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1953-02-17 第15回国会 衆議院 水産委員会 第20号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年二月十七日(火曜日)     午前十時五十九分開議  出席委員    委員長 福永 一臣君    理事 田口長治郎君 理事 山中日露史君       宇都宮徳馬君   甲斐中文治郎君       川村善八郎君    薄田 美朝君       椎熊 三郎君    白浜 仁吉君       中村庸一郎君    杉山元治郎君       辻  文雄君    赤路 友藏君       大橋 忠一君  出席政府委員         海上保安庁長官 山口  傳君  委員外出席者         外務事務官         (アジア局第二         課長)     廣田しげる君         大蔵事務官   山下 元利君         農林事務官         (水産庁次長) 岡井 正男君         農 林 技 官 黒田 竹彌君         海上保安官         (警備救難部公         安課長)    高見 正夫君         海上保安官         (第八管区本部         長)      池端 鉄郎君         参  考  人         (糀谷漁業協同         組合長)    松原 茂一君         専  門  員 杉浦 保吉君         専  門  員 徳久 三種君     ――――――――――――― 二月十七日  委員横川重次君辞任につき、その補欠として小  笠原三九郎君が議長の指名で委員に選任された。     ――――――――――――― 二月十六日  斜里漁港修築に関する請願高倉定助紹介)  (第一九四三号)  津波による水産施設災害復旧助成確立に関す  る請願只野直三郎紹介)(第一九四四号) の審査を本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  参考人招致に関する件  海苔養殖事業に関する件  朝鮮半島周辺公海漁業に関する件     ―――――――――――――
  2. 福永一臣

    福永委員長 これより会議を開きます。  海苔養殖事業に関する件について議事を進めます。  前回の委員会におきまして、参考人一名を招致し、東京湾内におけるのり業不作について、その実情を聴取することにいたしましたが、本日その参考人として糀谷漁業協同組合長松原茂一君のおいでを願つた次第であります。参考人は御多用中にもかかわらず御出席をいただき、厚く御礼を申し上げます。  それではただいまから参考人より被害実情を承ることにいたします。松原茂一君。
  3. 松原茂一

    松原参考人 本日水産常任委員会におきまして、のり漁業について私参考人としてお招きにあずかりまして、まことにありがたく厚く御礼を申し上げます。ことしののり作柄について一言申し上げたいと存じます。  その前に先般防潜網の関係におきまして、水産常任委員の諸先生にいろいろ御配慮にあずかりまして、多大の見舞金をいただきましたことをこの機会に厚く御礼を申し上げます。  今年度ののり作柄は極端な凶作でありまして、これは何によるかと申しますと、大体十一月中旬から十二月末にかけまして無風状態が続いたために、のりに最も悪いもやの連続発生となり、水温従つて上昇するし、それに加えて最近非常に水質が悪くなつて来ておる関係で、諸種の病原菌の発生とかいうようなわけで、ほとんど悪条件の累積といいましようか、それがために東京湾内のりはほとんど枯れて、死んでしまつたのであります。われわれのり専業といたしまして、四十年来これにたずさわつておりますが、いまだかつてない凶作に遭遇したような状況であります。ゆえに東京管区で大体五百五十万坪に及ぶのり養殖場はほとんど全滅し、のり専業とする二千五百世帯からなるのり養殖業者は日々憂慮し、苦慮し続け、中には気の狂つた者さえ出、または自殺者も出したというような悲惨な状況にあるのであります。  のり養殖業者は非常に資本を要するものでありまして、資本収穫の大体五割を要する業態でありまして、昨年度、内湾ののり養殖場に投じた資本は推定約四億五千万というような資本を投じたのでありますが、これが収穫はほとんど一割にひとしいというような状況で、仕入れ資金の借金の返済はおろか、その日に食うことさえ困つておるような実情であります。  以上のような実情でありますので、われわれの親と頼む水産常任委員の諸先生には、ぜひこの実情をよく御調査願つて、これに対するいろいろな救済方法を講じていただきたいことをこの機会にお願い申し上げる次第であります。
  4. 福永一臣

    福永委員長 質問の通告があります。赤路友藏君。
  5. 赤路友藏

    赤路委員 参考人ちよつとお尋ねしたいと思うのです。ただいま東京湾内のり不作原因について御説明願つたわけなんですが、少し簡単過ぎるように思うので、私の方からお尋ねしたいと思うのであります。  十一月の中旬から十二月にかけて無風状態であつて、もやの連続発生従つて水温も上昇した、加えるに水質が非常に悪くなつたために枯れて死んだものが非常に多い、こういうようなことなんです。この東京湾内相当数漁場があるわけですが、私の方の調査によりますと、羽田ではやはり一日に千枚もしくは二千枚上げておるし、それから千葉県の方の状態を見てみましても、千葉県の方も検見川であるとか幕張の方ではやはり千枚、二千枚を上げておるという実情であつて、必ずしも水温の上昇あるいは海況だけによつてこの不作の実態が来たのだとは考えられない。もし水温状況あるいはそういうような海況だけが不作原因でありとすれば、東京湾内全般にわたつてそういうような状態発生しなければならないはずだ、かように私は考える。ところがある地区においては昨年同様あるいはより以上の収穫を上げて、ある地区のみがこういうような状態になつておるということになれば、何らかそこにまだ他の原因がなければならぬと思うが、そういう点について参考人の方の考え方をお聞きしたい。
  6. 松原茂一

    松原参考人 お答え申し上げます。今のお尋ね実情をよくお調べにならないからそういう御意見が出るのじやないかとも思われるのですが、今のいいというところは大体州の突端だけなんです。ほんのわずかにすぎない。現在東京湾実情というものは、江戸川じりから多摩川じりの間で羽田州の一番の突端だけがちよつびりいいだけのことにすぎない。他の浦の状況から推しますと、わずかのような状況でありますので、私はそれらの原因がおもなる原因をなしたのじやかということを申し上げたのであります。
  7. 赤路友藏

    赤路委員 ただいま参考人の話では、突端だけだということですが、千葉県側の方は端の方が悪くて奥の方が収穫が上つているように見えておるわけなんです。東京側の方は突端がよくて奥の方が悪い。もちろんおつしやるように、その実地を見せていただいて、その実地を見た上でいろいろと実情についての知識を得たいと思います。  それではその点はおきまして、もう一点お尋ねいたしますが、大体昨年度の建込み数と本年度の建込み数に相違はないかどうか、この点ちよつとお聞きしたいと思います。
  8. 松原茂一

    松原参考人 お答えします。大体昨年度より二、三割方建込みがふえておるのではないかということが想像されます。  なお、先ほどお尋ねのうちに、何か他に原因がありはしないかというお尋ねがあつたと思いますので、一言つけ加えておきますが、大体そんな関係密植原因一つになつていやしないかということを申し上げておきます。
  9. 赤路友藏

