○河井彌八君
只今議題に供せられました両案の
内閣委員会の審査の
経過並びに結果を御
報告申上げます。
先ず
警察予備隊令の一部を
改正する等の
法律案について御
報告いたします。
本案の
提案の
理由と
改正の
内容につきまして
説明をいたします。
警察予備令は、
昭和二十五年八月に、
昭和二十年勅令第五百四十二号、いわゆるポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件、これに基きまして
制定せられたのであります。平和條約が効力を発生いたし、
我が国が独立をいたした場合に、治安の問題がいよいよ重大を加えることが予想せられまするので、この際、現在の
警察予備隊の機構を更に整備して、引続いてこれを存続せしめる必要があるというのが、この
法律案の
提出いたされた
理由であります。
本案の
内容につきましては二ヵ條から成
つております。第一條におきましては、これは現行
警察予備隊令の
改正でありまして、その
改正の第一点は定員の増加であります。即ち
警察予備隊は現在
警察官七万五千人、
警察官以外の職員百人を以て構成されておるのでありまするが、今後の治安情勢に対処するために、この際、
警察官をば三万五千人、
警察官以外の職員をば九百七十六人増員しようとするのであります。この
警察官以外の職員の増員は、主として
警察予備隊本部の増員及び
警察予備隊建設部の要員に充てるためであります。
改正の第二点は本部機構の
改正でありまして、本部に工務局を新設すると共に、
警察予備隊建設部を附置しようという点であります。而して工務局を新設する
理由は、
警察予備隊の建設業務、
行政財産の管理等の
事務が相当厖大なものでありまするので、これに対処してこれらの業務の円滑を期するためであります。又建設部を附置する
理由は、建設工事の
実施等の
事務に当らせるためであります。
改正の第三点は、
警察官の募集
事務の処理に関する問題であります。即ち、
警察官の募集に当
つてその
趣旨の徹底を図り、募集
事務の円滑を期するために、今回その
事務の一部を都道府県知事及び市町村長に委任することができるものといたし、このために必要な
規定を設けると共に、又国家
地方警察並びに
自治体警察に対しましても、募集
事務の一部についてその協力を求むることとしておるのであります。この都道府県知事及び市町村長が国から委任されて行うところの
事務並びに
自治体警察の行う協力に関する仕事についての
経費は、すべて
国庫で
負担することとな
つておるのであります。
次は第二條の
改正であります。第二條は
警察予備隊令を当分の間
法律としての効力を存続せしめんとするものであります。更に附則といたしまして、この
法律の
原案におきましては、施行期日が、この
法律は日本国との平和條約の最初の効力発生の日から施行するものとな
つておるのであります。これが
本案の
提案の
理由及び
改正の
内容であります。
本案につきまして、
委員会の
審議に当りまして、
政府の
説明によ
つて明らかと
なつた点を御
報告いたします。
第一に、
政府はこの
法律案に引続いて、
政府の企図しておりますところの
行政機構改革に伴
つて、現在の
警察予備隊をば海上保安庁の海上警備隊と共にこれを統合した治安機構として保安庁の設置を
考えておるのであります。すでに今日保安庁設置
法案が
国会に
提出されておるのであります。而して保安庁設置の施行期日は七月一日に予定せられておるのでありまして、従いまして、
警察予備隊の存続期間は保安庁が設置される時期までの期間でありまするが、
政府は、今日の治安状況から見て、早急に
警察予備隊機構の整備充実の必要があるので、この
改正案を
提出したという
説明でありました。
第二に、今回の
警察官三万五千人増員の配置
計画については、北海道に新たなる方面総監部を設置いたすと共に、方面総監部の直轄部隊を新設することによ
つてこの
地方における治安維持の力を強化するため、二万七千人をこの方面に配置いたし、残りの八千人をば総隊総監部の直轄下の管理補給諸部隊に配置する予定であるという
説明でありました。
第三に、
警察官の募集
事務につきましては、今回三万五千人の増員のための募集があり、更に又現在の予備隊員はすべて本年の八月乃至十月を以て一応任期が終ることとな
つておりまして、その際に二万人
程度の退職者の見込があるのでありまするから、これを補充しなければならないために、結局本年は合計五万五千人
