○廣瀬與兵衞君 只今議題となりました公営住宅法第六條の規定に基き、承認を求めるの件について、建設委員会の審議の経過並びに結果を御
報告いたします。
本件は、公営住宅法第六條の規定に基き、
昭和二十七
年度から
昭和二十九
年度までの第一期公営住宅建設三ヵ年
計画の大綱の承認を求めるものであります。本件公営住宅建設三ヵ年
計画の内容は、別紙で御
承知の
通り、第一、三ヵ年における建設戸数は十八万戸とする。第二、その種別及び構造別は、第一種公営住宅を総戸数の七五%、第二種二五%とする。第一種は木造四〇%、各種耐火構造三五%とし、第二種は木造とする。第三、建設団地に対しては各種共同施設を必要に応じて建設するというものであります。本三ヵ年
計画は、建設
大臣が公営住宅法の規定に基き都道府県知事からそれぞれ公営住宅建設に関する資料を提出せしめると共に、国及び各地方公共団体の住宅
需要と財政
事情、住宅金融公庫による
融資住宅の建設見込その他民間における住宅建設
状況等との関連の下に、
計画案の資料を整備して、住宅
対策審議会の
意見を聞き、更に諸般の
情勢を検討した結果、建設三ヵ年
計画として閣議決定を経たものであります。
委員会における審議の詳細は速記録によ
つて御
承知を願いますが、当局との間に熱心なる質疑応答が重ねられました次第であります。その主なる事項は、「予算の裏付のないこの三ヵ年
計画とその実現の見込如何。本
年度予算に計上されている戸数を以て果してこの
計画は三ヵ年間に実現できるか」という点でありまして、これについては特に建設
大臣の答弁が求められました。建設
大臣は「本
年度予算による建設は二万五千戸、残余は二ヵ年間に建設する
計画である。併しながら、本
年度分につきましても、既定予算だけにとどめるものにあらず、今後歳入の自然増收のごとき場合には予算の補正を要望して建設戸数の
増加に努める。又これについては建設の年次
計画を定める慣例によらず、
計画の伸縮性を持たせたもので、今後継続費の設定も考慮して、でき得る限り
計画の達成
確保に努める」旨の答弁がありました。又本件に関連して、この種の数ヵ年
計画を作成するとすれば、他の公共事業についても同様にその必要があるのではないかとの
質問もありました。なお本件については、従来
融資住宅の建設に置かれた重点を公営住宅に移すことによ
つて計画達成に努めたいとの当局の意図も示されたのであります。このほか、本
計画における木造の比率、木造と耐火構造との單価比較、不燃化重視等についても質疑応答がありましたが、更に本
計画については
大蔵省当局の
意見が徴されまして、同当局は、「
計画の実施は今後の財政
状況によることであるが、次
年度以降については未だ具体的なものはなく、予算編成の際考慮したい。又この種の
計画は尊重せらるべきであり、同様の各種
計画間の調整は閣議で行われる」旨の答弁がありました。
かくて討論に入りましたところ、田中委員から、本案に対しては原則的に賛成する、構造別については将来資材の変動を
考えて考慮すること、又次
年度以降はすべて耐火構造とすると共に、その坪当り二万五千円の單価が実現できるよう研究することとの希望を附して賛成の
発言がありました。次いで採決の結果、全会一致原案
通り承認すべきものと決定いたしました。
次に特殊土じよう地帶災害防除及び振興臨時
措置法案について、建設委員会の審議の経過及び結果を御
報告いたします。
本法案は、特殊土じよう地帶に対し適切な災害防除及び農地改良
対策を樹立実施することによ
つて、特殊土じよう地帶の保全と農業
生産力の
向上を図ることを目的とするものであります。本委員会におきましては、提案者の説明を聽取するほか、建設省初め関係
政府当局の
意見も聞いて、熱心なる質疑応答が重ねられましたが、詳細は速記録によ
つて御
承知を願います。
法案の要旨は、特殊土じよう地帶
対策審議会を
設置して、災害防除及び農地改良に関する事業
計画を定めると共に、その実施に関しては、国、地方公共団体その他のものがこれに当り、これについては国の特別の助成の途を講じておるのであります。
審議された主なる事項の一は、特殊土じよう地帶の範囲についてであります。「シラス、ボラ、コラ、アカホや等、特殊な火山噴出物のほか、花嵐岩の風化土その他浸蝕しやすい土じようということであれば、それは中国地方その他全国的にも広く分布しており、北海道の広大な泥炭地帶のごときは如何」との
質問に対して、提案者は、「本法案は、南九州のシラスなどの特殊地帶が最も緊急を要するので、主としてこれを対象とする趣旨であるが、他の地方に対しても順次これに及ぼし得る。この点は專ら
対策審議会の
意見によることとしたい。又特殊地帶としては、しばしば台風の来襲を受け、雨量が多いことを
一つの條件としておる」旨の答弁でありました。
その二は、「南九州地帶に対しては災害防除に関し如何なる
方法が講じられておるか。」、その点については、「
政府は先に調査費を計上して、その
報告が提出されており、本
年度予算にも農地改良を主とする四千万円が計上されておる。今後の
対策については審議会の決定による」旨の答弁がありました。
その三は、「本案と先に指定された特定地域との関係、又国土総合開発
計画の実施に関し、同法の改正によ
つて本案の趣旨は達成できるのではないか」との
質問についても、関係当局との間に多くの質疑応答がありました。更に、農林省が南九州において
行なつておる事業の内容と、本案による施設について、農林当局の
意見が質されました。又本案の災害防除の
対策が実際においては砂防を主とする点について、本法案と砂防法との関係、又一般砂防事業との関連については、特に建設
大臣の
意見が質されました。
その四は、法案の対象を南九州に限定することの適否についても多くの
意見の交換がありましたが、特殊土じようは全国的に分布されておる関係から、
対策審議会の構成について質疑があり、提案者は審議会委員の全国的構成について善方分を言明されました。
かくて質疑を終了、討論を省略、採決の結果、全会一致原案
通り可決すべきものと決定いたしました。
以上御
報告申上げます。(
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