    赤路委員 ただいま参考人の方から密植もその一つ原因でなかつたかというようなお話があつたのですが、その点千葉県側の方を見ましても、建込みはふえてない、しかも二十五年度より漸次低下しておる面では、あまり大きな被害もなく、腐れがあつたとしても、案外立直りが早くなつておるようであります。二、三割建込みが昨年度よりもふえたということになりますと、昨年度の海況状況その他は一応順調であつた。特に本年はそういうような海況状況等に非常に支配されたことはありますが、建込みが非常に密植しておつた。このことは本年のこの胞子のつき方が非常に順調であつたので、人情として自然種のつけがいいんだから、建込みの場合それが増加するということは無理のないことだと思うが、そのことのために成長期における栄養塩分吸収率が悪くなつたんだというような原因がかりにあるとするならば、将来これは非常に考えなければならぬことだと思います。東京湾の本年のこののり不作について、海況状況あるいは天気のかげんによつて不作であつたんだが、これが不作であつたということだけで、何ら将来に対する手の打ち方と申しますか、業者自体が反省を行わなければ、来年も再来年も再びこういう現象が起ることを考慮しなければならないだろうということを殖田博士はおつしやつておるようであります。さような面から考えて参りますと、一応この不作原因の中に、建込みが多かつた密植し過ぎたという原因が、相当大きなウエートを持つておるんじやないかと思う。かような点で業者側の方でも将来考えなければいけない。それとともに管理の面において、十分な手が尽されておるかどうか。建込みが非常に多くなつたために、成長期においてしかも成熟した場合、これを手入れすることなく放置しておつて腐れに導いたようなことはないかどうか、その点お尋ねしたい。
  10. 松原茂一

    松原参考人 今のお尋ねは、密植について今後の対策考えておるかという点ですが、最近のりについても非常に業者研究心が強くなつておる関係で、今年はあらゆる方法、手段を尽したわけです。もうすでにいろいろ会議をいたしまして、今後の対策については業者みずからが十分に考えて反省して、この二の舞は繰返さないようにという考えで進んでおります。そこで今先生は、密植相当大きな原因をなしておるんじやないかということがうかがわれるとおつしやいましたが、それが非常におかしな点があるわけです。一番密植しているところが一回でも二回でもとれた。それで現在まだ一枚もとれないところを比較的、相対的からにらんだ場合には密植してないのです。そういうところが一枚もとれないというところを考えますと、これは密植が主たる原因でないことがはつきりうかがわれて、密植も一部の原因をなしておるんじやないかという考えも持てるわけです。
  11. 赤路友藏

    赤路委員 これに関連して水産庁の方へお尋ねします、のりの作付に対して水産庁は今年どういうような指導をされたか、その点をちよつとお尋ねしたいと思います。
  12. 黒田竹彌

    黒田説明員 予算的の補助金その他のものはございませんが、大体各県の水産試験場指導しまして、養殖についてそれぞれ適正な方法をやるように技術的には指導しております。それから今の密植の問題でございますが、これは漁業制度改革によりましてそれぞれ各県に漁場をきめさせまして、それによつて適当なひび建をするようにいたしたいと思います。
  13. 赤路友藏

    赤路委員 ただいまは指導のあり方を聞いてみたのですが、はつきりせぬのです。もうその点はおきまして、水産庁の方で、本年の東京湾のり不作についての原因は那辺にあると考えておられるか、その点をお尋ねしたい。
  14. 黒田竹彌

    黒田説明員 今各県にも照会しておりますが、大体今松原さんの言われたのは、東京試験場調査を主体にして考えておられるのだと思いますが、非常にむずかしい問題でございましてはつきりした原因はまだつかめておりませんが、今後なお私どもの方の水研も協力して調査するようにいたしますが、大体今私どもの方に入つている情報によりますと、東京都が一番悪いようであります。千葉は大体平年の五〇%ぐらい、東京は今約一〇%とおつしやいましたが、はつきりしませんが、一〇%から二〇%ぐらい、それから神奈川は多少いいようでございます。これもまちまちでよくわかりませんが、五〇%ぐらいじやないかと思われます。東京都が特に悪い原因は、東京都は湾奥でございまして、海流の疎通が非常に悪いという点もあると思いますが、先ほども言われましたように、十一月ごろ水温が非常に高かつた、そのせめてもやが多かつたことは確かでございますが、霧が多いということは学者間の意見でもありますように、特に東京都のように煙の多いところは、それの中に含まれておりますごみとかそういうものが霧によつてのりに付着しまして、のりをいためるという事実は、過去においても相当大きな被害があつた例がございます。今年のもやについても、そういう被害があつたものと思われます。それから水温の問題でございます。確かに高水温相当続いておりますが、最近一、二月においては、例年とそうかわりありませんので、初期の高温が影響しておるのじやないか、そういうふうに思われます。それから普通一般にいわれております赤腐れという状態相当出ているようでございますが、これは病的なものと、病的でない場合と二つありまして、両方の影響が出ております。これは技術的にも、大量に出た場合にはちよつと避けられないので、それぞれ初期の場合には、各業者の方も処置をとつておられると思いますが、今年は相当大きく出ているように思われます。  最後に、松原さんも言われておりました密植の問題でございます。これはたまたま非常に海況のよい場合は、相当密植をしても生産が上ると思いますが、不在のように、いろいろの条件が非常に悪くなつた場合に、密植の場合、非常に影響が大きく現われて来るという問題があるのでございます。この問題は、今年の結果によりまして、東京都の業者の方も、相当考えておられると思います。のりで生活しておられる方がたくさんおりまして、漁場が狭いということは、大きな問題でございますが、少い水面にたくさんの金をかけて、生産をあげようとして、かえつて悪い結果を起すということは、国家的に見ても不利益な問題でございますから、今後この点は十分指導いたしまして、適正なひび建をするようにやりたいと思います。そのほかに技術的にも、この問題は、結局水の疎通が悪いという問題もありますので、将来はみぞをつくつて流れをよくするとか、あるいは最近やつておりますように、漁場を耕しまして、下の栄養分を早く分解させるというような、技術的に解決できる方法もできるだけとりまして今後ののりの問題について努力したいと思います。それからとりあえずの問題といたしましては、私ども考えといたしましては、特に技術的の問題と、耕耘とか流水とか、そういう方法を講じておりますので、その他の方法につきましては、次長からお答え願いたいと考えております。
  15. 赤路友藏

    赤路委員 大体わかりましたので、あとは実際に当つて見さしていただいた上でと思いますが、その前に、長官がお見えになつておりませんので、次長さんにひとつお尋ねしておきたいと思います。東京湾内のり不作ということは、今日業者の方々から議会にまで持ち出されて、何とかこれに対し対策を講じてもらいたいというような問題にまで発展して来ておるのですが、この状況が、今まで水産庁の方でおわかりになつておらなかつたということはないはずだと、私は考えます。従つて、それの原因等につきましては、いろいろ技術的な操作その他があつて、なかなか研究結果と申しますか、原因のよつて来るところを調べるということは、むずかしいといたしましても、こういう原因によるのだ、あるいは千葉地区においてはこうなんだ、羽田地区においてはこうなんだ、糀谷地区においてはこうなんだと、大別した地区別状況等は、もう今日はわかつていなければならぬはずだと私は考える。それが全然わかつていない。大体この程度であるんだというような状態にあるということは、あまりにもこれに対する関心がにぶくないか。もつと積極的に、当然なさるべきであつたのではないか。今日の限られた予算のわく内において、御無理な点はあろうかと思いますが、こういう状態に対しては、何とか総力をあげて、水大なり、試験場なり、あるいは都の研究所の技術員なりを動員して、これに対する原因の探求を一日も早くして、対策を立てて行くということでなければ、今の状態で行けば、われわれしろうとが見て、話を聞いただけで、ただちに結論が出るものでもないと思う。これは当然技術的にも、科学的にも、各般の権威者の見解なり、あるいはそのよつて来る原因というものが判明されなければならない。こういう点において、非常に手抜かりがあつたのではないかと思いますが、今後、これに対してどういうような措置をおとりになるつもりであるのか、その点をお聞きしたい。
  16. 岡井正男

