運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1952-12-17 第15回国会 衆議院 決算委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年十二月十七日(水曜日)     午後一時三十五分開議  出席委員    委員長代理理事 迫水 久常君    理事 永田 良吉君 理事 古井 喜實君    理事 吉田 賢一君 理事 山田 長司君       田口長治郎君    山田 彌一君       河野 金昇君    鈴木 正吾君       大矢 省三君    松本 七郎君  出席政府委員         調達庁長官   根道 廣吉君         総理府事務官         (調達庁総務部         長)      山内 隆一君  委員外出席者         総理府事務官         (調達庁総務部         調達協力課長) 鈴木 直美君         会計検査院事務         官         (検査第二局         長)      上村 照昌君         専  門  員 大久保忠文君         専  門  員 岡村 清英君     ————————————— 本日の会議に付した事件  昭和二十五年度一般会計歳入歳出決算昭和二  十五年度特別会計歳入歳出決算及び昭和二十五  年度政府関係機関収入支出決算     —————————————
  2. 迫水久常

    迫水委員長代理 これから決算委員会を開会いたします。  委員長は本日やむを得ぬ都合のため御出席になれませんので、理事の私が、委員長職務代行として委嘱を受けましたから、委員長代理を行います。よろしく御了承を願います。  前会に引続いて昭和二十五年度決算中、総理府所管終戦処理費関係の分を議題として審議を進めます。本日は根道調達庁長官以下関係者出席を得ましたので、逐次審議に移りますが、当局の御説明はなるべく簡明率直にせられるよう、特に申し添えます。  この際調達庁関係終戦処理費総括的説明根道長官からしたいという申出がありますので、その説明を許します。
  3. 根道廣吉

    根道政府委員 昭和二十五年度の終戦処理費事業費等決算につきまして、会計検査院批難事項といたしまして、五十一件あげられてございます。この点まことに遺憾に存ずる次第でございます。  逐年終戦処理事業費等経理に関しましては、これが改善に多大の努力を払つて参りましたもので、年々進歩をいたしておりますことは、会計検査院もその御検査によつて、お認めに相なつておられることと存ずるのであります。五十一件の批難事項はまことに他の官庁に比べて多いとのお考えもごもつともでございますが、一言申し上げることを許していただきますれば、当庁の業務連合軍の需要を充足するという仕事性質上、他官庁に比しまして契約件数も多く、金を取扱う業務も多いということでございます。多いからといいまして、いいかげんでよろしいということにはもちろん相なりません。われわれとしては最善の努力をもちまして、誠心誠意つて参つたのではありますが、その業務分量を申し上げますと、不動産業務を除きまして、工事、役務、需品の契約が、概略一万件以上ございます。この一万件以上の契約のうち、また個々に扱いまする数量というのは、その何層倍、何十倍になるものもあるのであります。解除物件契約は、分量といたしましては、トン数で申しますと、五十二万六千トンという多い数字でございます。  次に業務性質が、軍と業者との間に立ちまして、調達いたします関係上、軍はアメリカ契約慣習をもつて臨会して、しかもしばしばこれを改正して参りました。せつかく覚えましたものをまたやり直すなどということが多くありまして、この点われわれといたしましては、日本会計法との調和の問題として、非常に苦慮して参つたところでございます。これに対しましては、職員も初めのころはふなれでございましたが、だんだんと習熟いたして参りまして、また渉外能力もわれわれとしてできるだけこれを増しまして、その間の調節をはかつて日本会計法に従うようにいたして参つたのでございますが、軍の指令が優先いたしておりまするために、アメリカ式契約調達方式が実質的に採用されておりまして、徴収権日本側に移す点などは、二十五年の十月になりまして、ようやくわが方の主張が認められまして、契約条項に挿入されたような次第もあります。しかしながらこれとてもその実施は承認されるに至つておらなかつたのであります。従いまして、特別調達につきましては、物品の検収調書を軍の受領書をもつてかえられるというふうに、予算決算及び会計臨時特例が改正されております。解除物件処理につきましては、緊急処分の命令が軍から出ておりまして、これに伴いまして若干量予算の節減も計画いたしました事情のもとに行わなければならなかつたのでございまして、また当時の経済情勢下におきまして、短期間を限つて大量の処分をいたしますということは、各地方局においても実に頭を悩ました次第でございます。かかる特殊事情にありましたことを御賢察の上、これらの関係につきましていろいろ問題が起りました点につきましては、よろしく御審議をお願い申し上げたいのであります。  なお調達局におきまして二件、地方庁の分で三件の不正行為指摘を受けましたことは、まことに申訳なく存じております。二十六年度に入りましてからは、特に監察官を設けまして、過般の機構改革に際しましては、さらに調達局監査課を設置いたしまして、事故の防止と業務改善努力して、その絶無をはかることといたしておるのであります。なお各案件につきましては、担当の部長等より御説明を許させていただきたいと思います。
  4. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 今のお話で、調達庁の中に二十六年度から監察官というものを設けて厳重に監査しておるというお話ですが、その監察官の業績といいますか、どういう成績をあげておるかということはおわかりになりますか。どのくらいの事件扱つて、どのくらい国家の損になるのを食いとめ得たかということは、おわかりになりますか。
  5. 根道廣吉

    根道政府委員 二十六年の六月に監察官というのを設けました。これはいろいろの複雑な仕事扱つておりますが、われわれ内部的にみずから監査をするといふことが大事であるし、日常の業務を常時見届けまして、手続の足らぬところ、余つておるようなところ、こういうものがあれば、これを事前に防ごうというつもりで設けたのであります。さらに先般の機構改革におきましては、地方にもまた監査課というものを置いたわけでございますが、具体的にどの程度の効果をあげておるか申しかねますが、いろいろな事件がわれわれの耳に入つて参りますときには、ただちに監察官によつて事情調査させまして、誤りがあればこれを事前に直すように指導を与えて、終つたものについてはまた事後の適当な是正方針というようなものの意見を提出させまして、長官よりの命によつてこれを直して行くというやり方をいたしております。具体的には個々件数はありまするけれども、どの程度の役に立つておるかということについては今申し上げるようなこまかい数字を持つておりません。     —————————————
  6. 迫水久常

    迫水委員長代理 それでは報告書三十八ページ、工事部分報告番号一九ないし二四、及び物件部分報告番号二五及び二六、以上八件を便宜上一括して、調達庁当局より説明を願います。山内総務部長
  7. 山内隆一

    山内政府委員 それではただいま上程になりました各案件について、個々にできるだけ簡明に御説明いたします。検査番号一九番でありますが、これは福岡局関係で、北口建設会社という会社の受持つた給炭機械、還水管新設工事でありますが、間違つた根本は、当初十二基を命じられたものが結果において四基となつた。しかもその四基に修正された後も、現地の必要は十二基だからといつて、十二基をやるようにという指示があつたりなどいたしまして、結果において最後に認められなかつたために、過払いということを生じたわけでありまして、大部分金額は、別に給炭機すえつけの取消しのためのクレ—ム関係から支払うべきものがありましたから、それで相殺いたしましたから、なお残額三十五万六千円ばかりが残つておる状態でありまして、これが回収には目下努力をいたしております。  それから次に二〇番でありますが、これは大阪局関係で、屋根のスレ—トぶきの問題からこの事件が起つておりますが、業者仕訳書、いいかえれば計画では、十六インチ角スレ—トぶきとなつていて、すべてその計算で運んでおつたものが、実際にはそれと違つた十四インチのものでふかれてある。その金額の差が過払いになつた、こういう事件であります。これはまつた検査院の御指摘通りでありまして、非常に恐縮に存じております。当時ジエ—ン台風による被害の工事が非常にたくさんでありまして、それに忙殺されたために、つい現地大阪局との間の連絡の不十分のために、かような結果になつたのでありまして、その金額は二十七年一月三十日に全部完納になつております。  それから二一番でありますが、これは福岡局関係で、三建工業という会社仕事にかかるのであります。これは検査院の御指摘通りでありまして、これまたこの聞違いは是正いたしまして、三十万六千八百八十五円、二十七年の二月五日に収納済みなつております。  それから次は官給資材返納が非常に遅延しておるという御批難の問題であります。そのうちの二二は、東京局関係で、会社の数は十三社に達しておりますが、そのうち十二社は全部完納いたさせてあります。一社だけ義合祥という会社の分がまだ残つておりますが、これは会社と話合いをつけまして、二十八年度末までに完納する予定なつております。公正証書を作成して、具体的に納入計画を立てております。  それから二三は仙台局に関するものでありまして、大林組外五社に関するもので、これも検査院指摘通りでありますが、そのあと処理としましては、現金と現品と双方の納入によりまして、これの完結をいたしております。  次に二四は名古屋局関係でありまして、これは竹脇組というのと、明組というのと、二つ会社の分でありますが、すでに清算をしまして、返納を要する資材がきまつて返納を命じたときには、すでにその現品がなくなつておりまして、会社も解散をしておるような状態で、再三責任者督促いたしましたが、竹脇組の方は債務の確認をいたしましたけれども、まだ納入なつておりません。それから明組の方は、まつた会社もなくなり、責任者もはつきりいたしません。この方は回収の見込みが非常に困難に存じております。  それから二十五番は横浜局に関するものでありまして、これは木材売渡しにあたつて価格が非常に安いという御批難であります。これも検査院の御指摘のように、私どもも幾分低廉であることは認めざるを得ないのでありまして、まことに遺憾であります。ただ当時の事情は、何回か入札にしましても、落札に至りませんで困つておりましたところが、たまたま熱海市の大火によりまして、市当局からこの木材をほしいという申出がありました関係上、随意契約で売り渡したのでありまして、品物品質等から見まして、当時の事情としてはやむを得なかつたんじやないかというように考えておりますので、御了承を願いたいのであります。  二十六番は二つなつておりまして、そのうち東京局藤原工業外二社に売り渡したものでありますが、これは工事を請負つておりまして、それに対して資材を売り渡した関係上、その必要資材を売り渡した場合に、工事費見積り価格の中のその資材値段と、それから現実に売り渡した値段とが食い違つておる。言いかえれば、工事費見積り価格の方が実際売り渡した値段よりも高くなつておる、それでそのものの精算をしてしまつた、そういう結果過払いを生じたようなことになつておりまして、まことに連格不十分といいますか、調査疎漏の点がありまして、百二十四万五千八百九十七円、その差額がありますので、これも目下回収努力をいたしております。従つてこういうような工事用資材売渡しにあたつては、その売渡し値段で必ず精算をするように厳重に注意をいたして、あやまちを再びせないようにいたした次第であります。
  8. 迫水久常

