○三輪
委員 私は
竹谷委員の
修正案に
賛成いたしまして、これに反する
原案には
反対いたしますが、その他の点については
原案に
賛成の
意見を述べる次第であります。
本
委員会で小
委員会の討議を重ねて作成されました
改正要綱につきましては、いろいろ不満の点がありますが、しかし、各
委員が各党それぞれの立場から
意見を持ち寄
つて作成されたものでございますから、この際こまかいことにいろいろ異議を申し上げることは差控えるべきものであると考えるのでございます。ただ、
選挙費用の点で、法定
選挙費用の基準になりまする額が増額されましたことと、あるいは実費弁償の額がふえ、また
労務者に対する報酬の額が増額された、こういう点につきましては、私といたしましては、現在の
選挙費用の基準額で十分まかなえるものではないかと思うのであります。これは、やり方により、数額が非常に少きに失して、事実上はこれでや
つて行くとみな
違反をすることになるのではないかというような見解がありますけれ
ども、しかし私は、
選挙運動に関しては、ともかくもできるだけその
選挙費用を使わないようにしなければならない、少く済むようにしなければならないという立場から申しますると、この範囲でまかな
つて行くように努めなければならぬし、またそれができるのじやなかろうかと思うのであります。しかしこれにいたしましても、ただいま申しますように、一応各党で話がまとま
つたのでありますから、私はこれに対して
賛成の意を表するにやぶさかではないのであります。
ただ問題になりますのは、先ほど
竹谷委員から、また
島上委員からも特に主張されましたところの
連座制の問題でございます。この
連座の問題につきましては、
委員のうちから、
連座というものは罪なき者を罪にするのである、こういう封建的な
規定を設くべきものではないという、強い
反対意見があ
つたのでございますけれ
ども、しかし、これは罪のない人を罪に陥れる、こういうものではなくして、
選挙運動という、
候補者を中心として集団行為をいたしておりまする中に、その中心にな
つておりまする
総括主宰者であるとか、あるいは
出納責任者であるとかが
違反行為を犯しましたような場合においては、その集団行為そのものが間違
つておるのである。そういう腐敗不正の行為をなす
選挙運動の集団の行為というものに対しては、これをこのままに認めることはできない。これは、かような
選挙運動をいたしました者に対して、その中心となりましたところの
候補者の
当選を無効にしなければならない。こういう
意味におきまして、
当選者にその
当選の効力を認めないということになるだけでありまするからして、いわゆる刑事
責任を不当に拡大するというものでは断じてないのでございます。この
選挙運動をいたします者は、あくまでこの
選挙法の
規定を守りまして、そして公明なる
選挙を達成するということに努力をして行かなければならない。なかんづくその中心になるものは、そういう
責任を負うべきものである、こう私は考えるのでありまして、さような
意味で、この中心と
なつたものの行為に対して、
当選者に
責任を及ぼして行くということは、何ら不当なことではないと思うのであります。ことに
選挙を粛正して行こう、公明な
選挙を行
つて行こうという場合におきましては、どうしてもこういう点についてきびしい
規定を設けなければ、今までのようなやり方をも
つていたしましては、とうていりつぱな
選挙が全般的に行われて行くことには持
つて行けないと思うのでありまして先ほどの御
意見もありましたように、今度の総
選挙の後において、あらゆる方面から、この
連座規定を
強化することによ
つて公明選挙の実をあげて行けというような要望が起
つております際に、この
改正案の
原案にありますような程度の
連座規定の
改正をいたすということは、かえ
つて世の中を欺いて、何か
連座規定についてこれを幾らかいじ
つてお茶を濁しておるというようなことになりまして、本
委員会といたしましては、この
連座規定に手を染めて、このくらいの
改正しか行い得ないということは、これは大きな対外的な
責任になるのではないか。先ほど
松岡委員も言われましたように、そして本
委員会においてしばしば問題にな
つておりますように、この
連座規定は他の根本的な問題とともに、一応この
改正案が成立いたしました後においても、十分討議しようということにはな
つておるのでございますけれ
ども、しかし、少くともこれに手をつけました以上は、徹底的に問題を究明してかからなければならないと思うのでありまして、そういう点からいたしますと、もしこの
免責規定にこういう
規定を設けたならば、
スパイ的な行為によ
つてその
選挙陣営がかき乱されるようなことはない、
当選者が迷惑をするようなことはないという御主張がありますならば、それを出していただきたか
つたのでありますが、それが出ない以上におきましては、この
免責規定を
規定いたしました
但書は全部削除するのが至当であると思うのであります。この削除をいたすことによりまして
当選者が特別の迷惑をすることは何もないと私は思うのであります。先ほど
竹谷君の申しましたような、
スパイ的な行為をいたしましてだき落しをするようなものは、この条項には該当しないと思うのでございます。また、かような点につきましては、裁判によりまして十分審理を尽すことによ
つて、その
弊害を除去することができると思うのでありましてともかくもこの点については厳格に、
総括主宰者あるいは
出納責任者が
買収行為と不正行為をいたしましたものについてはその
当選を認めない、こういうことで徹底して行くことにより、その
選挙に携わります者がみずから反省し、こういうことは絶対にやらない、またや
つてはいけないというて、その
選挙運動をいたします集団に対して十二分の注意を払
つて行くということで、
選挙運動のがんとな
つておりますところの
買収というものは防止できるのではないか、かように考えるのであります。たとえば
出納責任者の選任の問題にいたしましても、最も重要な
関係に立ちます
出納責任者につきましては、
自分の信頼できる人を選任すればいいのでございまして
腐敗行為を起すようなおそれのあるような人はそれに置かない。
総括主宰者をきめます場合におきましてもまた同様でございまして、
自分の当落の運命をかけるような重要なるかぎを握
つておりまする人に対しては、万全の注意を払いまして選任をすることによ
つて、私はこの起り得るところの
弊害を避けることができると思うのでございます。かような点で、この
連座規定というものはぜひ
強化してもらわなければならないという
意味におきまして、やがてこの問題については討議の機会があるとは言いながら、かような案が提出されました以上におきましては、私
どもはそれに対する正しい
意見を述べまして、この
改正案に対する
反対をせざるを得ない次第でございます。
それから
被選挙権を
停止されました者の
選挙運動の禁止の問題につきましては、これに対してただいま
綱島委員から
反対の
意見がありましたけれ
ども、
選挙犯罪によ
つて処罰されまして、そして
被選挙権を
停止されることになりました人に対しまして、
選挙運動をやらせないようにすることは何ら不当でない。この
違反者の中には、すべてがそうであるとは言えませんけれ
ども、大体においていわゆる
選挙違反の常習者などがあるのでございまするから、そういう人に対しては、私は、それを
選挙運動に参加させないことによ
つて選挙界を粛正することが、最も適切ではなかろうかと思うのであります。かような
意味で、
選挙権、
被選挙権を双方
停止するということではなくして、
選挙権は基本的な人権としましてこれをあくまで持たしめることにいたしまして、
被選挙権を
停止し、そうして
選挙運動を行わせないようにすべきものであろうと思うのであります。
なお逃亡いたしました者の
時効期間の一年を二年に延長するということも、これも小
委員会においていろいろ
議論があつたところであると思いますが、かような人に対しましては、その制裁を重からしめるという
意味におきまして、一年を二年にして徹底的にこれを追究して行く必要がある、かように考えるのでございます。
以上の
意見を申し述べまして、
竹谷君の
修正案に
賛成をいたす次第でございます。なお
綱島委員からの
修正点につきましては
賛成いたし、
濱田委員の
修正意見に対しましては
反対いたします。