○国務大臣(
大橋武夫君) 問題を二つに分けてお答え申上げます。先ず最初に、保安庁の設置ということについての
考え方を申上げます。保安庁の設置に対しましては、現在の
警察予備隊及び海上保安庁において新たに設けられまする海上警備隊及び海上保安庁の従来からありましたところの所管事務のうちで警備、救難事務、これを
一つの機構に統合いたしたい、こういう
考えでございます。これはまだ機構の大綱についての打合せも済んでおりませんが、併し
政府としては大体そういう新らしい機構を作りまして、それに自衛力として用いられ得るような、そうした機構を総合的に管理運営するようにいたしたい、こういう
考えを持
つております。これは行政機構改革の一環といたしまして急速に法案を提案いたしまして、
国会において可決せられました曉は、七月一日から実施をいたしたいと
考えております。これは機構の問題でございます。そこでもう
一つの問題は、海上警備隊なり或いは
警察予備隊なりの部隊の実体をどう改革するかという問題になるわけでございます。海上保安庁におきましては六千人の増員に際しまして海上警備隊という新らしい
組織を保安庁所管の下に設けまして、ここで
先ほど来申上げましたような、海上警備のため特別の必要の際に活動する船舶を主体とした部隊
組織を作り上げて、これを海上警備隊と名付けることにいたしたいと思
つております。この海上警備隊を創設いたしまするためには現行海上保安庁法を改正する必要がございまするが、この法案は本日たしか提案にな
つておると存じます。
それから
警察予備隊につきましては本年度における増員計画があるわけでございます。この増員計画を実施いたしまするためには先ず以て
法律が必要になるわけであります。御
承知の
通り、現在
警察予備隊はポツダム政令によ
つて設けられており、このポツダム政令全体につきましては講和発効後六カ月間は
法律としての効力を持つということに相成
つておるのでありまするから、先ず講和発効と同時に、現在のポツダム政令は当然
法律と同等の効力を持つことになる、併しながらそれでは七万五千の現状でございますから十一万の増員計画が実施できませんので、これを差当り実施いたしまするために、現行ポツダム政令に対する差当りの改正
法律案を提案いたしたいと思
つております。これは増員に伴いまする人員の点だけに触れたいと思
つております。なお内閣
総理大臣は、
国会でいろいろな機会におきまして今年の十月には現在の
警察予備隊を新らしい
組織に切替えたい、こういう意思を表明いたしておりまするが、これに伴う
法律案が必要となるわけでございます。これに伴う
法律案もやはり今
国会において御審議を頂くことが時期的に見て必要である、こう
考えましてこの
国会に提案をいたすつもりで
只今準備を進めております。これにつきましては、先ず
警察予備隊というものの名称を改める、それから創設以来今日までの経験に徴しまして不十分と認められる規定を補充いたすこと、それからポツダム政令において極めて概括的に規定せられ、細部に至
つては政令等に委任した
條項が非常に多うございますが、これらの点を、
法律として必要なるものは
法律中に規定するというような事柄をも
考えて参りたいと思
つております。従いまして、この
関係につきましては
只今のところ職員に関する
法律、それから給與に関する
法律等は別個の
法律といたしたいと思
つております。実体の、保安隊そのものの任務、
組織、編成等に関する規定は、これは
只今の
考え方といたしましては、新らしくできまする保安庁の下部機構に相成りまするから、保安庁設置法の中にこの部隊
組織の根幹となるべき規定を盛込むようにいたしたい。この保安庁のほうは七月一日から発足をいたしまするが、併し予備隊の切替は十月一日頃に相成ると思いまするので、従
つて新らしくできまする、保安庁法と仮に名付けまするならば、その中には、
警察予備隊の管理機構を新らしく保安庁という新機構に切替える、この部分は七月一日から発効して、七月一日から新機構を作りたい。実体をなしまするところの
警察予備隊の新らしい
組織への切替、仮に保安隊と名付けますならば、その保安隊に関する規定は、これはやはりその保安庁法の中に、その下部
組織として規定はございまするが、併し現在の
警察予備隊を新らしい保安隊に切替えるという実体的な部分につきましては、これは十月から発効するように、こういうふうに
考えております。非常にくどくなりまして恐縮でありますが……。