    迫水委員長代理 次にただいまの説明に対して、会計検査院当局に格別御意見がありますれば発言願います。
  9. 上村照昌

    上村会計検査院説明員 ただいま調達庁から御説明になつた案件については、おおむね調達庁においても批難通りの趣旨にお認めなつておると思いますので、特に発言する点はございません。
  10. 迫水久常

    迫水委員長代理 この際質疑を許します。
  11. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 言い訳の方を見ると、言い訳の仕方に、報告通り遺憾である、将来十分注意するという書き方、それから十分留意するという書き方と、遺憾である、今後留意する。これは文字の使い方で、何か多少注意の仕方に違いがあるのですか、下僚に対して注意を与えるときに……。それがわかると、このあとの全部のもの、つまりあなたの方がこれはしまつたと思う程度の深い、浅いによつて、こういう文字の表現が違つて来るのかどうかということなんです。同じことなんですか。
  12. 根道廣吉

    根道政府委員 大体同じであると御了承願います。
  13. 迫水久常

    迫水委員長代理 ほかに御質疑がなければ次に進みます。     —————————————
  14. 迫水久常

    迫水委員長代理 次に報告書四十三ページ、報告番号二七ないし三九、以上十三件を一括して説明を願います。なお右のうち報告番号三一、三二及び三三の批難事項、については、政府及び会計検査院当局から特に詳細な説明を願います。なお他の案件委員の御要求によつて質疑に応じて説明をいたさせますからさよう御了承を願います。
  15. 山内隆一

    山内政府委員 二十七番から順次御説明申し上げますが、特に御指示の点については、あるいは私の説明で不十分で、あと説明員から補充してもらうようなこともお許しを願いたいと思います。二七番以下、解除物件売渡し価格の安過ぎるという問題であります。  そのうち、初めの東京局関西配電式会社株変電用機械を売り渡した点は、これまた事務連絡不十分に基因しまして、価格が低廉に過ぎないということでありまして、私まことに遺憾に存じております。この点につきましても、今後この事務の不連絡を再び繰返さないように、特にその点を注意してある次第であります。  それから次も、やはり東京局相模興業株式会社に排水の鉛管を売り渡した問題でありますが、これも結果においては、御指摘通り低廉に失しておると思つております。ただ当時緊急処分が非常に強力に要望されておりましたために、きわめてその方の仕事が忙しかつたような事情もありまして、時価調査がやや疎漏に過ぎた結果かようになつた考えておりまして、非常に恐縮に存じております。  それから二九番は、仙台局において高橋某に対するよろい戸式窓日よけ払下げの問題であります。これは非常な特殊規格のため、製品としての市場価格がきわめて少く、従つて素材としての価格を考慮して予定価格を作成したものでありますが、当時の、二十六年五月時分のジユラルミンくず東京方面へ売る市価等から考えてみまして、まずこの点はやむを得なかつたんじやないかと考えておる次第であります。  それから三〇番は、横浜局における日本塗工株式会社外一社に板ガラス払下げをした問題でありますが、これも結果においては、私どもやや低廉に売り渡したきらいがある、かように考えて、まとに申訳なく存じております。ただ当時の事情を少しくつけ加えて申させていただきたいことは、文部省関係から、学校方面に強く板ガラスが要求されておりまして、ぜひ学校末端売渡してもらいたい。従つて末端配給価格等につきましても、文部省からも強い依頼もありましたのと、もう一つ市価情勢がだんだんと安くなつて行くような方向を当時辿つてつた事情もあります。もう一つは非常に破損とかよごれておるというような関係、なおずつと末端学校に渡すわけでありますから、その輸送費等も見て差引いてあげる必要もあつた、こんな事情がかれこれ合されまして、結果においては非常に安くなつたというわけでございます。  次に三一番は、特に御指摘のあつた問題でありまして、福井機械金属工業協同組合ラジエ—タ—パルプ等売渡した問題であります。この品物終戦直後の品物であり、私ども当時の考えでは、そのままでは使用に耐えないものであると判断をいたしたのと、当時福井県からの正式の依頼状の中にも、これはそのままで使えない、いろいろの工事製品をつくる素材として利用するのだという書面もありました関係上、素材として予定価格を作成した、こういうわけでありまして、そこに検査院の御指摘としては、素材としてでなく、ある程度利用しておるのじやないかという御意向でありますが、結果において、全然工事にその品物をそのまま使用したものがあるかどうかということまで、実は現在のところ私ども確かめておりませんので、この点まことに残念でございますが、調達庁の方で、あの価格売渡した理由は、当時そのまま使えないのだ、素材として利用するという考え方と、特に福井県からもそういう意見なり依頼がありましので、素材見積つたという結果、かようなことになつたのであると存じております。  それから三二番は、呉局において、小川某ケ—ブル類払下げをした、そのケ—ブル価格が非常に安いという問題でありますが、これも三一の場合と似たような事情でありまして、戦時規格であるために、ケ—ブルとしては市場性がないというふうに当時見ておりましたが、しかしこの問題については、多少手続としては違つておりまして、三月入札するときは、素材価格としてではなく、やはりケ—ブルとしての積算をやつて予定価格を定めて入札に付したわけでございます。ところが遺憾ながら不調に終りまして、機会を見ておつたわけでありますが、その後に解除物件緊急売却の強い要請がありまして、それを目途としてこれを売却するように鋭意努力したわけでありますが、ようやく七月になりまして、当初の予定価格売却をいたしたわけであります。本来ならばやはり時期がたつておりますし、ある程度価格が上昇しておりますから、予定価格をやり直して入札に付すべきところであつたと思います。しかしそういう事情でありましたので、当時の緊急処分事情もありましたのと、最初の予定価格素材として見ることが至当と思うようなものであつたにもかかわらず、ケ—ブルとしての積算をやつたのでありますから、今度の売却にあたつても、たとい多少の市価の騰貴がありましても、その当時の価格ならば決して時価に比べて安くない、適当であると考え処分したわけであります。これは会計法上の取扱いは不穏当であつたろうと思います。この点まことに遺憾でありますが、価格としてはやむを得なかつたのじやないかと考えております。  次に三三番でございますが、呉局灘田某貯水タンク売渡した問題でありまして、これもやはりタンクとしての積算をせずに、くず鉄としての積算をやつた。その結果当時くず鉄トン当りの相場は五千円くらいに見ておりましたが、これはくず鉄集荷地価格でありまして、今の売却問題にあたつては、自然解体し輸送しなければならぬということも考慮に入れる必要がありましたので、四千五百円で売渡した。従つてこの価格統制額を下まわつたような結果になつたのでございます。この点はやはり若干安い傾向がありますが、これまた当時の事情やむを得なかつたものと存じておる次第であります。三四番は、福岡局における建築金具等売却問題でございます。これもこの売却方法は二回にわたつて競争入札に付したのでありますが、全然応募者がなく、そのためにさらに現品について十分再調をいたしましたところが、一部品目が使用目的にそのまま使うことが不可能であるということを確認いたしましたので、スクラツプとして再積算をいたしたのであります。従つて低廉に過ぎるようにも認められないのでありますけれども、ただ個々品物単価算定にあたつては、一部解体費等も考慮した結果とはいいながら、低廉に過ぎたことはまことに遺憾でありまして、申訳なく存じます。  次の三五番は、代金徴収前に現品を引渡した事件でありまして、東京局にあつた問題で、これは何人か関係しておりますが、全部で八社、一人が二件関係しておりますから、それを延べにしますと九件でありますが、実員あるいは会社としては八社であります。そのうち京浜電化という一社だけは完納いたしておりますが、あとは遺憾ながらまだ完納するに至つておりませんので、目下極力これが回収努力をいたしております。そのうち金額の割合に多い下村という人の契約が二回ありますが、この人は非常に資力が乏しく、公正証書によりまして、昭和二十七年十一月から三十三年四月まで分割納入をするということにいたした次第であります。それから比較的金額の多い奥村電機、これにつきましては目下清算進捗中でありまして、近く分配があると思つております。その他の件につきましても極力督促努力をいたしておりますが、会社によりましては非常に経理内容が悪くてなかなか回収の見通しのつかないものもありますように見受けられますので、非常に遺憾に存じております。  それから三六番は、これは解除物件の引取輸送にあたつて過大な空車回送料支払つたという事件でございます。そのうちの初めの方は東京局における共和物産株式会社に対するものでありまして、これは会計検査院の御指摘通りで、まことに遺憾に存じております。ただその後さつそく今度は倉庫最寄り輸送業者を活用しまして空車回送距離の減少をはかつた次第であります。  三七番は仙台局における日本通運株式会社外二社に対する同じく空車回送料の問題でありますが、これは物価庁告示貨物自動車運送事業運賃適用方という規定の解釈が明確を欠いておつた、あるいはこちらの解釈がまずかつたというような事情のもとに、若干の過大支払いをいたした結果になりまして、まことに遺憾に存じております。これが過払額の回収につきましては、その後鋭意努力をいたしまして、一番多い方の一社は全部回収いたしました。それから三社のうちですが、一社は十分検討しました結果、特に過払いとして回収を迫るほどのものでなかつたということになりまして、そのままにいたしてありますが、他の一社につきましてはやはり過払いとして現在納入督促中でございます。  それから三八番は、横浜局における東海産業株式会社に対するやはり空車回送料の問題でありまして、これは検査院指摘通り、全部検討いたしまして、過払いに相当する分全部を納入いたさせました。  それから三九番は、都商事株式会社外十二社、これは東京局に関する保管料が少し高過ぎたという問題でありまして、これは非常にこまかな品物について当時料金がきまつておりましたが、最低料金がありましたために、つい十分な研究をせずそのままその最低料金によつて払うよりしかたがないものと考えまして、算出して払つた結果が、検査院指摘のように、非常に高過ぎたのではないかということになつたわけでありまして、さつそくこれはその後保管料及び荷役料について倉庫業者と折衝いたしまして、その最低料金を適用せず、別に寄託価格によつて料金を算定して節約に努めた次第でございます。
  16. 迫水久常

