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1952-02-12 第13回国会 参議院 文部委員会 第4号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十七年二月十二日(火曜日) 午前十時四十八分開会
—————————————
委員
の異動 二月十一日
委員石坂豊一
君及び吉川末 次郎君辞任につき、その補欠として白
波瀬米吉
君及び曾祢益君を議長におい て指名した。
—————————————
出席者
は左の
通り
。
委員長
梅原
眞隆
君
理事
加納 金助君
高田なほ子
君
木内キヤウ
君
委員
木村
守江君 黒川 武雄君
白波瀬米吉
君
高橋
道男君 棚橋 小虎君
矢嶋
三義
君 国務大臣 文 部 大 臣 天野 貞祐君
政府委員
文部政務次官
今村 忠助君
文部大臣官房会
計
課長
小林 行雄君
文部省大学学術
局長
稻田 清助君
文部省社会教育
局長
寺中 作雄君
事務局側
常任委員会專門
員 竹内 敏夫君
説明員
文部省初等中等
教育局庶務課長
内藤譽三郎
君
—————————————
本日の会議に付した事件 ○
派遣議員
の
報告
○
教育
及び文化に関する
一般調査
の件 (
文部行政
に関する件)
—————————————
梅原眞隆
1
○
委員長
(
梅原眞隆
君) それでは
委員会
を開きます。 最初に
派遣議員
の
報告
を承わります。第二班の
矢嶋
君。
矢嶋三義
2
○
矢嶋三義
君 第二班は
緑風会
の
高橋議員
と第一グラブの
矢嶋
と二人で、
広島
県、兵庫県、
静岡
県の
調査
をして参つた次第でございますが、以下
報告
を申上げたいと存じます。
調査
した
事項
は、
大学関係
、
船員教育関係
、六三
建築関係
、
学校給食関係
、以上の四件でございます。 先ず
大学関係
では
広島大学
を
視察
いたしましたが、ここに御
報告
を申上げたい
問題点
としては、
国立大学
の
管理法案
が先
国会
で流れたことにな
つて
おりますが、
広島大学
は相当
厖大
な
大学
でございますが、
大学
の
管理
については先般
国会
に提案された
国立学校管理法案
の線に
沿つて
先ず
支障
なく
運営
しているという
学長
の
報告
がございました。 次に
教育学部
の問題でございますが、
広島大学
は
教育学部
の
分校
が
三原
と
福山
にございまして、
大学
の
意向
としては、
東雲分校
に
三原
の
分校
を統合したい、こういう
意向
を表明いたしておりました。これに対しまして、
三原
市の
地元
では猛烈な
存置運動
を展開しておる次第でございまして、その理由とするところは、元の
広島
の
女子師範
が四十年の歴史を持
つて
あの地で
教員養成
をや
つて
来たということ、それから
三原地区
を
中心
とする
入学志願者
の不便、更に
附属小中学校
の
父兄
の
現状維持
の強い
要望
、こういう
立場
から
三原
の
分校
を
東雲分校
に統合することに
反対
だという猛烈な
存置運動
をや
つて
おりますが、併し
教授陣
の貧弱と、それから
広島大学
に割当てられた
教授
を効率的にこれを駆使する
立場
から、
大学側
としては統合したい、こういう
意向
を表明しておりましたが、
視察
した我々といたしましても、
大学
の
意向
というものはまあ当を得たものだと、こういう
見解
を持つたものでございます。 次に
福山
にも
福山分校
がありますが、この
福山分校
は元の
陸軍兵舎
の跡で、広大な
敷地
を持
つて
おりますし、発足当初から
福山
市を
中心
とするあの地域の絶大なる
熱意
の下に
大学
を本日まで育てて来たようであります。
目下兵舎
の中には税務署と
拘置所
がございますが、これも近く移転するやに承わりました。特にこの
福山分校
について申上げたい点は、
我が国
の
教員養成機関
に体育とか、音楽、家政、農業、こういう
特殊教育
、
技能教育
に携わるところの
教員
の
養成機関
が少いのでございますが、
福山分校
はそういう
技能科
の
教員
を專門的に
養成
している特殊な
教員養成
の
教育機関
でございまして、
教授陣
も
充実
しておりますし、
地元
の
熱意
と相待
つて
福山分校
は今後更に光彩を放つであろう、こういうふうに
我我
は考えた次第でございます。
大学当局
といたしましても、
福山分校
は統合せずにこのまま維持して行きたい、こういう
見解
を表明されております。 次に
水畜産学部
でございますが、この
学部
は元
暁部隊
の
兵舎
の跡に入
つて
おりまして、その後濠州
軍兵舎
とな
つて
二十四年の四月に濠州軍が退去すると同時に
畜産学部
に譲渡されたわけでございますが、二十五年の十一月に
警察予備隊
約千人が入隊いたしまして、
建物
の東半分を
警察予備隊
のほうで使用し、
水畜産学部
はその西半分に追い込められておる
実情
でございますが、
大学当局
としてはこのままでは
施設
が不十分であるし、
警察予備隊
のほうでこの
施設
を全部使用するとするならば、
文部
、
大蔵方面
で
予算
的な
措置
も講じて頂いて適切な地に移転しなければならない、こういうことを
部長
は
意見
として表明しておりました。この問題につきましては最近本
委員会
でも話が出ましたように、
教育施設
の
駐留軍
による
接收
又は
警察予備隊
によるところの
接收
、こういう問題のやはり
一つ
といたしまして、将来
検討
しなければならん問題だと、こういうふうに考えます。 次に
静岡大学
でございますが、
静岡大学
におきましては、
問題点
として申上げたい点は
教育学部島田分校
、
三島教場
は逐次統合する予定であるが、
島田分校
に関しては
地元
の
関係
が未だ清算されていない、こういう
報告
を受けました。
教育学部浜松分校
は元第二
師範
の跡でありまして、現在
浜松
市にある
工学部
、磐田市にある
農学部
のジユニア・
コース
を担当しております。併し将来
静岡
市へ統合したいという
意向
もあるやに承わりましたが、相当の
困難性
があるように
視察
いたしました。更に
工学部
につきましては
校舎
が戰災をこうむ
つて
殆んど
全滅状態
でございますし、
隣接地
の旧
軍施設
に移
つて
おるわけでございますが、着々と
施設
、
設備
は
充実
しつつあるように考えます。ただ問題は、その
工学部
のすぐ
隣接地
、元の
陸軍練兵場跡
に
浜松市営競馬場設置
の問題が起
つて
おります。
浜松
市当局
としては強引に
競馬場
を設置したい、こういう
意向
のようでございます。
大学
を初め
PTA
、それから
教職員組合代表
とか、或いは
婦人連絡協議会代表
、こういう
かたがた
が結束して
市営競馬場設置
の
反対運動
をいたしておりまして、我々にも
陳情
がありました次第でございます。いろいろ承わりましたが、
工学部
の実験、学習、そういうものと合せ考えるときに、あの
工学部
のすぐ
隣接地
に
市営
の
競馬場
ができて、一年に十三、四回も
競馬
を開くということは
工学部
の
教育
上にも
支障
がある。
従つて
我々としては
競馬場
をあの地に設けることは好ましくない、こういうように実地
視察
した次第でございます。 それから次にあの
大学
は
新制大学
としては珍しい
研究所
を持
つて
おりまして、いわゆる
工学部電子工学研究所
と
テレビ
ジヨンの
研究
をや
つて
おるわけでございます。
我が国
には珍しい優秀な
研究
でございますけれ
ども
、
視察
してびつくりしたことは、
施設
が極めて不完備である。具体的に申上げますと、
廊下あたり
も焼けたままでありまして、
塗替え
もしておりませんし、ここで
高柳博士
の流れを汲む
我が国唯一
の
テレビ
の
研究
がなされておるのかと思つたときに実際びつくりした次第でございます。特にその
研究員
というものは極めて少数でございまして、
研究
は十分できない。それで民間で
無料
でいいから
研究
に参與さして欲しいという
かたがた
を数人あそこに入れております。
無料
でございます。そういう人を助手に
使つて研究
を続けておるというような
実情
でございまして、
テレビ
の
時代
も間近に迫
つて
おる現在、こういう特殊な
電子工学研究所あたり
には、その
施設
の面においても、又
人員
の面においても、国の
予算
というものをもう少し理解を持
つて
重点的に向けなければならない、こういうふうに我々は
視察
