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1953-02-16 第15回国会 衆議院 決算委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年二月十六日(月曜日)     午後一時四十二分開議  出席委員    委員長 田中 彰治君    理事 迫水 久常君 理事 永田 良吉君    理事 古井 喜實君 理事 吉田 賢一君    理事 山田 長司君       田口長治郎君    松野 頼三君       鈴木 正吾君    大矢 省三君       松本 七郎君  出席国務大臣         大 蔵 大 臣 向井 忠晴君         建 設 大 臣 戸塚九一郎君  出席政府委員         大蔵事務官         (管財局長)  阪田 泰二君         建設事務官         (計画局長)  澁江 操一君  委員外出席者         大蔵事務官         (管財局国有財         産第二課長)  牧野 誠一君         会計検査院事務         官         (検査第一局         長)      池田 修藏君         参  考  人         (東京都知事) 安井誠一郎君         参  考  人         (東京建設局         長)      瀧尾 達也君         参  考  人         (東京建設局         公園緑地部長) 花房 利市君         参  考  人         (ニユー・エン         パイヤ・モータ         ー株式会社社         長)      吉岡 照義君         専  門  員 大久保忠文君         専  門  員 岡林 清英君     ————————————— 本日の会議に付した事件  昭和二十五年度一般会計歳入歳出決算昭和二  十五年度特別会計歳入歳出決算及び昭和二十五  年度政府関係機関収入支出決算     —————————————
  2. 田中彰治

    田中委員長 これより決算委員会を開きます。  前会に引続いて大蔵省所管につき審議を続行いたします。本日は前会審議保留となりました一般会計の物件の項、及びその他の項について審議を進めたいと思います。  まず右のうち検査報告審号一四二につきましては、前会政府当局及び東京関係者よりいろいろと説明を聴取し、質疑応答を重ねましたが、まだ十分に審議を尽しておりませんので、この際本件関係する責任者の御出席を求めて詳細に実情を聴取したいと思います。それで東京都側から本日参考人として東京都知事安井誠一郎君及び東京建設局長瀧尾達也君、同局公園緑地部長花房利市君、並びに国有地使用当事者であるニユー・エンパイヤ・モーター株式会社社長吉岡照義君を本件審査参考人といたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 田中彰治

    田中委員長 異議なしと認め、さよう決定いたします。なお本日は所管大臣である向井大蔵大臣並びに戸塚建設大臣も列席いたすことになつておりますので、政府当局会計検査院及び参考人各位におかれましても、腹蔵なく意見を御開陳くださるよう切望してやみません。  それでは前会に引続き質疑を許します。
  4. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 私どもは一四二号事件についてその真相を明らかにするために、まず使用人であるニユー・エンパイヤ・モーター株式会社社長吉岡照義君によつて使用するに至つた経緯、今日の状態、使用坪数東京都との間における交渉の経緯等についての陳述を求めたいと思います。
  5. 田中彰治

  6. 吉岡照義

    吉岡参考人 御指名によりまして御質問にお答え申し上げます。  その前に本日、使用土地のことにつきまして委員会参考人として御招致いただきましてここにお答えする機会を得ましたことを厚く御礼申し上げます。  二十三年一月の二十九日にニユーヨークのフオード・モーター・カンパニーから東洋の総支配人ミスター・リチヤードが来朝されまして、当時のGHQ経済科学局マーカツト代将と御相談の上に、内地に在留いたします軍人軍属を除きました第三国人と並びに在京者の足、いわゆる自動車供給並びにその部品の供給、その修理等事項につきまして協議をいたしましたよしについて、同日それに関するサービス・ステーシヨンの設置のことにつきまして協議会が開かれたのであります。その道程は抜きにいたしまして、その結論を申し上げたいと思います。  同日御出席になりましたのは、経済科学局ドクター・ケニー氏、それから貿易庁長官の永井殿、それから小瀧通商監殿、それから使用地を要請いたしました関係で都を代表されまして大木知事出席されました。当社からは不肖吉岡と、もう一人重役が出ました。  それからフオード会社からミスター・リチヤードが代表して出たのでございます。同席上におきましては、事業の目的についてミスター・リチヤードからお話になりましたことに対しまして、ドクター・ケニーは、この事業に対しましては、終戦後進駐軍がお使いになりました車は軍が供給しておりました。その他はPXを通じて供給しておりましたが、これらはただ単に車を提供するというだけで、日本政府に何の利益しておるところがない。しかもその自動車修理をすることについて専門家がいないので、実は困つておるのだ、こういうお話がございました。経済科学局の御構想は、その実務担当として民間人経験者を採用いたしまして、そうして政府の持つております——当時はドル資金でございますから、GHQがたしか管理されておつたと思いますが、そのドル資金をもちまして、外国から移譲される自動車を輸入いたしまして、それを貿易庁代行機関として任命したいんだ、こういう御説がございました。同席の方はそれらの趣旨賛成をされまして、同時にドクター・ケニーは、この事業をされますのには、どうしても交通上最も便利なところが必要なんだ、特に修理その他車を収容するのにどうしても一千坪以上の土地が入り用だ、しかも皆さんが最も便利だと言われるところに設置をしなければならぬのだ、こういう御発言がございまして、都から御出席大木知事はこの御趣旨賛成をされまして、国家に寄与のできることでしたら都側も一はだ脱ごう、こういう御賛成の言葉がございました。事前にその所要土地につきましても当社でいろいろ調査をしておりましたが、なかなか適当な場所がございませんので、その会議の席上に、たまたま虎の門の小公園がほとんど使われておらないので、都にも事前にある程度御了解を得まして、そうしてその席上に出しましたところが、経済科学局の方も非常に賛成をされまして、その土地ならば許可をしてもいいということになりまして話が進んだのでございます。  そこで当社といたしましては二月の二十五日に都に対しまして、虎の門公園使用願を申し出たのでございます。都といたしましては、事業公共性を考慮してくださいまして、その使用はどうもやむを得ないという御結論に達したようでございます。しかもそれには都といたしましても、都民の納得の行くような条件をもつて許可をしたいんだ、こういう御主張がございまして、それからなお進みまして、それには都として他の公園施設改善に費用がいるんだが、それらに対してもお前の方に貸すかわりに、それらを出してもらいたいというお話もございまして、当社といたしましても、事業公共性ではございますけれども当社使います上に、都のそれらの御希望に対しましても当然賛意を表さなくちやならないと存じまして、いろいろ折衝いたしましたが、当初はたしか改善に二千万円くらいほしいというお話もあつたと存じます。御相談の結果、それに対しまして当社といたしましても五百万円都に御寄付申し上げるということを申し入れまして、都といたしましてもたしか三月三十日に、虎の門の使用についてそれらの条件を付して都会に御提案くだすつたと存じます。  次に、四月の三十日に私ども——これをなぜ申し上げるかというと、ESSの方からいつできるか、いつできるかということを、もうほとんど一日おきに督促がありますので、この土地許可をまずもつてども専念しておりましたので申し上げるのでありますが、四月の三十日と思いますが、都会決議をもちまして、それらの条件をもつて許可をいただきました。  次に、五月の一日に貿易庁と弊社との間に初めてOASの経営の実務委託契約が締結されました。OASとは申し上げるまでもございませんが、オーヴアーシーズ・オートモーテイヴ・サービスをこう言つておりました。当社がこのOAS実務担当といたしまして、実は最初でございました。  次に五月の十日に経済科学局のドクター・ケ二ーから強い御支援がございまして、当サービスは七月一日までに開業を必要とするという旨の通達がございました。これは経済科学局でもそれらの施設をするということに決定しておりましたので、一日も急を要するということで重ねて督促がありましたので、非常に私どもはその間困つておりました。そこで議会の決議によりまして都からは五月二十六日にそれらの附帯条件をつけまして使用許可がございました。そこで当社といたしましては、すでに鹿島組建設依頼をしておりましたので、さつそく当該地域に塀をめぐらしまして起工に着手いたしましたのでございます。  しかるに六月の二日でございますが、GHQのリペアー・アンド・ユーテイリテイー・セクシヨンのギヴンスという中佐から電話と同時に伝達がございまして、当該地域に対しまして家屋の建設はまかりならぬという中止命令参つたのでございます。当社といたしましてはびつくりいたしまして、とりもあえず、ギヴンス中佐をおたずね申し上げたところが、あそこの地域はあれはもうすでに進駐後接収予定地として保留なつておるのだ、そこへ建築するとは何事だというお話がございました。そこで当社事業担当をお引受するいきさつを申し上げまして、どうかかくかくの次第でありますから、経済科学局にも御照合を願いまして、使用のできますように願いたいと申しましたところが、それは結局GHQのG4で取扱う。当方ではその管理を委託されておるのだから、G4の方に陳情書を出せというお話でございまして、それからさつそくG4のチーフのイースト・ウツドをたずねまして、いきさつを申し上げまして、いかがしたらいいかということを御相談申し上げましたところが、あそこは満鉄ビル——鉄ビルアパートであるから、その隣接地域建物を建てるということはよほどのことでなくてはできないのだ。一体どういうものをつくるのだということのお話がございまして、これは実は経済科学局からかくかくの御依頼がありまして、こういう建物をつくりたいのだと申しましたところが、それはおれの方もつくることは考えておつたことなんだ。それであの地域は満鉄のアパートにも隣接しておるのだから、やはり日本人の復興の力としてりつぱなものをつくつてもらわなくてはならない——これは口頭でございましたが、毎日マツカーサーの通るところでもあるし、それから利便にほんとうに適当な近代施設ができるかどうかということを重ねて御質問がございました。それで御許可がありますれば、もちろんかくかくのものをつくるということを申し上げましたところが、そういうようなものが望ましいということで、それでは当方審議するが、結局接収解除は都からペテイシヨンが出なくてはならぬからというお話でございました。それからさつそく、都へお話をいたしまして、そのペテイシヨンを出していただくようにお願い申し上げました。
  7. 田中彰治

    田中委員長 ちよつと吉岡さん、大蔵大臣予算委員会へ行くので、二十分くらいしかないのですから、なるべくひとつ簡単に。またあとで聞きますから……。
  8. 吉岡照義

    吉岡参考人 そこで都からもペテイシヨンを出していただきまして、結局当時は特別調達庁接収土地を管理しているから、その方を通じて出せていうことで、特別調達庁へ申請をいたしましたところが、政府としては関係官庁審議会によりそれを決定するからというお話でございました。その間実は非常に長くなるのでございますが、結局十月の二十二日に都知事殿から特別調達庁あて公園地接収解除を申請するについての願い書が出ておるのでございます。そこでGHQからの許可は年末の十二月一日でございます。これはGHQの文書がございますけれども最高司令官の命によりなんていうことを書いてございますが…。
  9. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 吉岡さん、ちよつと失礼ですけれども、時間の制限がありますので、なるべく今問題になつている辺を要点だけ述べてください。GHQの云々の辺はこの間聞いたよりも詳細過ぎるようなんですが、その辺をひとつ御配慮願います。
  10. 松本七郎

    松本(七)委員 ちよつと……詳しいことを聞きたいのですから保留してもらつて、急ぎの大臣の……。
  11. 田中彰治

    田中委員長 時間もありませんので恐縮でございますが、ちよつと委員長として聞きたいのは、契約書通りであつたかないかということ、それから二百万出されたものは敷金であるのか寄付金であるのか。
  12. 迫水久常

    迫水委員 一度吉岡さんの陳述を中止して、大蔵大臣質問して、大蔵大臣への質問が済んだ上で続行してください。
  13. 田中彰治

    田中委員長 ではちよつとお待ちください。  大蔵大臣質問を許します。
  14. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 金曜日の大蔵省関係決算について審議を途中で打切りました理由は、下僚の方からお聞きになつたろうと思います。その前の決算委員会審議するときには、当該所管大臣にぜひ出席を求めるということを、決算委員会の総意として政府に申入れた。あなたが何かの都合で出られなかつたから、それじや審議を打切ろうということで打切つたわけです。今審議いたしておることは、あなたがまだ民間にいらしたときの昭和二十五年度のことですから、あなたは何の責任もないことですけれども、しかしながら大蔵省経理は、会計検査院報告によりますと、大蔵省は各政府機関を通じて最大の不当不正及び是正事項を持つておるレコード・ホルダーだ。ここに数字がありますが、ほかの省はたいてい一けたもしくは二けたですけれども大蔵省昭和二十三年度以来常に二けたの数になつておる。二十三年度二百九十八件、二十四年度三百六十四件、二十五年度四百十七件、二十六年度四百二件、二十五年度と二十六年度とを比べますと、十五件の減少という形にはなつておりますけれども、全体をみれば二十三年よりは非常に多くなつておるとようことは事実であります。こういう経理のあり方に対して、大蔵大臣としてはどういう責任をお感じになりますか。つまり過去のことはとにかくとして、自分大蔵省主管大臣になつた限りは、この数字を必ず減少してみせるという確信を持つておられるはずと思いますけれども、直接大臣からそのお覚悟を承りたいと思います。
  15. 向井忠晴

    向井国務大臣 ただいま御質問がございましたが、私としましては、そういう不正なこと、間違つた出し方というものは、一切なくなしたいという希望を持ちまして、その決意をもつて進んで行きたいと思つております。
  16. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 大蔵大臣の明快なる御決意を聞いてうれしくもありますし、また非常な期待を持つてその結果をながめたいと思つております。そこでお尋ねいたしたいことは、日本予算委員会というものは、非常にやかましく言われておるけれども決算委員会というものは今までややもすればぞんざいであつたというかんじがありました。あなたは民間経済人として決算のいかに重大であるかということは十分おわかりだろうと思いますが、年々年度末になりますと、これは日本官庁の通弊とわれわれは見ておりますけれども、必要もない旅行とか出張とか、あるいは什器、書籍等の買込みとか、不当な手当ての支給とか、あるいは超過勤務手当て等の名においてとつた予算をみんな使つてしまう傾向があるということについて、大臣はそういうことはないとお考えになりますか、またあるとお考えになりますか。
  17. 向井忠晴

    向井国務大臣 私は事実は存じませんが、しかし、友人ないし世上のうわさではそういうことがあると聞いております。
  18. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 これはあることが事実と私どもも思つておりますが、そういうことが年々再々繰返されておる。ほかの人が大臣なら、私はそんなこと別に要求はいたしません。しても効力はないと思いますが、あなたならばこの積年の悪風を一掃することができるだろう。これは単に大蔵省関係だけのことではない、あなたが閣議において強く発言して、もうすでに目の前に迫つておる二十七年度予算年度末においては、断じてそういう無用の流行とか超過勤務手当はやらせないという何かの措置を講じていただきたいと思いますけれども、その心持がありますかどうか。
  19. 向井忠晴

    向井国務大臣 閣議においてそのことは各省大臣にも申しましよう。それからその他の方法で、今年の年度末に今おつしやつたようなむだの金の使い方のないように努力します。
  20. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 それを閣僚のみんなに言うだけでなしに、こうやつたのだという事実を少くとも納得のできるように示していただきたいと思います。いつた年度末にそういうむだな旅行などをする原因がどこにあるか。これはただとめたというだけではとめたのにはならないので、その原因がどこにあるかということをお考え願いたいと思うのです。これは私は今の日本大蔵省予算査定やり方に根本の間違いがあるのではないかと思うのであります。と申しますのは、現在の大蔵省予算査定やり方を見ますと、もしある官庁で経費を余す、たとえば予算の三割を余すと、それは不用の金額であつたというので、明年度予算査定にあたつてそれだけのものを少く計算することになる。それじやたまらぬというので、もらつたものだけは使わにやならぬというのがというのが大体年度末にあり余つた金を全部使うという弊風の根源になつておると私は思うのであります。私は一昨年同志数十人とともに減税行政改革具体案作成会というのをつくつて、約八箇月にわたつて三十数名のエキスパートを動員して具体的なものをつくりました。そのときにアメリカ制度についてちよつと勉強をしたことがありますが、アメリカでは予算を余した官庁がありますと、それはよくやつた手柄であつたというので、その余した金の三割と私は記憶しておりましたが、その割合あるいは四割であつたかもしれません。それはその余した官庁の役人に賞与として分与する、そういう制度があることを知つたのでありますけれども、今のように余した予算は全部使い切らないと来年度削られるというような予算査定方式で行きますと、どうしても、たとい閣議で決定して訓示しても、来年削られちやたまらぬから、それじや年度末に使わないで、年度の初めから、早いうちからだんだんなしくずし的に使いつてしまえという頭になるのはきまつておると思うのであります。私は国家税金を倹約するという上から行けば、五割余したものにはよく余した、手柄だといつてその官庁の人に適当に賞与をやるというような制度をおつくりにならなければ、この予算のぶんどり制度と、予算のありつたけ使うという弊習を改めることは困難だと思います。大蔵大臣はその点について何か御考案がありますか。
  21. 向井忠晴

    向井国務大臣 使わずにおいて賞与にするという考え一つ方法でありますが、これはよく考えますと、また使うべきところに使わずにおかれても困ります。簡単にすぐ実行には移しにくいと思いますが、初めにおつしやつたつたものをその次に予算を組むときには減らして組まれるということは、関係省でも困るでしようし、そういうなについて主計のほうの考えを十分に突きとめまして、善処したいと思います。
  22. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 大蔵大臣にお伺いいたしたいと思うのは、それだけの点であります。ただ大蔵大臣閣議の席上で日本決算はめちやくちやだということを——今まではほとんどこの決算委員会には大臣なんぞは出て来ないのでありまして、あなたもおそらく出て来て、初めて大蔵省でこんなでたらめな金使いをやつておるかとお聞きになるくらいだろうと思う。この間木村国務大臣ですか、来て、決算委員会で話を聞いて、それは始めて聞いて実は驚いたと言つて、正直に自分の所見を述べておられたのです。私は予算をお互いにぶんどつて、そうしてその使い方が間違つておれば、委員長もしばしば言う通り、国民の血の税金をむだ使いせられることになると大変なことだと思うのです。だから内閣閣員全体にひとつ金の使い方を厳重にしろ、そういう気風を吹き込むように御協力が願いたい、これだけのことをお願いいたしまして、私の質問は終ることにいたします。
  23. 田中彰治

