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1953-03-03 第15回国会 衆議院 厚生委員会 第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年三月三日(火曜日)     午前十時五十一分開議  出席委員    委員長 平野 三郎君    理事 大石 武一君 理事 野澤 清人君       新井 堯爾君    勝俣  稔君       永山 忠則君    日高 忠男君       平澤 長吉君    吉江 勝保君       高橋 禎一君    町村 金五君       岡部 周治君    鈴木 義男君       堤 ツルヨ君    島上善五郎君       長谷川 保君    八木 一男君       柳田 秀一君  出席国務大臣         厚 生 大 臣 山縣 勝見君  出席政府委員         厚生事務官         (社会局長)  安田  巌君  委員外出席者         厚生事務官         (大臣官房総務         課長)     小山進次郎君         厚生事務官         (社会局生活課         長)      今村  讓君         厚生事務官         (保険局健康保         険課長)    牛丸 義留君         厚生事務官         (保険局厚生年         金保険課長)  松田 盛進君         厚生事務官         (保険局船員保         険課長)    中村 隆則君         専  門  員 川井 章知君         専  門  員 引地亮太郎君         専  門  員 山本 正世君     ————————————— 二月二十七日  委員長谷川保辞任につき、その補欠として勝  間田清一君が議長指名委員選任された。 同月二十八日  委員堤ツルヨ辞任につき、その補欠として受  田新吉君が議長指名委員選任された。 三月二日  委員受田新吉辞任につき、その補欠として堤  ツルヨ君が議長指名委員選任された。 同月三日  委員島上善五郎君及び勝間田清一辞任につき、  その補欠として八木一男君及び長谷川保君が議  長の指名委員選任された。 二月二十八日  日雇労働者健康保険法案内閣提出第一三四  号)  消費生活協同組合資金貸付に関する法律案(  内閣提出第一三五号)(予)  食品衛生法の一部を改正する法律案内閣提出  第一三六号)(予) 三月二日  医師国家試験予備試験受験資格の特例に関す  る法律の一部を改正する法律案藤原道子君外  七名提出参法第九号)(予) 二月二十六日  医療給付費の二割以上国庫負担に関する請願(  關谷勝利紹介)(第二九五八号)  同外十五件(吉江勝保紹介)(第二九五九  号)  同外三件(千葉三郎紹介)(第二九六〇号)  同外五件(小川豊明紹介)(第二九六一号)  同外一件(淺香忠雄紹介)(第二九六二号)  同外十二件(田中萬逸君外二名紹介)(第二九  六三号)  同外十一件(川島正次郎紹介)(第二九六四  号)  同外七件(山村新治郎君紹介)(第二九六五  号)  同(有田喜一紹介)(第二九六六号)  同外三十七件(並木芳雄紹介)(第二九六七  号)  同(伊能繁次郎紹介)(第二九六八号)  同外一件(小西寅松紹介)(第二九六九号)  同外九件(福井順一紹介)(第二九七〇号)  同(井出一太郎紹介)(第二九七一号)  同(大平正芳紹介)(第二九七二号)  同外二百七十六件(青柳一郎紹介)(第二九  七三号)  同(西村直己紹介)(第二九七四号)  同(大川光三紹介)(第二九七五号)  同外七件(森清紹介)(第二九七六号)  同外四件(松原喜之次紹介)(第二九七七  号)  同外十六件(寺島隆太郎紹介)(第二九七八  号)  同外十九件(水田三喜男紹介)(第一九七九  号)  理容師美容師法の一部改正に関する請願福田  昌子紹介)(第三〇二八号)  同(首藤新八紹介)(第三〇二九号)  同(野澤清人紹介)(第三〇三〇号)  未復員者給与法適用患者生活扶助料支給に  関する請願野澤清人紹介)(第三〇三一  号)  動員中戦傷学徒国家補償強化に関する請願(  勝間田清一紹介)(第三〇三二号)  引揚者集団収容施設の疎開に伴う新設住宅並び  に補修費国庫補助請願佐藤洋之助紹介)  (第三〇三三号)  生活保護法による生活扶助料引上げに関する請  願外一件(山下春江紹介)(第三〇三四号) 同月二十七日  助産婦資格基礎教育に関する請願大石武一  君紹介)(第三一一九号)  国立療養所米子病院病床増設に関する請願(  足鹿覺紹介)(第三一二〇号)  長地村の水道敷設費国庫補助等に関する請願(  原茂紹介)(第三一二一号)  インターン制度廃止に関する請願勝俣稔君紹  介)(第三一二二号)  国立松本病院存置等請願外四件(植原悦二郎  君紹介)(第三一二三号)  生活保護法による生活扶助料引上げに関する請  願(風見章紹介)(第三一二四号)  未復員者給与法適用患者生活扶助料支給に  関する請願島上善五郎紹介)(第三一二五  号)  未復員者給与法適用患者生活扶助料支給等  に関する請願山下春江紹介)(第三一二六  号)  同(柳田秀一紹介)(第三一二七号)  国立療養所における給食費増額請願風見章  君紹介)(第三一二八号)  戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部改正に関す  る請願大石ヨシエ紹介)(第三一二九号)  結核患者身体障害者福祉法適用請願島上  善五郎紹介)(第三一三〇号)  面高村地内に簡易水道敷設請願辻文雄君紹  介)(第三一三一号)  理容師美容師法の一部改正に関する請願平野  三郎君外二名紹介)(第三一三二号)  理容師美容師法の一部改正反対に関する請願(  福田昌子紹介)(第三一三三号) 同月二十八日  未復員者給与法適用患者生活扶助料支給に  関する請願町村金五君紹介)(第三一八七  号)  戦傷病者援護に関する請願町村金五君紹介)  (第三一八九号)  理容師美容師法の一部改正に関する請願田中  伊三次君紹介)(第三一九〇号)  西高村地内に簡易水道敷設請願辻文雄君紹  介)(第三一九一号)  遺族扶助料受給者の変更に関する請願大石ヨ  シエ君紹介)(第三一九二号)  名入部落簡易水道敷設請願山下春江君紹  介)(第三二八五号)  式見村に簡易水道敷設請願辻文雄紹介)  (第三二八六号)  津吉村に簡易水道敷設請願辻文雄紹介)  (第三二八七号)  田河町に簡易水道敷設請願辻文雄紹介)  (第三二八八号)  千々石町に簡易水道敷設請願辻文雄君紹  介)(第三二八九号)  重度脊髄損傷傷い者医療費全額国庫負担に関す  る請願(小金義照紹介)(第三二九〇号) 三月二日  戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部改正に関す  る請願外三件(木村武雄紹介)(第三二九五  号)  同(柳田秀一紹介)(第三三二六号)  同外一件(大石ヨシエ紹介)(第三三六六  号)  未復員者給与法適用患者生活扶助料支給に  関する請願武藤運十郎紹介)(第三三二七  号)  未復員者給与法適用患者生活扶助料支給に  関する請願山下春江紹介)(第三三二八  号)  同(鈴木直人紹介)(第三三六九号)  国立長野病院存置請願羽田武嗣郎紹介)  (第三三六七号)  理容師美容師法の一部改正反対に関する請願(  竹尾弌君紹介)(第三三六八号)  消費生活協同組合低利資金融資に関する請願  (平野三郎紹介)(第三三七〇号)  釧路港に検疫所設置請願伊藤郷二君紹介)  (第三三七六号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  参考人選定の件  連合審査会開会要求に関する件  小委員及び小委員長選任に関する件  船員保険法の一部を改正する法律案内閣提出  第一〇六号)  健康保険法の一部を改正する法律案内閣提出  第一〇七号)  厚生年金保険法の一部を改正する法律案内閣  提出第一〇八号)  日雇労働者健康保険法案内閣提出第一三四  号)  消費生活協同組合資金貸付に関する法律案(  内閣提出第一三五号)(予)  食品衛生法の一部を改正する法律案内閣提出  第一三六号)(予)     —————————————
  2. 平野三郎