    岡井説明員 決して責任転嫁をしたり、言いのがれをする意味でお答えをするのでございませんが、たまたま東京湾のりというものが、投資の額にいたしましても四億円を越え、全国的に、のり名産地区であるということから、今回の問題が非常に大きく取上げられるわけでありますが、広島ののりにいたしましても、あるいは愛媛の西条のりにいたしましても、その他ローカルなのり養殖場としては、過去においても、この種と同じように、ある場合には非常に不作で困つたというようなケースが、今までも出ておるわけであります。こういう場合の、今までのやり方あるいは対策につきましては、国が乗り出す前に、各府県の試験場中心となりまして、まず試験場が、それらの原因をつぶさに究明して行く。そうして全国の場長会議などにこれを持ち出されまして、基本的な技術指導とか、あるいはそれらに対する技術面からの対策を、国の方で総体的に、基本的な問題を取上げて考えるというような行き方を、従来しておつたわけであります。貝類にいたしましてもその通りであります。しかしながら、赤路委員が御指摘になりましたように、相当大きな問題でございますので、今後は、国が持つ機関のどこかを中心点にいたしまして、被害該当地区試験場の各データも集めるし、それから関係業者意見も十二分に聞きまして、こういうことの事前防止方法がありはしないかというような点、また行政措置といたしましては、将来これらに対して合法的な予算面で若干でも業者の悲しみを薄くするような策があるかないかというような、この二点につきまして、誠意をもつて今後研究いたしたい、さように考えております。
  17. 宇都宮徳馬

    宇都宮委員 ただいま参考人より東京湾内のり不作の著しい事情が陳述されたわけでございます。それに対して赤路委員から質問があり、また水産庁当局からもお答えがあつたわけでございます。いろいろのり不作について原因もございましようけれども、その現実が非常にはなはだしいわけであります。それについてただいま水産庁次長から、いろいろ対策についてのお話がございましたが、私はやや具体的に御質問申し上げたい、こう存じます。  御承知の通りのり業者は農民と同様に、年に一回の天産物の収穫で生きておるのであります。そうしてその収穫が、ことしは東京湾の付近におきましては、特に大森・品川の沿岸においては一割にも満たない、こういう状態でございますから、非常に困窮しております。現在は来年の資金の一部をなす若干の蓄積資金を使つて生きておるという状態でございまするが、そういう蓄積のない者は、非常に悲惨な状態に現に陥つて来ておる。先ほどお話がありましたが、自殺する者であるとか、あるいはまた発狂する者、こういう者が出ておる状況でございます。このまま放置しておきますると二、三箇月後には見るに忍びないような状態になるということは、火を見るよりも明らかでございます。そこで、この東京湾内のり業者が何ゆえ特に困窮するのかと申しますると、これは普通の漁民と違いまして、年一回の収穫にたよるということでございまするが、それ以外に普通の、他の地域ののり業者ですと、副業があります。あるいは農業をやつておる、あるいはまた他の漁業をやつておるというような副業があるのでございまするが、東京湾内の、特に東京都の漁民は、ほとんど副業を持つていない漁民でございますから、のり一本で生きておる。これの収穫が一割にも満たぬということになりますると、非常に重大な結果が来るわけでございます。この点をまずお考え願つて救済策考えていただきたい、こう存じます。  先ほどこの不作原因について、いろいろ言われたわけでございますが、たとえば密植、多少漁業者責任のあるような密植というようなことも原因一つである、こう言われましたけれども、しかしながら今度の、ほとんど未聞ともいうべき不作原因は、何と申しましても温暖、無風という特別な、ほんとうの気候のせいでございますが、一種天災でございます。この天災に対しましては、農作物の場合ですと、相当救済措置がとられておりますが、のりのような場合には、ほとんど今まで考えられておらぬのでございます。最近でありましたが、たとえばカムチヤツカの地震による災害に対しては、相当救済措置がとられたというようなわけで、漁業天災的な損害に対して、今後この問題のみならず、一般的に相当救済する措置をとるお考えがあるかどうか、これを水産庁長官に御質問申し上げます。  それから特に今次の不作が非常に深刻になつた原因といたしましては、もちろん天災である温暖、無風、こういう一種の静かなる天災でございますが、この天災原因でございますけれども、それと同時に東京湾内の水が非常に汚濁しておる。工場汚水あるいは家庭汚水、そういう汚水が無処理で、しかも無秩序に大量に湾内に流れておるというために、この天災が加重されておるという事情があるわけでございます。水産資源保護法において、いろいろ汚水に対する対策もあるわけでございまするが、実効はきわめてない、こういう状態でございまするが、この状態をこのまま放置いたしますると、日本の、ことに海岸線の多い、水産資源に富む沿岸というものは、今後東京湾内のり業のみならず、一般に荒されるおそれが非常に強いのでございまするが、この点についての水産庁対策を御質問申し上げたいと存じます。  またここに国税庁の当局もおられるようでありまするが、今次の天災による減収は非常に極端であります。つまり普通の収穫の一割にも満たない、こういう状態でございまするから、これについて減税その他の措置考え得るかどうか、御研究願えるかどうか、この点も御質問申し上げたいと存じます。  それから密植の問題でございます。ここに水産庁の技術的な関係の方もおられるようでございまするが、密植は確かによくないのでございますけれども、しかしながら密植原因になる事情があるわけであります。それは漁場が非常に画一的に小さくわけられておつてのりで大家族を養つておるというような人たちは、現在の漁場のわけ方では生きて行けないというので密植をするとか、区域外にさくを立てるということをやつているようでありますが、これについて新たな漁場を探すとかいうような根本的な対策があるかどうか、この点も御質問申し上げます。
  18. 岡井正男

