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1952-07-28 第13回国会 参議院 労働委員会 第31号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年七月二十八日(月曜日)    午後零時五分開会   —————————————   委員の異動 七月二十一日委員小林政夫君辞任につ き、その補欠として高橋龍太郎君を議 長において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     中村 正雄君    理事            安井  謙君            波多野林一君            村尾 重雄君    委員            上原 正吉君            九鬼紋十郎君            菊川 孝夫君            堀木 鎌三君            堀  眞琴君   政府委員    労働省労働基準    局長      亀井  光君    労働省職業安定    局長      齋藤 邦吉君   事務局側    常任委員会専門    員       磯部  巖君    常任委員会専門    員       高戸義太郎君   説明員    労働大臣官房総    務課長     富樫 総一君   —————————————   本日の会議に付した事件調査承認要求の件 ○継続調査要求の件 ○労働行政実情に関する調査の件  (報告書に関する件) ○労働関係法規改廃問題に関する調査  の件  (報告書に関する件) ○労働法規改正に関する請願(第三  四六号)(第一五二七号)(第一六  四九号) ○公共企業体労働関係法撤廃等に関す  る請願(第二二三四号) ○日本専売公社職員労働関係におけ  る取扱に関する請願(第二三四三  号) ○地方公営企業労働関係法案中一部修  正に関する請願(第二四六二号)  (第二五六〇号) ○労働法規改正反対に関する請願  (第二六三三号)(第二七一五号) ○公共企業体労働関係法廃止に関する  請願(第二六三四号) ○労働関係法規改惡反対に関する請願  (第二七五八号) ○公共企業体労働関係法撤廃等に関す  る陳情(第一四号) ○労働三法改正に関する陳情(第二四  号) ○私鉄争議に関する陳情(第四二号) ○電産ストに関する陳情(第六三号) ○国民に脅威または損害を与える労働  争議禁止陳情(第七四号) ○公益独占企業従業員スト制限に関  する陳情(第九七号) ○労働関係法規改正等に関する陳情  (第五六五号)(第七一三号)(第  七六八号) ○労働関係法規改正等反対に関する  陳情(第七六九号) ○労働関係法規改正に関する陳情  (第八四三号)(第九四八号) ○労働法規改惡反対に関する陳情  (第九〇二号) ○失業対策事業労務者賃金引上げ等に  関する請願(第一九五四号) ○失業対策費全額国庫負担等に関する  請願(第一五五七号) ○失業対策強化確立等に関する請願  (第一九七〇号) ○失業対策事業完全就労に関する請願  (第二〇五八号) ○失業対策事業労務者賃金引上げ等  に関する請願(第二八八〇号) ○不当労働行為等実地調査に関する  請願(第一二七四号) ○労働争議権不当弾圧実情調査に関す  る請願(第六三六号) ○不当転勤および解雇撤回に関する請  願(第一八五五号) ○特需関係労働者雇よう関係明確化  等に関する請願(第六三五号) ○東日本重工業株式会社東京製作所の  軍令解雇に関する請願(第九九六  号) ○けい肺特別法制定に関する請願(第  三六六号)(第五五四号)(第六九  三号) ○けい肺特別法制定に関する陳情(第  一六一号)(第二三六号)(第二四  八号)(第二五六号)(第二九二号)  (第三〇五号)(第四二四号)(第  五〇二号)(第五一五号)(第五五  三号)(第五八九号)(第六〇三  号)(第六八四号)(第七三三号) ○広島呉地英連邦軍関係日本人労  務者取扱に関する請願(第二一二  四号) ○派出看護婦職業紹介に関する請願  (第二一八六号) ○日雇労働者保険制度等に関する請  願(第二九三四号) ○国立産業安全博物館設立に関する陳  情(第一一四七号) ○滋賀近江絹糸紡績株式会社学問  の自由圧迫排除に関する陳情(第一  一六五号) ○岡山市に中国四国ブロツク労災病院  設置請願(第三一〇二号) ○岡山市に中国四国ブロツク労災病院  設置陳情(第一二九三号) ○福島県に労災病院設置請願(第三  一四七号) ○札幌市に労災病院設置請願(第三  二五三号) ○議員派遣要求の件   —————————————
  2. 中村正雄