  24. 松本七郎

    松本(七)委員 先ほど大臣からも、不正をなくするように極力やるという御決意を承りまして、この決算委員会としては新しい検査院の常時検査とも並行して、ただ過去のことばかりをやるのではなく、その年の予算使い方まで監視しながら、この不正防止には、積極的な努力をしようということになつておるのですが、これは当然なことですけれども、結局これは決算の側からばかりやろうとしても効果は上がらないので、そういう点が予算の編成なり、予算執行面に反映して、その点両々相まつて初めて効果が上るわけであります。そこでそういう点を今度制度上でも何か具体化しなければならぬと思いますが、そういう点について何らか機関をつくるなり、あるいは具体的な構想がすでにおありならば、この機会にお示し願いたい。
  25. 向井忠晴

    向井国務大臣 今おつしやいましたような点につきまして、私も就任以来是正方考えているのでございますが、まだ実際にこうすれば言いという案ができておりませんが、研究いたしまして、これはまとめたえらいものをこしらえるよりは、一つ一つ実行して行くのがいいだろうと思います。研究いたします。
  26. 松本七郎

    松本(七)委員 その研究されるについて大蔵省だけでやられるのか、あるいは何か研究のための特別の審議会というものをつくられる御意向があるか、つくられるとすればどういう範囲でつくられるか、それを明らかにしていただきたいと思います。
  27. 向井忠晴

    向井国務大臣 そういう点は大蔵省だけではあるいはできにくいかと思うので、やりますならば適当な機関をつくつて官吏だけでなく、官吏以外の人物も加わつてもらつてやるのがよいと思います。
  28. 松本七郎

    松本(七)委員 それからもう一つ今問題になつておりますこの一四二号に関係したことなんですが、内容はすでに御存じだと思います。大蔵省側説明によりますと、大蔵省は本地の引継ぎ方を建設省に要求している。この引継ぎ後は使用の現状に即した措置をする方針であるという説明をされているのです。この問題に対してどういう措置を今後されようとするか、その点を御説明願いたい。
  29. 向井忠晴

    向井国務大臣 どういうといいまして、こうするという案は、私は持つておりませんが、一般国有財産と同じように扱つて行きたいと思います。
  30. 田中彰治

  31. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 時間の関係がありますので、要点につきまして向井大蔵大臣に御答弁を願いたいのです。これは決算報告並びに政府当該事項に対する説明書をごらんになつていると思いますので、大体概略は御承知と思いますけれども場所は虎の門の満鉄ビルの、こちら側から見たら左です。今御説明になりました吉岡というモーター会社社長さんが主宰しておられる会社敷地の問題なんです。これは国有財産で都へ無償で公園敷地として使用させておつたわけです。その間に都から今の吉岡さんの会社でありますこのモーター会社へ、昭和二十四年二月一日から二十八年の一月三十一日まで、この一月の末まで四年間の期限を切つて——土地の値打ちは、建設局長お話によるよ、一坪十万円するそうです。土地の総面積は千百三十六坪あります。これを一坪一箇月五円十銭で貸しまして、地上には鉄骨の大きな店鋪建物を四千万円以上かけて吉岡さんの会社建設いたしまして、そうして都では強硬手段をとつて、つまり強制執行をしてもとりのけさす意向であるというこの間の委員会の御説明なんです。それから建設省におきましても、大蔵省からなぜそういう無償地を有償の関係で貸したのかというような質問をされて、まだその回答の結着もつかぬというのが実情なんです。国有財産がこういうふうにごくわずかの賃料で貸されておる。なお申し述べたいのは、五百万円を都へ寄付するという決議を都でしたというのですが、都ではそういう決議をしたことがないという。建設局長説明ではそのうち二百万円を都へ寄付した、残りについては、金でなくても、あるいは自動車でもというようなお話も出たということすら実は出て来たのであります。そこで、国有財産がこういうふうに使われておるということについて、国有財産主管大臣である大蔵大臣は何とお考えになりましようか。建設大臣も今見えておりまするし、また都の長官も見えており、各関係責任者が全部この委員会にきようはお集まりでありますので、それぞれの明確なる御意見を聞くはずでありますけれども、こういう事態なんです。こういう案件でありますので、今御答弁になりました一般国有財産と同じようにというのは抽象的なお話でありますから、具林的に大臣は一体どうお考えになりましようか、まず御感想を聞かねばならぬと思います。
  32. 向井忠晴

    向井国務大臣 今のような成行きでございますと、大蔵省としては非常に遺憾なことと思つております。
  33. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 これでは国有財産を保管し、管理する職責が全うされておらぬというふうにわれわれは考えるのであります。まことは遺憾であるが、一体どうすればいいでしようか。経済人として、財産を管理し、利用なさつた長い豊富な御経験のある大臣は、この問題をどうすればいいとお考えになるでしようか、ひとつ明確に管理保管の大臣としての御答弁を煩わしたい。
  34. 向井忠晴

    向井国務大臣 この土地はもうすでに公園地の形ではなくなつておるので、都から返還を求めるのが適当だろうと考えております。
  35. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 都から返還を求める措置については、しからば急速にひとつ御処置を講じていただきたい。但し、今四千万円以上かけた厖大な鉄骨の建築物が実際にあるのであります。でありますから、これは言葉の上だけでは結末がつかぬと思います。よほどの決意とよほどの責任感を持つて措置をとるのでなければ、どうにもならぬ問題だと思いますので、なお重ねてその点についての御所信を承つておきたいと思います。
  36. 向井忠晴

    向井国務大臣 これは順を申し上げますと、建設省から大蔵省に返してもらうことと思うのであります。どうせ事がめんどうになつておるので楽々行くとも思いませんが、困難を排して筋の通つた取扱いをいたす考えでございます。
  37. 山田長司

    ○山田(長)委員 先ほどの鈴木委員からの質問に関連して、大臣ちよつと伺いたいことがあるのです。それは空出張の事実の問題であります。実は栃木県の足利市に起つている問題なんですが、関東信越の国税局長に、実はこの問題について二度ほど出かけて行つてただしたのでありますが、それをさらに追究して調べておらないのであります。それは警察官が空出張をいたしまして、七十五万円の金を足利警察署で出しているわけであります。この事実は署員からわれわれの耳に入れられまして、実はまつたく空出張で、その日は宿直している人たちがいずれも近県へ出張していることになつておりまして、七十五万円の金が使われているのでございます。この七十五万円について関東信越国税局長に、金額は少いけれども、警察官なるがゆえにこれについて税金をかけずに置くというのは一体どういうわけかと私はただしたのでありますが、結局国税局としては、これは警察に厳重に書類をと言つたんだけれども渡してくれないから、これから税金をとるわけに行かないと逃げたのでありますけれども大臣はこれについてどういうお考えでどう処理されるか一応伺いたいと思います。もつと詳しく言いたいのですが、時間がないので要点だけ申し上げます。
  38. 向井忠晴

    向井国務大臣 よく事実を取調べまして、適当な措置を講じます。
  39. 永田良吉

    ○永田(良)委員 不当不正事実が二十五年度において千百十二件、二十六年度が千百九十八件、実は私追放で、久方ぶりで再び議員として出て来て、敗戦後の状態とはいえ政府の役人が、こういう不当不正なことをなさつたことを、決算委員なつて知つてまことに驚きました。まだ心臓の鼓動がやまぬ。大蔵大臣よく聞いていただきたい。私の地方には国有林なんかがあるが、それ木のを一本切つても罰金や懲役に処せられて泣いている人がたくさんある。金額に見積つたならばわずか十円か百円以下であると思う。われわれ辺鄙な地方の純良な国民は、納税においてわずか千円か二千円の滞納があれば、地方の税務署が踏み込んで来て差押えをして、無理な徴収をしている。奥さんがたんすのものをとられて、あすたく米がないからお待ちくださいと言つても、そのまま差押えられた例がある、しかるにわれわれ議会のもと、しかも政府のあなたたちが自動車で歩いておるその目の下で、何億円という悪いことをしている。一年間に千百十二件で、百四十九億の不正不当事件、あなたは学問があるから世界のことも知つていらつしやると思うが、一体英米とか各国にかくのごとく会計において不正があるでしようか。あなたは民間会社におられたというが、われわれのいなかの市町村や地方の県庁などは、多少ありますけれども、こういう事件は少いです。しかるに一国の中央の政府の堂々たる官吏がかかる悪事をなさるというようなことで、国家の再建ということを言われるけれども、再建ができますか、昔は大名や将軍、皇室の蔵番というのは、不正があつたらはりつけにあつて死刑になりました。しかるに今の官吏は、われわれ民間の者はかかる残酷な取扱いを受けておりながら、官吏が不正、不当なことをしたのに対して、一場の訓示、またちよつとした懲戒処分で済むとお考えでしようか。しかも前の大蔵大臣がした仕事だから、今の大臣責任を負わぬということはないと思う。私は学問がないけれども責任の追究ということがなくして、政治の郭清ができますか。悪いことをした者は徹底的に免職をさすべきであると思う。しかるにこの会計検査院報告の結果からこれを見まして、役人がしたことははなはだ大目に見て一場の訓示で終る。こういうことでは、いかに吉田さんが綱紀粛正を唱えられてもだめだと思います。あなたは閣議にはかられるというけれども、われわれは実際に不安に思う。私どもが不安に思うのだから、ましてや八千四百万の国民は、きようのあなたの答弁を、心から実行されると思うでしようか、私は大部分が疑うと思う。こういう意味から、このことは将来会計検査院検査法においても改革の必要があるし、なお上司が下僚の監督をする上においても、厳重な上に厳重な処置をとられぬければ、これは一つの空論に終ると思うのであります。私はこれについてたいへん潜越なことを申し上げるけれども向井大蔵大臣はこのことについて、今まであつたような、一年間に千件以上のこういう不正、不当事実を出さないように願いたい。あなたの在任中には皆無であるというりつぱな成績を上げられた場合に、初めて日本再建の第一歩があると信じております。くどいことを申し上げますけれども、どうか向井さんがしつかりとやつていただくように私はお願いするのです、先ほど鈴木さんもおつしやつたように、不正事件大蔵省が一番多い、こういうだらしのないことがありますか。この点について、鈴木君が言つたように、大いに責任を感じられて善処されんことを、また善処どころではない、断行されんことを私は要望いたします。
  40. 田中彰治

    田中委員長 それでは大蔵大臣、時間が来ましたから……。ちよつと申し上げておきますが、大蔵省は一番不正が多いし、国民を泣かして税金をとつている場所ですが、こういうような場合において、どんなところに何が飛んで、新聞がどういうことを書こうと、国民がどう騒ごうと、決算委員会大蔵大臣がおいでになつて御相談くだされば、委員長として委員諸君に諮つてどういうことでもいたしますが、お呼び出ししても何か決算委員会を軽く見て、おいでにならぬような場合は、委員長はその責任は負いません。それだけ申し上げておきます。  次に吉田委員
  41. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 引続いて吉岡社長から経緯のお話を願いたいと思いますが、建設大臣、長官は引続いて審議に立ち合つてもらいませんと結論が出ませんから……。  ひとつ委員として希望したいのですが、吉岡さんおなれにならぬからでしようけれども、前提の経緯が少し長過ぎますから、都との経緯それからその後の経過、そういうものが本委員会において今重点になつておりますので、どうぞその辺をおもにお願いします。
  42. 吉岡照義

    吉岡参考人 それでは御質問に対しまして要点をかいつまんで申し上げます。要点はこうだと思います。  一番最初に都からあの土地を拝借いたしますときには、都議会の内容は向う十箇年間でございました。そうしてまたそのときに応じて更新することあるべし、こういうことでございました。私どもはそういう観念でおりましたのですが、たまたま接収予定地ということになりまして、その接収解除が十二月一日にようやくGHQからおりましたと同時に、今度はあの土地使用に対する許可日本政府に移りましたものですから、先ほど中途でちよつと申し上げました特別調達庁を通じまして、いろいろ許可の新生をいたしました。ちようどそれが建設省が緑地地帯の管理であるということで、私ども実は東京都とも御一緒になりまして、また単独で建設省にもずいぶん陳情に参りました。建設省の当時の立場といたしましては、建設省が関係しておらなかつたものだから、そのいきさつがなかなかわかりにくいということで、その許可に対しまして実は相当時日を要したのでございます。ようやく許可をいただきましたのが翌年の二月一日でございます。それは都知事の方から正式に許可をいただいたのですが、ただ内容が一番当初私どもが都から許可をいただきました内容と異つたのが、実は残念であつたのでございます。そのことにつきましていろいろ御折衝申し上げたのですが、当時のお立場といたしまして、二月一日に都からいただきました使用条件の変更の通知の内容より出ないということでありましたので、私どもGHQ経済科学局からも矢のように催促をいただきましたので、やむを得ずそれを実はのんだような形なんでございます。もちろん私どもとしては事業でございますから、その内容に盛りましたようなことで、建物をとりこわすというようなことは当時者としてはもちろん考えないのでございます。期間が参りましたら当然延長のお願いをしなくてはならぬということは覚悟しておりました。それからそのときの条件の内容に木造ということがございましたが、これも実は私ども非常に両方の間に板ばさみになりまして、結局あのような建物になつたのですが、それはGHQの方では、隣接地がアパートであるものですから、どうしても事業の活動性からいつて、厳重に他に迷惑を及ぼさないような施設並びに建物でなくてはいかぬという厳命がありましたものですから、そこで都とも御相談申し上げまして、鉄骨を使いますといつて許可をいただきました。  それからついでに申し上げますが、あの建築構造としましては当時は実にはででございまして、私ども当事者といたしましても、いかにも終戦直後の建物としてはでのように見えたのでございますが、実はどうも当時の日本人の力でこういうものをこしらえるのだということを、経済科学局の貿易部からも希望がありましたり、いろいろなことがございまして、実に経済的にも当時としてはゆたかでなかつたのですが、やむを得ずああいうようなことになつたのでございます そこで当社といたしましては、この都の使用条件の変更に対しまして、それではどうしたかと申しますと、その後二十六年十月の半ばでございますが、大蔵大臣にあてまして、普通財産の貸付申請並びに払下げ申請を出してございました。あの建物もあのようなことになりましたので、しかも事業開設以来ドルのかせぎと申しますと、はなはだ何でございますが、外人にドルで販売いたしますものですから、そのさやというものは当然大蔵省にドルとして蓄積されておるはずなんです。ただいまでは市中にかくのごとく自動車はふえておりますけれども、私ども事業目的が当初から、いわゆる俗に申しますと、ドルかせぎというようなことで、政府代行機関としていたしましたので、どうかしてこの事業を全うできますように、せつかくあれまで建てましたのですから、お役所といたしましても、あれを貸付けなり、また払下げなりをしていただきたいということで、大蔵大臣あてに申請をいたしております。それから都に対しましても、もちろん当事者でいらつしやいますから、私どもの意のあるところをその都度申し上げまして、延長のお願いをその都度申し上げておる次第でございます。そういうことで現状に立ち至つたのでございます。どうかこれに対しましては、御質問がございましたらお答えをいかようにでもいたしたいと思います。
  43. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 事実の経緯を少し明確にするために、二、三点吉岡さんにお尋ねしたいと思います。土地建物敷地のほかに空地があるようですが、総計は何坪でありますか。
  44. 吉岡照義

    吉岡参考人 あそこの面積は千百三十六坪でございます。
  45. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そこで、空地の方には何か植木のようなものが少しあるようですが、これはどこが……。
  46. 吉岡照義

    吉岡参考人 それは一番最初、事業開設のときに、都からのお貸付けの内容は総坪数でございました。しかるに先ほど申し上げました接収解除後の使用条件の変更の内容には、六百五十坪になりました。それはあそこが都市計画にかかるというようなことで、道路面から九間たしか奥へ入つております。それに対しまして、都の御希望公園設備の残つておる表示をしてくれという——言い表わし方は非常にまずうございますけれども、そういうことで植木を植えたいということで御希望もございまして、それも私の方からお願い書を出しまして、そうして私の方の費用で植木を植えました次第でございます。
  47. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 植木はあなたの方で植えましたか。
  48. 吉岡照義

    吉岡参考人 はあ、さようでございます。
  49. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それから進んで、五百万円を都へ寄附するというか、支払うというか、そういうことを都の議会で決議したということがありましたのですか。
  50. 吉岡照義

    吉岡参考人 はあ。
  51. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうですが。その五百万円は何ぼお払いになりましたか。
  52. 吉岡照義

    吉岡参考人 二回にわたりまして、これははなはだ恥を申し上げるようですが……。
  53. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 数額だけわかればけつこうですから……。
  54. 吉岡照義

    吉岡参考人 創業当初五百万円だつたものでありますから、その後二回増資をいたしまして、事業の進展に応じまして、財政の許すときにお払いをしたのでございます。当初知事との御約束はもつと早くお払いしなくちやならなかつたのですが、二十四年の七月に百万円と、二十六年の八月に百万円、合計二百万円……。
  55. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そこで三百万円はどうなつておりますか。
  56. 吉岡照義

    吉岡参考人 それは、その後私の方も財政の余裕ができましたので、都へ申し出ましたのでありますが、都としては、どうも困るというお話でしたものですから、そこで二十七年の八月二十八日に実は供託してございます。
  57. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 都の議会で決議した五百万円を、二百万円受取つて、残りの三百万円を受取るのを困るというのは、われわれには合点が行かないのですが、それは金を受取らぬのじやなくして、何か自動車でももらえるなら困らないということがあつたのではないですか。
  58. 吉岡照義