    岡井説明員 宇都宮委員からの御質問しごくごもつともな点が多いのでございましてまず第一の災害対策として、農業方面では相当国の方で、この種のものについては援助の手を差延べているじやないか、農業近似点の多い漁業に対してないのはおかしいという点でございまして、しごく、ごもつともでございまするが、漁業については、御指摘のり漁業あるいは貝の養殖漁業というような、沿岸に接壌してやる漁業につきましては、主として養殖漁業でございまするが、この種のものはむしろ農業に非常に近いわけでございまして、こういうものたけを別に坂出して考えるというような行き方でございますならば、若干大蔵当局との折衝もしやすいんじやないかという気はするのでございます。さりながら、漁業災害として非常に問題になり、大きくとり上げられている問題は、むしろ沖合いあるいは近海におけるその他の、いわゆる漁撈に該当する漁業でございまするが、それらについても、全財産を漁業資本資材として投入しており、しかも資材も船も人もぽかつと行つてしまうというような問題についても、水産庁といたしましては何らかこれらを助けてやりたい、現在のところわずかに漁業保険という形だけで、災害についての漁業に対する国の救いの手は延ばされていないじやないかというような点がございまするがゆえに、総体的に研究をいたしております。非常にむずかしい問題でございます。なおむずかしいからというて、決して投げやりにはいたしておりません。なるべく早くこれらを何とかして形づけて、全国の漁民層からなるほどと言われるような点を見出したいと、苦慮いたしております。なおその一つの割合割切りやすいように思われる点については、急速に研究いたしたいと応じます。  二番目の水質汚濁関係につきましてもごもつともな御質問でございますが、現在の法規によりますれば、これを完全に割切つてしまう、だめを詰めてしまうというようにあの法律規則が非常に強いものでもございませんので、この点も悩みは持つております。しかし目下開催中の全国の水産研究所長会議でも、昨日、今日、水質汚濁の問題は大きく取上げられまして、全国的の問題となつております。今東京でも問題になつておりますが、同様に大阪でも問題になるし、瀬戸内海の工場櫛比の地区では特に問題が大きいのでございまして、これらについて、何とかそういう研究者から見た水質汚濁の問題を解決する方法はないか。従つてそれらの基礎研究のデータをもつて予算の裏打ちにして行くとか、何とかの形を整えたいというので、これも今研究しておる問題でございます。  密植の問題に関連いたしまして、新漁場を見つけたらどうだという質問でございますが、現在漁業法が新しく発足しまして以来、新漁場の開拓につきましても、関係府県間の漁業調整委員会との関係がございまして、かりに東京都が狭過ぎるからといいましても、他府県の方への漁場の進出というのは、各府県間の漁業連合会の円満な話合いがつくということを前提にして考えられる問題でございまして、今私の方で一存的に新漁場を見つけまして、国の方で強力にこれを引きさいて、ただちに困つたところへお上げするような簡単な方法があるかといいますと、その点は非常にむずかしい問題でございます。しかし、むずかしいといいましても、なおこれらはお互いさまでございますので、相対的、共通的にいい漁場が見つかるということでございますならば、何とか適当な方法があろうと存じます。以上であります。
  19. 山下元利

    ○山下説明員 ただいまの御質問お答え申し上げます。所得税課長がただいま公務出張中でございますので、私がかわつてお答えいたすのでございます。申訳ございませんが、よろしく御了承をお願いいたします。  ただいまいろいろ御審議を承つておりますると、東京湾のりが例年にない不作だそうでございまして、国税庁といたしましても、さつそくに東京国税局及びその管下該当の税務署につきましてよく実情調査いたしまして、本年分の所得金額の算定につきましては、十分実情を反映いたしたいと思つておる次第でございます。ちようどこの二月十六日から確定申告の期間にも入りまするし、事は早急を要すると思いまするので、さつそくその点につきましては調査いたしまして、適正な課税を取運びたいと思つております。以上お答え申し上げます。
  20. 川村善八郎

    ○川村(善)委員 ただいま参考人から、東京湾におけるのり漁業者の非常な不幸、いわゆる不作のために二千五百世帯が窮乏に瀕しておるというお話を承りましたが、私も漁業者の立場から見ましてまことに同情にたえないのでございます。われわれ水産委員会といたしましても、何とか救済の道を講じてやらなければならない、かように考えておるわけでございます。そこで参考人が大体三つの不作原因をあげておられますが、私は北海道の者でございますが、私の付近にのり漁業者がおりますので、この三つの原因中二つは納得の行く点があるのでございます。そこで気候の変化によるいわゆる潮流の関係で、非常に温度が上昇したということについてでございますが、――私の付近に北海道の松前郡という所がございます。松前城のある所でございまして、北海道としては古跡的に有名な所でございますが、この方面の漁師の方々の御意見を承りますと、寒い年はのりが豊作だ、こう言つております。いろいろこのことについて私らも研究してみますると、寒いときにはどうしてもしけが多い。しけが多いのであるから、干潮時におきまするのり床についたのりに対して、波が荒ければ波で常にのりの栄養分を送るということ、     〔委員長退席、田口委員長代理着席〕 それからさらに、空気中にありますところの有害なものを洗いとるといつたようなことで、その年は豊作になると言つております。  それからもう一つ水質汚濁の問題でございますが、これは噴火湾に例がございます。金山の盛んなときに、金山から流す汚濁のために、こんぶを初めとしてのり等が皆無になつた実例がございます。そこで私たち噴火湾の漁民が一丸となつて水質汚濁に対する問題を取上げて、ついに損害賠償をとつたという例がございます。従りて東京湾等の問題を考えましても、噴火湾よりは大きいのでありまするけれども、いわゆる海水の疎通が、しけがなければどうしても換気よろしきを得ないというようなことから、空気中にある有害な毒を洗いとれないのかもしれませんし、さらにのりに対する栄養を送ることができないから、のり不作だということも考えられまするし、さらにしけがなければ、東京湾から流しますいろいろな汚濁がやはり動かないから、のりに有害になるというようなこともうなずけるのでございます。しかしながらこのままでこの問題をわれわれが放置できないのでありますから、この対策をいかにするかという問題もわれわれが考えなければなりませんが、その前に参考人にお伺いいたしたいのは多分協同組合を組織していると思いますが、この不作に対して協同組合はいかなる対策を立てておるか。もちろん緊急対策と恒久対策とがありましようが、その対策はとつておられるかどうか。その対策をとつておられるならば、どういうような方法でやつておるかということが一点と、それからさらに自治体がこの対策をとつておられるか。あなたの区はどこの区になつておるか知りませんが、区としてこの対策をとつておるかどうか。それから都としても大きな問題であると思いますが、都としてはどういう対策をとつておられるか。この三点をまずお答え願いたいと思います。
  21. 松原茂一

    松原参考人 今のお尋ねの協同組合のことでありますが、大体協同組合の対策といたしましては、今度のこの不作につきましては、極端な不漁のために、業者は再三会合いたしまして、まず今年度の対策はどうしたらいいか、来年度の方法はどうしたらいいかということを、組合といたしましても常に協議しております。そこで本年度の対策としましては、大体密植一つ原因になりはしないかという点もうかがわれますので、全然見込みのない材料はあげることにして、少しでもすかして回復に向わせるという方法をとつております。それから今後の対策としては、結局潮流の関係、それから波の打込みの関係等から考えまして、自発的に来年度の計画を立て直すということで、大体各組合ともその対策研究し、計画を進めつつあります。それから区といたしましても、大田区では水産振興対策委員会におきまして、現状をよく調査して、その実情があまりにも極端なために、何とか方法を講じなければならぬということで、信用的の対策とか、いろいろな面を今審議中であります。それから都といたしましても、区の議会から都に対して陳情をいたしまして金融の対策とかいろいろな救済方法を講じてもらいたいということを要呈して、今御心配されつつあるような状況であります。
  22. 川村善八郎