した次第でございます。 その他といたしましては文理
学部
と
教育学部
の
教授配当要領
、これは
昭和
二十六年五月
文部省
から出たものでございますが、
分校
にまでこの
原則
を及ぼすことには疑問がある、こういう
意見
がございました。更に
教育学部長
の
見解
としては、
教員養成
の四年
コース
と二年
コース
と両方あ
つて
もよい。更に
農学部
といたしましては、
農学部
の
教員
の
定員
が少いので非常に困る。これはいわゆる昔
帝国大学
といつた既設の
大学
でございますが、そういう
大学
の一
学科分
にも当らない
程度
だと、こういう
意見
が開陳されております。 次に
船員教育
につきましては、
視察
いたしましたのは、
広島
の
商船高等学校
と、それから
神戸
にあります
海技專門学院
、
清水
市にある
商船大学
、この三校を
視察
した次第でございますが、
問題点
として御
報告
申上げたい点は、
広島商船高等学校
におきまして、新らしい
機械器耳
が
予算不足
のために購入できないので、
近代的施設
とのギヤツプがひどくて非常に困
つて
いる、
従つて
二十七年度
予算
に二千万円を要求したのでございますが、
文部省
で減額され、
大蔵省
で更に減額されて、
大蔵省査定
は僅か百万円にな
つて
いる次第で、これでは新らしい
時代
における
商船教育
というものは不可能だと、こういう
意向
を各
学校長
から承わつた次第でございます。
神戸
市にある
海技專門学院
につきましては、このたび
商船大学
に
昇格
のため本年度十万円の
準備費
が
予算
に計上されておりますが、
地元
はこの
海技專門学院
を
商船大学
に
昇格
させることにつきまして熱烈なる
要望
を持
つて
いるようでございまして、我々も県、市、更に
地元有志
からその
陳情
を受けたわけでございます。
陳情者
の主として力説している点は、
清水
一校だけでは
不足
である、或いは
神戸
市は日本の独立したる後における国際的な
船員教育
をやるに当
つて
、
立地條件
が非常によいというようなことを力説いたしておりましたが、まあ
船員
の
需給関係等
も考慮しなければなりませんので、十分にこれは
検討
を要する問題、こういうように私
たち
は
視察
いたした次第でございます。
清水
市にあります
商船大学
につきましては、元の
清水高等商船学校
の後に設けられたわけでございまして、ともかく、
厖大
な
敷地
を持
つて
おりまして、いわゆる
戦争末期
に
突貫工事
で建てた
建物
でございまして、
建物
の粗惡なることは驚いた次第でございます。非常に
校地
が広くて用人の制限もございますので、到る所に草は蓬々と生えて、
ちよ
つと
視察
して学園という
感じ
はしないで「
夏草
や
強者ども
の夢のあと」といつたような
感じ
がした次第でございまして、これを
商船大学
として
施設設備
を
充実
するのには相当の
予算
を必要とするもの、こういうように
視察
した次第でございます。なお、
大学側
としましては、
船員教育
の環境の問題から、
最高学年
は是非
東京
で
教育
するようにいたしたい。更に
東京
の
越中島
旧
校舎
が
接收
されておるわけでございますが、行く行くは
商船大学
の上
学年
の一部は
越中島
のほうに是非とも帰還いたしたい、こういう強い
要望
がございました。 次に六三
建築
につきましては、
広島
県並びに
静岡
県の
県教育委員会当局
から
陳情
を受け、なお我々も
調査
した次第でございますが、
広島
県におきましては、六三制の
整備復旧
に要する
坪数
を約一万九千坪、その
費用概算
五億七千八百万円、こういうように
報告
しておりました。なお、
危險校舎
につきましては、
概算
三万七千坪、その
所要経費
十一億九千万円、こういうように
報告
しておりました。
危險校舎
は
災害
に対する不安が非常に強く、特に秋季の
台風
には心痛しておる。
従つて
何らかこういう
危險校舎
の
復旧
に対する、更には
災害
に対するところの
法的措置
を講じて欲しいという強い
要望
があつた次第でございます。
静岡
県につきましては、いわゆる
応急最低基準引上げ
に要する
坪数
がなお二万六千坪あり、その
工事費
は約五億七千万円、こういうように
報告
いたしております。
老朽校舎
については
改築
を要するものが約五万四千坪であり、
所要工事費
が約九億八千万円と
報告
を受けた次第でございます。数校
視察
いたしましたが、確かに
老朽
で
早急改築
を要するものがあつたことも
報告
申上げておきます。 次に
学校給食
についてでございますが、
問題点
として指摘されたのは両県とも次の
通り
でございます。即ち第一点としましては、従来の
全国都市小学校兒童対象
が、
全国小学校対象
にその範囲が拡げられたのはいいが、
対象
の
人員
が増加されていないから、従来
給食
していた
都市
の兒童を
対象
から減らさなければならない。
従つて
全体の
給食日数
を減少することも考えられる。次に第二点としましては、ミルク、
補食給食
は全部
父兄
の
負担
となることは、現在の
父兄
の
経済状況
からい
つて
非常に因る。それから第三点としましては、物の枠は
文部本省
できめて、認可は
教育委員会
ですることに矛盾がある。第一線で
責任
を以て実施しておる
当局
としては非常に因るという点が指摘された次第でございます。 我々の
視察
した主なる点は以上でございますが、そのほかに
幼稚園
と
保育所
の
関係
について
陳情
を受けましたし、更に
神戸
市当局
から
神戸大学工学部校舎
、
校地
の
買収方
に関しまして
陳情
を受けた次第でございます。これは
神戸市立機械工業学校校舎
を
昭和
二十二年四月
神戸大学工学部
に貸したのを、
政府
のほうで買上げて欲しいという
市当局
の
要望
でございます。 以上の
要点
を申上げますというと、
大学関係
ではともかく
整備充実
を必要とするということと、更に
教育学部
の
設備
がきわ目立
つて
貧弱である。果してあれで次代の青少年を
教育
するところの
教員
の
養成
が可能であるかという疑問を持つた。第三点としましては、
教授定員
が少いために、
大学
の
運営
に
支障
があり、特にいわゆるたこの
足大学
においては、
教授
の割当に非常に困難を極めているそれから
船員教育関係
につきましては、ここで御
報告
申上げておきたい点は、
広島
の
商船高等学校
を
視察
いたしましたが、ともかく
学校長
を
中心
に懸命に努力されている点は特に御
報告
申上げておきます。今度の
視察
の
中心
となりました
神戸
の
海技專門学院
を
商船大学
に
昇格
させる問題につきましては、先ほど
神戸側
の
意向
も申上げましたが、これに対して
清水
にある
商船大学
の
学長
は敢然と
反対
の意思を表明され、この問題が表面に出た場合には、
自分
は一切の
責任
を持
つて
、
我が国
の
船員教育
は如何になければならないか、
商船大学
はどういう規模で、どういう
内容
を持つたものを、どの
程度
設けたらいいかという
自分
の
責任
のある
見解
を表明するところの用意があるという極めて強硬な
意見
が開陳されたわけでございまして、
海技專門学院
の
商船大学昇格
については
十分検討
の余地があるということでございます。六三
建築関係
につきましては不十分ながら進んでおりますが、
今一歩
という
感じ
を強くした。それから
学校給食関係
につきましては、実際
視察
した結果というものは、この
給食
を従来の
給食実施
の形態を
打切つて
、最近伝えられるような形における
給食実施
というものは非常に困難な問題を生ずる、
従つて
一部から強く
要望
されているような
給食
に関する
立法化
というようなものも真劍に
検討
する必要があるのではないか、こういう点が我々今度命ぜられて
調査
いたしました
要点
とも申すべきものでございます。 以上御
報告
申上げます。
梅原眞隆
3
○
委員長
(
梅原眞隆
君)
ちよ
つと
速記
をとめて……。 〔
速記中止
〕
梅原眞隆
4
○
委員長
(
梅原眞隆
君)
速記
を始めて……。 次に第三班の
報告
を
木村
君から承わります。
木村守江
5
○
木村守江
君 私
ども
第三班は
高良
とみさん、
岩間正男
君と私の三人が、
高知
県、
徳島
県の両県に一月七日より十四日まで
視察旅行
をいたした次第であります。
調査
の箇所は
小学校
十一校、
中学校
七校、
高等学校
五校、
盲聾唖学校
