をもちまして対処いたしておるということを申し上げられると思います。  なお東南アジア方面に対する輸出としてプラント輸出が、全般的な各地の経済経過、あるいは全般的な世界情勢に即して誤りないように今後やつて行けるかという御注意でありまするが、仰せのように、今後われわれとしましても、コロンボ計画なりポイント・フォアなり、そういう世界的に重要性を持つておりますところの計画に十分即応いたしまして、この上ともプラント輸出の伸張には十分の努力を続けて参らなければならないと存じております。今回御審議願つております関係法案につきましては、御審議の御決定をいただきましたあかつきにおきましては、十分それらの方面に意を用いまして、制度の運用に遺憾なきを期して参りたいと思つております。
  5. 宮幡靖

    宮幡委員 通産省の方に伺いますが、輸出信用保険法改正しまして、輸出手形保険制度を実施したいということを聞いておりますが、そういう御構想をお持ちになつておりますか。
  6. 武藤和雄

    武藤説明員 輸出信用保険法につきましては、目下今国会に別途に通産省から御提案申し上げておりますが、この改正案の中で、ただいまお話のございました手形保険を創設するという条項を盛り込んでございます。従来プラント輸出関係につきまして乙種保険というものがございましたが、今回はそれに加えまして新しく輸出手形保険という制度を創設いたすべく、目下提案中でございます。
  7. 宮幡靖

    宮幡委員 その問題は簡単ですから、それでけつこうであります。  それから通商局政策関係をやつておられる方は出ておりますか。
  8. 奧村又十郎

    奧村委員長 今来ておりません。
  9. 宮幡靖

    宮幡委員 そうするとお答えをいただけないわけですが、最近の日英会談というものが妙に進展して来ておるのであつて、この問題をぜひ明らかにしておきたいのであります。日英間の貿易規模拡大して、おおむね一億一千万ドルから三千万ドル程度にこの計画を打立てたい。それで英国の方ではポンド決済を非常に主張しておる。いわゆる行政振替範囲内においても、あるいはオープン・アカウントの地域におきましてもこれをポンド決済にする、そのかわり輸入制限はある程度緩和しようという要求は、外国紙日本ラジオ等でも放送しており面す。その他の関係を考えてみますと、いわゆる欧州決済同盟に参加するかしないかは将来の問題として、とにかく多角決済方式に入つて行こうというような構想を持つておるのでありますが、これは非常に重大な意味を持つておる。日本貸借関係が、相互貸借が残らずして、この決済同盟を通じて決済される等のもとにおきまして、救われる部面があるかないか、あるいは不利になるかどうか、かような点は、通産政策として十分お伺いをしなければならぬのでありますが、きようはその政府委員なり説明員が見えておりません。私の時間もまつたく制限されておりますので、この問題は他日に譲ることにいたします。  次の問題も、必ずしも銀行局長さんや為替局長さんにのみ関係あることではなく、むしろ理財局関係だと思いますが、ガットの問題は長い間いろいろの経緯をたどつて、少しもはつきりして参りません。会期間委員会も閉会となつておりまして、ことし九月十七日ごろに開かれますジユネーヴのガットの総会に日本の加入問題が提案されそうだとは思つております。またそういう報道も伝わつておりますが、一体どういうふうになるのか、為替局長さんでおわかりになるでありましようが、ガット憲章のエスケープ・クローズと申しますか、条文は忘れましたが、十九条か二十二、三条にある関税政策の問題であります。こういうことについて、為替局としてでけつこうでありますが、特に会期間委員会報告文書等によるわが在外公館からの情報等によつて、何か参考になるお話が伺えましたらぜひこの際知らせていただきたいのであります。
  10. 東條猛猪

    東條政府委員 宮幡先生お話の第一の問題は、比較的為替決済の問題にも関連がございますので、従来通商局長その他政府部内でいろいろ話合いをしております点について、若干お答え申し上げた方がいいだろうと思います。日英貿易関係話合いにおきまして、従来の日本各国とのオープン協定の結ばれておる地域につきまして、イギリス側からこれを全面的にポンドに切りかえろというまでの話合いは参つておりません。ただ日本といたしましては、オープン協定を結び、お互い清算関係には入つておりまするが、相互話合いによつて、場合によつて一部ポンド決済を併用するということも便利な場合がありはしないかという程度のものでありまして、イギリス側から、日本の現在のオープン協定を廃止してポンドに乗りかえるべきだとか、あるいは乗りかえたらどうかということまで話合いは参つておらないということは申し上げられると思います。それから、これはもちろん通商局の方からお話申し上げることでございまするが、欧洲決済の問題は、これは抽象的な話としましては、今お話のございましたように、できれば多角決済方式を適用して参りまして、個々の国にお互い清算の勘定の残高が残りまして、その決済が不履行に陥つて貿易進展が阻害せられるということのないように、なるべく多角決済関係に入ることは抽象論としては望ましいのではなかろうか。ただお話のありましたEPU加入の問題がございますと、これは具体的な問題でありまして、いましばらく政府といたしましても検討し、全般情勢を見定めた上で決定すべき事柄である、具体的な問題としてはさように考えております。ガットの問題といたしましては、直接心得ておりませんので、いずれ別の政府委員から取調べてお答えいたさせます。
  11. 宮幡靖

    宮幡委員 欧洲決済同盟に並んでアジア決済同盟というものをつくつたらどかということを、これはいろいろな方面から希望意見をるる述べられるところの一万田総裁が公然と発表せられておる。私はこの必要性があるかないかということは、まだ個人といたしましても確定的な意見にはなつておりません、しかしほのかに推察いたしてみますと、日本がもし欧州決済同盟に参加できる、もし参加すべきであるとなれば、必要はなさそうに思うのでありますが、もしさような機会が得られないとすれば、アジア決済同盟というものをつくつて行くことが一つの考え方としては正しいのではないかと思つております。そういう意味からいいまして、大蔵当局は、この点特に為替局は、これらの問題について、昨日もちよつと申し上げましたように、手持ち外貨ドル不足といいますか、不均衡が慢性化しております現在におきましては、ひとしおこのアジア決済同盟等の必要を痛感するわけであります。従いましてプレトン・ウツズ協定を天下の宝典といたしまして、長く抱きしめましておくのが能ではなかろう、こういう意味で、ごく簡単でよろしゆうございますから、現在アジア決済同盟という仮称のもとに考えられております構想大蔵当局はお持ちになつておるかどうか、もしございましたならばそのあらましをお話願いたい、
  12. 東條猛猪