    平野委員長 これより会議を開きます。  まず連合審査会開会申入れの件についてお諮りいたします。現在恩給法の一部を改正する法律案内閣より本院に提出され、内閣委員会においてこの軍人恩給復活の問題が審査されておるのでありますが、この問題は遺族援護の問題と密接な関係があり、委員諸君からもこれの審査に参加したいとの要望も強いので、内閣委員会に、当委員会との連合審査会を開くべく申入れを行い、これの日時の決定その他に関しましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、そのように決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 平野三郎

    平野委員長 御異議なしと認め、そのように決します。     —————————————
  4. 平野三郎

    平野委員長 次に当委員会においてインターン制度の問題の調査参考に資するため、同問題に関係する人々から意見を聴取したいとの申出がありましたので、お諮りいたします。インターン制度の問題の調査のため、当委員会において参考人より意見を聴取すべく参考人選定調査する日時その他に関しましては、委員長に御一任願いたいのでありますが、そのように決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 平野三郎

    平野委員長 御異議なしと認め、そのように決します。     —————————————
  6. 平野三郎

    平野委員長 次に日雇労働者健康保険法案消費生活協同組合資金貸付に関する法律案及び食品衛生法の一部を改正する法律案の三案を一括して議題とし、政府より説明を聴取いたしたいと存じます。
  7. 山縣勝見