    吉岡参考人 そんなことはございませんけれども、私の方も当初お約束したのですから、実業家のはしくれとして、どうしても都にお約束を果したいと思いまして申し出たのであります。
  59. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 この二百万円もしくは五百万円は何の金ですか。あなたの方の、何かこれを使う権利金という趣旨にでもなるのですか。
  60. 吉岡照義

    吉岡参考人 はつきり都との使用許可の内容に書いてございますのは、書類を持つておりますけれども、「左の公園施設を復旧するために要する費用」、こう書いてございます
  61. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 あなたの方のおつもりはどうなんですか。
  62. 吉岡照義

    吉岡参考人 その通りでございます。
  63. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 私どもこの間、委員長代理以下十数名、あなたにお目にかかつて、そうしてあなたにこの金の趣旨を伺つたときは、明らかにこれは土地を借りる権利金のつもりであるとおつしやつたとわれわれは記憶しておりますが……。
  64. 吉岡照義

    吉岡参考人 それは当社としましては、当然もう土地の権利金にかねるべきものと私は考えておりました。
  65. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 権利金にかわるべきものと考えておる……。
  66. 吉岡照義

    吉岡参考人 はあ。
  67. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そこで、あなたの会社は今地上に鉄骨の大きな建築物ができておりますが、建築費は何ほどを要しましたか。
  68. 吉岡照義

    吉岡参考人 詳細はございますが、約四千万円を越えております。
  69. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 四千万円を要しておる。そこで都から来ておりますこの建公収第二〇四号により、都の知事からあなたの方にあてて来ておるものによりますと、使用期間が二十四年二月一日から二十八年の一月三十一日まで四箇年、但し更新をしないと明記してあります。そこであなたの方で鉄骨のものを四千万円をかけておつくりになつたものが、もう一月末は済んでおります。何でも建設局長の話によると、一箇月猶予期間を与えてあるという御説明でありました。それなら二月一ぱいで済むようですが、二月一ばいといつても、あともう十数日ですが、これはとりこわして明け渡す意思があるのですか、それともないのですか。その点いかがですか。
  70. 吉岡照義

    吉岡参考人 それはもう先ほどもちよつと申し上げましたが、延長願いを出してございます通りに、とりこわすということはとうていただいまとしてはできないのでございます。
  71. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 とりこわす意思はまつたくないわけですか。
  72. 吉岡照義

    吉岡参考人 はあ。とりこわしいたしましたら、会社といたしまして、存立のあれもございませんし、当然破産する以外にはございませんので……。
  73. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 この間あなたのいなさらぬとき、この委員会で、都の建設局長の言明によりますと、代執行してでも、強制手段をもつてとりこわす意思がある、こういうふうに明言されているのですが、あなたの方と都とのそのとりこわし、とりのけについての最後的な最近の意向はどういうふうになつておりますか。
  74. 吉岡照義

    吉岡参考人 ごく最近に都と私どもの係りの者が絶えず御折衝をしておりますのですが、最近におきまして替地の話が出ておるのでございます。都内または隣接のところで、適当な該当する土地をもつてこれにあてたいということで、大体それに対しましてどのくらい出せるかという御質問をいただきました。
  75. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうしますと、最近における都の意向としては、替地を出してくれぬかというような、そういう意向が伝えられているわけですか。
  76. 吉岡照義

    吉岡参考人 まあ。
  77. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それはやはりその中間に入つて、国会議員とかいろいろ奔走する人があるので、そういうふうにあなたの希望の方向へ少し意向が向いて来たのですか、どうなんです。その辺は……。遠慮なしにおつしやつてください。
  78. 田中彰治

    田中委員長 吉岡さん、みな調べてあるのだから、そういうことをお隠しになると、かえつて問題が重大化して、あなたの会社の破産になるようなことになりますが……。これは正直におつしやつた方がいいですよ。遠慮いりません。
  79. 吉岡照義

    吉岡参考人 ただいまの御質問に対しましてお答えいたします。四箇年いただきましたときには、バラツクのような施設でありましたならば、あるいはそれも可能であるかと存じますが、先ほど来から申上げておる通りに、当時の事業目的を発案された方々は、当然堅牢なものであつてほしい。しかも燃料物を扱うから、隣接のアパート等にも影響があつてはならぬ、騒音があつてはならぬ、衛生施設も完全でなければならぬ、不燃性でなければならぬというような、いろいろな条件ができまして、かくのごとき建物をつくらざるを得なくなつたのでございます。従いまして事業の内容は、書類にございます言葉が少し大きいようですが、当時の貿易庁としては、政府のドルを使つてやるのだから、ただ手数料を出すんだというようなお考えでございまして、半分国営というようなお感じで当初スタートいたしました。でございますから、会社の経営状態から行きますと、事業に反しまして、きわめて内容は地味ございます。事業政府の資金を使いましたのでなく、当然自己資本でございますから、四箇年で……。
  80. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 質問した事項に対してお答えを願いたい。
  81. 吉岡照義

    吉岡参考人 取壊すということは、当然会社としては……。
  82. 田中彰治

    田中委員長 そういうことを聞いているのではない。
  83. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 だれかが介在して奔走したことがあるかということを聞いている。
  84. 吉岡照義

    吉岡参考人 そういうことはございません。
  85. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 前の大臣のなにがしも御奔走になつておるのではございませんか。
  86. 吉岡照義

    吉岡参考人 ございません。
  87. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 ここは何も裁判所でも検察庁でもございません。事態を公平に見て行きたいと思いますから、ありつたけの資料をあなたに御提出を願いまして、公正な結論を得たいという趣旨以外にないのです。
  88. 吉岡照義

    吉岡参考人 どうぞそういうふうに願いたいと思います。
  89. 山田長司

    ○山田(長)委員 発言中ですが、山口喜久一郎の問題を正直に話した方がいいと思います。
  90. 吉岡照義

    吉岡参考人 それは事業の当初から、事業に興味を持つていらつしやいますから、御相談申し上げたわけでございまして、別に運動を御依頼いたしてございません。
  91. 山田長司

    ○山田(長)委員 自動車を上げてあるというような話をいたしたでしよう。
  92. 吉岡照義

    吉岡参考人 それは取引はしておりますけれども、差上げてございません。それは私どもの帳簿をごらんくだされば一目瞭然でございます。
  93. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 あなたの方では四千万円をもつて建てた建然を取壊す意思はない。都では代執行してでも取壊す意思がある。これは正面衝突なんです。今聞けば、都の意向がやわらいで来て、替地がほしいというようなことを言い出した。そういうことですね。これはどういうきつかけからそういうことになつたのでしよう。どこかにうそがあるか、どこかに間違いがある。まあ関係者はみんな見えておりますから……。
  94. 吉岡照義

    吉岡参考人 どうかそれは都知事殿に……。
  95. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それも五百万円出すというようなことになりました当時、すでに最初に四年ときめてあるけれども、実はそのときになりましたら替地でも出すようにあつせんしよう。出せば継続できるようにあつせんしようとかなんとかいう話でも、最初都との間にあつたのでございますか。
  96. 吉岡照義

    吉岡参考人 御質問でございますけれども、そういうことはありません。だから経営者側としては御想像以上の苦心をいたしたのでございます。ですからその内容はもちろんGHQにもお話してございます。
  97. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 GHQと申しましても、GHQのことをお伺いしておるのではない。あなたの方と都との関係です。
  98. 吉岡照義

    吉岡参考人 少し時代遅れでございますけれども——実はその点で最も私ども苦心をしておるのでございます。
  99. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 いろいろと苦心があるだろうが、この間も私どもどういうわけだろうといろいろ聞いてみますと、あなたの片言隻句のうちに、やはり都とあなたとの間に、最初からちよつとその辺をにおわす言葉があつて、そうして替地とか、替金とか、替物とか、継続とか、何かその辺が最初から少しあつたようなことをちらつと耳にしました。
  100. 吉岡照義

    吉岡参考人 ごもつともでございますが、それは第一回の都議会の決議、それから第一回の使用許可をいただきましたときには、向う十箇年間、それからそのときに応じて延長をすることあるべしというような文字がたしかございます。ですから私どもはその期限が参りましたら、何とか延長を願いたいという考えを実は常に持つておりまして……。
  101. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 ほんとうのことをおつしやつてもらいたい。これはお受取りになりましたね、知事からあなたの方にあてて。
  102. 吉岡照義

    吉岡参考人 はあ。
  103. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 これは期間が二十四年二月一日から二十八年一月三十一日の四箇年、更新せずと明記してありますが、更新せずと明記してあるのに、あなたの方では四千万円かけて鉄骨の建物を建てた。そうして更新してもらうつもりがあつたというのはおかしいじやないですか。あなた個人の金じやないですからね。あなたも会社の代表者として、会社の大事な財産を四千万円お使いになつたのだが、四年の後に明け渡すということをしなければならぬということを明記してあります。だからそこに相当の矛盾がある、無理があると思うのです。
  104. 吉岡照義

    吉岡参考人 ごもつともでございます。
  105. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 だから最初にはこうは書いてあるけれども、更新するのだという話でもあつたのかどうか。
  106. 吉岡照義

    吉岡参考人 それは言外にはございましたけれども
  107. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 言外とは何ですか。
  108. 吉岡照義

    吉岡参考人 その当時それ以外には許可ができないのだということでございましたが、しかし私どもさつき申し上げましたように、どうしてもそれを承諾して建てざるを得なくなつてしまつたのです。ですから期限が参りましたら、私は延長を願いたいという考えを持つておりました。
  109. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 では一応吉岡さんに対する質問はこの程度にしまして、関係の方面に対して質疑を継続させていただきたいと思います。
  110. 迫水久常

    迫水委員 関連して吉岡さんに一言聞きたい。少し話がこんがらがつているようなんですが、あなたの方には使用許可が結局二度行つているわけですか。
  111. 吉岡照義

    吉岡参考人 さようでございます。
  112. 迫水久常

    迫水委員 第三回目の期間四年と限つて更新せずというのは、昭和二十四年の二月ですが、その前に昭和二十三年の五月ごろに一ぺん使用許可が行つているのですか。
  113. 吉岡照義

    吉岡参考人 はあ。
  114. 迫水久常

    迫水委員 それは書面で来ているのですか。
  115. 吉岡照義

    吉岡参考人 はあ、書面で来ております。
  116. 迫水久常

    迫水委員 都長官から書面で来ているのですね。
  117. 吉岡照義

    吉岡参考人 はあ、さようでございます。
  118. 迫水久常

    迫水委員 それには期限十箇年で、そのときも五百万円の寄付のことが書いてある。
  119. 吉岡照義

    吉岡参考人 書いてございます。
  120. 迫水久常

    迫水委員 しかも十箇年で期限は更新することあるべしという許可証がついていて、それに対して受証を出しているのですか。
  121. 吉岡照義

    吉岡参考人 はあ。
  122. 迫水久常

    迫水委員 それが来たので、あそこに板がこいをして工事に着手したのですか、しないのですか。
  123. 吉岡照義

    吉岡参考人 いたしました。
  124. 迫水久常

    迫水委員 そうしてそこに中止命令が来て、ほとんど十箇月ばかり中止していて、翌年の二月にまたもう一ぺん許可が来て、それでいよいよ本工事にかかつた、こういうことですね。
  125. 吉岡照義

    吉岡参考人 はあ。
  126. 迫水久常

    迫水委員 関連して都に伺います。
  127. 田中彰治

    田中委員長 都知事ですか、だれですか。
  128. 迫水久常

    迫水委員 どなたでもけつこうです、事務的のことですから。途中二十三年五月に許可をお出しになりましたかどうか。お出しになつた場合には、それは二十四年二月の許可と同じく建設省と大蔵省に御相談なつてお出しになつたかどうか。
  129. 田中彰治

    田中委員長 建設局長に答弁をしていただきます。
  130. 瀧尾達也

    瀧尾参考人 今お話の出ました前のものは、建設省の相談がありませんでしたので取消したのであります。それで建設省に稟伺いたしまして、その結果そういうふうに条件がかわつて許可をし直したわけであります。
  131. 迫水久常

    迫水委員 それならそれは一ぺんは出されたわけですか。
  132. 瀧尾達也

    瀧尾参考人 一ぺんは出しました。
  133. 迫水久常

    迫水委員 それを取消すという意思表示はいかなる方式でいつされたのですか。
  134. 瀧尾達也

    瀧尾参考人 二十四年の二月一日でございます。
  135. 迫水久常

    迫水委員 それなら、これは第二回の許可証をもつて第一回の許可証を取消すという意味になるわけですか。それとも前回の許可証は取消すということを、それに明瞭に書いてあるわけですか。
  136. 瀧尾達也

    瀧尾参考人 それは別に書いてあります。二十三年五月二十四日付これこれをもつて許可した虎の門公園使用の件は条件変更するためこれを取消す——別途に出すということになつております。
  137. 山田長司

    ○山田(長)委員 ちよつと吉岡さんにお尋ねしますが、あなたの会社相談役かまたは顧問に山口喜久一郎衆議院議員ないし安井参議院議員が関係しているといううわさがありますが、どうですか。
  138. 吉岡照義

    吉岡参考人 当社の顧問に山口喜久一郎先生はございますが、安井先生はございません。
  139. 松本七郎

    松本(七)委員 会社側としては、これが国有財産であるということはもちろん御存じだつたでしよう。また東京都が公園用地として無償で借りているということも当然御承知であつたと思います。ところで、四年間ということで木造建築という最後の許可証が行つているわけですが、それを十年間という最初のあれがあつたにしても、少くとも鉄骨の建造物を建てようという以上は、これは会社としては相当の冒険です。はつきりした見通しがないのにそういう建築をするということは、われわれには常識としてはちよ考えられないのですが、言外のあれから何らか延長でもできるのではないかというような考えを持たれたように私は伺つたのですが、ただ漠然として、第一回の許可証には十年間であつたし、また更新もできるということになつておつたのですから、これが取消されて四年間になつたのか、将来これは運動一つによつては、延長もできるのではないか、あるいは建造物を建ててしまつて、また運動すれば、払下げも可能じやないか、そういう漠然とした見込みのもとにやられたものか、その点をひとつ伺いたい。
  140. 吉岡照義

    吉岡参考人 第二回目の許可には四年となつてございますが、当社といたしましては、先ほど申し上げたように、第一回の許可が十箇年でありますし、更新することあるべしということもうたつてございますので、四年たちましてから、払下げなり、貸付をしていただきたいと存じまして、先ほど申し上げたように大蔵省への申請いたしました。
  141. 瀧尾達也

    瀧尾参考人 ただいま更新するということが許可証の中に入つているとおつしやいましたが、それは入つておらないと思います。
  142. 田中彰治

    田中委員長 吉岡さん、それは入つておりますか。何か書類がありますか。その書類があつたら、ちよつと委員長のところへ見せてください。     〔吉岡参考人書類を委員長に提出〕
  143. 吉岡照義

    吉岡参考人 その許可証にはその更新することあるべしという事項は入つていなかつたかもしれません。失礼をいたしました。あるのは、都会の議案でございます。
  144. 松本七郎

    松本(七)委員 この都会の議案というのには、使用期限として、許可の日より十箇年間とする。但し期間満了の際は事情により更新することができる、ということになつておりますが、都の方はいかがですか。これは都知事安井誠一郎さんからで、明記してあります。
  145. 安井誠一郎

    ○安井参考人 私はその辺の事情、事務上の手続はどういうふうになつているか知りませんが、おそらくは都会の議決はそういうふうになつていると思います。しかし行政処分として許可の指令を出す場合にはそれをつけずに出していると思います。
  146. 山田長司

    ○山田(長)委員 この事件は、国の財産を東京都で無償に借りておいて、その東京都がさらにニユーエンパイヤモーター株式会社に貸しておくというまことにけしからぬ事件で、さつき質問を落したのでもう一ぺん尋ねるのですが、実はこの間会社へわれわれが行つたときに、社長迫水さんに小さな声で、自動車が山口喜久一郎さんにやつてありますということを言つたことを私はそばで聞いております。この自動車を山口さんにやつてあるということは、売つてあるという意味か、あるいはくれてあるという意味か、私はよく理解しないのですが、一体売つたものとすれば、金はどのくらい払つてあるか。こういうことを伺うのは非常に遺憾に思うけれども、とにかく明確を欠くので、ちよつと伺いたい。金はとつてあるのか、とつてないのか。とつてあるとすれば、どのくらいとつているか。
  147. 迫水久常

    迫水委員 それは山田君の何か聞き違いじやないかと思うのです。それは、自動車の話が出ましたが、吉岡さんが小さい声でささやかれたのは——都からお金はいらないから自動車をもらえないだろうかというような話もございましたということは、吉岡さんが私に言われましたけれども、山口喜久一郎さんに自動車をやつたということは私は聞かなかつた
  148. 山田長司

    ○山田(長)委員 私は聞いている。
  149. 田中彰治

    田中委員長 吉岡さん、委員の方がみなこの問題に興味を持つていろいろ調べているから、うそを言わないように、正直に言つてください。
  150. 吉岡照義

    吉岡参考人 どうぞいかようにでも——ただいまの御質問ですけれども、差上げてはございません。取引の内容につきましては、いつでもお目にかけますが、その点ははつきり申し上げます。
  151. 山田長司

    ○山田(長)委員 私は耳をわずらつたこともないので、決して聞き違えることはないという自信があります。あなたのおつしやつたことについて、帳面につけてあるかどうかわからぬけれども、とにかくこの問題については、私は山口喜久一郎さんに自動車をやつてありますということを、迫水さんに小さい声で言つたことを私は知つているのですから、これはおかしいと思います。
  152. 永田良吉