程度に上る募集を行わなければならないのであります。
警察予備隊の各部隊は、現在においては、全国的に普遍的に配置されておらないので、
警察予備隊がこれらの募集
事務を行うことができない
事情があるということであります。そこで一昨年の募集のごとく、国家
地方警察に全部の
事務を委任したいのでありまするけれども、今日一般の治安情勢から見まして、国家
地方警察は治安維持の本来の任務に專ら従事する必要がありまするので、余力が残されておらないので、募集
事務をすべてここへ委任することも困難な状況にあるのであります。従いまして、結局、便宜上、
地方の一般
行政機関であるところの都道府県、市町村に協力を求めることにしたということであります。
第四には、この
改正案によ
つて新設される工務局と建設部のことであります。本
年度において
警察予備隊の増強に伴いまして行いまするところの工営、建設の業務、本
年度の
予算といたしましては百九億三千五百万円が計上されてあるのでありまするが、これをば予備隊自身の手で行うための機構であるのであります。これらの業務に従事する定員は九百十一名当てているとのことであります。将来保安庁が新機構として発足いたしまする場合には、この工務局はこれを廃止いたし、
警察予備隊
関係の建設の業務は建設省で行うこととし、ただ一般的な建設の
計画、土木、用地の買收の
事務、又は機密を要する工事等は予備隊自身の手でや
つて行く必要があるので、この建設部において行うという
政府の
方針であるとのことでありました。なおこの
法律案の
実施につきまして、本
年度予算におきましては二百三十六億六千八百万円の
経費が新たに必要になるということであります。
委員会におきましては、この
法律案についていろいろな角度から周到且つ熱心な
審議が行われたのでありまするが、その主な点を御
報告いたします。
第一に、
警察予備隊が近く保安庁に吸收せられる予定にな
つている点、又
警察予備隊の目下の装備の状況、或いは旧軍人の採用の状況、更には、この
法律案に基いて機構を整備充実し、これによ
つて新たに増員することとされ、且つ又その募集
事務が都道府県知事或いは市町村長に委託され、更に国警、自警にも募集の
事務の一部を協力せしめる点等を併せ
考えてみますと、
警察予備隊が、
警察という範囲を超えて、軍隊という性格をいよいよ強く帶びて来るのではないか、むしろそれは軍隊そのものではないか、
従つて憲法第九條に違反するものではないかという意味の
質問が強くなされたのであります。これに対しまして
政府側からは、「
警察予備隊は国内治安を守るということが目的であるから、たとえ軍隊と同様の組織や装備を持
つておりましても、外国と戰争をすることを目的とする軍隊とは根本的に相違があるのであるから、
憲法第九條には違反せぬ」という
説明でありました。(「とんでもない」「さあ、わからない」と呼ぶ者あり)この点は、「将来保安庁の新機構に切替えられる場合に、今日の予備隊の目的、性格をそのまま持ち込むことにな
つている」という
政府の
答弁でありました。
第二には、「
警察官三万五千人の大部分を特に北海道に新設されるところの方面総監都に配置する
理由如何」という
質問がありました。これに対して
政府側からは、「北海道の治安維持上の危險が現に追
つているというわけではないが、併し
警察予備隊が将来全力を挙げて活動しなければならない事態が万一生じた場合には、予備隊が第一に活躍しなければならない所は北海道であるという、言い換えれば北海道は治安維持の上から見ていろいろな弱点である」という
答弁でありました。第三には、「この
改正案において
警察予備隊の増員に伴う隊員の募集
事務を都道府県知事乃至市町村長に委託することとし、これを
政令において定めるということにしているが、
政令の
内容はどういうことであるか。又これらのことはいわゆる自治体の自立性、自主性を侵害するものではないか」という点、或いは「これら募集
事務を
地方自治体に委託することになると、結局これは徴兵
事務の性質を持つようになり、募集は即ち徴兵であるというふうに将来変
つて行くのではないか」という点についても
質問が行われたのであります。これに対するところの
答弁は、「
地方自治体側に委託する
事務の
内容は、志願票の交付であるとか、或いは試験場の設置及び管理、或いは又ポスターの掲示、募集の印刷物の配布によ
つて、募集の趣意を周知徹底せしめるための
