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岩間正男君 その問題は又その経過を伺
つてから
質問したいと思いますが、私は先ほどの
高田君の
質問の中で、平和
教育の問題に関連して、簡單に時間がございませんから、簡單に(「簡単」と呼ぶ者あり)お聞きしたいと思う。御
承知のようにもう少し時間を頂いて私やりたいと思うのですが、これは他に譲ります。この次の機会に譲ります。そこで今問題にな
つておりますところの、平和を守る、この問題が学生
たちにどう映るか、今学生
たちがどういうようなこれに対する態度をと
つているか。
日本の態勢を見ますと、これは名前はどうあろうが、国会でどういう論議をや
つていようが、
現実にはどんどん
日本の軍備態勢は整えられている、これは言うまでもないことである。予備隊についても予備隊の武装問題についてもしばしば論議されている。そうしてこれは再軍備でないということは、吉田総理とその附近の五、六の閣僚諸君で、実際は自由党の石田博英君のごとく一昨日の放送討論会を聞いていると、再軍備は必要だと
言つている。どんどん外のほうでは行われている。こういう中で、
日本の平和憲法の建前から、将来憲法の
精神によ
つて飽くまでも戰争を放棄して、平和を守り抜くのだということを教えられて来たわけです。そうしてそれが
日本の憲法の最も特徴的な性格である。そうしてこれは今までの人類の出し得なかつりたところの
一つの新らしい結論である。こういう観点に立
つて実際は憲法そのものも教えられて来た。殊に大学の学生あたりはそういうわけだ。
従つてこういう態勢におきまして、而も伝え聞くところによりますと、ここ一、三年のうちに三十万乃至三十一万くらいの軍隊を作るということになると、当然経済面からしりても、当然徴兵制度というものが起
つて来るのじやないか。名前はどうあろうと、いろいろ何とか選抜徴兵制とか言われているようでありますけれども、実際は兵隊として召集されるということが出て来る。それに対する拒否運動はこれは大分起
つて来るのじやないか。殊に直接徴兵ということになりますと、最も直接的にその被害をこうむるのは、言うまでもなく今の青少年諸君であります。又これに関連したところの
日本の婦人
たちは大きな関心を持
つている。それで青少年
たちの間からこういう問題に対して
一つの拒否運動が起りかけている。現に昨日のごときは、これは
天野文相の今までおられました駒場の教養学部、あすこの学生
たちが徴兵拒否の署名運動をや
つた。これに対して警察が非常に弾圧を加えた。六百人からの警官が出動して、そうして百五十名くらいの学生に対しまして猛烈にこれを彈圧した。こういう事実が起
つて、今日の新聞に報道されているのでありますが、これは実にゆゆしい問題だと思うのであります。それで私はお聞きしたいのでありますが、
天野文相の立場としては一体どこをとられるのか。飽くまで憲法を守
つて平和に徹して、そうして戰争はしない、軍備も持たない。
従つて徴兵は拒否する、飽くまで戰争のために自分の身を挺するなどという、こういうことについては
日本の憲法に対する違反であり、今まで長年教えられて来たところの道義に対して、ここで手のひらを返すように反対の行動はとれるものじやない。こういう立場から毅然として学生
たちが立上
つて飽くまでこの
一つの平和憲法を守り貫く、徴兵を拒否する。こういう運動に対しまして文相はどうお
考えになりますか。私はこの点が今後の
文部行政にとりましても非常に重要な問題と思います。恐らく根本問題になると思うのでございますが、これに対して昨日起りましたそういうような問題と関連して、この際文相の御
意見をお伺いしたいと思います。