    東條政府委員 お答え申し上げまし上げます。ただいま申し上げましたように、抽象的な方針といたしましては、なるべく多角決済方式が望ましいということは申し上げられると思います。しかしながらこれを具体的な仕組みの問題に移しまして、たとえばただいま御意見のございましたアジア決済同盟という具体的な仕組みがそれでは成り立ち得るものかどうかということになつて参りますと、これは私から申し上げるまでもなく、宮幡先生御高承のように、この決済同盟を組成いたしておりまするところの各国貿易構造をよく調べまして、そのメンバーとなる各国貿易構造において、はたして相互補完的に全体としての決済関係、バランスがとり得るかどうかという、この貿易収支を具体的に検討してみることがまずひとつ必要であろうと思います。それから第二にはそれらの国の、これもただいまお話のおりました手持ち外貨準備状況が相当アンバランスになるという少くともおそれのある場合において、これをカバーして余りあるぐらいの金額であるかどうか。それから第三には、これを構成するメンバ一の国際的な各種のオブリゲーシヨンに対する態度の問題が、ほんとうにでき上つた場合に、これらの決済同盟ほんとうに動かして参るだけのレベルに達しているかどうかという点も非常に重要な点ではなかろうかと思います。いろいろの点を考え合せまして、ただいまお話のございましたアジア決済同盟という具体的な問題になりまと、それらの各点その他いろいろな点につきまして考慮を払い、慎重な態度をもつて臨むべきときであるということで、ただいまのところこれは研究問題程度のものではなかろうか、かように存じます。
  13. 宮幡靖

    宮幡委員 時間がありませんので最後の一点だけ伺います。これは通産省の方にお伺いいたします。貿易組合が一種のカルテル組織になりそうでありますが、そういう場合とプラント輸出との関係は、何か有利な点があるか不利な点があるか、これらの一連の関係をごく事務的でよろしゆうございますから御説明いただきたいと思います。——通産省政府委員おそろいになりませんから、また十一時が参りまして私もどうしても退席しなければなりませんから、直接今議題なつております法案審議に支障のないという意味におきまして、次の機会に譲つて適当の時期にこの委員会でもつて検討を進めて行きたいと思います。本日は答弁のないままで私の質問は終りといたしておきます。
  14. 奧村又十郎

    奧村委員長 委員長においてさようとりはからいたいと思います。佐藤觀次郎君。
  15. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 タバコの問題できのういろいろ議論がありましたが、今泉監理官お尋ねします。タバコ強制的抱合せというようなことは問題になるのでありますが、きのうの答弁では全然そういうことはないという答弁でございました。昨日同僚の淺香委員からも、専売公社に対して、こういう問題について公社帰つたならばいろいろ十分な話をしてほしいということがございました。その後法律を急いでおられる関係で、われわれもできるだけ協力したいと思つておりますが、そういう点についての心配はないかどうか、これについて今泉監理官お尋ねしたいと思います。
  16. 今泉兼寛

    今泉政府委員 タバコの売却につきましては、相当財政収入をあげるという建前からいろいろな方法奨励策をとつております。従いまして予定に比べて非常に多額売上げをした組合、あるは小売商等に対しては表彰というような制度もとつておりますので、昨日来お尋ね抱合せというような制度本社といたしまして指導しているわけではございませんが、そういつた多額タバコを売り払う方法を奨励しているために、あるいは結果において御指摘のようなことが第一線においてはあり得るかもしれません。しかしながら本社としてはそういう指導方針をとつて、その結果現われたのではありませんが、もし調査の結果そういう御指摘のような例が実際にありました面につきましては、今後そういうことのないように是正して参りたいと考えている次第でございます。
  17. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 末端では実際にはそういう事実がたくさんあるのでございまして、今後公社においては特にそういう点について遺憾のないように努力していただきたいということを申し上げておきます。それからきよう資料を要求したのでありますが、タバコ売上げは大体二十五年度から上昇しておりますけれども、二十八年度において、経済界の不況だという問題もありますが、そういう点についてはたして予定通り売上げができるかどうか。予定通り売上げがなければ、結局末端に強制的な無理をしいるということになるので、われわれもそういうことについて末端からいろいろ注意を受けるのでありますが、実際は専売公社独占事業でありますので、大蔵委員会ででも注意をしなければ、おそらくはおかむりするような向きが今まで間々ありまして、そういう点について、確たる今年度の予算通り売上げができるかどうかということについて、もう一度今泉監理官から答弁を願いたいと思います。
  18. 今泉兼寛

    今泉政府委員 私どもといたしましては、公共を監督する立場から、いろいろな報告を受けた結果に基いて、来年度の予算の編成についてはこの程度はたいてい間違いないということで編成しておるわけでございますが、きようは幸いにその方面を担当しております販売部長が出ておりますので、販売部長からその点の見通しについて詳細申し上げたらよろしいと思います。
  19. 石田正

    石田説明員 お尋ねの点でございますが、ただいま今泉監理官から申し上げましたことと関連する問題でございます。お話のように二十七年度におきましては、当初の予定よりも販売の金額も数量もふえております。しかしこれは、一昨年以来の経済界の好調ということが相当あとを引いて影響して参つたのであります。二十八年度の予算をつくるにつきまして、結局もとは経済界状況をどういうふうに見通すかということが計数の基礎になりますので、これは御推測いただけると思いますが、ここ一箇年先の経済界状況を見通しするということは非常に困難な問題であります。私も乏しい知識をもちましてできるでけ正確な見通しをつけることに努力はいたしておりますが、なかなかむずかしい。幸いにして最近は経済審議庁というふうなところから、かなりいろいろの計数をあげた見通しが出ておりますので、それを大体の考え方の基礎といたしまして、過去の実績、人口の増加割合等をいろいろ勘案した結果、二十八年度の予算ができておるわけでございます。それに基きまして実行の計画を立てるわけでありますが、現在のところ、幸いにして二十七年から二十八年への売れ行きの増加率は、前年度の予算をつくる場合よりも非常に落しておりますので、少し現在よりも経済的な状況が上向いて参るということであれば、おおむね間違いなしに達成できるのではないかというふうな見通しを持つておる次第であります。
  20. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 販売部長にもう一度お尋ねしますが、昨日今泉監理官から、来年度は三万五千戸の小売指定所をふやしてこの対策を練るというお話がありましたが、小売指定所は今まで通りにやられるのかどうか。何か新しい方法で、もう少し社会政策的な加味をした方法で小売指定所をやるということについて見通しがさるかどうか、今まで通りならば、これは昨日も同僚議員からいろいろ非難が出ましたが、われわれも名古屋地方において、タバコ小売所の指定にはいろいろ忌ましいことを聞いておりますが、そういう点について今後どういうふうな方法でそういう非難を解消してやつて行くのか、その点の見通しをひとつ……。
  21. 石田正