    委員長中村正雄君) 只今より会議を開きます。本日は今国会の閉会も間近に迫りましたので、先ず今後の委員会の運営並びに事務上の問題を片附けまして、然る後請願陳情及び調査事件等審議いたしたいと思います。一応予定いたしておりますのは、調査事件の処理、それから議員派遣請願陳情審査等であります。  先ず調査事件取扱につきましてお諮りいたします。労働委員会が行なつて参りました調査事件は、労働行政実情に関する調査労働関係法規改廃問題に関する調査の二件でありますが、会期は残るところ僅かになつて参りましたので、これらの取扱い、即ち閉会中の継続調査を行うかどうかを決定しなくてはならないと存じます。これについていろいろ御意見も承わりたいと思いますが、委員長といたしまして一応考えました点は、労働関係法規改廃問題に関する調査は、今回の労働法改正に関する政府提案の動きに関連して取上げられましたものでありまして、その範囲では調査事項は消滅したと考えております。従いまして労働関係の立法問題については調査を要すべき点は多々あるかと思いますが、本調査を取上げるに至つた諸般情勢変化もあるので、閉会中の継続調査を行わず、一応別な観点から新たにやる場合は別として、本問題はこの閉会中には打切りたいと思います。  次に労働行政実情に関する調査につきましては、駐留軍関係の労務問題、失業対策問題、国家公務員地方公務員単純労務者の問題等々調査を要すべき事項が多く、又その他の事情も考慮し、閉会中も継続して調査したらどうかと考えております。これは私の考えでありますが、他に御意見がございましたら御発表を願いたいと思います。   なおこの際これに附加えまして技能者養成に関する問題は産業の振興、労働者保護の面から非常に重要な問題でありますので、新たに調査事件として取扱いたいと考えております。従つて以上労働行政調査技能者養成に関する調査、この二点を閉会中にやわたいと思つておりますが、如何でございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 中村正雄

    委員長中村正雄君) ではさように決定いたします。なお議院に提出します調査報告書内容については、今までの調査経過の要領を適宜まとめまして作成したいと思いますので、種々の手続的措置と共に委員長に御一任願いたいと思います。なおこれに関連いたしまして労働行政実情に関する調査及び労働関係法規改廃問題に関する調査について、議院へ提出する報告書にはあらかじめ多数意見者署名を附することになつておりますので、一応あらかじめ各議員署名をお願いしておきたいと思います。  多数意見者署名    堀木 鎌三  堀  眞琴    菊川 孝夫  上原 正吉    波多野林一  安井  謙    村尾 重雄  九鬼紋十郎
  4. 中村正雄

    委員長中村正雄君) 次に請願陳情審査につきましてお諮りいたします。請願陳情審査は四月に一度やつたわけでありますが、その後本委員会に付託されましたのは、請願二十二件陳情八件であります。本日はこれら新らしく付託となつ請願陳情と、前の委員会から持越になつている分とを併せて審査いたしたいと思います。次に審査の方法でありますが、これから審査いたします請願陳情の中には、先の委員会において審査し、一応の結論を得たものと内容の重複しているものや、又請願陳情内容なつている事実が消滅したり、その前提となつている客観的諸事情変化があり、更に内容上の審査をする必要のないものもあります。従いましてこのよう請願陳情につきましては、委員長において検討した結論だけを御報告して、その御承認を願うよう取計らうことが委員会の運営上適当ではないかと思いますので、皆様にお諮りしたいと思います。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 中村正雄

    委員長中村正雄君) 御異議ないものと認めまして、それでは只今述べましたような要件に該当するものについて委員長において検討いたしました結果を御報告いたします。請願第三百四十六号、千五百二十七号、千六百四十九号、二千二百三十四号、二千三百四十三号、二千四百六十二号、二千五百六十号、二千六百三十三号、二千六百三十四号、二千七百十五号、二千七百五十八号、陳情十四号、二十四号、四十二号、六十三号、七十四号、九十七号、五百六十五号、七百十三号、七百六十八号、七百六十九号、八百四十三号、九百二号、九百四十八号、以上の請願陳情はいずれも労働関係法規改正関係のものでありまして、これについては、先般の労働法案審議において委員会の態度が明確になつており、結論が出ておりますので、諸般事情から考えて保留するのが適当であると思います。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 中村正雄

    委員長中村正雄君) 御異議ないものと認めます。  請願第千九百五十四号、千五百五十七号、千九百七十号、二千五十八号、二千八百八十号は失業対策事業に関する賃金増額完全就労国庫補助増額等に関するものでありまして、本委員会はすでに同様の内容請願陳情について議院会議に付するを要し、内閣に送付することを要するものと決定いたしております。この五件についても同様に取扱うべきものと考えますが、さよう取扱つて異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 これは同様に取扱うということは、本会議委員長から内閣に送付するというよう報告をして承認を求めるということですね。
  8. 中村正雄

    委員長中村正雄君) さようでございます。
  9. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 それなら異議ございません。
  10. 中村正雄