三校、
国立大学
二校、
公民館
一、
教育関係者
とも
懇談会
を五回持ちまして、その他
教育委員会
とも
懇談会
を二回持つた次第であります。
調査
の結果につきまして簡單に御
報告
申上げます。第一の
調査事項
からしまして、私
ども
は
教育予算
の
現状
について見、第二番目には六三制の
学校建築
の
状態
、並びに
老朽校舎
を見たのであります。第三番目には
産業教育
の
現状
、第四番目には
学校給食
の
現状
、第五番目にはその他の
社会教育
の面、或いは
大学教育
と、文化財の
問題等
を
視察
した次第でありまして、この順序によ
つて
御
報告
申上げたいと考えております。
教育予算
の
現状
につきましては、
高知
県におきましては
昭和
二十六年度において十一億四千万円でありまして、県全体の
予算
の二三%を占めております。この県は御
承知
のように
災害県
でありまして、
土木費
は二十億万円を超過いたしまして、優に四〇%以上を占めておるような
状況
であります。特に
高知
県は
僻地
が多いために、四〇%が
複式学級
であるというような
状態
でありまして、
理論学級
から考えますると、
教員
の
定数
が
小学校
において一・六一七というような非常に上廻つた数字を占め、
中学校
におきましても二・〇一四というような
状態
を占めておりまするが、実際の
教員定員
の
不足
は現在の
状態
におきましては、
全国
において
最低位
を占めておるというような
状態
であるのであります。
徳島
県の場合におきましては、
昭和
二十六年度において
予算
の総額が十二億八千四百万円でありまして、これ又県全体の
予算
の二五・一%というような
状態
であります。
高知
県と同様に、
徳島
県は
災害県
でありまするために、
土木費
は優に四〇%を占めておるような
状態
であります。
教員
の
定数
は、これ又
僻地
が多いために非常に低位でありまして、私
ども
が実際見ました大
野村小学校
におきましては、一
学級
四十人平均の
学級
が十二
学級
ありまするが、
教員
は校長を含めて僅かに十三名というような
状態
であるのであります。このために両県とも
義務教育費
の
国庫負担法
を制定せられて、そうして
義務教育費
の円滑なる
運営
のできるようにというような
要望
が切実にあ
つたの
であります。又
僻地手当等
につきましては、現在一級地から五級地までにかけられまして、百五十円きざみにな
つて
おりまするが、
最高
において僅かに七百五十円というような上廻つた
状態
でありましては、到底
僻地
に勤務するところの
教員
の
待遇
を見てやつたということができ得ない
状態
でありまして、実際においては、
教育委員会
が独自の
予算
を組んでこれを賄
つて
おるような
状態
を見たのであります。こういうような観点から、どうしても
義務教育費
については、もつと強い
保障
の大
原則
を打ち立ててもらいたいというようなことが切望をされたのであります。 その次に六三制の
学校建築
と
老朽校舎
の
現状
でありまするが、
高知
県におきましては、〇・七坪の
不足坪数
が現在なお約三千四百坪ありまして、このほかケイト並びに
ルース台風
の
被害
が百十九校に及び、実に一万四千五百五十八坪というような
状態
を示しております。このほかに
老朽校舎
、
危險校舎
が八千九十七坪というような
状態
でありまして、そのうちにはすでに
建築
後七十年を経過して、誠に危險極まるような
状態下
において
教授
をされているような
状態
であります。
徳島
県におきましても〇・七坪の
不足坪数
が約五千坪ありまして、今年度の二十七年度に計上されました三十七億万円の
予算
におきましては、やや
不足
を告げるのではないかというような
状態
でありまして、
老朽校舎
は六千坪、
ルース台風
の
被害
は実に一億三千六百万円といわれておるような
状態
でありまして、困窮した
地方財政下
におきましては、どうしてもこの
老朽校舎
の
改築費
と、それから
台風等
によるところの
被害
のことを考えましても、早急にこれらの解決を図
つて
頂きたいというような
要望
が強か
つたの
であります。特に年々参りまする
災害
に対しましては、
学校建築費
に対する防災並びに
災害復旧
に関する
法律案
の制定をしてもらいたいというような強い
要望
があ
つたの
であります。 次に
産業教育
の現在の
状態
におきましては、
産業教育
の
法律
が出ましたことは非常に嬉しいことであ
つて
、これによ
つて学校
の
施設内容
が
充実
されまして、而して現在の貧弱極まるところの
産業教育学校
が、その
内容
の
充実
を見たことは誠に嬉しいが、もう少し
国庫
の
補助
を増額しては頂けないかというような
要望
が強か
つたの
であります。又我々が
産業教育振興法
において削除いたしました四條、五條、六條は、むしろこれを復活すべきではないか、将来においてこれも考慮して欲しいというような
要望
が多か
つたの
であります。 次に
学校給食
の
現状
でありまするが、
高知
県におきましては
完全給食
が二十七校二万三百人であります。不完全、いわゆる
補食給食
が百五十三校で四万二千人であります。
徳島
県におきましては
完全給食
が二十七校二万一千七百二十名、
補食給食
が百十六校五万一千二百七十七名というような
状態
であります。この両県を通じまして、
学校給食
に対することにつきましては、
学校給食
は継続できるようにして欲しい。なおできれば、現在の
不完全給食
即ち
補食給食
を行な
つて
おるような
農山漁村
を
完全給食
に導いて、而していわゆる食生活の
改善等
、
待遇向上
を図るべきではないかというような
叫び
がありましたことは、我々傾聴に値いすべきものであると考えるのであります。第二番目の問題といたしましては、
昭和
二十七年度に計上せられました、いわゆる二十四億円の
補給金
、いわゆる農林省よりの
補給金
によ
つて
は、現在の
負担
よりもなお
個人負担
が多くなるために、これは実際
給食
を実施いたす
関係
上、非常に大きな
障害
となるのではないかというようなことから、この点につきましても現在の
給食費
より、いわゆる物価の値上りによ
つて
増強する
程度
においては我慢せざるを得ないが、これ以上に
負担
を増すというようなことのないようにしてもらいたいというような話が切実に行われたのであります。第三番目には、
生活保護法
の適用を受けて、
学校給食費
を支給されておるところのものが、現在におきまして約五%ありまするが、これに準ずる
生活保護法
を適用しない、要
保護児童
が約五%ありまして、この
学校給食
を実施いたす上にこれが非常な
障害
とな
つて
おる
関係
上、この点をもつと円滑に支給できるような方法を考えてもらいたい、厚生省にも篤と御協力の上実現を願いたいというような話があ
つたの
であります。 次に
大学
の
教育
の問題でありまするが、第一に我々が見ました
大学
におきましては、いわゆる
戦災校
でありまして、
設備
の不完全なことが非常に痛感されたのであります。第二番目には、
昭和
二十七年度よりいわゆる
大学
が四年、もう完全に四年ができることに相成るのでありますが、
教官
が
現状
でとめておかれるというような
関係
から、これでは
教官
の
不足
のために講座が実施できない。而して本当に学生に單位を與えることができないような
状態
なので、この
教官
の
不足
を考えてもらいたい。いわゆる積極的には
大学
の
教員
の
行政整理
はしないが、今まで三年きりなか
つたの
を四年制ができる今日において、
現状維持
においては、消極的に
行政整理
と何ら変りがないというような
叫び
が多か
つたの
であります。 その次に
道徳教育
の問題についてもいろいろな
要望
がありましたが、これは省略いたしまして、
社会教育
の面につきまして、先ほど
矢嶋
君が言われましたように
公民館
並びに
幼稚園等
の問題につきましては、
公民館
、
幼稚園等
に対してはやはりもつと
補助
をもらわなければいけない。それと同時にいわゆる
職員
の身分の
保障
というふうなものが最も大きく叫ばれた問題でありまして、我々は考慮すべきではないかと考えて参つた次第であります。 その次に今回の
視察
におきましては五ヵ所において
教育関係者
との
懇談会
を開催いたしましたが、
高知
県におきましては、どういう
関係
か
教員組合
の
人たち
が殆んど全部でありましたが、
徳島
県におきましては
PTA
、町村の