    迫水委員長代理 ただいまの説明に対して会計検査院当局より補足的説明を願います。
  17. 上村照昌

    上村会計検査院説明員 御説明を申し上げます。問題のありまする点を三一号から御説明いたします。  三一号につきましては、前回の当委員会において説明いたしましたが、本件が新品である、あるいはそのまま使えないものがあるにしましても、時価から九五%あるいは九六%引いた低価で売り渡したのは少し安過ぎる、こういうふうに考えております。しかも先般申し上げましたように、一部分は買い受けましたものをそのまま工事に使つておるものもあります。なお本件とは別に、本件と同じ程度同種品を二十五年四月に入札で売り渡された事例がありますが、その場合には本件同様に予定価格が十二万八千百九十六円に対しまして、落札しておりますのが二十八万三千二百円というふうになつております。そういう面から見ましても、この払下げ価格は安過ぎた、こういうふうに考えております。  それから三二号の件でありますが、三二号については調達庁から御説明がありましたように、二十五年の三月に一回入札されまして、それでも落札者がおりません。次にやはり三月にもう一回入札されたわけですが、そのときも落札者がなかつた。今度その予定価格で売り渡された。これは二十五年七月——二十五年七月と申しますと、朝鮮事変が起つた後になるわけです。そういうふうに事変関係も起り、しかも物価も上昇して来ておりますし、規定上は再度入札をして落ちなかつた場合には随意契約をしてよろしいとはありますが、事情もかわつておりますので、さらに入札されてやられた方が適当であつたろう、こういうふうに考えます。それから大体これはそのまま使えないものとして材料として見ました場合に、三月から七月に放出しております銅について申し上げますと、これは調達庁の方のお調べでそうなつておるのでありますが、三月に銅がトン九万八千円のものが七月には十三万五千円になつておる。それから鉛が五万円が七万一千円ばかりに上つております。そういうような材料をそういう価格で計算してみますと、本件は大体百四十万円くらいになろうと思います。それと比べましても、この売渡し価格の百十七万円は少し安かつた。こういうふうに考えております。  それから三三号でありますが、これも事態は大体三二号と同じでありまして、やはり二十五年の三月に競争入札に付されまして、入札者がなくて、再度さらに三月に入札に付されて、落札者がなかつたのを、その後二十五年九月になつ随意契約で売られたものであります。これも朝鮮事変関係で相当物も上つておりますから、随意契約でやるよりは競争入札でやられた方が有利に処分できた。こういうふうに考えております。それから私の方で聞いておりますのは、結局調達庁の方で最初計算された統制額の適用が、その当時は調達庁で適用された統制額よりも上つてつたということと、それから最低限度くずとして見た場合にも安かつたということを申しておりますが、なお本件は新品同様のものでありまして、これを解体しました場合には再生用厚鋼板の一級品になるわけであります。再生用厚鋼板の一級品はトン当り大体二万六千円くらいになるものであります。そういう点から、かりに解体、輸送費等を相当見ましても、トン当り三千円というのは相当安かつた、こういうふうに考えております。以上でございます。
  18. 迫水久常

    迫水委員長代理 本項に対してこの際質疑を願います。
  19. 松本七郎

    ○松本(七)委員 検査院側では、落札者がない場合、規約上からいえば随意契約でいいが、朝鮮事変を大きな転機にして事情違つたから、再び入札に付すべきだということですが、特別調達庁としてはそういう注意をなすべきだという点はお認めになるのですか。
  20. 鈴木直美

    鈴木説明員 ただいまの単価のとり方でございますが、当然事変の影響専を考えてやるべきだということは異議のないところでございます。ただその場合に、きわめて素朴な方法ではございますが、一応スクラツプとせずに、ケ—ブルケ—ブル、あるいは鋼板なら鋼板として——ただいまの最後の鋼板のことは別でございますが、全般的に申し上げまして、一応そのものの値段でもつて評価して行きまして、入札にかけてしばしば失敗しておりますし、一方非常に処分を急がれておりましたので、やや冷静を欠いた、あるいは万全の努力を欠いたといううらみはあると思うのです。そのときその担当官はやむを得ざる処置として処理したと思うのであります。
  21. 根道廣吉

    根道政府委員 ただいまの御質問は、事情がかわれば前の入札のときの予定価格を変更するのがあたりまえじやないかというお尋ねだつたと思います。むろん期間の問題はございますが、社会情勢等急激な変化を来したということが明白である場合には、あらためて予定価格等を建て直す必要が当然あると思います。
  22. 松本七郎

    ○松本(七)委員 先ほど検査院側の御意見では、規定からいえば、落札者がない場合には随意契約でいいということになつておるけれども、こういう大きな事情の変化の場合にはやはり入札に付すべきだという御意見のように思いましたが、その点は特別調達庁側ではお認めになるかどうかということです。
  23. 根道廣吉

    根道政府委員 そういう客観情勢の変化のときには、当然あらためて入札して、国が正当に売るという手段を講ずべきであろうと思います。
  24. 松本七郎

    ○松本(七)委員 そうすると、ここにあげられておる事例の場合には、それだけの余裕がなかつたからできなかつたということなんですね。
  25. 山内隆一

    山内政府委員 私最初の説明のときにもそのことは申し上げたのでありますが、手続上としてはお尋ねの通り長官もお答えした通りでありますが、やはり予定価格を改めて入札に付するということが適当だろうと思うのです。当時非常に処分を急いでやらなければならぬ事情であつたことと、それから物価騰貴のことを考えても、あの値段ならば大丈夫だ、こんなふうに考えたために、つい手続をふまないで随契に付したという点は、手続上間違つてつたと思いましてまことに遺憾に存ずるのであります。
  26. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 これは三二号の問題ですが、検査院の方の計算は、特に非鉄金属のうち銅などはくず銅の計算という御説明なんですか。
  27. 上村照昌

    上村会計検査院説明員 そうです。
  28. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 七月というと、これは朝鮮動乱の直後で、諸物価の暴騰の時期じやなかつたかと思うのです。従つてこういう種類の物件の需要が急激に旺盛化したときだろうと思うのですが、そういうときに急いで処分しなければならぬ、また銅のようなものはくず鉄に比べてもはるかに高く売れるものを随意契約で売らなければならぬ、そういう事情があつたのでしようか、どうなんでしようか。
  29. 山内隆一

    山内政府委員 御不審の点はごもつともなんですが、当時の事情を申し上げますと、私の記憶では、七月末ま下にあの前の大量放出の分を全部売らなければ責任を問われるというほど非常に強く処分を要求されておりました。特に呉局は他の局に比べてたくさん物資を持つてつたはずでございます。そんな関係で、そういう強い要請があつたにかかわらず、最後に至つて呉局は相当に処分残を出さざるを得なかつたような事情がありました。特に常織で考えてちよつとおかしいほど急がれておつたという事情がございます。そのとき、極端な言葉でありますが、もう値段なんかいくら安くてもいい、保管料のことを考えたら早く売つちやつた方がいいというところまで地方に対して中央から指導しておつたような事情があつたわけであります。
  30. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 私は、緊急に処分しなければならぬというのは軍の命令というふうに了解しておつたのですが、今のお話ですと、日本政府の態度としてそういうことが要求されておる、こういうわけなんですか。
  31. 根道廣吉

    根道政府委員 すみやかに処分せよというのは、もちろん軍の方の指導であります。ただいま山内総務部長の言われました保管料云々ということはもちろん比較の問題でございまして、できるだけ保管料は少くすると同時に、軍のものを売るのはできるだけ高く売らなければならぬのはあたりまえであります。ただ遺憾ながら、当時あとあとと軍の方から解除物件が出て参りまして倉庫も一ぱいでございました。また保管料の予算も非常に少いので、気分的にはただいま申し上げたようなことになつたのであります。もちろんかつてに安く売つてはならぬのであります。安く売れという指導をしたのではありません。
  32. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 早く処分しろというのは軍の命令なんですね。
  33. 根道廣吉

    根道政府委員 さようでございます。
  34. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 これはたいへん素朴な質問で恐れ入りますが、解除物件の所有権はどこにあるのですか。
  35. 根道廣吉

    根道政府委員 解除物件の所有権は日本政府であります。
  36. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 日本政府の所有に属しておる物件について、軍が処分を急いでというと、何か特殊な事情が伴わぬと、たとえば場所がいるとか何かそういうことでないとちよつと理解しにくいんですが、くどく尋ねる必要ないものだが、何か当時そういうようなことでもあつたのでございますか。
  37. 根道廣吉

