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河野(通)
政府委員 お答え申し上げます。御
質問の第一点は、
資金運用部による
農林債券の
引受ける
割合を、現行よりもさらに緩和して大額に
引受けるようにすべしという点ではないかと思います。この点に
つきましては現在検討はいたしておりますが、現在のところでは全額
引受けるということにはなかなか参りかねる思います。
割合はある程度緩和いたしたいという方向で検討はいたしております。ただ問題は、この
割合を緩和するだけでは実は解決しない問題が
一つあるわけであります。と申しますのは、
資金運用部資金は、御承知のように数年前までは相当多額の過去のたまりと申しますか、そういうものを持
つておつたわけでありますが、本
年度におきましては、この
補正予算案を含めて過去の蓄積分を相当大量に放出いたしまして、そういつた関係で、来
年度におきましては、
資金運用部資金自体の原資と申しますか、
資金源が相当きゆう
くつにな
つて参ると予想いたさなければならぬ。そういつた観点からいいますと、ただ
割合を緩和いたしましても、金融債その他の方へ当てられる
資金総量というものはおのずから制約をされて来るということになりますので、この問題を解決いたしません限りは、ただ
引受け割合を緩和したところで、絶対額をたくさん
引受けるということはなかなか困難だという事情もございます。ことに
農林債券とあわせて、やはり
資金運用部といたしましては
中小企業に対する金融の源であります商工債券も
引受けなければならない。また長期信用銀行のや
つております金融の源としての金融債の
引受けもいたさなければならない。これらのものをにらみ合せまして、どういうふうにウエ—トをつけて
資金を配分するかということに問題は帰着するのであろうと思います。
引受け割合はある程度緩和いたしたい方向で
考えておりますけれ
ども、
資金量全体の関係からこれを緩和しただけで、にわかに非常に多量の
農林債券を
資金運用部で
引受けるということができるかできないか。これは
資金全体の問題から十分に検討しなければならぬ問題だと思います。
それから第二点は、
農林債券の
資金運用部において
引受ける場合のレ—トと申しますか、
金利は下げてはどうかということでありますが、
漁業の現状から見まして、これらの金融の
金利をできるだけ低くいたすことは望ましいとは
考えております。ただこの問題は、先ほ
どもちよつと申し上げましたように、やはり
中小企業等に
つきましての
金利についてもできるだけ下げることが望ましいという議論もあります。一般的に
金利はできるだけ下げることが望ましいのでありますが、
資金運用部自体の収支は、現在では独立採算制と申しますか、それ自体で採算がとれるような
運用をと
つております。一方
資金運用部の
資金の源にな
つております郵便貯金等の利子は、御承知のように、相当高くな
つて参
つております。これらの利子の支払い等の関係をにらみ合せながら収支がとれるようにいたして参りますためには、非常に安い
金利を出すというこもなかなか困難な
状況にな
つております。御
意見の点は、できるだけ低い
金利にしたいという点に
つきましてはまつたく私
ども同感でありますけれ
ども、今申し上げましたような事態で、そう急激に改善ができますかどうか、なかなか見通しは困難だと思いますが、なお今後も努力はいたして参りたいと思います。ただここでお断りをいたしておきたいと思いますことは、先ほど申し上げましたところに関連いたすのでありますが、金融債の
引受けは全額を
引受けるということはいたしませんで、緩和はいたすにいたしましても、やはり市中の
引受けとパ—テイシペ—トするという建前はと
つて参りたいと思います。そういたしますと、やはり有価証券である金融債については、同時に発行いたしますものについて一方は
金利が高く、一方は
金利が安いというのも、実際の問題として有価証券の性質から見まして、なかなか困難な問題もございます。これらの点を十分にらみ合せて
考えたい。
資金運用部の
引受ける
金利と、市中の
金利が同レ—トであることを
前提といたしますならば、
資金運用部の
引受けの
金利を下げますと、市中の消化ということが非常に困難にな
つて参るというような点もございますので、これらの点もにらみ合せて検討を加えて参りたいと
考えております。