    ○永田(良)委員 私が証言いたします。それは社長が言われた通り、あとの三百万円は、金をもらうより自動車をということは言われたが、山口君のことは私は聞いておりません。これは迫水君の言われることと私の聞いたことが一致いたします。
  153. 松本七郎

    松本(七)委員 先ほど都の方では議案と行政処置と違うということを言われたのですか、これは都知事の名前でもつて、虎の門公園地使用として左記の条件をもつて許可する、こういうことで更新のことが明記してある。これが当然会社の方に送られてあるのです。これはあなたの方からいえば、きまつたこととして行政的にも有効なものとして考えるのは当然でありますが、どういうことですか。
  154. 安井誠一郎

    ○安井参考人 それは何か話が少し違うのではないかと思います。議案を会社の方へこちらから持つてつたか、どなたからか持つて行かれて、こういうふうなことになつておるとお考えなつておるので、うちの事務当局が十年先のことまで書くのは少し書き過ぎだというようなことで、それは書かないで許可を出しておるのではないかと思います。
  155. 松本七郎

    松本(七)委員 会社の方は、そういう都のあれについていかがですか。これはどういうところからどういうようにして手に入れられたのですか。都から送つて来たのですか。
  156. 吉岡照義

    吉岡参考人 ちよつとその書類の入手のことは私存じませんので、はつきりしたお答えがただいまできません。
  157. 大矢省三

    ○大矢委員 先日私どもがここで聞いたときには、花房緑地部長は、この問題については議会にかけておらないということをはつきり言つた。今日はかけておるという。これは一体どこに間違いがあつて、そういうはつきりしたことを答弁したのですか。
  158. 花房利市

    花房参考人 この前も五百万円は都議会にかけたとは申しません。
  159. 大矢省三

    ○大矢委員 ぼくの言うことがわからぬかどうかしらぬが、前にはかけていない、こう言つた。今この文書によれば、七十二号議案として正式にかかつておる。しかも五百万円寄付してもらいたい、これは公園の手入れに金がいるからということまでつけて、議会にかけて要求しておる。しかも議案の中に載つておる。この前何べん尋ねても、議会にはかかつていない、こう答弁しながら、本日はかかつておる。なぜ一体そういうことを言うのか。
  160. 花房利市

    花房参考人 説明に書いてありますので、議案には載つておらないのです。
  161. 大矢省三

    ○大矢委員 ここにある通り、議案が出たことは事実じやないのですか。この問題は議案としてかかつていないということをしばしば言つて、今日はちやんとかかつておる。しかも一番先には十箇年更新することを得、しかも五百万円寄付してもらいたいと、ちやんと議案に出ておる。それを議案としては取扱つていない、こう言つていた。これは重要な問題です。議案でかかつたら、借りる方は都議会に諮つてこれを決定したというので、非常に信用することは当然である。それをかかつていないと言う。
  162. 永田良吉

    ○永田(良)委員 そのことは前回の委員会であつたことですから、速記録を調べさえすればよいので、水かけ論は無用だと信じます。速記録を調べてもらいたい。
  163. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 安井知事さんにお尋ねしたいのですが、あなたはこの種の案件に直接御関係あるかどうかわかりませんけれども、先刻私が大蔵大臣に事実の関係を、会計検査院並びに大蔵省から得た書面等によりまして、御説明申し上げましたのでお聞きくだすつたことと思いますが、大蔵大臣本件土地は明渡し返還を受けるいうことをここでお答えになつた。あなたの部下の建設局長は前会、代執行してもこれをとりもどしますということを何回もお繰返しになつた。現に使用しておる吉岡社長は返す意思がない。何かそこにまた都から最近はかえ地でもどうかしてくれというようなお話が出ているかのようなこともここへ出て来たのであります。そこで国有財産である土地を管理する省の長官である大蔵大臣は、返還を受ける意思が明確になりましたが、都といたしましてこれをどう処置なさるか、これも明確な御所信を伺いたい。
  164. 安井誠一郎

    ○安井参考人 今のお話でございますが、これはうちの事務当局がどういうふうに今まで答えたか知りませんが、事務当局としては、やつぱり四年間期限を切つて貸しておるということになれば、これはどうしてもその事務的な処理としてはその方向に行かなくてはならぬということを申し上げておるのだろうと思いますが、ただこういうことはありますね。途中で大蔵省の方からも、この土地は本来公園目的に使用するような状況にないから、国の方に返せという通牒が参つておるのでございます。そういうようなことに基いて、大蔵省建設省はいろいろお考えなつておるだろうと思います。従つて事務当局が今お話したように、それは政府土地でもあるし、政府の指導を受けて今までやつていることだから、政府と御相談して善処しよう、こういうことじやないかと思います。
  165. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 政府と御相談の上善処なさる、これはごもつともであります。ごもつともでありますけれども、かような事態に立ち至つておりますときに、政府側の意向意向としまして、都の責任者のあなたのお立場においてどういう御所見があるのか、これは根本的な大事なことであります。いたずらに追い立てると言つたところが、建設省からはあなたの方に厳重に矢の催促が来ておる。大蔵省建設省に対して、一は「使用許可条件に反して鉄骨造として許可を与えた理由」二は「賃貸料の外寄附金名義で金銭を収受している理由」これらについて照会をしておるけれども回答が来ず、こういうことになつておるのであります。だから大蔵省建設省へ、建設省はあなたの方へと、こういうふうに結末についての要請ないしは疑義に対する釈明を求めつつある。こういう事態なのでありますから、他と御相談の上というのではわれわれは了解しにくい。あなたの方として責任があろうと思う。無償で貸下げを受けました国有地を有償で貸して、しかもそれは四箇年の期限で貸して、撤去不可能なような鉄筋の建物が現存しております。行つて見ましたら、一月、二月後に明け渡しするようなけはいはごうも見えない。こうした事態ですから、これは抽象的に他と御相談するというのは、去年、一昨年の話です。期限が終了しておるのですから、あなたの方としては最後的な確たる決意がなくてはならぬ段階に到達しておる。いかがですか。
  166. 安井誠一郎

    ○安井参考人 前段の点については事務当局からお話を申し上げまして、あとのことを申し上げます。
  167. 瀧尾達也

    瀧尾参考人 前段の、回答がないというお話でございましたが、これは印刷の当時はなかつたのですが、その後建設省を通して御回答申し上げてあります。
  168. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 私の質問は違います。繰返して申し上げますが、回答がないというのは、大蔵省から建設省に対して今申し上げた事件についての回答を求めたんだけれども回答が来ないというのです。前会にも私が読み上げましたように、東京都側は明渡しを執行すると言明しておる。こういうふうに大蔵省説明しておりますから、そういう言明があつたのだろうと思います。回答がないというのは、大蔵省から建設省に向つて回答を求めたところ回答がない、こういう趣旨ですから誤解のないように……。
  169. 田中彰治

    田中委員長 ちよつと皆さんにお諮り申し上げますが、建設大臣予算委員会から呼ばれておりますので、何か建設大臣に御質問があれば、先に伺つていただいて、予算委員会に行つていただきたいと思います。
  170. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それでは私今のは保留いたします。都の長官から御回答願いますけれども、先に建設大臣に伺います。今だんだん申し上げて事案の内容は御了承と思いますが、これは国有地の管理上実に残念な事態に立至つた案件であります。そこで、あなたの方は最終的責任でないかもわかりません、都の責任かもわかりませんが、建設省といたしまして大蔵省から保管の責任を受継いで来られた関係計画局長も関与せられた関係、また四年の期限を切つて貸すというときに、これは建設省の発意によつて四年になつたということは、この間の計画局長お話なんであります。そこで建設大臣としてはどうこれを処置されるか、いずれ御研究はくださつたと思いますから、御所信を伺いたいと思います。
  171. 戸塚九一郎

    ○戸塚国務大臣 私大体の経緯はせんだつてから聞いておるのでございます。ただいまも吉岡さんなり都の知事からお話を聞いております。また御質疑の点もだんだん私拝聴いたしておつたのであります。ここでにわかに——あるいは法律的にはこうすると、大蔵省の言う通りにすると申し上げてもいいかもしれませんけれども、どうもそれじや事態そのものから考えてみて、そう簡単に言い切つてしまつて済む話のようにも考えられないのでございます。これはいろいろの話も出ておるようで、その辺までは私存じませんが、とにかくいずれにいたしましても、何とか適当な処置を講じて早く解決をいたし、皆さんにも御安心を願うというふうにしなければならぬものじやないか、こう考えておるのでございまして、熱意をもつてとつこれの処置を研究もし、また関係者とも打合せてみたいと存じております。
  172. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 これは皆さんの御安心を願うという、そういう筋の案件ではなしに、価格は都の建設局長お話によれば坪十万円はする、そうしますと、これは全体として一億円以上になります。但し使つておると称する建物は六千五百万円であります。いずれにいたしましても、大きな価格の国有財産の管理、処理上の問題としまして、これは重視すべきことであります。従つてそこに当局として介在せられ、またいろいろと指揮せられた建設大臣は、相当責任を持つて解決をなさらねばならぬと思うのであります。最初は使用条件が木造という指示であつたわけです。ところが木造であつたのを、なぜ鉄骨のものを見のがしたか、許したかということを尋ねたところが、鉄骨でもその方がとりやすいというような御説明すら都からは出まして、またあなたの方の局長も、この間とりのける、とりのかすという御意思を表明せられたのであります。こういうふうなことでありますので、法律的の問題もさることながら、事態の収拾と国有財産の保護、管理の紛糾について、相当筋を立ててすみやかに解決するのでなければ、悪弊の波及するところは相当大きいと見ております。実は類似の案件をいろいろとほかからも聞くのでありまして、まだこれは都の中に何百とあるのではないかという疑義をわれわれは持つております。前会もそういう質問が出ましたが、まだ御承知でないらしいのです。いい答弁ができなかつた、そういうときでありますので、少数者が安心するとか、関係者がどうとかいうのではなしに、重大な価値のある国有財産の管理、処理上の案件といたしまして、最近注目すべき事件と思います。あなたは今後慎重にまたすみやかに最善の措置はお講じになると思いますけれども、ひとつ重ねてあなたの信念的な言明をしておいていただきませんと、お互いに責任のぬたくり合いをいたしましたら、これは容易に解決しないままで行くのではないかと思います。大蔵大臣はやはり自分責任上相当明快な答弁をなさつたのです。あなたのお立場も相当重要な立場でありますので、都の長官の言明を求めますけれども、これは大蔵省へも回答をなさつておらぬということでありますので、荏苒日のたつことも事態のために私はいかがかと思います。重ねてもう一度あなたの御所信を聞いてみたい。
  173. 戸塚九一郎

    ○戸塚国務大臣 私が今法律的にと申し上げたのは、大蔵省と同じ意思であるというふうに申し上げれば、一応形か整うようであるけれども、それではこの事態が、実情がどうあろうかということも真剣に考えて、解決をする方に熱意を持つて進みたい、こういうふりな意味で申し上げたつもりでございます。
  174. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 すでに御研究になつて来られたそうでありますが、それなら方針とか原則とか案とかそういうものについて、何か具体的にお述べになることはできませんですか。
  175. 戸塚九一郎

    ○戸塚国務大臣 研究をと申し上げましたかどうか、ちよつとはつきりしませんが、事態の経緯は聞いて参つておる、こういうふうに申し上げたつもりであります。内容についてあるいはその間に関係の都なり大蔵省なりまた建設省の従来の取扱いなりについて、いろいろ打合せ連絡したことについて、まだ十分には私承知いたしておりません。そこをよく研究いたしたい、こういうふうに思うわけであります。
  176. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 これは時期を失しますと、いよいよ国有財産なるものが法律上の紛争の渦中に置かれることになります。ということは見やすい理でありますので、もし熱意をお持ちなさるならば、これはすみやかに最もよい方法をお考えなつて解決に努力しなければならぬものと思います。すみやかにかつ最善のという点につきまして、何かここで所信を明らかにしてもらえたら、この委員会としては将来非常に明瞭になつて行くと思います。
  177. 戸塚九一郎

    ○戸塚国務大臣 すみやかに最善のと申し上げましても、こういうことでありますから、そうすみやかにということがどの程度になりますかわかりませんけれども、私としてはできる限りの力を尽したい、かように考えます。
  178. 迫水久常

    迫水委員 建設大臣にお伺いをいたしたいと思いますが、これは契約の原則を正面から解釈して行けばニユー・エンパイヤ・モーターがまことにけしからぬ、四年間という期限を切つて貸したものだから、四年間で立ちのくべしといつて立ちのかせるのが当然であります。私も役人の経験がありますが、ことにお役所ではそういう結論をお出しになるのが当然のように思うのです。ところがせんだつてから建設省の方も、東京都の方も、きようは建設大臣すらもニユー・エンパイヤ・モーターはけしからぬ、すみやかに立ちのくべしというふうにはどうもお考にえなつていらつしやらないようだ。そこでそういうふうにお考えなつていらつしやらない原因が、建設省の処置なりあるいは東京都の処置なりについて何か足りない点があつて吉岡さんの言うようなことも一応常識的に考えれば、まあまあそういうことを考えたのも無理はなかろうというような、そういう気持が、建設大臣なりあるいは建設省の役人あるいは東京都のお役人の中にあるのじやないか。あればこそ、そういうようないろいろな不明確な、ぼかしたような、解決をあとに延ばすような答弁をなさるのだと思うのです。率直に建設大臣自分たちの方の処置もちよつといかがなものであろうか、四年間というような期限を付することは、できない相談を持ちかけられたことなんで、ちよつとまずかつたな、こういうようにお考えなつていらつしやるのかどうか、それをはつきりおつしやつていただきたい。
  179. 戸塚九一郎

    ○戸塚国務大臣 お答えいたします。私が申し上げたのは、そういう意味で申し上げたつもりじやない。何か会社のことを心配して——心配という意味は、現実にあそこに建物ができておるそうでありまして、そういうものを代執行でこわしてしまうということは穏やかでないという気持だけでありまして、そういう意味では考えますけれども、別に前からの約束がどうとか、内部にあいまいな点があつたからどうだとかいうような気持で私は申し上げたわけでは全然ございません。
  180. 迫水久常

    迫水委員 あの建物をつくらしてしまつたのは、やはり建設許可をしたのですね。かつて会社が建てたのではなしに、どこの役所か知らぬけれども、とにかく建設許可をしたのですね。鉄骨で四千万円かなんかのものを建設許可をした。今結果的に見れば、あの建物が建つておるから、これはひとつ考えてみなくちやならぬということだが、建てさせたのは役所なんです。そういう事態を考えても、やはり前の御答弁の通りでしようか。
  181. 戸塚九一郎

    ○戸塚国務大臣 許可のときに、そういう含みがあつたとかいうような意味合いは、私考えておらない。許可条件通りならば、先ほどからだんだんお話が出ております通り大蔵省の言う通り東京都庁が言う通り、はつきりとりこわすならとりこわすということで、片がつくべきだと思います。先ほどからも聞いてみれば大体条件通りというお話でございますが、それは私は話は聞いておりませんが、私の気持のほんとうのところは、だれが利益するとか、だれが取扱いがまずかつたとかいうようなことではなくて、せつかくあるものをむだにするようなことは、法律だからという建前で行くようなことはどうかしら、こういうような気持が腹の中にあつたものですから、その通り率直に申し上げたつもりであります。
  182. 田中彰治

    田中委員長 ちよつと委員長の席をかわります。     〔委員長退席、迫水委員長代理着席〕
  183. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 今のことに、ちよつと締めくくりだけをしておきたいのですが、実はこの間からいろいろ出た資料によつて意見を交換された。そのときの結論は、むしろ建設省の立場は気の毒であつたような感想を持つたのです。ところできようあなたのお考えを聞いてみると、使用条件に違反して、会社が鉄骨のものを建てたということはお認めになる。しかし既成事実だから、どうもそれをこわすというのはいかがかというようなことが、あなたの腹の中にどうもあるらしい。既成事実は、違反であろうと不法であろうと、ともかく四千万円もかけたものができておるのだから、それをこわすということでなしに、さらにほかの方法を講ずるのが穏当じやないかという、しごく思いやりの深いお考えが腹の中にあるらしい。そういうようなことであれば、私どもとして、翻つて一体建設省は四箇年で木造建築ということを指示しながら、鉄骨のものを建てたということについての責任を負う意思があるかどうか、こう聞いてみなくちやならぬ。国有財産の処理なんですから、そういう建設省の失態を隠して、既成事実が不可能に近いものだから、やむを得ぬじやないかというような取扱いはいかがでございますか。
  184. 戸塚九一郎

    ○戸塚国務大臣 私はそういう気持で申し上げたつもりではないのであります。建設省が別に間違つた手続をしておつたということにも考えておりません。この手続通り、法律通りということにすればそれでいい、私もその通りお答え申し上げることは、簡単なようなものでありますけれども、もう少し何かいい方法がありはしないかということを、ただ——私の思いやりとお話がありましたが、それだけの程度の気持でありまして、もしここではつきりしておけと言われれば、やはり大蔵省と同じように、手続上何ら間違いがないのだ、返してもらうということにする、こう申し上げて一向さしつかえないのです。私はそれ以上の腹はございません。
  185. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうすると、原則としましては、使用条件に違反して建てたものであるから返させる、明け渡させるべきが至当である。従つてその点においては、大蔵大臣考え方も一致しておるわけです。あなたの方の違うところは、今日の実情にかんがみて、何らかの方法考えるのが穏当じやないか、こういうことがつけ加わるわけなんですね。
  186. 戸塚九一郎