    根道政府委員 当時の事情から申しますと、終戦の当初より二、三年間は、調達庁あるいはそれ以前の調達庁の前身官庁が物を買いまして、軍に納入して、いろいろ落しておつたものがございます。それらのものを、二十四年でございましたか、軍の方から急に、日本政府にこれを返すから、日本政府においては調達庁において倉庫局というような名称のものをつくつて、預かれというスキヤツピンが出たことがございます。そういうような関係で、調達庁において俄然保有物資がふえたわけでございます。これはまた、その当時の社会情勢といたしまして、そういうものが余つておるということはまことにもつたいない話だ、国の経済のためにも、これをできるだけすみやかに放出して経済をゆたかにしなければならない、そういうつもりで軍もやるのであるから、調達庁もすみやかにこれを処分せよ、こういうようないろいろな指令があつたわけでございます。またその当時の事情は、御承知でもございましようが、占領下における調達関修の問題は一切が実は軍の指導でございました。日本政府といたしましては、その間に立ちましていろいろ苦心して参つたわけであります。いろいろな注文にいたしましても、軍の監督官が調達庁の中におりまして、一々の書類を目を通さなければ承知せぬという時代でありまして、われわれといたしましてはその点実に闘つてつたわけでございます。そういう状況下における軍の要求もあつたということであります。あえて軍に全部の責任を帰する次第ではございません。
  38. 迫水久常

    迫水委員長代理 ほかに今の部分について御質疑はございませんか。
  39. 田口長治郎

    ○田口委員 解除物件に関しまして、いろいろな件数がたくさんあるようでございますが、ただいまの御説明によりまして、軍との関係その他いろいろ非常にむずかしい問題が多々あつたと思うのでございますが、私はこの問題に関しましては、この特別調達局以下の組織におきまして、こういう問題を起す原因があるんじやないか、こういうようなふうに考える次第でございます。それといいまするのは、この解除物件払下げを受けようとする段取りをずつと見てみますると、まず物価の値上りによりまして、こういうものを扱う民間人が盛んに動きまわつた。そうしてどこに何があるかということをまず民間人の方で探して参りました。そうしてこのものの払下げということを、調達局の駐在員と申しますか出張員と申しますか、ほんとうに現場におられる人にたびたび折衝をする、こういうようなことが大部分払下げの順序ではないか、こういうことを私ら見てもおりますし聞いてもおる次第でございます。非常に大きな問題になりますれば、あるいは特別調達庁自身がお当りになるかと思いますが、大部分のものはおそらくさようなかつこうによりまして、現場の出張員あるいは駐在員が書類で伺いを立てる。実際は特別調達局の方では知らない、現場の伺いによつてすべてを決定する。こういうようなことからいたしまして、払下げを受けんとする人と駐在員とがたびたび折衝をする間におきまして、いろいろな、ほんとうな価格でない価格が出るような原因ができるのじやないか、こういうようなことを考える次第でございますが、特別調達局から現地までの、調達局の機構はどんなふうにしておられますか、その点ひとつお伺いいたしたいと思うのであります。
  40. 根道廣吉

    根道政府委員 軍の方から物が返されるという通達がありますと、調達庁といたしましてこれを引取りの手配をするわけであります。これをまず倉庫に運び込みまして、その後におきましてこれの明細なる表をつくつておくわけであります。この手間も、品物が厖大であるのとあらゆる種類にわたるために、非常な手数でございます。また一面におきまして、ものをほしがる者があつて、こういうものはないかといつて調達局等に聞きに来ることは再々でありまして、そういう相談の窓口をつくつてございました。そういたしまして、一応の台帳によつて調べまして、ここにこういうようなものが入つて来たということを希望者に教えて希望者が見たいという場合には、まだ積算等の済んでおらないものを見せることがございます。片や非常にたくさんな数量がありますので、あらかじめ一一積算をしておくということは、容易ならぬ人と時間を要しますので、早く売れるものはできるだけ早く売るために、希望者がありますれば、できる限りその希望に応ずるように、閲覧願いと申しますか、一応見る手だてをとりまして、これを買いたいというものがあれば、それらの人たちを集めてやが参て入札に付するわけであります。その入札の際には、それぞれの局におきまして、それぞれの専門家をして積算をさせる。従いまして現場の監督官あるいは駐在員等がかつて値段をきめるということは、組織上は私は不可能であつた考えております。
  41. 田口長治郎

    ○田口委員 建前はただいまの御説明通りと思うのですが、実際のものの動き方は、ことに朝鮮事変以後におきまして、金属類の関係はまず値段が上る。それによつて業者品物を探す、こういうようなことから出発をしておるのでございますから、結局におきまして、購入をして味がある、この味によつて動いておるのでございますから、その間こういう問題が、いわゆる物価が上つたということが早くして、それによつて処分をされるということと、先ほどからお話になりましたような、情勢がかわつてもなお競争入札しないで処置をする、こういうような方法になりますれば、そこにどうしても時価以下の売価というものが出て来ると思うのでございますが、この点に関しまして、建前としてはいろいろ専門家やその他に立会いといいますか、検査といいますか、そういうことをやらして処置をしておる、こういうような話でありますけれども、実際の動きは、おそらく現地の出張員その他の伺い書によつて決定されておる、そういう部分が非常にたくさんあるのではないか、それによつてこういう問題が起つているのではないか、こういうふうに考える次第でございます。物価の値上りによつて、民間人が走りまわるということから出発しているのだから、そこの点に何かはつきりしたメスを入れなければ、このような問題は、あとからあとからおそらく解除物件については出て来るのではないか。その点について今の建前だけでけつこうであるのか、あるいはその点に対して、こういう点を考えて防止しようと思つている、こういうようなわけでございますか。何かそこに一つの案があると思いますが、もし案がありましたら、ひとつこの際御説明願いたいと思います。
  42. 根道廣吉

    根道政府委員 まさにただいま御指摘のようなことがないとは申せないかと存じます。比較的少額なものにつきましては、随契という点は許されております。しかしこれは金額十万円未満の場合であります。また随契をいたしますときには、御承知のように、金額が上りますと、いろいろ予定価格等も添えて大蔵省に協議いたすわけであります。その間におきまして、いろいろ値段が変化するに伴い、売却の時期の関係等におきまして、ただいま吉田委員の質問に対する説明において御了承願いたいと申し上げましたような事柄が発生しております。  なお今後におきましても、解除物件は少くはなりましたけれども、まだあると思いますので、これらの点については十分留意いたしたいと思います。しかし、ちよつと申し上げておきたいことは、できるだけ手持ちを早く片づけるという要請と、その積算の点も、これを変更するめんどうさというもののために、ついわれわれにおいて時期を失し、その結果不当であるというような指摘が起らないとは申し上げかねますが、できるだけさようなことのないように、今後とも各係を督励したいと思います。
  43. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 今の御質問に関連するのですが、実は私が聞いた質問の趣旨は、建前は御説明通りだろうが、実際においては欲の深い業者が、品物があることをかぎつけて、あの手この手で取出して行くということが、この種の批難事項が起つた原因ではないのか。従つてそういうことに対する特調の長官の立場において、何かお考えがないのかというのが、質問の趣意であつたのであります。実はその点につきまして、きよう出てもらうことになつた、前会のいきさつについても、特調事件が非常に多い、その多いということについて、最高の責任者から十分に聞いておかなければならぬ、共通したいろいろな原因もあるのではないか、従つてこれに対する対策、方針とか、今後のいろいろな見通しとか、措置とか、過去、現在、将来にわたつて、やはり特調長官の立場において、諸般の構想なり方針なりがなければなるまいから、そういう辺のねらいが、出てもらつた一つの理由になつておると思うのです。私はそこに今の質問が触れたと思いますので、これはやつぱり総括して、相当責任のある所信を披瀝なさるべき問題であろう、こう思うのです。
  44. 根道廣吉

    根道政府委員 ただいま検査院当局より御指摘に相なりました、こういう件について、ただいま言われたようなことが直接の原因であるとは、私は考えておりませんが、また別に、業者がかけまわつて、そのためにいろいろな問題を起した、また起さんとしたということは、私も認めざるを得ないのであります。そういうようなことを折々にして発見したことがございます。その場合に、もしすでに過ちを犯した者があれば、常に厳重に督促なり処分をいたしまして、中には現実の過ちを犯した者は、懲戒処分、免職というようなことまで随時して参りまして今日においてはそういうことはないはずであると確信いたしております。
  45. 永田良吉

    ○永田(良)委員 私は直接これに触れた問題ではありませんけれども、疑義を抱いておる点がありますので、お伺いいたします。これは所官でないからと皆さまがつつ放してしまえばそれまででありますが、これは過去の二十五年度における処分でありますけれども過去から現在にかけて、私ども地方で事めんどうに及ぶことをたくさん見ておる。これは現在でも、また将来もあり得る問題です。一例は今保安隊のいる越中島の建物です。あれは、元商船学校であつた。それが米軍に占領され、それから警察予備隊が入り、それが保安隊と名前がかわつて今入つておる。これは国有財産になつていると思う。使用料を出しているわけではないだろうと思います。あの建物が国家のものである以上は、皆さま方、会計検査の立場からいろいろ協議をされ打合せをなさつたらいいんじやないか。これは私のしろうと考えであります。商船学校の方では、清水じやぐあい悪いから越中島に帰りたいといつて卒業生が大騒動をしている。これは政府としてもお困りだろうと思う。こういうことは越中島だけではない。日本の隅の大隅でも、私は終戦当時、鹿屋の市長でしたが、あそこに海軍の飛行場、格納庫、それから鉄筋の建物があつた。今でも残つておる。それをアメリカが三千五百も来て占領しておつた。私は頭のはげるほど心配したものであります。アメリカは一年半ほど占領しておつて、すつと引揚げてしまつた。そのあと予備隊が来て住つておる。米軍が入るとき、あの鉄筋の家をずいぶん改造した。進駐軍がおらぬようになつてから、監視人がおつたが、その間に地下にあつた電話録とか水道とかいろいろな物を掘り上げて不正なことをやつたと聞いておる。それはまあ済んだことだから言つてもしかたがない。現在あそこには保安隊が住つておる。私は保安隊の法律のことはよく知らぬけれども、保安隊の物件としてお認めになつたものとすると、たいへん高価な建物をお持ちになつておるわけです。これを新築するとなれば、たいへんな予算をとらなければならぬ。こういう関係について何か調達庁の方でお引継ぎをなさる場合に、現在の保安隊あるいは大蔵省の関係会計検査院との関係において事前に何とかこういうことのお打合せをなさつて決定をなされるような方法とか機関はないものでしようか、これは何分むずかしい問題ですが皆さんの職務管轄外だが、ただ常識論からどうした方がいいかということを教えていただけばたいへんけつこうです。決して責任を問うとかそういう意味ではございません。未然に事を防ぐために御意見を承つておきたい。
  46. 根道廣吉