    委員長中村正雄君) 御異議ないと認めますので、それでは院議に付し、内閣に送付することを要するものと決定いたします。  次に請願第一千二百七十四号は不当労働行為等実情調査に関する請願でありますが、前に保留と決定した請願第六百三十六号、これは労働争議不当弾圧実情調査に関する請願等取扱を同じにすべきものと考えますので、保留したいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 中村正雄

    委員長中村正雄君) さよう決定いたします。  請願第一千八百五十五号不当転勤及び解雇撤回に関する請願は、請願内容なつている問題が解決いたしておりますので、審査を要せず保留と決定いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 中村正雄

    委員長中村正雄君) さよう決定いたします。   請願第六百三十五号、第九百九十六号は占領下特需関係労働者雇傭関係に関するものでありますが、この問題はすでに相当検討いたしており、又客観的情勢変化に伴い、なお慎重に検討する必要もありますので、今回は保留いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 中村正雄

    委員長中村正雄君) 以上で委員長において検討いたしました分を終ります。  次に珪肺特別法制定に関する請願三件、同陳情十四件についてでありますが、これにつきましては前の委員会では衆議院労働委員会で小委員会作つて、この問題を検討中であるから、保留してその経過を見ようということになつております。衆議院労働委員会の状況を申上げますと、今会期中は結論が出ず、閉会継続調査をする方針のように聞いております。この際これらの請願陳情取扱をはつきりしておきたいと思いますが、どういうふうに取扱つたらいいでしようか。ちよつと速記をとめて……。    〔速記中止
  14. 中村正雄

    委員長中村正雄君) 速記を始めて。  それでは請願第三百六十六号、五百五十四号、六百九十三号、陳情第百六十一号、二百三十六号、二百四十八号、二百五十六号、二百九十二号、三百五号、四百二十四号、五百二号、五百十五号、五百五十三号、五百八十九号、六百三号、六百八十四号、七百三十三号は、いずれも採択いたしまして本会議に付し内閣に送付するものと決定して御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 中村正雄

    委員長中村正雄君) さよう決定いたします。   次に以上審査いたしました請願陳情以外のものについて審査いたします。お手許に配付いたしてありまする請願陳情の要旨を書いたプリントを見て順次やつて参りたいと思います。  お手許に配つてありまする六頁の請願第二千百二十四号広島呉地英連邦軍関係日本人労務者取扱に関する請願審査いたします。先ず專門員から説明を願います。
  16. 磯部巖

    專門員磯部巖君)  この請願呉市長並びに呉市会議長から出ておるのでございますが、過去六年の占領期間に亙つて呉市民物心両面に亙り英連邦占領軍の恩恵を受けて、占領終結に際し同車将兵に対して感謝と尊敬の念を禁じ得ないのでありますが、今般講和条約発効に当りまして、現地軍は本市約一万の労務要員に対して別紙ような新らしい雇傭関係並びに労働条件を提示せられたのでありますが、これは全国二十三万に亙る米駐留軍労務者に対する扱いに比しまして著しく異なる条件であるはかりでなく、労働者家族を含む数万の呉市民の生活上直接由々しき問題となつて来たのであります。この際一つ左記事項に関して御考慮を願いたいというのでございますが、それは先ず第一に米国駐留軍労務者と同様に日本政府の雇用としてもらいたい。第二は止むを得ず英連邦軍の直接雇傭なつた場合においても、行政協定英連邦軍と締結するに当つては、給与条件米駐留軍労務者同様現行通りにしてもらいたい、同時に日本法律である労働三法を初めとしてその他の関係法律を適用する、そうして且つ従前通りの身分保障的諸措置を講ぜしむるようにして頂きたい。第三に雇傭関係の変更に当つても、整理者を出さず全員を雇傭転換せられるよう御尽力願いたい、こういう趣旨であります。   それで最初に申上げました別紙よう労働条件を提示せられたいというその別紙について簡単に申上げますと、昭和二十七年四月二十八日からは英連邦軍において直接労務者として直用される、そうして雇傭契約日本労働基準法健康保険法厚生年金保険法公務災害補償法失業保険法職業安定法所得税法による給料、手当を現在と同じく支払われる、但し家族手当退職手当が支払われない、こういうのが今言つた新らしい雇傭条件でございます。従いまして、この家族手当退職手当を支払われないことに基く新旧の給与の差額は年額といたしまして約一万八千百二十二円になるという資料も添えてあるわけでございます。
  17. 中村正雄

