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1952-02-27 第13回国会 参議院 予算委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年二月二十七日(水曜日)    午後一時四十一分開会   —————————————  出席者は左の通り。    理事            杉山 昌作君            小林 政夫君            東   隆君            木村禧八郎君            岩間 正男君    委員            泉山 三六君           池田宇右衞門君            左藤 義詮君            白波瀬米吉君            杉原 荒太君            中川 以良君            中川 幸平君            平林 太一君            宮本 邦彦君            山本 米治君            岡本 愛祐君            小野  哲君            片柳 眞吉君            楠見 義男君            新谷寅三郎君            中山 福藏君            荒木正三郎君            内村 清次君            吉田 法晴君            松永 義雄君            山田 節男君            吉川末次郎君            西田 隆男君            堀木 鎌三君   政府委員    警察予備隊本部    次長      江口見登留君    警察予備隊本部    経理局長    窪谷 直光君    国家地方警察本    部次長     谷口  寛君    国家地方警察本    部総務部長   加藤 陽三君    国家地方警察本    部総務部会計課    長       三輪 良雄君    大蔵省主計局長 河野 一之君    大蔵省主計局次    長       東条 猛猪君    大蔵省主計局次    長       石原 周夫君    海上保安庁長官 柳澤 米吉君   事務局側    常任委員会專門    員       野津高次郎君    常任委員会專門    員       長谷川喜作君   —————————————   本日の会議に付した事件派遣議員報告昭和二十七年度一般会計予算内閣  送付) ○昭和二十七年度特別会計予算内閣  送付) ○昭和二十七年度政府関係機関予算  (内閣送付)   —————————————
  2. 杉山昌作

    理事杉山昌作君) 只今から会議を開きます。  日程によつて政府側説明を聴取する前に、先般出張された議員報告を伺うことにいたします。
  3. 岩間正男

    岩間正男君 第一班の報告をいたします。  本班は大阪地方における中小企業金融問題の実態調査主要目的として派遣せられたものでありまして、その第一日は大阪経済同友会中心に、第二日は大阪商工会議所主催中小企業者代表との懇談を通じて調査をいたしました。  先ず両日の懇談会において得ました大阪金融事情真相を申上げまと、その第一は纖維関係に属する問題であります。即ち紡績錘数の四百万制限を取り除かれて以来、数錘は急激に増加して遂に六百五十万錘に達し、生産は激増を招来すると共に、一方朝鮮ブームの波に乗つて業者は将来の利益を当てに銀行から借入れた運転資金設備の更新又は増設の廻し、纖維品生産増強は著るしいものがあつたのであります。ところがそのときマリク声明を転機とする世界軍擴景気の頭打ちに伴い、輸出品キヤンセル又はクレイム等により内地市場への圧迫によつて纖維品相場下落となり、手形は書替に次ぐに書替を以てその時を過ごし、いよいよ最後の日限の三月頃に追込まれた事情となり、これ以上手形の引延しは不可能になつております。而してその金額概算百五十億円に上ると言われます。尤も業者言つて紡績会社問屋機屋の三つに分れており、手形決済の苦悩の中心問屋業者と言われます。  ではその打開策如何というに、纖維関係金融問題は短期資金設備資金に廻したということで、赤字というよりむしろ資金繰りにありと見なされますので、取りあえず一時右手形決済資金を何らかの方法で融通してもらえば片の付くものであると言つております。併し業界の安定は更に根本的に言えば過剰生産の問題を処置する必要から適当な生産制限をなすべきであると熱心に主張していました。その方法としては事業者団体法等改正し、業者団体による統制措置を許すか、それができなければ政府が何らかの調整処置を早急に講ずべきであると強調していました。以上が纖維関係金融事情の核心であります。  第二には、輸出商品キヤンセル又はクレイムの問題でありまして、この方面金額概算七十億円と言われ、そのうちどれだけが赤字でどれだけ資金繰りに属するかは判明しませんでした。  第三の問題は、いわゆる新三品と呼ばれる油脂、皮革、ゴムに関するものであります。この新三品で昨年一—三月頃緊急に輸入したものがやはり世界軍擴景気の中だるみの影響を受けて値下げにより莫大な損害を蒙りました。往年三井三菱等商社があつた当時であれば、一時中小業者金融も見てもらつて値上りを待つこともできましたが、戦後にはかかる機構も介在せず、自己の責任措置する必要から見てみすみす損を覚悟の上で下落値で処分する羽目となり、昨今に至つてその赤字が裏面化したものであります。その金額は当時輸入総額八百億円に上り、その値下損が三割五分とみられ、結局二百八十億円の赤字が出たと言われております。  ところで問題なのは、かかる巨額の赤字を抱えている者が纖維関係業者と同じく問屋であります。そこで紡績会社の言い分としては、纖維関係だけによる金繰りの問題には手を貸してもよいが、これと直接関係のない新三品の赤字へは手を差延べることはできないというところに解決の困難さが伏在しております。かようのいきさつから問屋業者経理内容明るみにさらけ出して、その上で何とか措置を講じようではないかと言われるが、問屋としては明るみに出すはいいが、その結果何ら措置をつけてもらえないような羽目になつては信用上応じられないといつてなかなかその話に乗つて来ない実情にあります。  なお本問題に関する銀行側意向としては、紡績会社に対してなら担保力等裏付もあるから何とかしようが、その他の問屋とか機屋等へは面接金融はできないと言つております。以上が目下世間にやかましく宣伝されている三月金融危機大阪地方における真相であります。  次に、中小企業問題について申上げます。出席者全部の意見として、中小企業の定義の問題に関し、現在の資本金二百万円程度を以てしては不十分であるから、少くとも二千万円程度に引上げるべきである。金額で区分することが不適当ならば、従業員五百人以下としてでもよい。いずれにせよ現行の区分では中小企業の現在の規模に合わないから、是非早急にこの改正を実現してほしいということでありました。  次に大阪中小企業のうち、特に中に属する者が多いこと、而もその中に属する企業者が現在では最も深刻な金融難に陷つていること、そして最近は大企業が製品を値下して販売するため中小企業を圧迫するようになつて来たこと、その他参考となる数々の意見の開陳がありました。  調査の結果得た概括的な感想は、関西における金詰まり金融危機の実相は、東京において考えるよりも遥かに深刻であること、従つてこの打開策銀行、メーカー、商社の間で各案件ごとに早急に処理すると共に、最後は日本銀行の問題として、大蔵省及び通産省の、従つて政府金融産業政策を早急に積極的に措置すべきであるということであります。  以上を以て御報告を終ります。
  4. 杉山昌作

    理事杉山昌作君) 只今報告に関連しまして何か御質問ございませんか。……別に御質問もないようですから、次に移ります。   —————————————
  5. 杉山昌作

    理事杉山昌作君) 本日は先ず国家地方警察費につきまして、政府当局説明を伺います。
  6. 谷口寛

    政府委員谷口寛君) 昭和二十七年度国家地方警察予算の大要について御説明申上げます。  要求総額は、百八十六億八千六百余万円であります。昭和二十六年度予算は百五十八億余万円でありますので、これに比して二十八億八千七百余万円の増となつております。併しこの中には昨年の警察法改正に伴う警察職員増員分給與及び昨年秋に行われた国家公務員給與改善のための増加に要する経費が二十三億五千余万円ありますし、又警察電話専用料の値上げによる増加が二億二千六百余万円計上されております。  以下本予算内容概略を申しますと、先ず人件費でこれが百十二億八千四百余万円となつております。  第二は、警察通信整備擴充のための経費であります。今更申上げるまでもなく、警察通信こそは警察活動の中枢をなすものでありまして、この整備の如何が犯罪捜査検挙又は警備実施等の完全な遂行に及ぼす影響は大なるものがありますので、本予算中に二十九億五千余万円を計上いたしております。特に超短波施設はすでに昨年において四県分、本年度において十四県分をお認め願い、第一線における迅速な事件処理の上に相当の効果を挙げておるのでありまして、これは事件の予防及び発生後直ちに現場に臨んで処理するために極めて有効なものでありますので、明年度において北海道五方面及び四県に固定局移動局各六十三局、中継局十一局を新設いたし、並びにラジオカー六十三台の購入のため三億四千余万円を計上いたしました。通信関係経費としては、その他電通省に拂込みます警察電話専用料として十五億三千五百余万円、現有通信施設維持費として五億八千九百余万円を計上いたしております。  次に警察装備のために要する経費として十四億八千八百余万円を計上しております。広大な地域を管轄し、要求に応じて自治体警察に応援のため出動する任務を持つている国家地方警察としましては、機動性最高度に発揮する必要がありますので、車両整備強化が肝要であります。そこで現有車両老朽車が比較的多いので、その減耗補充分として大型車はその一割、二、三輪車はその二割の車両を購入することとしてこの経費二億七千五百余万円を計上いたしております。その経費警察官被服費三億五千三百余万円、車両修繕料二億七千百余万円及び燃料費四億五千五百余万円等であります。  第四に、警察官教養充実のための経費として学校職員及び巡査見習生人件費五億一千百余万円を含み十一億一千二百万円を計上しております。警察運営を真に民主主義を基幹とし、国民の信頼に応えるためには警察官各個人の人格向上及び捜査科学化能率化のために不可欠の技能の熟達を図ることが必要であります。そこで巡査初任教養及び幹部教養のほかに、警察大学校、管区警察学校府県学校におきまして、警視以下警察官全員を各階級に応じた現任教養を一カ月乃至二カ月を実施する計画であります。現任教養人格の陶冶、民主主義精神の徹底を期することは勿論のこと、刑事等特科教養充実図つて警察官捜査能力向上のための努力をいたすことにいたしております。  次に警察活動に直接必要な経費としては大体本年度と同様に活動旅費九億一千二百余万円捜査費二億二千四百余万円を計上しております。  以上が昭和二十七年度予算概略であります。
  7. 杉山昌作

    理事杉山昌作君) 御質問ございましたら……。
  8. 左藤義詮

    左藤義詮君 この電通省へお拂込みになります警察電話専用料ですが、これはどういうような料率電通省と計算をしておりますか。
  9. 三輪良雄

    政府委員三輪良雄君) 只今の御質問でございますが、料金法の中にいろいろな場合につきまして規定がございます。何級線の何キロまでのものは何通話を基準にいたすということでございますが、只今資料を持つておりません。料金法の中にございますので、後ほど資料にいたしまして提出をいたします。
  10. 左藤義詮

    左藤義詮君 一般民間電話料率とどのくらいの比率になるのでございますか。相当安く専用しておられるかどうか。
  11. 三輪良雄

    政府委員三輪良雄君) 専用料のうちで一般のものと新聞通信とそれから警察というふうにたしか分けてあるかと思いますが、正確なことはちよつと記憶にございませんが、大体三分の一か四分の一ぐらいの料率ではないかと、かように考えております。
  12. 左藤義詮

    左藤義詮君 会計課長が三分の一か四分の一かぼんやりしたことしか御記憶がないような……非常に将来電通が公社にでもなつて、だんだん運営のほうに向いて行くような場合非常に大事な問題だと思うのですが、それにつきましては、いつ頃おきめになつているのでございますか。
  13. 三輪良雄

    政府委員三輪良雄君) この前の国会で御審議になつておきめなつたものと思います。
  14. 左藤義詮

    左藤義詮君 いずれそれじやその料率、特に一般民間電話との比率などの資料を頂きたいと思いますが、この警察電話を現在進駐軍が使用しているようなことはないのですか。
  15. 三輪良雄

    政府委員三輪良雄君) 進駐軍は独自の専用線を持つておりまして、これを使つていることはございません。
  16. 左藤義詮

    左藤義詮君 使つていないのですね。
  17. 三輪良雄

    政府委員三輪良雄君) はい。
  18. 左藤義詮

    左藤義詮君 今度の行政協定でも駐留軍警察電話と何らかの関係ができることがないお見通しでざいますね。
  19. 三輪良雄

    政府委員三輪良雄君) 私ども承知いたす限りでは関係がないと存じております。
  20. 左藤義詮

    左藤義詮君 それから警察大学校という名前をお使いになつているのですが、これは御承知のように文部省学校教育法というもので大学というのはちやんと規定があるのですが、その枠外の大学校という名前をどういうふうな立場からお付けになつているのでありましよう。
  21. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) お答えいたしますが、警察学校名称ができましたのは、昭和二十二年暮に警察法が制定になります際に付けられた名前でございまして、その後法案審議の過程におきまして警察学校を三段階に分けたのでございます。先ず第一段階を都道府県の警察学校といたしまして、その上の段階管区学校、その上の段階警察教育としては最高の研修をする施設であるという意味におきまして、警察大学という名前が当時付けられておるというふうに記憶いたしております。
  22. 左藤義詮

    左藤義詮君 そういたしますと、警察法ですか、法律によつて学校という名前は法的に認められているわけですか。
  23. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) お話通り警察法の中に規定してございます。
  24. 左藤義詮

    左藤義詮君 それをおきめになるときに文部省のほうからは何らかの学校教育法立場からの御折衝などなかつたのでございますか。
  25. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) 当時この法案につきましては、次官会議その他において十分御審議願つたのでございますが、その際におきまして、私の記憶ではたしかなかつたように存じております。
  26. 左藤義詮

    左藤義詮君 大学というものは一定の基準を以て学校教育法によつているわけですが、そういう際にも曾つて陸軍学校とか、海軍大学校とかいう名前で独自の立場からこの校という字を別に付けて、学校教育法の筋で言うと非常に迷惑をするというか、誤解を起しやすいような名称であつたのですが、今警察大学校という名前を法的に確認がされてあるとおつしやるのでありますが、もう一度文部省のほうも調べてみたいと思うのでありますが、その点においては十分文部省と連絡の上で処置することは間違いないのでございますか。
  27. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) 只今申上げました通り、当時法案政府提案でございまして、政府部内におきましては関係のものが十分審議をいたしてやらしたものと御承知願いたいのでございます。
  28. 松永義雄

    松永義雄君 昭和二十七年度国家地方警察予算について只今説明があつた二枚目の最後のところの活動費及び捜査費についてちよつとお尋ねしてみたいと思うのです。  先ず第一にお聞きしたいことは、最近犯罪捜査の上に警察官暴行、脅迫が頻々として行われることを耳にしておる、そういうことは御承知でしようかどうか。
  29. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) 犯罪の捜罪につきまして、警察官人権を尊重しなければならないことは、申上げるまでもなく私どもといたしましては常々よく徹底させておるつもりであるのでございますが、中にはやはり残念なことにときどきそういうふうなことがあるような話を聞くことがあるのでございます。昭和二十六年度におきまして、私どものほうで懲戒をいたしましたものが七百五十九件あるのでございます。この懲戒の原因もいろいろありまして、どれが的確にそれに当るかということは、具体的な事情を調べてみなければわからないのでございますが、勤務規律違反によりまして懲戒を受けましたものが五十三件計上されております。これらのものの中にお話のような事件に該当するものがありはせんかということを非常に残念に思う次第でございます。
  30. 松永義雄

    松永義雄君 最近にこの自治警察国家警察移つてから、国家警察というものは自治警察より威張つてもいいというような感じを持つて国民に臨んでおる節があるのでありますが、この犯罪捜査取調に当つて暴行を加えるということは、只今報告があつたようでございますが、ここ一年間において極めてそれがひどくなつておる、私の耳にしているところによるというとひどくなつておる。で、昔に再び戻つて自白主義に戻つている感がいたすのであります。このことは法務総裁なり責任者のほうへ申上げなければならんことだとは思いますが、併し非常にひどくなつているということだけは私ははつきりこれは申上げられる、投書、診断書それらを附して我々の所へ持つて来ている、これは人権擁護委員会がありますから、一応そちらのほうで解決してもらおうと思つてそちらへ廻しちやいるのですけれども、併し昔の考に戻りつつあるということはこれは顯著であります。只今質問のありました警察官教育問題についてでありますが、私がここで今更民主主義がどういうものであるかということを尤もらしく申上げることもないと思いますが、この犯罪捜査が最近非常に科学的にならなければならんということを申しておる、それは自白強要によつて犯罪の有無をきめるべきでないということの裏書きなんです。ところがその精神を理解しておらない警察官がまあ殆んどと言つてもいいが、これは要するに教育が行届かないからだろうと思う。まあこういう注文はそれぞれのところへ申上げることでありましようが、そういう事実があるということだけは私は一応申上げておきます。  それから更に逆に又これは東京都と警視庁との関係犯罪捜査上に資料が足りないとか、活動費が不足しているということが問題になつて新聞紙上に載つておつたことは私が申上げるまでもありません。この犯罪捜査に当つて活動費が非常に少な過ぎるということが曾てしばしば言われて来た、最近現実に犯罪が行われておるが、なかなかこれが何といいますか逮捕されない、うやむやのうちに消えているような事件が相当数ある、まがよくて三年か四年経つてほかの犯罪を犯したために挙げられているというような工合になつておるわけです。これで足りるのかどうかということを一ぺん聞いておきたいと思います。
  31. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) 二十七年度予算要求してございまする捜査費は二億二千余万円でございまして、昭和二十六年度と殆んど同額でございます。犯罪捜査につきましては、私たちはまだ十分だとは思つておりませんけれども、財政の現状等から見まして、この範囲内で極力効果的に使いまして、何とか警察といたしましても、犯人の検挙というようなことに遺憾のないようにして参りたいということを考えておるわけでございます。
  32. 松永義雄

    松永義雄君 そこでお聞きしたいのは、いろいろの理由、事情を述べると限りありませんが、結論だけ申上げますと、これから先き犯罪は殖える見通しですか、どつちですか。
  33. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) 今までの事例に徴しますと、御参考までに申上げて見ますれば、昭和二十三年の犯罪発生件数が百六十万件でございます。これが今までの最高犯罪発生件数でございます。二十四年度も同じく百六十万件ぐらいございましたが、二十五年に至りまして百四十六万件、二十六年に至りましては百四十万件に相成つておるのでございます。数から申しますれば、二十三年を頂上といたしまして逐次減少をして来て参つております。但し私びものほうの見方からいたしますれば、数は減つておりますけれども犯罪の質的な面から申しますると、非常にまあ兇暴なる犯罪、複雑巧妙なる犯罪というものが依然として減らないというふうに考えておるのでございます。将来のことがどうなりますかということは、私どものほうではちよと申しかねるのでございますけれども、こういう趨勢であるということで御承知願いたいと思います。
  34. 松永義雄