    根道政府委員 ただいまのお尋ねのように、直接所管のことではございません。ただ例に引かれました越中島の商船学校——学校施設でございます。私も文部委員会等に出席を求められまして、いろいろ話をさせられたことがございます。もちろん学校学校の用途に使わなければならぬことに商船学校のごときはあそこに帰る必要があるということも文部当局も強く主張をしています。その当時はまだ占領下でございまして、一応軍が接収しておりました。そのあとで予備隊が軍の借りているその建物の一部に入つてつたというようなかつこうです。現在は全部入つている、こういうことなんです。これはもちろん国有財産のことでありまして、文部省の所管でありますが、文部省においても私聞いておりますところ、できるだけすみやかに元の学校に移したいと考え努力していると承知しております。  それからまたもう一つの例では鹿屋のことを申されました。どうもそれらの土地建物等は国有財産であります。国有財産が接収を解かれますと、調達庁が一旦形式的にこれを受取りましてこれを大蔵省の管財局に引継ぐわけであります。これをその次どういうふうに処理するかということは、大蔵省の管財当局の所管ということになります。予備隊が使うということについても、おそらくその場合大蔵当局と協議の上でそこに場所を求められたのではないか、こう想像します。
  47. 永田良吉

    ○永田(良)委員 今この問題は各省と大蔵省との関係において決定せられるとおつしやる。そこで委員長、あなたは大蔵省にも長くおられたのですが、どうですか、こういうことは大蔵省の方がしつかりやつてもらわないと、ほんとうにあとでめんどうをこうむる。これについてどういう所感を持つておられますか。
  48. 迫水久常

    迫水委員長代理 決算委員会の問題とあまり関連がないと思いますし、永田さん、国有財産のところはまたあとで出て来ますから、そのときに……。
  49. 永田良吉

    ○永田(良)委員 それではよろしゆうございます。
  50. 山田長司

    山田(長)委員 非常に幼稚なことを伺いますが、大体物件売却されるとき、新聞で広告されていることは私たち記憶をしておりますが、この新聞以外にどういう方法で告示されたのであるか、一応この点を伺いたいと思います。
  51. 山内隆一

    山内政府委員 新聞以外に現在とつている方法としては、各地方調達局の入口のところ、多少場所は違いますけれども、大体入口の近辺に大きな掲示を出すことと、それから同じ文章で県庁とか、市役所の人通りの多いところに、やはりそういう掲示を出さしてもらうとか、それから郵便局のような人の多いところに出さしてもらうとか、新聞広告以外には、そんなことをして一般には公示いたしております。そのほか、かなり長くやつておりますと、常連といいますか、始終来る人が相当わかつておりますので、その人々に対しては特に印刷物で送つて、なるべく参加してもらうような方法をとつております。
  52. 古井喜實

    ○古井委員 きよういただきました関係者調書というものを拝見いたしますと、関係者に対する処分のところに何も処分のないのもありますし、それからまた「厳重注意」と書いてあるのがたくさんありますけれども、この厳重注意というものはどういうことでありますか。口で将来を十分に戒めたということでありますか、あるいはそれ以上の特段の形でもつて注意を加えた場合のことでありますか、その点を伺います。
  53. 山内隆一

    山内政府委員 お手元に印刷物をお渡ししてあると思いますが、その中の「厳重注意」ということは、口頭で地方の局の局長または部長から担当員を呼んで十分そういう間違いのないように将来を注意するということであります。それからこの「訓告」は、これはある一定の形式をもつて注意を促す、戒める、大体そんなようにしておりまして、この場合にはその形式をもつてつたというよりは、呼んで十分将来を注意することの方が多いのであります。
  54. 古井喜實

    ○古井委員 少し私も記憶が古くなつたですけれども、訓告というのは、ほんとうの懲戒上の処分でもなかつたように思うのです。それからなおこの「厳重注意」ということは、これはまつたくただ形だけのことで、これは警告にもならず、むろん懲戒などとはまつた関係のないことでありまして、いわば処分をしないでおいたと同然だろうと思うのです。訓告にいたしましたところで、おそらく正式のきつい懲戒処分でもないだろうと思うのです。けれども、ただいまの関係のところだけ見ましても、関係者が懲戒上の処分を受けたいという場合は、三五号一件のように思います。あとは訓告にも至らない、ただ口頭で厳重に注意をした、こういうふうな始末になつておるように思うのであります。これはどうも少し当該の関係者に対する処分が手ぬる過ぎるのじやないか、ここに批難事項として掲げられておるいろいろな事例を見ますと、どう考えても当該の関係者に故意があるか、あるいは少くとも重大な過失がある場合が非常に多いと思うのです。のみならずさらにこの背後には犯罪事件になるべきような事実があるという場合がたくさんありはせぬかというふうに想像されるのであります。私は前会関係者に対する処分がどうなつているか、またこれに関連して刑事事件が起つた状況がどうであるかという資料をお願いしたのも、実はその点からお願いしておつたのでありますが、はたしてきよういただいた資料から見ますと、いかにもこれは官紀が弛緩して、それに対する戒めが軽過ぎるという感じが実はいたすのであります。ちようど今御審議なつております事件を見ましても、どう考えてもこれは関係者にあり——不在か、少くとも大きな間違いがなければならぬというふうに思えるものがあるのであります。決算の問題についてやはり考えなければならぬのは、当該の関係者というものの処分、それから金銭上の埋合せをどうさしたかということだけでなくて、当該関係者に対する処置ということもこれは厳重に考えなければならぬ問題だと思うのであります。同じ人間がたびたび関係者なつておる人も、これを見るとあるのであります。しかしほとんど処分を受けていない。こういう状況を繰返しておつては、こういう乱れた事実あるいは誤つた事実が起ることはまことに当然のような気がいたすのであります。たしか特別調達庁は内部の事務組織が契約部とか、技術部とか、管財部とか、縦割式になつておつて一つ事件が一箇所ではさばけないで数箇所が関係する、自然あやまちがないようにするという仕組みであつたはずだと思うのであります。しかしここに現われた事実から見ると、どうも機構のねらいとほど遠いような気がしてならぬのであります。かつまたその結果に対していかにも措置が甘過ぎるという感じがするのでありますが、その辺について、少し処分が甘いじやないか——私は甘いと判断するのですが、どうお考えになるか、これを伺いたいということ、それからなおまた二十六年度以降において懲戒処分を受けたものが一体減つて来ているか、ふえて来ているか。これは数字があればよろしいですけれども、なければないで、およその判断でお答え願つてもよろしうございますが、どういう状況でございますか。懲戒処分あるいはそれに類似するような処分を受けるようなものがふえて来ているか。減つて来ているか。またもう一つ先にさかのぼつて、こういうふうな批難事項に類似するような事件が、二十五年はこうですが、二十六年以降はふえて来ておる傾向にあるとごらんになつておるか、だんだん減つて来ておるようにごらんになつておるか。この点は先に調達庁の方から伺つて、それから検査院の方のごらんになつておるところをお伺いしたいと思います。
  55. 山内隆一

    山内政府委員 いろいろな事件に対しまして処分が甘いのではないかというお尋ねでございます。実はこの処分につきましては、事件ごとにいろいろ頭を悩ましているわけであります。重からず、軽からず——もちろん重く処分するものは当然重く処分しなければならなぬのであります。この場合にわれわれといたしましては、案件によりましては、いろいろ他の官庁等の類似事件の起つたものとの比較をとりましていろいろ処分いたしております。どうかすると、われわれとしてむしろ調達庁がいろいろな批難を受けるというふうな現実にもかんがみまして、また前国会等におきましても同じような御意見も出たことがありますので、私どもとたいしましてはできるだけ厳重処分するという方針をとつております。しかし甘いと仰せられるわけですが、もちろん故意は事を運んだとかいうようなことがあれば、それはもちろん厳重に処分いたします。またこれが犯罪的性質があると思うようなものがあれば、たとい起訴に至らずとも懲戒処分にするといつたような措置をとつて来ております。なおまた最近の傾向として多少はよくなつたかどうかというお尋ねでありますが、批難事項としてあげられるものでありますけれども、全般におきまして、過去においては、もし検査院としてあげようとして無理すればもつとたくさんあげ得たというような事態があつのだろうと私は考えております。それと比べますと、二十六年、二十七年になりますと、件数といたしましては非常に減つて来た。またたとい件数は同じでも質的にはよりよくなつた、こういうふうに考えております。しかしながらいずれにいたしましても、数十件という件数があがる以上は、何と申しましても私どもとして申訳ないと申し上げるほかはないと思います。
  56. 上村照昌