    山縣国務大臣 ただいま上程いたされました日雇労働者健康保険法案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。  健康保険制度が広く一般被用者対象としているものであり、全被用者が本制度を享受すべきことは申すまでもないところでありますので、政府といたしましては、昨年以来鋭意調査検討を重ねて参りました結果、別途提案いたしております健康保険法の一部改正法律案により、その適用範囲を拡張いたしますとともに、各方面要望にこたえ、ここに日雇労働者健康保険法案提案申し上げた次第であります。本制度健康保険法と別個の制度といたしましたのは、日雇い労働者就労実態に照し、健康保険制度と同一の運営をはかることが困難であると考えたからであります。  次に法案要点について申し上げますと、第一に、適用対象といたしましては、まづ健康保険適用事業所に使用される日雇い労働者を被保険者として健康保険との制度的均衡をはかるとともに、失業対策事業または公共事業就労する者を被保険者として日雇い労働者生活実態に即するよう配慮いたしました。  第二に、保険給付につきましては、保険料負担限度を考慮いたしまして被保険者及び被扶養者に対し、健康保険に準じて療養給付及び家族療養費を支給することとし、その期間は三箇月といたしました。なお、疾病にかかりまたは負傷した日の属する月の前二箇月間に通算して二十八日分以上の保険料が納付されていることを受給要件として、日雇い労働者就労実態日雇い労働者に対する失業保険との制度的バランスを考慮することといたしております。  第三に、保険料につきましては、日雇い労働者に対する失業保険方法を取入れ、一級と二級とに区分して、事業主に印紙をもつて納付させることといたしたのであります。  以上、法律案の概要について御説明申し上げましたが、本制度はとりあえず健康保険の最も主体をなす療養給付及び家族療養費内容として制度の発足を企図いたしたわけでありまして、なお、将来保険運営の実際に応じ、諸種の条件の具備をまつて、漸次その充実をはかりたいと存ずる次第であります。  次に消費生活協同組合資金貸付に関する法律案提出理由について御説明申し上げます。  消費生活協同組合法が施行されましてから四年余り経過いたしまして、その間組合の発展が国民生活の安定と改善に尽した役割は大なるものがあると考えられます。しかるに組合の重要な仕事であるべき国民、ことに都市生活者生活改善のための事業につきましては、そのための施設設備賃金がないために、いまだきわめて不十分でありますので、国と都道府県とが協力してこの資金組合に貸し付けて、事業の健全な発達をはかる必要があります。これが本法案提出した理由であります。  以下この法律案内容について、その要点を概略説明申し上げます。都道府県厚生省令で定める基準に適合する消費生活協同組合共同洗濯所共同浴場等協同利用施設設備に要する資金を貸し付けた際、その半額を国から都道府県に対して貸し付けることにより、生協組織による国民生活合理的改善を助長するという建前であります。  次にその条件は、非営利事業設備資金であることから、ある程度長期かつ低利でなければならないので、国から都道府県に対する貸付金については、利率年三分、貸付期間七年、うち最初の二年を据置期間として元本をすえ置き、償還方法は、利子は各年払いとし、元本はすえ置き期間経過後五年均等年賦償還としております。また都道府県から組合に対する貸付金については、本制度趣旨都道府県の個々の事情とを勘案して、厚生省令で一定の限度を設け、そのわく内で自主的に決定し得るようにしております。  次に食品衛生法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を御説明いたします。  今回の改正は、輸入食品による危害を防止するため、衛生上有害のおそれのある食品輸入を禁止し、食肉については、相手国政府発行証明書の添付されたものでなければ輸入してはならないこととし、これらに違反して輸入された食品につき必要な行政処分を行うことができるようにしようとするものであります。すなわち、戦後食糧需給の逼迫した際に輸入されました食品中には、衛生上いかがわしいものがかなりあり、このため多くの中毒その他の事故の発生を見たのでありますが、食糧需給のほぼ平常化したと考えられます今日におきましても、なお相当量衛生上不良な食品輸入されている現状であります。  この輸入食品による事故を防止いたしますためには、それを流通、消費段階において、監視することも必要でありましようが、輸入食品は、もともと国内産の食品と異なり製造、加工等段階において、わが国の監視を受けていないものでありますから、これだけでは不十分であります。どうしてもその輸入時に十分注意して衛生不良な食品輸入しないようにするとともに、万一、衛生上不良な食品輸入されました場合には、ただちに適当な措置をとることが必要であり、かつ、能率的であると考えるのであります。また食肉等は、人畜共通疾病感染源となる危険性が強いものでありますので、国内においては、すべて屠場におきましては厳重な検査を経ておりますが、輸入食肉等につきましては、わが国においてこのような検査を行うことができませんので、同様な検査の結果安全であることを相手国に保障してもらう必要があると考えるのであります。  以上、提案理由につきまして御説明いたしましたが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに議決あらんことを切望する次第であります。
  8. 平野三郎

    平野委員長 これにて提案理由出門は終りました。     —————————————
  9. 平野三郎

    平野委員長 次に、この際小委員今の設置、並びに小委員、小委員長選任についてお諮りいたします。理容師美容師法改正問題について、小委員八名よりなる理容師美容師法改正に関する小委員会設置することとし、小委員並びに小委員長選任に関しましては、委員長より指名するに御異議ありませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 平野三郎

    平野委員長 御異議なしと認め、小委員には、    新井 京太君  勝俣  稔君    野澤 清人君  日高 忠男君    山下 春江君  堤 ツルヨ君    島上善五郎君  只野直三郎君の八君をそれぞれ指名し、小委員長には野澤清人君を指名いたします。     —————————————
  11. 平野三郎

