○横川
公述人 ただいま
委員長から御紹介いただきました全逓の副
委員長の横川でございます。
ただいままでのいろいろな方の
発言の内容と重複を避けて、私の方から皆さんへの御要請を申し上げたいと思います。ただこういうような
賃金問題等が
審議される場合に、私
どもが根本的な問題として
要求申し上げたいことは、これは非常に社会の
生活をや
つて行く場合の大きなむだを排除するためにもぜひ必要でありますし、それからそういうような
方式がとられておることによ
つて、私
どもは安んじてみずからの職業に精励することができるということに私はなると思います。一つの例はたしか一昨年だつたと記憶いたしますが、スイスの
国会で
賃金のスライド制の問題が提議されて、それが
国会で不承認に
なつたということがあつたようでございます。その不承認に
なつたときに、この
提案をした方の議員の
方々から、
国民の総投票を
要求いたしまして、その総投票をやつた結果として、いわゆる物価の
水準の引上るにつれてスライドするという法案を決定して、それが次の施行されるときから
実施されたという例を、私
どもは聞いておるわけでありまして、日本の現状の
賃金の問題の激しい争闘というものが、大きなむだを生んでいるという状態から、ぜひこの
賃金によるところのスライド制というものは、
国会で真剣に取上げていただいて、正規な機関あるいは高度な調査事務をも
つて、このスライド制に対するところの法案の決定が急がれなければならないのではないかというのが第一点であります。もちろんそういうような段階で私
どもが今の状態を考えてみたときに、大体本年の四月におけるところの生産の上昇率というものは、これは勤労統計による
労働者の統計によ
つても一二七%から、多いのでは一四〇%程度の上昇率を示しているという統計に対して、大体
労働賃金あるいは
労働者の
生活水準というものが、それに比例して上
つているかどうかという問題になりますと、これは七〇%あるいは六七・幾らというような低位に押えられているということは、まさに現在の
賃金問題を論ずる場合の根本の問題になるのではないかと思いますので、この点がまずぜひ皆さんで考えていただいて、すみやかに是正をしていただきたい点である、こういうふうに思います。
それから
賃金の立て方でありますけれ
ども、私は
人事院の調査機構、これは科学的な調査機構として一応了承されておりますし、それから
人事院自体が、この
賃金の立て方については、自信をある程度持
つておるようであります。しかしこれは
人事院におけるところの事務当局の考え方であ
つて、その事務当局の考え方が、それならば三人の人事官の頭の中では、どういうふうに切りかわ
つて行くかと申しますと、これは時の政権との間で、政治的な取引が行われているのではないかと私はこういうふうに思います。そういうことから当然同じ資料を使い、同じような形式で調査されたものが、それが出て来た
数字によ
つて違うというのは、これは明らかにそういうような裏面工作が大きな原因を生んでおるのだろう、かように思います。またこの
賃金の立て方の中で、
政府の考え方を私
どもは率直に申し上げますならば、明らかにこれは現在の
労働者の再生産を補償するところの
賃金という立て方ではなしに、明らかにいわゆる予算の重点の置き方ということだけが基点に
なつて、そうして
労働者の再生産という問題は二の次に
なつて来ているというのが、この
俸給の立て方の内情じやないか、かように考えられるわけであります。このために私
どもは出て来た案について、これがいいとか悪いとかいうことになりますと、まつたく全般的に
不満なものでありまして、これを
審議する過程において、私
どもはやはりこういうような点の最大限の是正を良識をも
つてや
つていただきたいというのが、ここで皆さんに第一点として要請する問題であります。
第二点としては、私は郵政省に籍を置いておりますので、郵政の立場から申し上げますと、今度のペース・アツプに対する予算財源の使い方については、私
どもは非常に納得のしがたい内情が現われておると思います。それは郵政自体で約四十九億程度の予算財源を必要とするわけでありますが、このうち独立会計でや
つております内情の、いわゆる郵政部門については、これを完全に郵政省内の差繰りでも
