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1952-05-07 第13回国会 参議院 法務委員会 第34号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年五月七日(水曜日)    午前十一時二十七分開会   —————————————   委員の異動 五月六日委員小松正雄君及び赤木正雄 君辞任につきその補欠として齋武雄君 及び中山福藏君を議長において指名し た。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     小野 義夫君    理事            宮城タマヨ君            伊藤  修君            一松 定吉君    委員            左藤 義詮君            岡部  常君            中山 福藏君            吉田 法晴君   衆議院議員            稻田 直道君   政府委員    法務府民事局長 村上 朝一君   事務局側    常任委員会專門    員       長谷川 宏君    常任委員会專門    員       西村 高兄君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○連合委員会開会の件 ○理事補欠選任の件 ○罹災都市借地借家臨時処理法第二十  五条の二の災害及び同条の規定を適  用する地区を定める法律案衆議院  提出) ○工場抵当法び鉱業抵当法の一部を  改正する法律案内閣提出衆議院  送付)   —————————————
  2. 小野義夫

    委員長小野義夫君) これより委員会を開きます。  本日は先ず連合委員会開会の件についてお諮りいたします。破壊活動防止法案ほか二案につきまして、内閣、労働、地方行政の三委員会連合委員会を開きたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 御異議がないと認めましてさよう決定いたします。   —————————————
  4. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 次に理事補欠互選についてお諮りいたします。理事鬼丸義齊君が委員を辞任されましたので、理事が一名欠員となりました。つきましては理事補欠互選を行いたいと思いますが、互選成規手続を省略し、便宜その指名を委員長に御一任願いたいと思いますが。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 御異議がないと認めます。理事に一松定吉君を指名いたします。   —————————————
  6. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 次に、罹災都市借地借家臨時処理法第二十五条の二の災害及び同条の規定を適用する地区を定める法律案議題に供します。提案者より提案理由説明を願います。
  7. 稻田直道

    衆議院議員稻田直道君) 只今議題となりました罹災都市借地借家臨時処理法第二十五条の二の災害及び同条の規定を適用する地区を定める法律案提案理由を申上げます。  昭和二十一年九月十五日より施行の罹災都市借地借家臨時処理法は、或いは罹災建物の旧借主に優先的に借地権を取得させ、或いは逆に罹災地借地権で今後存続させる意思がないと認められるものを消滅させるなどの途を開き、借地借家関係調整して、戰災都市の急速な復興を図ることを目的として制定されたのでありまするが、その後同法の改正によりまして戰災の場合のみならず、別に法律で指定いたしました火災、震災、風水審その他の災害の場合にも同法の規定を適用いたしまして、かかる災実地復興の促進に資することとなつたのでございます。これによりまして既往の大火災本法を適用いたしまして、それぞれ所期の効果を挙げておるのでございます。昭和二十七年四月十七日鳥取市に発生いたしました火災は、旧市部八千戸のうち、枢要の地帯五千戸を燒失いたしまして、戰後最大火災なつたのでありまするが、早くも借地借家権利関係が問題となつておりまして、地元の市及び県当局本法の適用を強く要望しておる次第でございます。私どもも罹災地区の状況をつぶさに調査をいたしましたところ、右災害につきまして同地区罹災土地借地借家臨時処理法規定を適用いたしますることが同地区借地借家関係調整し、以て速かに同市復興させるゆえんであると考えられまするので、ここに本法案提出いたしました次第でございます。  なお、同市火災状態、及び臨時救護措置、その後の復興等に関しまする諸事情につきましてお尋ねがありまするならば、お答えをいたしたいと思います。  右簡單に本法案提案理由を御説明申上げた次第でございまするが、鳥取市は今より約十年ほど前に稀に見る大震災によりまして鳥取市の約八割を損壊したのでありまするが、その後漸く復興いたしました今日に再びこの大火にあいまして、今申上げましたように繁華街の殆んど全部を燒き盡しまして、残るものは漸く山の手における住宅地、農村、漁村等しかないという事情であります。目下地主借地人との間におきまして相当激烈に借地の争いをしておりまして、市当局におきましても、県当局におきましても非常に当惑、困惑いたしておる状態でありまするので、何とぞ、愼重御審議の上、一日も速かに本案を可決下さいまするよう切にお願い申上げる次第でございます。
  8. 小野義夫