    ○川村(善)委員 今参考人から対策についてのお話を承りました。いまだ何ら具体的な方策がないようであります。漁民の方々には、まず生活の問題が一番先に叫ばれているんじやないか、かように考えておるときに、まだ協議中だといつておりますが、一体それで生活の緊急対策として何かお話がないか。のりの増産についての対策は、五日や六日でできるものではないと思いますけれども参考人から言わせますと、自殺した者もある、気が狂いそうな者も、すでに狂つた者もある。このままに放置しておけば、東京湾のり業者が全部餓死してしまうと言われておりますが、その対策ができておらぬことは、私はふしぎに思う。まず協同組合なり区なり都なりの自治体が、生活の窮乏を救う対策をとつて、さらに恒久の対策として具体的に取上げて行かなければならぬのに、凶漁だということはおそらくよほど前におわかりになつたと思うのに、まだ生活を救済して行くような方法をとつておらぬことは不可解でありますが、漁民の生活の救済について、何か協同組合ともお話になつておるか。私に言わしめるならば、隣保共助の精神でお互いに団結して、できるだけお互いに融通し合うとか、あるいは何とか金融の道でも講じて、まず生活を心配ないようにして、恒久対策を講じて行くことが妥当だと考えなければならぬと思いますが、生活の問題については何か考えておるかどうか、この点をお伺いいたします。
  23. 松原茂一

    松原参考人 今生活問題というような御質問ですが、簡単に申しますと、現在のり業者はあまりにも極端な衝撃を受けて、もうほとんど関係者はどうしたらいいかわからない状況で、先ほど申しましたように気が狂つたり、自殺者が出るという深刻さのために、もうどうしようもこうしようもないという状況で、これは他力本願というか何かしりませんが、ほかへおすがりするより方法がないというような状況下にあるのであります。そこで組合といたしましても、金融対策についてはいろいろ考えまして、漁業権証券をみんなが出し合つて、それで自発的に金融対策を講ずるという考え方で、最近漁信連をつくることになつておるわけであります。それ以上今のところ、どうもあまり極端な衝撃を受けたので、ちよつといい考えが出ないで、ほとほと困つおるという状況にあるわけであります。
  24. 川村善八郎

    ○川村(善)委員 今参考人がおつしやられた通りであつて漁民そのものとしては、おそらくいい考えが出ないのではないかと思いますけれども、管下組合を率いておられる組合長さんとしては、一日も早く東京都なりに要求してもらいたい。私はこれは当然の要求だと思う。組合長さんはうまく御答弁をしておられるようですけれども、私らも漁民としてずいぶん切実なことに遭遇しております。でありますから、あなたの地方から漁民の代表として、確かに区会議員なり都会議員に出ていると思いますので、その人たちをかり集めて、こうやれと命令してやらせるのがほんとうではなかろうか。漁民の方々はもちろんそんなことはできないでしようが、少くとも組合長さんや組合の役員さんくらいは、そのくらいのことはやらなければならない。もう少し漁民救済してやつていただくようこの席から要望しておきます。  さらに水産庁の方に申し上げます。上手に答弁をしておりますが、おひざ元にありながら、漁業協同組合あるいはどこからか来ないからまだやつていなかつた。これから部下を動員して調査するというようななまぬるいことで、ほんとうに漁業行政ができますか。一日も早くあなた方の部下を動員して調査をさせ、緊急対策、さらにつき進んで恒久対策をすべきであると私は思つておりますので、その点どうか一日も早くおとりになるよう御要望しておきます。  さらに国税庁の方に御要望申し上げますが、あなたの課長が来ないからというのでほどよい答弁をしております。管下の税務署云々と言われておりますが、とかくこのことが下部に徹底しておらない。漁業権証券の資金化の問題についても、それから漁業の凶漁に対する減税の問題あるいは減税でなくても無理な課税をすべきでないということを、常にわれわれ叫んでおるにもかかわらず、税務署は成績か上げるために、凶漁であろうが、凶作であろうが、漁業者に損害があろうがおかまいなしに税をとつて、自分の税務署の成績を上げて喜んでおる税務吏員がたくさんある。であるから、国税庁においては、末端の税務署までも調査してそういうことのないように、特に今度の場合などはおひざ元であむますから、管下の税務署などにあずけておかないで、あなた方自体が行つて調査をして、これは課税すべきではない、むしろとつた税金を返してやるというような温情味がなければならぬと思いますので、国税庁としてとるべき手段を十分おとりになることを要望申し上げておきます。  最後に委員長に申入れいたしますが、本問題はまことに重大な問題であり、われわれがここにおる以上は、ひざ元でござい事ので、われわれとしては十分な調査を遂げて対策を講じなければなりませんし、さらにこの水産委員会といたしましては、小委員会も設置されておることでありますから、この問題を取上げ、適当な小委員会に付託をして、十分研究を遂げて、一日も早く窮乏した漁民を救つてやるという方法をとられんことを、この際御要望申し上げます。
  25. 田口長治郎

    ○田口委員長代理 お諮りいたします。ただいま川村委員から、本問題はきわめて重大問題であるから、適当なる小委員会に付託をして十分に調査をしよう、こういうような動議でありますが、さようとりはからうことに御異議ございませんか。
  26. 赤路友藏

    赤路委員 今の川村委員の発言に対して異議はございません。但し問題は非常に速急を要しますので、小委員会に付託することに異議はございませんが、できるだけ早い機会に、できればここ二、三日うちに現地を調査するような措置をおとり願うことをお諮り願いたいと思います。
  27. 田口長治郎

    ○田口委員長代理 承知しました。別に御異議がないようでございますから、本問題は漁港、漁船及び漁業災害補償に関する小委員会及び水産資源の保護増殖及び漁業取締りに関する小委員会に付託をいたしまして、二、三日中に現地について調査しようと思いますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  28. 田口長治郎

    ○田口委員長代理 それではさように決定いたします。のり養殖事業の問題はこの程度にいたしまして、次の問題に移ります。松原参考人には長い間御苦労でございました。厚くお礼を申し上げます。
  29. 松原茂一

    松原参考人 この高い席から一言お礼を申し上げたいと存じます。  本日われわれのり業者の苦境の実情を御推察くださいまして、国会の水産常任委員会においてお取り上げくださいまして、いろいろと御配慮を願いましてまことにありがたく厚くお礼を申し上げます。何とぞ実情をよく御調査の上救済方法を講じていただくことを、この機会に重ねてお願い申し上げます。どうもありがとうございました。     ―――――――――――――
  30. 田口長治郎

    ○田口委員長代理 それでは次に公海漁業に関する件について、大橋委員より発言を求められております。これを許します。大橋委員
  31. 大橋忠一

    ○大橋(忠)委員 昨日、済州島沖において、第一大邦丸の漁撈長瀬戸軍次郎氏が射殺をされた件に関しまして、政府に緊急質問をすべきやいなやということについて小委員会を開いたのでありますが、まだ真相をつかみ得るような情報が当時入つておらなかつたのでありますから、結論に達することなくして散会をしたような次第であります。本日はすでに第一大邦丸も港に着きまして関係当局においては直接当事者について御調査になつたことと思いますから、まずその真相について当局者並びに現地の責任者池端部長から、当委員会に御報告を願いたいと思います。
  32. 田口長治郎