    石田説明員 御質問の趣旨は前々から連絡を受けておりますので、十分承知いたしております。それで私は、指定のやり方を公平にやるということが私どもの仕事だと思つて、以来いろいろな通牒も出し、あるいは二重、三重の本社から地方局へのの監督、あるいは地方局から出張所への監督、また独立の機関といたしまして監督専門の考査役、あるいは考査というふうな制度を設けております。そういういろいろな点によつて、間違いのないようにというやり方をいたしておりますが、結局いろいろな働きをいたしますのは人でありまして、この人を私どもの考えるように動かすということが一番大事なことであります。手続その他をいくらかえましても、その通り動かなければ何にもなりません。できるだけそういうふう具体的にいろいろなケースをつかまえて、実際に調べて間違いのないように、いろいろな機会を通じてあらゆる方法をとつてこれを遂行して参る。ちようど二、三日前から、地方局のそういう担当者の会議を開いております。いろいろお話の御趣旨もございまして、十分にその点も検討して、さらに従来よりもうまくやつて行くということを十分徹底させておりますので、本年度は今までいろいろな御非難がありました点も、おそらく相当に改善されるものと期待しておる次第であります。
  22. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 今泉監理官にもう一点お尋ねしたいと思います。今度冨士という高いタバコが売られるわけですが、これ以外に、バットより安いタバコを新しい品種としてやる意思があるかどうか、こういう点についての見通しをお尋ねしたい。
  23. 今泉兼寛

    今泉政府委員 公社といたしましては、今後の新製品についていろいろあれこれと検討いたしておりますが、さしあたつて二十八年度をもちまして、バットよりまた下級の品を出すというような点につきましては、そこまでの方針としては具体的に決定しておりません。従つておそらく二十八年度においてこれより下級品を出すというようなことは、目下のところ実現する見込みはないと思います。
  24. 奧村又十郎

    奧村委員長 淺香忠雄君。
  25. 淺香忠雄

    淺香委員 私が両三日間にわたつて質問をいたしましたその内容について、おそらく再度御検討いただいたと思うのであります。すなわち私が両三日間にわたつて質問をいたしましたそのポイントは、今回議員立法として提案になり、また通過した、母子福祉資金の貸付等に関する法律案の第十七条にある「製造たばこの小売人の指定を申請したときは、同法第三十一条第一項各号の一に該当する場合を除き、その者を製造たばこの小売人に指定するように努めなければならない。」というこの条項を中心に質問をしたのでありますが、これに対して公社の方で対策がおありになりましたら、一応その対策をお示し願いたいと思います。
  26. 今泉兼寛

    今泉政府委員 先般来淺香先生の非常な御熱心な御要望もありまして、昨日もさつそく公社の方にもどりまして、ちようど販売部長会議が開かれております最中でありましたので、その点につきまして慎重討議いたしました結果、さきに通りました身体障害者福祉法に規定する身体障害者、今回通りました母子福祉資金の貸付等に関する法律、並びに未亡人関係につきましては、従来一般のものについては昨日御説明いたしましたような条件に適合するものから選定しているというような次第でございますが、身体障害者及びこういつた未亡人というのは、特殊な立場にある方でございますので、例の予定営業所と既設小売人営業所との距離、あるいはその供給区域内の戸数について若干条件を緩和いたしまして、一般の申請者に対するよりか、身体障害者及び未亡人につきましては大体二割程度条件を緩和するということで、優先さして参りたいと考える次第でございます。営業所の距離、あるいは人口割合のほかに、いろんな標準もございまするが、その他の標準につきましても、今申し上げた標準の緩和に準じて条件を緩和して参りたい。しかも実際に申請等がありました場合は、いろんな競願事項も起るかと思いますが、今の緩和したした条件に基いて、身体障害者及び未亡人については寛大な基準で、もしもこれが早く実地調査を要するというような向きがありましたら、ほかの一般の申請者に先だつてそうした実地調査も進め、一日も早くそういつた申請の許否を決定すというような手続をとつて参りたいと考える次第であります。  なおこういつた手続その他については、身体障害者、未亡人という方は、なかなか一般の人みたいにいろんな便宜を持たない関係もございますので、もしも第一線の営業所等においてそういつた点の手続その他について問い合せがありました場合は、さらに一層懇切丁寧に応待に努めまして、手続その他については万遺憾なきようにとりはからつて参りたい、こう考える次第でございまして、昨日その旨を決定いたしまして、さつそく各地の販売部長にはその趣旨の通達方を口頭でもつて伝えましたが、なおこれが万全を期するために、本社から文書をもつて今後これを通達いたしまして。第一線まで徹底するように、さようとりはからいたいと考える次第であります。
  27. 淺香忠雄

    淺香委員 非常に御誠意ある御答弁をただいま伺いまして、私はこれで満足でありますが、念を押すようでありますが、二割方緩和するということは、ただいまのお話では、実地調査等におきましては、特にこの未亡人の急ぐ部門は、他の競願者があつても、他の競願者よりか優先的にこれを早く調査して行こうという一点。それから二割緩和するということは、この基準にうたわれております、たとえば距離の問題、あるいは資産内容等にわたる問題、あるいは人口の密度等の問題、そういつたあらゆる点にそれぞれ二割程度緩和して行こうというお考え方でございますね。もう一ぺん念のために伺つておきます。
  28. 今泉兼寛

    今泉政府委員 今お話通りに考えております。
  29. 淺香忠雄

    淺香委員 これで私の本日質問いたしました内容について、明快な御答弁をいただきまして、非常に私は満足であります。  そこでこれに関連していま一点お尋ねしておきたいことは、タバコ小売人の指定の基準について、先般内藤委員から、これは一つの作文だということで質問をいたされましたが、私もこの一般の基準書を見ました場合、何らここに一つのものさしというものがない、ただこういうものをつくつておかなければ許可するときに何だかよりどころがなければ困るというような、そういう考えをもとに置いてつくられた基準ではないかと考えられるのであります。そこで基準につきましては、将来これを改められるか、あるいはまた再度これを検討して、近い機会にこの国会に何らかの形においてそういうものを御報告していただけるものか、その点ひとつ伺いたいのであります。
  30. 石田正