つて、これを行うということが言われておるわけであります。しかもその財源はどこから求められたかといいますと、郵便料金の値上げ以降におけるところの問題、それから郵便
労働者が汗を流して働いたいわゆる増収をはかつたその財源というものが、今度の
ベース・アツプに充てられておる、こういう内情であります。この点について私の方は郵政省自体の予算の立て方をと
つて見ますと、第一点は非常に無理なことは
国会の
先生方御承知のことだろうと思います。たとえば郵便料金の
設定につきましても、原価計算がどのように行われて、その原価計算の上に立
つて、私
どもの省のいわゆる人件費、物件費その他の雑件がまかなわれているということではありませんで、いわゆる政策
賃金で押えられて、そうしてその政策
賃金で押えられたものの範囲の中で、郵政省のすべての財源がまかなわれているということは御案内の
通りであります。そういう関係から今度の場合の
ベース・アツプの財源というものが、そういうことに偏して求められたということについては、私
どもとして非常に憤満を持つものであります。こういうような点から今度の予算の立て方については、単にこういうような財源に頼ることなしに、ぜひ企業の成立ちの問題、あるいはこれを補うところの
一般会計からの繰入れの問題、こういつたことを詮議していただかなければならないと思います。これが第二点であります。
それから第三点としては、私
どもは近々
団体交渉権の復活をすることになりました。マツカーサー書簡によ
つて私
どもは当然
労働三法下の
労働運動を行
つておりました。その状態というものは非常に不自然なしかも不合理な状態に追いやられた、そういうようなことを
経験して、ここに初めて
団体交渉というびつこの一つの
労働慣行が生れようとしているわけでありますが、しかしこの
労働慣行を、たとえばこの中で大きな問題にしてとり上げなければならないことは、今までいろいろ
賃金の問題でやられた中で、国鉄の
賃金体系であるとか、あるいは専売の
賃金体系であるとか、あるいは今度は電電
公社の
賃金体系であるとか、こういつたものはほとんど一律の形で打出されておらないということであります。その大きな原因は何かといいますと、その省におけるところの余裕財源あるいは増収によるところの内容によ
つて規制されているという事実であ
つて、私はこういうふうな内容から各省間の従業員の
賃金が大きなアン・バランスが生じて来るということについては、これは納得のしがたいところであります。ことに
団体交渉権が復活して参りましても、
政府当局では今度の財政法の三十五条あるいは特別会計設置法の二十六条、その内容について大幅な
修正を加えて、
団体交渉権が復活して来ても、
賃金の総わくでこれを押えてしま
つて、何ら交渉によ
つて実を結ぶこともできないような状態に追いやろうとしていることは、これは非常に納得しがたいことでありまして、そういうようなことはすみやかに排除してもらわなければならない。これが第三点であります。大体
賃金の総体の問題を考えた場合に、以上私
どもの立場から三つの点を早急に諸
先生方に要請いたしまして、すみやかな是正がはかられなければならないというふうに考えております。
そこでこういうような考え方の上に立
つて、今度の
賃金ベースの内情に簡単に触れてみますと、
政府の
出しました一万二千八百二十円の
賃金によ
つて、裁定のいわゆる成年独身者の
生計費というのが四千八百円に押えられております。
人事院が一万三千五百十五円を
勧告した中で、独身成年の
賃金というものを四千七百円に押えて、この間百円の差が
政府の方では上まわ
つて出されておるわけでありますが、この立て方の問題で独立生計者の
基準というものをどのように考えるかが、大体
賃金ベースをきめる場合の最も基本的な
基準に
なつて行くと考えるのであります。
組合側では大体一万六千八百円の
要求に対して、独立生計者の
成年男子の
俸給というものを八千円というふうに考えております。午前中のいろいろの話の中にもありましたように、四千四百円あるいは四千八百円というような
賃金を最も具体的に表現いたしますと、この
賃金によ
つて一人の成年が
生活ができて行くというふうに考えられたかどうかという問題が、大きな問題だろうと思います。この中で当然
生計費の中に入らない交通費であるとか、その他のものがこの中から引き去られて来ますので、