    松永義雄君 まあ今御説明があつたから幾らかわかるのですが、最近前科者犯罪が非常に殖えて来ておる。それで犯罪の性質が悪質になつて来る傾向帶びておる。こういう数字が殖えて来ておる。一応まあ食べ物もどうにか我々の口に入るが、併し再び新らしい経済状態の変更によつて、又例えば統制違反というようなものが出て来る虞れがある。それと同時に又いろいろな犯罪が派生的に出て来ると思います。この額であなたは足りるかどうかということだけ聞いておきたいと思います。
  35. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) 先ほども申しました通り、この額は二十六年度捜査費同額でございまして、二十六年度も結了いたしておらないのでございまして、私どもといたしましては十分だとは思いませんけれども、そんな事情からいたしまして、これで何とか最大の努力を盡してやつて行きたいというふうに考えておることを御了承願いたいと思います。
  36. 松永義雄

    松永義雄君 これは私の意見になりますけれども、足りない金で以て犯罪が悪質になつて来る。その犯罪をを防止する、そのために努力しなければならんということが勢いこれが自白強要ということに陷る虞れがある。職権濫用に知らず知らずのうちに入つて来る虞れがある。そういう点は結局教養になるでしよう、努力ということになるでしよう。警察官努力を非常に必要とするということになるでしようが、そういうことの一つ責任を十分負つて熱心にやつて頂かないと、秩序が混乱する虞れがあるということだけを私は念のために申上げて私の質問を終ります。
  37. 中山福藏

    中山福藏君 ちよつとお尋ねいたしますが、犯罪捜査に関する予算がこれに組まれております。而も超短波に関するところの設備を十分にやつておかなければいかんということなんでありますが、この種の設備というものが各警察犯罪捜査の面に必要であるということは申すまでもないのでありますが、そこで国家地方警察自治体警察というような二つのいわゆる警察官庁があつて、そうして設備というものも軍になつて、国費というものは重複して来るのじやないかというふうに私は感じを持つのでありますが、そういう設備を共同で使う、或いは何らかのそこに融通をきかせるというようなことについては御研究になつておりますか、どうでありますか。
  38. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) 只今御指摘になりました点は、私どもも全く同様に考えているのでありまして、施設の重複によります冗費は極力省きたい。それには警察法建前国家地方警察というものは自治体警察に対しまして、要求によりまして援助をするということが建前になつておりますし、更に通信施設は全部国家地方警察が幹線を持つているのであります。鑑識の施設にいたしましても、国家地方警察本部に全部の指紋も集まるようになつておりますし、科学捜査研究所等も持つておりまして、一切の自治体警察の利用に開放しているのであります。こういうふうな傾向を更に一層装備面等におきましても進めて行きたい。我々のほうといたしましては、自治体警察のほうから御要求があれば、できる限りの御便宜、サービスを提供したいというふうに考えており、常々自治体警察のほうのかたがたにもそういう意向は伝えているのでございます。自治体警察のほうの御事情もありまして、裝備の点その他におきまして、必ずしも合理的に行くというふうには参らないこともあるかも知れませんけれども、我々といたしましては、いつでも自治体警察のほうで御要求なさればサービスは提供するということになつております。
  39. 中山福藏

    中山福藏君 そこで念のためにお聞きしておくのですが、将来の警察制度の改革ということについて非常に参考になると思うのですが、そういう例から国家の警察を一本にするということがいいか、或いは現在のまま持続して行くほうがいいかというような点についてどう考えておられますか。一つその点を参考のために伺つておきます。
  40. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) これはなかなかむずかしい問題で、事務的な範囲では結論を出しにくい問題であると思いますので、できますれば他の機会に国務大臣からお聞きとり願いたいと思います。
  41. 中山福藏

    中山福藏君 どうか一つ十分の資料を国務大臣のほうに提供して、これは国家を一体として見なければならん大きな問題じやないかと思うのです。こういうふうなことだから私は白鳥警部の問題でも幾日もその解決ができないのじやないかという実は疑いを持つているものですからお尋ねしたわけでありますが、どうか一つ国務大臣にそのことをおつしやつて、十分な御答弁を頂きたいと私はお願いしておきます。  それからもう一つお尋ねしておきますが、警察官教養に関して、巡査見習生のために五億一千余万円というのが書いてある。一体巡査見習生に御採用になるときはどういうふうな点を主に関心を持つて御採用になるのでしようか。又試験官につきましては、どういうふうな考慮をされているか、そういうような点を御明示を願いたい。
  42. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) 巡査見習生の採用につきましては、一般的な條件といたしまして、身体が強健な者を要求いたしますことは警察官の職務の性質上御承知であると思います。そのほかに身許の確実で思想の堅固なもの、もとより民主的な警察官といたしまして、民主的な警察の職務に耐え得るような知能、性格というようなものを持つておる者でなければならないのであります。こういう学力の点につきましても、一応の検査をしております。学力、体格、身許、こういうふうなことを総合いたしまして採用を決定いたしておるのであります。御参考までに申上げますると、大体只今までのところ、募集人員の七、八倍から十倍くらいの応募者があるので、ございまして、私どもといたしましては、大体希望するところの見習生を採用できておるような状況になつております。巡査見習生予算に、五億一千万円という経費が計上されておりまするが、これは六カ月間都道府県の警察学校に入れておりますので、その間の給與も入つております。又この巡査見習生は單に国家地方警察警察官として採用するものだけではないのでございます。ここを卒業いたしました者は国家地方警察自治体警察とおのおのに分れて採用されるのでございます。尤も六大都市等は別に初任教養学校を持つておるものもございますけれども、それ以外の大多数の自治体警察はいずれも私のほうの予算に計上されておりまする見習生の課程を経ました者が自治体警察警察官として勤務することに相成るのでございます。
  43. 中山福藏

    中山福藏君 その試験の際にその思想傾向とか、何とかいうようなものはどういうような程度の者が採用する試験官として任に当つておられるのか、その点を伺いたいと思います。
  44. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) この試験は人事院のほうと私の国家地方警察のほうと共同でやつておるのでございます。試験に当りましては、県本部の隊長、国家地方警察で申しますると、県本部の隊長を中心といたしまして、人事、装備課長、教養課長というような警察の階級で申しますると、警視という所におりますものが、中心になつて採否を決定する仕事に当つております。
  45. 中山福藏

    中山福藏君 それから、そこで一つ関連してお尋ねしておきますが、成る方面で婦人警察官を御採用になつておりますが、今年までに相当の年月が経ておりまして、その警察官としての能率を挙げたかどうか、或いは婦人独得の面から見まして、社会犯罪の防止に対して相当効果を挙げたかどうか、そういう点についてはどういうふうに考えておられるが、御参考のために伺つておきたいと思います。
  46. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) 婦人警察官お話でございまするが、これは国家地方警察のほうには警察官として採用いたしておるものはないのでございます。これは書記とか何とかいう名前で、便宜俗称婦人警察官と称しておりますが、国家地方警察のほうにはおりません。大都市の自治体警察には今でも採用しておるところがあるのでございます。私ども所管でございませんので、直接に聞いたわけでもございませんし、責任を持つてお答えできるという筋合のものでもございませんが、やはり少年の補導であるとか、婦人の被疑者の取扱という方面については相当効用を発揮しておられると思います。
  47. 中山福藏

    中山福藏君 もう二点だけお尋ねしておきたいと思います。この予算の中に、警察官の活動に関するところの費用だとか、或いは旅費とかいうもので九億一千二百余万円というものが組まれてありますが、一体相当なこれは去年よりも二百億ばかり予算が殖えておるように思うのですが、先だつて会議の席上で、木村法務総裁から札幌のあの警官の銃殺事件の今までの径路を伺つただけで、その後結果としてどうなつたか、捜査の結果どうなつたかという報告は今日に至るまで何も国民は承わつていないわけであります。だから予算をたくさんこうして鰻上りに上らすということは、国民の血税から支拂わなければならんことですから承わつておきますが、一体その後ああいう問題をどういうふうに捜査をしておられるのですか。超短波設備とか、いろいろな設備は結構でありますが、結局これは巡査採用の際における手腕、識見、力量というものに対する試験の粗末な結果こういうことになつて、下山事件でもあのまま煙と消えてしまつた。そのまま国民が忘れて放つておかれるというようなことになれば、幾ら予算を計上してみても余り国民は感心しないのですが、その後あの事件はどういうふうにお取調べになつておられるでしようか、お尋ねしておきたいと思います。
  48. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) 捜査関係につきましては私主管をしておりませんので、後ほど長官、大臣に御連絡をいたしまして、然るべき機会に御説明をして頂くようにいたしたいと思います。予算につきましては、二百数十億というお話でございましたが、先ほど御説明をいたしました通り二十八億の増でございます。そのうち二十三億というものは昨年の秋の警察法改正によりまして、町村警察が維持せられないということになりまして、国家地方警察のほうに編入せられまして、その職員が一万三千数百名おるのでございます。この一万三千数百名の新たに増加がいたしました職員と、その際二千六百人の新規増員を認められました、この増員分と、昨年秋の給與ベース改訂に伴うものが二十三億、そのほかに電話専用料の増が二億数千万円、こういうふうになつておるものと御承知を願いたいと思います。
  49. 中山福藏

    中山福藏君 そこでお尋ねしておくのですが、刑事訴訟法に関して警察捜査の面からどうしてもこういうふうにこの法律を改正しなければならないということがもう相当、例えば徳田球一君をお探しになる年数でも経ておるのでありますから、あなたがたの政府立場として、この法律をこういうふうに改正しなければならんというようなことはお気付きになりませんか。法律上の欠陷のために捜査の面が鈍るというようなことの感じはお受けになつておりませんか、これは一つ聞いておきたいと思う。
  50. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) お話のような点は、私ども事務的に前々から研究いたしておるのでございまするが、誠に申訳ないのですが、私主管の部長ではございませんので、ちよつと申上げられないのでございます。
  51. 堀木鎌三

    ○堀木鎌三君 私余り細かいことをお聞きしないのですが、ともかく戰前には九万五千人の警察官で一応国内治安の責任を全うしておつたわけです。ところが終戰後この国警と自治体警察を合せて十二万五千人の警察官がおる。実際それが全体として能率的に活動しておるのかどうか、こういう点が見たいのですが、それは国警のほうでお世話願つて、そういう実際の活動面から見てどう能率化しておるのか、非能率化しておるのか、そういうものを判断する資料というものを、今日御答弁願わなくてもいいのですが、出して頂きたい。ただ二十七年度予算の平面的な御説明だけでは、これだけの実際能率が挙つておるのかどうかという問題が頗る判断に迷うわけですが、お世話できますか、できませんか、この点はつきりさして頂きたい。
  52. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) これは私どもといたしまして、できまするだけの努力をいたしまして資料を集めておきたいと思いまするけれども、お示しを頂きますれば、どういうふうな工合にどういう資料を集めて見ろというような御構想をお示し願いますれば、便利であろうと思うのであります。御参考までに今までの終戰以来の犯罪検挙率などを申上げてみますると、これは国家地方警察自治体警察双方を含めた統計でございます。昭和二十三年に発生に対しまして検挙いたしましたものが五一%、同年は刑事訴訟法の改正が全面的に施行せられた当時でありまして、非常に落ちたのでございます。昭和九年時分には九〇%を上下しておりましたことを考えますれば、非常に検挙率は落ちたということが申せると思います。幸にいたしまして、その後逐次上昇いたして参りまして、二十四年に至りましてこれが五八%、二十五年に至りまして六八%、昨二十六年におきましては七〇%まで検挙率はだんだんと上昇して参つておるのでございます。これはやはり警察官が新らしい制度に習熟をいたしまして、本来の力が発揮できるようになつたと、警察官教養設備その他におきましても、逐次改善せられて来ておるということの一つの資料になるのではないかというふうに考えるのでございます。
  53. 堀木鎌三

    ○堀木鎌三君 今伺いました点だけでは、大体犯罪検挙比率というものも警察の能率を判断する一つの基準ではありましようが、先ず第一に考えられますことは、警察関係経費というものが戰前の恒常な日本の状態のときにどの程度を占めておつたか、そうして現在に直してみるとどの程度であつて、それが比較してどうなつておるか。犯罪につきましても、いろいろな集計によつて非常に殖えたり減つたりしておる。そういう点につきましても、犯罪の種類等につきまして、相当大分けでようございますから、あるものでようございますから、どうせ警察の目的上必要な程度以上には私ども要求していないので、だからその程度に、持つておられる程度でよいから、警察的な目から能率が上つておるか上つていなかを判断する基準警察自身におありになるので、余り細かいことは申上げませんが、とにかくそういう実際の活動がどの程度に行つておるかということを判断する資料を頂戴したい。併し、それは国警だけでは困りますから、国警と自治警を併せて、無論警察官の数だとか、種類だとか、そういうものも併せて内容的に警察官を分析して頂いて出して頂きたいとこう思うのでございます。どうぞ……。
  54. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 只今資料に関連してちよつと資料要求したいのですが、それは、これは重複するかも知れませんが、検挙の件数を種類別に分類した表ですね、それから犯罪の種類別統計、それから自殺着の原因別、自殺した人の原因別調べ、何のために自殺したのか、その原因と件数、この三つを同時に資料として頂きたいのです。
  55. 岩間正男

    岩間正男君 今の資料と同じようになると思うのですが、特に項目別として、大衆運動並びに政治運動、こういうものの犯罪という点をほかの犯罪と一応明確に分けて教えて頂きたい。こういうものを逮捕する犯罪件数、こういうものが明確になりませんと傾向がわかりませんから、この点今の資料になおそういう点を明らかにして欲しいと思います。
  56. 小野哲

    ○小野哲君 堀木委員の御質問に多少関連があるのですが、私はもう少し限局して伺いたいのは、昨年警察法改正がありまして、自治体警察が相当国家地方警察に編入されたわけであります。大体八割程度であつたかと思いますが、そこで若し具体的に今日御説明承われば大変結構なんですが、その結果警察能力とか、或いは能率の上でどういうふうな変化が起こつて来ているか、具体的の事例等がおわかりになつておるならば大体御説明願いたい。
  57. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) 先ほどの御要求の中に、一番最初の検挙件数の種類別、これはどういうものでございますか。
  58. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 犯罪でもいいのですよ。犯罪件数です、犯罪の分類ですね。
  59. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) 刑法犯罪別に、詐欺罪が何ぼというふう……。
  60. 岩間正男

    岩間正男君 例えば私の今お願いした大衆運動とか、労働運動とか、それから政治運動とか、そういうものの項目別はあるのですか。
  61. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) そういう項目はございません。統計の中にはございません。
  62. 岩間正男

    岩間正男君 ないとすると、これは非常に重大だと思うので、是非この性格を明らかにしていないと、最近の傾向がわかりません。
  63. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) わかる限り調べます。  先ほどの御質問でございますが、先ほど申しました通り、昨年六月の警察法改正によりまして、町村は住民投票によりまして自治体警察を廃止して国家地方警察になることができる、こういう規定が新たに付け加えられまして、その結果千二十四の町村が住民投票で廃止し、五町村でございましたか、引続いて存続をするといふことにきまりまして、その他の町村が国家地方警察に入つたわけでございます。国家地方警察といたしましては、この廃止しました町村も含めまして、新たに管轄の区域をきめました警察署を設置し、又装備整備その他につきましても編成をし直して出発しているわけでございます。最初の十月、十一月の当時は人員の異動その他によりまして、若干私は犯罪の件数に現われましたところ警察の活動というものは低下したかとも思うのでございます。その後は順調に参つているように思われます。ただどういう点にどういうふうに現れたかということになりますと、非常にむずかしいのでございまして、我々といたしましては、全体の人員が最も有効適切に使えるような再配置をして、必要なる個所に必要な人員を置くことができた。今までの自治体警察におきましては、その町村に固定の警察人員を持つておつたわけでございます。人口五千の町村でも十人かそこらの警察官を持つておつた、それが国家地方警察の区域になりますと、警察署を中心として一つの警察單位として活動ができますので、その町村には必ずしも十人の警察官は要らない、七人か八人ぐらいで済めば他の二人、三人というのはもつと有効な方面にこれを廻すというふうなことを具体的にやつております。装備についても同様でございまして、今までの状態におきましては、各自治体警察別に持つておつたのでございます。これを総合いたしまして、広い見地から一番有効な配置だと思われる所に配置をし直したという事情がございます。お答えになつておらんかもわかりませんが、具体的にお答えすることはなかなかむずかしいのでありまして、もう少しお示しを願つて御答弁を要求して頂きますれば、それによつてお答えをいたします。
  64. 小野哲

    ○小野哲君 昨年六月に警察法改正があつたために、まだ実績等については的確に把握されておらないであらうということも想像にかたくないわけでありますが、昨年の警察法改正というものが我が国の警察能力なり、或いは運営上の能率の上において一つの具体的な例を作ることになるのではないかと思う。今後警察制度を如何にすることが適当であるかということについて一つのサンプルと申しますか、そういうものを提供する素材になるのではないかとも思うのでございます。そういう意味で先ほど堀木委員が従来の警察制度と、新らしい警察運営の問題についての御質問がございましたが、更に昨年の改正がこれに対して何らかの示唆を與えているのではないかというふうにも考えますので、更に資料その他御研究の結果御答弁の可能な場合が起こりましたら、適当な機会にお示しが願いたいと思います。
  65. 山田節男