事務等でありまして、
政令はこれらの点を骨子として定めて行く
考えであ
つて、これらの
事務を便宜上
地方自治体に委託するのである。又予備隊の性格から見て、
地方自治体に応募者や合格者を割当てるとか、或いは市町村長が、一般よりできるだけ多く応募させるようにするというような、いわば
地方住民に圧力を加えるというようなことは絶対になく、飽くまで志願者の自発的意思によ
つて応募してもらうのである。又そのような無理な募集では適任者を得がたい」という
答弁でありました。
第四に、「
警察官の募集状況が最近余りよろしくないということであるがどうか」という点、又「本年八月乃至十月を以て任期満了いたし退職する者の見込数が二万人
程度あるということであるが、今日のごとく募集状況がよくないということであるならば、これらの補充も困難であると思うが、
政府は募集について十分自信を持
つておるかどうか」という点、或いは又「退職者については将来応召
義務を課するということはないか」という点について
質疑がありました。これに対する
政府の
答弁は、「従前応募者の数は採用者の四倍くらいあつたが、今回の三万五千人のうちの幹部要員を除いた三万二千五百人についての応募者は、五月十日の締切において九万人であ
つて、以前に比べると少いけれども、その減少の
理由は、従前の六万円の退職金の支給が今後は二年勤務期間を終了した者に対して二万円というふうに減額しておるということ、又年齢について応募資格が従前より狭く
なつたということ、或いは現在失業者の減少等に原因があるようである。なお今年八月乃至十月の退職者の補充については、今回の募集状況と睨み合せて募集の時期を少し遅くしたい。少くともその募集の時期を十月以降にして、それまでにおいて市町村等の協力によ
つて募集の
趣旨の徹底に努めたい。かようにいたしますならば募集についての支障はないと思う。」という
説明でありました。
第五に、
警察予備隊の
警察官が公務執行によ
つて死亡或いは負傷した場合において、本人又は遺族等に対する処置は、一般の国家公務員に支給する
程度の補償であるということは適切な処置ではないと思うがどうか」という意味の
質問がありました。これに対して
政府の
答弁は、「只今までのところ
警察予備隊においては出動ということもないので問題もなか
つたのであるが、併し危険率が他の公務員よりも多いことは当然に
考えられることであ
つて、
警察官が危険を回避するというようなことであ
つては、その任務を全うすることはできないから、さようなことのないように、出動の場合に発生した
警察官の死亡或いは負傷等に関する補償については、
政府として今後愼重に
研究をいたさなければならぬと
考えておる。なお保安庁設置
法案においては、別途
法律案を
提出して、これらの点を
規定することにいたしておる。」という
説明でありました。
かようにいたしまして愼重な
質疑応答が重ねられて参
つたのであります。そこで
内閣委員会及び連合
委員会におきましては、さような
経過を経たのであります。なお、この
法律案の第二條では、只今申上げましたように、「前條に
規定する命令は、日本国との平和條約の最初の効力発生の日以後も、当分の間、
法律としての効力を有するものとする。」という
規定があります。又この
法律案の附則におきましても「この
法律は、日本国との平和條約の最初の効力発生の日から施行する。」ということにな
つております。即ち四月二十八日であります。この四月二十八日というのはすでに
経過いたしておりまするので、これを適当に修正する必要ができたのであります。
かような
審議の
経過を辿りまして、昨日の
委員会におきまして
討論に入りましたところが、山田
委員から、
本案については
賛成である、併せて、只今ここに期日について申述べた点でありますが、この
法律案に対する一部の修正を発議すると述べられまして、その修正案を
提案されたのであります。これを便宜朗読いたしますると、
警察予備隊令の一部を
改正する
法律案に対する修正案
警察予備隊令の一部を
改正する
法律案の一部を次のように修正する。
第二條中「日本国との平和條約の最初の効力発生の日以後も、」を削る。
附則を次のように改める。
附則
この
法律は、公布の日から施行する。
こういう修正案が
提出せられたのであります。
本案につきましては、三好
委員から、「治安を確保するための