    委員長小野義夫君) これより質疑に入ります。御質問のおありのかたは御発言を願います。  別に御質疑がなければ、質疑は終局したるものと認めまして御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 御異議ないと認めます。  直ちに討論採決に入りたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 御異議ないと認めます。討論便宜これを省略し直ちに採決に入りたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 御異議ないと認めて、これより採決に入ります。本案を原案通り可決することに賛成諸君の御挙手を願います。    〔賛成者挙手
  12. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 全員一致賛成と認めます。よつて本案全員一致を以て可決すべきものと決定いたしました。  なお、例によりまして委員長口頭報告及び審査報告書の内容は便宜委員長に御一任を願います。賛成諸君の御署名を願います。   多数意見者署名     中山 福藏   一松 定吉     宮城タマヨ   岡部  常     左藤 義詮   伊藤  修     吉田 法晴   —————————————
  13. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 次に工場抵当法び鉱業抵当法の一部を改正する法律案議題に供します。本案につきましては先に提案理由説明を聽取いたしておるのでありますが、本日は更に政府より詳細な説明を聽取いたします。村上民事局長
  14. 村上朝一

    政府委員村上朝一君) この法案につきまして逐条的に御説明を申上げたいと思います。先ず第一条は工場抵当法改正でございますが、このうち第八条第三項の改正について申上げますと、この第三項は工場財団消滅に関する規定でございます。工場財団消滅抵当権消滅に代わらしめております現行法の下におきましては、抵当権消滅工場財団は新たに他の抵当権目的とすることができませんのでそのために改めて工場財団設定をやり直さなければならないことになりますが、御承知の通り財団設定には相当多額の費用と複雑な手数を要しますので、借換等の場合不便でございます。又抵当権が実体的に消滅しても、直ちにその登記抹消申請が行われるとは限りませんために、すでに抵当権は実体上消滅しておるにかかわらず、従いまして工場財団現行法八条三項の規定によりますと、抵当権消滅と同時に消滅しておるにかかわらず登記上なお存続しておるような形として残ります結果、取引の安全を害する慮れもあるのであります。そこで本条第三項の規定を改めまして、工場財団抵当権消滅によつて直ちに消滅するものとせず、抵当権消滅によつてその登記が全部抹消されたのち、又のちに御説明申上げます第四十二条ノニ新設規定に基きまして、工場財団分割によつて抵当権消滅したのち三カ月以内に新たに抵当権設定登記を受けない場合及び第四十四条ノニ新設規定に基いて工場財団消滅登記をしたときに初めて財団消滅することとし、財団存続期間の延長と、財団消滅の時期の明確化を図つたわけであります。次の第十条の改正でありますが、本条は現行法によりますと、工場財団設定所有権保存登記後二カ月以内に抵当権設定登記をいたしませんと効力がなくなることになつております。ところが財団設定登記をいたしますためには、保存登記をするまでに工場抵当法二十四条の規定によります公告等手続が要りますために、少くとも登記申請をいたしましてから登記が完了するまでに一カ月半乃至二カ月を要するのであります。保存登記後二カ月内に金融を受けて抵当権設定することを予想して、その時期を基準として所有権保存登記申請するわけでありますが、現在の金融事情の下におきましては、財団担保として金融を受けて抵当権設定する時期をあらかじめ予定することが困難な場合があります。特に担保附社債信託法による抵当権設定の時期、即ち社債発行による金融を受ける時期が予定した時期よりも二、三カ月先に延びることがあり得るのであります。この予定した時期と、実際に社債を発行し得る時期のずれが二カ月以内でありますれば現行法でも間に合うのでありますが、それ以上になりますと保存登記効力を失いますので、改めて財団設定時期を繰返さなければならんということになるわけでありまして、第十条の二カ月の期間はやや短かきに失する嫌いがあるのであります。一方財団を存続させますと、この組成物件の個々的な処分が禁止せられ、他の権利者権利行使等が制限されることになつておりますので、この両者の調整を図りまして、この期間を三カ月といたしたのであります。  次の十七条の二及び十七条の三は、後に申上げます工場財団分割の場合の手続を定めた規定であります。第十七条の四、これは財団合併の場合の手続に関する規定でございます。  二十二条の改正及び三十九条、四十二条の二、四十二条の三、四十二条の四、四十二条の五、四十二条の六、四十二条の七、これがいずれも分割合併の場合の登記申請及びその手続を定めたものであります。  