○帆足委員 まことに明快な御答弁を伺いまして、満足であります。またそうあるべきものであると思います。個人なり一
政府、一政党の主義によ
つてこれを決定すべきでなくて、各
団体はそれぞれの性格を持
つておりますが、
引揚げに当面役に立つならば、それをも
つてよしと考えなければならぬということは、私はま
つたく御同感であります。そうだといたしますならば、せつかく三
団体の
代表者が、民間
団体であるにもかかわらず、受入れのために非常に
努力しておるので、
政府としてはむしろ感謝すべき性質のものだと思うのです。その三
団体の
代表が
会議の上で、船中の
世話をするために三名か数名くらいの人を乗せた方が円滑に行く、それが必要にしてかつ合理的であるというふうに三
団体で
意見をまとめ、
中国側も、それは自分の方としては紅十字との
連絡上都合がよかろう、そこまで言われるものを、なぜいやだいやだと言われるか。これは、先ほど皆様がお聞きの
通り、輿論が、それが何ゆえであるかを判断するでありましよう。
そこで、一体
船長さんにまかせると言いますけれども、これは、
船長さんのお人柄にもよりましようし、また能力等にもよりましよう。従いまして、具体的に
船長さんでこれが円滑に行くかどうかということは、抽象論では申しかねますけれども、しかし、前後の事情からいたしまして、こういうようないきさつがあ
つたということは、
引揚げ同胞の方の全部が知
つておることですし、ただいま
飯塚委員からお尋ねがありました畑中君からの
電報のことにつきまして、友好協会の人に尋ねましたところが、東北、すなわち満州からの
帰国の
日本人たちが、三
団体の
代表者が
乗船して
世話してくださることを熱望しておるということでして、
留守家族団体が陳情書を出しておるのを見ましても、従事
引揚げのときにいろいろなごたごたがあ
つた、それは右の方からの、いわゆる日の丸部隊からのもあ
つたし、極左的な一時の
感情にかられての議論もあ
つた、また船員や
船長さんたちの説明なり、取扱いの不十分もあ
つた、それから、わずかばかりの、たとえば寝具にのみがいたとか、食べ物が部分的にちよつとまずか
つたことがあ
つたというようなことで、一体こういうような待遇をわれわれに与えるかというようなこともあ
つたということで、こうしたひよつとした欠点があ
つた場合にも、やはりたくさんの群衆心理として不満が爆発したりするというようなことは、わずかの予算で行われる
仕事でございますから、私はあり得ると思うのです。そういうときに、三名にしろ、五名にしろ、数名の
世話役が乗
つていて、赤十字の方もおり、—ただいま申し上げましたように、三
団体の
代表という意味は、何も
援護庁長官の解釈されるように、狭義に解釈されなくても、たとえば、日中友好協会の中には、自由党の方もおられるし、社会党右派、左派の方も、改進党の方もおられます。従いまして、皆さんがお考えにな
つて世話役として最も適当であろう、良識もあろうというような人を出してくれというような、紳士的な条件のもとに円満に人がきまるならば、私は、そういう場合に、そういう人たちが、これはこういうふうにな
つております。あるいは、ああいうふうにな
つておりますと、いろいろ説明して、そうして円滑に、なごやかに帰れるようにすることができるのではないかと思うのです。とにかく、一晩にしろ、一昼夜にしろ、船の中の
生活はたいくつなものですから、浪花節も出ましようし、あるいは議論も出ましよう。
日本の国情はどうな
つているかというようなことについて知らされておりま
せん。陳情書などを見ますると、やはり
船長さんが警察の手先みたいにな
つて身上調べをしやしないだろうか、その他多少の偏見や誤解もあるようでございます。また今度の
引揚げの使節団の方は、たしか十日に
日本にもどるということになりますと、
向うとの
連絡も切れるわけでありまするから、若干名の人が
世話役として出て、天津、北京くらいまでは出迎えに行けるということなら、非常に私はけつこうなことで、紅十字側でも、新しく起こ
つたいろいろな事例でも
つて、これはどう解釈したらいいか、あるいはまたどういうふうにお
世話した方がいいかというようなことで、
日本の国民
代表に相談せねばならぬようなことも、あるいは起り得ることもあるのではなかろうか、かれこれ考えて、
船長さんと、それから
船長さんのところに船員を少し増加させると言うのですが、そうして大体やれると言いますけれども、船員を増加させるくらいでしたら、数名くらいの
世話役を乗せたところで、何もこういうことで議論して時間を費す必要もなかろうと思うのです。従いまして、結論といたしまして、ただ人選が当を得られるということだけにつきましては、われわれ国民
代表として、当
委員会も、人選が当を得るように、公正、合理、そうしてすべての人が了解するような円満な良識のある人を選んでくれるということは、
委員長なり
理事会からでも公式に申し出られることですから、そういうことで御納得なさることがよいのであ
つて、どうも内閣も末期にな
つて、非常識なことを次々とやるような傾向に一般的にあるのですが、これは一般的に
外務省の責任ですけれど、
外務省というところは、外国の状況を見るところですから、どちらかといえばスマートで、やわらかで、弾力性がなければならぬところが、まるで新選組か新徴組のようにかたい。これはどういうような考えなのか、心理学者の方にお尋ねしなければならないというほど、かたい感じがするのであります。これはいけないことでありまして、海の国、平和の国、貿易の国として行かねばならぬ
日本といたしましては、小さな面子などにこだわるよりも、イギリス流に、おおらかな気持で、万事円滑にや
つて行く、そうしてその中に論理の筋金がちやんと通
つているというふうにしていただきたいと思う。おそらくこの問題はもめると思う。もめて、大衆的な心理に点火しました場合には、
船長さんとしても引受けにくいような情勢を誘致するおそれすらございます。そういうような政治的感覚から見ましても、大きな論議にならないうちに、ひ
とつスマートに解決していただくことを強くお願い申し上げまして、御答弁を重ねていただきましても詮ないことでありますから、むしろ実行によ
つてわれわれの切なる要望をスマートにお受入れくださ
つて、また三
団体の方にも、無理なことがありましたならば、少し譲歩してもら
つてもいいと思います。それは
政府側の意のあるところを遠慮なくおつしや
つていただいて、四分六くらいのところで折れ合
つていただくことをお願いいたしまして、この問題についての私の質問は打切りまして、他の同僚諸君の順序に従いまして、あと一問ございますので、それは後ほどお伺いいたします。