    石田説明員 お話が非常に実務的なことにわたつて参りますので、私から御返事申し上げた方がいいかと思います。単なる作文にすぎないのではないかというお話でございますが、御案内のように、専売公社の地方の出張所というものは全国にたくさんございまして、第一次的には、小売人の申請がございますと、その出張所において実情の調査をする。そのいろいろな調査の結果、何らかの判定を下すという場合には、やはり一定のものさしがございませんと、その人人の認定によりまして非常にまちまちなものになるわけでございます。先般資料として差上げております許可基準をごらんいただきますと、たとえば距離であるとか、人口であるとか、機械的に算出のできる大体一つのものさしがございまして、その範囲内におきまして、たとえば資産、信用が確実であるかどうか、また八百屋さんであるか、魚屋さんであるかということは、これは見ればすぐわかりますが、そういうだれが見てもわかる基準がございます。こういうものは自由裁量の余地はなかなかないのでございまして、大体その基準に基いて一応の調査判定をする。競願者が出て参りましたような場合に、そこにいろいろ自由裁量の余地が出て来るというようなやり方でございまして、先ほど申し上げましたように、実際指定申請の調査のあとを監督しましても、大体その基準にのつとつてつております。決してお話のような作文ではないのでございます。私の方ではそういう大事なものさしで上から下までそういうふうに考えて仕事をしておるわけでございます。  そこでこの基準が適当ではないではないかというお話でございますが、これは、たとえば非常に繁華な都会になつて来る、あるいは従前と違つてタバコ売上げ金額が非常に増して参るとか、いろいろ状況が変化いたしますと、その点は考えなければならない点が出て来ると思います。基準の方は、たとえば繁華街とかあるいは村落とか、抽象的な言葉を使つておりますので、こういうものの判定——ここが繁華街であるとか、あるいは村落であるかというふうなことは、結局その付近の社会的な常識でもつて、各地方局ごとに認定してきめております。状況がかわるにつれて、その基準のあてはめ方もかわつて来るというふうになつております。現在あります、たとえば百メートルとか五十メートルとか、そういう距離を直していいかどうか。多年そういうやり方でやつて来ておりまして、状況がかわるにつれておのずから基準もかわるというふうなスライデイング・スケール、非常にこまかいものではございませんが、大ざつばに申し上げますとそういうことで、実情に合うように次第に部分的にはかえ得る、またかわつて来ておると思うのでございます。非常にぐあいの悪いところが目について参りますれば、検討しなければならぬと思いますが、特に今ただちにそこに書いてあります通達の基準をかえるということは考えておりません。お話のような検討は常時続けておりますので、必要があれば、いつでもかえるという心組みは持つている次第でございます。
  31. 淺香忠雄

    淺香委員 あなたの答弁は聞えぬ話でありまして、今佐藤委員が質問されているように、あなたは指定はこうしている、そうしてこれに対する考査員なり考査役なりを派遣して監督している、何ぼ基準をつくつても運用は人にあるということを今言われました。なるほどその通りであります。しかしその根源をなすものは何によるかといえば、言うまでもなく、法律とか、こういう基準によらなければならぬ。その基準をあなたは金科玉条のように考えておられる。そうなれば、昨日も内藤委員が言われましたように、一つ一つ逐条的に私どもが時間をかけて質問したら、あなた方は委員が得心できるような明快な答弁ができるとお考えでありますか。たとえてみれば、これを一つめくつて見ても「資産信用の程度及び営業経営能力の有無」きわめて抽象的なことばかり羅列してあるのです。それがために、今日までこの委員会が開かれるたびに小売人の許可に対するところの物議のあとが絶たぬのです。それを今の答弁では、今かえる必要はない、これはいいものだとあなた方は考えておられるが、これはもう少し考える余地はないのですか。なければないように私どもが逐一質問しますが、どうですか。
  32. 石田正

    石田説明員 ただいま御例示がありました資産信用の程度、こういうものを一つの基準に書くということになりますと、具体的に書こうといたしますとなかなかむずかしい問題でありまして、ここに書いてある趣旨これは法律に書いてある言葉をとつてあるわけでございますが、この趣旨は、タバコの営業をやるにつきましての資金信用の程度というふうなことでありまして、非常に判定が困難な場合というものはあまりないように考えます。普通の営業をやつておられる方でございますれば、まず問題はない、営業資金といたしましても、そう非常にむずかしい問題があるわけでございませんで、大体はここにあります距離でありますとか、人口の密度とか、そういうものを第一義的に適用いたしまして、普通営業をやつておられる、あるいは普通の方であれば、まず問題なく許可をいたしておるわけでございます。御指摘のような場合は、非常に似たような情勢にある場所から二軒、三軒競願があるという場合にはどういうふうにするかというのでございますが、これは場合になりますとなかなかむずかしい問題になりますので、それをこういう一つの書いたものにして基準を示すということがなかなかできないのでございます。そのために、これは地方局長が最後の責任者として判定の基準の責任を持つというふうになつております。御指摘の点はまことにごもつともだと思いますが、私どもいろいろ何かいい基準はないかと思つて考えているのでございますけれども、なかなか言葉に書き表わすことはむずかしいこともございまして、いいお知恵がございましたら御意見をお聞かせ願えれば、十分に御趣旨を取入れたいと考えております。
  33. 淺香忠雄

    淺香委員 これ一つ一つ取上げますと非常に時間がかかりまして、皆さんにも迷惑をかけるから——問題は、あなたはこれはこれでもう絶対いいのだというお考えらしい。ところが私どもがこれを見ます場合に、現実の質問をしている人たちを初めとして、一般の空気が全部この基準に対しては非常に抽象的なものだということになつている。だからこういうものを基準にすることによつて物議をかもすのだ。しかも国にとつては非常に大きい財政に関係するこういう問題を、この基準をもつて流すからかかる問題が次から次と起るので、これをひとつ再検討してみて、そうしてみんなの意見も聞いて、悪い点を修正でもなさるというならばいいが、今のところではこれは絶対動かせぬのだ、この基準は正しいのだ、正しいものならば何でこんな問題が起つたか、ここに私どもの言わんとするところがあるのです。今の御説明を聞きましてうがつたところもありますけれども、たとえば資産信用の程度というが、資産信用の程度をどういう尺度ではかられるか、また営業能力のあるなし、これは見方、考え方によつて大きな相違が出て来ると思うのであります。そういう点を私どもが言つておるわけでありますが、そうあなたはかたいことをおつしやらずに、不備な点は意見を聞いてどんどん修正すると言われるのが当を得ていると思うのですが、どんな御心境でしようか。
  34. 石田正

    石田説明員 私が先ほど申し上げましたのは、言い方が下手だつたかもしれませんが、絶対に直さないということを申し上げているのではありませんので、さしあたりこれでいいと思つているという心境がそのまま反映したために、そういうふうにお受取りになつたと思います。常時検討を続けておりますし、なお御趣旨の点もございますので、もつと明確に基準をつくり直す、あるいは修正すべき必要があるかということは早急にあらためて検討して、必要があれば直したいというふうに考えておりますので、さよう御理解願いたいと思います。
  35. 淺香忠雄

    淺香委員 よくわかりましたし、それで私は満足しましたが、販売部長さんにこの点をよく注意をしていただきたいのですが、陳列です。指定の許可がありまして、自分の知合いの陳列屋にこれをやらそうとしますと、設計書を出してくれと言われる。設計書を出しますと、何とかかんとか難くせをつける。そうして、こういうものはやはりなれた陳列屋にやらせなければならない、なれたというと、これは指定の陳列屋ではないけれども、いつも公社に出入りしている陳列屋があるから、これにやらした方がいいという暗に指定の陳列屋にやらせろと言わんばかりで、今許可をもらえるもらえないかのせとぎわでそう言われると、むげに断つてまた不許可ということになつてはたいへんだからというので、その人に頼む。そうすると指定の陳列屋がやつて来る。ところがそれが非常に高いのであります。だから近ごろ許可を受けておりますものの陳列が、その許可を受けた小売人の意に基いて陳列をされておるかどうかということ、これは販売部長さんよくひとつ下の方まで一ぺん調査をしていただきたいのであります。この点非常に小売人が困つているところでありますから、特に御注意を願いたいと思います。これで打切ります。
  36. 中崎敏