措置を講ずることは国家としては当然の任務であり、殊に軍備なき国家においてその必要性がおのずから増大することは認めるのであるが、併し
警察予備隊及びその増強は
憲法第九條に違反する虞れなしとしない。この点は、
政府は、
警察予備隊は近代戰遂行の戰力でないから、
憲法第九條の許すところであるという解釈をと
つており、或いは外国の直接侵略に対して抵抗することは
警察予備隊が治安確保という基本的目的を持つ以上当然の
措置であるという
政府の主観的立場には
賛成することができない。
従つてこのような
憲法違反の問題のある
警察予備隊の増強を国内治安
力増強の
措置なりとしてこれを承認することはできないから、
原案並びに修正案に
反対する。」という
意見が出されたのであります。次に山花
委員から、「本
法律案の
原案並びに修正案は共に
反対である。その
理由は詳細申述べる必要もなく、要するに
憲法違反という一点に盡きる。」という強い
反対意見の表明がありました。次に上條
委員より、「本
法律案の
原案及び修正案には
反対である。その
理由は、国内治安確保の必要なることは申すまでもないが、そのための
措置としては、主として国家
地方警察及び
自治体警察等の
警察力の増強を中心として
考えるべきである。然るに
警察予備隊において三万五千人の増員を図ることは戦力的色彩がいよいよ濃厚となるものであり、殊に保定庁が近く設置されることになれば、これは明らかに
警察予備隊の職方への移行の第一歩であ
つて、
憲法第九條に抵触するものと
考える。なお又
警察官の募集要綱を見ましても、都道府県知事、市町村長を総理大臣が指揮監督して募集させることは、徴兵
制度の復活の前提であるという感じがする。この二つの
理由で以て本
法律案の
原案並びに修正案に
反対する。」というのでありました。更に又松
原委員からは、やはり
反対の
意見が陳述せられたのであります。即ち「
警察力の増強によ
つて国内治安を確保することそれ自体には異論はないけれども、
警察予備隊は
国民の意思によ
つて作られたるものでなくて、天下り的にきめられたものである。而も名前だけは
警察であるけれども、実質は軍隊である。これは疑いのない点である。元来、日本の軍隊の創設せられた歴史に徴してみても、鎮台が師団と
なつたことくに、国内治安の維持力というものはおのずから兵力に移行するものである。併し残念ながら今日の
憲法では軍隊は置けないことにな
つておる。又交戰権はないことにな
つておる。かような点について
政府は強いて無理な解釈をと
つておるのである。さようなことでは
政府が政治上の信を失う結果となる。」というのでありまして、
本案に
反対するというのでありました。最後に竹下
委員から、「
警察予備隊の増強は
憲法に違反するものではない。戰争前は軍隊があ
つて国内治安の維持の途は開かれておつたが、今日は軍隊がないのであるから、これに代るべき或る
程度の組織と装備を持つた力を持つことによ
つて暴動等に備えることができるのであ
つて、今日の治安情勢から見てこれは最も必要なことである。」という趣意を以ちまして、
本案の
原案及び修正案に
賛成の意を述べられたのであります。
内閣委員会は
地方行政委員会と前後四回連合
委員会を開きまして、又
内閣委員会自身も一回開会いたしまして、愼重に
審議を行いましたのであります。その結果、昨日の
委員会におきまして、先ず先に述べました修正案について
採決をいたしましたところが、多数を以て可決すべきものと決定をいたしました。又、次いで残りの
原案について
採決をいたしましたところ、これ又多数を以て可決すべきものと議決いたした次第であります。
これを以てこの
報告を終ります。
次に(「もう簡單にやれよ」と呼ぶ者あり)
統計報告調整法案につきまして
報告をいたします。
提案の
理由は、国の
行政機関が直接間接に民間から徴集する統計
報告は、戦時中及び戦後を通じて、その種類、数量ともに厖大なものとな
つたので、その徴集方法並びに
報告の様式等に関して必要な調整を行い、以て民間の
負担を軽減すると共に、
行政事務の能率化を図ろうとするものであります。これに関しましてはかねて民間経済団体等から切実な
要望もあり、又昨年来朝いたしましたアメリカの統計使節団からの勧告もあ
つたのであります。
次に
本案の
内容についてでありますが、この
法律案の目的として
規定しておりまする事項は、只今申述べました民間の
負担の軽減と
行政事務の能率化を図る点にあるのでありまして、この