    ○山田節男君 さつきの各委員の御質問と関連しておるのでありますが、どうも私は国家警察は組織の部面からいつてもさつきいろいろ指摘があつたように、犯罪検挙数が昨年度においては七〇%、昭和九年の九〇%を目的にして進んでおる、こう言われるが、これには何といつても今日国家警察の活動が鈍いというか、検挙数が七〇%に上昇したと言いますけれども、その重大な犯罪検挙されなくてはこの数字は何もいい数字じやない、そこでこれは極端に言えば、私はどうも日本の国家警察は昔の消防でいえば「まとい」、簿記はいわゆる大福帳を使つている。人間の質なり、或いは施設から言つてもやはり旧態依然たるものがある。殊に欧米を実際に見て、今日の警察関係のものはラジオカーはもう当然のことである。超短波を使つてしつかりと距離というものを把握して、あのアメリカのように大きな土地でも縦横無盡にやれる、日本のように小さな島で、而も人がたくさんおるから検挙がむずかしいということも言えるかも知れませんが、私は結局国家警察の職員の質とそれの訓練の科学的な、科学性が欠けておると思う。それから第三にはやはりその施設が有機的に、科学的でない、そこに非常な私は欠陷があるのじやないかと思う。今、今年度示された百十億の予算の中で約三十億、二十九億五千万円の警察通信費が出ております。その中で超短波関係した予算が計上されてありますが、私はそういうところに非常に欠陷があるのじやないかと思うのです。まあ質問ですが、例えば現在四カ所の超短波施設があつて、来年度予算において十四県増設する、まあこいうようなことが出ておるのでありますが、私の質問申上げたいことは、この小さい四つの島に本当に無線施設、超短波施設を以て何年度において北海道、本州、四国、九州の完全なネツトワークが、超短波の無線施設を以て一つのネツトワークを作る計画を持つておりますか。これが第一の質問。  それから第二は、御承知のように行政協定が昨日大体新聞でまあ発表されたが、我々はよく知らない。新聞の発表するところによつて見ても、駐留軍が今後行うところの犯罪駐留軍の軍人、軍属、或いはその家族、それからそこに働く日本人、こういつたような犯罪行為に対して、属人主義の場合でもやはりアメリカのそういうこの犯罪捜査というものは成る程度においては事実あるのじやないかと思う。そこで国家警察なり、或いは地方警察なりがこういう行政協定において犯罪捜査犯罪検挙についてどういう程度の協力をするのか、この点を一つお伺いしたいと思つております。具体的にお伺いしたいと思つております。  それから第三はさつき木村委員からの資料の提出の御要求があつた一部としまして私はお願いしたいのでございますが、これはもう年別にできればなお更いいのでありますが、年間において一体国家警察、地方警察が容疑者、嫌疑者として逮捕して、そうして調べてみたところが事実がなしというので釈放した、こういう件数は一体どのくらいあるのか、できれば終戰後のこの犯罪検挙率の非常に低かつた五%の時代から七〇に%上昇した昨年までを年別にでも一つそういう数を一つ数字において示して頂きたい。
  66. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) 最初の超短波ラジオカーの計画のお話でございますが、北海道は二十七年度予算をお認め頂けますれば、明年度において完成をする予定でございます。先ほども説明にありましたごとく、昭和二十五年において四府県やつております。昭和二十六年において十四、明年度において九県でございまするから、二十七年度の末に至りまして二十七の府県に完成をするわけでございます。私どもといたしましては、三カ年の計画を以て大蔵当局と折衝いたしたのでございまするけれども、国庫財政の現況によりまして今のような状況になつておるわけでありまして、明年度におきましても、同じような要求をいたしたい、かように考えて、成るべく早く必要な超短波網を完成したい、かように考えております。  行政協定の話につきましては、私ども新聞承知した程度でございまして、どういうことがきめられたのか存じないのでありますが、私どもといたしましては、協定にきわめられました事柄を誠実に守つて行くということは申すまでもないのでございます。現行犯の逮捕の場合は、現在日本の警察官といえども、生命、身体、財産に急迫なる侵害を受けまする場合については現行犯が逮捕できるということになつておりまするので、こういう点も同じようなことになるのではなかろうか。それらの点につきましても、私どもは誠心誠意国民の不安がないように、十分に職責を遂行して行かなければならないと考えております。  最後資料の点につきましてはわかりました。努力いたします。
  67. 山田節男

    ○山田節男君 この第二の行政協定の問題に関連してですがね、現在においても占領軍政下にあつて国家警察は例えばCIDであるとか、或いは思想方面においてはCICと国家警察は中央地方においてまあ連絡してやつておるわけでありますが、これまで国家警察としてこういう思想、それからCID関係との共同、何といいますか、協力といいますか、そういうようなことを私はやつておられたように見るのでありますが、そういう程度のことはやはりこの行政協定の中で協力をやらされるのじやないか。そういう場合に、国警としてこれは勿論行政協定に基く防衛費の負担になりますか、どうなるかわかりませんが、そういうようなことになれば、今計上されている国家警察予算というものは補正予算においてか何かにおいて増額されなくちやいけない。で、今よくわからんということを言われますが、私はもう大体この根本がきまつた以上は、国家警察のような重要なものに対しては或る程度の、もう大蔵省なら大蔵省から国家警察に相談があつたに違いないと思う。そういうことはないということをおつしやいますが、私はそういうように信じられないが、現在予算を計上しておりまするが、補正予算でこれを増額しなくちやならんだろうということの見通しだけでも、それはつくかつかんかくらいなことは言えるだろうと思いますが、この点について……。
  68. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) 只今お答えいたしました通り、そういう問題は事務当局といたしましては全然承わつておらないのでございます。従いまして、お尋ねの点につきましても御答弁申上げかねる次第でございます。
  69. 山田節男

    ○山田節男君 今まで終戰以来国家警察が占領軍のCID、或いはCICと協力して、いろいろ人件費から言つても、或いは施設の点から言つても相当私はこの協力のために金が要つているだろう。そういつたような費用というものは国家警察本部においては、中央、地方において占領軍に協力するためにこれだけの費用が要つたというような、そういう数字的なものはわかりませんか。
  70. 三輪良雄

    政府委員三輪良雄君) CID、CICに協力をいたしまして、犯人の逮捕に協力いたしますことは事実あると存じますが、一般犯罪捜査なり、検挙なりの予算として配付いたします中でやつておりまするので、特に進駐軍関係の協力のためにこれこれ要つたといつたような資料は私ども持合せておりません。
  71. 岩間正男

    岩間正男君 二、三点伺いたいのでありますが、第一にこの外人の犯罪ですね、こういうものは調査がついておるのでありますか。こういうものについてやはり年度別に資料を欲しいと思いますが、これは如何ですか。
  72. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) お答えいたしますが、外人の犯罪検挙件数でございますね。
  73. 岩間正男

    岩間正男君 犯罪数と、それからそれに対する検挙数とか、そういう統計はありますか。
  74. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) 検挙したものについてはわかりますので、後ほど御提出いたします。
  75. 岩間正男

    岩間正男君 犯罪数は……。
  76. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) 犯罪数というと、警察のほうの手に渡る前のものですか、警察のほうでタッチする…。
  77. 岩間正男

    岩間正男君 いろいろまあとにかく最近頻々として起つておりますね。而もその前に新聞なんかに公表されなくても警察のほうでつかんでおる、そういう犯罪もあるだろうと思う。国民に知らされていない少くともそういうものがこれは国警本部でつかまれていないとすれば、どうも問題だと思うのですがね。こういうものについて今までそういうふうの資料があるか、調査があるかどうか。
  78. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) お答えいたします。犯罪発生いたしました数については確たるお答えができないのでございます。調べてみまして多分ないのじやないかと思いまするが、ございましたら提出いたすことにいたします。
  79. 岩間正男

    岩間正男君 何だかどうも少し頼りなくなつたのですがね。これはまあ日本人に対する犯罪ですけれども、まあ外人同志で起つたとか、軍隊内とか、そういうことについて私たちは求めているんじやない。これは日本人との間に起つた犯罪の問題でありますから、そういうものは少くとも国警本部のこれは掌握するところでなくてはならんと思うのですね。これははつきりしておりませんか、ないですか。
  80. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) 今申上げましたごとく検挙いたしましたものについては統計ができておると思うのでございますが、その前の段階のものにつきましては、私只今ここではつきりと申上げる資料がないのでございます。
  81. 岩間正男

    岩間正男君 じやそれを調べて頂いてこれは御報告頂きたいと思うのです。それから今まで検挙したもの、そういうものについては無論これは知らして頂きたいと思うのです。それからこのCIDとの協力の問題ですが、これは現在ではどういう段階まで協力するようになつているとか、それから現行犯についてはこれを逮捕してもいいたとになつているんですね。併しこの限界が非常に不明瞭なんですが、今までそういう覚書か何か来ておるんですか。こういう覚書でもあるとすればその根拠について伺いたいと思います。どの範囲までどういうところまで日本の警察はCIDに対して協力する、或いは日本の警察は独自の権能で以て外人の犯罪に対して行動ができるか、少くともそういう覚書というようなものでこの一線を明確にしておかなければ、今度のような事件が起つた場合にはこれは非常に不明瞭であり、従つてそれに伴つて国民の不安を解消することはこれはできない。そこでその根拠になるものにどういうものがあるか、一つ伺つておきたいと思います。
  82. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) 協力の問題につきましては、ちよつと申しまして一般的なものになつておりまするかどうですか、はつきり存じないのでありまするけれども、今現行犯の逮捕につきましてはこれは覚書が出ておると思います。後ほど資料として差上げることにいたしたいと思います。
  83. 岩間正男

    岩間正男君 そうしますと、協力の線は今までまあ向うと折衝して明確にされた、そういうことはなかつたわけなんですが、これは非常に私は重要だと思うのですね、今まで日本の警察のあり方として。
  84. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) これは私直接担当しておりませんので、責任を以て申上げかねることでございますから、さよう御了承願います。
  85. 岩間正男

    岩間正男君 そういう点も併せてお調べ頂いて、資料としてこれはお出し願いたいと思うのであります。  それから次に伺いたいのでありますが、実際の取締の面についてでありますが、まあ国警でも自治警でも起つている問題でありますが、大衆運動ですね、こういう大衆運動に対しまして、例えば飽くまで平和を守るというような運動が展開されている。最近においては澁谷駅頭あたりで学生たちの徴兵拒否の運動というようなものが起つた。これについてはいろいろ伝えられておるようでありますが、まあ許可を受けないでやつたということが問題になつたのでありますが、その場合に澁谷署に対して学生たちの代表が五、六度に亘つてその許可を求めに行つた。併しこれに対していろいろ理由挙げて或いは又言を左右に託してこれは許可されなかつた。こういう形があるんです。ところが澁谷の駅頭では言うまでもなく再軍備運動とか、或いはキリスト教のこういう演説会、こういうものはしよつちゆう行わている。そうしますと、警察の態度は再軍備運動についてはこれを許可する。そうして平和運動のようなもの、或いは憲法を守る、こういうことから発生した運動についてはこれはどうしても許可が困難である、こういう印象を受けるというと非常にこれは私はまずいと思う。一方は憲法に関する問題でありますが、憲法を何せ守ろうという運動が非常にこれは許可されない。それで憲法と違つたような再軍備をやろうというような運動についてはこれは許可される。而も余りこれに対しては警官が出動したということは未だ曾つて寡聞にして私は例を聞かない。再軍備運動に対して鉄兜の警官が出動してこれに対して警戒したという例を未だ私は寡聞にして聞かない。それなのにそういう平和運動に対しては絶えずこれは警察が出動している。何回もだんだん人員を増加してそうしてこれを警戒する。混乱とか何とか言われておりますが、その混乱という原因はその警察が出動すること自体のうちにある。通行人がそう言つている。警察さえ出なければ安全に平穏に行くものを、警官が出てそうしてああいうところで取締をやつて、或いは又スクラムを組んだり、こん棒で以て警備をする、そういうもので交通が非常にむしろ混乱する。そうしてそのために大衆が、その通行人なんかも非常に迷惑する、そういう事態が起つているのですね。これは我々は合点がいかない。こういう点は警察がどういう方針をとつていられるのであるか、この際やはり明らかにして頂くことが私は非常に重要じやないかと思うのです。日本の憲法に関連しましてこのことを伺いたい。
  86. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) 警察官は法律を執行する任務を持つているのでございまして、やはり一同すべて職務を執行するに当りましては、憲法及び法規を遵守することを宣誓しておるのでございます。国家地方警察に関する限りは、私は法律の厳正なる執行をいたしておると思いまするけれども、今お話しになりました点は自治体警察である警視庁の管轄の事件のように思いますので、私から責任を以てお答えすることはできないことを御了承願います。
  87. 岩間正男

    岩間正男君 これはそういうところにも又一つ問題があると思うのでありますけれども、これは警視庁のほうの管轄下で起つた問題であります。併し国家としましてもこういう問題についてはどういうふうに処理しようと考えておられるか、こういう態度、基本的な態度ですね、これは非常に重要でありますから、法の執行、法を厳守する、これが警官の最大任務だというお話でありますが、その根本の憲法ですな、これを守るということが日本の警官の私は最大任務じやないかと考える。そうしますと、この点から国警としましてはどういう態度、基本的な態度を以て、こういう問題が今後又起るかも知れませんが、どういうふうに処置されるか、伺つておきたい。
  88. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) 憲法及び法規を遵守する職務を持つていることは只今申上げた通りでございまして、私どもといたしましては誠実にそのことをやらなければならないと存じます。具体的の場合の判断になりますと、これは状況を仮定して申上げなければならないのでありまして、こういう席でお答えすることは如何かと思うのであります。
  89. 岩間正男

    岩間正男君 法の一番根本である憲法を守るということを基本的態度とされた、こういうのでありますが、そうしますと、例えば今後平和のための運動というものは、これは一体不許可になるのもおかしいと思うのです。    〔理事杉山昌作君退席、理事東隆君委員長席に着く〕  それから再三のそういう願いがあるのに、一方の再軍備運動というものはこれはもう殆んど許されておつて、そうして憲法を守る運動のほうが許されないというのは如何にもこれはおかしいと思うのですが、こういうことについてはこれは飽くまで国警としては確認されますか。こういうことをしない、飽くまで憲法を守る、そういう運動については、国民の自由意思によつて許す……、私は逆だと思うのです。警察が、警察国民の公僕だとか何とか言つていながら、公僕になつておらない。今日では逆だと思うのです。国民の血税によつて賄われておつて国民のそういう一つの要求によつて、これは警察は治安確保のために警察の任務を果すべきだと思うのでありますが、今日は何か非常に、傲岸に聳えておる、人民の前に聳えている。何かすると許可するとかしないとか非常に強権のように押しかぶさつているのでありますが、少くとも憲法を守るという、こういう運動に対してはこれを許可するとか許可しないとか、これは警察官の、或る場合にはこれはいろいろ公安條例とか、いろいろな関連もあるということも考えられますけれども、或る場合には、たまたまそういう限界を越えて越権になつておることが非常に多いのではないか。これは憲法のさかさまではないかというふうに思われることがあるのですが、こういうことについては、国警の場合どういうふうに今後の根本の態度をおきめになるか、この点をお伺いしておきたい。
  90. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) 再三申上げました通り、憲法及び法律を遵守する、法規を嚴正に執行するというのが警察官建前でございまして、今のお話の場合は、公安條例その他等の関係があつたと思いますが、これ以上私どもとして具体的にお答え申上げることは困難であろうと思います。
  91. 岩間正男

    岩間正男君 それではその問題は又責任者に出て頂きましてお伺いすることにしまして、もう一つ最後にお聞きしたいのは、本富士署の場合でありますが、特別警備係というようなものが作られておるということを今度の事件で我々承知したのでありますが、国警の場合はどうなんですか、こういう特別警備係というものを作られておるのですか。
  92. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) 国家地方警察の組織といたしましては、総務系統に属する、いわゆる行政の管理、人事、予算その他をやりますものと、刑事のほうを担当いたしまするものと、警備これだけのものが基本になつて動いておるのでございます。本富士署の特別警備係云々というお話につきましては、具体的に話を私ども確認しておりませんので、比較して申上げることはできません。
  93. 岩間正男

    岩間正男君 名前はどう付いているかわかりませんが、そういう任務を持つた特別な係は国警の機構の中に全然ないですか。
  94. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) 犯罪捜査、被疑者の逮捕に必要なる限りの情報收集等につきましては警察官が職務を行なつております。
  95. 岩間正男

    岩間正男君 自治警の中で特別警備係という人たちがやつていた仕事、それが端なくも最近騒がれておるようであります。大学のほうで何か手帳をどうしたとかいう問題になつておるのでありますが、その手帳の内容というものが少し我々の耳にも入つておる。実は愕然としておるわけなんですね。これは自治警の場合だから国警の興り知らないところだと言われればそれまでなんでありますが、国警の場合にもそういうことが、実際そうして治警よりももつと強力な組織をとつていられる。そうして今まで自治警では十分でないからもつと組織を強化するというので、昨年からこれは自治警の国警に対する併合の問題が起つておるはずでありますから、やはり同じようなそういう機構があるのではないかと思うのでありますが、なされておる任務を見て愕然としておるわけなんです。これは成るほど私服であそこの劇団の劇を見に行つたようでありますが、併し切符を買つて入つたのだからと、こういうことで言い逃れになつておるようであります。そうして何か私用で行つたそういうものであるから何ら差支えない、こう言つておるそうでありますが、間もなくすると、本富士署のほうから、その警官が帰らない、おかしいというので迎えに来た。これはおかしな話で、公務でないそういう形で行つた、そうして演劇を見ておる人たちが、今度は警察から、帰つて来ないというので迎えに来た。    〔理事東隆君退席、理事杉山昌作委員長席に着く〕 而もこの手帳の内容でありますが、これはここで我々はもつと事情調査しなければなりませんから一々申上げませんけれども、これは今の警察官の任務としては甚だこれは、越権だと思う。いろいろな個人の思想的な考えを調べたり、行動について調べたり、尾行をしたり、身許調査をやつたり、こういうようなことがこれが行われるというと、曾つての特高警察の復活をまざまざと見るように思いますが、こういうような機構は国警の中には全然現在ないのでございますか、これはどうでございますか。
  96. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) 先ほどお答えをいたしました通り国家地方警察には刑事と、それから警務と総務と警備関係のものがございまして、それぞれ犯罪捜査、被疑者の逮捕のために必要なる活動をしておるのでございます。お尋ねになりまする本富士署の云々につきましては私正確な事実を知つておりませんので、比較して何とも申上げにくいのでございますが、国家地方警察の現状はそういうことになつております。
  97. 岩間正男

    岩間正男君 これはもう私だけ質問に時間を取つてはなりませんから、又責任者の出席を求めましてお伺いすることにいたします。
  98. 平林太一

    ○平林太一君 国家地方警察予算について一応質問しておきたいと思います。要求総額百八十六億八千六百余万円で、二十六年度予算の百五十八億余万円に比較いたしまして二十八億八千七百余万円が昨年度より増になつております。国警が当初この要求を財政当局に対していたしたのとこの総額が一致しておるかどうか。恐らく常識を以て判断をいたしますれば、これより遥かに多いものを要求したるにあらざるやと察するのでありまするが、財政当局の査定によつてこれが減額をせられた、こういうようなことが臆測されるのであります。その辺の事実は如何ように相成つておるか。これは資料参考であるから、政府部内において何かそれの取扱い方に対して本日この席上において遠慮をしなければならんというようなことはお考えにならずに、ありのままを申述べられるように要請するものであります。
  99. 三輪良雄

    政府委員三輪良雄君) 当初私どもから財政当局に要請をいたしましたものは、御指摘のようにこの額の通りではございません。三百億ほどの要求をいたしております。併しその内容につきまして財政当局と十分打合せをいたし、協議をいたしまして、只今の財政の事情と国警の必要との睨み合せにつきまして協議をいたしました結果、ここに御審議を願うために出してございます百八十六億というものが只今の財政の事情只今の国警の事情として必要にして止むを得ないものであるというふうな私どもの見解もございましてその額になりました次第でございます。
  100. 平林太一

    ○平林太一君 只今極めて正直にお話しに相成つたのでありまするが、そうしますと当初の要求額は三百億を必要といたした。これは別に初めから山をかけて必要ならざるものを必要として計上いたしたのじやないことは明らかであると思います。そうするとこの差引百二十億内外というものが、当初の国警の昭和二十七年度における職務遂行のためにそれぞれの予算とすることがなすこと能わざるの事態に立至つたということになるのであります。そのうちのどのようなものがこの減額をいたさざるを余儀なくいたしたということに相成つたかという主なるものをここで改めて資料として説明を求めるものであります。
  101. 三輪良雄

