○川村(善)
委員 私は直接
予算に
関係のある問題は、十数件の
質問事項がありますが、一件ずつ逐次御
質問を申し上げたいと存じます。
第一に、小型機船底びき網の減船整理の問題でございます。
岡井君はなかなか上手に逃げておるが、この問題は当初から私が取上げた問題でありますので、
赤路君に了解を求めなければならないような
質問もございますが、あわせて
水産庁の御
意見を承りたいと思います。
そこでこの小型機船底びき網の減船整理は、もう大体
皆様おわかりだと思いますけれ
ども、
ちようど終戦後食糧が非常に危機に
なつた場合に、一にも増産、二にも増産ということから、それに便乗したかどうかはわかりませんけれ
ども、密漁船がたくさんふえて、整理する段階までには大体三万五千隻にな
つてお
つた。ところでほんとうの許可を持
つておるのは、わずかに一万二千隻よりなか
つた。このままに放置すれば、
資源が枯渇してしまうばかりでなく、いわゆる共食いして餓死の状態になるから、減船整理しなければならぬというので、
漁業法の一部改正をして、減船整理に向
つたわけであります。そこでこの減船整理にあたりましては、五箇年の計画でこれを減船整理しようとしたのでありますが、先ほど
赤路君の言われました失業
漁民に対する救済等の問題は、非常に大きな問題となりましたし、さらに減船整理中には三つの方法をも
つてこれを整理して行こう、
一つは、もう完全に沈没させてしまおう、
一つは、他の
漁業に転換させよう、
一つは、運搬船等にこれを用いようというような三つの方法で行
つたのであります。そこで当然これに対する国家補償の問題ができましたけれ
ども、
政府におきましては、密漁船に対する国家補償はできないということから、
相当長い期間いわゆる
漁業法の改正にも、あるいはそれに伴う政令の改正にも時日を要したが、どうしても二十七年度から五箇年計画で減船整理をして行こうということで、本
委員会はその
措置をと
つたのでございます。
かようなことではありまするけれ
ども、この間にわれわれが立ちまして、非常な苦痛を感じましたことは、はたして減船整理に対するところの
予算をそれだけとれるかどうかという問題とあわせて、失業
漁民を完全に救済して行くことができるかどうかということをいろいろ検討いたしましたが、国の財政からいたしますと、完全に補償するということができませんので、でき得るならば
関係都道
府県においても、さらに業者間においても、お互いに共助的な立場に立
つてやらなければならないということで、政令を出して出発したのでございます。私は先般の
委員会においても発言をいたしましたが、このことを取上げますにあた
つて、官庁はもちろん苦痛な立場になりましたし、本
委員会も苦痛な立場にな
つて、どなたも最後の
調査には行くことができなか
つたけれ
ども、国がいよいよやることになり、われわれが法律の改正をしてやるということに
なつた以上は、
水産委員会の責任として行かなければならぬということで、私が行
つて、各地に了解を求めたのであります。もちろん先ほど申し上げましたように、都道
府県も責任を負い、さらに残る
漁民、それから廃業するところの
漁民も、相携えてお互いに立ち行くようにしなければならぬという指導的な
調査をして参
つて、大体了解をつけられたのでございます。私は、それより先に、北海道は約一千隻以上の小型機船底びきがありまして、また中には密漁船も五百隻ほどあ
つたのでございますが、かような沿岸
漁民と摩擦を生ず、るような、しかも
資源を根こそぎ枯渇させてしまうような
漁業はどうしてもやめなければならぬということで、松田君や林君や玉置君と相談して、北海道が反対をしたのでありますけれ
ども、これを北海道の道議会に諮
つて、一隻当り七万円を出させ、そしてあとは自主的にこれを整理して行くということで、当時二十六年度には大体一千隻整理をしたのでございます。そのときに
水産庁では、この整理に対して国がどうしても
予算措置を今のところでは講ずることができないから、転換に必要なるところの資金と資材を与えるという約束がありましたから、私らは
水産庁長官以下
水産庁の係官の言を信じて整理にかか
つたということになりましたので、この例をいろいろと
つて、そして指導的
調査をしましたところが、納得して現在や
つておられるのでありますが、この
予算を見ますると、昨年より大分減
つております。計画は五箇年の計画にな
つておるので、はたして一体昨年の半分の
予算で五箇年間の整理ができるかどうか。もちろん
赤路君の言われたようなこともこれは含めておりまするけれ
ども、
昭和二十八年にかりに失業
漁民に対するところの助成といいましようか、そうした裏づけがないといたしましても、この
予算ではできるかどうかということが第一点。
それから北海道の小型機船底びき網
漁業は、先ほど申し上げましたように資金の貸付、資材のあつせんをするという約束がされたのであるが、これができておるかどうかという、この二点について明快なる御
答弁を願いたいと思います。