生計費に振り当てられるこの
賃金の中からは、約七〇%程度のものしか実際には
生計費には振り当てられないわけであります。そういうような
賃金を与えて、いわゆる
労働の再生産あるいは
生活というものを実際に見て行こうとすることは、これはまさに無理であ
つて、予想できない低
賃金の状態だというふうに私
どもは考えるだけであります。しかもこの内容を
政府では大体一級から七、八級までの間に百円程度の上まわつたものをプラスされておりますが、このプラスされた内情というものが、それならば
人事院の
勧告との間でどのように違うかという、総体の予算の中で八百円何がしのものが違
つておりますので、この体系の立て方というものは、まさにこれは非常に
数字の上でごまかした内情であ
つて、いわゆるトリツクをそのまま私は指摘しなければならないというふうに考えるわけです。
それから
倍率の問題でありますが、これは先ほどの方も申しましたように、九・八倍というふうな
倍率にとどめておりますけれ
ども、この九・八倍も私
どもの資料で皆さんのお
手元に配
つてありますのをごらんに
なつていただくとわかりますように、大体九
号俸までの
賃金については
人事院と並行線を保ちながら、一応は上まわ
つておるわけであります。それから六十五
号俸以上七十
号俸までのものは、これは同じように横ばいの状態をと
つておるわけでありまして、その横ばいの状態を縦に一線を引いたために、これは九・八倍という
倍率が出て来たのであります。しかし実際には九号ないし十号から六十四号ぐらいまでの
倍率というものは、
人事院の
倍率とほとんどかわらないというのが、今度の
政府の案の内容であります。もちろん
人事院で
出しました案の一一・六倍というこの
倍率については、私
どもとしてはもちろん
反対をするわけでありますが、それと同時にもう一点考えてみなければならないのは、
政府の案で出されました中で、一
号俸については二二・二倍の上昇率を保
つておりますけれ
ども、十五
号俸のところでは一五・三倍と非常に下まわつた上昇率であります。三十三号に行
つて今度の
政府で意図しました二〇%にようやく到達し、六十六
号俸に行くと実に三十八倍という
倍率を保
つているわけであります。これをかけ合せて見ますと、六十六
号俸のところでは約二万何がしかの昇給をするというのに対しまして、十五
号俸以下のところでは八百円ないし千円というような低位上昇しか認められておらないということは、これはわれわれとして二千円アツプをそのままに受取
つている下部の大衆を失望させることでありますし、
倍率から行きましても、これは非常に高い
倍率を示していると考えますので、この点については、ぜひ
修正をしていただきたい、かように考える次第であります。またこれを人員比で見ますと、全体の
公務員数が九十一万何がしに
なつておりますけれ
ども、その九十一万何がしかのうち、六号から三十二号までに占めるところの人員というものが五十万に見て、実に六割以上の人間がこの間におるという事実は、ぜひ考えてもらわなければならない問題だと思います。ことにこの間におる人たちが
職場における中堅幹部として最も事情に精通し、しかもエネルギーを最大に発顕して事業に貢献しているという事実から考えてみるならば、こういうような低位にくぎづけするということは、こういう人たちの意思にもまつたく反することであろう、かように考える次第であります。
次にこういうような考え方の中から
ベースの総体の考え方について、私
どもとしては一応資料としてお
手元に示した
通り、当初の
賃金の
引上げ方を五十五・五倍、それから同じように
現行の
政府案で示されました四万六千三百円に格付されております七十
号俸についても
組合としては同じように四万六千三百円というふうに格付し、それから三十三号という中堅のところでは
政府案と
組合とでは同じようなクロースを保ち、四十五号の、これは企画関係あるいは仕事では最も精通したところである七級、八級、九級のところでは同じように
政府と
組合案との間では、同じクロースを保つというような状態で、一応の
修正意見を持
つておりますので、この点についてはぜひ参考にして御研究願いたい、かように考える次第であります。全般的な問題としては予算の総わくという問題がありますので、いろいろ勘案される点もあろうかと思いますけれ
ども、私