    平野委員長 次に船員保険法の一部を改正する法律案健康保険法の一部を改正する法律案、及び厚生年金保険法の一部を改正する法律案の三案を一括して議題とし、審査を進めます。質疑の御申出があればお許しいたします。なお厚生大臣に対しまする御質問があれば、この際御発言を願います。堤ツルヨ君。
  12. 堤ツルヨ

    ○堤(ツ)委員 私は本日御提案になりましたこの法律案を離れて、ひとつ厚生大臣の御所見を承りたいと思うのでございます。この当委員会に、実は議員提案となりましてハイアライ法案が出ております。これは、私なども知らないうちに名前を利用されて、提案者になつて被害をこうむつておる一人でございますが、即刻取消しまして、わが党のこの法案に対する態度は、はつきりと反対ときまつておるのでございます。この法案審議は別といたしまして、この法案がかかりますや、代議士の手元に、日赤の各支部や赤い羽根、白い羽根募金会長あたりから、しきりにハイアライ法案を通してくれという電報が来ておるのでございます。私はこれは笑えない日本の悲劇だと思うのであります。一生懸命に私財を投じ、国がなすべきところの社会福祉事業民間人がやつております場合に、赤い羽根、白い羽根をもつてこれが援助いたしておりますことは、皆様の御存じの通りでございますけれども、しかしこのハイアライ法案を通してもらつてさえも、何とか金がほしいというこの日赤態度共同募金の現在のこの貧困な財政を考えますときに、こうした議員提案によるところの、世にいわれる賭博法案のてら銭によるところの民間社会福祉事業の援助というものは、もつと真剣に考えられなければならないと思うのでございます。従つてこのハイアライ法案目的社会福祉事業資金を調達するためにあるとするならば、それ以外のまじめなまともな方法考えられなければならないことは、政府も当然だとお考えになるであろうし、議会としてもよりよい方法があるならば、何とかしなければならないのでございます。そこで私たちは、この社会福祉事業に対しましては、特別の金庫であるとか、また国からの起債のわくの割当であるとか、何とか健全な方法がとられなければならないと思うのでございますが、こうした日赤支部長や各都道府県募金会長から、ハイアライ法案を通してくれというような電報を送つてでも資金を得なければならないという、この民間社会事業の金のない現実に対して、厚生大臣は何とお考えになるか、私は厚生大臣の御所存を承つておきたいと存じますので、他の法案とは別個にひとつお答えを願いたいと存じます。
  13. 平野三郎

    平野委員長 堤君にちよつと申し上げますが、ただいま議題は三法案でございますので、いずれ回力球競技法案議題としてその際に十分御質疑を願いたいと思います。なお、きようは大臣参議院からも呼ばれておりますので、時間もありませんから、いずれ機会をつくりますから、そのときに御質疑を願いたいと思います。もし大臣に御答弁があれば……。
  14. 山縣勝見

    山縣国務大臣 ただいま堤先生の御所見を拝聴いたしまして、日本のただいまの民用社会福祉事業が、資金的にもその目的とするいろいろな事業をされるについて不足をいたしておつて、万全でないことは私も認めるのであります。何とかしてそういうふうな資金が各方面において十分に得られて、そして社会福祉事業というものが今後とも推進されますことは、これは政府といたしても希望するところであります。ただ現在の募金の状態がどう行きますか、年額にいたしましてもこれらの全部の希望を達成するだけの資金がまだ十分でない、また国家予算としてもただいま御審議を願つている昭和二十八年度予算には、これまた各委員の方々から見られますれば不十分であるかもしれぬが、歴年の予算に比しましては相当程度増額をいたして御審議を願つておるのであります。今回日赤支部等からさような電報が参つております事実は、私の手元に参つておりませんから承知いたしません。さような事実があるいはあるのかもしれませんが、このハイアライ法案に関しましては、これがいわゆる賭博法であつて社会風教上の影響があるということでは困る、私が希望いたすのは、要するにこれは日本社会福祉事業に対して何らか裨益をいたすということで、そういう趣旨で立案せられておるということを私は承知いたしております。これは政府提案でございませんで、議員提案である。議員提案といえば、これは皆さんの御提案でございますから、国会において御審議になつて、それを適当として国会を通過いたしますれば、政府はその方針によつて善処しなければいかぬのでありましようから、ただいまそれに対して私は皆さんの御審議をまつという以外には方法がとれないのであります。しかしこれによつて弊害の起りませんことを私も希望いたします。なおまた今後日本社会福祉事業の、ことに民間団体等資金を得られますように、他のよりよい方法がありますれば、諸先生方のいろいろお考えをまつて、さような方法をわれわれも持ちたいと思うのであります。それ以外にはただいま申し上げようもないのであります。
  15. 平野三郎