    ○田口委員長代理 本日の委員会出席されておりますのは外務省アジア局第二課長廣田説明員、海上保安庁次長山口一政府委員、同じく公安課長高見説明員、第八管区本部長池端説明員であります。
  33. 山口傳

    ○山口(傳)政府委員 ただいま第一、第二大邦丸の拿捕事件の真相について御質問がございましたが、実は昨夜海上保安庁の本庁の方へ、現地の佐世保海上保安部から電話である程度の情報が入つておりますので、まずそれを御報告申し上げます。これは実は書類にして差上げようと思いましたが、時間の余裕がないので、いずれ後刻印刷にして提出いたしたいと思つております。  第一、第二大邦丸は、米国の軍艦に護衛されまして、昨日の午後三時二十分佐世保におけるアメリカ海軍のベースに到着いたしました。しかしいまだこれを佐世保の海上保安部の方へ引渡すけはいがなくて、同日二時半に同地のアメリカ側の司令部から次のような連絡があつたわけであります。十八日、すなわちあすでありますが、あすの午後四時リツチモンド、これはあそこの防衛部隊の旗艦でありまして、そのリツチモンド号においてオールソン少将、この方はあそこの司令官であるらしいのです。オールルソン少将から、佐世保の海上保安部長と、それから第一、第二大邦丸の船主である大邦水産の大野社長の来艦を待つという連絡がございました。従つていまだ船並びに船員の引渡しを受けておらないのであります。次に、これは向うと交渉いたしまして、第二大邦丸の通信士である切手律君に会わしてもらいまして、この方からいろいろと聴取いたしたわけであります。すなわち拿捕当時の模様及び拿捕後の措置であります。これは電話連絡で十分わかつておりませんが、大体電話の要旨をそのまま申し上げます。  当時第一、二第大邦丸は二百七十三と、二百八十三区の中間で操業中、去る四日午前八時ごろ、韓国の手繰り船第一、第二昌運号、これは約五十トンくらいの船で、速力が九ノツトないし十ノツト、船橋に韓国旗を掲げておりました。これが北東方面より近づいて、魚はとれるか、という声をかけられました。数日前に同様のことが他の漁船にもあつた情報を大邦丸は承知しておりましたので、何ら心配もせずにそれに受答えをしておつたのでありましたが、八時五分また近づいて参りまして、銃撃を受けた、その際、国防色戦闘服を着た兵隊らしい人が自動小銃と思われるものを持つてつて、約四十発ぐらい発射して来た。第一大邦丸に二十発、第二大邦丸に五ないし六発玉を受けた。八時十分第一大邦丸の漁撈長である瀬戸重次郎氏が右後頭部に盲貫銃創を受け、その後船は済州島の翰林という方に引つぱられて行つたわけでありますが、十一時にその翰林港に入港し、ただちに病院に入れて診断は受けたようであります。お互いにその責任を転嫁して要領を得ない。それで同人は、その日の午後十一時遂に死亡されたようであります。それで責任の所在を確かめるために解剖を願つたところ、頭の中からカービン銃弾が出て来た。七日の日に死体は翰林郊外で火葬に付した。その間におきまして魚は千六百五十箱没収された、魚の種類はかながしら、かれいというようなものであつたそうであります。乗組員は軟禁状態で、憲兵あるいは特務機関等の尋問を受けました。その尋問の要旨は、これは答えは知らして参つておりませんが、まず第一に領海に入り魚を盗むとはけしからぬ。次に共産党員ではないか。思想は何か。操業の位置はどこだ。その他住所、生活状態、財産状態、拿捕当時の感想、これらのことを尋問を受けたようであります。それから越えて二月の十日から十五日まで済州島の警察に留置された。食糧はあら麦三合、副食はほんだわらの塩づけを給せられた、その間に無線機械あるいは測量機械の部分品等がかなり盗難にあつたということであります。なお尋問中に第一昌運号の供述調書をぬすみ見たところ、六十メートルに接近、停船を命じたが、停船せぬので発砲と記載しておるようであつた。これは本人の言うことでありますが、但し本船はさような信号を受けていないと申しております。それから警察の倉庫番、これは従前に林兼に勤務したことがあるもののようでありますが、その人の話によりますと、前日すなわち二月の三日の日に、この拿捕しました昌運丸が、二十時――午後の八時でありますが、翰林港に入港して密告をした由であります。  それから内地返還のために米軍に引渡されたときに、韓国の水上警察あるいは査察課長は漁撈長の死に同情し、かつ早く漁業協定を結ぶべく努力するつもりだから、帰国したら妄動をせぬように希望をした由であります。それから帰国にあたりましては、食糧を要求いたしましたが、これは聞き届けられず、物々交換でメリケン粉などを入手した。乗組員は全部元気である。なお、これから先は余分なことでございますが、ちよつと速記を……。
  34. 田口長治郎

    ○田口委員長代理 速記をとめて。     〔速記中止〕
  35. 田口長治郎

    ○田口委員長代理 速記を始めて下さい。
  36. 大橋忠一

    ○大橋(忠)委員 その他の説明員から、本件に関する別のアングルからの報告はありませんか。
  37. 池端鉄郎

    ○池端説明員 第一、第二大邦丸の件でお話がございましたけれども、これは実は八管区管轄外でございまして、申し上げることはございません。
  38. 大橋忠一

    ○大橋(忠)委員 本件はきわめて重大なことでありまして、さらにアメリカ側から船の引渡しを受けた上で徹底的に調査して、適当な措置を講ずる必要があると思うのでありますが、当局においては、何がゆえにアメリカ側がすでに日本の港に着いた船をわが方に引渡さないのでありますか。その理由についてお伺いしたいと思います。  それからいま一つは、本日の新聞によりますと、外務当局においては、こういう事件が起るのは、韓国側が何とか早く日本と会談を始めたいと思つても、日本の方で始めぬから、いら立つてこういうことをやつた。そこで政府の方ではひとつ急速に会談の準備を始める、こういう意向であるというような記事が載つてつたのであります。ところが向うが会談を始めたいがゆえに、かくのごとき暴行を演じた、そしてこの圧迫によつて会談を始めるというようなかつこうになつては、これはますます向うを強がらせまして、とうていその会談というものは成功するものでないと思うのであります。従いましてわれわれとしては、当然強硬な態度をもつてこの問題を徹底的に解決しない以上は会談は始めない。さらに一方において、何らかこれに対する報復手段、たとえて言えば、朝鮮でとれた魚を買わないとか、あるいは向うに必要な物資を供給しないというような報復手段を一方において講ずる、そうして本件の徹底的解決を遂げる、遂げない場合は会談を始めないというくらいの徹底的な態度をとらないことには――向うの圧迫下にやむなく会談をするというような形をとつては、会談を始めたつて絶対にまとまるものではないと私は思うのでありますが、これに対する外務当局の所見はどんなものでありましようか、御質問いたします。  それからちよつと前後いたしましたが、停船をしなかつたがゆえに銃撃をしたと向うは言つている。今までも多数の船が拿捕されたのでありますが、その際、向うはやはり停船を命じて、停船命令を聞かなかつた際には銃撃を加えたという実例があるのでありましようか。あるいは銃撃を加えたことは今回が初めてであるのでありましようか、その点も保安庁当局お尋ねいたします。
  39. 山口傳