どもは
政府案として出された二千円アツプというような、単に予算の総わくから計算された
賃金ということでなしに、一応の計数上の妥当性を見ているところの予算の総わくによ
つての
修正がなされるならば、私の方としては大体これはいいのではないか、こういうふうに考えておるわけであります。
次に年末
手当の問題でありますが、この
政府案の立て方について非常に大きな矛盾をはらんでおります。これは年末
手当を出さなければならないというふうなお考え方については、私たちはもちろん私たちの意思が非常に尊重され、しかもその妥当性を認めていただいたものだというふうには考えておりますけれ
ども、現在の
公務員の
生活の
状況というものは、差迫つた十二月というものを控えて、ことに五月一日から
実施してほしいという
人事院の
勧告そのものについても、これは現在
勧告を
実施されておりませんし、それからその間において物価その他についても一つの横ばいではなしに、漸次上昇しておるというような状態から、非常に大きな赤字を背負
つて、この十二月にしわ寄せされておるというこの現状というものはぜひ認めていただいて、この対策を率直に立てていただきたい、かように考える次第であります。二箇月分の私
どもの
要求につきましては、決して不妥当な、しかも
根拠のないものではないというふうに考えております。私
どもが
賃金をきめる場合、たとえば一坪農業をしている場合、その一坪農業から得られるいわゆる
生計費への補助の問題、こういうものまでも
賃金の計数の中に入れて
出したという先例を持
つておるわけでありますが、こういう考え方から私
どもはこの二箇月分について計数を
出したわけであります。ことにこの十二月も差迫
つてこの状態というものは、これは単に前からの赤字を背負つたということではなしに考えてみても、日本の旧来からの風習というものを認められて、その風習というものが多分に大きな出費というものを認めておられるのでありますから、この点については率直な御対策をお願いしたい、かように考える次第であります。またこの中で具体的にあげられました、
給与法の中の五条に新たに追加されました問題でありますけれ
ども、
期末手当として〇・五箇月分、それから
勤勉手当として〇・五箇月分、それに企業
官庁においてはこれと見合つた
奨励手当を〇・五箇月分
出して、計一箇月分を出そうとしておるようでありますけれ
ども、この考え方は私
どもは非常に問題の本質を間違
つて、錯綜した形でこれを解決しようとしておるのではないかというふうに考えております。と申しますのは、
勤勉手当は、これは明らかにその人間の勤労の差によ
つて出される金額でありまして、期末におけるところの当然の出費として考えられるこの十二月の現状を打開するための費用にしては、あまりにも当てはめ方が間違
つておるように考えられますし、もう一つは
奨励手当の問題でありますけれ
ども、この
奨励手当というのは、大体が企業
官庁の中におけるところの特別な仕事に対する熱意、あるいはその熱意によ
つて出て来るところの増収、こういつたものに対して士気を高揚するとか、あるいはこれに対してさらに将来の仕事に対する協力を求めるとかいうことから考えられた一つの方法でありまして、これが期末におけるところのいわゆる年末
手当として
支給される内容ではないわけでありまして、これを混同されて
勤勉手当あるいは
奨励手当として期末べの一箇月分に足したということは、これは非常に実質を間違
つておるのではないかというふうに考えられますので、こういうような立て方については、もう少しずつきりしたものを
出してもらいたい、かように考えます。ことにこの中で五条の一項中
勤勉手当というのが追加されておりますけれ
ども、附則の九項の中で「
奨励手当は、第五条第一項の
規定の適用については、
勤勉手当とみなす。」ということは、これは私は非常に間違つたしかも非常に理論的におかしい考え方で、法案というものが出されておるように思われますので、九項のこの内容は削除いたしまして、
勤勉手当のあとに
奨励手当として入
つて来るのが法文上としても正しいし、実質の問題としても正しいのではないか、私はかように考えるわけであります。この内容についてはまたあとで触れたいと思います。
次に法案が通過して
政令が公布される場合に、往々にして私はその
政令が法案
