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大石(武)
委員 町村さんの直接のお答えになるかどうかわかりませんが、一応の私の考えを申し上げたいと思うのでございます。私は約四年半前に初めてこの
国会に出て参りまして、厚生
委員に所属いたしました。爾来四年半あまり、常に厚生
委員として勉強して参
つた次第でありますが、その当時、
日本の
社会事業あるいは
社会保障制度がいかに貧弱であるかということを、だんだんは認識して参
つた次第であります。私は当時ことに母子福祉に興味を持
つておりまして、何とかして
日本における母子の苦しみをなくしてやりたい。できるだけ全国に母子寮あるいは保育園、託児所をたくさんつくりたいと念願いたしましたのが、このような
法律案の
基礎でございます。そのときはすでに私の構想といたしましては、母子寮とか保育園とか託児所をつくることに考えがあ
つたわけでございますが、その後次第に勉強いたしまして、このような保育所とか母子寮というものは、これは
民間の
事業ではなくて国の仕事である、国の厚生上の正しい仕事でなければならぬということに考えつきました。ところが御
承知のように、
現状は非常にさびしい状態であります。来年の予算は、昨日の
説明にもありました
通り、全国の母子寮あるいは保育所をつくり、あるいはそのあらゆる設備改善をするのに四億前後の金しかない
現状でございます。従いましてそのような母子寮をつくることは国の力である、しかし
日本の国民の福祉というものは、ただ国の力だけでは当分や
つて行けない、
民間の
事業と相ま
つて、その協力によ
つて初めて成果を上げ得ると考えた次第であります。従いましてたまたまこの赤い羽の
制度にまで思いつきまして
——民間の
社会事業団体におけるいわゆる仕事というものは、赤い羽以外には
日本にはない
現状でございます。
日本の憲法でもかえなか
つたならば、当分どうしてもこれに与える道はないのであります。しかしながら
日本人のこれらに対する理解の程度、あるいは国民の経済の状態によりますると、この五、六年間の赤い羽の実績が示すような
現状でございます。従いましてこれにてこ入れをする以外に、
民間の
社会事業を盛んにする道はないと考えておる次第であります。ここにこの
事業を結びつける原因がございます。ところが七億や十億の金は、
政府で何とかできる道があるのじやないかという
お話でございます。これも初めはそう考えておりましたが、実際この
民間の
社会事業にいかにして十億の金をまわすかといいますと、ほかには何ら方法がないと私は思うであります。
日本の国にと
つては、はなはだ残念な話でございますが、
わが国の
現状においてはできないと思うのであります。先ほど申し上げましたように、来年度母子寮をつくり、保育所をつくり、その他すべてを含めての費用が四億内外である。これでもどれほど
日本国民を潤すかということを考えますれば、この十億の金も非常に貴重な金であろうと私は思うのでございます。かようなわけでこの
法案を出したわけでございます。ただ今申されたように
ギヤンブリングですから、確かにある程度の
弊害はあると思います。しかし
ギヤンブリングは旧道徳的な
考え方では罪悪でございますが、
考え方によれば、それほどの罪悪かどうか私自身としては疑う次第でございます。多少の
弊害はございますが、今申しましたように、山間僻地にまでこの
競技を行うことはございませんで、東京、大阪以外にはできないのでございますから、これによ
つてそうひどい
弊害は起すまいと思う次第でございまして、あえて出した次第でございます。言葉は足りませんけれ
ども、これは自分の心境でございます。