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宮幡委員 酒税の問題については私は長官と少し
考え方が違う。もちろん需給の均衡がとれない場合に設けた
価格制度であるということは、
議論のないところであります。しかし御
指摘のありました
最低マル公
制度が
税金の中に食い込んで売るということ
自体を防遇するということで、最良の
方法だと私は信じておる。
従つて下級酒に対しますものは、
主税局長も御考案があるように、相当の酒税の減税を行いまして、そしてその酒の中に食い込みます税の
負担を軽くしつつ、それを売りくずさないように、小醸造家あるいは下級醸造家等を保護して行くという時代だろうと思う。これによ
つて密造の防止もできます。一方高級酒の方は問題ないのであります。別にわくを置く必要はない。どちらかと申しますと、かりに白鷹なりあるいは加茂鶴なり、そういうものを三越や白木屋、その他のデパートへ持
つて行
つて売りますと、一升二千円、三千円で売れるのですから、こういうものを押えておく必要はさらにない。こういうものは売れるなら売れてよろいし。それよりもほんとうに大衆のほしい二級酒と申しますか、そのような方面におきましては減税をいたす、そして経営を無視し、採算を無視した投げ売り等をいたさないように心して行
つてこそ、われわれの方で常に心配しております密造酒の防止ということができるのではなかろうかと思うのであります。従いまして、今日ここでこの結論を出すということは無理な話でありまして、われわれの
考え方がそういう方向に向
つているということも長官お含みの上に、最高マル公というものはと
つてしま
つた方がいい、そして
最低マル公で、
税金に食い込んでまでダンピングをやるというような経営、これはおおむね小規模経営でありますが、そういう酒屋の経営を救
つてやるということをも考慮に加えられて、どうか御検討いただきたいというのが私の要旨でもります。きようだだちにこの結論を出そうというのではありません。しかし大蔵
当局としましては、酒税も若干引下げたいという御希望の御構想であることを承りまして、当面はこれは満足すべきであろう、かように
考えている次第であります。
次は、これはごく簡単なことでありますが、世間で非常にやかましていわれておりますので、一応御
意見だけ承
つておきます。
日本が戦争中外国の技術から遅れまして、産業の合理化をし、いよいよも
つて日本の良質廉価の商品をつくり、国際社会へ乗り出しまして、
経済外交において平和的勝利をかち得なければならない時代となりました。新聞、ラジオ等で報道されております
通り、英連邦の首相
会議におきましても、まさに日英間の競争ははげしくな
つて来るはずであります。ともすれば
日本が東南アジア地域におきましても、あるいはその他の
日本市場はもちろんのこと、あらゆる地域におきまして英米連繋の資本力、あるいは
経済抗争のもとに屈服しなければならないという心配を持つような事態とな
つて参りました。このときにおきまして、われわれの方はいわゆる良質廉価、低コストの商品をつくり出しましてこの競争に勝ち抜く以外ありません。もちろんプレトン・ウツズ協定を基本といたします以外、それぞれのお互いの不正競争を防止する手段はありませんが、プレトン・ウツズ協定なるものもすでに陳腐いたしましてことによりますと、これも
考え直さなければならないような状態になる。ガツトの協定からもイギリスは抜けたいと叫んでいる。つく
つた本尊がか
つてにやめるというまでの意思がうかがわれます以上、われわれは容易にこれを見のがすことはできません。われわれは進んだ技術を導入いたしまして、これによりまして
日本の技術の改善向上、同時に良質廉価の製品をつくり上げることに苦心しなければなりません。その場合におきまして、外国の特許の使用料に対します
課税は、本年の四月一日でありましたか、一応その使用料に対しまして一〇%
程度の
課税をすることにいたしましたが、当時の
実情は、ただいま私が概要申し述べましたような
日本の
実情から、遅れた
日本の設備を動かし出すためにというので、保護的な
意味で、当分の間と申しますか、本年の十二月三十一日まで税をかけないことにいたしました。もちろん租税協定等が成立いたしますれば、発生地において
課税されましたものは、その所有権者が外地でありますならば、その方において差引き
計算されることは理論上当然であります。しかしまだこの租税協定さえもできておりません。イタリアあるいは西ドイツ、イギリス等といつ通商航海条約が完成し、そしてこれに伴います
日本との租税協定ができ上るかということは、希望としては申し上げられましても、的確なる
意見は出ていない
実情でございます。こういうときにおきまして、この十二月三十一日をそのままに過しまして一〇%の
課税が行われるようになりますれば、これはむしろ
日本の必要なる技術の導入を阻止する
制度となると思います。特に今契約をいたしております特許権の使用契約等を見ますと、おおむね
日本業者の
負担となります。理論的に相手国で引いてくれましても、租税の方式が違います。イギリスのごときは、私も十分調べておるいとまがありませんが、必ずしも発生地
課税主義をと
つておりません。こういうようなものは、租税協定ができましても、必ずしも差引かれるというようなことは
考えられない。アメリカにいたしましても、もしその会社が利益がなか
つたなら差引かないという
実情であろうと
考えます。これらを勘案いたしまして、ぜひともこの際
日本の産業の合理化を保護育成する
意味におきまして、さらに一箇年
程度一〇%
課税を免除すべきであると
考えておりますが、どういうふうにお
考えにな
つておるか、御
意見を承りたいと思います。