    平野委員長 長谷川君   (堤委員委員長委員長」と呼ぶ〕
  16. 平野三郎

    平野委員長 議題外質疑は許しません。     〔堤委員「まだ中途じやないですか。大臣答弁はピントをはずれている。委員長横暴発言を許しなさい」と呼ぶ〕
  17. 平野三郎

    平野委員長 ルールを守つてください。議題外質疑は許しません。長谷川君。
  18. 長谷川保

    長谷川(保)委員 私が一言聞きますから、堤さんその後でまた……。私はちよつと伺つておきたいのでありますが、厚生年金が今年からいよいよ支給されることになりました。それについて急速に改正いたしませんと御承知のように非常な不合理が出て参ります。この給付の金額に対しまする改正を至急なさる御方針であるかどうか、このことをひとつ……。
  19. 山縣勝見

    山縣国務大臣 厚生年金につきましては、標準報酬引上げ並びにその他関連事項がありまするが、この点につきましては、厚生省といたしても従来試案つくつて関係方面にいろいろ御相談を申し上げておる段階であります。これは御承知のように使用者の面にも相当甚大な影響のありまするものであり、政府といたしましては双方の御意見を十分に拝承いたして、ーこの厚生年金の問題は、ただいまは大したことはありませんけれども、今後は相当多額積立金になり、また相当多額のいわゆる年金として支出する、従つてそれに対する使用者側等負担も相当増大いたすと思うのです。これは政府といたしては、双方の立場なり、いろいろな点も考慮いたして、そうして万全を期したい。ただいませつかくそういう点について双方とも御相談をいたし、またいろいろな点について検討中であります。今後ともその点につきましては研究いたしたいと思います。
  20. 長谷川保

    長谷川(保)委員 今私が申しましたのは炭鉱労務者のことでありますが、これは至急急いでいただきませんと間に合わないわけでありますから、特別な御配慮をいただきたい。ことに政局が前途どうなりますか問題でありますから、ひとつこの点御考慮願いたい。その点厚生年金改正をお願いしたいと思います。
  21. 平野三郎

    平野委員長 ちよつと申し上げますが、今参議院内閣委員会が休憩して大臣出席を待つておりますので、簡潔に願います。
  22. 勝俣稔

    勝俣委員 日雇い労務者健康保険、私はまことにけつこうだと思うのでありますが、大臣ちよつとお伺いしたいのは、この療養給付は三箇月間ということになつておりますが、結核患者のごとき長期に療養を要するものは、この三箇月間ではなかなかむずかしいと思うのでございますが、結核患者なんかに対しましてはどういうような方針をおとりになる御予定でございましようか。
  23. 山縣勝見

    山縣国務大臣 この日雇い労働者健康保険につきましては、まずもつて事業主といいまするよりも被用者、被保険者負担考えまして今回一級、二級にわけて、そうして八円ないし五円ということにいたしました。これは保険の一つの常識から申しても、ほんとうを申しますれば、給付期間等についても、もつと長期にわたつてたとえば療養手当金等についても出したいと思つておりましたが、保険経済の見地から、とりあえずのところ三箇月ということにして先ほどの提案理由にも申し述べた通り、この面に今後とも万全を期したい、こう考えております。
  24. 勝俣稔

    勝俣委員 ちよつと希望を申し上げたいと思います。日雇い労務者の方々が結核になつておることもこれは事実でございます。しかし今医療につけないという不幸な立場にあるような次第でありまして、もし入院を必要とした場合には、三箇月であるけれども、やはり入院せざるを得ない。その後において、期間が過ぎたからというて、なおらないにもかかわらず療養所を出てくれというわけにも行かない。こういうことになると、現在の療養所の施設でも常に足りないという現在においては、おそらくますます療養所の病床の不足を来して来るのではなかろうかと、私は考えておる次第であります。ぜひこの点につきましては、なお療養所の病床の拡充にひとつ厚生省におかれても御努力あらんことをひとえにお願いいたしまして、私の質疑を打切ります。
  25. 山縣勝見

    山縣国務大臣 ただいまのお話に対して先ほども答えましたが、大体三箇月では、結核患者のごときは療養できません。もちろん今後とも万全は期したいと思つておりますが、当面としては、やむを得なければ生活保護法療養給付がありますから、そういうことでとりあえずやつて、なお今後この保険の万全を期したい。なおまた御指摘の点は今後とも留意をいたして行きたいと思います。
  26. 堤ツルヨ