    政府委員三輪良雄君) 国警の予算を構成いたします部分のうち、給與等につきましては、これはもとより要求通り頂かなければならないわけでございます。そのほかに日々の活動に要しまする経費と、それから施設と申しますか、装備と申しますか、そういうものを整備して参りますものでございますが、活動に要しまする経費のほうは、旅費でありまするとか、捜査費でありまするとか、これらにつきましては、例えば二人参りますところを一人で我慢できないかというようなことで、私ども我慢いたしました結果、あちらこちらからだんだん減つております。大きく減つておりますのは、物を買いますほうの金でございます。例えて申しますと、例えば超短波施設のごときは、先ほど他の政府委員から御説明をいたしました通り国家地方警察といたしましてできることでありますれば、明年度ぐらいを以つて全部完成いたしたいというような希望を大蔵当局に申述べた次第でございます。通信といたしまして超短波以外に、例えば只今電話線をもつと有効に使いますために、夜間にもう一度これを模写電送の機械を据付けまするというと、通信が全部、紙に書かれたものとして通信線の空いたおるときに使えるとかというふうないろいろな通信の新らしい施設金額としては非常に嵩む、車両につきましてもなお新らしく従来のものよりも以上に殖やしたいという希望を申述べたものが、折衝の結果、私どものほうでその要求を控えたというようなものもございます。金額の主なるものは通信装備、そういうものを買う金を協議の結果減額にしたものが大部分でございます。
  102. 平林太一

    ○平林太一君 只今大体の大要はそれによつて了承をいたしたのであります。いずれ、参考或いは資料として聽取いたしたのでありますから、今後これに対する考えをいたしたいと思います。先刻山田委員も御心配になつておられた通り、極めてこの超短波装備施設は非常に大切であるということでありますから、いずれ詳細を後の機会に十分検討いたしたいと思います。それにつけても、この際只今説明に相成りました事柄に対する具体的なそれぞれの項目を極めて私は必要といたします。でありますから、それを委員会に参考資料として提示するように委員長から御処置を煩したいと思います。
  103. 杉山昌作

    理事杉山昌作君) 承知いたしました。
  104. 平林太一

    ○平林太一君 なおこの際申述べておきたいと思いますことは、先ほど平和運動の問題に対して岩間君から御心配に相成るお話がありました。又憲法を守るべきものであるということを縷々述べられたのであります。私も同感の意を表するのであります。この際当局にこの点をよく質しておきたいと思いますことは、要するに平和運動は、その名目の明文のごとく国家の平和を護持するということが目的であり意図するものである。従つてこの運動に参加するそれぞれの国民は、ひたすら国家の平和を念願するためにこれに参加いたしておる。然るに国家の置かれておるところの実情、現状がその平和運動の最終結果、或いは最終目的が却つて不平和に陷るようなことのあることを国警当局はよくこれを常に検討することを怠らないようにこの際御注意を申上げておく。これに対して御意見がありますれば明かにその意見を述べられたい。  それから第二は、憲法を護る、これは極めて大切なことであります。併し考えなければならないことは、これ又国家の今日の現状におきまして、いわゆる例を引いて申しますれば、国は法によつて尊し、法は人によつて尊いのである、国滅び人滅せば誰か法を崇めん。私は憲法の解釈をこのように考えておるものであります。如何に憲法尊しといえども、国滅び、人減した場合には何らの、これは価値のないものである。従つてそういう取扱い方をしなければならないのであります。それでありまするから、憲法を護るということのみを意図いたしまして、結果においては国が滅びるような結果を招来するようなことであつてはならない。だから法を護持する運動に対しても、その憲法を守るという運動の最終段階、最終結果が国を滅ぼすような結果に到達することに相成りますることは、巖として、いわゆるときには泣いて馬謖を斬る、泣いてその処置をいたさなければならんということを国警の当局は考えられて、そうしてこの我が国の現状に、実情に即応いたした処置を講じて行くようにいたさなければならないと思う。そういう事柄を基本にいたしまして、それぞれの国警としての要求をいたしておることと思います。この際そういうことに対してこの機会に述べたいと思いまする御意図がありまするならばお述べになつておくことが極めて必要だと思います。
  105. 加藤陽三

    政府委員加藤陽三君) 只今お述べになりましたことは、私どもとして非常に傾聽させられたのでありまして、御趣旨は御忠言のように拝聽いたしまして、その趣旨におきまして十分善処いたしたいと思います。
  106. 内村清次

    ○内村清次君 議事進行について…。平林君の話を聞いておりましたが、これは国会議員といたしまして、国会議員は憲法を擁護するほうの立場になつておる。この憲法を即ち守つて行くべき立場議員が、その憲法を突つめて行けば、或いは平和を乱すような発言をするというのは、これは注意すべき問題ではなかろうか。而もそれを承わつたところのいわゆる国民に対して憲法の趣旨或いは法律を守つて、そうして国民を擁護して行くべき立場にある者が、忠言を受取つてそうしてその通りにやつて行こうという発言は、これは非常に重大であると思う。こういうような考え方でこれは質疑の過程におきまして、そうしてその質疑が順調にやつて行けば、これはこの委員会としては誠に結構なことでございますけれども、ああいうような重大な意見を交えて、而もこれを取締る当局が忠言として是認しているということ、これ自体は私は少し委員会の今日の議事の進行においてどうも私は納得行かない。こういう点は委員長におきましても速記録を調べて頂きまして、はつきりした処置をとつて頂きたいと思います。
  107. 平林太一

    ○平林太一君 只今お話がありまして、私も傾聽をいたしました。この議場は極めて各方面各角度から何ものにも拘束されないところの立場を以て、ひたすら願うところは国家の安寧秩序の維持、平和を守るということでありますから、そのためにいたす発言の概要に対しては、只今何か私の意見に対して、当局の質問に対してお話がありましたが、それは私と当局との間に交されたるいわゆる意見の交流、交換である。それに対して別の第三者がこれを掣肘し、拘束するということは、やがて発言の意図を非常に圧縮し、挫折するものになるということになりますから、委員会といたしましては極めてこれは常識的に考えられますことは、常識的に考えてめいめい腹の中でそれは承知しておればよろしい、こういうふうに私は考えるのであります。それによつて只今の御発言によりますと、何か非常に重大にそれを処置しなければならんというようなお話でありますが、そうなりますと、今後の議事の運営に対しまして非常に発言というものが不自由になり、窮屈になつて来るということは非常にこれは考えなければならないことと思います。こういうことを私と当局との間に交されたことは両者間の間にとどめるということに、これは御寛容に、応揚に一つお考え願つて、ますますこの会の議事の運行が非常に澗達自在に行われるようにいたすべきものである、かように考える次第であります。
  108. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 只今平林さんから内村君の発言は何か議員に対して今後予算委員会で非常に発言を拘束するような窮屈になるようなことを言われたんですが、併し内村君の言われたのは、やはり非常に重要な問題を持つておりまして、憲法第九十九條に「天皇又は攝政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負う。」と書いてあります。国会議員も入つておりますし、公務員も入つております。今説明された……、そうして又発言を見、答弁を聞いておりますと、国家存亡或いは国を滅してはいけないということは勿論でありますが、憲法のほうが従属的であるような発言をされておる。(「その通り」と呼ぶ者あり)そこが問題になつているのですね、この憲法を擁護することによつて日本国を再建しなければならないのです。東條時代みたいな形で、フアツシヨ的な形において日本国を再建しちやいけないのである。この憲法に基いて日本国を再建しなければならない。手段を選ばないということではないのでありまして、又日本は軍国主義になつて行くという、世界を侵略して行くという形において日本は守られるかも知れませんが、それは世界平和を乱すという形においては、日本を再建してはいけないのである。ですから先ほどの平林さんの御発言は何か手段を選ばないような形である。日本国を守るためには憲法を無視してもいいというような誤解を與えるようなことを言われた。それに対して今御答弁なすつた政府委員は、非常に非常にそれに賛意を表している。全く同感である、国家公務員として憲法を無視したような国会議員の発言に対して、全くこれは同感であるということは、憲法第九十九條の違反であります。(「その通り」と呼ぶ者あり)こういう意味で、内村さんの言われたことは非常にこれは重要なことなんであります。その意味でこれをまあ余りに感情的に扱うことはよくないのでありますけれども、内村さんは恐らく今後においては国会議員として憲法九十九條をやはり尊重なさる必要がある。尊重する義務があるのでありますから、それは平林さんのほうも誤解のないようにされる必要があると思います。平林さんの先ほどの御発言を聞いていますと、そういう誤解を生ぜしめるような御発言になつたのです。ですからそういう誤解を生ぜしめるような御発言でありましたから、あとで速記録をも御覽になりまして、そういう誤解を與えないような形に御訂正するなり、何かされたほうが、私は平林さんのためにもよろしいのですし、又政府委員もこの問題についてはやはり取消すなり、訂正するなりされたほうが私は穏当じやないか。何を発言してもいいのであるということではなく、やはり憲法に基いて憲法の精神を尊重して、憲法を無視するような発言をしていいわけじやないのでありまして、その点が一つはつきり私はさせる必要があるのじやないですか。
  109. 杉山昌作

    理事杉山昌作君) 皆さんに申上げますが、実は本日の会議は大体政府委員のほうから事務的な説明を伺うという趣旨であつたのでありますが、只今委員同士の間においての論議のようなことになりましたのですが、只今の各委員の御発言並びに政府委員の御答弁につきましては、速記録を見た上で適当に又お話合いを願うというふうなことにしまして次へ進みたいと思いますから……(「異議なし」と呼ぶ者あり)
  110. 谷口寛

    政府委員谷口寛君) 大衆運動の警察取締りに関するいろいろの心がまえにつきまして、各議員さんの御意見が出ました次第でございまして、その間内村議員さんの御意見に対しまして、平林議員さんの御意見に関しまして加藤総務部長の答弁が少し不十分でございましたように考えますので、補足をさして頂きたいと考える次第であります。  大衆運動が平穏に行われまする限りにおきまして、現在の警察制度の下におきまして警察がこれに関與する何ものもないのでございます。ただ警察は、加藤総務部長が答えました通り、飽くまで憲法、法律の命ずるところによつて治安の確保をなす使命を持つておりまするので、その憲法並びに法律に基きまして公安條例等が現在制定せられておりまするので、具体的なそれぞれの大衆運動の事例に即応いたしまして十分なる判断をいたします場合において、公共の安寧秩序保持という観点から、公安條例の命ずる制限或いは禁止をしなければならないというような具体的な事例も起つて来るわけでございます。従いまして結果的に見まするならば、大衆運動につきまして、或いは制限される、或いは禁止されるというようなものが出て参ります。併しながら飽くまで警察は憲法、法律を守つて、政治からは儼然と中立を保持して治安の維持に当るというのが使命でございまするので、その決定の判断につきまして政治的な考慮を加えるということは毛頭いたしておりませんし、又今後におきましてもさような判断を以て進むということは絶対にございません。加藤総務部長も御意見を拝聽いたしましたという意味において申上げたと考えるのでございますが、その点が不十分でございましたので、私から補足をさせて頂きます。    〔平林太一君、片柳眞吉君発言の許可を求む〕
  111. 杉山昌作

    理事杉山昌作君) 片柳君……、今片柳委員に発言を許しましたですから……、只今の問題につきましては、先ほど申上げました通りに、速記録を調べてもう一遍話合いを願うということにいたしましたので、問題を次に移すということで片柳委員に発言を許しました。(「了承」と呼ぶ者あり)
  112. 片柳眞吉

    ○片柳眞吉君 私は簡單に最近の情勢から見て参りまして、食糧管理法の違反の問題で若干お聞きしたいと思うのであります。と申しまするのは、米のほうは或る程度取締りがされておるようでありますが、麦のほうは殆んど拱手傍観の恰好でありまして、食糧管理法が続きながら麦の横流れその他は殆んど白晝公然とされておるような状況であるのであります。これは單に食糧管理法違反というだけの問題ではないと私は見るのでありまして、恐らく今度の国会に提案されまする麦の統制撤廃の問題とも私は実態的には相当の関連を持つておるというふうに見ておるのであります。と申しますのは、今のような状況でありますると、食糧管理法が儼然として存在しながら、少くとも麦に関しましては、殆んどこれは統制が崩壊をしておる。こういう実は事実が先に出ておるのでありまして、こういうような事実が先に生まれて、その後に麦の統制撤廃の措置を講ずるというような、こういう見方もできない次第もないと思うのでありまして、昨年の麦が豊作だつた関係もありましようが、私の大体調査したところでは、出廻り数量の恐らく三割から四割は殆んどこれは闇に流れておるような状態でありまして、その半面に食糧庁の持つておる小麦粉なり精麦は殆んど競争ができないで配給辞退に苦しんでおるわけでありますが、こういうような食糧管理法があれだけの経過をとりながら、儼然として存続しながら、米に関しては、或る程度取締りはされておるようでありますが、麦については殆んどこれは取締りがされておらんというのが、これは世間もそう見ておりまするし、又農家も、これを加工する精粉、精麦業者も大体殆んどもう麦は何もないのだという感覚でやつておるのです。私は何も取締りをすることがいいとは言いませんけれども、何かしらさような邪推かも知れませんが、実際上統制の崩壊を先ず防ぐというような意図があるというような推測さえできるのでありまして、この点を非常に遺憾とするわけでありますが、そういうような方針は国警本部では勿論ないと思いまするが、少くとも客観的な現象としては、麦の取締りは殆んどされておるまい。これに対してどういう見解でありまするか。なおデータがありますれば、昨年から最近までの米と麦とに分けまして、食糧管理法違反検挙しました件数を、これを一つお示しを頂きたいと思いますが、以上につきまして御答弁願いたいと思います。
  113. 谷口寛

    政府委員谷口寛君) お答え申上げます。食糧関係の取締りについて、米のほうは相当徹底した取締りをやつておるが、麦のほうは甚だ手温るい、むしろ取締まり面のやり方から見ると、統制の崩壊のほうに警察が、そういう気持でやつておるようにも見られるというような御意見であつたのでございまするが、我々といたしましては、今日の段階におきましても、食糧需給の重大性につきまして、十二分に意識も持つておりまするし、又食糧管理法も存在するわけでありまするから、各取締り当局には絶えず注意を喚起いたしまして、取締りをやらしておるのでございます。ただ御承知のように各府県、又各自治体警察におきましては、それぞれ公安委員会というものがございまして、いわゆる運営管理、取締りという問題につきましては、それぞれの公安委員会が決定権を持つというような現状に相成つておりまするので、その間率直に申上げまして、御指摘のような取締りの斉一性が欠いておるというようなことは確かに認めざるを得ないかと考えるのでございますが、需給の状況を考え、或いは端境期の問題、供出時期の問題等考えまして、適切なる運用をそれぞれ各関係公安委員会が指導できまするように、本部といたしましては配慮いたしておるような状況でございます。なお資料につきましては只今持合せがございませんので、後刻調査をいたしまして申上げたいと思います。
  114. 杉山昌作

    理事杉山昌作君) 国家地方警察に関する問題はこの程度で打切りまして、次に警察予備隊の経費説明を伺いたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  115. 江口見登留

    政府委員(江口見登留君) 昭和二十七年度警察予備隊予算案の一般について御説明を申上げます。警察予備隊の昭和二十七年度予算案五百四十億円につきまして、その概略説明を申上げます。昭和二十五年八月に警察予備隊を創設することになりましてから、昭和二十五年度におきましては、ポツダム政令により二百億円を国債費から移用いたしまして、昭和二十六年度におきましては、本予算が百六十億円、補正予算が百五十億円合計三百十億円を以て警察予備隊の需用を充足して来たのであります。御参考のため、これら二会計年度予算使用の概況を先ず御説明申上げます。  昭和二十五年度の二百億円のうち七万五千人の隊員の募集費三億一千万円のほか、初度裝備として、個人被服及び裝具四十六億円、寢具十四億円、車輛が十八億五千万円、通信機械が五億八千万円、衛生資材が一億三千万円、各種需品及び工具類が約十七億円合計百二億六千万円を使用いたしました。施設費におきましては、七万五千人を收容するために国有財産である旧軍施設及び若干の民有の旧工場を応急修理して利用したほか、更に恒久施設として四つの管区総監部をそれぞれ練馬、札幌、伊丹、福岡に設置し、又秋田、青森、函館に営舎を新設することとしてその工事に着手したのでありますが、その使途は、四管区総監部に十六億九千万円、新設三営舎に四億七千万円、既存施設の応急補修費に十一億四千万円、固定通信施設その他に六億円であります。以上のほか給與、食糧費、旅費、事務費等経常費で五十五億円を使用いたしました。   昭和二十六年度におきましては、当初百六十億円の決定を見た後、給與改善費に併せて裝備の急速整備を図るほか、施設の面におきましても、補給廠、倉庫、学校通信施設、射撃場等の新設整備をするために補正予算百五十億円の議決を得たわけであります。合計三百十億円のうち物品費は約百四十九億円、施設費は五十七億円であります。物品費につきましては、被服、車輛、通信機材、衛生等の分野において前年度に引続き裝備の充実を第一義として、これが調達に当つておりますが、その主要なものを申上げますと、車輛四十九億円、通信機材は三十五億円被服六億六千万円、衛生資材四億五千万円、需品工具三十億七千万円等であります。施設費につきましては、既設営舎整備補修費二十億円、前年度新設営舎の継続及び久留米等の新設五億円のほか補給廠、固定通信施設学校等の整備を図つております。次に昭和二十七年度予算案の内容を御説明いたします。七万五千名の警察官のほか、三万五千名の警察官を増員することとして経費を計上しております。大別いたしまして七万五千名分三百三億円、三万五千人分二百三十四億円、その他三億円となります。先ず十一万人の警察官給與は九十七億四千万円で一人一月当りにしてみますと七千五百円弱となります。又昭和二十七年度には任用期間を満了した一等警察士補以下の警察官に六万円又は三万円の特別退職手当を支給しなければなりませんが、その金額は受給資格者七万一千人に対し約三十九億円であります。隊員の糧食費は基準額を一日九十円として三十二億六千万円であります、三万五千人の新規募集及び特別退職者の補充のための募集費に一億六千万円を見込みました。  それから次に裝備費について申上げます。個人被服裝具は増員分の新規調達及び既定人員分の更新分約二十八億五千万円、寢具六億五千万円、合計三十五億円、車輛購入費約七十億円、通信機材は野外及び固定、又有線無線を併せて六十五億円を予定しております。衛生機械につきましては、三億四千万円、各種工具、需品、事務用机椅子類及び食堂厨房用器具物品で三億円、更に被服、靴、車輛、土木、通信等の機械器具の自隊修理のためミシン簡易なボーリング機械、鋳造、鍛造、検査等の機械及び附属工具一億六千万円を計上しました。これで裝備関係備品の計は約百七十七億円になります。以上により増員分の裝備についても既定分の裝備にほぼ近いだけのものをする所存であります。なお、火器彈薬類は、従来通り、米国所有のものを使用することとし、これらの購入費は計上いたしておりません。次に、裝備の修理についてでありますが、簡易な修理については能う限り自隊で行う建前でありますが、修理施設整備のため外註修理も併用せざるを得ませんので、自隊外註併用で行きまして、その修理費約十億円、揮発油を始めとする各種油類十四億円、暖房炊事用石炭約五億円、真空管、乾電池等通信関係消耗品二億七千万円、地図、標的、ロープ、木材、わら、カーバイト等の訓練用消耗品四億五千万円を計上しました。なお、通信施設について申しますと総隊総監部と管区総監部との間には模写電信を管区と部隊との間には電鍵電信を設置すべく着々実施中であり、その所要機械は前に申しました通信機材費の中に含まれていますが、その他有線連絡につきましても専用通話方式によつていますので、その所要額は六億三千万円であります。又隊員の医療につきましては、鋭意医官の充実に努めていますが、なお不足しており、又病院も未だ整備するに至らず、従つて軽微なものは部隊の診療所で行い、入院については最寄りの国立病院等に委託しておりますが、その所要経費は自隊診療のための薬品等で九千万円弱、診療委託費一億四千万円としております。以上の消耗品関係を合計いたしますと約三十五億円になります。以上のほか部隊移動、車両の輸送、演習、各種資材の輸送で約五億二千万円を見込みました。次に旅費事務用消耗品、賠償費等の事務費及び雑費、部隊の水道電気代、建物の軽微な修繕等で約十二億円を計上いたしました。  次に、施設費について御説明いたします。従来予備隊予算は唯一つの項のもとに編成されておりましたが、昭和二十七年度から「警察予備隊費」の項と「警察予備隊施設費」の項とに区分いたすこととしております。施設費は総額百三億円でその内訳は工事費八十七億円、不動産購入費十三億六千万円、事務費二億四千万円となつております。増員に伴いまして、営舎の増設に五十一億円、補給廠の整備に十六億円、学校及び研究所に十二億円、射撃場及び訓練場で十四億八千万円、通信送受信所の建設及び機械据付で一億六千万円、既設営舎の補修、倉庫等の増設等で五億二千万円が工事費及び不動産購入費の内訳であります。工事費の主要なものを申し上げますと、営舎の増設は、約三万人の收容能力の増加を予定しており、補給廠は既設の立川及び宇治のほか、九州及び北海道の補給廠の整備並びに増員分について補給廠の増設を計画しております。又学校は幹部養成学校、普通科学校、特科学校等の整備を予定しております。  以上の部隊経費の外の約三億円は本部、研究所及び建設部の人件費、庁費であります。  以上をもちまして、昭和二十七年度警察予備隊予算案の説明を終ります。何とぞ慎重なる御審議をお願いする次第であります。
  116. 杉山昌作