理事者
、実際の
教員職員等
が集ま
つて
くれまして、非常に有益な会合であつたと考えるのであります。こういう点につきましては、今後やはり
学校教職員
のみでなく、
PTA
、
理事者等
とも
学校教育
の
運営
について懇談することが適切ではないかと考えられた次第であります。…… なお、
阿波人形浄瑠璃
のことについても見て参つた次第でありますが、この点につきましては
報告
を省略いたさせて頂きます。 以上でありましたが、もう
一つ大学
の問題、
徳島
の
大学
の
医学部
の問題でありますが、
徳島
の
医学部
は御
承知
のように元の聯隊の跡でありますが、その隣にすぐ
敷地
を境にして、
国立
の
徳島
の
病院
があります。これは昔の
衛戌病院
でありますが、現在の
状態
においては、この
国立病院
が
徳島医科
大学
のために殆んど振るわざる
状態
において、実績を上げ得ない
状態
にあるのであります。ところが
徳島医科
大学
においては今や
病院
が狭隘を告げておりまして、大体二百ベツトきりないというような
状態
でありまして、これは
徳島
大学
の今後の
教育
の完全を期するためにも、
国立病院
を統合してそうして
徳島
の医科
大学
の
充実
を図ることが緊要ではないかと思われます。これと同時に地方問題の解決としましても、国家的の衛生
施設
の完備という点から考えましても、
徳島
大学
と
国立
の
徳島
病院
とが相隣り合
つて
おるというような
状態
が決していい
状態
ではないというようなことを見て参つた次第であります。 以上簡單に御
報告
申上げます。
梅原眞隆
6
○
委員長
(
梅原眞隆
君) 第一班は荒木君、高田君が行かれておりますが、今日はお二人とも欠席でありますから、これは次回に
報告
を求めることにいたします。 次いで
文部
大臣の出席を求めて、
文部
大臣に対する質疑を行いたいと思います。
ちよ
つと
速記
をとめて。 〔
速記中止
〕
梅原眞隆
7
○
委員長
(
梅原眞隆
君)
速記
を始めて下さい。大臣が出席をされましたから、これから大臣に対する質疑を行います。最初に
矢嶋
君。
矢嶋三義
8
○
矢嶋三義
君 本日は大臣に少し具体的にお伺いいたしたいと思います。第一番に伺いたい点は、
教育施設
並びに
設備
を
中心
とするものであります。大臣は常々いわゆる義務
教育
の
小学校
、
中学校
の現在における応急最低基準の引上げ、即ち
小学校
を〇・九坪に、
中学校
を一人当り一・二に引上げたい、こういうことを言明されてお
つたの
でございますが、このたび最終年度に当
つて
、一人当り〇・七坪の最低基準を確保すべく六十七億の
予算
概算
要求をいたしたわけでございますが、伝えられるところの
文部省
の二十四年
調査
し二十六年の
調査
とのその食い違いから十五万六千坪、約二十三億円に余るところのずれができておるために、本年度は、〇・七坪の完成ができない事情にな
つて
おるわけでございますが、これを本年度どういう政治力に、よ
つて
解決されようと大臣としてお考えにな
つて
おるか。事務
当局
の具体的な案でなくて、大臣の御
見解
を伺いたい。これと関連して
老朽校舎
につきましては、本日も
調査
員から
報告
もございましたし、なお
文部省
からの今日提示されました資料におきましても、如何に緊急の問題であるかということははつきりといたしておりますが、今すぐ建てなければ保安上も危險であるという約百六十七万坪の
危險校舎
のうちから、今すぐやらなければ危險だというのが四十五万坪であると、こういうふうに
報告
されているわけですが、この六三の
建築
の〇・七坪の確保と
老朽
とは一貫したものだと思うのでございます。これについては二十一億六千万円の要求をされて零に
なつ
た。その理由を承わりますというと、大蔵大臣としては
老朽校舎
は地方公共団体が放
つて
あ
つたの
だから、これは地方公共団体でやらしたほうが
教育
熱を昂揚させる意味からも意義があると、こういうことを言われておるそうでございますが、即ち
老朽校舎
というのは、御
承知
のように地方公共団体が怠けておつたわけではなくて、戰時中に
建築
制限なんかありまして資材も廻
つて
来なかつた。そういう
関係
上、戦争の犠牲で
老朽校舎
というものは生れたものであるし、又戦後におきましては、いわゆる新制中学の発足によ
つて
その
建築
を先ず重点的に取上げて行つたために、新制
中学校
の犠牲として
小学校
の
老朽校舎
というものは生まれた、いわば国策の生んだものでございます。これをいわゆる大蔵大臣の伝えられるところの
見解
によ
つて
、
補助
もしない、起債もそう優先的には考えないと言うに至
つて
は、私は失礼ながら言語道断だと、こういうふうに考えるわけですが、これに対して大臣はどういう
見解
を持たれるか。なお今後如何なる折衝によ
つて
これを解決されようとしておるか。その点を承わりたい。
天野貞祐
9
○国務大臣(天野貞祐君) 私は
小学校
の〇・七坪に満足するものではなくして、これを〇・九坪にしたいということを考えてお
つたの
ですけれ
ども
、少くも差当
つて
そういうことを主張しても到底できないという考えでありますから、とにかく〇・七坪を完成したい、これを今年度において完成したいと考えて、五十七億円と
自分
は記憶いたしておりますが、要求をいたしたわけでございますが、併し大蔵
当局
と
文部省
事務
当局
との計算の食い違いがあ
つて
、今年ではまだ二十三億
程度
の分が残ることになりましたけれ
ども
、大蔵大臣がその残りの分は来年度において見るということを本会議においても、又
予算
委員会
においても言明されておられることでありますから、これを来年度において完成したいという考えでございます。 それから又
老朽校舎
につきましては、お説は御尤もな点が多いように私は思いますので、是非急にこれは直さなければならないのですけれ
ども
、併し今のところすぐこれをやるということには、起債ということによるのが本筋ですけれ
ども
、それも非常に困難なところがあるので、ここで
一つ
何か新らしい工夫をしよう、こういうことを今事務
当局
と相談中でございます。
矢嶋三義
10
○
矢嶋三義
君 大蔵と
文部
の計算のずれから生じた二十三億については、確かに池田大蔵大臣が本会議においてその後の人口増とも関連して来年度において考慮いたしたい、こういうことを言われておりましたが、私はこのたび提案されておるところのこの
予算
案というものは補正
予算
を必至とするものだと考えるのでございますが、補正
予算
が提出されるような場合には、私は当然その補正
予算
に
要望
すべきものと思いますが、大臣はどういうふうにお考えにな
つて
いらつしやいますか。
天野貞祐
11
○国務大臣(天野貞祐君) その点もよく
研究
したいと思
つて
おります。
矢嶋三義
12
○
矢嶋三義
君 大臣は補正
予算
で組まれる場合はそれを強く
要望
して補正
予算
に織込みたいと、そういう固い意思があるのでございますか。その点を私は伺
つて
おるのでございます。
天野貞祐
13
○国務大臣(天野貞祐君)
教育予算
についても、その他についてもなかなか簡單に言えませんから、言うことはやさしいのですけれ
ども
、それをどうしたらよいかというようなことはよく
研究
をしたいという考えでございます。
矢嶋三義
14
○
矢嶋三義
君 それ以上答弁を要求しませんが、それは大蔵大臣の答弁であ
つて
、六三
教育施設
を整備する
責任
の
立場
にある
文部
大臣としては
研究
という言葉では私は少し満足できません。再びそう申されることでありますから追及いたしませんが、大臣の
立場
におかれましては、私は一日も早く完成するように、殊にこの
老朽校舎
につきましては先ほ
ども
お話がありましたように熾烈な
要望
がありますので、特に御奮起を
要望
いたしたいと思います。 なお、本日ここに資料がなければ、他日資料で出して頂いて結構でございますが、それは先般寺中
局長
が応急基準に
不足
の分を如何にして解決するかという場合に、〇・七坪に
不足
するから更に
予算
を欲しいと
要望
するか、或いは戰災
都市
が非常に立ち遅れておる、特にそういう戰災
都市
に限
つて
、戰後人口の移入が多かつたために、
校舎
が非常に挾隘を極めておるから、
従つて
戰災
都市
の
教育施設
復旧
という
立場
から
予算
を獲得するかについて
検討
中である、こういうお話を承わつたわけでございますが、私ここで承わりたい点は、戰災
都市
と非戰災
都市
とのいわゆる応急基準への到達
