○
中野(四)
委員 今度の
ダイヤモンドの
事件をば
調査いたしまするのに、その当面の
責任者である軍需次官の竹内君並びに
皇室等に
関係をしたといわれる平賀技官、こういうような重要な
証人がことごとく死亡しておる。私は、死者にむちうつわけではありませんが、こういううるさい問題になると、死んだ人間に責任を転嫁するのは世間ありふれたことであります。そこで、現存しておられる当時の
関係の最高
責任者は、大体
機械局長をしておられたあなたということになるのです。あろいは前任者の
局長であ
つたか、当時のあなたであ
つたかということが、きようお伺いをする焦点になると思うのです。第一番に、
局長は、
ダイヤ買上げ及び
処分の重大なる責任の地位におられたのだと思います。ゆえに、その買上
要綱は当然知
つておらねばなりませんし、その
処分も遅々として、
戦争の役に立たなか
つたという責任もとらねばならぬと私は思うのです。たとい当時あなたが二十年の四月から
機械局長にな
つたから知らないという言葉をも
つて一切の
証言をされましても、事実上においては当然その責任の一端は負わねばならぬと思うのです。こういう観点に立
つて、私はお伺いをしたいと思いまするから、先ほど来の
明禮委員ないしは佐々木
委員からの御質問と重複する点が一点、二点ありますが、それは、私が伺
つてお
つて納得の行かぬ点がありますので、このことはひとつごしんぼうを
願つて、
お答えを願いたいと思います。あなたに疑いを持
つてとかくの論議をするにあらずして、御
承知のごとく、
終戦直後、進駐軍によ
つて十六万一千
カラツトの
ダイヤ並びに金、銀、白金というものを接収されました。そして実質上は
昭和二十六年の六月十九日に日本側に引渡しの手続をいたしておりますけれ
ども、形式上は昨年の四月二十八日、すなわち講和発効と同時に日本
政府に対して
接収解除をしてよこしたのであります。この
ダイヤモンド、貴金属等をば、現段階においていかに
処理するかということが、今日国会に論議されておるのであります。と申しますのは、昨年の六、七月と
記憶いたしますが、大蔵
委員会に対しまして、接収貴金属等の
数量等の
報告に関する
法律案というものが提案されまして九月の三十日までに元の
所有者は
政府にその証拠書類をつけて届け出よ、
政府は、返還その他の
処置をするために必要だから、この
法律を提案するという理由で参
つたのであります。そして、今年の
調査によりますれば、昨年の九月三十日までに約四百六十件にわた
つて、
自分の
所有権を主張した人々が大蔵省に届け出て来たのであります。ところが、この
所有権をめぐ
つて当時の
軍需省の
責任者であ
つたあなたに伺わなければならぬ大事な点がある。それが今日あなたに伺う焦点と御了承願いたいと思うのです。
そこで第一番に伺いたいのは、たといあなたが二十年の四月に
局長になられたにいたしましても、当時日本の国内には相当数工業用の
ダイヤはあ
つたはずであります。特に
工具製作用の
ダイヤは、装飾用の
ダイヤよりもむしろ工業用
ダイヤの方が結果において使いやすいし、よいという結論は、識者のひとしく知るところであります。当時軍
関係では少くとも八万余
カラツトの工業用
ダイヤを持
つてお
つたはずでありますが、
証人はこういうことを御存じかどうかということが一点です。
それから、陸海軍に八万余
カラツトの工業用
ダイヤがありながら、もとより運転用として必要でもありましようけれ
ども、どういう
目的で、当時から
考えれば価格の点においても十倍も十三倍も高いような一般国民の装飾用
ダイヤを
軍需省がきびしい次官命令を出して買い上げなければならなか
つたか、この状況をお伺いしたいのであります。