    ○戸塚国務大臣 ただ、実情に応じて考えると言いましても、このままでいいという意味に私は考えておるわけではありません。また適当は解決方法があつてやるのならば、それぞれの条件なり話合いとうものは当然あるべきだと思います。しかしさつき申し上げましたように、何も思いやりがあるために、どうというようなことで申上げた意味ではないのでございます。
  187. 大矢省三

    ○大矢委員 これは都と建設省の両方にお尋ねしたいのですが、先ほど来の大臣の答弁というものは、契約通り履行したい、しかし現実の問題として、ああいう鉄骨のものが建つているんだから困難だといわれる。言葉ではいろいろ言いますけれども、それには内容があると思うのです。そこで私どもそういうことも気づいて、一昨日の委員会でも、ああいう鉄骨の建物があるということは、撤去に困難ではないかとしばしば尋ねた。そのときに、都の方も建設省の答弁も、木造であればこわした後にこれを使用できない。鉄骨であれば、ただちに容易に移すこともできるし、あとの資材も使えるから、かえつて立ちのきには便利なんだという答弁をしばしばしていられる。いま一つは、どうして最初に木造で許可したものが鉄骨になつたかというと、あれは甲種防火地域に入つているから、そうしたのであつて、立ちのきについては、そういうことも考慮されて、決して困難ではないといわれる。これを言いかえれば、ちやんと契約通り立ちのかすということを明らかにしている。そこで非常に困難であろうとわれわれが考えたことに対して、むしろあの方が撤去するのに便利なんだ、あとの資材も使えるんだ、こう言つているんだから、そこで私はその腹が読めると思います。なお東京都は直接関与した責任者でありますし、建設省は管理上許可を与えたから、この機会に両方で約束通り履行して、撤去させる決意があるかどうか。もしないならば、この間われわれに言つた撤去は容易だ、むしろそうした方がかえつて撤去もしやすいんだというのは、その場限りの答弁であるのか。それから、私は先ほど用があつて退席したのですが、われわれのこれほどの議論に対して、これらの問題が東京都議会にかかるはずがない、五百万円というのは、あとでわかつたけれども、当時二百万円の寄付を受けている。しかし一千万円以下の寄付は都議会にかけなくてもよろしい。従つてこの問題については、都議会にかかつておらぬ。こう言つておきながら、事実上は、何べん聞いても、今報告がありましたように、ちやんと議案になつて出て、都議会の承認を経ている。一体どうしてそういうことを言われるのか、わからぬならわからぬと言つたらいいのに、そういうことは決してない、都議会にはかかつていないと言つて、現に都議会にかかつている。この点はどういう間違いか、あなたの思い違いか、取消されるのか、依然としてかかつておらぬと言われるのか、その点を、何べんも立つことはどうかと思いますから、両方で御答弁を願います。
  188. 瀧尾達也

    瀧尾参考人 都議会にかけましたのは、公園用地使用許可についてということでございまして、こういう条件で、たとえば使用期間がどれだけ、使用料は一箇月幾らであるとか、そういうものを都議会の承認を求めたわけでありまして、先日申し上げましたように、寄付行為は議決事項ではございませんので、こういうふうな段階になつておるという報告をさしていただいたわけであります。議決事項ではございません。
  189. 大矢省三

    ○大矢委員 これはどうも私ども解せないのですが、議会の承認にしても何にしても、都議会に諮つたことは事実です。それから寄付のみならず、かけておらぬと言つたが、かけておることは事実です。それから私は、これが議決議案であるか、報告承認の議案であるかは別として、これが都会の承認済みだ、あるいは議会にかかつたことは事実だ、それがかかつたことはないというから問題になる。寄付だけの問題じやないのです。ことにそういう重要な条件があるならなおさらです。
  190. 瀧尾達也

    瀧尾参考人 先日、寄付は議会にかからぬでいいのかというお話でございましたから、寄付は議会にかける必要はないので、寄付はかかつておらぬということを申し上げたのでありまして、この土地を貸すということを議会にかけていないとは申し上げておらないつもりであります。
  191. 迫水久常

    迫水委員長代理 ちよつと大矢君に申し上げますが、戸塚建設大臣はお急ぎのようですから、建設大臣に対する御質問を先にしていただいて、なるべく早く大臣を解放したいと思います。
  192. 大矢省三

    ○大矢委員 それでは建設大臣に、私が先ほど言つたように、これは当然契約通りに履行して返還してもらう、こういう意思であるのか。ただ私どもが心配しておるように、あれが鉄骨で四千万円もかけておるからなかなか困難だろうと思つたが、それに対しては、むしろ容易なんだ、簡単にできるのだということをしばしば技術者から、あるいは建設省の責任者から言つておりますが、そういうことも合せて、これは契約通り履行するというように先ほど来の大臣の答弁を解釈してよろしゆうございますか。
  193. 戸塚九一郎

    ○戸塚国務大臣 その方の当局が、それをこわすのは簡単だと御答弁申し上げたかどうか、その辺ちよつと私はわかりません。都からそういう回答があつたということは聞いております。私の気持は先ほど申し上げた通り、別に他意は何もないのであります。
  194. 大矢省三

    ○大矢委員 それでは大臣はけつこうです。都の方の都知事からそういう回答がしばしばあつたようでございますが、これを契約通り撤去させる決意があるかどうか。都知事はなかなかえらい元気で言つておるということを前の委員会で聞いたのですが、今なおその決意であられるかどうかということを重ねてお尋ねいたします。
  195. 安井誠一郎

    ○安井参考人 それは事務当局の方から……。
  196. 迫水久常

    迫水委員長代理 ちよつと待つて下さい。田中君が建設大臣に御質問があるそうです。
  197. 田中彰治

    田中(彰)委員 私は建設委員長なつて一番驚いたのは、役人の方々、政府の大官の諸公が国家の財産に対して、非常に無関心であつて、ふらちである。もう一つ、この財産があたかも自分関係がないから大した責任がないじやないか、こういうように考えておられるように受取れるのであります。申し上げるまでもなく、国民が泣いて血税を納めた、それによつて政府予算を組み、政府のすべての事業をやるのであります。国有財産といえども大臣の財産でもなければ、大蔵省の財産といつて大蔵省の財産ではありません。国民が税金を納めた、それによつて国家の財産になつておるのでありますから、国民の財産であります。そういうものが今日この俎上に上つて、お互いに責任のなすり合いをするということは、いかに各省の方々が国民の泣いて納めた税金によつて保たれておるこの財産を軽く思つておられるか、この点を私は感ずるのであります。私は農村の代表者として、あるいは働かなければ食べられない階級が私をたくさん支持しておりますが、そういう点から考えたときに、涙なくして私はこの事件を処理できません。しかし実際考えてみると、このモーター会社もかわいそうであります。これだけのものを建てて、今立ちのけということは、これは建設大臣の言われる通り、多少ここに同情の感なきにしもあらずであります。しかしこれは建設省と都とこの会社が、うその塗り合いをしておる、責任のなすり合いをしておる、こう私は思う。モーター会社が、こんなものを建てておけば立ちのきさせられるものか、何とかなるだろうというような横着な精神でやつたのか、都がモーター会社からいろいろな誘惑によつて、許してならぬものを許したのか、また建設省がそれと結託してこれを許したのか、その中にだれかが入つて、そしてこれをあやつつたかということは、私が考えなくても、ここにおられる賢明な諸公が正直に常識的に考えられれば、これはわかると思う。これを貸したことにおいてどういう矛盾が出ておるか。まずこの使用しておる土地は六百五十坪なんです。これを一坪五円十銭で貸しておる。この土地の地代としては毎月三千三百十五円しか払つておらない。しかるに実際に使つておる土地というものは千百坪なんです。これで払うとしますと五千六百十円ばかりになる。ところがこの土地はそんな安いものではない。今土地の時価がどれだけするかと申しますと、一坪二十万以下では買えない土地だ。どうして二十万という相場を出したかと申しますと、あの隣に、これより少し場所の悪い所に、上田長太さんという地主があつて、この人が古川バツテリ・サービス会社に十九坪の土地を貸しておる。これが昭和二十五年に貸したのでありますが、十九坪貸すのに権利金を六十万円とつておる。地代が一箇月一坪に対して二百七十円をとつておるのであります。これから比較してみますと、これ以上の土地を使つておるこの会社というものは、この値段、つまり少くとも一坪二百七十円とすると、毎月六百五十坪で十七万五千五百円の地代を払わなければならぬ。権利金といたしますと、坪三万一千円の権利金を払うとすると二千十万余円を払わなければ、この六百五十坪の土地を使えない。そこで千百坪としますと、毎月地代を二十九万七千円払わなければならぬ。権利金を三千四百十万円払わなければこの土地というものは絶対使えない。それでも非常に安い。しかるにこれを毎月使つてつたということは、まことに安い金で使つてつた。こういうものを差引しますと、都庁がこの国民の財産を黙つて貸したがために、上る金が上らない。それがために税金をよけいとられる。こういうような、都庁と建設省がいいかげんなことをしたために、会社はもうけたかもしれぬが、国民が余分に税金を払わなければならぬのは、地代は二十九万一千三百余円を毎月払わなければならぬ。権利金は三千四百十万円を、これを余分に国家がかけてやらなければならぬ。こういうように見て来ましたときに、常識上考えて、こんなことが昭和のみ代に、しかもこれから日本の国が再建して行かなければならぬというときに、東京のまん中にこんな矛盾したものがあるということは私はおかしいと思う。それに対して何ら責任を感じられないで、いいかげんな答弁をされるということは、私は実際おかしいと思う。そこでこういうような結果が出て来ましたときに、こういうものに対して都知事及び計画局長、あるいはここにおいでになる建設大臣などは、国民に対してどんなぐあいに考えておられるのか。しかも戸塚大臣などは、やはりわれわれと同じことで、働かなければ食えない階級の票をたくさんもらつて代議士に当選されたから、ここに大臣として臨席されておるのだと思う。都知事もその通りだと思う。こういうような働かなければ食えない人たちの利益を代表するものが、これを真正面に見たときに、どういう責任と、どういう考えを持たれるのか、私は建設大臣都知事に対して責任ある御答弁を求めます。
  198. 戸塚九一郎

    ○戸塚国務大臣 お答え申し上げます。取扱いについて、その当時から今日に至る長い年月を経まして考えてみますと、まことに遺憾の点があつたというふうに、私もそういう点の責任を感ずるものであります。その扱いが、先ほど来お話があるような何か含みがあつたというようには私は全然承知いたしておりません。御指摘のように、扱いがはなはだ行き届かない点があつたことについては、まことに遺憾に存じております。
  199. 安井誠一郎

    ○安井参考人 ただいまの御質問ですが、お話のように最近の地価が非常に上つたり、地代が非常に上つておるのに、現状のままにして置いておつたということについては、取扱い上まことに相済まなかつたと存じます。これはまことに申訳ないのですが、四年前に許可の指令を出す時分は、これはその当時の周囲の地代を一応調べて、その地代に準じて貸したものだと思います。本来公園をその目的に貸し、あるいは中にいろいろ建物が建つておりますが、これは公園を公衆一般が利用するというような関係もあつて、若干安い地代で貸し、あるいは無償でやつておる施設がだんだんあるのだろうと存じておりますが、当時はまるで調べずにやつたのではなかろうと考えます。そういう点は事務局の方からよく御説明を申し上げますが、いずれにいたしましても、今日までいろいろ行き違いがありましたような点につきましては、まことに相済まぬと存じます。
  200. 田中彰治

    田中(彰)委員 都知事は山手の閑静なところに住んでおられるから、ああいうところの地価がおわかりにならぬように察せられるのですが、この古川バツテリー・サービス会社が借りたのは昭和二十五年の一月であります。それから都がこれをモーター会社に貸したのは昭和二十四年の二月です。一年間にそんなに値段が違う道理もなければ、昭和二十五年の一月には、十九坪で権利金六十万円で、一坪の地代が二千二百七十円余の金を払つておる。しかもそれは地主の上田長太さんが元やはり市会のような政治に関係しておられたので、それの運動等をやつたので特別安く貸してもらつたというのでそういう相場なんである。知事は山手あたりの閑静なところに住んでおられるから、ああいう繁華なところの相場がわからぬようですから、ほかの局長から当時の相場がどれくらいであつたということを御説明願います。
  201. 安井誠一郎

    ○安井参考人 今のことは事務当局から御説明いたしますが、何でもここで話をしているのを聞いてみますと、当時地代家賃統制令とかいうものに縛られて、従つて公の事務上の措置をするものについては、今のような措置であつたように思いますが、なおひとつ事務当局から……。
  202. 瀧尾達也

    瀧尾参考人 使用料につきましては、附近地を調べてみまして、琴平町の一の五、宅地、それが地代が坪当り五円十銭、それからその裏の方にあります一の六、そこは等級は七十八でございますが、それが坪当り三円八十八銭、こういうような実例によりましてそこをきめたわけでございます。
  203. 田中彰治

    田中(彰)委員 別にああいうようなところの、当時でもたくさんない土地を借りるのに、統制令というようなものでやつておらぬと私は思うし、統制令もそれについてあとで調べて御参考にしようと思いますが、今間違うといけませんから申し上げませんが、五円や六円の安い金であの土地昭和二十四年から五年の間に借りられるなんということは、またそれが相場であるというようなことは、一体何から推しておられるのか。私も木挽町の歌舞伎座の裏あたりにも相当土地を持つておりますが、別にやみで貸した覚えもないのですが、そんなようなことは常識上とうてい考えられない。ここに月給をとつておられる方々がおいでになると思うが、おそらく月五万円以上とつておられる方は少いだろう。その人たちの住んでおられるような、繁華地でない、山の手のような不便なところですらも、昭和二十四、五年あたりには、少くとも坪五円か三円出さなければ借りられなかつたと思う。そういうような点をあなた方が認識を欠いておられるところにこういう大きな間違いがある。第一私に言わせれば、都などの方方は何らの弁明の余地はない。建設省から公園の予定地として借りておつた土地をだまつて貸してしまつた。言い訳は一つしかない。何が言い訳か。それは当時進駐軍がこう言つたとか、ああ言つたとか。進駐軍が応援したならば、進駐軍の命令によつてこうしたとか、進駐軍のこういう係の、こういう名前の人によつて契約したのだというものがなければならないはずである。あなた方はやはり土地解除されて何ら関係がなくなつてからお貸しになつた。だから、そういうようなことをあなた方が図々しく答弁されるところにこういう不明朗なものがある。私は何もあなた方を責めるのでもなければ、モーター会社に対しても、私も実業をしておりますから、同情している。しかしだれが常識上考えても、その中にー介在したところのボスがおらなければ、不正がなくてこんなことが行われると思われることが間違いだ。もしあなた方がそうでないというならば、私は指摘して告発人になつてもよろしい。もう少しあなた方が、悪かつたなら悪かつた、こういう国民が泣いて納めた血税の尊い財産をこういうぐあいにしたことは、まことに相済まないというのでなければ、私は委員長として告発する。調べさせてもよろしいなら、私は調べさせてもよい。われわれは知つているのだけれども、そこまで私どもはつつ込みたくない。つつ込んだら、おそらく友人も出て来るだろう、知合いも出て来るだろう。しかしこれはこのままにできない。委員長として私はここにおり、また迫水さんは当日委員長代理としてやつておられた。こういう問題が出て来ると、ふろしきをかぶせるわけに行かないから、追究しているのである。もう少しあなた方がどこへ行つても通るような答弁をなさらないと、この問題一つで大きな命取りになるのではないかと私は考える。どうかもう少し誠意ある答弁を願いた。
  204. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 都の長官にちよつと尋ねますが、国有財産を無償で借り受けたものを有償で他に使わすという場合に、大蔵大臣の了解を得ることなしにできるのですか。あなたの名前であなたがおやりになつたのですか、いかがです。
  205. 安井誠一郎

    ○安井参考人 事務的の手続ですから……(「事務的じやない」と呼ぶ者あり)貸せるか貸せないかというようなこと、そのときの様子を事務的に申し上げたわけであります。
  206. 瀧尾達也

    瀧尾参考人 実はその点は直接監督の任に当つておられます建設省と御相談申し上げまして、その御承認を得まして、先ほど申し上げましたような条件でお許しを願つたわけでございます。この地代の点につきましては、付近地も一応調べまして、そういう付近地の値段でございましたから、当時はそれでよろしかつたと存じますが、その後の値上りに対して随時改訂をして行くべきものとも考えられます。その点行き届かなくて申訳なく存じております。
  207. 迫水久常

    迫水委員長代理 ちよつと今の点について、大蔵省の阪田君から大蔵省の見解を……。
  208. 阪田泰二

    ○阪田政府委員 一般的に申しまして、地方団体に貸与している公園地は、これは大蔵省の所管すべきものであるのですが、問題の土地は、現実建設省が所管しておられまして、建設省から東京都に貸しておられた関係にありますので、東京都として使用料をとるような場合には、何かの用途に使わして使用料をとる、こういう関係になると思います。そういう公園という目的にはまるかはまらぬかというので、やはり主管庁に届出の上で使用させることが当然であろうというふうに考えます。
  209. 松本七郎

    松本(七)委員 そこで先ほども都知事は、公園地でも何か店だとかそういうものに安く土地を貸しておつたというようなことを言われたのですが、そういう国から無償で借りておる公園地を有償で貸す場合に、一々主管庁の許可を得られてやつておられたのか、その点……。
  210. 瀧尾達也

    瀧尾参考人 これは都に公園使用条例というものがございまして、それによつて——その使用条例なるものは、昔でございますが、内務省時代に国の承認を得てあるものでして、それに準拠いたしまして貸しておるわけであります。その一件々々について、これは幾らで貸す、これは幾らで貸すというような御相談はいたしておりません。
  211. 松本七郎