    理事杉山昌作君) 御質疑がありましたら願います。
  117. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 簡單な点から承わつて参りますが、この警察予備隊七万五千ということになつておりますが、最近或いはこの学校に入りましたり、いろいろいたしておりますが、現在員数でそういうものを分けまして何名であるのか承わりたいと思います。
  118. 江口見登留

    政府委員(江口見登留君) 七万五千人が数十名欠ける程度充員いたしております。
  119. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 そうしますと、例えば学校に入つた者その他でありまして、構成といいますか、それは若干変つたものを総体については七万五千から数十名切れるところで現在来ておる、こういう今御答弁があつたかと思うのですが、その辺を何と申しますか、階級別というのですか、もう少し具体的に数字を挙げて御説明頂くと、もう少し明らかになるんじやないかと思うのですが……。
  120. 窪谷直光

    政府委員窪谷直光君) 二月八日現在の数字を申上げます。総員は七万四千七百八であります。先ほど次長から数十名と言われましたが、数百名の誤りでありまして、先ほどの数字は七万四千七百八人、そのうちで二等警察士以上、部内では幹部と称しておりますが、それが四千九百三十一名、それからその次の階級が士補の階級、これが一等、二等、三等と三つに分れておりますが、これを合計いたしまして九千四百十六名、それから更に警査の階級がございます。これは更に三つに細分されまして、警査長、一等警査、二等警査というものがございますが、これを合計いたしまして六万三百六十一名全部を合計いたしまして、先ほど申上げました七万四千七百八名ということに相成つております。
  121. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 そういたしますと、この中から学校に入つておる者も含まれておる、こういう意味でございますか。
  122. 窪谷直光

    政府委員窪谷直光君) さようでございます。
  123. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 学校の点は、今の説明で、幹部養成学校或いは普通科学校、或いは特科学校等の整備を予定いたしておりますということでございますが、幹部或いは特科等につきまして、それだけではちよつとわかりかねるのでありますが、もう少し詳しく御説明を頂きたい。
  124. 窪谷直光

    政府委員窪谷直光君) 学校等におきまして、教官、それから入ります生徒と申しますか、そういうものは、すべてこの七万五千の範囲内における運用としてやつておるのでございまして、それぞれ定員を一応部内的に作り、運用の基準を作つておりますが、只今資料を持ち合せておりませんので、後ほど資料を作りまして御提出いたしたいと思います。
  125. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 ちよつと質問の要旨を取り違えているようですが、幹部養成学校、或いは特科学校という表現がしてあるが、それだけではわかりにくいので、例えば幹部養成学校を出れば二等警士になるというのか、或いは特科学校をといつても各特科がございましようが、もう少し具体的な説明を頂きたい。
  126. 江口見登留

    政府委員(江口見登留君) 幹部についての学校にもいろいろ種類がございまして、いわゆる初級幹部の学校、或いは中級幹部の学校、或いは相当高い程度学校学校と申しましても講習会式のものでございまするが、いろいろな種類がございます。その内訳につきましては、只今経理局長から申上げましたように、のちほど御提出申上げたいと思います。施設学校は一種類でございます。施設関係の者の技術訓練をいたします。
  127. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 細目を頂くということであれば、その中にも入つておるかと思いますけれども只今幹部養成学校について各級の学校があるという御説明を頂いたのですが、特科につきまして、特科学校という特科については御説明が頂けなかつたのであります。別に資料を頂けばあれでありますが、特科の種類と申しますか、或いはどういう特科学校があるか、簡單でよろしうございますから、一つ御説明を願いたい。
  128. 江口見登留

    政府委員(江口見登留君) 特科学校は習志野にあるのでありますが、これにもいろいろ種類がございまして、現在では四コースの教育を行つております。各コースごとにそれぞれ違つた中味のものを盛込んでおるのでありますが、その一つは測量関係の幹部及び士補の教育を目的としております。その二つは射撃指導科の幹部、士補教育を目的としております。その三は通信科の幹部及び士補の教育を目的としております。その四は自動火器科の幹部及び士補の教育をいたしております。施設学校におきましては、先ほど施設関係は一本だと申しましたが、詳しく申上げますれば、この中味は先ほど特科学校において申上げましたようにいろいろなコースに分けてやつております。その一つは施設科の分隊長要員としての教育、その二つは爆破教育としての幹部、士補の教育、その三は野外発電、照明技術者要員としての教育、その四はブルトーザーなどの操縱教育、その五はグライダーなどの操縱教育、いずれあとで表にして御提出申上げたいと思います。
  129. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 この施設学校の中でほかの点は大体了解ができるのでありますが、その中で、今御説明になりました中に爆破云々というお話でございましたが、それはどういう……、何と申しますか内容というか種類のものですか、簡單に御説明を願いたいと思います。
  130. 江口見登留

    政府委員(江口見登留君) 道路をつけたりするような場合が考えられますので、その邪魔になる岩を壊したり、或いは障碍物を爆破したりするような意味の教育をいたしております。
  131. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 只今説明の中でほかの点でありますけれども、退職手当の問題につきまして三十九億を計上しておる。こういう御説明でございますが、これは七万五千の中で七万一千名に対してという説明書きが付いておりますが、そうすると、七万一千名について全部何と申しますか一応やめるものとしての御計算、こういうことになるかと思うのでありますが、或いは従来説明をせられて参りましたその中で、或いは予備役のような制度を設ける云々というお話もございましたが七万五千のうちから七万一千という数字が出、そうしてその七万一千なら七万一千に六万なり三万の特別退職手当を支給する、全部やめて行くという計算と予定とでこういう数字が出ておりますのか、その辺をもう少し御説明頂けませんか。
  132. 江口見登留

    政府委員(江口見登留君) 七万五千人のうち約四千数百名が幹部でございます。幹部は相当長期間勤務するものという前提の下にその者が退職いたしましても、士補以下に支給いたします六千乃至三万の退職金は支給いたしておりません。従いまして三十九億ほど計上いたしておりますのは、その幹部以外の士補以下の者が二年の期間、一昨年入つた者は二年の期間、その者については六万円、昨年入りました者は一年の期間、その者については三万円、それらの者が一応やめた場合に予算上支障がないという程度金額を見込んだのでございまして、そんなに殆んど全部が実際上やめるとは考えていないのでありますが、予算上の措置としましてそういうことが起りましても支障がないという意味で計上したわけでございます。
  133. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 そうすると七万一千はやめてもやめなくても給與額はやるというのではなくて、引続いて勤務する者についてはやらん、実際にやめる者だけに支給する。それから四千数百の幹部についてはこれはやめないであろうから、やめないことを建前にして計上しなかつた。それはいずれにしてもやるのだと、こういうことに了解していいのでしようか。
  134. 江口見登留

    政府委員(江口見登留君) 御説明が少し足りなかつたと思いますが、二年間乃至一年間の期間が切れまして、なおその同等階級ぐらいな者で隊に入つておる、再任用を希望する者に対しましては、残りました場合にも二年乃至一年経つておれば予定の六万円乃至三万円を支給することにいたしております。それから幹部のほうは六万円という特別な退職金はございませんが、一般公務員並の勤務期間に応じての退職金というものは、とてもそれほどの金額は望めませんが支給されることになつております。
  135. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 この予算として金額的な御説明があつたのですが、少し物量的な、物のほうから見た警察予備隊の費用内容というものを少し伺いたいのですが、それは例えば今度五百四十億出されましたが、それによつて被服というのはどのくらい、何着ぐらい要るものか。それから又車輛といつてもこれは何台ぐらい要るものか。通信機材これなどは駐留軍と一緒に共通的に使うのじやないと思う。独立的に設備するのか、どうか。そういうような点、物量的に見たいのです。というのはこれが日本の生産関係にどのような影響があるかということを見たいわけなんです。それでどういうふうに統計的に出して頂けるかわかりませんが、私の目的は、これをどのくらいの綿花なりこういう物を使い、どのくらいの鉄材を使い、どのくらいのセメントとか或いは銅とか、これは不生産的支出でありますから、それがどのくらいのウエイトを持つものかを知りたいわけなんです。従つてそういうような目的に合うように何かできましたら……。物量的に見て、警察予備隊費というものはどの程度の、経済に影響を與えるか、何かそういう資料作られましたら……、作られましようか。
  136. 窪谷直光

    政府委員窪谷直光君) 只今要求がございました資料、実は私どものほうでも御審議を願う参考として作成準備中でございますが、実は今日配付いたしたいつもりで到頭間に合いませんで後刻提出したいと思いますが。今御例示になりました例えば被服等を申上げますと、被服類は大体一人について二着ずつ渡すことになります。一つは洗濯等の場合に着替がなければならんというわけです。それから夏服の耐用年数は大体一着について二年ということでございまして、七万五千につきましてはすでに調達済でございますので、これは更新の分が極く僅かあればよろしうございます。それから三万五千の分は新らしく調達いたします。それから被服につきましては大体耐用年数を三年と押えております。それで同様に七万五千については今年は極く僅かな調達量でございます。四万五千は新らしく七万着と若干の余裕を見なければなりませんので調達をいたします。外套等につきましては長く、大体五年ぐらいはもつだろうと想像いたしております。それらのものが被服関係でございますが、そのほか狭義の意味の裝備になりますと、例えば車輛等につきましては大体二十五年度に千七百輛調達いたします。それから二十六年度の計画で補正予算まで含めまして約六千三百、それから二十七年度で大体六千輛、この中にはエンジンを持つております車と、それから後へ引張られるトレーラーと申しますか、そういうものと両方含んでおりますが、そういう或る程度の計画を考えております。それから無線機につきましては、一つは固定通信施設でございまして、これは総隊総監部、東京にあります総隊総監部と、全国に今四つございます管区総監部との間に模写電信裝置と、それから管区総監部と各営舎との間に普通の無電と短波施設を持ちたいということになつております。それから部隊が活動いたします際の相互の連絡のために野外の小型の無線機を携行いたすわけでございます。この台数が相当になるわけであります。二十六年度には約二千九百台、それから二十七年度には約八千台という程度のもを裝備をして行きたいというふうに考えております。それから消耗品の中で大きなものはやはり油でございますが、これが二十年度の所要は三万二千キロリツタターくらいなるであろうという想定をいたしております。それから石炭でございますが、これは灼事用の石炭が大部分でございまして、冬になりますると、若干の暖房用石炭が要りますのと、北海道地方につきましてはどうしても必要なものでございます。それらを合せまして約九万トン程度というふうなことになつております。これらをもう少し整理をいたしまして、表にいたしまして御提出いたしたいというふうに考えております。
  137. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 合せてできましたら單価もお願いしたいのです。それから病院のことが説明に出ておりましたが、国立病院を今利用しているような説明ですが、これによつて一般民間診療が影響を受けるのではないかと思うのです。この予備隊の者が割り込むという形においてですね。この関係はどうなんでしようか。それから聞くところによるとなかなか軍医というか、そのお医者になり手がない、こういうことも聞いておるのですが、その国立病院を利用する結果、相当民間診療のほうに影響を受けるのではないかと思うのですが、この点一つと、それからもう一つは、練兵場のために土地の買上げというものが相当あるのですが、そういうものはどういうところが予定されておるか。至るところ問題を起しているようですが、こういう問題についても、できましたら一応お伺いしたいのです。
  138. 窪谷直光

    政府委員窪谷直光君) 今お話になりました二つの問題は、私ども事務局といたしまして一番頭を悩ましている問題のそれぞれでございます。病院につきましては、隊内で今持つております病院は、九州の針尾というところに約二百ベットの、これは主として結核の隊員を收容するところでございます。約二百床程度の病院を持つておるわけでございます。あとは各営舎の中に診療所がございます。建物の広さは約五十坪程度、ごく小規模のものです。従つてその中にはベットがせいぜい十ぐらいか設備ができないという恰好になつております。あとの入院を要します者は、それぞれ近所の国立病院なり、或いはそういうものを利用できませんところは、止むを得ず民間の病院を利用しておるというふうな状況でございます。できるだけ早く私どもとして病院の設備を急ぎたいということでやつておるのでございますが、なにさま施設整備をしなければならない部門も相当ございますので、予算関係その他から今日まで思わしい進行を来しておらないというので、非常に残念に思つておる次第であります。  それから医官の問題でございますが、これも非常に募集に困難をいたしております。七万五千の隊員の診療を見、更に何と申しますか衛生隊というものの訓練をやつて行きますためには、最小限三百名の何と申しますか幹部としての医官が必要なのであります。これが十一万人更に殖えて参りますということになりますと、それに応じて又その所要数が殖えて参のでございます。只今のところ医官として募集し得ましたものが約七十名前後であつたのではなかろうかと考えております。これは過去におきましては数回に亘りまして募集をいたしましたし、又現に募集をやりつつあるのであります。何さま給與その他の関係から、なかなか思わしい医官の応募者がないというようなことで、整備が遅れておるのでありまして、甚だ申訳なく思つておる次第であります。今後ともに努力は続けて参りたいといふうに考えております。  それから次の訓練場の問題でございますが、これは相当部隊の裝備が機械化されておりますために、相当広範囲な地域を必要といたします。今までのところでは訓練場らしい訓練場はまだ整備ができていないというふうなことでございまして、まあ予備隊だけの訓練の観点だけを見ますれば、約千二百万町歩と申しますか、相当厖大なものが各管区に一つ程度は欲しい、それから三百万坪程度、二百五十万から三百万坪程度のものが各管区に二つ三つ欲しい、それから各営舎の附近に二、三十万坪程度の何と申しますか小部隊の訓練場が欲しいというふうな考えは持つておるのでありますが、これを実現いたしますについては、いろんな考えなければならないい問題がございまして、今までのところはそういう広大な訓練場を入手するというふうな段階には至つておりません。それで今そういうふうな大きなものは進駐軍が接收をいたしております訓練場の共同使用ということを頼みまして、それによつて大きな部隊の訓練がやつとごさ非常に不自由をしながらもやつておるという状況でございます。それから更に若干小さいものにつきましても、訓練場がございませんで、昔の演習場で国有財産であつて一部空いておるところを使つておるというふうな恰好でございまして、ただ昔の訓練場……、陸海軍、殊に陸軍でございますが、陸軍の演習場等が開拓地になつておりまして、それらの点が非常にむずかしい問題でございまして、一部は空いておるけれども一部は開拓地になつておりましたりいたしまして、空いておるところを主として使うのでありますが、その間訓練の際にまま若干隣接した地域の木草を踏躪るとか、或いは若干の作物を荒すとかいうふうな事例がままございまして私どもの耳にも入つて参ります。これらにつきましては適正な補償をして行きたいというふうに考えておる次であります。又大きな訓練場を欠いておるということについては、必らずしもそこまでの段階至つていないというふうな実情であります。
  139. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 病院等の厚生施設についてほんとはまつ先にこれを造らなければならないと思うのです。で、こういう点がすぐ問題になるのですが、警察予備隊を作ると、民間の病院を使うために、その負担が民間にしわ寄せして来る、こういうところははぐ問題になつて来ると思うのです。ですから、先ずそうおうものを先に造つてから人命を尊重するならこれはまつ先に造るべきものだと思う。これをあと廻しにしておくのはこれはおかしいと思う。やり方がどうも逆で何か先に、おいつちにばかり先にやつて、あと病気になつてからこれを民間のほうにしわ寄せして来る。こういう点が私は非常に問題になると思うのですが、これは、議論になりますから……、私はそう思います。そこで実は資料としてこれは提出して頂けるかどうかわかりませんが、只今伺いました今後訓練場としてどのくらいの土地が收用される計画であるか。それから又地域別にわかればなおいいのですが、そういう計画を伺いたい。それからできたら今進駐軍が接收しておるそういう地域別の坪数ですね。これはどのくらいのものになるか、進駐軍に接收されておるそういう土地、この坪数がどのくらいになつておるものか。これはまあ今後非常に大きな問題になると思いますので、計画として地域別にその坪数、そういうものがわかりましたら資料として頂きたいと思います。それから只今補償すると言われましたが、これは私函館の例で聞いたのですが、これは国が補償するのですか。函館は非常に問題になつていたようで、函館市が補償するような問題が起きていて国が補償しないというようなことを言われておつたのですが、この補償関係ですね、補償関係はどういうことになるのか。前に戰争中軍が使つて戰後これを開放して農地になつておる、それから又今度これを取上げたという問題ですね。そういうときの補償関係はこれは国が補償するのか、国が補償しないというので、函館市がこれを負担しなければならんのか。そういう問題があるように聞いておつたのです。その二つ……。
  140. 江口見登留

