○小峰
会計検査院説明員 六四七以下の燈台
関係の案件につきまして御
説明いたします。燈台の工事に関連いたしましては、二十五年に
相当広範囲にわたる汚職
事件が起きまして新聞をにぎわしましたことは御承知のことと思いますが、会計
検査の上におきましては、今まで前例のないたくさんの非難がここに出たわけであります。二十五
年度の燈台
関係工事は、工事箇所が二百七十四、事業費八億四百万円であります。会計
検査を実施して来ましたものが八十一箇所、事業費が二億七千七百万円、三分の一弱であります。
検査の結果によりますと、架空工事あるいは便乗工事が
相当にあります。それから工事の手抜きがありましたり、またでき形が設計と違うというのに、そのまま設計
通りできたこととして金を払
つた。あるいは未完成の工事を完成したとして
代金を払う、こういうような質の悪いものが
相当あ
つたわけであります。それから競争
契約によりましたもので、
予定工事費額の見積りが、材料とか人工、そういうようなもので非常に甘いというようなものも見受けられたのであります。これから申し上げますように、たくさんの不当事項が出たわけでありますが、どうしてこういうような事項がたくさん出たかと申しますと、二十五
年度の事業費、先ほど申し上げました八億四百万円のうち、約半分の四億二千万円というものは第三、四半期になりましてマツカーサー書簡によ
つて予算補が補正されまして、結局燈台
関係工事をや
つて、燈台を増強しろ、こういう趣旨だ
つたのでありますが、結局半分くらいの
予算が第三、四半期以降でついたということが一番大きな原因だ
つたように見受けられるのであります。それ以外に急に工事量が膨脹いたしまして、現場係官の能力と申しますか、がそれに伴わなか
つた。それで現場係官の工事監督が不十分で、請負人に乗ぜられたというような面もあ
つたように見受けられたのであります。それだけ申し上げまして個々の案件に入ります。
まず一番質の悪い架空工事、架空の名義によりまして工事費を支払
つたもの、これが二件ございます。一つは第三海堡燈台、これは横須賀でありますが、これは実際にや
つたのは、一部の十四万六千円だけで、全額の四十二万二千円払
つております。三分の一ほど工事はしてあります。それから野島崎の方は十四万七千円でありますが、全然工事をや
つていない。これは
関係者が先ほど申し上げました汚職
事件の一つの事項として二名起訴されております。
それから次にいわゆる便乗工事、災害を受けもしないのに受けたということで、災害復旧の
予算で改修工事をや
つたもので、これは数がいつも多いのであります。
予算の使用としてはまことにおもしろくない案件であります。五件で約六百万円というものが六四九以下に書いてございます。
それから工事の検収が当を得ないもの、設計
通りできもしないのに、設計
通りできたことにして
代金の過払いをしたというのが六五四に—これはこまかいのが非常に多いものでございますから、一括して六五四にございます。箇所数は約十五箇所に
なつております。
それから工事
代金の支払いが当を得ないもの。これは工事がまだ完成していないのに、完成したものとして
年度内に請負
代金を払
つてしま
つた、しかもその小切手は請負人に交付しているという案件であります。六五五以下三件、三百三十万円であります。
以上燈台
関係工事の不当事項について御報告申し上げました。