    上村会計検査院説明員 二十五年度は五十一件あがつております。それから二十六年度は検査が大体終了いたしまして、現在検査報告として出す案件審議中であります。それから二十七年度はなお検査続行中で、二十七年度のことはちよつとまだはつきりわかつておりませんから申し上げられませんが、二十六年度について申しますと、案件が幾ら出ておるかちよつとわかりませんが、相当件数が減つておるというふうに思います。ただ私の方の検査の体制をちよつと御参考までに申し上げたいと思うのですが、二十五年度の検査をするまでは二つの課を設けて二つの課でやつたのであります。二十六年度の検査を施行する場合には、課が一つなつて、人員は半分よりはちよつと多いくらいという程度ではありますが、課が少くなつたから必ずしも人員が少くなつたというだけではなくて、経理も相当改善されたというふうに考えております。
  57. 古井喜實

    ○古井委員 これは二十六年度の状況は、いずれまた正確なところを拝見する機会もあろうかと思つておりますが、お話によれば、幾らか該当事項が減つて来ておるように見えるというお話でありますので、これは後日正確な御報告等と照し合せて拝見したいと思います。そこで厳重注意というようなことは、これは意味をなさないのでありまして、おそらく懲戒にも至らぬのみならず、痛くもかゆくもない。やつたという証拠も一つも残つておらぬ。訓告にしても痛くもかゆくもありはしない。これは相当厳重にやる方針だとおつしやいますけれども、どう考えてもそうは受取れない。少くとも当時はそういう方針でなかつたというほかはないように思うのです。ことにこの背後に、どう考えてもこれは贈収賄とか、犯罪がなければならぬと思われる案件もあるように思うのであります。しかしながらそういう事実は少しも掲げておらない、これはなかつたという調べになつております。その辺もよくあることで、あるところで始末をつけたいというふうなことが間々あると思いますけれども、事柄からいつて、少し緩に流れ過ぎはせぬかといううらみを持つので今お伺いしておるのであります。ことにたとえば三五に掲げられた事柄のごとき、これはさすがにだれがどう割引をしても簡単に済ませないというお考えであつたか、懲戒上の処分が加えられておるようであります。まことにひどい事件だと思うのです。金を十分に払つておらぬのに品物を渡してしまつておるということなんで、結局金は入らぬ。代金を納めないで品物を渡してしまうというようなことはまず考え得ないことだと思うのです。こういうことには必ず背後に何事かなければならぬと思うのであります。近代における法規の弛緩ということはまことにひどい。われわれの従前の経験から申しますと、一体宴席に出るということさえ非常に戒めたことでありまして、私は大分長い間内務省に勤めておりましたけれども、とにかく他人の席に出るという場合には非常に戒めたものです。われわれの記憶では、大阪の市長が初めて就任したというときに、東京に来てあいさつするという公々然たるあいさつの宴席には出てもよろしい。北海道長官が議会の済んだあとであいさつをするという宴席には出てもよろしい。この二つは出てもよろしいというくらいで、あとあらゆる人の宴席には出ることさえ戒めたくらいの状況であつたのであります。しかし今日というか、終戦後は宴席に出るのはあたりまえしごくで、それをさいそくするのもあたりまえしごくという状況のように見られるのであつたのであります。それから先のどこまでこれは一体深みに入つているものか、この事実を見ながら非常に心をいためておるわけであります。私はこれはもつとあとを通覧して処置がどうであつたかということについての判断をして見たいと思つておりますので、きようは中間でありますけれども、なおその辺についてやはりこれは厳重に——これでも処分して来たのだということを自信を持つておつしやることができるかできぬか、念のためにもう一ぺん伺つておいて、この話はとめたいと思います。
  58. 根道廣吉

    根道政府委員 今までのところ一応妥当なる処分をもつてつておるわけであります。この点につきましてはわれわれの処分が少し手ぬるいというような感もあるかと思います。そういう場合には実は国会においてこれを審議される以前におきましても、検査院当局ともいろいろこの点については事実上お話をいたします。犯罪的傾向があるというならば、またそのようにできるだけ事前に処置をいたします。大体において検査院当局において正式にはわれわれには申すわけには行かぬのだろうと思いますけれども、大体適当なる処分と思われる線においてやつております。なおまた先ほど来いろいろな宴席に部下が出る。そのためにいろいろな問題が起るじやないかというような御懸念があるようなお話でありましたが、この点につきましては、今の解除物件関係業者と直接に折衝してやる者については、ごちそうはできるだけ受けるな、友だちづき合いの特殊な関係ならこれは別といたしましても、業務関係あるものは出るなというふうに私は言うております。
  59. 古井喜實

    ○古井委員 くどいですからもうやめますけれもど、これは要するに厳重に処分をしたつもりだとおつしやるのですか。きようのここに掲げられているところですが、どうなんですか。ほんとうにそうお考えなつておるかどうか伺つておきたいのです。一々例をあげるまでもありませんけれども、たとえば二八のごときものを見ましても、安くある会社品物を売つた。安く売つたのみならず、その買つた会社は、買つたその月に、当初京都市に納めるといつて、それをほかのところに売つてしまつておる。これは京都市に納めるのだといつて安く買つておるのだ。しかるに買つた月に、京都でないほかのところに売つてしまつておるというような事実もあるのです。こういうことがどう考えても起るはずはない。それに対して処分はどうなつているかというと、厳重注意。厳重注意といつても口で言う話であつて処分なつていない。だからあまり白々しくおつしやらないで——実は私はこれは得心が行かぬのです。そのへんをほんとうに自信を持つてそうおつしやるのか、一ぺん伺いたいと思うのです。
  60. 根道廣吉

    根道政府委員 今御例示になりました点について、申し上げますけれども、これは正式に京都市の水道局の買受委任という形で出て来たものであります。その業者がよそに売るということを、事前に知つてつて、またそのために安く売つたという事実があれば、私どもとしても当然にさらに強い処分をすべきであります。しかしこの場合の件のごときは、係官を調べましても京都市に売るという形においてなされておりますので、あるいは裏にそういうことがなかつたとは私断然として申し上げるわけには参りませんが、その聞取調べた結果によりますと、本人は故意、悪意がなく京都市に売るという建前においてやつたものである、従つてその程度処分しかできなかつた、こういうようなことになつておると思います。
  61. 古井喜實

    ○古井委員 つまり監督も盲であるし、やつておる職員も盲であるということになるのであつて、それだからみすみいすその月にほかに売つてしまつておるぐらいの事実が起つておる。それを知らなんで、京都に売るつもりで売つたという職員がおるなら、よほどこれは間が抜けておるというか、どうかしておると思うのです。それからまたそう本人が言つておるからもうその通りだというふうにお考えなつておる監督者も心細い話で、そういう監督を受けておるくらいならば、安心してどんなことでもできるのであります。もう少しこれはつつ込んで、洞察してごらんにならぬと、そういう程度に監督されてはたまつたものじやない。
  62. 根道廣吉

    根道政府委員 まあそういいかげんにやつておるわけじやないことはもちろんであります。われわれとしてできるだけ調べて、本人の悪いことが後にわかればさらに追加処分をいたしたような例もございます。
  63. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 先に進みたいのですけれども、今一般的な問題が論議の焦点になつておりますので、ついでにもう少しその辺をまとめておいたらという趣旨で、一般的のことを尋ねてみたいと思うのですが、二十六年度、二十七年度、これはすぐ用意がなければかまいませんが、二十六年度、二十七年度を通じまして、年末——あるいは二十七年は現在でもよろしゆうございますが、大体この種の処分すべき物件というものはどれほどあるのですか、価格にしまして……。調べなければわかりませんか。大体でよろしゆうございますが……。では調べてください。時間の都合もありますから、それではこの種の業務はまだ継続しておるということに——さつきちよつと、量は減るけれども続くように聞きましたけれども、そうですが。
  64. 根道廣吉

    根道政府委員 解除物件は昨年度が非常に多うございまして、七十万トンぐらいだつたろうと思います。
  65. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 昨年は七十万トン、昨年というと歴年ですか。
  66. 根道廣吉

    根道政府委員 二十五年度から二十六年度にわたつているのです。
  67. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 二十六年度に扱つた総量でございますね。
  68. 根道廣吉

    根道政府委員 そうでございます。最近の一番多いときが七十万トン…。
  69. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 金額にしてはどのくらいになりますか。
  70. 根道廣吉

    根道政府委員 金額ではちよつと覚えておりませんが、これは一時に多量に出ましたが、その後急激に減つて参りました。全体の数量は今数字がありますから申し上げます。現在のところ一万六、七千トンぐらい、それを大体において一月か二月くらいの間に処分する……。
  71. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 七十万トンというものは概してどういうものですか。
  72. 根道廣吉

    根道政府委員 いろいろな建築資材、材木、それから土管もございますし、あらゆる種額のものにわたります。何百種類であります。
  73. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 それから本年は一万六千トンぐらい……。
  74. 山内隆一

    山内政府委員 最近の状態は月々まあそう大した相違はないのでありますが、いつでも毎月末の現在では一万六、七千トンぐらいで……。
  75. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 それは一箇月の扱いですか。
  76. 山内隆一

    山内政府委員 各月の処分残でございます。一万六、七千トンぐらいの状態でずつと続いております。出入りはありますが……。解除になつた数量あるいはそれ以上は処分するというような状態でございまして、その程度のものはいつでも在庫しておるような状況です。
  77. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 これは平和条約発効後はどういうものがこういう状態に置かれるのですか。
  78. 山内隆一

    山内政府委員 平和条約発効後の解除物件は大体は実具中心でございます。
  79. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 私のお尋ねする趣旨は、どういうものという種類じやなしに、駐留軍というのですか、その出どころです。
  80. 根道廣吉