    松本(七)委員 そうするとそれは、昔のあれによつてやられるのですが、現在では、今の大蔵省の答弁にあるように、主管庁の許可を得なければならぬということが、これは一般的にいえる。そこに現在の実際にやつておられるやり方と大きな矛盾があると思いますが、その点どうでしよう。今後もそういう問題が起ると思うのですが、国から無償で都が借りておる土地を、有償で今後何かに使わせる場合には、一体どうされるのか。都自体で自由にそれがきめられるかどうか、一々相談されるのか、そこをはつきりしてもらいたい。
  212. 瀧尾達也

    瀧尾参考人 公園の目的に使います場合には、前段申し上げましたようなことになりますが、公園の目的以外に使います場合には、やはり建設省に御相談申し上げまして、賃料と申しますか、そういうものをきめて参る所存でございます。
  213. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 無償で貸すということは、やはり大蔵省ないしは建設省にいたしましても、公共のために用いるというような特殊の場合に限られるのが常態であろうと考えます。これはやはり国有財産法の精神から見ても、そういうふうにあるべきだろうと思います。そうすると、用途変更でもあるし、かつ個人の営利事業に使うということになりますので、これは根本的な変化であります。こういつた場合には、特殊の案件といたしまして、最終の大蔵省または当時の管轄であつた建設省等におきましても、また国有財産を無償使用させてもらつておる都におきましても、相当慎重でなければならぬと思うのですが、どうもこの経緯にかんがみまして、料金のきめ方におきましても、期間のきめ方におきましても、現実の用途の設定の仕方においても、かなり慎重を欠いたといえる。料金につきましても、前回の都の建設局長の答弁では、付近がそれほどであつたからそうきめましたと言う。きようは地代家賃統制令でそうしなければならなかつたというような節も出て来る。これはどういう理由からそう一々かわるのか存じませんが、ともかくかように国家財産を利用するという大きな用途の変更というようなときには、相当慎重にしなければならぬと思うのだが、慎重を欠いておつたのですが、都長官の御感想はどうですか。
  214. 安井誠一郎

    ○安井参考人 仰せでありますが、実はかなり慎重にやつたために、先ほど吉岡さんから言われたように。非常に長い期間、ああでもない、こうでもないといつて実はやつてつたものなんです。当時の状況を申しますと、どうも言訳のようなことになるのですが、これもどういうことであろうと私の責任を負うべきことですが、大木知事がやつてつたので、私は詳しいことは存じませんが、何しろ引つぱり出されて、これを貸せと相当やかましゆう言われた経緯は御想像いただけるんじやないかと思うのであります。そこで建設省に御相談しても、建設省の方でも、これは本来公園用地として貸しておるものだから、そう簡単には行かないので、そういう事務上の折衝で一年も一年半も延びて、一時都議会にかけて都議会の意見を聞かなければいかぬということで、都議会に相談をして、それじやそれでよかろうということでやつたものを、なおその後接収保留地という問題も出て来ましたし、さらに一年くらい後にこれを取消して、似らためて四箇年という条件をつけてやつたというようなことであつたように存じおります。その間にいろいろ手の届かなかつたことがありますことは、まことに申訳ないと思いますが、そういう経緯で来たことにつきましては、当時の事情も御推察いただきたいというような感じを持つております。
  215. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 都の知事は部下のやつたことだから人情をもつてかばいなさるということは、よくわかるのでありますが、慎重にやつたとは少し横車でなかろうかと思う。現にあなたの名義で、私が指摘しました建公収第二〇四号では、使用条件が明記してあります。これは一般ですから、知事も長い間のその道の練達の人であるから、こういつたあの物件を使用するところの条件のきめ方というものも、頭の中によくお入りになつておると思うんだが、木造の二階建と明記してある。ところが鉄骨の四千万円のものが建てられた。そこで紛争が起つて来吊るのです。これをしも慎重にやつただろうとは、どんなにあつかましい人でも言えないです。これはやはり、社会の一般の良心的な批判があなたの答弁を待つておるのですから、ここはやはり公正に、冷静におつしやつてもらいたい。二階建木造という条件のもとで鉄骨が建てられて、それで慎重にやつたとはどうも思えません。なぜそういうような大きな間違い決算をしたのだろうというところに、われわれが不可解に思うところがあるわけなのです。しかも鉄骨のものにすれば、四年では、なかなかとれぬ。そんなことをしては経済的に重大な損失を会社がこうむるということは、社会常識上よくわかります。それをも見のがしておる。建設省ともよく相談したと建設局長はおつしやつたのですけれども、やはりあれは国有財産です。よく相談してこうしたああしたじやなしに、国有財産の管理、使用、処分というようなことは、もつと慎重にやるということを根本的にお考えくださらぬと、類似の事件がだんだんと起つて東京のまん中でこの種の例がまだここにもこんなものが来ておりますが、次々と出て来るわけなんであります。そこであなたの御感想を聞くのですが、この際はいたずらに部下をかばうというようなことだけでなしに、やはりいけなかつたことは国民の前におわびするという心境から答弁を願わぬと、筋が違つて来ます。いかがでございますか。
  216. 安井誠一郎

    ○安井参考人 お説の通りでございまして、当時そういう条件をつけながら、現実に鉄骨のものが建つておるということにつきましては、これは十分注意が行き届かなかつたことを深くおわびを申し上げなければなりません。
  217. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そこであなたの方でこの個人会社から二百万円現実に金を受取つておられる。国から無償で借りたものを、坪五円十銭で貸して、そうして今申し上げました番号のあなたからの使用通知書には、金額は載つておりませんが、一体都はこういう場合に、その個人から五百万円金を受取るというようなことをしていいのでしようか。五百万円受取るということを承諾なさつたのならば、なぜ五百万円受取らないのですか。二百万円受取つて三百万は受取らない。吉岡社長説明によると、三百万円とつてくれぬというのです。これはおかしいじやありませんか。都といえども、一旦ある人から五百万円を収納するということを決定した以上は、都は財政上それを収納すべき義務があります。かつてに、三百万円はいりません、自動車ならもらいましようというようなそんなことは、今日日本の都の行政としては許されないことであります。一体そういうことに対する都の、長官としてあなたの御感想はいかがでございますか。
  218. 安井誠一郎

    ○安井参考人 これはこういうことなんでございます。その今の自動車ならいいとか金ならどうとかいうことを言うたということは、私は全然承知をいたしておりませんが、当時のいきさつの実際は、五百万円の金ということは、大体うちの事務当局が考えておりますのは、あそこが公園広場として使われておつたが、それだけ今度はそこが制約されるので、終戦直後公園広場を少しでも早くよくしようということを考えておつたので、従つてそれじやその寄付を受けて、ほかの公園の整備をしようというつもりで寄付を受けたのでありまして、そのほかに何も他意があつたとは存じません。従つて都議会にもそのことは——この五百万円の寄付ということは、これは御承知の通りに、知事限りの専決事項でございますが、議会にもその報告はいたしております。先ほどお話のありましたように、えらくうちの事務当局が行き詰まつて、議会にかけたとかかけぬとか言いますが、これは手続上はかけておらぬのですが、議会にも報告し、議会も了承をしてあの議決ができたものと承知いたします。そうしてその五百万円というのは、今言うような意味で寄付を受けたのでありまして、これは公共目的に使うために寄付を受けますことは、ほかの場合にもありますので、当時そういう意味で事務当局は五百万円の寄付を受けたものと私も了承しております。  それからまだ三百万円残つておるというのは、これは実にけしからぬので、私は何回も寄付がまだ入つておらぬそうだということを言つたのです。ところが期間まぎわになつてあとの三百万円を持つて来られたということを承知いたしております。私の記憶が間違いがなければ……。そういう機会になりますと、今の期限が来るし、それの処理に、何か受取つてよけいのわずらいが残るようなことがあつてもいかぬという事務当局の心持から、それじや供託なり何なりしておいてこの問題を解決しようという方に重点を置いた結果だと思います。
  219. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 ここは都議会でありませんから、こまかいことをお尋ねする意思はありませんが、やはり国有財産使用の代償の趣旨もくんでということであれば、五百万円を受取ることに決定して、出す方も承諾したのに、残額三百万円をことさらに受取らないということは、都財政をあずかる長官としては、部下に、まだ持つて来ぬのかとお責めなさることはわかる。しかし持つて来たときに、もらえば何か紛争の種をまくのじやないか、そういうようなことを理由に受取らないということは、まつたく合点がいかぬ。税金でも、最終日であろうが、日が切れておろうが遅滞をすれば利息までとつて取立てるというのが公の金庫の趣旨であろうと思います。個人的の感情やらいろいろの考え方から、もらつたりもらわなかつたりするということは、それは都の財政を私する考えがあるわけで、もつてのほかだと思います。そういうことはまことに遺憾千万であります。  これは一緒にお述べ願うことにして——先ほど地代家賃統制令などによつて法律上縛られておる、そういうことで地代をその程度に制限してきめたというような趣旨に伺つたのですが、それならばその利益を受ける会社から、ともかく土地使用すること以外に利害関係はないわけです。土地使用さしてもらうということの代償が、その内容をなすべきものだと思うのですが、そういうものをなぜ別名義でとらねばならないのか。五百万円を使用料というふうになぜきめないのか。きめることがいかぬというのであれば、いかぬものをなぜとるか。つまり抱き合せと申しますか、いろいろな他の名目をもつて地代に相当するものをとろうという趣旨なのか。その辺につきまして、これはこまかくなりますから建設局長に伺つてもいいのですが、そういう寄付金をとるということ自体が違法の処置ではないかと思うのですが、どうですか。
  220. 瀧尾達也

    瀧尾参考人 四年の間虎の門公園が使えない状態にあるのは困つたものだとわれわれは言つおりました。それじやそれに対してほかのところを整備するときの寄付をしたい、こういうようなことから寄付をいただくことになつたのでありまして、そういう意味から寄付をしていただくということは、あの当時あの寄付で直しました芝公園土地がございます。防空陣地になつておりまして、非常に荒れて使いものにならなかつたところでございますが、それをその寄付によつて整備いたしまして、現在その土地は非常に有効に使われておるわけでございまして、一般都民の利益にもなることでもあるし、その寄付はいただいてもよろしいのではないかという解釈でございます。
  221. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 安井知事に一点だけお尋ねして終ります。この問題の処理の具体的方針について、あなたはもうかなり長く頭におありのようでありますから、きようはそれぞれの責任者がここに来られたのでありますが、どうして処理したい、また処理する具体策がある、こういうふうにお考えになるでしようか。
  222. 安井誠一郎

    ○安井参考人 たいへん期間が切迫したために、ほうつておいたような形になつて、まことに申訳ないと存じます。事務当局は相当前から心配していろいろ相談もしたり協議もしたのでございますが、ところでそれをどうするかという問題になりますと、自然大蔵省の方からは国有の土地であるからこれを返せというふうな御通牒もいただいておりますし、かたがた今建設大臣の御意見もございましたので、ひとつ慎重に協議をいたし、まじめに考えたいと思つております。
  223. 大矢省三

    ○大矢委員 大臣の時間の都合で私お聞きすることができなかつたが、今の答弁で都知事決意のほどはよくわかつたが、こういうことをわれわれは危惧しておる。これは都の方から言われたかどうか知りませんが、会社の方で何か替地があればどうにかできるのじやないかという希望を持つております。そこであの現場を見たときに、あるいはまたこの間の委員会での一課長かどなたかが、あそこは千代田城の外ぼりで、そこにはほりの大きな石垣が残つているが、これを史跡として、公園としてどうしても残さなければならぬ、こう言われておつた。私もそれを見まして、あそこは単なる小公園というだけでなしに、そのまま残していることから考えて、さもあるべきだと思いましたが、そういう特殊な事情にあるあの土地に対して、替地があれば何とか考慮しようというようなことを言われたのか。あるいはまた会社自身がかつて考えて、どこかに替地があればあのままおられるのだというような考えを起したのか。この点どつちが責任があるといいますか、最初に意思を表示されたかということが一つです。  もう一つは、一番最初の十年の賃貸並びに木造ということであつたのが、変更になつて四年になつたのでありますから、勢いそのときにも報告事項か議決事項か、私よく知りませんが、都会報告したのはそれは前の条件と違うのですが、四年と十年と違い、あわせてこの最後に四年の期間を更新しないということで出した書類は、これは都議会の報告もしくは承認を得たのかどうか。最終決定のものかどうか。前の通りちよつと変更して、都議会には報告もなしにやつたのかどうか。この点の二点についてお伺いしたい。
  224. 安井誠一郎

    ○安井参考人 お答えいたしましよう。それについては私は何にもさしずをしたこともありませんし、また、まだ何も聞いてはおりません。おそらくは事務当局がいろいろ考えあぐんでいる途上に出て来た一つ考え方だろうと思います。  それから第二番目の、十箇年を四箇年に直したということは、先ほど経緯について申し上げましたように、建設省とも御相談をして、これでいい、四年にしようということでやつておりますので、これはもちろん議会に報告をいたしていると思いますし、私の方の建設委員会についても報告をいたさぬわけにいかぬので、いたしておると存じますが、一応はつきりしたところは事務の方から申し上げましよう。
  225. 瀧尾達也

    瀧尾参考人 書類で今持つておりませんが、いたしたと信じております。
  226. 大矢省三

    ○大矢委員 七十二号の議案として、報告事項かどうか知りませんが、一番最初の十箇年と賃貸坪に対する五円十銭ですか、それは出ておると言いますから、あとの方の出た日にちとその報告議案の番号というか、そういうものがわかつたら、あとからでもけつこうですからひとつ聞かしてもらいたい。
  227. 瀧尾達也

    瀧尾参考人 ただ申し上げましたのは議案で議決しているものではございませんで、建設委員会に、その経過はこういうふうになつたという御報告を申し上げただろう、こういう意味で申し上げたので、従つて書類で、議案番号でどうということにはなつておらないと存じます。
  228. 大矢省三

    ○大矢委員 この前には七十二号という、報告事項かどうか知りませんが、都会に諮つた。それならばその諮つたときの内容が変更されたのであるから、その変更された後に都議会の承認を得たかどうか。あるいは報告したかどうかということを聞いておる。一番最初に会社に参つておる条件というものは、現現に七十二号で出ておるのです。しかも五百万円を寄付するということもこのときついておる。それが変更になつた。十年か四年になつたのであるから、そのときの報告もしくは承認を得たかどうか。それはちやんと書類があるはずであります。そうでないと、変更したことを都議会ではそう思つておる。
  229. 迫水久常

    迫水委員長代理 局長に申し上げますが、もし議案がなければ、あるいは議事録があるなり、何らかの証拠物件があると思いますから、そういうもので、何も議案と限定するわけではありません。都議会に報告せられた証拠、いつ報告をしたかということを大矢委員は聞きたいと言われるのでありますから、その書類をお探しになつて、後刻御提出を願います。
  230. 松本七郎

    松本(七)委員 先ほどの寄付金の問題でありますが、建設局長お話ですと、公園ということと寄付金ということと結びつけておるが、これは私はどうもおかしいと思う。元来公園接収されて、公園としては使用できない。従つてこの公園が使えないから、ほかの公園をよくしようというなら、当然国費の補助を仰ぐとか、その他いろいろの方法があり、他の公園にかわるものを充実して行くというならわかる。そうでなしに、たまたま公園であつたところが会社が安い地代で使用するということになつたからという意味で、そういう寄付金を仰ぐということになれば、先ほど吉田議員の言われたように、これは地代としてはとれないから、抱き合せて寄付金としてとるという、そういう解釈ができて来ると思います。私はそこが非常におかしいと思います。ただここで私は経過の内容について少しはつきりしておきたいと思いますが、吉岡さんにちよつとお聞きしたいのですが、二十四年二月に、期限四年間で木造建築という条件許可が来たのですか。その許可証というのは文書で正式のものをお持ちでございましようか。
  231. 吉岡照義

    吉岡参考人 許可証はございます。
  232. 松本七郎

    松本(七)委員 そうすると大蔵省説明によれば、東京都ではこれを鉄骨造建築物を許可したということになつておりますが、その場合の許可証も会社の方にございますか。
  233. 吉岡照義

    吉岡参考人 ございます。
  234. 松本七郎

    松本(七)委員 東京都の方では最初の十年と、それから更新できるというのは、とにかく都議会でも問題になつて、それから二十四年の二月、今度四年間に短縮して木造建築という条件を付した。これは今大矢委員の御指摘になつたところでありますが、これははつきり今わからなければ至急に正式の文書なりあるいは速記録を出していただきたいと思います。今度は鉄骨造建築物を許可された場合の文書というものがございます。それがあれば御提出願いたいと思いますが、もし今おわかりになれば何のどういうふうなものであるか。
  235. 田中彰治

