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1952-06-06 第13回国会 参議院 農林委員会 第47号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年六月六日(金曜日)    午後一時五十九分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     羽生 三七君    理事            西山 龜七君            加賀  操君            山崎  恒君            岡村文四郎君    委員           池田宇右衞門君            北村 一男君            瀧井治三郎君            白波瀬米吉君            宮本 邦彦君            飯島連次郎君            片柳 眞吉君            島村 軍次君            三浦 辰雄君            小林 孝平君            三橋八次郎君            小林 亦治君            松永 義雄君            駒井 藤平君   国務大臣    農 林 大 臣 廣川 弘禪君   政府委員    農林省農政局長 小倉 武一君   事務局側    常任委員会專門    員       安楽城敏男君    常任委員会專門    員       中田 吉雄君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○農業災害補償の一部を改正する法律  案(内閣提出衆議院送付) ○農業災害補償法臨時特例法案内閣  提出衆議院送付) ○農業共済基金法案内閣提出、衆議  院送付)   —————————————
  2. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それではこれより委員会を開会いたします。  本日は農業災害補償法の一部を改正する法律案農業災害補償臨時特例法案、並びに農業共済保険法案、三案を議題といたします。  前日に引続いてなお質問のおありのかたは、この際御発言願います。
  3. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 御質問をしてみたいと思つておるが、昨日いろいろほかの委員から御質問をされて御答弁になつておりますが、この現在できている二十八億という不足金は、実際に農業災害保険によつてできたものだとこう断定することが非常に困難だと私は聞いた。そこでこの全額補助金不足によつて不足金として生れて来ておるのか、又いろいろなものがそれに入つて来て不足となつておるのか。それを先ずお聞きしたい。
  4. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) 二十八億の不足金は、これはお尋ね趣旨はわからないこともないのですが、組合事業経営が非常にうまくないということの結果、出て来たものかどうかという御疑念だと思いますが、それはいわば純粋の理論上と申しますかの不足金にお考えになつていい筋だと思います。
  5. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 そうなりますと、それはあとは別として五カ年間の経験時代でしつかり標準が掴めない時代にやつておるものでありますから、これはどうしても政府が一応これを始末をする責任があるということになると思うのですが、その点どうですか。
  6. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) 補償制度が実施されましてから相当になりますので、この辺でこの不足金処理を当然考えるべきではないかという御趣旨の御尤もな点があると思います。併し農業災害のこのバランスと申しますのは五年、十年ということでなかなかバランスがとれないということを一方考えてみますというと、今ここで必ずしも不足金処理をする必要がないではないかというふうに私ども考えておるのであります。政府がそれをまあ時期はいずれにいたしましても、そういう不足金処理いたします場合に、政府がそれを処理すべきだということでございますが、その点はこれは政府自由とい意味合いでございますが、勿論これは政府責任を以て処理すべきことでございますが、全部それをいわば国庫負担で以て処理すべきかどうかということについては、これはなお私ども結論を得ておりません。従いましていつのときにか不足金を全面的に処理いたします場合に、全額それは国庫が持つのだということは、必ずしも今ここでお約束するわけには勿論参りませんし、できないのでございますが、そういう私どもは少くとも考えかた考慮に入れまして、不足金があれば原因もいろいろ研究いたしまして、できるならば御趣旨のようなふうに持つて行きたいと、かように考えております。
  7. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 御答弁趣旨はわかりますが、私は今度いよいよ前と違つた自信を持ち、時期によつて不足ができる段階に来ておりますから、二十八億全額がそうであるかないか、ちよつと統計のほうにも疑義があるようですが、それをなるべく早く取捨選択し、調査を行なつて、そうして今までのものは当然政府が一刻も早く始末をして、当然災害補償法に基く災害であつたというものは処理するんでないと、これを長く続ければ続けるほど、いろいろなもの出て来はしないか。そこで問題は今度保険金が入つて参りますと、それをとりますから、そうするとそれはなんぼになるかしらんがなくなりましよう。とつただけはまた齷齪すると、同じようなことが出て来てということになると、まあ今年はそうでないと思うのです。ですからこの際、今拂つたのは金があつて拂つたのか、あつて拂つたのでなくて、今拂うべきでないものを支拂うんですから、今度の支拂時分なつたらないのです。ですからそれを区切りをつけておくことが何よりも責任であつて、そうなくてはならんと思うのですが、それは御答弁願わなくてもいいのですが、是非そういうふうにこういう支出をするように進めてもらいますことが共済保険の非常に経営者も楽になるでしようし、しつかりして綺麗になると思いますから、その方面に全力を注いで始末をしてもらうことをお願い申上げたい。