    根道政府委員 今総務部長が申しました家具と申しますのは、接収されたうちで使つておりました家具等であります。大体におきましてこれは終戦処理費をもつて支弁して、それに備えたもの、窓かけ等もあります。こわれた机、いす、カ—テンというようなもの、その他電気冷蔵庫のこわれたのとか、洗濯機であるとか、あらゆる種類にわたるわけでありますが、もとは大体におきまして終戦処理費でまかなつた品物が、家が返されたり、いろいろな兵舎その他等が、移転するために、向うが不必要だといつて返して来たものであります。
  81. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 そうすると特別調達庁といたしましては、現在二十六年、七年、八年にわたつてする仕事は、物を扱う面というとおもなものは何ですか。たとえばこちらから指摘してお尋ねしてみますが、接収財産といいますか、そういうもののやはり終戦処理費でつくつてつたようなものを処分をなさることになりますね。それから接収しておつたようなものの補償もありますし、物を扱う、物を対象にしました業務は何になるのでございましようか。大体でよろしゆうございますが……。
  82. 根道廣吉

    根道政府委員 物を扱うといいましても、不動産関係、全般的に言つて物ですが、これは軍に提供する関係のものと、軍から解除されて来て、そのときにおいていろいろ補償する道具、これがございます。解除物件関係のものは軍がずつと以前大量を返して参りました関係上、その後のものは非常に少いということは今申し上げた通りであります。それから調達庁が直接物を買うという面は、御承知のように、行政協定以来軍が直接やることになりましたので、調達庁としては従来は、ただいま問題になつておりますような案件の出て来るような工事費、備品、役務等の業務は今はやつておらぬわけであります。ただこれに関連しましてやつておりますことは、そういうような業者が直接に調達をするために、後にいろいろの問題が生する、その問題のときに事実上あつせん、仲介の労をとつて、できるだけ問題を少くするという業務が非常に付加されておるわけであります。さらに行政協定の十八条の結果とし軍がいろいろな行為をいたします、接収に関連し、いろいろの接収家屋、土地でないその他に影響の及ぼす結果を生ずることがあります。そういうよう補償の面も扱うわけであります。これは漁業、林業いろいろな関係にわたります。それから軍人軍属等が公務上いたしましたいろいろ日本国民に与える損害を生ずる結果になります事件につきまして、国といたしましてこれに対する補償の業務をいたします。公務外にそれらの人がやりましたことについては見舞金というものを軍からもらつてやる仲介あつせん等もございます。
  83. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 そうしますと、住宅なんかの接収したものに対する補償とか、接収しておつたビルの返還をした場合の補償であるとか、あるいはそうした場合の損害賠償だとか、そういうものも現在は調達庁において一切を扱つて行くという建前であるわけでありますね。
  84. 根道廣吉

    根道政府委員 それが現在調達庁の職務であります。
  85. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 そうしますと、そういうものの評価ということが非常に重要な関係を持つて参ります。そこでさきに古井委員の質問がありました点に一応触れておきたいと思うのですが、また私が前に関連質問しましたのに対する御答弁も不満足であつたので、なおお尋ねしてみたいと思うのでありますが、やはり今後の調達庁仕事の面はよほど厳正にして行かなければなるまいと思われるし、また機構上の欠陥があればこの欠陥は当委員会におきましてはあけすけにひとつ明らかにして行きたいと思うのです。あなたの方においてお気づきの欠陥があればこれはひとつ明瞭にしていただいて、そうしてやはり国家財政の処理の問題なんですから、これは今後どうすべきかということの意見をやはり国家としては持つべきが至当だろうとわれわれは考えております。こういう意味におきまして、やはり自分の部下を処罰するということになりますので、これは忍びないという面もあろうと思うが、同時にしかしながらこういうふうに今後やらねばいかぬ、こういうふうな点がどうもぐあいが悪いということは、どうしてもあなたの方においては仰山あるのじやないかと思うのです。そこで今その点のあなたの所見が伺われれば、相当大胆に、あなたの地位を離れて、第三者のような立場から、最もりつぱな——調達庁がこの平和回復後の新しい大きな事業、この事業を扱う上におきましても、相当これは明瞭にかつ公正に、あるいはまた適切に、時宜を得た処理をして行かねばなるまいと思いますので、この点に対する相当確信のある所見を承つておかねばなるまいと思います。
  86. 根道廣吉

    根道政府委員 御承知のように、平和条約が効力を発生いたしましてから、それに伴うて行政協定が同時に成立いたしました。その結果調達庁の職務内容が非常にかわつて来たわけでありますので、今年の八月一日以降調達庁は組織が大いに変更になつております。本庁におきましては、総務部、不動産部、労務部というふうに相なつておりまして、行政協定十八条との関係におきまする問題は、総務部において処理いたしております。また不動産関係の問題は特に重要視いたしまして、これを特に拡充強化いたしてやつております。労務部は大体において従来の職務内容そのままでありますので、大した変更はございません。ただ地方に監督官を多少増して巡回せしめるという制度をとつております。不動産の問題につきましては、いろいろ各方面から要望があるわけであります。その補償問題につきましては、水産問題でありますれば、水産庁と協議の上で、水産庁のつくりまする技術的査定によりまして、調達庁がさらに査定をしてこれを出すということになつております。農林関係についてはやはり農林省と相談をして、実際の物事を進めているわけであります。  不動産の補償等の額はどうしてきめるかと申しますと、これは現実の損害を補償するという建前になつております。これは実に厳密なる検査をいたすのでありまして、損壊個所を一々旧状を青写真にとります。大きなビルの補償問題になりますと、一尺、二尺というような青刷り写真までつくらねばならぬわけであります。それによりまして厳重にやるのであります。でありますから、一般の声といたしましては、あまり手続が煩瑣であつて査定が厳重で、いくら調達庁が払うといつても、自分たちの思う半分にも及ばぬという声が、実は聞えて来るのであります。しかも金がおそいということを聞く方が多いのであります。私といたしましては、できるだけ被害者の身になつ考えるという建前をとつております。また早くやることを考えております。精算となりますと、国の確実支出と相なりますので、これはいろいろな問題があります、これを確定するまで待つておりますと、実に容易ならぬ時間がかかるわけでありますので、誤りなきできるだけ簡単な基準——これも相当こまかになつておりますが、基準を立てまして、でき得る限りその半額を支払うという概算の方法をとらなければいかぬということで。すでにそういうこともやつておるわけであります。調達庁の仕組みがこの八月以降かわりましたことにつきましては、新しい仕事といたしましてあやまちのないように、かつすみやかに処置するように、随時局長も集め、あるいは担当の部長等地方より招集いたしまして、最近何回となしにいろいろ中央より指導しているような次第であります。
  87. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 一応それは切つておきますが、今の機構の御説明並びに仕事のやり方の御説明は、実は質問の趣旨に合わぬのです。私はそうじやなしに、あなたの方にこれほどたくさんの批難事項が起つておりますので、そのよつて来るところ、その処分等についていろいろと批判があつた。そういうようなことであるし、今後補償の問題も、またいろいろなものに対する処理の問題も、かわつた機構として非常に重大な問題が山積しておる今日、あなたとして、根本的に改めてかくあらねばならぬ、こういう措置をとらねばならぬということが、過去の暗い実績に徴してなければならぬと思うがどうですか、こう尋ねたのであります。しかしそんなことで時間ばかりとつてつてもしかたがありませんし、今日はどうせ済まぬと思いますので、別の機会にまた伺うことにして、一応その程度に伺つておくことにいたしましよう。  そこでついでですから伺つておきますが、本年の特別調達資金というのはどのくらいあるのですか。
  88. 根道廣吉

    根道政府委員 特別調達資金というのは、労務関係におきまして、特別調達資金七十五億というのがございますが、それでは現実にまかない切れませんので、法律で特別調達資金設置令というのがございますが、これでさらに五十億円の借入をすることができることになつております。これは全部労務関係の経費をまかなうことになつております。
  89. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 それからこれは大蔵省関係になると思いますけれども、防衛支出金などのうちであなたの方が使える金があるのですね。
  90. 根道廣吉

    根道政府委員 その関係におきましては、一応九十二億円というものが六百五十億円の中からわけられてありまして、米国側の用途に供するものが五百五十八億円であります。
  91. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 アメリカ関係における特調の業務の用途に供する分ですか。
  92. 根道廣吉

    根道政府委員 その分は九十二億円でありまして、それが主であります。
  93. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 さつきの別の項目ですか。
  94. 根道廣吉

    根道政府委員 そうです。そして地代、家賃に……。
  95. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 予算措置としては大蔵省の所管に属しておりますね。
  96. 根道廣吉

    根道政府委員 それ以外の従来の終戦処理費に類似するようなものは、全部大蔵省所管であります。
  97. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 それから前年の繰越し手持ちはどのくらいですか。
  98. 根道廣吉

    根道政府委員 前年度の終戦処理費の繰越しは百八十億円くらいであります。
  99. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 そうすると本年特別調達庁として支出し得る金は、百八十億円と九十二億円と七十五億円と五十億円になりますか。
  100. 根道廣吉

    根道政府委員 そういう数字には相なりません。
  101. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 一応この程度にしておきます。
  102. 松本七郎

    ○松本(七)委員 一般的な問題に触れておりますので、先ほどの御答弁に関連してちよつと伺つておきたいのです。まず最初に検査院側の御意見を伺いたいのは、民間の家屋で接収されたものの家賃の問題ですが、これは大体三箇月以内に家賃が支払われる建前になつておるのが、実際には三箇月以内に払われない。普通は六箇月くらいたつてやつと払われる。はなはだしい場合は十箇月も遅れて払われるというのが今までの実情だつたように思います。これはそれほど遅れて払われるということになれば、金利だけでもたいへんな金になるだろうと思います。検査院としては、今までの天皇直属の検査院から国民に奉仕する検査院とかわつている建前からいうならば、国の財産を不当に安い価格売却したとか、あるいは会計取扱いの不正を防止するとかいうことばかりでなしに、国民一般が不当にこうむつた損害を防止する建前からも、これは厳重に検査して警告も与えなければならぬのではないかと思いますが、そういうことについてどういう御意見があり、かつ今までそういう不当に遅れておつた家賃の払い等について、特別調達庁あたりに警告でも発せられたことがあるのかどうか。そういう点を検査院側に伺つておきたいと思います。
  103. 上村照昌