    委員長中村正雄君) 請願につきまして、政府委員のほうから御意見ありませんか。
  18. 富樫総一

    説明員富樫総一君) 只今請願趣旨はおおむね政府側といたしましても御尤もの趣旨と考えております。目下外務省におきまして外交交渉中でございます。労働省事務当局としてその具体的成行きは存じませんが、筋といたしましては政府雇傭、いわゆる米駐留軍と同じ方向で以て行くということに承知しております。その他法規の適用及び今後労働条件の切下げ、米駐留軍と比較して惡くならないというよう方向につきましても御尤もでございます。それぞれ組合におきまして団体交渉或いは先般ありましたようストライキなどによつて努力されておりまするが、政府といたしましても外交交渉その他によりまして、できるだけその趣旨に副うべく努力しております。
  19. 中村正雄

    委員長中村正雄君) 今議題なつておりまする請願につきましては院議を経て内閣に送付することを要するものと決定いたしまして御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  20. 中村正雄

    委員長中村正雄君) さよう決定いたします。  次に同じくプリントに載つておりまする請願二千百八十六号、二千九百三十四号、以上の二つ請願議題といたします。先ず專門員から説明いたします。
  21. 高戸義太郎

    專門員高戸義太郎君) 本請願内容一つ濫立的に許可せぬように願いたい。その理由職業安定法改正により供託金が五万円から一万円に、許可料が一万円から千円に引下げられたので、申請人の資格を十分考慮され、濫立にならんように願いたい。二つは一カ月以上、同一求人者雇傭された場合にも紹介料を徴収できるように願いたい。その理由派出看護婦の日当を確保すること、その日傭を対象とすること、求人の開拓、宣伝、諸経費の増加、税金等の費用を賄うこと。三は事業継続申請手続を簡単に願いたい、こういうのであります。
  22. 磯部巖

    專門員磯部巖君) それから続いて二千九百三十四号の請願趣旨は第一は政府は現在極めて低い認証賃金制を設けておるので、特殊技能者賃金のために一般労務者賃金が更に圧迫されて下るから、技能者賃金を別枠に考えてもらいたい。第二は失業保険待期撤廃してもらいたい。第三は日雇健康保険制度の勧告が再々社会保障制度審議会から出されておるにもかかわらず、未だに実現しないのは誠に不満である、だからこれを早く作つてもらいたいというのが趣旨でございます。
  23. 中村正雄

    委員長中村正雄君) 以上二件の請願につきまして政府委員見解をお述べ願います。
  24. 齋藤邦吉

    政府委員齋藤邦吉君) 請願第二千百八十六号、派出看護婦職業紹介に関する請願でありますが、請願の御趣旨誠に御尤もでありまして、私どももこの線に沿うて認可の事務に当つておるわけであります。更に又事業継続申請手続簡素化等の問題につきましては、十分考究いたしたいと、かように存じております。  請願第二千九百三十四号、日雇労働者保険制度等に関する請願でありますが、そのうち日雇失業保険待期撤廃でございますが、現在のところ保険経済の上から申しまして今直ちに撤廃することは困難でありますが、これが短縮方につきましては目下考究をいたしておる次第であります。なおその請願の中に日雇健康保険制度の実施がございますが、この問題につきましては目下厚生省と連絡をとりながら厚生省において検討をいたしておる問題でございます。
  25. 中村正雄

    委員長中村正雄君) 以上政府見解もありましたが、議題となりました二つ請願につきましては、院議を経て内閣に送付するを要するものと決定して御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  26. 中村正雄

    委員長中村正雄君) さよう決定いたします。次に陳情第千百四十七号国立産業安全博物館設立に関する陳情、並びに第千百六十五号滋賀近江絹糸紡績株式会社学問自由圧迫排除に関する陳情、この二件を議題といたします。  先ず陳情趣旨につきまして、専門員から説明いたします。
  27. 磯部巖

    專門員磯部巖君) 本件の趣旨は現在労働者安全衛生の仕事は最近めざましき改善を遂げましたことは誠に結構である、これに関する施設としては労働省においては芝田町に産業安全研究所並びに附属産業安全参考館がございまして、これを常時開放しておりますが、大変これは有効な施設である、併しながら先だつて行政機構簡素化の問題の際に、この安全研究所並びに参考館廃止案が閣議に提出されたということは、誠にこれらの施設に対する並びに安全衛生行政に対する認識が不十分である、むしる今日はこれを拡充強化すべきであろうと思う。でありまするから、この際この現在あります産業安全参考館を更に一歩を進めて国庫補助による労働省直轄国立産業安全博物館にし、それに産業安全研究所を附設するようにしたい。そうしてこれらに対して更に多くの予算を計上し、金もかけて、そして全国安全関係者の研修を行う等、大いにこの方面の行政を振興してもらいたいという趣旨でございます。  もう一つ滋賀近江絹糸学問自由圧迫という陳情でございますが、これは近江絹糸会社には学校法人近江高等学校という学校が附設されておりまして、職業安定所を通じて学生を募集しておる、これが第一違法である。それから第二にこの高等学校学生一般公立高等学校に入学を希望して、ほかに転校しようと欲する場合に会社がこれに対して圧迫を加える、即ち解雇を以て脅やかすことは学問の自由を抑圧するのではないかという陳情でございます。これに対して学校のほうにおきましては、この学校作つて工員をこの学校に入れて教育をしているが、福利施設であつて何ら学問の自由を圧迫するものではないというような反駁をしておる由でございます。
  28. 中村正雄