    中崎委員 このタバコの小売人の指定についてはきわめて不明朗だという印象をわれわれは各方面からもたらされております。ことにこの示された基準の中において「その他必要な事項」というようなことになると、こういう重要な問題を決定するのにその他必要ということは一体どういうわけなんですか。きわめてこれは困る。これはまるきり全体をひつくり返すものです。またたとえば昨年私が直接携わつた例もありますが、東京の地方専売局長自身の意見では、それはよかろうということをある小売人にはつきり責任をとつて言われた。それが下の方へ行つたららうやむやになつてしまつた。いいと言うものだから、タバコのケースまでちやんと用意しておつた、ところがその後になつて行つてみたら、それはぐあいが悪いと下の方で言つている。そうしてそのまま何箇月かたつたら、二、三軒隣りのところを許可している。まるきり不明朗きわまるものです。こういうふうな方針で大衆の生活に関する重要な問題を取扱われるということについて、私たちは納得が行かないのです。だからこの実例によつて、私はその基準がどういうふうにしてなされたか、これの調査をさらに要求するけれども、もう少し責任のある立場に立つて——この委員会においてもしばしばそういう発言もあるのだが、許可するといつて店まで用意させておいて、知らぬ間にぽこつとほかの方に許可しておるということがたびたびある。こういうような無責任きわまることをするものだから、あなた方が示したこの基準そのものもわれわれは信頼できない。この点をもう少し広く朝野の識者を集めて、納得の行くような基準をつくられて、その基準によつてつてもらわなければならぬ。ことに先ほどあなたから、身体障害者あるいは遺家族の人たちに対しては二割程度というお話もあつた。その場合においては、たとえば資産信用の程度及び営業経営能力の有無というようなものを一々はめられたら、みんなオミツトされてしまう。これをどういうふうに適用されるか。こういうふうないいかげんな基準では決してそういうものは解決がつかない。この席においてそういうものに当てはまるような基準を一体どういうふうにつくるかということを、すみやかに準備をしてやるという方針を明らかにしてもらいたいと思う。
  37. 石田正

    石田説明員 お話のような御趣旨の点は、私、公社に帰りまして、なお上の者とも相談して、なるべく御期待に沿うように処置いたしたいと思います。
  38. 川野芳滿

    ○川野委員 私、アルコールの問題で、二、三点お尋ね申し上げてみたいと思います。昨年アルコール工場の三工場を民間に払い下げることが決定いたしまして、払い下げる方針なつたわけでございますが、三工場とも現在民間に払下げが決定いたしておりますか。その点を一点お尋ね申し上げてみたいと存じます。なお近時さらにアルコール工場を一部払い下げるといううわさが実は立つておるわけでございますが、さらに払い下げられる意向がございますか。たの点を伺つておきたいと存じます。
  39. 渡邊五六

    ○渡邊説明員 お答えします。昨年の払下げ工場は三工場でありまして、宮崎県の高鍋工場、これが昨年の十月であります。それから長崎県の島原工場が十一月に払下げを受けて操業を続行いたしておりますが、払下げを受けたものは、両工場とも宝酒造株式会社でございます。それから本年度の工場払下げの問題ですが、現在国会に提出されている予算案におきましては、一応二工場を払い下げるという方針のもとに組まれておりまして、本年度中に二工場払下げすることになるだろうと思つております。
  40. 川野芳滿

    ○川野委員 昨年二工場を払い下げたという御答弁でございますが、この払下げにあたりましては、さらにしようちゆう製造の免許をもらいたいという要望もあつたかのようなうわさを聞くのでありますが、もしそういう要望がございましたならば、この要望に対しましてどういう態度を御当局はとられたのであるか。この点が一つ。さらに今年も二工場払い下げる、こういうお話でございますが、どの工場を払い下げられる予定でございますか、この点も伺つておきたいと思います。
  41. 渡邊五六

    ○渡邊説明員 しようちゆうの造石許可権は一応国税庁にありますが、われわれといたしましては、払下げアルコール工場がしようちゆう造石に転換することは、アルコール工業の合理化の点からいいましてもそういう方針で進められたいと思いますが、他方酒の業界の方の舞もあり、なかなか新しく造石するということはむずかしい。それで国税庁とも一応交渉はしましたところが、しようちゆうの造石許可は今のところ与えることができないというので、そのつなぎという意味で、アルコールの製造権を二工場とも若干つけまして、払下げを完了した次第であります。  それから本年度の工場払下げにつきまして目下いろいろ検討中でありますが、具体的にまだきまつてはおりません。
  42. 川野芳滿

    ○川野委員 酒の問題については、通産省の方はあまり詳細御存じがないと存じますが、実は昨年度におきましては、しようちゆうの製造というものは相当過剰であります。従いまして、そのために値引き合戦が行われた、こういう実情下にございます。こういう実情下でございますので、従つて現在の政府のアルコール工場を民間に払い下げる場合におきましては、さらにこれにしようちゆうの製造を許可する、こういうことになりますと、生産過剰の上にさらに過剰を来しまして、酒造界が非常に混乱に陥る、こういう実情下にございますので、これは免許権が国税庁の方にありますので、国税庁の問題かとも考えますが。通産省におきましても、そういう実情であるということをよく御認識していただきたいと存じます。  さらに専売工場のアルコールがやみに流れておる、こういううわさは実は前から聞いておるわけでありますが、近時においてもこういううわさは絶えないのであります。この問題に対して課長の御意見、さらに現在どういうふうにして取締りをされておるか、この取締りの実情を簡単でけつこうですから、御説明を願いたいと存じます。
  43. 渡邊五六

    ○渡邊説明員 アルコール専売法違反に関する取締りは、専売法の規定しておるのが九十度以上のアルコールでありまして、そのアルコール分を現実にはかつてみないと、専売法違反いうことで告発できないというような技術的な問題もありますが、現在取締り要員としまして、全国で通産省の職員が百六十数名おります。非常に人数が少いものですから、国税庁の職員を兼職していただきまして、その兼職の国税百職員が約千二、三百名おります。国税庁と協力して現在取締りを施行しております。取締りの方法としましては、一応専売アルコールを使用しようとする者は、使用承認書というものを通産局に出しまして、その認証を受けます。その認証を受けた者は、今度は使用申込書というものをまた通産省に広つて来ます。それを証明しますと、その証明書をもつてアルコール販売会社が買いつける。実際にそれを使う場合には、使用の際に立会い検査を実施しまして、その証明を受けた使用目的に実際に使用されたかどうかということを確認しまして、証明書を出す。製造過程に入りまして、すでにもうそれを再醸造するとか、横流れのおそれのない場合に、使用済承認書というものを出しましてそこで取締りの最後的な措置をなす、こういう方法で取締つておるわけであります。
  44. 川野芳滿

