○片柳
眞吉君 私は今年の米と麦の
価格につきまして先ず質問いたしたいと思います。来
年度の
予算を見て参りますると、
食糧増産対策費で
相当の
予算が計上されておりまするが、ただかんじんの米価、麦価につきましは実は十分な考慮か拂われておらないというような感じがいたすのであります。昨年の米価は御承知のように七千三十円でありまするが、今年の
予算米価は七千二百十四円でありまして百数十円しか実は上
つておらないのであります。而も昨年の七千三十円の米価はそれに或いは
供出完遂の奨励金の千円でありまするとか、或いは問題の超過
供出の奨励金の二千円というものを見て参りますると、実は七千三十円に或る
程度加わ
つたものになりまするが、それと比較しますると非常に今年の米は実は割安であるという感じがいたすのであります。この問題は米価
審議会で小
委員会を設けまとて、非常な専門的な検討をいたしたのでありまして、結論といたしましては、所得
パリティ方式或いは
供出限界農家の生産
方式という両面から妥当な米価を算定すべしということに結論が
なつたのでありまするが、少くとも
基準年次は戦後の適当な年をとるべきであるという結果、大体昨今の
情勢からしますると
昭和二十五年が最も妥当なる
基準年次であるというふうに結論をつけているのであります。そういう点から昨年の米価
審議会におきましても、昨年産米も少くとも石当り七千五百円を下らない米価にしてほしいというのが最終の結論であ
つたのであります。にもかかわらず今年の米価が七千二百円僅かでありまして非常な何か割安だという感じがいたすのであります。
政府におきましては二十五年の米価を
基準にいたしまして、二十六年の農業。
パリテイと二十七年の農業。パリティとの上昇率をかけましてこの七千二百十四円の米価を算定しておりまするが、米価
審議会で
決定しました二十五
年度の米価を
基準といたしまして同様の計算をいたしますると、石当り七千八百四十三円という
数字が出て来るのであります。即ち二十五年の実質米価は六千三百二円でありまするが、この六千三百二円を
基準といたしまして、二十五年の農業
パリテイはバツク・ぺイを加えました実際の
パリテイは二〇五・二七でありますが、これに対して今年の
パリテイは
政府の計算する、ごとく二五五で見て参りますと、今言
つた七千八百四十三円という
数字が出て参るのであります。昨年の米価でも七千五百円を最低とするということで米価
審議会では結論を出したのでありまするが、
政府と同じ
方式で仮に二十五年をとりますると今申上げましたような七千八百円を上廻る米価が出て来るのであります。私はこの辺に
一つの大きな問題があるのではないかと存ずるのであります。或いはインベントリー・フアイナンスをやめて参りたい、或いは
消費者価格は昨年の引上げ以上には上げることが困難であるというような、こういう見地から私はかような計算を便宜的にしたような実は感じもいたすのであります。
食糧増産対策費で約百億の
予算が増額されましたことは非常に結構でありまするけれども、仮に米価のほうで五百円の米価が割安に
決定されておりますれば、
政府の
計画のように二千八百万石を買うといたしますれば米価収入のほうで百四十億の所得減が出て参ります。同様に麦の関係でもそういうような結果が出て参りますので、片つ方で
食糧増産対策費をふやしたことにつきましては非常に
政府も呼号されておりまするが、もう
一つの農家の収入の
基準をなす
米麦価については、どうも先、言
つたような観点から割安にこれが便宜的にきめられておるというような感じがいたすのであります。そこで米価
審議会で
決定した
方式をとりませんで、二十六年産米を
基準として、かような七千二百十四円を
決定いたしました理論的な根拠につきまして先ず
一つ政府の所見を伺いたいと思います。