  8. 松永義雄

    松永義雄君 私ども漏れ聞くところによりますると、昨年十一月に共済連合に対して国警より捜査の指令が出ているということなのですが、そういうことはあつたのでしようか。
  9. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) そういう情報は私どもも聞いております。併し正確にそういう指令が出ておるかどうか、まあ私どもよく知りませんですが、そういうこともございますし、私ども連合会の経常ということについては十分監視をするつもりでおります。只今お尋ねの点については真偽のほどは私どもわかりかれるのでありますが、そういう話を聞いたことがございます。
  10. 松永義雄

    松永義雄君 従つてそれからこの議論を延ばして行きますと非常に時間がかかりますし、私としましても法案進行如何にかかわらず貸借対照表を請求して、そうして頂いたわけであります。埼玉県にはそういうことはないというお話でございますが、そういうこともあるのですから、いろいろ農民のほうへ迷惑をかけては気の毒です。帰するところは農民の迷惑のかからないようによろしくお願いをいたしたい、こういうのが希望であります。
  11. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 実は私は非常に強い信念を持つておりますために、随分強く主張したつもりでございますが、各委員が非常に御心配になつて何らか私の主張も聴取されまして、これを円満にやつて行きたいという協力、努力をされておることはよくわかりました。私は非常に感謝しております。  そこで政府当局のお考えは我々委員のほうで考えておりますように、例えば第一回配付預金を年度内で支拂つて、そのあとをどうなるかはこれはなかなか問題でございますが、申入書に書いてはございましたが、その運用については実際にやる、今度できます法人に対して農林省のほうで十分その意思を生かしてもらうような誠意がないと、ただここに申入れをしてもこれは違う法人ができますから、大臣そのものがやるのではないので、その経営を任すわけには参りません。それで常にそういう御指導をしてもらわんと、折角のお折は効をなさんと思いますが、政府はそれをどう考えておるかお伺いいたしたいと思います。
  12. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) 只今基金連合会乃至農家側増資のことについてのお話でございますが、今後増資といつた場合が起ります場合に、その増資分についてはこれは政府が全面的に出資するという御趣旨であるように存じますが、そういう御趣旨でありますことは誠に我々も同感でございますし、そういうことが若しおきまりになりますれば、誠意を以てそういうことに努力したいと思つております。
  13. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 法律には五年と農業者側趣旨はきまつておりましたが、今度の修正案趣旨は無期限でございます。そうしますと事業を執行いたします場合におきましては、非常にお困りになると思いますが、それは政府資金が入つて来て、そうしてそういうときに資金に事欠かぬようになればそれでいいわけで、いいことになると思います。で、法律を立てる側から言うと非常に困るきめかたで、無期限ですから、何年かかるかわからんという恰好になりますから、ただ拂込金は一億円を超えない範囲ということでありますから、まあこれだけに五年かかる、二十年かかる、こういうことも考えられる。それでそういうことで本当に他の預金部資金なり何なりを繰入れて遺憾のないように、今までのような不足金が生じても決して保険金支拂に迷惑のかからんようにやつてもらえる意思はあると思うのですが、おありかどうか、これをお聞きしたいと思う。
  14. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 速記を止めて。    〔速記中止
  15. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 速記を始めて。  質疑も大体終つたようでありますので、これより農業災害補償法の一部を改正する法律案その他両案の討論に入りたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それでは最初に先ず農業災害補償法の一部を改正する法律案について討論を行います。御意見のおありのかたは、それぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。
  17. 島村軍次

