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前田(正)
委員 大臣の率直な御答弁、まことにけつこうだと思うのでありますが、実質的には
輸出制限というものはあまり効果はない。そうかとい
つて今交渉しておられる段階においては、なるほど向うが解かなければ解くわけには参らぬことは、
日本の国としてはあたりまえの話でありますけれ
ども、実質的には効果がなくて悪い影響を与えたということになれば、
日本の方から進んで
輸出制限を解いて、
外国に対して公平同等な立場で向うの輸入制限を解いてもらいたいという話をして行くのが当然じやないかと思うのであります。
大臣もこの点についてはよく御研究をお願いしたいと思いますが、しかし今
お話のように、われわれの国といたしましては、こちらからの
輸出は向うからの輸入に見合
つてや
つて行かなければ、外貨の帳じり上合わないという問題が出ますから、当然向うの輸入を促進しなければなりません。ところが御
承知のように、ポンド地域から輸入しようというものにつきましては、その品目、数量等について
日本としてはなかなか問題があるのであります。そこでこれをや
つて行きます
ためには、どうしてもこの
機会に向うの
方面において
日本向けの資源を
開発するとか、あるいは
日本に輸入すべき品物の
生産の
増強に
日本が協力するとか、こういうふうな態度をと
つて行かなければ、ポンド地域
方面に対する
貿易の
発展はなかなか困難じやないかと私は
考えるのであります。
従つて東南アジア
方面の
経済開発に対しましては、
日本はできるだけの協力をして行かなければならぬと思うのであります。ところが御
承知だと思いますが、
日本から出して行きますものはどうしても技術が伴いまして、重工業製品的なものとかあるいは機械工業製品的なものとか、こういうようなものが相当多いのであります。これを出して行くについてまず第一に問題にな
つて来るのは、その決済の問題でありますけれ
ども、東南アジアの
方面が
日本の品物に対しましてすぐの決済というものはなかなか困難だ、これが実情であります。東南アジアというものはやはり金が足らない、そこでこれを
打開する
ためには、無為替
輸出をするということについて
——日本も前には一度やつた例もあるのでございますが、今後は無為替
輸出をやるということは非常にむずかしいのであります。またそういうことに対する制度というものは、これはゴアの鉄鉱石だと思いましたが、これはやりますについては、相当
政府の中においてもいろいろと問題があつたのでございます。今後はそういう決済の長いものにつきましては、無為替
輸出ということに対して、
日本政府としてはこれをスムーズにやれるように
政府の
政策として
考えていただきたい。同時にまた、一方前から
考えられておりますことは、東南アジアその他において合弁会社をつくろうという
意見が非常に多いのであります。インドネシアその他においてはたくさんあります。そうしますと、どうしても当然
日本といたましては無為替
輸出でしました製品は
——これはゴアの場合はたしか鉱石と決済するというふうなことにな
つて、前払いみたいにな
つておつたと思いますけれ
ども、これから合弁会社になりますと、そういう機械設備等は投資ということにな
つて来る可能性があるわけであります。そこで
日本が
海外に投資するという問題が出て来るのであります。ところがこの問題についてはどうも
政府の
方針がはつきりしない。しかし私
たちは、先ほどから申しますように、
日本に輸入する品物を東南アジアから求めようというからには、どうしても向うの資源を
開発し増産することに協力するよるよりほかに方法がないのであります。そこで当然この際無為替
輸出の円滑なことと、同時に
外国に対しまして、特に東南アジア、ポンド地域
方面に対しまして投資をするということについて
政府は根本的な
方針を確立される必要があるのじやないか。
政府の直接の投資というわけではありませんけれ
ども、民間が投資しようという場合においては、少くとも
政府はそれに対して便宜をはかろう、特に前から問題にな
つております場合は、ポンドなんかの手持ちも多いから外貨投資をしてもいいのじやないか、こういう話も前から出ておるのであります。そうい
つたような無為替
輸出の問題とか、外貨投資を含めましたところの合弁会社に対する投資であるとか、こういうことに対しては
政府は積極的な
方針をと
つて行かれるべきであると思いますが、
大臣はどういうふうにお
考えにな
つておるかお聞きしたいと思います。