状況
というものはどういう
状況
にな
つて
おるか。若しも戰災
都市
の
建築
が非常に立ち遅れておるということになりますれば、これは戦争犠牲公共団体でございますし、格別の考慮をしなければならないと思うのでございますが、若しここに資料をお持ちでございますならば
一つ
その点を承わりたいと思います。
天野貞祐
15
○国務大臣(天野貞祐君) 資料はあとから提出いたします。
矢嶋三義
16
○
矢嶋三義
君 ここに質問申上げる前に、この
施設
について
要望
申上げておきたい点は、国家財政が貧困とはいえ、浸水地域とか或いは
都市
の中枢部については鉄筋の
建築
に切替えて行きたいという基本方針で
文部
当局
が努力されておる点は、私は非常に諒といたしますが、経済の貧困のために急にその完成が覚束ないこともわかるのでございますけれ
ども
、財政の許す範囲内において
要望
して切替えなければならんのではないか。特に私新聞をよく拝見しておるのでございますが、学校の火事は、まあ記事に目立つ
関係
かも知れませんが、余りにも火災件数が
国立
並びに公立の学校の件数が多過ぎる。
従つて
これは防火
施設
の完備ということもございましようが、根本的には、やはり
建築
様式の転換、これは又
予算
を大きく伴うものなんでございますけれ
ども
、今後その点に努力して頂きたいということを
要望
して、次の質問に移りますが、それは先日資料に出して頂いたのでございますが、被
接收
学校
施設
が四十七件と
報告
され、そのほかに図書館その他
社会教育
関係
の被
接收
施設
が十六件、合計六十三件が先般本
委員会
に
報告
されているわけでございますが、そのほかにすでに国内的には一部解決した問題がございますし、なお純国内の問題として解決していない、例えば
警察予備隊
が
接收
した場合のような未解決の問題を加えるというと、更にこの件数は私は多くなると思うのでございますが、この
教育施設
を守る
立場
から、これに対する対策、更に私はここではつきりお伺いいたしたい点は、現在
大学
並びに公立学校で旧
軍施設
を相当使
つて
いる、いわゆる転用
校舎
でございますが、これが伝えられるところの
警察予備隊
の拡充に伴
つて
、転用されているところの
教育施設
が、
警察予備隊
の
施設
に再転用される虞れが私は多分にあると思うのでございます。一説によりますというと、
文部省
から、旧
軍施設
で
教育施設
に転用しているところの
施設
に対しては、恒久的な
施設
はしないように、それに
予算
はぶち込まないようにというような通牒が出ているかに承わ
つて
おるのでございますが、若しもそれが事実とするならば、
軍施設
を転用しているところの学校
当局
というものは腰が落ちつかないで、
教育
に重大
支障
を来たすと思うのでございますが、こういう被
接收
教育施設
並びに転用
校舎
の問題について大臣の御答弁をお願いいたす次第であります。
天野貞祐
17
○国務大臣(天野貞祐君) そのことは私も平生苦慮している
一つ
の問題でございます。それで岡崎国務大臣にも私はたびたび是非早くこれを返してもらいたいということを一方に言うと同時に、大橋国務大臣に対しては、現在
大学
等において使
つて
いる場所を
警察予備隊
で使うというようなことはしてもちいたくないと申したのでありますが、それに対して大橋国務大臣は、是非私の趣旨に副うようにする、ただ所によると、地方で以て非常にそれを
要望
する場所がある。非常に広い場所などに対しては
要望
する場合があると言うから、
要望
するというような場合には、是非私に一度話してくれろと申したところが、大橋国務大臣は、そういう場合には必ず一度
文部省
に連絡をするから、こういうお話でございます。又
大学
に向
つて
恒久的な
施設
をしないようにというような通牒を出したことはございません。
矢嶋三義
18
○
矢嶋三義
君 私は大臣のその御努力を諒とするのでございますが、私はその
程度
ではこの危險というものは去らないと考えております。曽
つて
軍の演習地が開拓民によ
つて
開拓されて、それがすでに再び
警察予備隊
或いはいわゆる
駐留軍
の演習地に化そうとしているのと私は問題は全く揆を一にする重大な問題と考えるわけでございまして、これについては、私は閣議において
一つ
の閣議決定として出して頂きたい。それが
我が国
の文教を守るゆえんだと考える。特に
政府
は現在再軍備は絶対しないと、こういうふうに言われておる現段階において、吉田内閣においてそういう閣議決定が私は不可能だとは考えません。
従つて
そういう提案を大臣からして頂きたい。こういうことを私は強く
要望
し、それに対しての大臣の御
見解
を承わりたいのであります。
天野貞祐
19
○国務大臣(天野貞祐君) 御
意見
はよく承わ
つて
おきたいと思います。
矢嶋三義
20
○
矢嶋三義
君 こういう問題は
我が国
が現在歩こうとしているところの基本的な方向と私は至大な
関係
があると思いますので、
教育施設
の質問と
ちよ
つと外れますが、大臣に基本的な問題を一、二お伺いいたしたいと思います。それはさつき再軍備という言葉を私は出しましたが、大臣は曽
つて
本
委員会
におきまして、再軍備はないと思います。
従つて
憲法改正というようなものはあり得ないと思う、こういう御答弁を曽
つて
承わ
つたの
でございますが、現段階におけるところの
我が国
の防衛に対する
政府
の考え方、やり方、これはいわゆる再軍備
コース
にあると大臣はお考えになりますか。それともそうでない、こういうふうにお考えになるか、承わりたいのであります。大臣が衆議院におきまして、
警察予備隊
は如何なる
施設
をしようとも、この
警察予備隊
は国内の治安を確保することが目的であるから、軍備ではないと、こういうふうに答弁されたということは新聞で承わ
つて
おりますが、重ねて私はいわゆる再軍備
コース
にあると大臣はお考えにな
つて
いらつしやるか。若し再軍備
コース
にあるとするならば、
予算
的な問題からいろいろこういう問題が派生的に出て来ると思うのでございますが、その
見解
を承わりたいと思います。
天野貞祐
21
○国務大臣(天野貞祐君)
教育
は国内全般のことと
関係
しておりますから、どういうことでも
教育
と
関係
があると言えば、ありますが、私は
文部
委員会
では
教育
プロパーのことを論議したいと思います。所管外のことに余り口を出すことは所管大臣の御迷惑になることもあり得るという考えでございます。
矢嶋三義
22
○
矢嶋三義
君 非常に御円満な人格者である天野
文部
大臣としては、更に又
政府
部内の
教育
ということを念願される人格者の天野
文部
大臣としては、非常に当を得た御答弁、(笑声)こういうふうに考えるわけであります。併し再軍備というような問題というものは、
コース
にあるかないか。こういう動向は国として最も大きな問題ですし、殊に
教育
者は如何なる肚でどういう方針で
教育
して行
つて
いいか、やがて昏迷に入ろうとしております。特に非常に純粋な知識欲に燃えておるところの
大学
、
高等学校
の学生諸君というものは、極めて関心を持
つて
いる問題でありまして、こういう問題について我々の文教の
責任
者である天野
文部
大臣はどういう御
見解
を持
つて
どういうふうに努力なさ
つて
下さ
つて
いるのであろうということは、被
教育
者である青年期に達した
大学
、
高等学校
の学生生徒諸君、特にその
教育
をなさ
つて
おるところの
教育
者というものは至大なる関心と期待を寄せているわけでございまして、それらに対する
見解
というものは大臣が表明されるべきじやないか。プロパーだけやるのだから、それには触れないというのは、それでは私は満足できないと思うので、重ねてお伺い申上げる次第でございます。
天野貞祐
23
○国務大臣(天野貞祐君) その
見解
は、衆議院の本会議において私は表明いたしましたから、この
文部
委員会
で更に立入
つて
論議をすることは、私は
自分
の所管外のことだからいたしたくないという考えでございます。
矢嶋三義
24
○
矢嶋三義
君 それでは私それならもう
一つ
お伺いいたしますが、大臣が本当に所管外……
教育
も
関係
があることなんでございますし、基本的な問題、こういう問題については、憲法との関連において論議される、こういう問題については私はひとり所管大臣でなく、各国務大臣はそれぞれの
見解
を以て答弁をして私は然るべきだと思うのです。若しも個人的にそれが不統一になるならば、いわゆる閣内において統一されたところの
意見