    ○川野委員 私の質問は、実は製造過程における監督を、端的に申しますれば、通産省でおやりになつておるか、あるいは大蔵省の方でおやりになつておるか、こういう点を伺つておるわけであります。
  45. 渡邊五六

    ○渡邊説明員 製造過程の検査は、すべて専売アルコールにつきましては通産省の方で実施しております。
  46. 川野芳滿

    ○川野委員 もちはもち屋でという言葉がございまするが、このアルコールの製造過程におきまする取締りと申しまするか、監督と申しまするか、これはやはり従来酒になじんでおるところの国税庁官吏をしてやらせるということが、能率を上げ、さらにやみアルコール等の捕捉という点にも非常に便利ではないか、こういうふうに私は考えます。しかしこの質問は、あなたに対しては相当無理な質問かと考えまするが、事務的にお考えになりまして、この取締りの問題は、通産省の手から大蔵省の方の手に移した方が適当である、こういうふうにはお考えになりませんか。この点をもう一点伺つておきたいと存じます。
  47. 渡邊五六

    ○渡邊説明員 このお答えは、政府委員からお答えするのが妥当かと思いますが、一応われわれ事務当局としましては、今のアルコール専売法は、いわゆる化学工業の基礎原料としてのアルコールというものを、極力低価に、品質のよいものを供給するのがおもな目的かと存じます。専売アルコールにつきましては、通産省で産業育成という見地から所管いたしております。従つてその製造検査、取締りというものも現在通産省で所管しておるわけであります。それで製造検査につきましては、現在仕込みから蒸溜まで数回にわたつて相当厳重な検査を実施しまして、製造工場からの横流れということはまずないのじやないか、こう思つております。
  48. 川野芳滿

    ○川野委員 役人の方は得てしてなわ張り根性と申しますか、そういう考えのもとに、ただいま御答弁になりましたような答弁があるものと私は考えておりました。しかし静かに考えてみますと、物ができるまでは国税庁の監督下にまかせして、できた品物を今度通産省の方で受取つて、そうして通産省の所管にする、こういうふうにした方がりつばな品物をつくるにいたしましても、あるいは密造防止の点からいたしましても、適当じやなかろうか、こういうふうに私は考えておりまするが、しかしこれは大きな問題でございますから、渡邊課長と議論いたしてもしかたがないと思います。主任課長さんでもあられますので、どうかひとつ国家的に考えて製造過程大蔵省に返す、物をつくつたその品の取扱いは通産省が握つておる、こういうふうにひとつ国家のためにしていただきたいということを私最後に希望いたしまして、私の質問を終りたいと思います。
  49. 奧村又十郎

    奧村委員長 小川豊明君。
  50. 小川豊明

    小川(豊)委員 私は開拓者資金融通の問題についてお伺いしたいと思います。終戦後にたいへんに開拓者が多くなりました。ことに農村の二、三男とそれから飛行場あるいはそういう兵舎跡等には元の軍人がそのまま居残つて開拓した。この軍人の居残つた開拓などは、経験もなければ資材もない。そういう困難の中で開拓に耐えたので、それが遅々としていることは私ども認めるのであります。こうした多数の開拓者が入植したが、最近これらの方々の離農して行く数が非常に多いということを私どもは聞いているのです。これはどういうわけで離農して行くのか。新しく入植する数と離農して行くこうした移動の状況といつたようなものをお尋ねしたいと思います。  それから、時間がありませんから私は一括してずつと申し上げますから、どうぞひとつお書きとめ願つてお答え願いたいと思います。駐留軍とか保安隊等によつて土地の取上げが相当に行われているわけです。そのためにやむを得ないで離農して行く者があるわけです。こういうものに対しての対策はどういうふうになつているか。  それからこういう離農の場合に、貸付金の問題ですが、こうしてやむを得ず離農する者の貸付金の償還はどうなつているのか。  それからこの貸付に対しては、集団または個人なつていると思うのでありますが、こうして集団で入植して借入れた場合に、この集団の中から、たとえば三人なり五人なりがこういう事情で離農しなければならない場合の貸付金の償還はどういうふうな形がとられて行くのか。  それからこの資金は、今まで政府は全関連等を通じて物で貸して来たというふうに私どもは聞いているのであるが、これはどうして物で貸して行くのか、金で貸さずに物で貸すのはどういうわけであるのか、この物で貸すことについて問題がなかつたかどうか。  それから物で貸す、あるいは金で貸す場合があるとすれば、こうしたものに対する基準はどういうところに置いて貸しておるのかということをお伺いいたしたい。  それからこの資金は農具とか肥料、家畜、住宅、あるいは共同施設、こういうものに貸し付けるようになつておると私は記憶しておるのであります。こうした開拓者に対する生活資金のめんどうはどういう方面で見てやるか。そうでないと、せつかくこれだけ貸し付けても開拓は成り立たないのではないか。それらが離農の原因になつて行くのではないか。もう一つ制度金融という形で貸し付けておるということを聞いておる。しかもこれが積立ての十二倍を貸し出しているということをいつておるのです。そうすると開拓資金は二本建で貸し付けられているわけですが、この二本建で貸し付けるのはよいのか悪いのか。あくまでもこの中金の制度というものは保持して行くのかどうか。こうした中金から貸し出される制度金融、あるいは融通法に基いた金融の末端の窓口はどこにあつて、どこでこれを取扱つておるのか。以上についてお伺いいたします。時間もありませんから一括してお答え願つてけつこうです。
  51. 大槻三郎

