○永田(良)
委員 それではその方は今日は申し上げません。
鉄道関係からだけ申し上げますが、今度の
運賃値上げについても、あの地方にはわら細工もあり、木炭もありますから、北海道と同じ
ようにあの地方の物資が中央にも運ばれる
ような方法をと
つてもらいたいと思う。
なお
大臣が来ていらつしやるから申し上げておきますが、デイーゼル・カーの件です。大隅半島には
戦前にはデイーゼル・カーが走
つてお
つた。それが終戦とともにやんでしま
つた。今度鹿児島の管内では薩摩半島にそれを走らせておる。そして大隅にはそれをやめさせておる。こういう乱暴な行政があ
つたものではない。何ゆえに
鉄道管理局は薩摩半島だけにや
つたのですか。薩摩と大隅は二本の足です。一方をびつこにして歩けるはずはない。鹿児島の
鉄道管理局がびつこ主義のことをや
つておるが、私は現在のそういう不公正な措置を
鉄道局がとられることに対しては、はなはだ不愉快です。中央の方から私の言うことがうそかほんとか、すつかりお調べにな
つて、すみやかに善処されたい。私は今度帰りますが、正月のお酒を飲むときには、ガソリン・カーがあそこを通
つてもらわぬと、私は腹を切
つて死ぬかどうかしないと選挙民に申訳ない。びつこにならぬ
ようにしていただきたい。
運輸大臣はわれわれが最も崇敬するまことに御熱心な方であります。今までのそういうびつこ政治を正しくや
つていただきたい。
ここに伊東君もおられるが、今度あそこで
鉄道の十九線が十三線にな
つて、六線滅びてしま
つた。それがまくらを並べて南九州がはねられておる。運輸審議会とか建設審議会にはどういう人がな
つておるか知らぬけれ
ども、私は必ず中央の偉い方がな
つていると思
つて尊敬をいたします。そういうことまでなさ
つたことを決して悪くは言いませんが、しかしああいういなかは御承知ないだろうと思う。宮崎県の線路も、大隅の線路も、薩摩の線路も、三つとも戦死をしておるから、どうかこういうのは何とかあの地方の人々が失望せぬ
ように、測量でもや
つていただきたい。今のままでは十九線のうち十三線は喜ぶでし
ようが、あとの六線は泣く。人を泣かせる
ようなことは、今なさるものじやない。師走のもち米もないのだから、そういうへんぱなことをなさらない
ように、せつかく今日独立国に
なつたのだから、国民全般が喜ぶ
ような態勢に持
つて行
つていただきたい。それは皆様方の御考慮
いかんによ
つてできることだと思う。どうか早くあそこにガソリン・カーを走らせてもらいたい。それが公正な行き方だと思う。また桜島と鹿児島との間は、今あそこで、ある町が町営で渡し船を走らせている。ところが、あそこまでは省営でバスが行
つている。これは県か国かが当然その渡し船を
経営しなければならない。ところがあの町はそれを負債の財源に充てている。こういうことは現代にはまことに、珍しい例です。一町がそれでも
つて自治体の財源にしているというのは、それは無慈悲な、かわいそうな話だ。運輸省の方では、あなた方青森と函館間でもや
つていらつしやるし、四国と中国も結んでおられるのです。その他、
鉄道経営の船がたくさんある。関門トンネルが通
つても、わざわざ門司、下関間はや
つていらつしやる
ように、この桜島、鹿児島間は、た
つた十五分で行けるのだから、
熊本の管理局が鹿児島に出た以上、目の前にあるそのくらいのことは新しく目をつけて、存分に調査をしてや
つていただきたいと思う。今度の新しい
予算では、そんなことはわずかなものでできるのだから、もし御計画をなさ
つて、いいと思
つたら、た
つた十五分間で大隅、薩摩が渡れるところなんですから、一つの船ぐらいは渡していただけたらいいと思う。あれはどうも鹿児島の管理局の桜島に対する研究が足りないのだと思う。桜島の溶岩地帯を
通り抜けて鹿児島に渡れば一番早い。あそこの国分、古江間は
鉄道予定線とな
つているけれ
ども、国分、古江間の交通量は少い。政治は現実を重んじなければならぬ。現在大隅半島の人は、垂水、牛根、福山、国分、加治木を経て鹿児島に入
つているが、そうでなく、溶岩地帯を通過して行ける
ようにすれば、それが近道にな
つてだんだんよくな
つて来る。もちろん国分に行く予定線は、距離の上においても、時間の上においても、将来つけてもら
つた方がいいことはいいけれ
ども、実際はとうてい無理だと思います。こういう点から、路線研究も
相当考えていただきたいと思う。これはなお建設省との
関係もありますし、あの省営バスとの非常に複雑な
関係がありますから、
相当御研究を賜わりまして、大隅地方の交通上の解決をしていただきたい、こう思
つております。それから航空路も、鹿児島の
民間航空はまだとても金がかかり、一年半はかかる。現在鹿屋には元海軍の飛行場がある。それを使えば鹿児島との陸上交通の差はた
つた二時間しかない。それが両方使える
ようになれば、
民間航空としても
相当大な飛行機を使わなければならぬでし
よう。こういうふうに空の交通、海の交通、陸の交通、三つを総合して
考えた場合に、従来十分に恵まれない大隅地方も、専門の皆様方があそこに行
つて御研究を賜われば、私は新しく交通の上から恵まれると思
つております。皆さんに対してたいへん御無理な御願いをしましたが、中央の交通
関係の偉い方も、私の申も上げることがうそかほんとうか、そういう点を実地に御視察の上、どうかこのシラス地帯の大隅とか南九州方面の交通から第一にはか
つていただきたい。交通が第一です。この大隅地方は、離れ島と同じ
ような苦しい生活をしている。その点をお願い申し上げておきます。あまりくどく申し上げることは皆様に御迷惑と思いますから、ほかの点はまた他の機会に申し上げることにして、これで打切ります。これについて
大臣から何か御答弁を賜われば幸いであります。