    田中(彰)委員 ちよつと最後に建設省の方と都の建設局長にお尋ねしたいのですが、当時土地の相場が五円十銭が至当だといわれる。五円十銭が至当だとしますと、契約面には六百五十坪で毎月三千三百十五円しか土地代がとれないような貧弱な土地です。それを貸して五百万円の寄付金ということは、一体常識上見てこれを至当だと思うのかどうか。たとえば五百万でなくて、二百万にしたところで、この二百万という寄付がおかしいじやないか。この会社がこの土地を借りるという条件として寄付したのだが、寄付の理由いかんは問わず、たつた三千三百十五円くらいしか毎月とれないものを借りるのに、五百万の寄付をするという約束をして、二百万でもやつたということは、建設省の方々がごらんになつて、それは常識上あたりまえなんだというふうにお考えになるかどうか。これは建設省の方にお聞きする。都の方もその点についてはどう考えておられるか、この一点。  いま一つは、この契約書を見ますと、四年間で木造二階建を建てていい。但しその木造二階建を建てるにしても何を建てるにしても、図面をつくつて、そうして都の許可を得てからやるということが契約書に明示してある。四年以後は絶対にこれは更新しないということが明示してある。そしてその建築許可が同じ都の、しかも建設局長の最後の判がいるのですから、そういうものが出たとしたならば、都がこれを知つていて故意に出したのか、知らないで出したとは言えないと思う。こういうような場合に、もしこれをこわさなかつたり、このままにしておくならば、今後役所の土地を無断で使つても大きな建物さえつくり、大きなものにすればみんな返さぬでいいのだという実例をつくることになつて、これはたいへんな問題だと思う。  それからもう一つは、これは建設局長がよく御存じでありますが、貧乏人がこれはほんとうに知らないで物置を一つ建てたとか、十五坪の家を二十五坪にしたとかというのでずいぶんこわされておる。借金までしてせつかく建てたものをこわされて泣いておる者もある。こういうような面を建設局でやつておられるのだが、そういうものとこういうものと比べられたときに、一体どういうような考えを起されるのか。貧乏人のやつは許可がなくつて建てたり図面と違うものを建てたなら、片つばしからこわしてしまつてさしつかえないのだ。こういうふうに特殊な関係のあるものは、建てていけないと書いてあつても、来ればだまつて判を押して建てさしてしまうのだというふうに考えておられるのかどうか、あるいはそうじやないのだ、何事も公平にしなければならないのだから、この建物に対してもどういうぐあいに考えておるというのか、建設局長から明快な答弁を願いたい。
  236. 澁江操一

    ○澁江政府委員 御質問の、まず寄付金の取扱いの問題と地代の決定の仕方等に対する建設省側の考え方ということを申し上げます。実は建設省が無償で国有財産公園目的に貸し付けておるという場合における建設省の監督方法といたしましては、これを公園目的にあくまで使用するという建前をとることを中心といたしまして、監督をいたしております。従つて公園目的以外に使用されるかどうかということが、監督の要点に相なつておるのでございます。その点から割出しました必要の措置として、先ほど来問題になつておりますように、四年間、木造という点をその観点から出しておるわけでございます。その余の寄付金、地代等の取扱いにつきましては、東京都の責任において解決をしていただいておりまして、私どもとしてはその点にまで触れておりません。また当時の事情としてそこまでは承知いたしておらないわけでございます。
  237. 田中彰治

    田中(彰)委員 私のお尋ねしておるのは、あなたの方で都に公園地としてまかしておかれた。しかるにその公園地公園にしないで木造二階建を建てていいというのでモーター会社に貸した。これはいいといたしまして、この一箇月に三千三百十五円しか地代をとれないような貧弱な土地を貸すのに二百万円——初めは五百万円と言つたが、二百万円の寄付を都庁がとつたということについて、多少関係のあるあなた方から見られて、それはひどい、高いことをやる、あるいは不届きなことをやるというように思つておられるか、あるいはいや何でもないのだ、無関心だと思つておられるのか。あなたはそうやつてお逃げになるけれども、たとえばあなたのお友達が首巻きを五円で買つて来た場合に、そんなものは三円で買えるじやないかと批判されると思う。ましてやあなたの方でまかした土地公園にしないでほかに貸したのだから、これはあなた方は問題にしなければならない。それは別にしても、たつた三千三百十五円しか地代が毎月とれないものに対して、五百万の約束をして二百万の、当時のお金だからずいぶん大きい寄付をとつたということを、不当と思つておらないのか、非常識と思つておらないのか、ひどいと思つておらないのか、建設省の良心的な御感想をお聞きしたい。
  238. 澁江操一

    ○澁江政府委員 当時の地価の算定について、地代家賃統制令を中心として東京都がお考えになつたということでありますが、地価の算定につきましては、先ほど来お話がありましたように、当時の時価相場というものと地代家賃統制令によつてきめておる公定価格との間に開きがあつたことは、これは私どもも十分承知いたしておるのであります。従つてその時価相場その他から勘案して安きに失するではないか、こういう点が御質問要点であろうと思いますが、その点は私どもも若干安きに失する点があるということは考えますけれども、しかし問題はそれよりもその後に四年間すえ置きという形においてきめられておる点について、やはり若干問題が残つておるというふうな感じをいたしております。
  239. 田中彰治

    田中(彰)委員 それは土地が安いとか高いとかを聞いておるのではない。土地の相場から見ればまつたく二百万が五百万でも安い。貸したということに対する敷金とか貸す代償にやつたというなら安いのですが、しかし先ほどお聞きの通り、都の弁明するには、当時の公定価格から見て、その近所を調べてみて、五円十銭くらいが一坪に対する至当な相場だということを言明されておる。そこで五円十銭を至当な相場であると信じまして、六百五十坪で三千三百十五円しか金がとれない。それだけの安い地代を払つておるその土地に対して、五百万の約束であつたが、二百万寄付した。当時の二百万円は大きいと思う。三千三百十五円の土地を借りるのに二百万円寄付しなければならないということは、敷金とか何とかということならば、二十倍というのは常識なんだが、それに対してどんなふうに良心的にあなた方は考えておられるか。それは当然だというなら当然でいい。いや三千三百十五円のものを借りるのに二百万円の寄付を出させるのは不当だとお思いになつておるか、当時の五円十銭がその土地の至当な相場であるとして、そうであると信じておるかどうかということを聞いておる。
  240. 澁江操一

    ○澁江政府委員 実は先ほど申し上げました通り、五百万円の寄付金ないし二百万円の寄付金ということについては、私ども監督官庁としてその点は承知しておりませんし、またその問題については全然関与いたしておりませんので、それに対する見解を私どもの立場で申し上げることは、いかがかと存じておるのでございます。
  241. 田中彰治

    田中(彰)委員 どうもおかしいと思う。あなたの方は都にまかせておつた。私がこのめがねをまかされて五銭で売つた。そしてそのかわりこれに対してたとえ一万円でも二万円でも寄付をもらつたとしたら、一体あなたはどう考えられるか。それはまかせたのだからおれは知らぬ、そんな無責任考えを持つておるから、都でどうされても文句がない。それをどうして言えないのですか。あなたのこれに対する感想をおつしやればいいのです。知らないとか、関与しないとかいうことではない。自分のまかしたものを人に黙つて貸されて、しかも二階建の木造の建物しかつくつてはいけない、四年間より更新しないという条件で貸されたにもかかわらず、鉄筋コンクリートが建てられた。これに対して議論があつたが、その議論はやめまして、都は当時一坪の相場として、五円十銭の借地権が至当ですと言つておる。それに対して三千三百十五円で貸して、二百万円の寄付を受けたということを良心的に考えられて、どう認識しておられるかということを聞いているのです。
  242. 澁江操一

    ○澁江政府委員 経過は先ほど申しました通りですが、二百万円の取扱い方は、私どもとしては好ましいことではないと考えております。
  243. 田中彰治

    田中(彰)委員 都はどう考えておられますか。
  244. 瀧尾達也

    瀧尾参考人 先ほど申しましたように、荒れ果てております芝公園の回復にその寄付金が使えるというので、これを受けたわけであります。地代の安いのに対してその寄付が多過ぎるのではないかと思われますのは、そういう点もございましようが、それがほかに有効に使えるというので凄んでちようだいしたという事情でございます。
  245. 田中彰治

    田中(彰)委員 どうも私には話がわからない。公園が荒れているからそれを直されようが、それで芸者買いをさされようが、そんなことを聞いているのではない。先ほど二千十万円出さなければ借りられない土地を五円十銭で使うというのはおかしいではないかと言つたところが、その辺をお調べになつた結果、五円十銭が至当な地代だとおつしやつた。だから私はそれを信じましよう。あとで調べて間違つてつたら反駁するということは別として、今は一応信じたことにいたしましよう。一坪五円十銭という地代では、六百五十坪で一箇月に三千三百十五円の地代しかとれない。三千三百十五円くらいでしか貸せられない貧弱な荒れた土地を貸して、二百万円の寄付をとつたということをどう思つておられるのか、寄付が多過ぎた、あの寄付は間違つてつたと思つておられるのか、あるいはあれは当然だと思つておられるのですか。それを聞きたいのです。
  246. 瀧尾達也

    瀧尾参考人 別にその寄付をとつたことが悪かつたというようには感じておりません。
  247. 田中彰治

    田中(彰)委員 どうも三千三百十五円のものを貸して、二百万円の寄付をとつて悪いと感じておられないということになると、それは敷金かなんかでとつたのですか。モーター会社は、あなたの方からその土地を借りなければ、あなたの方に一銭も寄付はしない、つばきもひつかけないかもしれない。その土地を借りたから二百万円か五百万円かの寄付を約束した。坪たつた五円十銭、月に計算して三千三百十五円しかとれない。一年間の地代としても三万幾ら、四万円にちよつとならない。十年間借りても四十万円、五十年借りて三百万円、そのくらいの貧弱な土地を貸しておきながら、五十年分に相当する金を寄付金としてとつたということについて、あなたの方は何とも思つておらないのか。  もう一つこういう木造の二階建てしか建てない。これを建てるのにも許可は無断で出さない。一応建設局の了解を得てやるのだということになると、あなたの方へ契約されるから、あなたは建設局長なんだから、鉄筋コンクリートの家を建てるときにはあなたのところに最後に書類がまわつて来る。あなたがこれに判を押されるわけで、しかもその土地をどこからどう借りてどうやるかということの土地に対する裏づけがなければ、その建設許可はおりないわけです。ところがあなたの方で、それを建てられないところにそういうものを建てておる。そういうことを平気でやつておりながら、民間の人たちが十五坪の家を建てるところに二十坪の家を建つたということになると、その二十坪の家はみなこわされている。私の友人でもこわされて泣いているのが五、六人ある。そういうものとこういうものと比べて、あなたの許可はまつたく手落ちであつた。まつたく知らないうちに許可してしまつた、こうおつしやるのですか、いや知らぬふりして許可したとおつしやるのか、都庁の建築の許可は局長の盲判を押して、そんなものは下の方でやつたのだから知らぬとおつしやるのか、それともこういう特殊なものに対しては認めるのか、普通の民間のまじめな建築に対しては、あくまで移転させるなり、家を建てさせない、途中で中止するというのか、それを私は聞いている。
  248. 瀧尾達也

    瀧尾参考人 事務連絡が悪くて、多少違つて参りましたものに建築を許可をしたということは、はなはだ遺憾に存じますが、これは私の方の建設局の所管事項ではないのであります。建築局の所管事項でございます。今後よく連絡をとりまして、そういうことのないように気をつけたいと思います。
  249. 松本七郎

    松本(七)委員 建設省当局に二、三伺つておきたいと思うのであります。先ほど公園目的ということを中心に考えた、そして四年間の契約であつた木造を耐火建築にしたということですが、そういうことになると、鉄骨を許可したということについてどうお考えになりますか、その点はかえつてとりこわしが便利だろうというようなお話が出たわけですが、その点はどうなんです。はつきりおつしやつてください。
  250. 澁江操一

    ○澁江政府委員 その点は大臣からも申し上げたと思いますが、私ども条件としては、あくまで木造を建前にいたして許可をすべしということを監督上としてはいたしておるのでございます。ただそれが東京都側の取扱いといたしまして、鉄骨に切りかえたという理由に対しまして、大蔵省当局等から、それの理由をただされたのに対しましての考え方、その方が撤去がたやすいということが一つ、それからそれによつて撤去の資材の活用というか、転用、そういうことが考えられる。こういう点からむしろ鉄骨が好ましい。こういう理由をもつて鉄骨に切りかえたのであります。そういう経緯をたどつておるということを申し上げたのであります。
  251. 松本七郎

    松本(七)委員 そうすると建設省としては、あくまで公園目的を中心にして、撤去の方針で今後も臨まれるというお考えですか。
  252. 澁江操一

    ○澁江政府委員 その点は先ほど建設大臣大蔵大臣からも政府考えをお述べになつたわけでありますから、私どもといたしましては、関係大臣の指示に従つて貸してやる、こういう立場に立つて参りたいと存じます。     〔迫水委員長代理退席、田中委員長着席〕
  253. 松本七郎

    松本(七)委員 大蔵省ちよつとお伺いしたいのですが、この説明書には「建設省に対しては、一、使用許可条件に反して鉄骨造として許可を与えた理由」こういうことを建設省に対して大蔵省から聞かれておる。そうすると、今の答弁によると、本来ならば東京都で四年間、それから木造建築という条件許可した。そのときには都知事から建設省の都市局長の承認を経てやられた。すると今の建設省の御答弁によると、今度は木造の場合には建設省の方にちやんと承認を得てやつておきながら、鉄骨に切りかえる場合には建設省の承認なしで都で独自の立場でやつた、こういうことになるわけでありますが、大蔵省の御説明と今の建設省の御答弁とちよつと違うのですが、この御説明で間違いないかどうか、そこを明らかにしていただきたい。
  254. 阪田泰二

    ○阪田政府委員 大蔵省といたしましては、現在この土地を所管しているのが建設省でありますので、現在土地が最初に協議しましたところと違つて鉄骨造の建物が建つておる、こういう事情を知りましたので、その経緯を建設省に照会した、こういうことでございます。これに対して回答が来ておるわけであります。
  255. 松本七郎

    松本(七)委員 そうすると、ここに書いてあることは、建設省が許可したという意味ではない、一般的に許可が与えられておるという意味で聞かれたというふうにわかりましたが、それじや東京都の方では、なぜ鉄骨に切りかえる場合にはあらためて建設省の方の承認を求められなかつたか、この点をお聞きしたい。
  256. 瀧尾達也

    瀧尾参考人 その当時私局長ではございませんでしたが、その当時の経緯を考えてみますと、要するに木造二階建ということは、仮設建築物であるというふうに、都の方では解釈しておつたように存じられます。ところが、前段会社の方からも申しましたように、いろいろそういう条件——何と申しますか、宿舎が近くにあるから木造ではいかぬとか、いろいろそういうような点で進駐軍の方面からの要請もあつたようでございまして、そういうことから仮設建築物であるということが——つまり四箇年を切つて見ておるわけでありますから、四箇年を切つて貸したものであるならばいいではないかというふうに、都の方では解釈いたしまして、そうすればこれはいわゆる鉄筋コンクリート建物にいたしますと、とりこわしが非常にたいへんでございますが、鉄骨組立て建築と申しますのは、大体できる範囲をボルト締めで鉄骨を組みまして、強度の関係でやむを得ないところをリベツトでやるというような構造でございますので、今度またとりこわす段になりますと、木造よりは、要するに前段申しましたように、組立てが大部分はできる範囲をボルトでやる、どうしても構造上やむを得ざる場所はリベツトということになつておりますから、こわす場合に損傷なしにこわせる。たとえばボルトの方はそれをはずせばすぐでございます。リペツトの方も、リベツトの頭をはねますと、その在来の材料はとり得るわけでございますから、そんな意味から仮設の場合の木造よりは、とりこわしはかえつて容易じやないかというようなことから、変更したもののように聞こえるのであります。
  257. 松本七郎

    松本(七)委員 許可条件として木造建築ということが非常に大きなものになつておつた。それを今度は鉄骨に変更する場合に、どうして建設省の承認を得られないでやられたかということをお伺いしておるわけであります。それはいろいろな周囲の事情その他があつて、またとりこわしの面からも決してこれで不便でない、だから四箇年ということがおもな条件なんです。四箇年でとりこわすということがおもな条件であるから、そこは建設省に一々承認を求めないでもいい、こういう解釈だと了解してよろしゆうございますが。
  258. 瀧尾達也

    瀧尾参考人 仮建築であるからという意味が多分にあつたように存じます。
  259. 松本七郎

    松本(七)委員 そうすれば、やはり今日でも、あくまでもそれを除くという方針で行かなければならぬという結論なつて来ると思いますが、いかがでございますか。
  260. 瀧尾達也

    瀧尾参考人 その点は政府の方からもお話がございましたように、よく慎重に審議、御協議申し上げまして、妥当なる解決を得たいと考えております。
  261. 迫水久常

    迫水委員 都長官にお尋ねしたいのですが、この土地は本来東京都が公園用地として建設省から無償で使われておつた土地なんですが、昭和二十三年の五月ですか、春、都議会で十年間ニユー・エンパイヤ・モーターに貸す。しかも十年間で期間を更新してもいいという決議をしたときは、都としては公園用地として使用する意思は放棄したものと解釈せざるを得ないのですが、その点どうでしようか。
  262. 安井誠一郎

    ○安井参考人 十年というと相当長い月日でありますから、おそらく都議会においても、あるいはそういう考慮は払われておつた向きもあるかとも存じますが、まあ、当時の何——をどういう紛争からかわかりませんが、当時の情勢はやはりニユー・エンパイヤ・モーターが進駐軍の方から、建物としても鉄骨のものをつくれと非常に強く言われたので、それじやということであつたかと思います。
  263. 迫水久常

    迫水委員 少くとも客観的には、公園用地として使用する意思は都が放棄したというふうに解釈することが妥当であるということについては、都長官も御異議ないと思いますが、いかがでしようか。
  264. 安井誠一郎

    ○安井参考人 その当時の議決そのままを考えますと、今お話のような解釈ができるかと思いますが、その後建設省の方からも御注意があつてそうして四年間とかえたときの考え方は、少し違つて来ているように思います。
  265. 迫水久常

    迫水委員 今度は大蔵省に伺いたいのですが、東京都が公園として使つた用地を、公園用地としては使わないという意思を決定した場合においては、当然すぐにその土地を処分する、つまり貸したり何かする前に大蔵省に引継ぐべきではないかと思いますが、その点大蔵省の見解はいかがでしようか。
  266. 牧野誠一

    ○牧野説明員 お答えいたします。当然大蔵省に引継ぐべきだろうと思います。これは国有財産法上の普通財産として大蔵省所管のものになるのであります。
  267. 迫水久常