    島村軍次君 私はこの一部を改正する法律案については、左の希望を附して原案賛成するものであります。  災害補償法については相当強いいろいろな角度からの論議もあることは御承知通りでありまして、要は農家負担を軽減することがその主体でなければならんのであります。将来この制度処理にあたりましては相当の抜本的な幕本対策が講ぜられるべきものと思うのであります。さような考えかたから、更に本制度につきましては根本的にこれを検討を加えるということを第一に希望いたし、第二には、かねて論議の中心になつておりました任意調査につきまして農協との調整に関して政府はこの際速かに調整方法を講じ、而うして末端の農家の混乱を防止することに全幅の努力をしてもらいたいと、かような考えを持つておるのでありまして、二つ希望を附して本案賛成するものであります。
  18. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 他に御発言もなければ討論は終局したものと認めて、本案採決を行いたいと思います。  農業災害補償法の一部を改正する法律案衆議院送付案通り賛成かたの御起立を願います。    〔賛成者起立
  19. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 多数でございます。従つて本案は多数を以て議決せられました。    ——————————
  20. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 次に農業災害補償法臨時特例法案討論を行います。本案につきまして、御意見のおありのかたは、それぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。  格別御発言もないようでありますから、これより採決を行います。本案衆議院送付案道賛成かたの御起立を願います。    〔賛成者起立
  21. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 全会一致でございます。従つて本案全会一致を以て可決せられました。    ——————————
  22. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 次に農業共済基金法案討論に入りたいと思います。この際御意見のおありのかた並びに修正意見等がございましたら、討論中にお述べを願いたいと思います。
  23. 島村軍次

    島村軍次君 私は本法案につきまして討論に入る前に、この基金法運用に関して次の申入れをいたしたいと思うのであります。  第一は「今後農業共済基金資本金増加に努め、しかして増資政府出資増加を以てこれに充て、会員出資増加はこれを避けること。  なお、資本金増額に至る過程における連合会事業不足金に対しては政府において遺憾なく融資の措置を講ずること」  第二に「会員出資金拂込並びに農業共済組合及び組合員きよ出金の徴収については農家経済及び災害状況等を勘案して押込又はきよ出の時期及び金額を斟酌し、農家経済に困難を強いる結果を招来しないよう適当なる措置を講ずること。」  以上の申入れをいたし、この申入れを速かに政府において実現するように取計らつてもらいたいという強い希望を持つのでありますが、討論に入る前にこの問題に対する大臣の御所見を承つておきたいと思います。
  24. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 只今島村委員からの御発言は、農業共済基金法案討論採決に入る前に、当農林委員会名前を以て農林大臣只今島村委員から御発言なつ趣旨に基き申入れをして、大臣から回答を得たいとのお発言でありますが、当農林委員会名前を以て今の島村委員の御発言趣旨に副つて農林大臣申入れをすることを御決定になつていいですか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  25. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それでは農林委員会の総意を以て、只今申入れが行われたものと御了解いたしまして、農林大臣からこの際御回答を受けたいと思います。
  26. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) 本委員会の名によつて申入れをされました農業共済基金に関する資本の問題、それから第二の災害状況等を勘案して直ちに醵出の時期、金額等を斟酌して、農家経済的困難を来たさないようにしろということでございました。それは昨日の答弁におきまして政府の気持を率直に申述べておいた通りでありまして、今後増資する場合、これは必ず政府の増益をまつようにし、会員出資の低減を図るようにしたい。なお資本金増額に至るまでの過程における連合会基金運営については、別途考慮をいたしたいと、こう考えておるわけです。  又第二の農家経済に対して困難を来たさないようにしろというこの申入れでございますが、これも御趣旨通り運用において十分我々は努力をいたしまして、本委員会の期待に副うように努力をいたす考えであります。
  27. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それでは大臣の御回答もありましたので、これより御意見のおありのかたは討論に入つて頂きます。
  28. 島村軍次