    ○大槻説明員 開拓者の離農して行く数はどうか、状況はどうかという御質問に対しましては、二十六年度末までに約二十万八千の入植者があつたわけでございますが、これが現在十四万五千戸まで減つておりまして、約六万二千戸ばかり離農しておるのでありますが、この離農は、開拓の初期時代の二十一年、二十二年の入植者に非常に多くあつたわけでございます。この離農した原因を見ますると、大体病弱者、それから転業者が非常に多くなりまして、経済情勢がいろいろかわつて来まして、以前に工場なり商業なりをやつていた人たちが元の職業に帰つたというのが非常に多いようになつております。  それから駐留軍関係の問題でありますが、二十七年度には、北海道四地区と内地三地区が駐留軍の方に接収されるということが決定いたしまして、その関係として二百四戸が離農して、新たに別の開拓地へ入ることになつております。これにつきましては、一定の基準によりまして、その今までおりました開拓地にいろいろ投資した額、あるいはそれによつて損害をこうむる額、こういうようなものを計算いたしまして、その額を補償することになつております。それでこの開拓者資金をその人たちに貸しておるわけでございますが、この二百四戸に対しましては、総額四百八十万円くらい貸しておる勘定になつております。これにつきましては、その一方離農して出て行く補償金のうちから一応返していただく。そうして新たに新しい土地へ入りましたならば、再出発といたしまして、新しい入植者として新たな貸付金を始めて行く。そうして、そこで経営の成り立つようにやつて行きたい、こういう方針で進んでおるのであります。それからのこの資金のうちに、物で貸しておるものがあるわけでございますが、これは昭和二十三年から実施いたしておりまして、その当時物の、特に農具あたりの入手が困難であつたこと、あるいは粗悪品がありましたので、こういうようなものを握らせないように、また確実についものを、握らすとこういうで、貸付額の約半分につきまして、物を引当てにこれを貸すことにいたしたのであります。それでこの物は、開拓者各個人が選定いたしまして、自分の地方で買うもの、あるいは中央に全開連というものがありますが、この方まで持つて行きまして買いつけるもの、これはもつぱら自主的にわけまして、その希望によつて、そういう方法をとらしておるのでございます。現在におきましては、これは非常に円滑に行われておるような状況でございます。それから生活の問題につきましては、開拓者の入りましたときに、そこの主たる経営者が病気をいたしましたとか、あるいはまた外地から主人公が帰つていないのにその家族が入植しておるというようなものがありますので、そういう生活の困窮しておる方々には、生活援護の方法で相当出していただいておるのが現状でございます。それからもう一つ開拓者には、この資金のほかに、開拓者が自主的に行つております信用基金制度というのがございます。この開拓者資金は、大体入植三年間に一定の全額を貸し付けますので、それ以後に今後貸付を受けなれなくなつた人たちが、みずから一定の金額を拠出いたしまして、それを積み立てまして、その信用で農林中金から金を借りる。それで開拓者自体が積み立てました約十倍程度のものを現在借りているような状況でございます。これは農林中金の窓口で貸すことになります。それから開拓者資金の国で行つておりますものは、全国に六つの農地事務局と北海道庁、こういうのがありまして、この方から直接に貸しております。大体そういうことであります。
  52. 小川豊明

    小川(豊)委員 もう一点だけお尋ねしたい。たとえば集団で組合とか何とかこういうもので借入れて、この中から、保安隊の演習場が必要だというので、たとえば二十戸の中から三戸なり四戸なりが離農しなければならないような場合がある。こういう集団で借りた金を今度返還する場合には、どういう計算方法でやられるのですか。
  53. 大槻三郎

    ○大槻説明員 集団のうちから数人が出て行く場合でございますが、私たちの方の資金は、大体組合を主に貸しているわけでございます。そこで出て行くと申しましても、組合の内部では、その人の借りた資金についての負担額というものはきまつているわけであります。この各個人の負担額というものを、一応組合の債務から個人の債務に切りかえまして、その切りかえた債務を持つて出るわけでございますが、その個人の切りかえられた債務について、一時償還をせしめる方法をとつております。
  54. 小川豊明

    小川(豊)委員 最近保安隊の用地は別として、各地でゴルフ場がつくられ、その土地に開拓者の場所を用意されているのですが、この場合、開拓者は自分の経営が非常に困難だから、相当の金がもらえれば、自分の土地を手放して、ほかへ転業して、これはゴルフ場にしてしまつてもいいというような意見が、現地に行くと相当あるのです。しかし私どもからいうと、その人が離農することは別として、農地は確保して行かなければならぬ、こういうふうに考えているわけですが、それに対して、本人が離農するならば、それはゴルフ場その他の施設、競技場等に持つてつていいかどうか、あなたの方ではどういうふうに考えておられるか。
  55. 大槻三郎

    ○大槻説明員 説明員からお答えするには少し問題が大きくなりますが、私の聞いております範囲としましては、そういう場合におきましても、駐留軍なりあるいは保安隊の場合に農地を活用するとか、一時使用とか、そういうような問題と同様に扱いまして、すべて個人の意思でそういうことが起りましても、それは取上げぬで、農林省が中央で直接それを裁断して決定するということに聞いております。
  56. 中崎敏

    中崎委員 タバコのことについて質問しますが、現在でもやみタバコが相当に横行しているように見受けられます。そのやみタバコの中で、国内においてつくられるものは少くて、大体駐留軍のものが相当の量を占めているものと思います。政府の方では、どの程度のものがやみタバコとして実際に取引されていると見ておられるか、大よその見当をお知らせ願います。
  57. 石田正

    石田説明員 私の方で推定しておりますのは、外国タバコが約十億本くらい国内に流れておるという推定をいたしております。
  58. 中崎敏

    中崎委員 外国タバコが国内に流れている、これについて一体どういう対策をとつておられますか。一つには、取締りの面から当然考えられるわけです。一つには、やはり一つのルートを通じて流れていると思うのですが、そういうようなものに対してどういう手を打つておられるか伺いたい。
  59. 石田正

    石田説明員 御案内のように、私どもの方に専売監規という取締り専門の職員がおりまして、これが全国に散在して、その取締りに従事いたしております。現在外国のやみタバコが流れまするルートは、ほとんど米軍の駐留基地から流れます。日本タバコが安ければ流れないのではないかという御意見もございまするけれども、実は駐留軍の兵隊たちがいろいろな、たとえば酒を飲むとか、遊ぶとか、そういう場合に、自分の持つている金がなくなつて参りますと、やみタバコを代償にして自分の娯楽の代価に供するというふうなことから一番流れて来るのでありまして、結局は元はそういう兵隊が——大体あれはそれぞれ一週間何カートンというふうに駐留軍部内で割当がございますが、いろいろ見おりますと、その割当以上に持ち出している傾向が多分にあるように思われます。もちろん外部へ出ましたものは、先ほど申し上げました専売監視というものが取締つておりますが、なおそれぞれ駐留軍の司令官、憲兵隊長、そういうものに直接こちらの方からいろいろ折衝をいたしまして、部内における取締り、あるいは法律においても、これは行政協定に基く法律でございますが、アメリカの軍がそれを日本人に流すということは違法であるという法律もございますので、そういう法律趣旨の徹底方、あるいは専売法、あるいはタバコ専売の意義の説明、そういういろいろな手を通じて協力を求めております。幸いにして駐留軍の幹部将校の人々はよく了解をしてくれまして、できるだけの協力をしてやるから遠慮なしに言つて来い、こういうことでございますので、いろいろな機会を通じて先方の協力を求め、なお地方の検察庁方面にお冒してもいろいろ御援助をいただきますので、そういう方面を通じ、あるいは警察方面、いろいろな手を通じて協力をお願いしている次第でございます。
  60. 中崎敏