次の四十四条の二でありますが、これは先ほど申上げました第八条第三項の改正によりまして、工場財団消滅する時期が抵当権消滅の時でなく、登記抹消又は分割による抵当権消滅後三カ月内ということになりましたので、これに伴いまして、その間みずからこの組成物件を單独に処分する必要を生じた場合、その他工場財団所有者消滅せしめようと欲する場合の消滅登記規定を置いたわけであります。  次の四十四条の三、四十八条、これはいずれも只今申しました関係規定でございます。  なお四十二条の二と四十二条の三、分割合併についてもう少し御説明申上げますと、四十二条の二は、数個工場について設定されております財団を一個の財団数個財団分割し得ることを認めようとするものであります。現行法の下におきましては財団分割が認められておりません結果、例えば財源が一部弁債等によつて減少しました場合に、財団の余つております担保価値を、抵当権目的物の範囲から除外しまして、これを別個の財団として他の順位第一番の抵当権目的とするためには、個々的に組成物件財団から分離して、これを以て新たに財団設定手続を経なければならない不便がありますので、この分離及び新たなる財団設定手続を経ずに、財団のまま二つに分割ずるという手続を新たに、設けたわけであります。  この以上の理由分割規定を置いたわけでありますが、実際上の必要から考えまして、抵当権目的たる財団分割した場合には、分割後の財団のうち一個の財団についてのみ抵当権は存続し、他の財団については既存の抵当権効力を及ぼさしめないということにいたしました。従いまして抵当権者権利を保護するために、抵当権目的たる工場財団分割は、分割後の財団について財団の或るものについて抵当権消滅することを抵当権者において承諾した場合に限つてなし得るという規家にいたしておるわけであります。  次の四十二条の三が合併規定でございます。現行法では財団合併が認められておりません結果、例えば抵当権目的なつていない財団又は財団余剰担保価値を他の財団抵当権追加担保にし、或いはこれらを集めて一個の大きな財団設定しようとする場合には、財団組成物件を個々に分離して他の財団に追加するという方法以外にないのでありまして、この不便を除くために分割と並行して合併制度をも認めようとするものであります。ただ合併しようとする財団について所有権及び抵当権登記以外の登記、例えば差押の登記等がなされております場合には、権利関係か複雑ならしめる慮れがありますので、抵当権以外の登記があるときとか、或いは合併せんとする数個工場財団のうち二個以上の工場財団既登記抵当権があるときは、財団合併を認めないということにいたしたのであります。  次に四十九条、五十条は罰則の制度でございますが、現行法は非常に古い法律でありますために、現在の四十九条、五十条も旧刑法時代の表現になつておりまして刑の定め方等も他の法制と必ずしも権衝を得ておりませんので、この機会にこれを整備いたしたのであります。  次に二条は鉱業抵当法改正でありますが、鉱業抵当法が特別の定めのあるもののほかは、工場抵当法規定を準用いたしておりますので、只今申上げました工場抵当法改正に伴いまして鉱業抵当法もおのずから改正されることになるわけでありますが、そのほかに鉱業抵当法特有改正を要する点としてここに二、三挙げてあるのであります。その一つは、第二条に第六号として工業所有権を追加する規定でございます。これは鉱物採掘方法に関する特許等が相当認められておりまして、鉱業経営には工業所有権が重要な要素となつておりますために、これを鉱業財団組成物件に加えることをいたしたのであります。  次に第二条の二でありますが、鉱業抵当法の三条において準用しております工場抵当法の十三条の規定によると、他人の権利目的たるものは、工場財団に属せしめることができない、又工場財団に属するものは、所有権以外の権利目的とすることができないものとされているのでありますが、昭和二十五年の鉱業法改正によりまして新たに認められました租鉱権目的なつております採掘権鉱業財団に属せしめること、及び鉱業財団に属している採掘権租鉱権設定することが只今申上げました条文の関係上現在においてはいずれも不可能とされておりますけれども、租鉱権鉱物合理的開発を図るために極めて必要な権利でありまして、この制限が鉱業経営に支障を生ぜしめている実情にありますので本条を設けましてその調整を図り、相鉱権目的である採掘権鉱業財団に属せしめることを無条件に又財団に属する採掘権租鉱権設定することは抵当権者の保護を図る意味におきまして、その承諾を条件としてこれを認めることといたしたのであります。以上を以ちまして概略逐条説明を終らして頂きます。
  15. 小野義夫

    委員長小野義夫君) それにちよつと附帯いたしまして皆さんにお諮り申上げますが、電気通信委員長鈴木恭一君から私に宛てまして、こういう書面が参つております。  当委員会民間放送事業財政的基礎の安定に資するため、その放送事業設備を最も有効且便宜方法担保となし得るよう工場抵当法を左記の如く修正することについて、貴委員会の格段の御配意を望むものである。     記   第一条第二項「営業ノ為電気ハ瓦斯供給目的ニ使用スル場所ハ之ヲ工場ト看做ス」を「営業ノ為電気シクハ瓦斯供給ハ放送目的ニ使用スル場合ハ之ヲ工場ト看做ス」に改める。  こういう申出がありますので、これはこれと一括して今後の委員会において御審議を願いたいと思います。  それでは本日はこの程度で散会いたします。    午前十一時五十二分散会