というものを各大臣において議員から、或いは国民から質問があつた場合には私は応答して然るべきじやないかと思うのですが、それを各大臣がそういうふうに最近A大臣、B大臣、C大臣によ
つて
それぞれくるくる舞に
なつ
たというような醜態を演じたというようなことが報道陣から報道されておりますが、それあるが故にどの大臣も口を緘して言わないで、一人の大臣だけの
見解
で説明をしているというのでは私は納得できないと思うのです。で、大臣がそう言えばもう
一つ
進めてこの点についてお伺いいたしますが、私は或る新聞で見たのでございますが、現在の
警察予備隊
というものはこれはおたまじやくし、おたまじやくしは生物学から言うと或る時期になるというと蛙になるのであります。それを天野
文部
大臣も認めたかのような私は何を見たのでありますが、そうだとなると、果して大臣がそういうような
見解
を持たれておるのかどうか、そうだとすると私はこれは相当の
問題点
が出て来ると思うのでございます。なぜ私はこういうことをお伺いするかと申しますと、憲法論議が盛んに行われておりますし、今日の新聞のごときは、自衛のためなら
警察予備隊
は海外に出るかも知れないというような記事が出ております。これは青少年というものには刺戟するだろうと思う。すでに新聞を見ますと、社会党の第四控室のほうでは
警察予備隊
に応募しないような運動を起すというようなことを車中談として新聞で私は拝見しましたが、これは社会党の第四控室に限らず、或いは
教育
者の間に、或いは学者、青年層の運動の中にですね、こういう国内の治安を相当飛躍したこういう
警察予備隊
にはお互い応募しまいじやないか、応募させないようにしようじやないかというような運動が私は起らないとは断言できまいじやないか。そういう事態に
なつ
た場合、どういうふうに対処するかというようなことを私は杞憂かも知れませんが、心配しておるわけであります。あえて大臣にお伺いしておるわけでありますが、もう一度御答弁願いたいと思います。
天野貞祐
25
○国務大臣(天野貞祐君) 私はやはりですね、
警察予備隊
というような所管外のことを論議することは少なくも
文部
委員会
においては私はできないと
自分
は考えております。
矢嶋三義
26
○
矢嶋三義
君 時間が何でございますので次の質問を続けます。 次にお伺いいたしたい点は、やはりこの
教育
の
施設
に関連があるのでございますが、最近青少年の不良化が盛んに伝えられ、殊に青壮期の頽廃というようなものが伝えられておりますし、本会議における天野
文部
大臣の答弁も私は拝聴いたしました。それにつきましても想起されることは、
東京
都の加藤
教育
次長は数回に亘り公述人として招致された場合に、
学校教育
法の一部を改正して、
教育施設
の周囲にはいかがわしい、
教育
上好ましくない
施設
は設置できないというような
立法化
をして欲しいという強い
要望
が
政府
当局
にも
国会
にもされたわけでございますが、その後、先ほど私御
報告
申上げましたような
浜松
の
工学部
の傍らに工学実験に差支えのあるような
競馬場
ができるとか、或いは
東京
都内の問題もございますし、宇都宮の
教育施設
の周囲が特飲街で囲まれてしまつたというような新聞記事も承わ
つて
おりますが、そういう処置を如何にするかお考えにな
つて
おられるか。更にこれとも関連するのでありますが、先般一橋
大学
のある
国立
が文教地区として指定されたのでございます。併しあの
国立
文教地区は指定文教地区として指定はされたのであるが、依然として立川のほうから参りまして、ホテルを使用して、やはり日本の風紀を紊しておるということを承わ
つて
おるのでございますが、近く行政協定も最後的に決定するようでございますが、先ほど申上げました国内的なそういう問題、更に
駐留軍
とも
関係
あるような、文教地区のホテルの
駐留軍
による使用、文教地区に限
つて
は使用できないというような
内容
を行政協定の中に盛るべきじやないか。更にもう一歩進めるならば、
駐留軍
は今後もう占領軍でないのでございますので、できるだけ田舎のほうにでも行
つて
頂いて、その近くに適当な
施設
をして、日本の住宅地域においては
我が国
独特の風俗というものを保持できるような申入れを、対等国としての日本の国から米国側に対してなすべきではないか、こういうふうに考えるのでございますが、これは文教
施設
とも重大
関係
のある問題でございますので、而もこれは文教プロパーの問題と考えますので、大臣の御答弁を願います。
天野貞祐
27
○国務大臣(天野貞祐君) お話のあつた
浜松
につきましては、私この間も建設大臣にそのことをお話して、是非そういうことができないようにということを今いたしております。そういうふうなことが成り立たんように努力しております。 それから一般文教地区については、文教地区の確保ということは非常に必要なことで、
教育
環境というものをよくするということの重要性ということは、私も
矢嶋
委員
と全く同感でございますから、そういういろいろな点については又外務省のほうとも話合いをいたし、いろいろ交渉と
研究
をいたしておるのでございます。
矢嶋三義
28
○
矢嶋三義
君 その点については是非御努力を
要望
いたしておきます。 次にお伺いいたしたい点は、
教育施設
の
災害復旧
についてでございますが、先ず承わりたい点は、先般ルース並びにケイト
台風
の襲来によ
つて
、ルースだけでも文教
施設
で七十九億からの
被害
を受けている。それに対して
文部省
は三十九億の
補助
を要求なさつたように承わ
つて
おります。すでに結論も出ておるようでありますが、これに対して非常に御努力された点は了とするのでございますが、年々歳々殊に西日本には
台風
が襲来いたします。その都度その地域の住民が甚大の
被害
を受ける。更にこの公立学校の
災害
を受けた場合に
復旧
には非常に至難を極める次第でございます。で毎年
災害復旧
補助
要求というものは
政府
に
要望
されておりますが、私この際お伺いいたしたいのは、先般のルースの
災害
に当
つて
は農林
関係
にしましても、建設
関係
にいたしましても、その
災害
のひどかつたことからして、
災害
の
補助
率を引上げようという方向にあるにもかかわらず、
文部省
の
施設
の
災害
補助
率は従来二分の一だ
つたの
が三分の一に下つたというのは如何なる理由に基くものか、これは私は
教育施設
の保全という
立場
から、
災害復旧
の
立場
から非常に遺憾だと考えるのでございますが御答弁願います。
天野貞祐
29
○国務大臣(天野貞祐君) 一体毎年毎年こういう
災害
が起ると、
災害
の起つたときにすぐ金の用意をするというのでなく、何か恒久的にこの
災害
の費用というようなものを
予算
に組み入れられて置くとか、何かそういうふうな方法のことも考えたいと思
つて
おります。併し差当
つて
の御質問については
文部省
のほうも二分の一
補助
することにな
つて
おります。
矢嶋三義
30
○
矢嶋三義
君 二分の一に確定したわけですね。
寺中作雄
31
○
政府委員
(寺中作雄君) 実際の
措置
として二分の一の
補助
をやるということにな
つて
おるわけでございます。
矢嶋三義
32
○
矢嶋三義
君 それがこの前……私この際
ちよ
つとお伺いしたいのですが、
補助
令達というですね、実際に二分の一やるのに
補助
令達になぜ三分の一の数字を掲げなければならないのか、三分の一であるが、実際は二分の一を支出する、そういうところに私は不均衡があると思うのです。その理由を承わ
つて
おきたい。
寺中作雄
33
○
政府委員
(寺中作雄君)
補助
指令に出しますときに、二分の一で
補助
する ことにしております。
矢嶋三義
34
○
矢嶋三義
君 それでは三分の一の
補助
率というものは完全に一切問題ないとこう考えてよろしいのですか。
寺中作雄
35
○
政府委員
(寺中作雄君)
予算
の積算の数学は三分の一ということで、これは
高等学校
については三分の一ということで積算されたのでありますが、実際の
措置
として二分の一の
補助
をするということにな
つて
おるのであります。そういたしますと、まあ予定をしております工事量ができないということになるわけでありますが、その点は将来の問題としてなお折衝の余地を残すというような形にな
つて
おります。
矢嶋三義
36
○
矢嶋三義
君 まあうまいことを言
つて
おりますが、結局それは全部やはりさなきだに窮迫しておる地方財政を圧迫することになるわけであります。それで私はお尋ねしているわけなんですが、それと関連してもう
一つ
