○館
委員 大分時間が経ちましたので、次の機会に譲りたいと思つておりますが、池田さんが言われたことについて私は非常に痛感いたしておるのであります。
人事院あるいは
国鉄の調停
委員会あるいは仲裁
委員会という機関がせつかくきめられるものを、
予算がないということでいつも打切られておるというこの根本問題を直さなければ、どうしても問題が進まないのでありまして、これがわれわれの壁に
なつておることは事実なのであります。
そこで、これはこの前も申し上げたのですが、そのときにあなた方はいらつしやらなかつたから申し上げますが、
国鉄の
裁定の場合でも、今年は中央調停
委員会に調停案を持出さないで、詮議をしないでただちに
裁定に引移されておる。そのことを
政府は、
委員の交代期であつたがゆえに、こういうことに
なつたというように
説明されておりますが、その内情は、
国鉄の調停
委員になり手がなかつたというのが実情なのです。調停
委員会は二十四年からすでに発足して来たのでありますが、その間三回、四回にわたつて、苦心をして調停案を出しておりますが、いつも
政府あるいは総裁のいれるところと
なつておらない。
裁定の場合でもその
通り。そこで調停
委員の候補者をきめる場合に非常に困難をされたはずである。しかもようやくでき
上つたときには、すでに二箇月の期間を経過しておつて、
裁定に飛び込んでしまつた。しかも調停
委員の任命が終つた時分に、当時の吉武労働大臣は、どうか調停
委員になることをお逃げにならないように、何とかしてくれということを言われたそうであります。そういうことは、
政府機関それ自身が、
政府の現在のごとき態度ではみずから崩壊するような働きに
なつておるということであります。
人事院総裁は、さつき
予算を考えないで
人事院は
勧告をすれば、いいのであるというようなお話に承
つたのですが、適正な
ベースを出すならばそれでいいということをお話にな
つたのでありましようが、採用しようがしまいが、それは自分の権限外に属することであるとお考えに
なつておつても、採用に
なつたということになれば、やりがいがあつて非常にうれしいことだと思う。中央調停
委員になる者はすでにさつき話したような状態である。しかも
人事院が廃止に
なつてもいいんではないか、なるとかいううわさまで立つておる。私たちはそういうことにおいて
ベースを
調査しておる
政府の周囲における各機関が、みずから崩壊の立場に立つような気持になるのではないかということを非常に残念に思うし、そこに
政府みずからの大きな矛盾があると思う。そういうことを申し上げて、悪口を
言つておるようでございますが、実に情ないことだと思う。せつかく機関をこしらえておいて、それをみな死物扱いをしておる。これは
政府の政策の上から見れば、最大の黒星であると思う。しかも
人事院総裁のところへはことし官公労の連中が
勧告の
内容について押しかけて来ておるはずである。どうすることもできない。いろいろ官公労の諸君が詳しく調べておる事柄についての
人事院の当局者の言葉の食い違い、あるいはまた当局者の返事のできない点、そういうことがあつたりして、大分すわり込みをやつておつたそうであります。その際にどうしても動かないということからか、官憲までが出て来てこれに追つ払いをかけておるという始末であります。さらにまた検束された者もあるかと私は聞いております。そういうことはさつき池田君が言つたように、こういう
法律の無視—それは
法律無視ではない、十六条で向うへ言うて行けということに
なつておるという逃げ口があるとおつしやるかもしれませんが、そういう形で続々現われて来る仕儀になりはせぬかと思うのであります。これは労働行政その他にも
関係することでありましようが、私はそう考える。そこ
菅野さんあたりがいろいろ四千七百円については間違つておるので、四千八百円にしたい。運賃の値上げその他を勘案して、間違つておるとおつしや
つたのではないでしようけれども、米の値段も上るからということで、四千八百円にされたという処置はわかるのでありますが、そういう姑息なことでは、労働者の窮乏は救えない。私たちは何とかして
予算の修正をやらなければならないとは考えておりますが、
政府のこういう方面に対する施策については、大いに反省を促したいと思うのであります。私の質問はまだたくさんございますけれども、今日の質問はこれで打切りたいと思つておるのでありますが、そういうことであつては、一体そういうことをやらせるのが
政府なのか、それとも困つておる労働者自身が自主的にやるのか、これをよくお考えを願いたいと思う。
地域給の話だとか寒冷地
手当の話、あるいは
石炭手当の話、何を持ち出しましても、結局は
予算がないということなので、私の質問に対する答弁については不満の限りなのであります。
それから、
人事院の
勧告の中に
超過勤務手当もありますが、実情において、
超過勤務手当を払つておらないところがたくさんある。食糧庁の
人たちの話を聞きますと、供出の督促をやらせられておるその分に対する
超過勤務手当の支払いがされておらない。しかも、無責任なことには、係の当局が、供出を促進する意味において、夜中の十二時までですか持ち込むことをさせておる、そういう指令を
職員に出しておる。そのために
職員の超過
勤務が非常に大きく
なつておるけれども、その指令は
予算の裏づけのない形のままに出されておる無責任な指令なのだ。そういう状態が今盛んにやかましく言われておるのであります。こういうことについて考えますと、
政府がわれわれに働けということはわかるのだが、その働けの裏づけがないということは、実に無責任な働かせ方だと私は考えざるを得ないのであります。この超過
勤務の問題についても詳しく調べてありますが、これは食糧庁の
長官あるいは農林大臣に聞いてみなければなりませんけれども、超過
勤務をさせる指令を出しておいて、それを計算して出しても払わないという状態で、一般問題についてもみなそうだ。私は、それについては、高給を食んでおる
人たちは最低生活の苦しさを御存じない、どういう生活をしておるか御存じない、計数ばかりいじられてお
つたのではこの
仕事はできないと考える。それであなた方の言われる
通り、
国会できめるべきものであつて、あなた方の責任ではございません。しかし、残念ながら
国会は
政府与党が多数を占めておる。その与党の多数を占めておる
国会でおきめなさいとおつしやることである。私はそういう皮肉な気持であなた方のお話を聞かざるを得ません。国の政治をするためにはそういうことであつてはいけないと思う。私は質問するよりも文句をつけておるようで困るのですが、なんぼあの手この手で質問いたしましても、
予算がないとか、あるいはこれこれだということはわかり切つておる。だからこういう不平たらたらを申し上げるより
方法がない。この状態では困る、そう私は言わざるを得ない。ぐちを
言つておると思われるかもしれないが、いずれ私たちは徹底的に
予算の解剖をやらざるを得ないと思うのであります。気の毒なのは、
人事院、中央調停
委員であるとか、仲裁の方々でございます。
政府の
予算がないことも考えながら、縮めて縮めて出しおる。
人事院はそうじやないとおつしやるが、中央調停
委員なり仲裁の方々は
政府の
予算、あるいは国庫の
予算を勘案して、これならばと出しておるのであります。
人事院はそうでないとおつしやるならそれでよろしい、調停
委員や仲裁
委員は、何とかというわけでやつておるのでありまして、金の面も考えないで出しておるわけじやない。
政府みずからの機関が崩壊するのではないか、実質的に崩壊しておるのではないかということを私は申しまして、こまかい点についてはあとでお聞きすることといたします。