    ○堤(ツ)委員 議事進行について。私は委員長がこういう態度をとられるのは初めてだろうと思いますが、少し気をまわし過ぎなさつていらつしやるのじやないですか。厚生大臣参議院で連日お忙しいことはわかつておる。これから厚生大臣がお出になることはあまりないんです。それで私たちは厚生行政全般について質問がしたい。しかもハイアライ法案政府から出されたものじやありませんから、私はもちろんハイアライ法案政府をとつちめようとは思つておらない。それよりもお聞きの通り、民間社会福祉事業の金をどうするかということについて、政府は真剣に考えようとしておるのか、かつて考えたことがあるのか、また何か方法があるじやないかということに対して、政府は過去においてかくかくしかじかの努力を払つた、またこういう方法もあろうと思うが、今はこういう段階で行き詰つているから、皆さんの御協力を求めるということの答弁があつたならば、それはそれとして私たちは法案提出考えておるんです。社会福祉事業資金については、今の答弁ちよつとピントはずれで、ハイアライ法案答弁をなさつておるから、片がついていないことについて、頭のいい委員長がどうしてこれを封じなさる。私は決して大臣を困らせようと思わぬのであつて、厚生行政全般について提案以外のことをお聞きになるのだつたらというたしか委員長からの発言があつたと思うのです。ひとつどうぞそういう不公平なことをなさらないで、私たちも超党派的に御協力を申し上げておるのですから、御信用を願つて発言をお封じにならぬようにお願いいたします。大臣も一言言いだいだろうと思うのです。ピントはずれですよ。
  27. 平野三郎

    平野委員長 ちよつと申し上げますが、きようは参議院内閣委員会にあらかじめ連絡をとりまして、十時からと公報にも公表し、大臣も十時から出席してお待ちいたしておりましたが、委員諸君の御出席が一時間も遅れて時間に食い違いを生じたわけでありまして、この点は御了承願いたいと思います。次会からは時間の励行をお願い申し上げる次第であります。
  28. 山縣勝見

    山縣国務大臣 堤先生は別にハイアライのことを聞いたのじやないとおつしやつたが、しかしハイアライということがたしか質問の中に入つておつたと思いましたから、私は懇切丁寧に御答弁申し上げるつもりで実は触れたのであります。それでただいまの民間施設について云々というお話でございましたが、これは先ほど申しました通り、政府といたしては決して万全の処置をとつておるとは申し上げかねるのですが、しかしたとえば今度のこの社会福祉関係に対する予算に対しても、皆さんの御協力を得て私どもも努力をいたしたつもりであります。全体施設に対して二億円、この二億円は決して十分とは申せませんから、今後とも増額をいたすようにしたい。なおまた一般の民間の福祉施設に対して、生活保護その他いわゆる社会福祉関係の事務の委託をいたしております際には、それに対して予算も出しておるのです。しかしこれでは十分ではありませんから今後とも努力をいたしたい、かように考えておるのであります。
  29. 高橋禎一

    ○高橋(禎)委員 内閣総理大臣が昨年の十二月二十四日の本会議で、厚生行政に関する施政の演説をなさつたのですが、これはきわめて抽象的なんで、具体的にどういうことをなさるのか、どういう程度の規模のことをなさるのか、また今後厚生大臣は厚生行政に関してどういう仕事をどの規模でもつてなさろうとしておられるか、その具体的な御方針をまず第一に承りたい。  次には、時間がありませんから、医療関係の問題についてお尋ねをいたしますが、これは申し上げるまでもなく国民は健康な生活を営む権利を持つてつて、そうして政府はまた社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上増進に最善を尽さなければならぬという憲法上の一つの義務を負担しているわけなのであります。ところが私の考えますところでは、現在の医療制度をもつてして、ほんとうに憲法が要求している、政府が憲法上当然なさなければならない責務を十分果しているというふうに思えないわけです。一例をあげますと、私は、現在の医療制度というものと、いわゆる医療精神というものとが、ほんとうに一致しているのかどうか、非常に大きな疑問を持つているわでけあります。国民全体の健康を維持するためには、まず病人の問題を解決つけなければなりません。ところがその病気の問題を解決するためにはこれは医療を抜きにして考えられない問題でありますから、結局まあ医療ということになるのです。ところが医療制度は、これは厚生大臣も御存じのように、どうも私は一貫した統一したものがないと思う。たとえば社会保険に関する諸制度を見ましても、実に矛盾もあればまた不均衡もある。こういうふうに思えますので、そこでお伺いいたしたいのは、医療制度というものをほんとうに医療精神に合致させるような施策をとろうということについて、ドういうふうなお考えを持つておられますか。  次には、また医療というものを、今の制度ではやや商品化するといつたような傾向があると私は思うのであります。たとえば課税の問題等にいたしましても、普通の営業とほぼ同じような見方をしている。これは医療というものを商品化しているわけです。そういうふうな見方で行くことは、医そのものの堕落を来す原因になるのではないか、また医というものを良心的に医療精神に従つて遂行して行くということを阻害するものではなかろうか、こういうようなことを私は考えますし、また社会保険もいろいろの形態にわかれておりますが、これを一体化して根本的に統一ある組織、制度というものを打ち立てようというようなことについて、厚生大臣はどういうふうなお考えを持つておられるか。  それから先ほどハイアライの問題が出ました。私はもちろんハイアライの法案自体について質問しようとするものではありませんが、これは堤委員の質問の趣旨考えましても、私は厚生大臣が当然これを明らかになさるべきであると思うのであります。と申しますのは、いわゆる社会福祉に関する行政というものが積極的にそして十分になされておりましたならば、おそらくこういつたような法律が頭を上げて来る余地は私はないと思う。過去四年数箇月にわたる吉田内閣の施政というものが、厚生行政に対して熱意を欠いておつた。それがために厚生、社会福祉に関する仕事の対象となるものが増加して来た。そして社会福祉事業に対して見るに見かねて、これは何とか解決しなければならぬという熱意のある人たちが、仕事を十分にやつて行こうとするためには資金が足りない、こういう事態が起りますことは、やはり政府の厚生行政に対する根本的な態度あるいはその熱意、施策というものに、欠くるところがあるからこういう結果になつたのだと思うのでありまして、このハイアライ法のごとき賭博公認法が頭を上げて来なければならぬというところに、私は厚生行政のきわめて不完全なものがあつたように思えるのでありまして、これらの諸点について厚生大臣の御所信をお伺いいたしたいのであります。
  30. 山縣勝見