    迫水委員 もう一つ念を入れてお聞きしますが、まず都としては公園用地として使わないという意思を決定した場合には、みずからそれを賃貸借したりする権能はない。当然そのさら地のまま大蔵省に引継いで、しかる後に大蔵省の手で賃貸借すべきものである。しかし貸してしまうところまでは都でやつていいと大蔵省は解釈しているのか、あるいはもう公園用地としては使わないという意思を決定した場合には、少くとも客観的にそれが認識できるような事態が起つた場合には、まず大蔵省に引継いで雑種財産になつて、しかる後に賃貸借をする経過をとるべきだというふうに解釈をするのですが、その解釈は間違いありませんか。
  268. 牧野誠一

    ○牧野説明員 その通りでございます。
  269. 迫水久常

    迫水委員 そういうふうに考えて行くと、都では実はこれはみずからの権限のない行為をここにしたんだという、論理的な結論が生れて来ると思うのですが、それに対して都長官はどうお考えですか。
  270. 安井誠一郎

    ○安井参考人 都の当局としてそういう明確な意思を決定しているとは考えておらぬのであります。ただ想像する範囲においては、最初十年間という長い間貸してもいいという、都議会の議決の中に含まれているものはそういうふうなものであつた。しかし四年ということにかわつて来ましたその考えの上に立つては、これは将来公園用地に相なり得る環境を考えてやつておることと思いますが……。
  271. 迫水久常

    迫水委員 私が問題にしているのは、四年にかわつて来た後のことを問題にしているのではないのです。たまたま二十三年の五月に都議会が意思決定をしている。十年、しかもそれは更新することができる。議決じやない説明だとおつしやるが、そういう内容を持つた了解をしつつ、あれを貸すということをきめている都議会の議決の法理上の性質は、あれの公園たる用途を廃止するという決議をすることと同じだと思うのです。しかもそれを大蔵省に返さないで、自分で貸すという許可証まで出してある。あとで建設省からしかられて、あわててそれを取消して、今度は四年にした。それは建設省が公園用地の廃止をするのはいやだ、公園用地の廃止をするというかつこうにすることは困るから、どこまでも公園用地として持つているためには、期間を四年くらいにしなければいかぬのだということで、建設省がおそらく四年という条件をつけたのだと思う。従つて本質的に言つてこの件は、都が権限のないことをやつてしまつて、あとで建設省からしかられて、条件を直して、かろうじて権限内の行為のごときかつこうに一応直して、しかも実質的には権限のない行為をそのまま遂行してしまつたと同じ結果をここに出して来てしまつた、こういうのがこの事態の真相じやないかと思うのです。ですから都の法律的な処置については非常な間違いがある。不明確な、不明朗なことがあつて、しかもその間に、その土地については、二百万円か五百万円か知らないが、都が利得をした。きよう新聞に、都が浮貸しをしたと、うまいことを書くものだと思つて私は感心をしたのですけれども、まさに浮貸しであるというふうに私は感ずるのですが、その点について都長官は、つべこべまわりまわつていろいろなりくつを言えば陳弁はあるでしようけれども、まあしまつたことをした、こう思つていらつしやるだろうと思うのですが、どうでしようか。率直におつしやつたらどうかと思うのです。
  272. 安井誠一郎

    ○安井参考人 これはもう諸方面からお尋ねくだすつても、先ほど御答弁申し上げた以上に答弁の仕方もないのでありますが、いずれにしましても、事件をこんな混乱状態にまで持つて来たことはまことに済まないと思つております。
  273. 松本七郎

    松本(七)委員 今の問題でちよつと大蔵省に伺つておきたいのです。今迫水さんの質問の、都議会で十年の場合とか四年の場合とかいろいろあつたのですが、かりにこれが四年であろうと、都議会でもつて四年ときめたのだから、それから先はいずれ公園地だという意図があるなしにかかわらず、接収されておつた。そうして、これを解除する場合の条件として、この会社のそういうものに使うということで、それならば解除しようということになつたのです。都の議会にどういう意図があろうと、客観的な事実そのもので、これは当然一旦国に返還されて、それから新たにそういうものに使用されるならば、使用されるという手続をとるべきものではないかと思いますが、いかがでしようか。
  274. 牧野誠一

    ○牧野説明員 公園などがそのほかの用途のために、たれかほかの人に貸されるという事例は幾つかあると思いますけれども、架設物を建てて、そこで若干の期間だけ公園以外の用途に供されるけれども、かなり早い期間に公園の用途に復元するという見込みのある場合は、必ずしも大蔵省へただちにもどしてそれを普通財産として処分するということにせぬでもよいではないかというふうに考えます。
  275. 松本七郎

    松本(七)委員 そうすると、これは仮定ですけれども、大事な仮定ですからお伺いしておきたいのですが、今の土地の架設物の建物を撤去しない、結局別な替地でやるというようなことになれば、今までのやり方は不法だつたという結論になりはしないかと思いますが、その点はいかがですか。そうしてあと公園に使えば別ですけれども公園に使わない場合は……。
  276. 牧野誠一

    ○牧野説明員 替地の問題とは別だと思います。これはあの土地公園にならないという客観的な事実があつてそう判断されるならば、それはもう大蔵省に普通財産として返すべきだというふうに考えます。あと東京都として都内にどれほどの公園がどの場所にいるかということは、これはまた全然問題が別だというふうに考えます。
  277. 山田長司

    ○山田(長)委員 本日の話を最初から伺つていますと、まことに不明朗なことばかり次々に現われて来ると思うのです。東京都知事がおいでになつているところで伺いたいのは、われわれが知つている範囲では、こういう東京都で貸している土地が四、五箇所あるのです。たとえば日比谷公園のかどをやはり貸しておるという話を聞くのです。銀座二丁目にあるのも貸してあるというし、読売新聞社の前の川岸にある土地も貸してあるという。こういう国の財産を東京都でお貸しになつている場合、いずれも寄付をさせて貸してあるものかどうか。もう一つ、私のどうしてもふに落ちないのは、さつきの自動車の問題であります。このことについて委員長から、山口喜久一郎さんの自動車の買入れ先をお調べ願つていただけば幸いだと思います。この点委員長から、どこから買つたかお調べ願いたいと思います。
  278. 田中彰治

    田中委員長 自動車はそこの会社から買つたのですが、その金がどうなつているのか、何がどうなつているのかそこまで向うで言つていないのです。自動車はあなたの会社から買つたのでしよう。
  279. 吉岡照義

    吉岡参考人 さようでございます。
  280. 田中彰治

    田中委員長 その支払いはどうなつておりますか。
  281. 吉岡照義

    吉岡参考人 現金でちようだいしております。
  282. 田中彰治

    田中委員長 その当時の相場で売つてあるのですか。
  283. 吉岡照義

    吉岡参考人 はい。いつでも帳面を持つて参ります。
  284. 安井誠一郎

    ○安井参考人 今の国有財産東京都が管理しているものが不正あるいは不当に使用されているという問題でありますが、今お話になりました点は、私は具体的によく存じませんが、実はそれだけでなくて、東京都自身の持つている土地でも、実は終戦後むちやくちやになつているのです。焼野が原になつたりいろいろなことがありまして、それで実は閉口し切つて、一昨年から一年以上かかりまして全部調べ上げさしております。そうしてそれに従つて適正な措置をとろうということで、昨年の暮くらいだつたか今年の初めくらいだつたかと思いますが、調べたもので、不当に使用されているものについては一々適正な方法に返させるようにそれぞれ示達をいたしております。日比谷のかどの問題は、これも実は最近ある弁護士から、その問題について訴訟か何かの関係で聞いたのですが、これも調べてみますと、私の方から、多分お話のところだろうと思いますが、やはり撤去の指令を出したのです。
  285. 田中彰治

    田中委員長 ちよつと牧野説明員に委員長としてお聞きしますが、競売は別ですが、政府土地民間に貸したり払下げしたりすることができるのですか、ちよつと聞かしておいてください。
  286. 牧野誠一

    ○牧野説明員 普通財産である土地はできます。
  287. 田中彰治

    田中委員長 普通財産と普通財産でないものとどういう区別がありますか。
  288. 牧野誠一

    ○牧野説明員 この国会の建物であるとか、あるは通産省あるいは会計検査院建物とか、そういう行政財産は貸付けや売払いができません。
  289. 田中彰治

    田中委員長 元軍事地とか憲兵隊の使つていたものは。
  290. 牧野誠一

    ○牧野説明員 そういうものは陸軍省、海軍省がなくなりまして、行政目的を失いましたので、普通財産として売り払いができる財産ということになつております。
  291. 迫水久常

    迫水委員 さつき吉岡さんの冒頭の話の中に、昭和二十三年の六月かそこらに、GHQから工事のさしとめ命令が来た。そこでいろいろ相談をした結果、都からGHQのG4に請願をしたという話が出ていました。そこでおそらく都からG4に何か請願をした書類があるのだろうと思いますが、その書類がありましたら——原文は日本語なのですか、英語なのですか、どつちなんですか。両方とも一応提出していただきたい。
  292. 田中彰治

    田中委員長 建設局長言つておきますが、その書類の提出はでき得るなら現物を提出してください。
  293. 迫水久常

    迫水委員 それは吉岡さんの方に写しがあるのじやないかな。
  294. 田中彰治

    田中委員長 ありますか。
  295. 吉岡照義

    吉岡参考人 ちようだいしております。
  296. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 ちよつと最後に、吉岡さんにひとつ……。これは経緯にかんがみまして、都との問には相当紛争的ないきさつがあつたように判断されます。つきまして、あなたの方を代理するとかもしくは中間に入つてどなたか奔走された人があるのでしようか、ないのでしようか。あつたらひとつどなたであるかおつしやつていただいて、そして明らかにしたいと思うのですが……。
  297. 吉岡照義

    吉岡参考人 申し上げます。このことにつきまして当会社としてもまことに重大なことでありますので、いきさつを全部まとめまして、私の友人の弁護士にも相談をいたしました。ところで弁護士の意見といたしまして、当然問題が起きるかもわからない。事前にそれを訴訟をする手続をしたらどうか。こういう御意見があつたのでございます。実は私の友人の弁護士でありますが、岩田宙造先生の事務所におりまして、岩田先生にも現場を見ていただきまして、大体のいきさつの意見書をまとめて、昨年末に訴訟の手続をしようかということを弁護士の方から慫慂されました。しかしこれは私この機会に率直に申さしていただきたいのですが、当時の自分考えといたしましても、先ほど来申し上げておりますように、その筋からせつかく私ども事業の委託を受けたのですから、何とかして事業目的を遂行したいという熱意のみでございました。それで今日のようなこういう委員会になるとは私どもは存じませんでしたけれども東京都に対しましても、建設省に対しましても、手続上その他の点についてずいぶん御迷惑をかけたような結果になつたようでございますが、民間人として私どもがむしやらな点もございますが、ただいま申し上げました事業目的を、何とか一日も早く遂行したいという熱意のみでございまして、その点私どもの手続も誤つた点がございますかもわかりませんが、先ほど申し上げました弁護士の訴訟というようなことを私は毛頭考えたことはございません。しかもいずれにしましても、都が事業目的を御了解くだすつて貸与してくださつたということは、ただいま御指摘がありましたけれども、その行為に対しては、私どもは何としてもそれまでしなくても、その辺は時期が来まして、現実をごらん願い、また御批判を願つて、妥当な道でわれわれの民間事業を助成していただく目的で御貸与なり払下げを願えないものか、こういうぐあいに常に考えております。実はその弁護士に依頼することも、書類はできましたけれども、たしかその書類は東京都へも差上げたと思いますが、その手続は、私は万一のことがありましても自分責任でございますから、自分の意思でそれはいたしませんでした。そういうことでございますので、ただいま委員の方々からいろいろ御指摘がありまして、見方によりますと、いろいろの点で御不審があると存じますけれども、当会社といたしましては、現在では自動車というものがかくのごとくにぎやかなようでございますけれども、当時としてはあの辺はまことに寂寥でございまして、輸入自動車を初めて取扱うということすらもなかなか困難であつた時代なんです。それで機械を輸入をし、それから新しい車のサービスをすることについても、技術者を立ちどころに養成するというぐあいで、ほんとうに昼夜兼行でいたしましたことなのでございまして、どうかそういう点も現実をごらんくださり、また御疑点がありましたら会社へおいでくださいまして、いかようとお調べくださつてもけつこうでございますから、どうかぜひひとつ、せつかく皆様の御好意によりましてできた事業でございますから、遂行願えるようにこの機会にあわせて委員会の各位にもお願いしたいと存じます。
  298. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 今のことにつきまして都の方でいかがです。どなたか中間に入つて奔走なされましたかどうでございますか。
  299. 瀧尾達也

    瀧尾参考人 これは別にございません。建設省に御相談申し上げまして処理して本日に参つて来ております。
  300. 田中彰治

    田中委員長 吉岡社長さん、決算委員の人はあなたの方に同情はしておるのですが、国会議員というものは一応ふに落ちないと承知しないものですから、そこで別にあなたが都の人に頼まれたからといつて、多額なお礼をしたとか何とかいうのは別ですよ。そんなものはないものとして、ぼくの想像するところ、山口君も知つておるし、安井君もお宅に名刺があつたということで、そういうふうな人たちがついておつて何とかしてやるからというようなことで、あなたがそれを過信されたというのですか、幾らか力に思われて、結果がこんなことになつたのではないですか、そこはあなたは正直に言われないと、この問題は解決されませんよ。あなたが裁判されてもこれでは負けます。どうしてもそういう人が中に入つていいですよ。そんなことは問題ではありません。そこに不正さえなければいいのです。それをあなたが隠されるからこうやつてみながらいじめられなければならぬのですよ。安井君の名刺があつたそうではありませんか。お宅に行つたら……。
  301. 吉岡照義

    吉岡参考人 それはありません。
  302. 田中彰治

    田中委員長 そんなことはない。安井君が出入りして相談に乗つておるという話ですよ。
  303. 吉岡照義

    吉岡参考人 安井さんの名刺はございません。またお目にもかかりません。山口さんは先ほども申し上げましたが……。
  304. 田中彰治

    田中委員長 安井謙君が行つてつたでしよう。それは隠さないでおつしやつた方がいい。わかつておるのだから……。それでいいですよ。話したからと言つてもいいですよ。私だつて選挙区から頼まれれば相談に行くかもしれませんよ。さつき安井さんがおつたから、誤解されるといけないからぼくは言わなかつたが、頼みに行つてもいいですよ、ところがそれを隠されるからみなからいじめられるのですよ。
  305. 吉岡照義

    吉岡参考人 委員長、申し上げますが、いろいろな話ですが、知事にお目にかかるのは実はこの席上で初めてです。当時大木さんがこれを代表していらつしやいましたから、大木さんからお聞きくださいますとよくわかりますが、事件ができたら大木さんも当時のことを話してやるということはよく申されておりますし、その後お目にかかません。
  306. 田中彰治

    田中委員長 大木さんと山口君かね。
  307. 吉岡照義

    吉岡参考人 はあ。
  308. 迫水久常

    迫水委員 一応この程度で閉会をして、あと委員だけで今後の処置について御相談したら……。
  309. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 その前に私は少し資料についてお願いしたいと思いますが、その資料の前にもし御答弁ができればけつこうです。ちよつと関連して来ますので、国有財産の処理の問題について大蔵省の阪田さんですか……。東京都中央区録座西二丁目五の四、宅地九十一坪三合三勺、これはもと国有地であつたものが、昭和二十六年の九月二十五日に、日本国際文化協会というものへ譲渡されております。日本国際文化協会から、数日後の同年十月三日に、日東紡株式会社へ譲渡されております。ところがこの日本国際文化協会というものは世上とかくの批判がありまして、目下はその事務をとつてつた人の自宅で清算整理中、こういう存在である、こういうものなんですが、何かそれについて御承知であれば、この際その経緯を御説明願い、もし御説明ができないようでありましたら、一件以上の通りでありまするので、ひとつその経緯を詳細当委員会へ資料として提出していただきますように、委員長の名によつておはからい願いたいと思います。
  310. 田中彰治

    田中委員長 どうですか、御答弁できますか。
  311. 牧野誠一

    ○牧野説明員 ただいまの事件承知しておりませんので、調査いたしまして資料として御提出いたします。
  312. 田中彰治

    田中委員長 委員長から申し上げておきますが、これは内務省の土地つた。よく書いておいてください。それが……。
  313. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 内務省関係昭和五年の三月四日ですが、これは当時の法律では内務省で所管しておつたようですが……。
  314. 田中彰治

    田中委員長 内務省の土地が今度国有財産なつて、内務省から、今吉田委員が言われました昭和二十六年の九月二十五日に大蔵省の所管になつた。そのなつたその日に文化協会の名義になつた。内務省の土地が二十五日に大蔵省の所管になつたその同月同日に文化協会のものになつて、それから三日後に、民間の日東紡に売り渡されております。ここに疑惑があるわけです。これは先ほどのあなたの説明だと、そういう土地は普通財産ではないから、競売は別として、普通の民間に払下げはできないわけだ。それがそういうぐあいに簡単に売り渡されておるということが疑問の一つなんです。これには相当裁判所の判事・検事などが関連してやつているのだから、これは当方は厳重に取調べるつもりで、資料を集めていますから、あなたの方もよくお調べになつ説明なさらぬと、またここでとんでもないことが起るから、ひとつ御勉強していただくようにお願いしておきます。
  315. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 至急にひとつ詳細に経緯を説明して、資料を提出するようにお願い申し上げます。
  316. 田中彰治

    田中委員長 それでは長らく御苦労さまでございました。  本日はこれにて散会いたします。     午後五時二十四分散会