    島村軍次君 只今上程になりました農業共済基金法案に対しまして、修正発議者を代表して修正の動議を提出いたします。先ず修正案を朗読いたします。    農業共済基金法案に対する修正案   農業共済基金法の一部を次のように修正する。   第十五條第三項中「五年以内に出資拂込」を、「、出資拂込」に改め、同條第四項を次のように改める。   前項の規定による拂込は、分割の方法によつてするものとし、第一回の拂込は、拂込金総額が一億円をこえない範囲内においてするものとする。 以上であります。  簡單に修正理由を説明いたします。農業災害補償制度に関する既往の経験に鑑みまして、今後本制度の健全なる運営を図りますためには、農業共済組合連合会保険金支拂に必要な資金の供給を円滑にすることが第一條件であると思うのであります。  而うしてこの資金農業災害補償制度の性格に照らしまして、その必要な全額を国において融通すべきものと考えられるのであります。併しながら今回別途農業災害補償法に基く出納の掛金率の改訂を理由に現在安全割増として農家負担に帰していた掛金を廃止するに至りた事情をも考え、且つ又農業共済組合連合会はその基金受託者であるという点から見ましても、本基金法案が規定するように連合会出資金の一部分を負担することは忍びがたきを忍ぶことでありまして、又この際止むを得ないことと考えられるのであります。併しながら出資金拂込につきましてはその金額及び時期等に関しまして、農家経済に即応して極力弾力性を持たして、いやしくも農家経済に困難を強いるような結果を招来することを嚴に避けなければならないと考えるのであります。従いまして拂込期限や第一回の佛込総額最低額法律で規定することを取止めて、定款に委ねて基金自身が自主的な判断の下に適正な措置を講ずるようにすることが適当と認めまして、ここに本修正案提出する次第であります。
  29. 小林亦治

    小林亦治君 念のために伺つておくのですが、本日中という申入なんですが、これは大臣申入れて御快諾を得たので、その限りにおいては安心なんですけれども、この括弧一と二はいずれもこれは立法事項なんです。行政府大臣申入れするということはこれはあべこべな話でちよつと変に感ずるのでありますが、括弧一の第二項なんです。資本金増額に到る過程における連合会不足金云々、これのみはこれは大臣に大いに御努力を願い、御心配を煩わさなければならんと思うのでありますが、やはりこれも財政事項であるだけにこれ又農林大臣お一人ではこれは困難だろうと思うのであります。どうかその辺を財政当局とも十分力のある御折衝を願つて大蔵省が言うことを聞かなかつたからしようがないというようなことがないように一つ御努力を願いたい。島村委員からも申された通り是非誠意を持つてこの運用に当つて頂きたい、将来まあこの申入れがかような立法を求めて来ないようにという駄目を押したのが、この申入れ括弧一であり二でありますから、どうかこういうお膳立を将来なさらないように、この趣旨が通るように御善処を願いたいと思います。以上の條件を附しまして本案賛成します。
  30. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 只今上程されております農業共済基金法案に対しましては終始一貫反対の態度をとつて参りました。そこで各委員かたがたが非常に御心配になつて、何とかこれを円滑にしようという御努力を願いましたことはよくわかつております。そこで私は信念は絶対曲げておりませんので、これに対する懸念、痛心も持つておりますが、岡村議員として同僚のお骨折に対して賛成をするものであります。そこで問題は二十二年に農業災害補償法を制定いたしまする時分に、口角泡を飛ばして議論をしたものでございます。それは保険法がございましたが、国の責任は何にもないというので、丁度食糧が非常に大事な時期になりましたから、国がそれを取上げて補償をする意味において制定されたのが災害補償法なのであります。そこで第一條に謳つておりますることを政府自体が真直ぐに実行してくれるなれば、何にもこの際基金法案なるものは出て来る必要はないのであります。私に言わしめますると、農林省自体の甚だ無気力、怠慢を農家に転嫁をしている、こう言わざるを得ないと思つております。そこでできて来たものは止むを得ませんし、多数の委員かたがたは御賛成のようでありますが、私は信念から農業者の不為になりますようなことは絶対に賛成をしないという原則を持つております。併しながらそういう原則を持つておりまして竜、同僚各位の非常な御努力で何とかこの案をスムースに上げるようにということはよくわかつておりますから、前申しましたように賛成をいたしまするが、是非とも政府のほうでは農業災害補償法が何のために一体できているのか、ただ生えただけではいかんので、これを心配すると、今度の農業共済基金法も同じような御心配があるわけであります。そこでいろいろ議論をいたしましてやつておりましても、私はこれは無駄だな、こういう感じを持つております、と言いますことは、御承知のように第一條さえ読めばそれですつかりわかります。これでもう何も文句はないので、これさえ真直ぐに実行するならば叱言はございませんが、但し五年間という年間のうちは、やつたことのない仕事をやつておりますから基礎は掴めない、その後になつて改正をしてしつかりしたものにするということは法のもう制定した当時からそうでございます。そこでその間のことは止むを得ませんが、それにいたしましても、不足金処理その他のことについては非常に遺憾に存じておりますが、今後は絶対そういうことのないように十分な御注意と御検討を願わんと、文相も変らぬことを繰返すようなことになつてはならんと思いまするが、私に言わしめますと、第一條を真直ぐに実行すれば、農業共済基金法は決してこう農家にまで負担をさしてまで集める努力をしなくても済む、こういうことを実は考えておりまするから、是非政府のほうでは政府考えていることを農家負担まで謳わなければ大蔵省の認めることのできないようなことにしないで、当然あるべきだということによつてこの法律を押して行けば何にも不足はないと思います。そこで問題は、我々百姓徳川時代から生かさんように殺さんようにということをやつて来たのでございますが、明治三十三年に、明治陛下が非常に御心配になりましてそれから農業は取上げられ、だんだん経済的の援助を受けて立つて来たのでございます。ところが戰争が始まつて、そうしてその後そういうことはなくなり、占領国になつてから、外国の占領国でございますから、今までの経済援助は殆んど農業土地改良事業の或る一部より認められないで来たものでございますが、独立国になりますと、これから前のように何とか又農業というものは見てもらわなければ、政府援助、即ち国が見なければ成立たない事業であると考えております矢先に、こういう農業基金法案という、まるでさかさまな、金銭の大小にはかかわらず、百姓から出資をさしてそうして政府が、それを出さなければやつて行けないというような政府のお考えでは、又同じように徳川時代あと戻りをする傾向があると言わざるを得ないのであります。そこで問題は是非共今後そういうことのないように、ますます戦争前の明治三十三年から戦争前までに、農業者援助し引立つて行かなければならない事業であるということを認識になつて、強く進んでもらいますことを御希望申上げまして賛成いたします。