審議の過程で抜けたものがあ
つて、その抜けたものをどうかすると、非常にか
つてな
解釈で
不満を流すというのが過去に見受けられておりますので、この点についてはぜひ
修正をしていただきたいと考える点が二、三ありますので、申し上げたいと思います。それは
政令の三百五十四号の中にあります常勤的非常勤に対するところの年末
手当あるいはその他の
手当の
支給の問題、これでありますが、これは今までの中でたとえば去年の問題になりましたのは、林野関係の
職員であるとか、あるいは逓信部内におきましても定員法というわくによ
つて縛られておる関係から、どうしても仕事を正常に遂行するためには、非常勤を雇わなければならないという形で、
賃金労務者を雇
つておるわけでありますが、これに対するところの
手当というものを
支給するのに、非常に困難をしておるというの現状であります。たまたま二箇月以上常勤したということで、この常勤労務者に対して
手当を
支給したということも例にはありますけれ
ども、私
どもとしては大体二箇月以上にわた
つて当然
勤務するであろうというふうに予測される者については、これはぜひ今度の場合には
支給するというふうに明らかにしていただきたい。
それからもう一つは未復員者に対する問題でありますけれ
ども、これについても全然考慮を払われておらないわけでありますが、今度の場合には未復員者に対しても、全面的にこの
手当の
支給をはかるようにぜひ御考慮を願いたいと思います。
またもう一つ、その次でありますが、第二項については、簡単に例を申し上げますと、今まで電通と郵政という両省間の中で、電通から郵政省に一応移籍した場合に、
公社社員から
公務員としてかわ
つて来るわけでありますが、その場合には起算算定というものが、やはり三箇月あるいは六箇月というようなものにくぎづけられる関係かち、起算月日についてわれわれとしては非常にその人間に不利な
支給方法しかとれないような状態にありますので、この矛盾についてはぜひ是正をしていただきまして、こういうふうな方にも全面的に
支給されるようにしていただきたい。
それから休職者の問題でありますが、公傷等によるところの休職者に対しては全額を
支給するというように
なつております。しかし私
どもの場合には当然職業病として何らかの方法が講ぜられる限りにおいては、最も妥当な形で方法を講じております。結核療養患者の場合でありますが、この結核療養患者の場合には、ほとんど
支給を受けておらないというのが現状であります。ことに
ベース・アツプ等についてもこれがやられておりません。こういうことは私はぜひ是正していただきまして、
ベース・アツプあるいは年末
手当については全額
支給するように御考慮を願いたいと思います。郵政の場合には結核で休んでいる者が約三千人程度いるわけでありまして、これらの人たちが収入より以上に出るところの支出によ
つて、その生計が非常に苦しい状態にあるということは、これはもう常識でもおわかりになる点でありますので、ぜひこの点については御努力をお願いいたしたいと思うわけであります。それからそのほか病気でも
つて欠勤している者が、相当多数あるわけでありますが、それが単に十二月十五日に在勤する者とか、あるいは六月十五日に在勤する者等によ
つて、簡単な日付をも
つて解釈されますと、すべてこれらの者がはずれて参りますので、この点については特段の御考慮をお願いいたしまして、これらのことに健康な者よりもさらに肉体的にも経済的にも苦悩をなめている人間の救済については、特段の御考慮をお願いしたいと思います。また次に
給与法の中で示されている結核療養者の療養期間の問題と、
給与の問題でありますが、私はこれを先ほどの方が申し上げましたように、ぜひ二年を三年としていただきたいということを切にお願いいたしたいと思います。
それから停職の場合でありますが、停職の場合には当然これは無罪に
なつた場合には
支給を受けるわけでありますけれ
ども、起訴されて実際の体刑というものがきめられていないときには、これは
支給されるのが当然ではないかというふうに考えられる点と、もう一つは
官庁の場合に、そこの
職場の長あるいは責任者であつたということから責任をただされて、一応一身に罪を背負つた人たちが停職に
なつている場合があるわけでありまして、こういうような場合にも、ぜひその内情というものをしんしやくくださ
