○
菊川孝夫君 もう
一つ大事なことは、この
法案によ
つて規制し
ようとする狙いは、これはもう
共産党の国内における
暴力主義的
破壊活動に対する対策であるということは読んだだけでも、又
政府の御説明を聞いただけでもすぐ誰でもこれは第一の狙いはここであるということはわかるのでありますが、それは単に国内的の問題だけではなく大きな国際的な渦の
日本が丁度接触点にな
つていると思うのであります。一方
政府のほうでは外交方針といたしまして、大方針が飽くまでアメリカと協調してアメリカに
日本民族の運命を託してそうしてや
つて行こうという外交方針でありまして、例えば台湾政権の承認にいたしましても或いは両条約の締結にいたしましても、これはもう
一連の
政府の外交方針がアメリカに
日本の民族の運命を託そうとしている、又これは逆にソビエト側から見るならば
日本がアメリカの反共戦線の人的資源に動員されることを承諾したものであるとして、これは猜疑の目を以て
日本を眺めるのは当然のことだと思うのでありますが、曾て満蒙の国境におきまして、丁度ソビエトがドイツ軍と戦
つている最中に、
日本の関東軍があの満蒙国境におきまして演習という名前の下に兵隊を盛んに動かした、だからして極東軍をそのまま対独戦に投入することができなか
つた、不可侵条約を結んでおきながら関東軍が演習だ演習だとい
つて牽制作戦をや
つた、これを
一つ大きな口実として対日戦にソビエトは参加したのだということを言われておりますが、それは良し悪しは別といたしましても今日の
ような外交方針をとる以上、当然中共にいたしましてもソビエトにいたしましても
日本がアメリカの前衛部隊としていつかはや
つて来るかも知れないという、向う側からするならば非常に猜疑心を持つことになる。だからしてそういうふうに来ることを妨害し
ようとして、あらゆる手段を
日本共産党を通じましてそうして
日本国内において講じさせ
ようとすることを、これは当然あり得ることだと我々は覚悟しなければならんと思うのであります。そのぶつかり合いが
共産主義者にと
つては多少の流血や
破壊も革命のためには正当化されておるのでありますから、こういう
行為も事と次第によ
つてはやるかも知れないというのでございます。従いまして今の
政府の外交方針がそのまま堅持される限りにおきましてはいよいよ激化して来るのじやないか。即ち
日本国内における冷い戦争が激化するに伴いまして、こうした
政府のほうでは
破壊活動防止法案その他の取締法をこしらえればこしらえるほどだんだんと国内における
活動が激化し、又半面これを解散さしたりいろいろ規制いたしまたならば、彼らはすべて地下へ潜りましてそうしていよいよ陰性にな
つて来るのではないかということを最も恐れるものであります。と申しますのは先ほども申しました
ようにこれらの運動に携わる人は極めて狂信的熱狂的でありますからして少々の解散ぐらいはくそくらえでありますからみな地下に潜
つてやろうということになりまして、この外交
政策が推し進められる限りにおいてはいよいよこれは激化して来るのではないが。
従つてこの間にこの
法案が成立いたしましてそうしていろいろ解散その他の規則手続がとられましたといたしましても、例えば民主々義擁護同盟というものが解散を命ぜられると今度はすぐ表面は民主々義護擁同盟というふうに名前を変え又
責任者を変えても、実際問題として実質的には何も変
つていない。規制を受けた
連中が
責任者にならずにちよつと名前だけを変えて翌日は設立届を出してや
つて来る。こういう場合に第五条と第八条でございますか脱法
行為の禁止というのがございますが、この脱法
行為の禁止ということは、例えば名前を変えてしま
つて、そうして今までの
責任者であ
つた連中はみんな表面的には知らん顔をしておる、今までの
責任者でなか
つた連中を持
つて来て名前を変えてしま
つた場合にこの脱法
行為の禁止というのが適用になるのか、これはどの範囲に脱法
行為の禁止ということを
考えておるのか、この点について
一つお伺いしたいと思います。