    政府委員(江口見登留君) 予備隊自体におきまして病院を持つという問題、これは御説の通りでございまして、我々としましてもできるだけ予備隊自体で患者を收容して治療をするという施設を持ちたいと常々考えておるのでございますが、或いは進駐軍の今占領されております接收されておる建物が間近かに返されて来るかも知れません。新らしく病院を建てるためには非常にたくさんの金がかかります。そういう見合いの点もありますし、予備隊は病院というよりも衛生大隊、衛生隊の活躍ということに主眼が置かるべきで、病院は一般の国立病院その他を使つたらどうかという意見もございまして、なかなかその点の調整をみないのであります。先ほど医官の募集が甚だ困難だと申上げましたけれども、やはり立派な病院がないということが医者に対する魅力を欠いておる理由にもなりまして循環しながら非常に悪い面ばかりが廻つておるような次第でございますから、その点につきましてはもう少し財政当局と打合せをいたしまして、一般の病院の圧迫にならないようなことを考えて行きたいと思います。  それからどのくらい予備隊が演習地を必要とするかという問題でございますが、その大体の理想につきましては、只今経理局長から申上げました。併しこれが理想通りに実現できるものとは考えておりません。ただ徐々に適地が見つかり次第それを買上げて行く、或いは使用権を設定して行くという方法でやつて行きたいと思つております。現在いろいろ地方で問題を起しておるようでありますが、これはどういう土地が最も開拓者、或いは農民に迷惑をかけずに入手できるかということを考えまして、あつちこつち物色しております関係もありますために、非常に広大な土地を方々で予備隊が購入するのじやないかと言われておりますが、それはそうじやなくて最小限度のものが欲しい。そのためにあちこち調べて見なければわからないということで、現在までのところいろいろ調査をしておりますために問題を残しておるということがあるやに聞いておりますが、これらも大体方針が確定いたしますれば、もうこれ以外の演習地は要らないことになりますので、時期が来ればその問題は解決するのではないかと思います。それから函館の例をお挙げになりましたが、実は函館のあそこの営舎の敷地の問題ではないかと思います。これは予備隊自体がどうしてもそこに置かなければならんというような場合に、予備隊自体として地元の人たちと交渉しまして、それを補償して行くというわけでございますが、その中には地元有志と申しますか、敷地だけは提供するから予備隊を固いてくれというのもたくさんあるのでございます。函館のほうは、敷地については函館市が負担するから予備隊を設置して欲しいということで、あそこにああいう営舎を一つ設けた次第でございます。函館の営舎の敷地のほうの全体の問題については、営舎は函館市にお任せしております。進駐軍が接收している土地はどれくらいあるかということは、特別調達庁のほうではよくわかるのじやないかと思いますが、只今ちよつと私のほうとしてわかりかねます。
  141. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 これまで進駐軍と共同使用している分につては今後は、今後というのは條約が発効しますと、これは共同使用ということは期待し得ません。そうすればすぐに代りが必要になつて来ると思うのですが、そればかりでなく、いろいろな施設その他を、今度駐留軍になるために特にほかに接收される。そこで新らしくそういう施設を又作らなければならないという関係ですね、こういうものはあるわけですか。
  142. 江口見登留

    政府委員(江口見登留君) 我々といたしましては、只今申上げましたように、予備隊の演習地は欲しいが、できるだけ、狭い国土でありますので、一般の地元のかたに迷惑をかけたくない。それで進駐軍が接收しております演習地を是非それを使用さしてもらいたいと我々は交渉申上げております。一部成功した面もありますが、進駐軍の機関が使うために予備隊に使わせてもらえないというような事例も生じております。これは今後といえども十分に進駐軍のほうに申入れをいたしまして、その土地を使わしてもらいたいという交渉はいたすつもりはございます。それから駐留軍となりましてからあと、駐留軍自体の演習地が擴張になるのかどうかという問題は、私のほうといたしましてはちよつとわかりかねるのであります。
  143. 岩間正男

    岩間正男君 今の演習地の問題ですが、大体最低限所要坪数どれくらい要るのですか。それから大体これから接收する、買上げるということになりますと、單価はどのくらいですか。それからその予算は今度の予算に組まれておるのかどうか、こういう三点について関連してお尋ねいたします。
  144. 窪谷直光

    政府委員窪谷直光君) 二十七年度予算におきましては、北海道に一カ所、大体これはまだ地域は確定いたしておりませんが、主として大部分が原野である地域を一カ所、約千万坪くらいなものを入手いたしたいということで予算に計上いたしております。それからあとの所では、危キヤンプの敷地、乃至初歩の、本当の第一段階の訓練のために必要な坪数として三万坪、又は六万坪程度のものを買取るということにいたしております。それからあとの地域につきましては、まで取得をするという予算は計上いたしておりません。先ほど申しましたように、若干進駐軍の使つておりますもので利用できるものもございます。それから駐留軍になりまして、或いは又日本のほうで使えるものがあるかも知れないというようなこともございますので、そういう人手の経費は計上いたしておりません。ただ先ほど申しましたように、昔の陸海軍の演習場であつて、以前国有財産であつた、それを使うについて、その近所に、隣接しておる地域に若干の何と申しますか、利害と申しますか、そういうものを與える虞れがございますので、その補償費用を計上いたしておりますというふうな考え方でおります。
  145. 岩間正男

    岩間正男君 これは将来この演習場は確保する予定でありますか。現状から見ますと、あいまいな態度では実際農民の人は困る、そういう形が出て来ると思うのですがね。どうしても必要で、これは予備隊のほうで確保する、そういう事態が起るのでありますか、どうですか。それから單価の問題ですが、これは従来、今まで買上げた單価の最低、最高などはおわかりだろうと思うが、坪当り單価どういうふうに今まで買上げておりますか。この点伺いたい。それからなお最低所要坪数を確保するとすれば、一体どのくらいの予算が要るのか。こういう点について併せてお伺いしたい。
  146. 窪谷直光

    政府委員窪谷直光君) 今まで買上げました土地は、これは訓練場と申しますよりも、営舎の敷地という性格のものでございます。單価は地域によりまして相当変動と申しますか、差異がある。この單価の算定につきましては、その地方の専門家の評価、それから大蔵省の財務局乃至財務部の評価というふうなものを参考にいたしまして、無理のない適正なところで買上げをいたすということにいたしております。それからこのキヤンプの敷地におきまして耕地が極く僅かでございますけれどもございます。これにつきましては離作の補償をいたしております。これも大体その土地の慣行に従いまして、適正な補償料を算出して補償をしておるというふうな状況でございます。
  147. 岩間正男

    岩間正男君 最低、最高はわかりませんか、今までに買上げた値段……。
  148. 窪谷直光

    政府委員窪谷直光君) 今までの最低はちよつと私記憶いたしておりませんが、二、三百円が一番低いところじやないかと思います。それから一番高いところは、補償料まで含めまして千二百円というような、これは札幌の管区総監部の訓練所でございます。そのすぐ講内に隣接した土地の買收でございます。恐らくそれが一番高いのじやないかと思います。
  149. 岩間正男

    岩間正男君 これも私たちの聞いているところでは馬鹿に安いですね。もう円にも達しないような單価だということを聞いているのですが、これを確めるために今までの資料を頂けないかと思うのですが、如何なものですか。
  150. 窪谷直光

    政府委員窪谷直光君) 資料は作成いたしまして御提出いたしたいと思います。
  151. 岩間正男

    岩間正男君 それと全体のあれはどうなりますか。先ほどお聞きいたした、仮に最低所要ならどれだけ要る、それでそれを予算化するのにどれだけ要る、こういう事態が私は起るのじやないか、あいまいな態度では私はやつて行けない、こういう事態が農作者の間あたりから必ず、現在起つているわけですね。そうするとどういうふうにして、それを予算化するにはどれくらいの額が実際要るか。これは私たちは大体今後の予備隊の動きによつて、或いはこの予算が五百四十億ということでなされているのでありますが、果して補正を必要とするのかしないのか、こういう問題の一環として、ほかにもいろいろ要素があると思いますが、そういう問題とも関連してお伺いしておきたい。
  152. 窪谷直光

    政府委員窪谷直光君) 最低の坪数が幾らかというお尋ねでございまして、今のこの機械化された部隊の訓練のためには、まとまつた土地として、先ほど申上げた程度のものが必要だというふうなことにはなつておりますが、これは必ずしもそれだけの土地がどうしてもなけりやならんというほどのものでもございません。併しながら相当大きな面積のものが要るということについては間違いはないかと思います。ただこれを今の日本の狭い国土においてどの程度まで実現できるかどうかということにつきましては、必ずしも予備隊の訓練ということだけでなく、諸般の状況を見ました上で決定をいたさなければならない重要な問題であると考えております。私どもまだ事務当局といたしまして、二十七年度にこれだけ、二十八年度にこれだけというふうに確定をいたしましたと申しますか、計画を持つというところまで実は行つておらないのでございます。その点御了承願いたいと思います。
  153. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 只今説明を聞いておりますと、二十七年度には北海道で原野一千万坪、それからキヤンプのある所で三万坪乃至六万坪ということで、その他については一応計画はないと、理想的な坪数は演習場として宿舎の周囲の二十万坪或いは管区ごとに千二百万坪と、こういう大きいものが出ましたけれど、それは理想であつて、二十七年度はこうだと、こういうまあ説明ですが、実際に、例えばこれは九州の話ですが、或いは大分ならば大分で万年山で云々、阿蘇山ならば阿蘇山で云々という話が現にあるわけなんです。而もそれが耕地と関連して、耕地の強制的な転換については反対という県議会での問題にさえなつておるのです。そうすると今の御説明と現地との動きはどうも話が違つて予算には計上していない。そういう話はないのだけれども、現地の部隊で勝手にそういう演習地を物色していると、こういうふうに解する以外に今の御説明ではないような感じがするのですが、その辺をもう少し具体的に御説明を頂きたいと思います。
  154. 窪谷直光

    政府委員窪谷直光君) 実は各地でそうういふうな話が出ておるということと聞くのでありますが、実は予算化をいたしますために相当の調査をした上で、大体これならばそう大きな支障なしにやつて行けるだろうというふうな見通しをつける必要がございますので、そういうふうな調査は各地で実はいたしておるのでございますが、それが現地の隊員の、何と申しますか話振りと申しますか、或いは調査の仕方が若干、今にも買うのだというふうなことに誤解されるような或いは面があつたんじやないかとも想像されますけれども、まだ買うという前提で調査をいたしておるということではございません。
  155. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 そうすると予算を計上するために、この一応各部隊の意見を聞いたというか、その過程に、現地ではここを演習地にといういわば行き過ぎた動きがあつたかも知れんという、こういう御説明であるかのように聞えるのですが、そうすると二十七年度としては、北海道を除いては或いはキャンプの所在地三万坪或いは六万坪のものを除いては、演習地として各部隊について相当大きな演習地を買上げる予定はないと、こういうように理解してよろしうございますか。
  156. 窪谷直光

    政府委員窪谷直光君) 只今のところでは大体そういうふうに考えております。ただあとになりまして適当な土地が見付かりますれば、若干何と申しますか、施設の緩急の順序を変えましてやることがあるかも知れんと思いますけれども、今の計画ではそういうことは考えておりません。
  157. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 そうすると緩急を変えて買うこともあるかも知れんということですが、それでは予算の点においてはどうなんですか。北海道とそれからキヤンプの敷地、その他で三万坪、六万坪という以外は予算には計上してないということですか。
  158. 窪谷直光

    政府委員窪谷直光君) さようでございます。
  159. 堀木鎌三

    ○堀木鎌三君 私ちよつと所用があつて外しておりましたが、私の質問についてすでにお答えになつた点がありましたら速記録に讓りますが、先ず事務的に、今日は事務当局だけおいでになつておりますから、事務当局から事務的な過程、先ほどから予算内容について御説明がありました点から考えましても、一体警察予備隊の人間を殖すという現在は段階でなくつて七万五千人の隊員の訓練その他についての内容整備ということに力を注ぐべきでなかろうかと考えるのでありますが、事務当局から見まして七万五千人を十一万人に増員される何らから理由が特別にあるかどうか。ほかの大きな理由は別に大臣から聞きますが、事務的に見てどうなんだということを一つお答え願いたいと思います。  それから第二はここに頂載いたしました警察予備隊の現況のうちの裝備のところで、武器としては機銃その他云々であつてと、こう書いてある。これは日本の警察予備隊の裝備に関連しているだから、アメリカからどういう種類の武器をどれだけ貸與を受けているのか、そうしてそれは受けている何らかの條件があるはずです。すべてのものは契約によつてなさるはずなんです。その点について何か取交された文書がありましたらそれについての御説明と、そういう今申上げた表を頂載いたい。これだけお願いしたと思います。
  160. 江口見登留

    政府委員(江口見登留君) 七万五千では不足で三万五千人を増員する必要が事務的に見てどうかというお尋ねのようでありましたが、この三万五千人増員の必要は單なる事務的と申しますか……、非常にいろんな事情を勘案しました上で我々事務当局といたしましてその方針に従つて仕事をいたしておるのでございます。先ほどお尋ねのようにいろんな内外の事情参なり或いは治安状況なりそういうものを総合的に判断されまして、政府として必要であるということで進んでおりますので、我々もその方針を、その通りであるということで遵奉いたして仕事をいたしておる次第であります。  それから武器の点でございますが、これは借りでおるならば借りておる條件があるだろう、御尤もでございます。ところが実際は使わしてもらつておるというほうが適当なんでありまして、アメリカのアドヴアイザーがここにこういう武器があるからこれを一つ予備隊で使わんか、これをお使いなさいというのでそれを使つておるわけです。そのときに何ぼ渡し何ぼ返したというようなことはないのであります。従いまして随時アメリカのアドヴアイザーが現在の予備隊に貸し得るものを逐次持つて来て使わしておる。彈丸もこれだけ使つたらどうかということで使つておるのであります。これは甚だ何と申しますか、事務的に申しましても面白くないやり方だと思います。併し現在これは正規に取上げてそういうものは貸してもらわんでもいい、その価格はどのくらいになるのかというふうに開き直つて向うと対等に相談するような時期が来ていない。従いまして最小限度のもの、予備隊にこんなものは要らないということについては断る場合もございますが、現在使つております程度のものならば、まあ火器に慣れるとか裝備に慣れるということで、それでは使わしてもらいましようということで使わしてもらつております。その條件などは今後においてはつきりきまつて来るものと思います。
  161. 堀木鎌三

    ○堀木鎌三君 非常に正直なお話があつたわけだと思うのですが、併し今まではこれは或る程度止むを得ん、今までは日本が占領されておつて、その下にあるものとして、その間の事情がすつきりしないものがある、こういうことは或る程度止むを得ない。併しおよそ外国から武器を貸りているのに、大きく言えば貸りている、そうしてその数も私ども仄聞するところによると、そこら辺にころがつておるものを貸りる程度ではちよつとあり得ない。又あなたがたのほうから見て、どういう武器を持つかということは、これは警察内容をなすものである。そうして訓練の内容をなすものである。いろいろな諸般の情勢を御覽願つても、すでに独立を予定して物を考えている時ですから、これは事務当局としても、單純に今お答えになつたようでは済まされないと思うのです。いろいろなお答えができにくい点も事務当局としてはあるとはお察しいたしますが、少くもどの程度、種類と、員数、單価程度は、警察予備隊、まあ私ども言えば、例えばガリオアでアメリカの援助を受けておつた。併しそれははつきりして、やはり日本の債務に一応なつた。それは放つておくわけに行かない問題だろうと思いますので、日本の警察予備隊の話ですから、お借りになつていればお借りになつていて結構です。併し今私はどの程度のものをお借りになつているか、そういうものをはつきり知りたいと思うのです。是非お知らせを願いたい。それをここへ出せないならば、出せないという理由をはつきりさして頂きたい。それでないと予算審議上私は困ると思うのです。それから又七万五千人が十一万人になりましたのも、今おつしやつたようにいろいろな事情があると思いますが、それだから事務当局のほうは、まあ今いろいろな内容が不備のままで人間だけ殖やしておこうというお考えにはならないじやないか。演習地は足りない、病院は足りない、訓練をするについての何と申しますか、武器も足りない、それでただ先に人間だけ殖やす。これは私どもの常識に反することなのであります。事務当局も常識に反するとお思いになりませんでしようか。事務当局としての御見解で結構だと思います。いろいろな事情があつて事務当局の意見が必ずしも採用されるとは限らないだろうと私は思います。諸般の事情を更に大局から勘案しなければならない事情も私はわかります。だからそれは何もそれによつて事務当局のお話をどうのこうのと取立てて申しませんが、事務当局から見て、今予算の御説明をなさつて、それで人間を殖やしますということは、ちよつと我々にお言いにくいお話ではなかろうか、こういうように私は考えるのでありますが、重ねて、もうくどくは申しませんが、もう一遍だけ聞いておきます。どうせあなたの御答弁が不満足であれば、いずに大橋君に私はお聞きするつもりでありますから、余りお困りになるようなことは聞きませんが、事務当局として差支えない程度のことはここでお話しになつたらどうか、こういうように思います。
  162. 江口見登留

    政府委員(江口見登留君) 人員も増加する必要にあるように考えられますし、又同時に現在の七万五千人につきましても、裝備も十分に充実しながら、あとの三千五百人分の裝備も考えて行きたい。両方私は必要であると考えております。それから次の数の問題でございますが、これは只今申上げましたように、米軍が出先で、或いは中央と連絡をとりながらやつておるかも知れませんが、随時貸される場合が多いのでありまして、それを全国的に推計して幾らになるかというような数字は、我々にも勿論わかりませんし、その米軍の係のほう自体にもわかつていないのであります。随時融通しておるという恰好になつております。その程度のことしかお答えできません。
  163. 堀木鎌三

