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岩間正男君 私は
日本共産党を代表いたしまして、只今
提案されました
参議院の
審議権尊重に関する
決議案に
賛成するものでございます。
これは
先ほど提案者によ
つて説明されましたように、
国会の
審議権を
尊重し、そうして飽くまでも
参議院の本分を盡す
議員であるならば、当然これは
賛成しなければならない、こういう
説明でありましたが、私もその一人でありますので、当然これは
賛成したい。このたびの
会期延長の暴挙は、
先ほどから
矢嶋君その他によ
つても述べられた
通りなのでありますけれども、実にこういうような先例が、このたびの
混乱国会によりまして開かれたということは、これは
国会の歴史において
一つの大きな汚点を残すものだと思うのであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり)我々はこういうような
やり方に対しまして、これは絶対に承服することができないのであります。
先ほどからも述べられましたように、これは
衆議院の多数を恃んだ暴力的な
政治の
やり方、これに実際慣れき
つた感覚を、この
参議院の中にもこれを押し及ぼそうとするような、こういうような
態度が
はつきりこれは窺われるのであります。このたびの
会期延長の
やり方を見ましても、これが
はつきり出ているのであります。これに対して、当然我々は
参議院としまして、
衆議院のこのような暴力的な行為に対しましては、
二院制度の
立場からこれを是正する、このような行き過ぎを是正するために、これは徹底的に闘かうということが
二院制度本来の当然の
権能であり、又
憲法に保障されたところの我々
議員の任務であると思うのでありますが、(「そうだ」と呼ぶ者あり)このたびの
会期延長の
やり方を見ますというと、誠にこれに違反したような、全然このような
権能に立たないようなところの、いわばこのような情勢に便乗したところの
やり方によ
つて進められておるのであります。
先ほども議運で種々問題に
なつたと思うのでありまするが、先ず第一に、
破防法を
議長権限によ
つて強引に押し通したところの、
議長が
議院の根本的な、更に根本的な
態度を
決定する
会期延長、つまり
会期延長ということはこれは非常に重要な根本的な
態度の
一つであります。このものを
決定するときに、
議院に対して十分に諮り、あらゆる
措置をとる、こういうことをしなか
つた。
破防法に対しては強引に
議長職権を使
つておるのでありますけれども、この問題に対しましては、十分にこれらの民主的な
運営をなされないで、これが
衆議院のなすままに任すということ、こういうことは我々としては絶対に承服することのできないところであります。又
国会法によりましても、このたびの
やり方は、これは十三條の問題だけを問題にして考えておるようでありますけれども、私は十
二條との関連においてこの問題を考えてみなければならない。即ち
国会法第十
二條によりますれば、
国会の
会期は
両院一致の
議決でこれを
延長することができる。これがいわば本則である。十三條はこれができない場合のいわば補足的な役割を持つものであります。従いまして、十
二條の
精神によりまして、飽くまでもこれは協議を前提として職責を果すということが当然これはなされなければならないのであります。ところが、怪々とこれに対しまして、これらの
参議院が当然持
つているところの
権利権能を放棄して、如何に
緊急事態とは言いながら、このような
やり方で以て、十二
條違反によ
つてこのような
会期延長が
決定されるということは、絶対に我々は了承することができない。(「できない」と呼ぶ者あり)こういうような独断的なことをなすとすれば、まさにこれは歴史的な犯罪として私は記録されなければならん。こういうように思うのであります。このような形で
審議権が歪められているのでありまして、我々はこういう
体制について飽くまでもこれは
審議権を
尊重をしたい。
なお併せて考えたいことは、こんな形で
混乱の中に
会期が如何に
延長されたといたしましても、現在問題にな
つておりますところの、例えば
参議院の
職員の
体制におきましても、恐らくこういうような
延長を受け止めることができるような
体制にあるかどうか。これは非常に問題にな
つております。
国会職員は非常にくたびれている。自動車の
運転手とか、
衛視諸君、速記をとる人、
エレベーター係、こういうようなところにおきましても、こういうような問題につきまして最近
要求が出されている。毎日日夜の
労働強化に苦しんでいるような状態が出ている。こういうような問題につきましても十分な
解決策を講ずることなしに、単なる
会期延長をや
つて、そうしてずるずると引延ばして行けば問題が終れりというような若し考えに立つならば、私は
国会の
審議を完全に行うことができないと思うのであります。従いまして、こういうような
條件についても十全に反省し、この
体制をとるごとなしに、この
審議の
尊重を確認することはできない。又このような
提案に対しましても、この
提案をなした限りは、飽くまでこれを徹底的に闘い取るためにも、
提案者にも我々は今後の努力を一層要請しまして、我々飽くまで
参議院の
権威確立のために闘い抜くことをお誓い申上げまして、この
決議案に対して
賛成するものであります。