    上村会計検査院説明員 ただいまお話のように、家賃の支払いその他が遅れることははなはだ遺憾と思いますが、遅れる場合は、家賃の金額が確定しないとか、あるいは争いがあるというような場合も相当あるいと思います。それで金額がきちんときまりまして、請求がありますれば当然払わなければならぬものでありますから、そういうものがもしあれば注意して行きたいと思います。今までそういうもので調達庁の方へ御注意申し上げたものはありません。
  104. 松本七郎

    ○松本(七)委員 実際は金額についての争いがあるとかそういうことでなしに、一般にはつきりしていることでもおそいのです。三箇月以内となつているのですが、六箇月が普通、ひどいときは十箇月も一年も遅れておるというのが実情だと思います。調達庁の方ではいかがですか。
  105. 根道廣吉

    根道政府委員 家賃の支払いの遅れておつたことは事実であります。この点については、私も非常に遺憾に存じます。調達庁の方としてもできるだけ早く払いたかつたのでありますが、これにはいろいろな事情があります。途中におきまして家賃の値上げの問題が何回か起つてつたわけであります。その場合、当時は終戦処理費のうちから出しますので、支払いについて新しい基準について一々軍の承認を求めなければならぬというやつかいな問題があり、その承認の来ないうちは払つてはならぬ。こういうことでありました。たとえば一昨年でありましたが、家賃を上げるということになりまして、原則的に承認を受けたわけであります。せめてその年の暮れまでには上つたものを払おうというつもりで資金を用意してあつたわけでありますが、軍から上げ方が急激ではないかといつて承認をしてくれなかつたので、遂にそれは翌年に持越し、さらに三月に至りまして私の方より再三折衝いたしたのでありますが、軍を値上り分について承知をしてくれなかつた。それでやむを得ず旧家賃を支払いまして、余分のものは明許繰越しをして持ち越したわけであります。軍の承認は八月に至るも実は来なかつたのであります。従つて私やむを得ぬと存じまして、七月の末及び八月の初めにかけまして、できるだけ多くを支払うという措置をとつたのであります。その間の接収されて困つておる人たちの実情は私も十分承知しておつたのですが、そういうようなことがあつて非常に迷惑をかけたということは、まことに遺憾であると思つております。その後の状態はまた事かわりまして、日本政府が独自の立場でやれるので、支出そのものについては予算があればいつでも払えるという状況に相なつたのであります。つい最近まで、まだその後の家賃の値上げというものが確定いたしませんので、上つた分については支払いが遅れましたけれども、確定分につきましては逐次追加払いをやつております。なおまた従来はまさに三箇月使つた後でなければ払つていかぬ、軍が一種の領収書をくれまして、それに基いて払えということになつておる。私どもはそれを三箇月前に払いたい。しかしこれは事態が完了せぬうちはだめだというのでずいぶん争つたものであります。しかし今後は三箇月分の前払いをするというふうに直して参りました。現実の段階はまだそこまで参つておりませんが、今後接収ならいわゆる強制的なものになりますが、あるいは随意契約によつて借り上げまする民間の家賃については、来年度あたりからは三箇月のうちの支払いも可能になるようにしたいと考えております。
  106. 松本七郎

    ○松本(七)委員 もう一つだけですが、接収された家屋の解除された場合の補償の問題については、何かきちつとした基準でもつくつてあるのか。接収されておる間に日本間を洋間風に改造した。そういうものはおそらく補償されると思うのですが、最近問題になつておるのは、両漏りがする、それも進駐軍が入つた当時に始まつて、そのときにすぐ修理しておけば大して被害がないものを、ほうつておいたために、解除になつてから修理すると非常な額になる。それを調達庁の方に交渉すると、耐用年数が来ておるということで、全然払われない例がたくさんあるらしい。これはただ屋根ばかりではない。あるいはボイラ—とか、そういうふうなものにしても、耐用年数が来ておるからだ、これは進駐軍の接収によつての被害ではないということで片づけられるという声を非常によく聞く。そういういろいろな問題が起つておりますので、何かきちんとした基準でも立ててやつておられるかどうか、そうでなければ情実によつてやられる危険性が多分にありますから、そういう点を少し御説明願いたい。
  107. 根道廣吉

    根道政府委員 この点については明確なる基準を持つております。全体的の原則といたしましては、実損を補填するという建前であります。また今御例示になりましたように、自分が住んでおれば直し得たはずなのに接収中であるから直せなかつた、そのために損害が不当に多くなつたというものについては、その認められるものに対しては現実にも補償いたしております。
  108. 大矢省三

    ○大矢委員 この物件払下げの場合に、先ほど質問がありましたが、個人随意契約になるといろいろな問題が起きるから、公共団体の証明をとつて来れば簡単でいいということを当時しきりに言つた、そこで先ほども出た京都とか福井県とかでは、水道工事に使うのだと称して各公共団体の証明をもらつても、実質上はそこに納まつていない。一部だけ納まつておることがしばしばある。そういうことに対してただちにではなくても、数箇月後に検査院もしくは調達庁の職員の間で、はたしてこれが公共団体に納入されておるかどうかということを調べられたか、またそれが全部納まらなくても、どの程度納まつておるかということも、その後直接に調べたかどうか。少しばかし納めてあとはほかに売却したり、一つも納めずして証明だけとつて、個人の随意契約をやつて問題になつておる。現に尼崎市なんかでは、一つも納まらなかつたということで市会の問題になつた。このほかにも相当数あると思う。その随意契約のときに証明がついておつたかということを調べたかどうか。  それからいま一つは、契約するときに保証金を幾らとるのか、これは大蔵省の所管かあなたの方の所管か知らないが、接収されておつたものが解除になりまして、それを最近くず鉄その他について売却しておりますが、これを少数の製鉄会社随意契約をしておる。ところが保証金をとつていないというために、いつまでたつてもほうつておく。もしこれを個人に競売すれば、ただちに保証金を納めるからすぐ撤去して跡がきれいになるけれども、そういうことをしない。二人で契約をしたときに保証金をどのくらい納めておるかという、こ二点についての簡単でけつうですからお答え願いたい。
  109. 山内隆一

    山内政府委員 公共団体に対する解除物件払下げは、一般の人に対するよりも多少便宜を与えております。それは、解除物件払下げについては公入札を原則といたしておりますが、公共団体がほんとうに必要だというものに対しては随契で売るような措置をとつております。ただこの場合には、手続からいいましても、公共団体でありましても、大蔵大臣協議というような手続がありまして、一々地方の局長から本庁を通じて大蔵大臣に協議をいたして承認をとつてつております。それから保証金の点は、一般には入札保証金が百分の五、それから契約保証金は百分の十と覚えておりますが、これをとりますけれども、公共団体に対しては随契であります。契約保証金も多くはとつておりません。ただ私ども心配したのは、公共団体と称して市長の名前で申請して、実際はほかの人が介在して他に売り払つてしまうとか、あるいはある仕事に使うと称してその通りに使わなかつたというような心配がありましたので、でき得るだけその品物を買う予算があるという予算決議までもつけて申請をさせるとか、予算はまだ決議をしていないという場合には、少くとも市長がどこまでもそういう工事のために使うんだという強い市長の意思をはつきり確かめて、それから随契をするようにいたしております。ただそういうふうに用意はいたしてありますが、あるいはまれに市長に払い下げたものが一部他にまわつたという例はないではありません。これは非常に遺憾に思つておりますが、市長としては、その仕事に使つたけれども、残材だから売つたとか、あるいはその工事に使う予定であつたけれども、悪くて使えないからほかへ売つたというような言い分をいたしておりますが、いずれにしても若干他にまわつたことがないではないということは、非常に遺憾に思つております。十分用意して払下げしたつもりでございます。
  110. 大矢省三

    ○大矢委員 公共団体に直接やつたことを聞いておるんじやないのでありまして、公共団体に納めると称して買つた物が事実上そこへ納まつていない。それには証明がついているから個人に随意契約した。これは証明がつけばそうし得るといつてむしろ職員の方から教えてくれる。そうしたことがとり組んでお互いの間にそういう不正が現に行われた。そこで払い下げたものをはたしてそこに使つておるかどうかということを調べたかどうか、これは検査院の方にもお伺いしたい。
  111. 山内隆一

    山内政府委員 公共団体の仕事業者が請負つてその仕事に使うという理由で払下げを受ける場合も相当たくさんあつたと思います。そういう場合には、公共団体に対すると同じように随契をしてもよろしいという方針を立てまして、特にこれは公共団体の何の工事に使う、その工事に必要材ということを明らかにした場合は随契をした例がたくさんございます。この場合にも、先ほどの公共団体直接の場合と同じような心配がございますので、十分その点は、そういう間違いのないように確かめて、あとの結果についてもできるだけそういう間違いがあるかないかを調べるようにいたしておりますが、やはりいろいろの手数の関係、手不足等の関係もありまして、十分調べがつかぬために、あるいは他の方にまわつたものがないとも限りませんで、この点はまことに遺憾に思いますが、そういうことのないように今後も十分注意いたすつもりでございます。
  112. 迫水久常

    迫水委員長代理 本日はこの程度といたしまして、次会は明後十九日金曜日午後一時より開会いたします。なおその際は調達庁長官にぜひ御出席を願いたいと思います。  本日はこれにて散会いたします。     午後三時五十五分散会