    ○堀木鎌三君 余り無誠意な御答弁をなさいますから、私はもう聞きません。併しあなたも一国の官吏でありますので、もつと良心に従つて国家の警察をあずかるものとして、ちやんとしたお考えがあつたらいいだろう。我々はそんないい加減な答弁を聞くためにここに来ておるのではありません、実際のところ。とにかく七万五千人を十一万人になさる、経費も相当増額なさるという以上は、これについて正当な理由を事務的に私は御答弁なさるのが当り前だと思う。そういうふうな御答弁をなさるだろうと思つておりましたが、只今両方が必要だと、両方が必要ならばその経費をここにお出しなさい。それから次の、貸與を受けながら、米軍が使えと言つたから使つて、又やめておけと言つたからやめておくというような訓練の仕方はないじやありませんか。それであなたは、警察予備隊が整備するのですか。そうして場合によれば大橋君は直接防衛に当るのだ、直接侵略に当るのだとすら言つておる。それがそんな内容を持つた警察予備隊で、あなたがたは国家に対してこれだけの予算をとつて責任が盡されると、こうお考えになるというならば、私はそういう警察予備隊は全く国費の濫費だと言わざるを得ないのであります。でありますから、それ以上御答弁なさらないならば、決して余り当局をいじめるつもりはありませんからしませんが、まじめに質問をしておるのに、ただそのときの言い逃れさえすればいいというお考えならば、私は改めて別な場所でお伺いしたいと思います。
  164. 江口見登留

    政府委員(江口見登留君) 予備隊の編成、裝備というものにつきましては一応のプランは持つております。ただこの中には今日本として、日本自体の力として裝備し得ないものもございます。その裝備についてアドヴアイザーのほうで、こういうものを使用して見ないかというときには、現地におきましては十分協議の上、米軍が言うたから使う、言いなり放題になつておるというのではございません。やはり中央に伺つて、こういう話があつたがどうかということを伺つて、慎重に相談をしたあげく、臨機にそういう裝備を使わして頂く、こういう次第でございます。
  165. 堀木鎌三

    ○堀木鎌三君 警察予備隊で自主的にお考えになる計画があればそれを私にこの委員会でお示しを願いたいと思います。
  166. 江口見登留

    政府委員(江口見登留君) その編成、裝備の内容につきましては、詳細な点につきまして、まだアドヴアイザーといろいろ話合つている点もございます。終局的にどの程度の裝備が絶対に必要であるかというような点につきましては、まだ詳細を申上げる時期に至つておりません。
  167. 山田節男

    ○山田節男君 この警察予備隊の報告を見ますと、隊員の士気は極めて旺盛で、規律も十分保たれている、予備隊のモラルは非常に高いという報告を受けているわけですが、現在七万五千という警察予備隊員は、年齢の若いものばかりでありますが、而も集団的な生活をしておるのでありますから、相当私は犯罪があるのじやないかと思うのです。キヤンプ内における犯罪、或いは外に出てからの犯罪、少くとも営内における規律はどういう程度に保つておられるのか。又昔のような営倉ですね、営倉というような制度をとり、或いは解職するとか、或いは給與を削るとか、そういつたような何か罰則的なものをお持ちならば、どういう制度になつておるかということを一つ御説明願いたい。それからこれは更に十一万、更に二十万、三十万、これは何と言おうとも事実上の軍隊でありますから、軍隊としての性格からすれば、いわゆる軍律、今では隊律でありますが、そうすれば一般国家警察或いは自治体の警察では手が及ばない点がございます。そういうことになれば必然的に戰争終結まであつた憲兵隊みたいなものもあらなくちやならないが、アメリカにプロヴオスト・マーシヤルといつたものがありますが、そういつたものを将来置かれる構想があるかどうか、この点のまあ現状と将来をお伺いしたいと思います。
  168. 江口見登留

    政府委員(江口見登留君) 部隊の規律は比較的、各方面からあらゆる職歴、あらゆる学歴、あらゆる年齢層の者から採用いたしましたものといたしましては非常にうまく規律が保たれて行つていると思います。これも昔のようにただ乱暴な押し付けがましい教育、規律を維持しておるのではありませんので、できるだけ自主的と申しますか、各人の自覚の下に基いて規律維持ということに専念いたしておりますので、例えばそれに違反した場合に昔のようなびんたを食わすとか、或いは営倉に入れるとか、今予備隊には営倉の設備はございません。そういうことは強制しながらやるというとはやつておりませんので、誰が参観になりましても極めて伸び伸びと朗らかにやつておるという御批評を頂いておるのでございまして、それらの点につきましては、さほど、外へ出て或いは内部におきまして犯罪が非常に多いというふうにも考えておりません。それから勿論懲戒処分といたしましては、重い者は免職或いは減俸というようなものがございます。併しこれもそう頻繁にはありません。特殊の行政罰を付さなければならんというときに限つてつております。勿論営倉の制度はございません。それから憲兵制度のようなものとおつしやいますが、これもやはり予備隊自体の規律、それから予備隊員及び予備隊内部における犯罪というものにつきまして、やはりみずからそういうものを捜査する権限を持つたほうがいいのではないかということも考えられております。併しそのためにはやはりいろいろな法規的な勉強も、研究もしなければなりませんので、只今のところではそういうものが将来必要であろうとは考えておりまするが、まだその準備段階でございまして、事務的にはそこまで、まだ作るというところまで進んではいないという現状でございます。
  169. 山田節男

    ○山田節男君 関連して。そうしますとまあキヤンプ内で刑事上の犯罪が起きた場合、例えば傷害罪を起したと、こういつたような場合は今日では何らいわゆる刑事上の処罰を受けることがないんで、今江口次長が言われるように、單に、自主的にうまく気持ちよくやつておられると言われる。併し刑事上の問題が起きたような場合には、そうしますとやはり一般の法律の手続によつて外部的に処置する、こういう御方針でありますか。
  170. 江口見登留

    政府委員(江口見登留君) 只今のところ、例えば隊の外に出まして犯罪を犯す、隊内においてそういう犯罪行為があるといいます場合には、国警なり自治警なりの捜査の下に手続を進めておるわけでありまして、予備隊自体がそれに対して特に捜査権を行使するというようなことはいたしておりません。
  171. 山田節男

    ○山田節男君 いや、今私が質問しておるのは、キヤンプ内で起きた場合、例えばキヤンプ内で喧嘩して殺傷のような事件が起きたような場合、これはやはりキヤンプ内にできたこととして処理されるのか、いわゆる普通の刑事裁判として行うのか、こういうのです。
  172. 江口見登留

    政府委員(江口見登留君) それが例えば傷害罪の規定に当りまして、刑罰を受けなければならんというような場合には、先ほど申しましたが、外部の一般警察と連絡をとつて、そのほうで処置をいたす、又それと並行して行政処分といたしましても、そのものに対して重ければ、或いは免職、或いは奪俸というような制度も併せて行なつておるような次第であります。
  173. 岩間正男

    岩間正男君 まあ時間が余りございませんので、たくさん質問申したいことがあるのですが、あとの機会に讓ります。そのうちで私お聞きしたかつたのは、講和條約発効後に独立態勢ということが一応謳われているのですが、その中で警察予備隊の性格というものは、今まで両院の審議の際にもしばしば出て来ておるわけであります。自主性を持つてどういうふうにやるか、こういう点が非常にはつきりさせなくちやならないと思います。先ほどの堀木君の御質問とも関連しまして、こういう点が明確でないことが非常にやはり我々としては今度の国会の審議の中では問題になると思うのです。そういう点から考えてまあ具体的にお聞きしますると、先ほど武器の話が出たのでありますが、これはまあ触れません、時間の関係で。その次に、例えば総隊本部ですか、そういう所の置かれている今のあの越中島の場所を私は最近見たのです。そうしますと、全くあれは向うの司令部の一角を借りておる、こういうような恰好になつておるわけですね。こういうことは一体どうなるのか。これは講和條約発効後というような、目睫に迫つているのですが、そういう事態が起きたときにどうなるのか。我々が入つて行つた印象を言いましても、あれでは日本の警察予備隊は独立しているという感じがしないのです。我々はいろいろ向うから案内をしてもらつてあすこを視察したのでありますけれども、ああいう所の二階のほうに場所を借りて、そこにまあ本部長官がいてそこで指揮をしておる。こういう形はどうも独立という具体的な感じから遠いと思う。当然どういうふうな処置か考えられておると思う。こういう点はどうされるのか。  その次は訓練の問題でありますが、この訓練についても、今までいろいろアメリカ側の援助も受け、或いは指導も受けておる、これは紛れもない事実だと思うのでありますが、こういうような点について将来どういうふうに改めるのか。大体まあ独立態勢を考えて、警察予備隊が本当に日本の国民のものであるという態勢を確立するためにこれは考えておられると思う。そのほかにもまあいろいろ経理の面なんかについても、我々はいろいろこれまで視察のときにお聞きしたのであります。そうしますと、大体そういうような要項も今考えられるが、そのほかにもあるかも知れませんけれども、これについて、具体的にこれはどういうふうに今後考えられるかということを文書として、資料として差出して頂きたいと思う。我々はそれについて審議したほうがもつと具体的だと思う。ここで一問一答を重ねて行くことも必要であるけれども、今言つたような問題につきましてですね、どういうふうな自主的な態勢を今後確立するか。このことが不明瞭であれば……警察予備隊はこれは日本の国民のものであつて、そうして今後独立した態勢で以つて国内の治安だけに当るのだ。海外に出動はしないのだ。米軍の関係とは、これは行政協定の中でいろいろと出て来ると思いますが、そういうものと関連しまして、そういう点ももつと明らかにされる努力がされておるのかどうか。あるとすればそういう具体的なものを出して頂きたい。こう思うのでありますが、これは簡單でようございますけれども、そういう基本的な態度について、やはり我々は明らかにして頂かないとこれはまあ空念仏に終る、これは如何でしよう。
  174. 江口見登留

    政府委員(江口見登留君) 講和條約発効後におきまする予備隊と米軍との関係でありますが、これらにつきましてはいろいろの問題が内在しておりまして、発効後におきましてどういう関連をつけたらいいかという点につきましてはよりより考えてはおりまするが、発効後間もなく正式な両国間の取極というものが行われるであろうと考えておりますが、現在のところではその取極につきまして具体的な折衝に入つたという段階にはまだ入つておりません。勿論條約発効後におきましては、訓練の内容なり、向うの指導の方法なりにつきまして、できるだけ自主性を今よりも以上に、今でも当時に比べますると予備隊側に委せる、手を抜くという点が非常に殖えて参つておりますが、條約発効後におきましては、ますますそういう方向で自主的に日本の予備隊を運営して参るような態勢を整えて参りたい、さように考えております。
  175. 岩間正男

    岩間正男君 それははつきりしたまとまつたものですね。これはお願いするのはむずかしいかも知れない、今の段階では……。私はそれを言つているのではない。これをコンクリートにする前に予算審議しなければならないのです。これは間近に迫つておる独立後には、予備隊は飽くまで自主的なものになるのだということを声明されており、これは予算と関連しておる。予算内容と表裏してこれは絶対離すことができない。従つて予算審議に必要なだけでいいのですが、又事務当局としてはどういうふうに考えておるか。政府はどういう態度を以てこういうものを今後自主的な態度を確立するかと、こういうことが大切なんです。先に行つて確立されてしまつたものを出されてももう余り必要がないのであります。我々は予算審議するための資料として、そういうものが必要なのでありますから、その点は能う限りの内容でいいのでありますけれども、今言つたような項目に従いまして、どういう基本態度をとるのだ。日本ではこうだ。こういうふうに出して頂きたいと思うのでありますが、如何でしようか。これがないと全くしようがないのです。
  176. 江口見登留

    政府委員(江口見登留君) 御質問の点もよく了解できるのでありますけれども、ただ、今書面にして差上げるということになりますと、極めて漠然とした御回答しかできないのではないかと実は思うのであります。條約発効後におきましてもいろいろな武器類、或いは通信機、多少そういうものが向うから貸與されるということになりますと、或いは教官というものもアメリカによらなければなりませんし、その教官と申しまするか、指導員と申しまするか、そういう種類のものを数百名顧問として招聘しなければならないことになろうと思いますが、そういう場合には一体どうしたらいいか。そういう人数はどのくらいがいいか。その執務はどういうふうにしたちいいかということを考えておりますが、具体的にお示しする段階にはまだ至つておりません。只今のところとして申上げますると非常に漠然としたものになろうかと思いますが、それでも差支えなければ何か出しておきたいと思います。
  177. 岩間正男

    岩間正男君 漠然としたもので結構だと思います。漠然としたものであるならば、その漠然としたものについて我々は予算審議で明らかにして我々の、日本国民の意思を明らかにする責任を有する。そういうものがきまつてしまつてからは……我々は今までのやり方をとらない。幾分でも我々の審議があなたたちの折衝にも役立つて来ればいい。これは日本の国民の自主性のために、骨のあるやり方のために闘つておるのですから、できるだけ、漠然としたものでいいので、現在でつき詰められる最大限度で結構ですから、そういうものを出して頂きたい。これはようございますね。  その次にお伺いしたいのは、これは簡單なことなんですが、農地の強制接收ということは今後どうされますか。どうお考えですか。
  178. 江口見登留

    政府委員(江口見登留君) 只今のところ強制接收というようなことは考えておりません。法規上不可能ではないかと考えております。
  179. 岩間正男

    岩間正男君 これはどうなんですか。今度防衛隊だとか、何とかいうことと関連して、そういうふうな問題は起つて来ないかも知れませんが、先に行つてどういう見通しですか。
  180. 江口見登留

    政府委員(江口見登留君) ここ当分の間はできるだけ地元と話合いをつけ、円満に解決をつけて見るけれども、強権を振り廻してそういう土地を接收するということは全然考えておりません。
  181. 岩間正男

    岩間正男君 これは当分の間国内の治安だけだということになりますれば、むしろ国内治安を……そういうところで強制接收というような形になつて来ますと、そのこと自体が自己矛盾に陷ることは、これは当分でなくやはり先まで行つてもそういうことが守られるべきじやないかと思いますが、如何ですか。
  182. 江口見登留

    政府委員(江口見登留君) 御趣旨の点は十分考慮いたしたいと思います。
  183. 岩間正男

    岩間正男君 もう一つ伺つておきたいのでありますが、大学生に対しまして或いは警察予備隊の募集のビラとか、募集文が出されておるそうでございますね。こういう事実はございませんか。
  184. 江口見登留

    政府委員(江口見登留君) 十一万人の増強計画に基きまして幹部を相当たくさんやはり作らなければなりませんので、その幹部の募集方法の一つといたしまして、この四月に従来大学を卒業した者、或いは今年卒業する者の中から、予備隊の将来幹部たらんとして志望する者は是非応募してもらいたいという趣意の趣意書を各学校その他に配りまして、その学校の学生に徹底するようにお願いした事実はございます。
  185. 岩間正男

    岩間正男君 これは文部大臣と相談されてなされましたか、どうでございますか。
  186. 江口見登留

    政府委員(江口見登留君) 文部当局ともいろいろ相談しました上で各学校へ配付いたしたのであります。
  187. 岩間正男

    岩間正男君 どうもおかしいです。二十二日でしたかな、私は天野文相に聞きましたら、愕然として知らない、愕然としてという形容詞を使つておりますが。あなたはこういう事実を知つておりますか。各大学にビラが貼られておる、警察予備隊の募集文が廻されておる、こういう事実が学生たちを非常に不安に陷れておる原因。そして今度の例えば澁谷のような問題、それは文相は、学生の本分は、勉強しておるのが本当だ、指導者の言うことをおとなしく聞いていなさい。そういうことをなんぼ言つたつて、一方そういうような事態が起きて、今度募集文を作つて、そしてうまく行かなければ割当選拔制ということになるのか、今度は徴兵制ということになるのかわからない。こういうところに落しておいて、じつとしていなさいと言つたつてこれはそうは行かない。兵隊に行かせられるほうはまざまざと蘇つて来る、民族の記憶が。こういう事態があるのであります。これについて文部当局と相談をされたというお話でありますが、それは事実でありますか。文部大臣は、これだけの重大な問題について何ら関知しなかつた、こういうことが明らかでございます。速記録にはつきり記録されておる。私の質問に対して、知らない、愕然としてと、これは答えられておるのであります。これはどうなんですか。
  188. 江口見登留

    政府委員(江口見登留君) 文部大臣御自身にお話申上げたことはございませんが、従来におきましても学校卒業生を予備隊の幹部に採るために学校当局とかなり事務的な打合せをいたしました上で、今度こういう募集の広告を学校へ配りたいと思うが、ということで事務的に話をした例は、今回に限らず、例えば医学生を今度出すとかいうような学校に対しましてもそういう勧誘状のようなものを配つて、希望の学生に渡してもらいたいということをこれまでもしばしば申して来ておりますが、いずれもその例に倣つて事務的に取扱つて行きたいと思います。
  189. 岩間正男

    岩間正男君 事務的に運ばれたにしては少し問題が大きいのじやないか。予備隊の性格についていろいろ問題にされておるときであり、学生が不安にさらされておるときであり、そうして又学内で飽くまで憲法に徹しようと、こういうことは御承知のように大学では長い間教えて来た。新らしい憲法は戰争を放棄した。それこそが世界に冠たるところの平和憲法であると教えて来た。そういうふうに徹しようとするときに、最近予備隊の性格が不明瞭で、その予備隊の隊員の中に、やめた人が一万近くあるということも聞いておる。最近の募集状況が芳ばしくない。だから徴兵制、選抜制をお考えになつておるのだと考えざるを得ない。そういう事態が起つて来ておるときに、そういう学内で募集をするという、こういうことがどういうふうに不安を與えておるか。又その効果はどうか。もつと事務当局だけでなく文部大臣とも、今後の日本の基本的な一つの態勢になるのでありますから、十分に文部大臣と折衝されて而して後にされるべきものだと、こういうふうに思うのであります。そういうことがなかつたのは私は遺憾です。それでそういう点が一つと、それからそれ自身が非常に学生たちの間で不評判のようですが御承知ですか、そして学内ではこういうビラがはがされた。東大あたりは全部はがされたと聞いております。これは全国の大学に全部やられておるのでありますか。そういうような学内における不評判というものに対しましてどういうふうに御処置なさるか。どうお考えになつておりますか、その点併せてお聞きしておきます。
  190. 江口見登留

    政府委員(江口見登留君) 従来大学を出た者についても呼びかけますと同時に、この春卒業する者につきましても、呼びかけるという意味におきまして学校に配付いたしまして、これで勧誘して頂きたい、或いはその勧誘状を掲示板に貼つて頂きたいというお願いはしております。お話のように、数日前に或る学校でそういう貼り物がはがされたということも聞いておりますし、申入れをいたしましたときに、或る学校ではそこの教授が、自分の学校では非常に空気が惡いから、こういうものは貼りたくないと言われた例も聞いております。従いましてそういう所ではこちらからお願いするわけじやございませんので、何もこちらから強いて是非貼らしてくれというようにすることも如何かと思いますので、その辺は学校事情に私は委して参りたいと思つております。
  191. 岩間正男