  31. 池田宇右衞門

    池田宇右衞門君 本案につきましては、私は島村さんの修正並びにその他は原案賛成いたすものであります。農村国民生活の基本なる食糧生産の大任を全うする役目を担いながら、これが育成拡充には余り今まで手が打たれておらざりしは遺憾であると地方民の一部に庫が起りつつあることは御認識通りであります。最近に至りまして政府は種々なる政策を取入れ、農村安定化努力されつつありますことは誠に結構な適切なことであろうと思います。併しながら日暮れて道遠しの感なきにしもあらず、災害復旧方面を見まするならば、復旧耕地道具等に未だ千五百億程度補助費を支出しなければなりません。数年後の今日に至りましてもなお残存する現今をみまするときに、我々は一層これを痛感するものであります。農民災害遭つて収益をなくし、農産物、養蚕、鶏並びに畜産等に対しては、当然これが補償金を速かに支拂い、再起に役立てると同時にその災害を少なくするのが今日に処する適切なる措置であると思うのであります。共済基金政府において少なくとも三分の二ぐらいは支出して、民間出資は三分の一程度にとどめるのが、適切であると考えておりましたが、併し本案提出した以上は今後の民間拂込については修正趣旨を十分に体して、期間において農家に無理を強要するようなことなきように十分に監督をなすと同時に、基金増額等政府において農民災害に対し、復旧再建できるように速かにいたすよう強く要望いたしまして本案賛成する次第であります。
  32. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 私は農業共済基金法案只今修正を加えて原案賛成をするものでありますが、この際一言念を押しておきたいと思うのであります。それは去る五月二十日の農林委員会において、私は建物共済をめぐつて見られる同じ農民陣営の、而も同じ農家組合員とする農業協同組合農業共済組合との両者の確執は、只今農村の痛ましい不幸として農村を憂うる者の齊しく憂慮しておるところでありますので、かような事態の拾収に対して政府善処かたを要望して、その結果をできれば本三法案の審議中に当委員会に報告を求めておいたのでありますが、この点は御承知のことと考えるのであります。併し去る六月四日の農林委員会で、廣川農林大臣から、農林省の役人は誠実に事に当つているが、外部から二つの大きな力が加わつて来ているので、この去就に実は困つている、その調整は私が行うこととしたいと、こういう極めて含みのある発言がありましたので、私は実はそれ以上の追求を差控えて今日に及んだのであります。併し窺い知るところによりますると、未だ我々の憂うる問題については解決の曙光が認められておらないようでありますので、この際廣川農林大臣並びに農林御当局は速かに事態の拾収善処せられて、でき得べくんばその結果をなるべく速かなる機会に当委員会に報告せられるように重ねて要望を申上げておきます。
  33. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 他に御発言もないようでありますから、これより採決を行いたいと思います。  先ず討論中にありました島村委員の発議にかかわる修正案を議題に供します。島村提出修正案賛成かたの御起立を願います。    〔賛成者起立
  34. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 総員起立でございます。従つて島村提出修正案は議決ぜられました。  次に只今決定しました島村君の修正にかかわる部分を除いた衆議院送付案全部を問題に供します。修正部分を除いた原案賛成かたの御起立を願います。    〔賛成者起立
  35. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 全会一致でございます。従つて本案全会一致を以つて修正議決されました。  なお先ほどの両案を含めまして、本会議における委員長の報告の内容等は従来の慣例によることをお許し願いたいと思います。なお多数意見者の御署名を願います。   多数意見者署名    〔農業災害補償法の一部を改正する法律案〕     西山 龜七  加賀  操     山崎  恒  岡村文四郎    池田宇右衞門  瀧井治三郎     北村 一男  白波瀬米吉     宮本 邦彦  飯島連次郎     片柳 眞吉  島村 軍次     三浦 辰雄  駒井 藤平    〔農業災害補償法臨時特例法案外一件〕     西山 龜七  加賀  操     山崎  恒  岡村文四郎    池田宇右衞門  瀧井治三郎     北村 一男  白波瀬米吉     宮本 邦彦  飯島連次郎     片柳 眞吉  島村 軍次     三浦 辰雄  小林 孝平     三橋八次郎  小林 亦治     松永 義雄  駒井 藤平
  36. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 本日はこれにて散会いたします。    午後二時四十九分散会