お伺いいたしましよう。それは公共土木
施設
の
災害復旧
に当
つて
、公共土木
施設
災害復旧
費
国庫負担法
というのがございますが、これを見ますというと、最低三分の二の
国庫
負担
にな
つて
おります。而も損害十五万円未満のは
補助
しないが、十五万以上は
補助
するようにな
つて
おります。ところが学校の
教育施設
の
災害復旧
を見ますというと、中破以上が相当多くて
復旧
に困るから、だから中破の
災害復旧
を
補助
の
対象
にして欲しいという年々歳々強力な
要望
あるにかかわらず、
文部省
関係
の
施設
だけは大破以上にな
つて
中破というものが認められていない、中破
程度
ならばこれはもう十五万円以下で修理できるようなものは今の
状況
から言
つて
ないと考えます。これは私はやはり文教
施設
の保持という
立場
から私はたしかに退いていると考えるのでございますが、如何でございましようか。
寺中作雄
37
○
政府委員
(寺中作雄君) 学校の
災害復旧
について他の公共
施設
よりも多少條件が惡いというような考え方につきましては、これは
大蔵省
におきまして
教育施設
についてはこれは公共的な面が多少少いんだというような気持を持
つて
おるようでありますが、
文部省
としましては、これは
教育
ということは真に公共性の非常に強いものであるという意味で以てそれに対して強硬に抗議をいたしまして、将来の
研究
問題といたしましては中破以上、又比率につきましても他の公共
施設
と同じ比率によるように
研究
をしておるのでありまして、現在積算の場合に多少そういう
大蔵省
の考え方があ
つたの
でありますけれ
ども
、これに対しては
文部省
は承服しておるわけではないのであります。今後の
研究
問題といたしまして十分
文部省
の趣旨の通るようにいたしたいと、こう考えております。
矢嶋三義
38
○
矢嶋三義
君 こういう問題は大蔵初め
関係
各省大臣がいないと非常に質問の目的を達することはできないのでございますが、その点残念に思いますけれ
ども
、更にこれについてお伺いいたしたい点は、大臣さつき
ちよ
つと出されたようでございますが、この重大な問題を解決する
立場
から特に
教育
の
施設
が公共的な面が少いというような
政府
部内にあるところの
意見
、こういうものが私は相当問題だと思うのです。これらを解決する途として大臣先ほど
ちよ
つと出されましたが、
災害
防止及び
災害復旧
国庫負担法
とでも申すべきような、そういう
立法化
を、
政府
提案として出される意思があるかどうか、これを承りたいと思うのであります。と申しますのは、先ほど申上げましたように、公共土木
施設
についてはちやんと法的根拠があ
つて
復旧
はなされております。
災害
があつた場合には
立法化
が遂げられておりますから、地方公共団体はその下に応急に的確に処置できるわけでございますが、その点文教
施設
は法的根拠がはつきりしていない
関係
上、非常に
支障
を来たして、
教育
にも
支障
があるし、地方財政を圧迫していると私は思うのであります。
従つて
先ほど大臣
ちよ
つと出されましたけれ
ども
、そういう
立法化
についてどの
程度
の準備をされ、更に決意をされておるのか、この際承わりたいと思います。
天野貞祐
39
○国務大臣(天野貞祐君) 私はそういうことが何か必要ではないかということを考えて、そうして事務
当局
によくそういう点をどういうふうにすべきかということを
研究
してもら
つて
いるのです。いつも
研究
というようなことを言
つて
誠に恐縮なんですが、これも調べてもら
つて
お
つて
、今すぐどうするというところまで、まだ私がここで言うところまでは至
つて
おりません。
矢嶋三義
40
○
矢嶋三義
君 非常に御用心にな
つて
研究
で通しておられますが、大臣としてはこれは是非ともやらなくちやならんと、やろうという天野先生個人はそれを希望せられているのですか、どうですか。それだけ
一つ
御答弁願いたいと思う。
天野貞祐
41
○国務大臣(天野貞祐君) 天野個人というのも、いつも
文部
大臣としての個人だというふうに世間から言われております。又
矢嶋
さんもそういうふうに受取られておりますから、やはり個人として用心したほうがよかろうと思います。(笑声)
矢嶋三義
42
○
矢嶋三義
君 まあ大臣は相当決意はされておることと思うのでございます。まあ用心されるのは結構ですが、余り用心されると萎縮して参りますからして、勇気を出して頂きたいということを
要望
しておきます。 それから
施設
関係
で最後に承りたい点は、それは西南諸島でございますが、西南諸島の住民のかたが鹿兒島あたりに来て先ず
要望
する点は何かというと、内地と自由に旅行できるようにしてもらいたい、親戚のお祝いがあつたり、或いは悲しみ事があつた場合に自由に行き来できるようにしてもらいたい。それからもう
一つ
は
教育施設
を
充実
して立派な
教育
ができるようにしてもらいたい。この二つをどの人も鹿兒島に上陸すると切に
要望
するところと承わ
つて
おります。特に最近こちらに還りました七つの島でございますがね、あそこの
教育施設
を見た人の話を聞きますと、極めて惨怛たるものだ、六三制どこかというような
感じ
がするというのでございますが、これは明らかに今度鹿児島県に編入されたわけでございますが、これの対処策としてどういうふうにお考えにな
つて
いらつしやるか、伺いたい。
天野貞祐
43
○国務大臣(天野貞祐君) 非常に島民諸君の熱望は御尤もなことと思
つて
、私
ども
もできるだけその御希望に副いたいと思
つて
今
視察
の人を出しております。帰
つて
来たらば対策を立てる考えでございます。
矢嶋三義
44
○
矢嶋三義
君 時間が長くなりますので、もう
施設
の点はここで
打切つて
、もう一点
産業教育
についてお伺いして私の質問を打切りたいと思います。 それは先ず第一点として伺いたい点は
産業教育
法が制定される場合に、地方財政との
関係
でいろいろ問題が論議されたわけでございますが、当時まあ提案者であつた当時の衆議院
文部
委員長
長野議員も
予算
化については、
政府
與党内でも大体了解がついている、地方財政を圧迫しないように特に六
三義
務制にしわ寄せしないように十分努力するという誓約があ
つて
、條文にはな
つて
いませんけれ
ども
、そういう紳士協定の下にあの
産業教育
法は通過した、こういうふうに私は記憶しているわけでございますが、この度の
予算
編成に当
つて
は大臣非常に御努力なさつたことにつきましては敬意を表するものでございますけれ
ども
、あの六億六千六百万円のうちの大部分を占める
高等学校
の枠が六億とな
つて
おるわけでありますが、その
高等学校
の
補助
率が三分の一で、義務制の
中学校
だけが
補助
率二分の一と、こうな
つて
おるわけでございますが、そうなりまするというと、残りの三分の二というものは完全にこれは地方財政を圧迫するようになるわけでございますが、これをこういう事情に
なつ
た経過と、これを如何に地方財政を圧迫しないように、而も首相の施政演説にありましたところの職業
教育
の振興という
立場
から解決しようとされているか、
文部
大臣の
見解
と、又失礼でございますが、與党所属の今村政務次官からも御答弁を頂きたいと思います。
天野貞祐
45
○国務大臣(天野貞祐君) 私は初めここの
委員会
で以て非常に
産業教育
が論議されたときに、
産業教育
は従来の職業
教育
じやないのだ、そういう意味において、決して精神と申しましようか、方針として六三制を圧迫するというようなことはないので、これをむしろ助けるものであるということを申したのであります。だから
産業教育
がなされるということは、却
つて
六三制のためによいことになるのだというふうに私は思
つて
おります。ただ、只今の地方財政に対する圧迫という点につきましては、私はこれは事務
当局
から御返事いたさせたいと思います。
今村忠助
46
○
政府委員
(今村忠助君) 只今
矢嶋
委員
から
産業教育
関係
の
予算
、自由党としても了解もあり力も入れなければならんという御質疑があ
つたの
でありますが、正にその
通り
だつたと思うのであります。ただ財源
関係
等から誠に金額としては不十分な六億数千のものがきま
つたの
でありまするが、その点は我々努力はいたしましたけれ
ども
、遺憾に存じておる点であります。将来なお一段と努力し、財政、財源等の許す限りにおいて増額するよう努力はいたして参りたいと考えております。
内藤譽三郎
47
○
説明員
(
内藤譽三郎
