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渡辺(喜)
政府委員 農村方面に対しまして配給しておりました配給酒は、一時二十五万石
程度配給していたことがございます。その五十一万石といつのはその他の部分も入
つているのではないかというふうに
考えております。鉱山とかいろいろな方面に一時大分配給しておりました。それで現在
考えておりますのは大体十五万石。最近の経済
状況の変遷に対しまして、大体その
中心は農村で農村以外につきまして特に配給酒を配給する必要はだんだん薄れて来て、ほとんどないのじやないかというふうに
考えております。一時酒が非常にきゆうくつでございまして、
一般に配給すると同時に自由販売酒で片方に出す、そのかわりある特定の人たちには特配のかつこうで配給酒を出すという事態がずつと行われて来たのであります。最近だんだんいわゆる配給の制度もなくな
つて参りまして、酒につきましても、特別な配給制度はなくな
つて来たというような時代でございますが、この面につきましても、そう多くを期待する必要はない。しかしやはり農村方面につきましては、相当の配給酒をまわした方が密造対策とかいろいろな面から見ましてもよかろうというので、本年におきましても多少減
つてはいますが、なお十六万石
程度を予定しているわけであります。
なお価格の問題でございますが、価格の問題につきましてはいろいろな変遷がございまして、当初は、片方においては何と申しましてもインフレに対抗しまして物価をできるだけ安定させようという
考え方で、ずつと配給酒の値段を押えて来た。しかしその後少しゆとりが出ましたので自由販売酒を出そう。その場合にいわゆるやみ酒の値段を元にしまして、自由販売酒の方につきましてそのくらい
税金でと
つて行くということでや
つて参りましたために、自由販売酒と配給酒の幅が相当広か
つた時代がございます。しかしやみ酒と普通の酒というものが差が大体なくな
つて参りまして、全体自由販売酒に
なつたという時期におきまして、配給酒としてどのくらいの価格が適当かという点につきましていろいろ
検討し直してみる必要があろうかと思
つておりますが、そのような
関係で、
減税の機会におきましても、今までは加算税についても相当減じて来て、それで配給酒と自由販売酒との開きが減
つて来たというわけでございます。今度はその加算
税制度もやめたわけですが、大体の見当としましては、現在の一本にしました税率につきまして、清酒とビール等につきましては大体三割、しようちゆうについては二割を引いたのを配給酒の税率に盛
つたわけでございます。しかしこれは従来の配給酒だけにと
つての税率に比べますと、いずれも三割ないし三割四分引下
つたことにな
つております。
一般酒におきましては、清酒二級で二割二分四厘とか、しようちゆうについては三割とかいうようなことで、これは
一般の酒ですから、加算税、基本税を加えたところにおきまして二割二分四厘、三割。配給酒の場合におきましては、配給酒だけと
つた場合は大体従来の
税金に比べまして三割一分から三割四分くらいかと思いますが、そのくらいの引下げをしているわけでありまして、コストにつきましては、配給酒にしましても自由販売酒というか、普通の酒にしましても違いがないのですから、酒の値段全体を見てみますと、開きが縮ま
つて来ているような
傾向にな
つております。税率としましては相当慎重に
考慮しまして、配給酒につきましても相当の幅の引下げをしたというつもりでございます。