    山縣国務大臣 厚生行政全般にわたつての広範な御質問でありまして、とうてい短時間ではお答えできないと思いますが、要点だけをお答えいたしたいと思います。なおまた、ただいま御質問の三点はいずれも関連いたしておりますから、一括して御答弁申し上げたいと思います。  昨年の新内閣ができました際における総理の施政方針演説によつては、新内閣の厚生行政がわからぬというお話でありましたが、ただいま御提案を申し上げておりまする昭和二十八年度の予算案によつて、大体現内閣の企図いたしております厚生行政の全般について御了承を得られると思うのであります。これはたびたび本会議あるいは委員会等においても申し上げておりまするから、できるだけ重複を避けたいと思いまするが、厚生行政に対して憲法二十五条を引用されてのお話がありましたが、これは各国の例を見ましてもなかなかそう、厚生行政がこれでもう完全だということは、これは相対的なものであつて、言い切れぬのであります。日本の二十五条と同じような憲法を各国も持つておりますが、その各国の総予算と厚生予算との比較を見ましても、日本はそう私は減つてないと思う。ことに日本の終戦後におきまする現在の国家財政の面から見ますれば、比較的に申して、私は憲法二十五条にそう反していると思わないのであります。ことに予算委員会あるいは本会議等において承つておりますると、野党の諸君は、昭和二十八年度の予算の規模の厖大であるということを指摘されているのであります。でありますから、総予算に対する厚生予算の比率は、昭和二十八年度におきましては、これはいろいろ算定の基礎が皆様によつて違うかもしれませんが、私のとつております基礎によれば九・七%、昨年は八・四%でありますから、さような見地から申しましても、たとえばイタリアの例その他を引きましても、私はまずまず日本としては新内閣といたしましても相当の努力をいたして参つていると思つているのであります。もちろんこれで万全ではありませんから、たびたび私は本義において申し上げておりまする通りに、今後とも誠意をもつて万全を期して行きたいという決意を持つて厚生大臣を勤めているのであります。  新内閣の厚生行政に対する方針なり、あるいはどういうふうな規模においてやるか具体的にというお話でありまするが、一言にして言えば社会保障制度審議会が答申いたしておりますあの線、あの線に沿つて国家財政の見地から見ていろいろ政策を立てて参つております。これはこの間たしか予算委員会でも申し上げたと思いますから重複を避けたいと思いまするが、社会保障制度審議会の言つております基本的な線は四つ、いわゆる社会保険と国家扶助と公衆衛生の面と社会福祉の面、この四つであります。社会保険におきましては、これは第二回の勧告におきましても、日本の国家財政の貧困を認めているのでありまして、そのもとにおいて、まずもつて国民健康保険に対する給付国庫負担を二割やれということでありましたが、社会保険の面でまずやるのはこれであり、重点的に国家財政の見地からやれという答申でありますから、昭和二十八年度予算にお冒しては、これはいろいろ問題もございましたが、給付に対する国庫負担予算の一割五分を私どもといたしましては努力をいたしたつもりであります。そのほかに、たとえば他の社会保険の例におきましてもいろいろまだやりたいこともございますけれども、そうなかなか財政の関係等においてできませんので、今後を期したい、これは絶えず申し上げておる通りであります。  第二の国家扶助の点におきましても、これも問題は生活保護法関係であろうと思いますが、基準の問題がいつも問題になります。本年は八千円に上げて、生活、教育、住宅等を含めて千二百十二円ということになりますが、これに対してもいろいろ御批判もあろうと思います。現に文化費とかその他の点においてはまだ十分でないことは私も認めまするが、少くとも食生活においては、これは大体昭和二十二年のあの審議会の答申のカロリーだけは保持いたしておると思う。その他のたとえば三十才から四十才までの若い者についても軽労作の基準において大体二千二、三百のカロリーは保持いたす、これは軽労作でありますから、重労働をすればもつと上がる、そういうふうにして大体食生活においてはやつておる。但し文化費においてはこれは不十分でありますから、今後とも努力をいたしたい。  それから公衆衛生の面においては、これはただいま医療の問題についてお話がございましたが、日本の医療体系を整備いたして、そしてやつて行きたい。もちろんこれは相当の金がいることでありまするから、十分に参りませんが、たとえば結核対策にいたしましても、十九万床を目標としてやつて行く、たとえばヘルス・センターの拡充にあたりましても、大体審議会の答申の通りの十万単位はー昨年が大体十一万単位でございましたが、大体十万単位に近づきつつある。アフター・ケアーもわずか二箇所のテスト・ケースでございまするが、これも本年初めて頭を出した。それから予防対策、癩その他におきましても、本年度多少増額をいたして参る。不十分ではありますが、まずそういうふうな精進は続けておるのであります。  それから社会福祉の面におきましては、これは皆さんの御努力によつて、これもあるいはまだ十分ではございませんけれども、母子対策に対しては一応頭を出して、そして軌道に乗りつつある。その他こまかいことは、時間がありませんから省略いたしますが、そういうふうな努力で、大体社会保障審議会の答申にあります、また企図いたしておる社会保険、あるいは国家神助、あるいは公衆衛生、あるいは社会福祉のこの四つの面に対しましては、少くとも精進は続けておるのであります。なお今後とも私は努力をいたしたいと考えております。  なお社会保険の統合に対しましては、これもたびたび予算委員会等において私が申し上げた通りでありまして、たとえば労働省関係の労災あるいは失業保険等を統合いたす、あるいは厚生省所管の健康保険厚生年金その他を統合いたす、これは私は理論としてまた目標としてはそうあるべきだと考えております。またそれに対しての研究、努力は続けなくちやいかぬと思つておりますが、これにはやはりいろいろ発展過程もありまするし、たとえば英国等の例によりましても努力して一九〇〇年にようやくそれをやり、フランスにおいても一九二八年のときに獲得した。しかもそれはりくつだけではいかぬ。歴史的な発展過程がありますから、今後とも目標は、ただいま申しましたように、統合すべきものは統合いたす、また被保険者の立場から見ても、あるいは国家の立場から見ても、統合すべきものは統合し、整理すべきものは整理する、あるいはまた調整すべきものは調整する、この努力は続けまするが、これはいろいろまた技術的にも問題がありまするから、今後研究努力をいたしたい、かように考えております。
  31. 平野三郎