君) 只今の地方
負担
分につきまして、三分の二が地方
負担
でございますので、相当な額に上りますので、地方財政を圧迫しはせんかという
矢嶋
委員
の御質問でございますが、その点につきましては、私
ども
非常に苦慮いたして、地方財政
委員会
と目下折衝中なんでございます。そのうち固定資産に類するような、例えば練習船とか、その他大きなプラントに類するようなものだけでも約三分の一ほどございますので、これだけでも起債を認めて欲しいということで今折衝しておりますが、只今練習船の約一億
程度
については大体話合いがついたようでございますが、その残りの分については、まだ話合いがつかないのであります。目下折衝中でございますので、成るべく御趣旨に副
つて
地方財政を圧迫しないようにいたしたいと思います。
矢嶋三義
48
○
矢嶋三義
君 これは地方財政を圧迫し、更に
産業教育
法の立法精神による職業
教育
の振興という
立場
からは重大な問題であるということははつきりしておると思うのでございます。船の分については起債が大体了承できたかに承わ
つて
おりまするが、残る起債については、先般の寺中前
課長
の説明によりますというと、非常に至難なように承わ
つて
おります。
従つて
大臣並びに與党所属の次官におかれましては、特にこの点については強く
政府
部内において善処されるように
要望
いたす次第でございます。 次にお伺いいたしたい点は、
中学校
の職業
教育
の
補助
費として組まれたものは僅か二千七十万円にな
つて
おるわけでございますが、つきましては、私大臣にお伺いいたしたい点は、政令諮問
委員会
の答申が、これはやがて発足する地方
教育
審議会において
検討
されるのだと思いますが、これは根本的な問題に触れますけれ
ども
、
中学校
を職業
コース
と普通
コース
に分けてはどうかというような方針が
検討
されておるわけでございます。これを従来のまま行くか、
中学校
をこういう
コース
に再編成するかということは、私は新学制の基本的な問題にな
つて
来ると思うのでございますが、それらとも
中学校
に僅か二千万円
程度
しか
補助
をしなかつたというのとは何らかの関連性があるのかどうか、その点大臣に承わりたいと思います。
天野貞祐
49
○国務大臣(天野貞祐君) これはですね、今度の六三制というものが一体発足したときに、
中学校
の中にはいろいろなバラエテイを持たして、地方によ
つて
或る所は商業に重きを置く、或る所は農業に重きを置くというようないろいろな
中学校
があ
つて
よいのだ、けれ
ども
、併しどの中学も皆
高等学校
に行くように上が開かれておらなければならない、これが六三制をきめた
教育
刷新
委員会
の基本的な考えでございます。これを変えてはいけない。だからして、ここでたとえそういう種類に違いができてもそれは当然よいことなんですが、どこまでも上に行くことを塞いではいけない、袋小路に入れてはいけない、政令諮問
委員会
の御趣旨も決して袋小路に入れてしまうという御趣旨ではないのですから、職業
教育
、或いは
産業教育
を重んじても、従来の六三制の精神はどこまでも堅持されることと私は考えております。そのことと、今の
予算
とのことは別に何も
関係
のないことでございます。
矢嶋三義
50
○
矢嶋三義
君 その
コース
に分ける問題については他日に議論を譲りまして、次にお伺いいたしたい点は、義務制にな
つて
おるところの
特殊教育
の盲聾の職業
教育
でございますが、これについて是非お伺いいたしたいのです。と申しますのは、まあ盲聾学校における職業
教育
というのは、職業の基礎的陶冶をするというような或いは
中学校
、
高等学校
の職業
教育
とは私は随分違うと思う。これは職業人を
養成
して、それによ
つて
自活ができるようにして上げなくちやならないと思う。そういう
立場
からあの気の毒な盲聾学校に学んでおる生徒諸君の職業
教育
の
施設
を見ますというと、極めて貧困でございます。義務
教育
の完成も
昭和
三十一年にな
つて
おるのでございますが、寄宿舎その他の
施設
も不十分だというので、今度の
予算
にも
建物
に対する
予算
が一億四千六百万円組まれておりますが、職業
教育
の
設備
というものが非常に不完全なんでございますが、これに対するところの
補助
というものは、これは義務
教育
でございますが、どういうふうにお考えにな
つて
いらつしやるのか、
産業教育
法に基くところの
補助
六億六千六百万円の中に、内訳を見ますというとないように私は拝見するのでございますが、これは関連がないのかどうか、その点伺いたいと思うのであります。是非ともこれは職業
教育
の振興の一環と特殊児童に対する
教育
という
立場
から十分考慮しなければならない問題だと考えております。
内藤譽三郎
51
○
説明員
(
内藤譽三郎
君) 只今の職業
教育
の盲聾唖に対する
補助
でございますけれ
ども
、殆んど今度の
予算
は新制
高等学校
が
中心
でございましたので、組まれておりませんのは甚だ遺憾でございます。ただ御
承知
の
通り
、盲聾学校の義務制がまだスタートして四年の
程度
でございますので、将来
中学校
までが義務制になるので、職業
高等学校
の
設備
が盲聾唖の場合には
充実
して行きませんのも事実でございます。その点で義務
教育
のほうに重点が注がれておりますので、お話のような欠陷がございますので、今後この点については義務
教育
の完成と並んで
充実
することにいたしたいと思います。お話のように、できるだけ今現在や
つて
おりますのは、主としてはり、きゆう、あん摩の認定というようなことが主でありますが、それ以外にも一般的に職業
教育
をできるだけ広くいたしまして、自活できるようにという御趣旨の線に
沿つて
研究
を進めております。
矢嶋三義
52
○
矢嶋三義
君 義務
教育
と並んでと言われますが、これははつきり盲聾唖は義務
教育
に入
つて
おりますので、而も特殊兒童を
対象
とする
特殊教育
という
立場
から、そこに更にアルフアーが付いておるわけです。今後更に一層の努力をお願いいたします。今日承わ
つて
おりますと、
研究
と努力の二語に盡きるようでございますが、私は大臣初め
政府
当局
者が如何に
研究
し、如何に努力するかということを十分私は今後も監視して行くつもりでございますので、今日の御答弁は私は善意に解釈をいたします。是非とも十分御善処願いたいと強く
要望
する次第でございますが、最後に簡單にお伺いいたしたい点は、先ほど私
視察
の中で申上げましたが、
商船高等学校
の
設備
であります。これは
広島商船高等学校
を
視察
したのでございますが、
報告
の中にも申上げましたが、校長を
中心
に生徒諸君が一生懸命やつでいる点は本当に敬服いたしました。非常に
時代
遅れの
設備
を最大限に利用して
教育
に専念しておる姿は、本当に
我が国
の
教育
はやはりここにあると私は非常に心強く
感じ
た次第でありますが、その
施設
は、その
設備
は承われば承わるほど非常に日進月歩の
時代
に非常に立ち遅れていると思うのでございます。
従つて
三千万円という近代
施設
をしたいという
要望
をしたところが、
文部省
のほうではこれを千万円と査定し、大蔵に持
つて
行つたところが百万円に査定された、これではどうもならないという本当に御尤もな
陳情
を受け、なおつぶさに
視察
したわけでございますが、ああいう学校のああいう
設備
資金というものは、こういう職業
教育
の一環としての
予算
の中には入らないものかどうか、このたび入
つて
いないように拝見するのでございますが、将来こういう中で
予算
確保するのか、それとも別途これは考えられるのか、その点承わ
つて
質問を打切りたいと思います。
寺中作雄
53
○
政府委員
(寺中作雄君)
産業教育
振興に伴う経費の六億六千万円の中には
商船高等学校
の分は入
つて
おりません。
国立
学校の
関係
は
教員養成
に必要な
設備
費だけが入
つて
おります。併し
商船高等学校
の
設備
が非常に惡いということも存じておりますので、これは
国立
学校
予算
の
設備
費の中でできるだけその方面に配当の場合に考慮するということを強く考えている次第でございます。
梅原眞隆
54
○
委員長
(
梅原眞隆
君) それでは、公報では
予算
関係
についても質疑をする予定をしておきましたが、時間も過ぎましたから、本日はこれで散会いたしたいと思います。 なお次回の
委員会
につきましては、
理事
のかたと御相談しまして公報を以て御通知申上げます。 午後零時二十五分散会