    ○山口(傳)政府委員 まず最初に、佐世保で米当局が釈放しない、引渡しを遅らしている理由でありますが、これはよくわかりませんが、先ほど申し上げましたように、あすの四時までに社長に出て来てくれということを言つておりますので、その上でその処置がとられるのではないかと想像するのでありまして、特段の理由というものは、ちよつとわかりかねます。  次に、今まで銃撃を受けたことがあるかということでございますが、これは遺憾ながら相当頻繁に行われております。そういう事実は、東支那海におきましてもありますし、それから朝鮮海峡の韓国側にもございます。その例は従前にもございまして、今回が初めてということではございません。
  40. 廣田しげる

    ○廣田説明員 ただいま御質問ございましたけさの新聞の点でございまするが、私が承知しております限りにおいては、そういうことを外務省側で言つたこともないし、新聞の方でそういう臆測記事を書いたのではないかと思います。  なお韓国側に対しましては、すでに情報として、わが方の乗組員が一名射殺されたという情報が入りましたので、詳しいことはわかりませんでしたが、さつそく拿捕に対しまして抗議いたしますとともに、そういう情報があるが、これが事実とすれば、外務省としては深甚の考慮を払うことを余儀なくされますので、本件事件の有無について厳密に調査せられ、その結果釈放せられるよう要請することを申し入れておりますが、ただいま日本の船の方も帰つて参りまして、だんだん真相がはつきりして参りましたので、なおこの上とも厳重に申し入れるつもりでございます。  なお、今後政府のとるべき処置につきましては、至急に関係方面とも相談して、研究中でございます。
  41. 大橋忠一

    ○大橋(忠)委員 アメリカ側が船をこちらに引渡すのを延ばしている魂胆はわかりませんが、私の想像では、アメリカ側としては一日も早く韓国と日本の関係が円満に解決することを望んでいると考えられる節が多いのであります。そこでこういうふうな不祥事件が起つた場合、軽卒に船を日本側に引渡して、真相がわかつて、日本の輿論が起きると、日韓関係におもしろからざる影響を及ぼすというような点で、本件を重大視して、慎重な態度をとつているじやないかと想像せられるのであります。従いまして本件は、昨日の小委員会においても議論が出たように、韓国側よりもむしろアメリカ側に対して、適切に交渉する、そしてアメリカ側から韓国側に対して適当な指示を与えてもらうように、アメリカ側に強くぶち当るということ以外には徹底的解決はできぬのではないかと思うのでありますが、今そういうアメリカ方面との関係について、外務省当局はどういうふうに考慮しておられまするか、その点をお伺いいたします。
  42. 廣田しげる

    ○廣田説明員 本件につきましては、アメリカ大使館側に対しましても、釈放方をあつせんする等、射殺事件を重大視いたしまして、その真相の調査方を依頼しておりまするが、今後アメリカ側にどういうふうに申入れるかにつきまして、先ほど申しましたように、真相をなお調べた上で申入れをしたいと思います。
  43. 田口長治郎

    ○田口委員長代理 川村君。
  44. 川村善八郎

    ○川村(善)委員 先ほど山口海上保安庁長官から、こうしたような発砲事件がたびたびあると言われましたが、このままにしておくと、おそらく今後もこんなことが続くのじやなかろうかと私は想像するのでございます。先般漁業者の代表といたしまして鍋島君一行が韓国に行つたその状況の報告を聞きますと、まことに楽観的であります。要は李承晩大統領は、日本が兄貴であり、朝鮮が弟であるから、弟の朝鮮をめんどう見てくれろ、そして仲よくしようじやないか、こう言つているということを聞きましたが、私たちはその報告を聞いて、一日も早く日韓の会談をして、いわゆる兄貴となり弟となつて、相助け合つて行くという気分になつて、われわれ委員会でも近く取上げたいと思つてつたやさきにこういう不祥事件が起きた。そこでこの不詳事件は単なる不祥事件として看過するわけにはいきません。先ほど大橋君から言われたように、会談の今後の取扱い方についても、われわれは相当強く出なければ、やはりおどかし半分で、口では弟であり、日本は兄貴であると言つてつても、その内容たるや、むしろ日本を圧迫するのじやなかろうかということが想像できるのであります。ところで、日本の漁民の方々は漁業を継続しなければならぬのであるから、おそらくあの海区に出なければならぬ。きようの新聞を見ますると、もう海上保安庁の命によつて全部が引揚げたという記事が新聞に見えているのでございますが、引揚げるとするならば、これはたいへんな問題になつてしまう。引揚げて喜んでいるのはおそらく朝鮮の漁民ではなかろうかと考えているのでございます。引揚げさせることも一つの紛争の解決方法ではありますけれども、おそらく引揚げて黙つておられないとするならば、何か日本としても守る道を考えなければならぬ、かように考えておるのでありまするけれども、保安庁に、一体彼らに対抗して再びこうしたような不祥事件を起させないような方法があるかどうか。もつと極端な言葉で申し上げるならば、海上保安庁で向うの船をぶつたたくくらいの準備があるかどうか、そうしたような船があるかどうか、なかつたら、今後彼らと対峙して、日本の漁民を守つて行く方法をとられることがいいと思いますが、この点について山口長官はどういうお考えを持つておられるか、伺いたいと思います。
  45. 山口傳

    ○山口(傳)政府委員 お答えいたします。まず最初に、今お話の中で、防衛水域に入らないように、一斉に引揚げるようにというお話でございましたが、海上保安庁がそういう指示を与えた覚えは全然ございません。新聞の記事は何か臆測か何かかと思います。ただそれに似たようなことでちよつと聞いたことは、たしか福岡方面の業者の方でとられた措置に、そんなことがあるんじやないかと思います。海上保安庁といたしましては、さような指示は出した覚えは全然ございません。  それから、こういう事態が続くのに対して、海上保安庁として漁船保護のためにどうするんだというお話でありますが、はなはだ遺憾ながら私の方の巡視艇の勢力がきわめて貧弱でございまして、昨年の九月以降朝鮮海峡あるいは東支那海あるいは北方水域、この方面におよそ常時六隻程度を出すべく、沿岸の警備船のうちの最も傷秀な船をさいてやつております。そうした対策を講じたわけでありますが、これとて御案内のように、東支那海の渺々たる中に二隻の巡視船が出た程度ではどうにもなりませんし、朝鮮海峡の方面には一隻ないし二隻ぐらいしか出ておりませんので、数が少いという点がまことに遺憾でございます。  それから、いろいろ将来の御想像についてもございましたが、実はこういう場合のことを考えたのではございませんで、平生の警備業務を遂行するために、いわゆる号砲用としてある程度の火砲をとりつけたいというので、この方は幸いに二十七年度の補正予算で、二十六隻分の火砲とりつけの予算はとれました。現在のところ二隻だけ試験を終えまして、逐次その結果によりましてとりつけることにいたしております。今後の政府としての方針がはつきりすれば、かようなものを利用すればできるわけでありますが、その辺のところはよほど慎重にお考えいただいて決心しないとできないのでありまして、残りの二十六隻以外は、これまた本国会に二十八年度予算として提出してございます。巡視船は比較的小そうございますが、大型七百トンとか四百五十トン、二百七十トン程度の新造船には、ほとんど全部三インチ以下の火砲がとりつけられることになつております。
  46. 川村善八郎