    岩間正男君 これは今後、私が先ほど申しましたような理由で非常に重要だと思いますので、文部大臣と一応今後御相談になつては如何でしようか、どうでしようか。これをおきめになるについて、これはどうお考えになりますか。
  192. 江口見登留

    政府委員(江口見登留君) 文部当局の事務をやつておる連中ともいろいろ相談をしまして、大臣を通しておくほうがよければ文相の意向も尊重いたしまして、考慮して行きたいと考えます。
  193. 岩間正男

    岩間正男君 これは是非やつて頂きたいと思います。一国の文部大臣が、私に聞かれてどうも愕然として知らなかつたということは余りこれは不見識だと思うので、こういうことで私は天野文相を落したくない。そこでこれは是非もう少し親切にやはり大臣とも相談したほうがいい。そうしてこれは閣議あたりで問題になつていいくらい性格としては大きな問題であるから、是非そうしてもらいたい。  もう一つ最後に一点、現在の警察予備隊員の職業別、年齢別、こういうものは統計が出ておると思うのですが、職業別の資料は出ておりましようか。これは資料は頂けましようか。
  194. 江口見登留

    政府委員(江口見登留君) 職業別と申しますと、隊内における……。
  195. 岩間正男

    岩間正男君 父兄の職業、例えば農業だとか……。
  196. 江口見登留

    政府委員(江口見登留君) その調査はいたしておりません。本人が入ります前の職業は記録にとつてありますけれども、これを今集計するということになりますと、まあ大変なあれになりますので、そういう資料はあいにくこしらえておりまん。
  197. 岩間正男

    岩間正男君 これは併し我々にとつては非常に重要なことです。これは一体どういう地盤から予備隊に入つて来るか。自分で望むのもありましようし、止むを得ず生活上落されてそれで食えないから入つて来る。私なんかそういう例を見ておる、随分地方へ行つて。やはり農家の、貧農の二男、三男、こういう階級になると飯米もなくて困つておる、飯米代を稼ぎにお前行かないかというような窮地になりまして、それで六万円を目当てにこれは随分応募しておるのがあるですよ。だからこれは職業別ということも日本の一つの募集の行政の面で非常に重要だと思うのですが、こういう区別、こういうものがやつぱりつかまれてないとやつぱり予備隊の性格を論ずることにはならんのであります。これは何ですか、作つて頂けないですか。
  198. 江口見登留

    政府委員(江口見登留君) 御意見だと存じまするので、何かそういうほかのものとの調査を兼ね合いにしまして、そういうことのとれる方法が考えられますれば、確かに一つの資料として予備隊として持つてつても悪くないと考えますので、やり方については考えたいと思います。
  199. 岩間正男

    岩間正男君 そういう調査はやつぱりお持ちになることが私は必要じやないかと思うのです。そうでないと警察予備隊の性格というものは不明瞭と言わざるを得ない。そういう調査をちやんと持つて、そうしてどういう階級の出身が多いかとか、そういうことは大体調査されてないのがおかしいですな、実際本当はつかめてない。やつぱりこの階級調査というものは非常に我々は重視しますがね、だからそれがされてないとすると、あなたたちも少しぼんやりしておられるということになる、これはおやりになつたほうがいいので、当然その資料はお出し願いたい、こういうふうに思います。
  200. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 時間が迫りましたから簡單に二、三点伺いたいのですが、先ほど岩間君ですか、お話つて出そうで出ないのか、それがはつきりしなかつたのですが、現在の持つております裝備訓練の現況、それから少くとも今年の計画と申しまするか、こういうものを頂けますでしようか。
  201. 江口見登留

    政府委員(江口見登留君) 先ほど木村さんからのお話資料を提出することになつております。今の後半の御質問はこれによつてお答えできるだろうと思います。訓練の概況というお話でございましたが、それも計画を持つておりますので、第何期訓練ではどういうことをやる、それは表にして差上げても結構でございます。
  202. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 それに関連して一点だけ伺いたいのですが、先ほどこちらのほうから警察予備隊は軍隊だといつたような早まつた御議論も出ておりますけれども、何といつて警察予備隊は警察だと思うのですが、そこで問題はその警察の限界ということになるのですが、例えばこれはまあ原子爆彈を持つておらなければ戰力でないというのは、これは強弁でなければ詭弁でしかない、世界に通用しない問題ですが、事務当局として現在の計画、それから或いはその中でそれに関連して警察の限界として、まじめにどの程度のことを考えておられるのか、事務当局の御意見も承わつておきたいと思います。
  203. 江口見登留

    政府委員(江口見登留君) 非常にむずかしい問題でございます。事務当局としてどういうふうに考えておるかというお尋ねですが、これは予備隊だけで考えるというわけにも参りませんので、いろいろな国際情勢なり或いは国内治安問題なり、それから武器の発達の程度なり、或いはいろいろな技術の発達の過程などにおきまして、いろいろな比較検討の上でどの程度の武器を持てば、それはもう警察の範囲を越すというような判断もできるだろうと思います。一つのまあ判断の資料としてやはりその主たる目的が、外国の軍隊を第一次的な相手として裁備をし、武器を持つておるものであるかどうか。或いは逆に申しまして、国内の治安警備ということが主眼であり、それがためにはいざという場合には海外に当る場合もあるかも知れませんが、主たる目的が国内治安警備という目的でできておれば、それが軍隊ではないではないかというような意見もあるのであります。この点は一概に私としましても、限界を引くことは甚だ困難ではないかとこう考えております。
  204. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 ここで基本的な議論をしようとは思つておりませんので、国内治安の維持に当る警察予備隊として、現状の計画でどの程度まで行くつもりだ、そうしてそれは警察の限度を越えないのだ、こういうことを考えておられますのか、それを具体的に承わりたいと思います。こういうわけです。
  205. 江口見登留

    政府委員(江口見登留君) 現在持つております武器としましては一番軽いものが拳銃でございます。それからカービン銃、それからライフル銃或いはバズーカ砲、機関銃、迫撃砲、この程度の武器を持つております。この程度のものなればいわゆる軍隊的な裝備をしておるというふうにも我々は考えていないような次第であります。
  206. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 今のじやなくて、これは昭和二十七年度予算審議するわけなんでありますし、裝備の強化云々というところに関連して、今のは現状をお話なつたと思うのですが、二十七年度予算によるこの最後のと言いますか、或いは最高の点について今の御説明と同じでございましようか。
  207. 江口見登留

    政府委員(江口見登留君) 二十七年度予算におきまして裝備を充実するという分は、主として車輛とか通信機とかそういうようなものでございます。武器は一切、先ほど申上げましたように米軍のものを借りておる次第でありますので、その武器に対する理想案はあるかも知れませんが、具体的に二十七年度中にこれ以上どういうもの、どれだけのものが欲しいというような計画はまだ持つておりません。
  208. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 計画がなければ仕方がないのですが、この予算と関連して、借りるとしても訓練の計画はあるだろうと思うのでありますが、もうすぐ始まろうとする昭和二十八年度計画がありませんというのは、私ども納得が行かんのですが、現在考えられております程度のことで最高と申しますか、最後の車輛や通信機じやなくて、裝備、訓練の程度について今のと関連してお答えを願いたいと思います。
  209. 江口見登留

    政府委員(江口見登留君) 今日までの段階におきましては、先ほど申しまたように、迫撃砲、バスーカ砲程度のものを二十七年度におきましても繰返しあてがつて訓練して行きたいと、こういう計画以外にまだ具体的なものを持つておりません。
  210. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 先ほどの答弁の中で、これからの教育、訓練或いは教範、そこでその指導者の人員その他といつたようなお話から今後取極がなされるであろうというお言葉があつたのですが、私はその言葉を聞いて実は愕然としたのですが、日本の警察予備隊で成るほど武器を借りることはあるかも知れん、或いはアドヴアイスを受けることはあるかも知れません。併し警察予備隊の運営或いはその他についてアメリカと日本との間に取極をしなければならんようなものは私はないかと思う。岩間氏どの質疑応答の経過の中に出て来たのでありますが、そうすると、言わるるように、これは日本のものじやなくして傭兵的なものであるかという疑問を持つのでありますが、先ほどお話になりました取極というものは、如何なる性格のものであり、或いは如何なる内容を縛り予定のものであるか。これは事務的なものじやないかも知れませんけれども、自身の口から出たのでありますから、もう少し具体的な御説明を頂きたいと思います。
  211. 江口見登留

    政府委員(江口見登留君) 私が先ほどお答えしましたのは、どういう武器をどの程度に借りるとか、或いは取扱についてどういう條件が付くかということと、それが無償であるか、有償であるか、或いは顧問団が何人来るとか、その顧問団はどういう編成でどこに配置されるかということを主として取極が行われるということを申上げたのであります。警察予備隊の活動にまで入つて、米軍の指揮によつてどうするかというような点については、私はそういう詳細の取極をするべきものでないと考えております。最後は日本の警察予備隊自体が考えるのであります。又技術的の面におきまして、そういう武器の問題、顧問の問題ということについての協定を行なつて行けばいいのではないか、かように考えておるものであります。
  212. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 武器、顧問の問題についての技術の取極と言われますけれども、その技術的取極というのはどういう性質のもので、具体的にどことどことの間になされますのか、それこそ技術的、事務的な性質でいいんでありますが、お伺いいたします。
  213. 江口見登留

    政府委員(江口見登留君) アメリカ政府と日本政府との間において取極が結ばれるものと考えます。
  214. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 只今のに関連してですが、それは行政協定の合同委員会というものできめて行くのかどうか。それをはつきり一つ事務的に取極めるところのその機関というものは、それはどこであるか伺いたいことと、それからもう一つは、安全保障諸費ですね、安全保障諸費のうちから警察予備隊に二十七年度どのくらい使う予定になつているか、若しかわかりましたら伺いたいのです。これは全然わからない性質のものじやないと思うのですが、予算総則十三條に移し替えの規定がありますから、大体安全保障諸費の中からどのくらい警察予備隊に使う予定になつているものか、わかりましたら……。
  215. 江口見登留

    政府委員(江口見登留君) 先ほど申上げました取極は、一体どういう方法で行われるのかということでございますが、今行政協定ということが行われつつあるのでありますが、その問題の中には予備隊の問題が少しも入つて来ておりません。これは又別個にして然るべき方然を考えて、取極められるものだと考えられます。今の日米防衛協定と申しますか、その中には予備隊の問題については一遍も取上げられたことはないのであります。これは事実でございます。それから二十七年度の安全保障諸費の中で予備隊がどのくらい使う予定を持つているかというお話でありますが、事務的には我々一向その中にどのくらい含んでいるのかということはまだ考えておりません。何々のものに対してどのくらいの金額を五百六十億の中に予定しているかというようなことはまだ事務的には少しも考えておりません。
  216. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 併しあの五百六十億というのはだんだん積み上げて大体計算されたのじやないかと思うのです。そこで十三條にあれしてあるわけですから、大体よその移し替えする対象となる省から要求があつて、それがまあ集積されて五百六十億円になつて来たんじやないかと思うが、あの移し替えの規定、若しか全然予定してないというのならば随分おかしいことだと思うのです。全然計画も……きつといろいろな、二十七年度の、先ほど説明を伺いましたが、土地の買收とか、いろいろあるようなんですね、病院を作るとか。ですから将来そういうものが起つたときに、安全保障諸費の中からそれを充てるのじやないかと思うのです。何かなければ、十三條の規定というものはただあれしたのじやないと思うのですが。
  217. 東条猛猪

    政府委員(東条猛猪君) お答え申上げます。安全保障諸費は、大蔵省の主計局の一応組織のところに組んでございますので、便宜私からお答え申上げますが、只今江口次長のお答えは、安全保障諸費の積算の基礎が全然ないという御趣旨ではなくて、警察予備隊の需要を、財政需要を賄うという観点から見たときには、只今のところ安全保障費の内容には、何とも警察予備隊側の事務当としては御説明申上ぐべきところはない、こういう御答弁の御趣旨であると私は了解いたしております。安全保障諸費の積算の基礎内訳等につきましては、先般来大臣或いは主計局長から御説明申上げておる通りでありますが、併し必要がございますれば、又適当なときに事務的な補足的な御説明も申上げる機会もあろうかと存じまするが、勿論安全保障諸費の積算の基礎はございますし、内訳等もあるわけであります。その詳細につきましては、先週の土曜日でありましたか、衆議院におきまして大蔵大臣から御答弁を申上げたことであつたと存じております。それからお話のように、予算操作に移し替えの規定がございますが、これは先般来大臣等から御説明も申上げておりますように、この安全保障に関連しておりますところの経費は、勿論現在積算の基礎もありまするし、内訳もあるのでありますが、今後更に事態の推移に応じまして、これが使用を適切ならしめるという趣旨を以ちまして移し替えの規定をおいておるわけであります。御承知通りに行政取極、その他の問題が只今進行中のように承わつておりますので、それら諸般の事情を睨み合わせました上の推移によりまして、この移し替えの具体的内容は明確になつて参る、かように存じております。
  218. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 この間新聞に一応安全保障諸費の内訳が出ました。併し我々資料を頂いておりませんから、ですからありましたら積算の基礎その他一つお出しを願いたい。併しあれは想定いたす基礎があると思うのです。どういう想定の下に立つて立てられたか、その基礎も併せて実情に合つておるかどうか、これは我々が判定しますから、どういう基礎の下にこの積算がされたか、それは我々が判定しますから、その点もはつきりさして御提出願いたいです。
  219. 東条猛猪

    政府委員(東条猛猪君) できるだけ資料を整えまして差上げます。
  220. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 簡單にいたしたいと思いますが、一つ二つ残つておりますので……。例えば二十七年度訓練の武器については、裝備についてまだきまつておらん、現状の程度というお話ですが、先ほど取極の問題もございましたが、今後この使つて参ります火器と申しますか、武器じやなくて火器であります。そういうものについてこちらで計画がないとして、向うのほうからこういうものを使つたらどうか、こういうことがあり得るのかどうか。過去の実績から鑑みましてそういうことも全く考えられないわけではない、その点伺いたいと思います。
  221. 江口見登留

    政府委員(江口見登留君) それはあり得ると思います。但しそのときにおける予備隊自体の情勢を判断いたしまして、その申出を受けるか受けないかというようなことも考えて行くだろうかと思います。
  222. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 それからこの人員の増加三万五千に関連するのですが、今後、例えば極く最近追放解除を又行われたようであります、行われたのか行われるのかはつきりいたしませんが、その中には元将校等も追放解除を受けたようです。従来の尉官或いは佐官が追放解除を受けて、そうして警察予備隊にそのうちから採られるという実績から鑑みまして、この追放解除と或いは将校の採用というものは関連あるかのような疑問を持つので、これらの点についてどういう御計画、御意図があるか承わりたい。
  223. 江口見登留

    政府委員(江口見登留君) 十一万に対しまして約一割の幹部を見込んでおります。そうしますと一万一千名の幹部が要るわけであります。只今約五千人の幹部がおりまするので、あとまあ五千人前後の幹部をどうにかして教育養成しなければならんのでありますが、その一つといたしましては、先ほどお話がありましたように、大学を今年或いは以前に出ている者を採用して半年ぐらい訓練して幹部にする、それから現在隊におりまする一士補以下の一般隊員の中から試験によりまして幹部に昇任させる。それにいたしましても外部からやはり数千人の幹部を補充しなければならんごとになろうと思います。その際にはその中にやはり旧正規将校で追放の解除になつた者もかなり応募して来るのではないかと考えております。その際には解除になりました以上、その人たちも職務についてもらうという意味におきまして、その人たちも再び採用いたしたいと考えております。
  224. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 そうするとやはり又中身、それから隊員の性質からすれば警察であるのか軍隊であるのか、軍隊化しつつあるのかというような疑問が出て来ると思うのでありますが、よく新聞に、これは新聞で見たのですから正確ではございませんけれども、恐らくそういう言葉が使われたと思うのですが、統帥といいう言葉が警察予備隊の指揮に関連して使われております。そういう言葉が使われているのか。そうすると例えば追放解除になつた将官の中からも採る、そうしてその指揮官が、例えば今後の治安機構の構成と申しますか、警察予備隊とそれから行政機構との間でどういう工合になつて参るか。これはまあ行政機構の改革問題ではなくて、警察予備隊側から見られまして、そういう指揮の上で、或いは実際に従来の将校が全体を指揮されるような或いは機関と申しますか、地位と申しますか、そういうものが考えられるのかどうか、その点を一つ承わりたい。
  225. 江口見登留

    政府委員(江口見登留君) 旧正規将校が追放解除になりまして、予備隊で採用いたしたいと考えておりますのは、将官級はもう実は考えていないのであります。去年入れました旧正規将校で追放解除になつた中でも元中佐以下であつたものを採用いたしております。今度はそれを中佐以下にするかどうかはまだ未確定でありまするが、昔の将官級であつた人を予備隊の今後の幹部に採用して参りたいという考えは今のところ持つておりません。従いまして今統帥というようなお話がありましたが、統帥というのは予備隊に引直しますと、指揮権、命令権は総理大臣から一本に出まして警察予備隊長官、それから例えて申しますれば総隊総監を通じてあらゆる指揮なり出動なり、その他の行動が命令されることになります。
  226. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 その指揮命令の系統について若干の変化が予想されはしないかと御質問申上げたのですが、何らの変化ないという御答弁なんでありますか。
  227. 江口見登留

    政府委員(江口見登留君) 何らの変化は考えておりません。
  228. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 それからこれは要望でありますが、先ほど木村さんから要望になつたと思いますが、これは石炭その他について予算の單価、数量を出してもらいたいということですが、これは警察予備隊の過去のいろいろな何と申しますか、物品購入その他に関する涜職事件等から見ても、急に殖えて参りました場合には、人員にしても予算に触れて参る場合にはよほど巖重な監査或いは監督をしなければ、こういう現象が出て来ることはいつの場合でもあり得ると思うのですが、それは一つは、この手許に頂きましたような資料等ではその点が困難だ、従つて石炭なら石炭、その他の單価についても出してもらいたいと、こういうお話であつたと思うのです。そこでその範囲或いは施設、裝備というか、火器その他については貸與を受けるとして、曾つて皮革製品その他もあつたようでありますが、こういうものについて各品目、項目、と申しますか、別の詳細な数量、それから單価その他を頂きたいと思うのです。これは先ほど木村さんから御要望がありましたが、それを擴げて相当広範囲に頂きたいと思います。要望いたしておきます。
  229. 岩間正男

    岩間正男君 資料要求がたくさん出たのですが、はつきり確認して頂いて成るたけ早く、本審査も間近いことですから出すような措置をおとり頂きたいと思います。たくさん何遍も先ほどからありますが、これはきちんとした形で決定するようにお願いしておきます。
  230. 杉山昌作

    理事杉山昌作君) 委員長のほうで然るべく取計らいます。  それでは本日はこれにて散会いたします。    午後五時三十八分散会