つて、全額
支給をしていただくようにしていただきたい。ことに犯罪その他によ
つて停職された場合には、百分の百以内におけるところの、それぞれの状態に勘案して
支給をされるようにおとりはからい願えれば幸いだと考える次第であります。
それから管理者の起動の問題でありますが、五条一項の中で「
俸給の
特別調整額」という形で載せられておりますけれ
ども、これは私
どもとしては先ほど公述されたのと同じように、ぜひ削除していただきたいと思います。
それから宿直
手当につきましては、これは一回という回数によ
つて金額がきめられたことについては、もちろん私
どもとして賛意を表するわけでありますが、その算定内容について、いささか私
どもとして了解のできない問題があるわけであります。たとえば
政府案で行きますと
平均俸給が九千九百十七円、
平均地域給が千六百二十六円というふうに
なつておりますので、これを算定
基準の百分の百二十五の八倍といたしますと、
政府案で行きますと四百八十円、それから
人事院案で行きましても五百十一円、全逓あるいは
公務員の
組合側で
出している案で行きますと六百何がしかになるのが、大体妥当な計数上の問題でありまして、三百六十円のこの二回単価につきましては、ぜひこの
平均本俸とそれから
平均地域給によ
つて、それぞれ算定をお願いしたい。かように考える次第であります。
それから最後に、これは企業
官庁の特殊性としてお願い申し上げたいことでありますが、一応五条の第一項中に
勤勉手当あるいは
奨励手当というものが入ることについて、前の公述の
方々からはこれについては
反対の意思表示がなされておりましたけれ
ども、
奨励手当というものは決してその勤惰の差によ
つて支給されるものではないのでありまして、先ほ
ども申し上げましたように、この人間が能力以上に努力をして増収をはかられた、あるいは最も繁忙の度合というものを定員の満てない中でこれを処理して何とか片づけた場合に当然上
つて来るところの実績であるとか、こういうような既定の額からオーバーして上
つて来るところの増収に対する勤労感謝あるいは士気高揚という形で、今まで企業
官庁としては出されておつたわけでありますが、その出され方がいわゆる物件費の流用であるとか、あるいは何らかの便法的な
処置でも
つてこれをはか
つておつたというのが、今までの通例でありまして、こういうような非常に便法によ
つて給与に見合うところのものを支払うということは、これは非常に不妥当であるということから、この
奨励手当については当然四半期一期ごとにそれぞれの繁忙度合、増収の度合、それから勤惰の度合というものが勘案されて
支給されるというのが、この
奨励手当の内情でありまして、勤惰の差によ
つて勤勉手当で
支給されるところの年末一回
払いというのと全然これは性質を異にしておりますので、この点については私
どもとしては
期末手当のほかに
奨励手当というものを書き加えてぜひ
修正をお願いしたい、かように考える次第であります。
いろいろ申し上げたいことはありますが、相当長時間になりましたので、最後に一点だけ申し上げますが、十九条の中で
政府の考え方の中では
勤勉手当を二十七年一月から十二月まで
勤務したものに対して百分の百五十、それから
奨励手当は二十七年四月一日より十二月まで換算して九箇月
勤務した者に対して百分の五十とありまして、その註釈といたしましては大体一月から三月までの間のものは
奨励手当としてすでに
支給済みであるということが述べられておりますけれ
ども、私
どもはこれはどういう形で
支給されたのか、あるいはどんなところに入れられたのかについて知りませんし、この点については全然
支給を受けておりませんので、この場合には当然
勤勉手当が二十七年一月から十二月までと起算するならば、
奨励手当の起算も二十七年四月ではなしに二十七年の一月から起算して、大体この三箇月間のパーセンテージというものが一・九幾らになるので、百分の七十というものが
支給されるのが、妥当な線ではないかと考えますので、この点をぜひ勘案していただきたい。ことに先ほ
ども申し上げましたように、この
修正意見としては
奨励手当という別個な性質のものについては、特別にお考えをお願いしたい。かように考える次第であります。非常に短時間の間で意を尽せなかつたと思いますが、私からの公述を終りたいと思います。