    平野委員長 なお政府側から安田社会局長、健康、厚生年金、船員保険課長も参つておりますから、御質疑があれば、御発言を願います。
  32. 高橋禎一

    ○高橋(禎)委員 大臣の御答弁を伺つていますと、全体的に、まあ厚生行政は大体やるだけのことはやつているので、これ以上のことはできないんだと私の感じですが、いかにもそういうふうに考えられるのですが、申し上げるまでもなく、多数の国民の中で貧乏人をどういうふうに解決して行くか、病人の問題をどうするか、犯罪人の問題をどうするかということが、一番基礎的な、政治の上で、骨は折れますけれども、非常に崇高性と申しますが、倫理性のある、そして国家がぜひとも気をつけなければならぬ問題なんです。そしてそれらの貧乏の問題、病人の問題等を考えますときに、現在の国情からいたしますと、際限のないほど厚生行政の対象となるべきものがあるわけであります。これだけやつたら、まあまあといつたような安易な気持を持たれるべき筋合いのものでないと私は思うのであります。国家財政の面から考えましても、それは金を重点的にどこにまわして、効率的にそれを使用して行くという問題でありまして、私は今の国情から見て、厚生行政方面にもつとたくさんの予算をとつて仕事をされなければならない、そうしなければ日の目を見ない国民がたくさんおつて、憲法がせつかく福祉国家などと銘打つておりますけれども、その実はその名に沿わないものがあるんだというふうに思えるんであります。厚生行政の最高の責任者である厚生大臣が、まあまあこれで満足だといつたような気持を持たれたのでは、内閣に対する関係におきましても、将来私は決して喜ぶべきことではないと思うのでありまして、厚生大臣はせつかくこの方面に熱意を持つているとおつしやるんですから、今の答弁に現われたようなお考えよりは、もつと一層の熱意を持たれて、厚生方面になお足りない、なお足りないという気持でもつて精進されるようになされるのが当然であると思うのでありますが、その点について一応お伺いしておき、なお時間がないということでありますから、後日またその他の問題について御質問申し上げたいと思います。そのときは御出席を願いたいと思います。
  33. 山縣勝見

    山縣国務大臣 厚生大臣が厚生行政をとりますのについての心構えをお教え願いまして、拝承いたしました。私は決してこれでいいということを一言も言つた覚えはないのであります。私は相当熱意と努力を払つてつておりまするので、その結果に対する御批判はお立場上自由でありますが、私は誠心誠意今後も精進いたしたいと考えております。
  34. 平野三郎

    平野委員長 他に御質疑並びに御発言はありませんか。——御発言がないようでありますから、本日はこの程度でとどめ、次会は公報をもつてお知らせいたします。  これにて散会いたします。     午前十一時三十九分散会