    委員長中村正雄君) 以上二件につきまして政府のほうから何か御意見ありませんか。
  29. 亀井光

    政府委員亀井光君) 国立産業安全博物館設立陳情につきましては、現在の田町にある産業安全研究所には附設しまして参考館設置いたしております。安全研究所参考館もいずれも国費で労働省直轄機関として運営しておるのでございまして、従いまして現在の陳情の御趣旨はその点においては満足されると思うのであります。ただこの問題は、今後この施設を拡張して行くことにつきましては我々も誠に異存はございません、同感でございまして、来年度予算におきましてもこの問題を取上げまして拡充して参りたいというふうに考えておる次第でございます。  陳情の二番目の近江絹糸の問題につきましては実情十分調査をいたしまして、若しそういうふうな事態がございましたならば我々としてそれに対する措置を講じたいと考えております。
  30. 中村正雄

    委員長中村正雄君) 陳情千百四十七号国立産業安全博物館設立に関する陳情につきましては、院議を経て内閣に送付するを要するものと決定して御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  31. 中村正雄

    委員長中村正雄君) さように決定いたします。  次に千百六十五号滋賀近江絹糸株式会社学問自由圧迫排除に関する陳情、これは先般も労働問題で問題がありまして、実地調査したという例もありますので、特殊な問題でありますので、今度の議員派遣等の場合にも併せて考えることとして保留したいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  32. 中村正雄

    委員長中村正雄君) さよう決定いたします。  次は請願第三千百二号、岡山市に中国四国ブロツク労災病院設置請願及び陳情第千二百九十三号も同じであります。それから請願三千百四十七号、福島県に労災病院設置請願請願第三千二百五十三号、札幌市に労災病院設置請願を一括して議題といたします。先ず專門員から説明いたします。
  33. 高戸義太郎

    專門員高戸義太郎君) 本請願三件、陳構一件内容を一括して申上げますと、労災病院東北ブロツクには仙台に東北労災病院、秋田県に東北労災病院分院、及び関東ブロツクには東京都に東京労災病院関西ブロツクには尼崎市に関西労災病院九州ブロツクには小倉市に九州労災病院、八代市に同じく熊本分院がありますので、北海道ブロツクには札幌に、中国四国ブロツクには岡山にそれぞれ労災病院設置され、福島県に少くとも分院設置されたいというのであります。
  34. 中村正雄

    委員長中村正雄君) これに対する政府見解を願います。
  35. 亀井光

    政府委員亀井光君) 労災病院につきましては、災害を受けた労働者の疾病又は負傷をできるだけ早く適正に治療いたしまして、労働力の回復を速かにするということと、もう一つ保険経済の上の適正医療費というものの趣旨からいたしまして、我々としまして、できるだけこの施設拡充を念願いたしておるのでございまして、目下設置されておりまする施設は、先ほど陳情趣旨の御説明の中にございましたようでございますが、今後我々としましては、来年度予算におきまして、これらの施設をできるだけ早い機会に拡充をいたしまして、労働者福祉の向上に努めたいというふうに考えておる次第であります。
  36. 中村正雄

    委員長中村正雄君) 以上議題となりました陳情請願につきましては、院議を経て内閣に送付するを要するものとして決定して御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  37. 中村正雄

    委員長中村正雄君) さように決定いたします。  以上で陳情請願審議は終りました。  先ほど懇談会でお諮りいたしましたよう閉会中におきまする議員派遣につきましては、委員長に御一任願つて異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  38. 中村正雄

    委員長中村正雄君) さよう決定いたします。それ以外に今後の運営並びに閉会中の本委員会の運営につきまして、何か御意見ございませんか。(「ございません」と呼ぶ者あり)なければ一応突発的な事件でも発生しましたら又委員長におきまして今会期中に本委員会を開くことといたしまして、このまま推移すれば本国会におきましてはこれを最後の委員会といたしたいと思います。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十五分散会