    中崎委員 今の外国タバコに対する専売公社の方の態度については、一面においてはいいと思いますが、もう少し高いところから、ことに法律もあるのですし、それから国と国との関係といいますか、国家財政の面から見てもそうですし、また法律そのものを一面において何か空文化しておるというようなことはきわめて好ましくない事態でもあるので、もう少し外交折衝において——ただ地方的に行つてこれ懇請するとこういうでなしに、正々堂々と、もう少し国際問題といいますか、大きな角度からこれを取上げて行くというふうなことが必要ではないかということが一つ。ことにその際においては、たとえば割当以上に持ち出すということ、そこに大きな問題がある。しかも割当といつても十億本——われわれが見たのでは、全国的に見てもつと多いのじやないか、常時国内的にものんでいる人が多いのですから、十億本じやきかないのじやないかとちつとしろとの勘で見ておるのですが、いずれにしても相当の量です。そういうものが余分に割当られるというところに問題があると思う。割当外のものを持ち出されるところに問題がある。これらの問題を大きくとらえて、もう少し大所高所から交渉すべきだと私は考えております。  それからもう一つは値段の点ですが、たとえばラッキーのごときは、安いのは八十五円くらい、高いのは百三十円くらいで売られている。その間において一番多いのが百二十円見当ですが、百円見当で相当広く取引されておるのではないかと思うんだが、その際において、品質において今度売り出される富士、これは百二十円ですが、これまず対抗できる見通しを持つておるのか。値段の点において百円程度が多く流れる一つの基準だと思うのですが、そういうようなものに対して百二十円は少し高過ぎるのじやないか、こういうような感を持つているのですが、この点についてどうお考えになりますか。
  61. 石田正

    石田説明員 先ほど申し落しましたが、結局中央の方でもつと強力に取締りの点について折衝したらどうかという御趣意だと思います。これは外務省の方にもお願いしておりますし、なお行政協定の運用につきまして合同委員会というものができておりますが、そのルートにも乗せまして、その中央の方からの指令で地方のいろいろな駐留部隊を動かすという方向にいろいろお願いをして、手を打ちつつあるのでございます。なおそのほかにも機会がありますれば、そういう場合を利用したいと考えております。  それから後段の問題は、今度発売いたします富士の値段に関連があるのではないかと思いますが、これはアメリカタバコといささかつくり方の方式が違うのでございますけれども、品質においてはむしろアメリカのタバコよりもいいものである。先ほど申しましたように、単に値段が安いという点だけではなかなか抑圧しきれない問題でございまして、現に最近のピースが非常によくなつておりますために、アメリカの軍人たちでもピースを吸つておる人が大分ございます。そういう関係でございますので、一つにはただアメリカ・タバコであるがゆえに吸うというような面も多分にあるかと思うのでありますが、そういう意味合いにおきまして、もつと品質のいい、日本にも高級なタバコがあるんだというふうな意味合いにおきまして、原料も精選しておりますし、原料のコストの方から計算いたしますと、大体百二十円くらいになるわけでございます。現在私の方では、やみタバコ防遏の一つの方法といたしまして、アメリカの製造タバコを輸入して販売しております。これの値段は、二十本入り百三十円でございます。それよりも今申し上げましたようなことで自信はあるのでございますが、いささか遠慮をいたしまして、百三十円より安い百二十円にきめたような次第でございます。
  62. 中崎敏

    中崎委員 もう一つ伺いますが、やみタバコの問題は、これは酒の場合も同じなのですが、取締ることももちろん必要なのですが、ただ取締るだけではなかなか撲滅はもちろんできぬと思うのであります。そこで一つの宣伝ですね。外国タバコをあまり吸わないよう、もう少し国家観念を植えつけるといいますか、納税思想を植えつけるというか、いずれにしてももう少し国家に協力する、ことに財政の現状は、国家でやらければならぬ仕事が多々ある。そうした面において、宣伝費にある程度の金をかけて行くのも、わずかの費用で相当の効果も得られるんじやないかと思うのです。一体これはどういうふうに考えておられるか、この点についてお伺いしたい。
  63. 石田正

    石田説明員 私の方では宣伝については二種類考えておりまして、一つは販売宣伝、ただいまお話のありましたのを防犯宣伝と称しております。この方面にも相当金を使いまして宣伝をいたしております。ラジオを使い、ポスターを使うことが、宣伝カーを使うとか、やはり予算で動くものですから、私ども担当の者としてはもつと金がほしいのでありますけれども、内部でなかなか金がとれないものですから、とれた金はできるだけ有効に使うということで、お話のような御趣意に沿つて努力はいたします。
  64. 川野芳滿

    ○川野委員 ただいま議題なつておりまする法案国有林野事業特別会計法の一部を改正する法律案開拓者資金融通特別会計において貸付金の財源に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案漁船保険特別会計における漁船保険事業について生じた損失を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案製造たばこの定価の決定又は改定に関する法律の一部を改正する法律案解散団体財産収入金特別会計法を廃止する法律案アルコール専売事業特別会計法の一部を改正する法律案及び製塩施設法の一部を改正する法律案の七法案につきましては、質疑も大体尽されたと思われますので、この際質疑を打切り、討論を省略し、採決に入らんことを望みます。
  65. 奧村又十郎

    奧村委員長 ただいまの川野芳滿君の動議ごとく決定するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  66. 奧村又十郎

    奧村委員長 御異議ないようでありますから、ただいまの川野芳滿君の動議のごとく、国有林野事業特別会計法の一部を改正する法律案開拓者資金融通特別会計において貸付金の財源に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案漁船保険特別会計における漁船保険事業について生じた損失を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案製造たばこの定価の決定又は改定に関する法律の一部を改正する法律案解散団体財産収入金特別会計法を廃止する法律案アルコール専売事業特別会計法の一部を改正する法律案及び製塩施設法の一部を改正する法従案の七案につきましては、以上をもつて質疑を打切り、討論を省略して、これよりただちに採決に入ることといたします。まず国有林野事業特別会計法の一部を改正する法従案、開拓資金融通特別会計ににおいて貸付金の財源に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案及び漁船保険特別会計における漁船保険事業について生じた損失を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法従案の三案を一括議題として採決いたします。  右三案をいずれも原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を願います。     〔総員起立〕
  67. 奧村又十郎

    奧村委員長 起立総員。よつて右三案は、いずれも原案の通り可決いたしました。  次に製造たばこの定価の決定又は改定に関する法律の一部を改正する法律案及び製塩施設法の一部を改正する法律案の両案を一括議題として採決いたします。  右両案をいずれも原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を願います。     〔総員起立〕
  68. 奧村又十郎

    奧村委員長 起立総員。よつて右両案は、いずれも原案の通り可決いたしました。  次に、解散団体財産収入金特別会計法を廃止する法律案及びアルコール専売事業特別会計法の一部を改正する法律案の両案を一括議題として採決いたします。  右両案をいずれも原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を願います。   (総員起立〕
  69. 奧村又十郎

    奧村委員長 起立総員。よつて右両案は、いずれも原案の通り可決いたしました。  なおただいま可決いたしました七法案に関する報告書の作成並びに提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じます。  次会は公報をもつてお知らせいたします。  本日はこれをもつて散会いたします。     午後零時十二分散会