    ○川村(善)委員 山口長官が将来の問題について、私らの主張しておるような方法をとられることはけつこうだと思います。極端な言葉でいえば、この間まで日本の領土であつて、日本のおかげで今日になつた朝鮮が、今日本が負けたからといつてはなはだ不届きだ、少しぶつたたいてやることを考えた方がいいのではないか、私はこういう強い意見を持つております。どうも外務省は腰抜けだ。ぼくらは日米加漁業条約のときにも――当時私は委員長でありましたが、あの漁業条約の内容を見て、委員長がまつ先に反対した。そのときにも外務省はまことに腰抜けで、岡崎外務大臣のごときは、水産委員会質問を受けることはいやだというようなことで、日本の漁業を守ろうとしておらない。鍋島君一行が朝鮮に会議に行く際にも、外務省では、過激なことを言わないで、できるだけ向うの言うことを聞いてくれというようなことを言つて派遣したということであります。これは私らの想像にすぎないのでございますけれども、外務省は何か朝鮮をこわがつておる。何のためにこわがつておるか。もちろんアメリカのさしずによつても外務省は少し弱くなつておると思いますけれども、外務省は腰抜けであるが、困るのはわれわれ日本の漁民だけなんです。だから、われわれ日本人の一端を背負つておる漁民である以上は、やはり対等の資格において今後やつで行かなければならぬのであるから、外務省でもう少し強くなつてもらいたい。われわれは予算なり何なりをとつて、海上保安庁の拡充強化もはかり、そうして彼らと対抗しても負けないように装備をして、日本の国を保護して行くという方向に意見があるべきはずなのに、外務省は朝鮮に行くときには、過激なことを言わないでくれ、けんかをしないでくれ――けんかをするということは本望ではないが、しかしながら彼らは国民性として――私は朝鮮人も使つておりましたし、かつてカムチヤツカに行つたときはソ連人とも一緒になつております。中共の人間とも一緒になつたことがございます。彼らの国民性は、こちらが弱くなると彼らはつけ上る、げんこつでも一つ食らわせてやつて、血でも流すと泣いてあやまる、ぺこぺこして言うことをきく人種です、であるから日本人が弱くなつたのではこの問題はいつまでたつても解決がつきません。先ほど大橋君が言われたように、報復手段を考えて行かなければ、今後日本の漁民は一体どこに行くかということが案ぜられるのであります。これはひとり朝鮮の問題ばかりではない、東支那海の問題もありますし、さらに北洋漁業の問題もありますので、こうしたような大きな問題を前に控えて、われわれは伸びんとする漁民でありますので、外務省はもう少し強くなられんことを希望いたしまして、私の質問を終る次第であります。
  47. 大橋忠一

    ○大橋(忠)委員 私も川村委員と全然同感でありまして漁船引揚げの命令は出してないとおつしやつたけれども、事実上は引揚げと同じことになりはせぬか、命令があるとないとにかかわらず、事実上引揚げと同じような結果になつて、これからは李承晩ラインの中には入れないということになると、これは非常な大問題になつて来るのであります。そこで日本の政府としてはこの事件を重大視して、徹底的に調べた上で、この際徹底した方法をおとりになつて、腹をきめてかからぬといけないということが一つであります。  もう一つは、向うが会議を開きたいから暴行を演じた、そこでこちらでは、向うの要求に応じて今準備をしておるというようなああいう弱い記事が新聞に出るということだけでも、これは向うに大いにつけ上らせるのでありまして、会談をやつてもできるものではないのであります。従つて外務省としては、腹ではかりに弱いことを思つてつても、外に出すことだけでももう少し強く本気になつてかかるくらいのニユースが外に出るような措置が講ぜられぬと、これは将来重大なる結果を来すだろうと思うのであります。私はこの前も申したのでありますが、外務省当局のほとんど全部の人が占領行政中にアメリカから頭を押えられ、指示を受けてやつて来た長年のくせがついておる。そこでもうかみ伏せられた犬のように、堂々と対等の態度でもつて立ち向うことができないのじやないか。はたしてしからば、これはもう非常に大きな問題でありまして、今の外務省というものを徹底的にやり直さぬことにはいかぬ。私が外務次官をやつておるときに、上の方の連中をほとんど全部馘首いたしまして、大問題を起したのでありまする。私はその通りやれとは言いませんが、敗戦で卑屈になつた連中は、全部かえてしまわなければならぬという意見も、必らず私は起つて来るだろうと思うのであります。しかし今回の問題を、外務省がいかなる態度をもつて解決するかということは、外務省の存亡に関する非常に大きな問題だと私は思うのであります。ひとつ徹底的に調査した上に、今度こそは、本件のみならず、李承晩ライン内の解決も一挙にやるだけの腹を持つてつてもらいたいということを希望いたしまして、私の質問を終ります。
  48. 薄田美朝

    ○薄田委員 今の川村君、大橋君の意見に私は賛成であります。先ほど来の政府関係者のお話を聞いておりますと、この問題は、海上警備の問題としてだけの回答しかないのでありますが、なかなか大問題であります。ひとり外務省の存亡の問題でなしに、わが国の存亡というと大きいのでありますが、非常に大きな問題でありますので、政府としましては、この問題について相当対策をお持ちになつて、外務大臣もこの委員会に出てお話をいただき、また国会としてもその政府の方針を聞いて、政府を鞭撻いたしまして、わが国の外交折衝上のあと押しになるようなことに行かなければならぬと思うので、早急に外務大臣の出席を願い、政府の確固たる方針を承りたいと思いますから、委員長においては、そういうようにおとわはからい願いたいと思います。
  49. 田口長治郎

    ○田口委員長代理 承知いたしました。外務大臣に、当委員会出席するように連絡をいたします。  ほかに質疑はございませんか。――ないようでございますから、この際お諮りいたします。
  50. 田口長治郎

    ○田口委員長代理 ただいまの朝鮮水域における漁民の射殺事件、その他同水域における漁船の拿捕問題等につきまして、近い機会関係者を参考人として当委員会に招致することにいたしたいと思いますが、これに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  51. 田口長治郎

    ○田口委員長代理 別に御異議がないようでございますから、さよう決定いたします。  なお、参考人の人選及び時期につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  52. 田口長治郎

    ○田口委員長代理 御異議ないようでありますから、さよう決定いたします。  次会は公報をもつてお知らせすることとし、本日はこれをもつて散会いたします。     午後零時四十四分散会