法律の
運用につきましては、各種
行政機関の特殊
事情等に応じまして、統計
委員会の調整について特例乃至
適用除外を設ける必要のあるものは
所要の
規定を設け、又この
法律の
実施によ
つて各
行政機関の権限が不当に侵害される結果、統計活動の独自性と政策の
実施を阻害することのないよう、特に
法律中に
運用の基本を明らかにして、專ら統計技術上の見地から調整に当るものとして、各種
機関の
異議申立の途を開いておるのであります。その他、各
行政機関と統計
委員会との緊密な連絡を図るために
報告調整官を置くことといたし、又この
法律の施行に伴う過渡的な混乱を防止するために、
経過的
規定として、現に統計
報告様式を定めて徴集しておる現行統計
報告は、この
法律施行後も三年間は原則として統計
委員会の承認を要しないことといたしておるのであります。なおこの
法律の施行期日につきましては、この
法律の公布の日から起算して九十日を超えない期間内において
政令で定めることとな
つておるのであります。
内閣委員会におきましては三回に亘
つて審議を盡したのでありますが、その
審議中において明らかに
なつた二、三の点について申し上げます。
統計
報告のかように厖大と
なつた
理由につきましては、戦時中統制経済の強化に伴
つて各種の統計
報告が徴集せられることとな
つたのに加えて、占領下における占領軍当局の統計徴集の要求がこれに加わりまして、いよいよ統計の複雑厖大化を来たしたのであります。その一つの例といたしまして、或る省において一カ月間にどのくらいあつたかと申しますると、百八十六件あつた。而してそれは法令に基くものがそのうちの一四%、規則に基くものが一五%、涌牒に基くものが三七%、さような法令の根拠のないものが三二%であつたということであります。この一つを見ましても、
如何に統計が厖大錯雑にな
つているかということがわかるのであります。そこで、かような
法案が
提出されることにな
つたのでありまするが、民間の各種産業団体或いは経済連盟等は、この
程度の調整では甚だ不十分であり不徹底であるということを強く批評して参
つているということであります。なお現行の統計
報告については、過渡的な
措置として三年間据置とするということは、余りにも緩慢に過ぎるという
意見が強く出てお
つたのであります。
政府はこれに対しまして、「広汎な統計
報告の全部に亘
つて、その
内容を十分検討して調整するためには、厖大な人員と少くとも一年以上の準備時間を要するのであるから、現行の法令に基いての統計
報告については、三年間据置とするということにする」という
説明であります。これは即ち
本案の附則の第二項の
規定するところであります。又第三條におきまして「調整の
対象を單に「
報告様式を示して
提出を求める」
報告のみに限つた
理由はどうか。その他一般の
行政報告についても調整を要するものがたくさんあるではないか」という
質問に対しましては、
政府は、「
行政上の必要に伴う一般的の調査
報告についても調整を行うということになれば、それは必要であるけれども、これに要する人員その他の
事情もありまして、差当りこれは不可能であるから、現在の状況に照し合せて、「この
法律案において調整せんとするものは統計
報告のみに限ることとしたというのであ
つて、その方法としてはフオーム・コントロールを主として行うのである」という
説明でありました。なお統計
報告の調整
制度が現在行われている諸国の例といたしましては、アメリカ、イギリス、イタリア、スペイン、インド等があるというのでありまして、日本の今度のこの
本案の作り方は最も進歩しているものであるという
説明でありました。昨日の
内閣委員会におきまして
質疑を終了し直ちに
討論に入
つたのでありまするが、竹下
委員から、
本案に
賛成の
意見を述べられました。が、今次の
統計報告調整法案は、その
対象が專ら民間の
負担軽減におかれておるのであるが、現に
地方自治体たる市町村に負荷されている統計
報告の種類、数量は実におびただしいものであるから、できるだけ早い時期に統計
報告調整の範囲を拡大して、單に民間のみならず、市町村に対するものの面にも、この趣意を徹底させてほしいという希望を付せられたのであります。かようにいたしまして、
本案について
採決をいたしましたところ、
全会一致を以て可決すべきものと議決いたした次第であります。
これを以て
報告を終ります。(
拍手)