○松永義雄君 その辺で大抵結論は出ておるて思いますが、今日の農民を自由に野放すということは、農民の生活を奪うものであるということの一端がこの
法律によ
つて証明されておるということを我々は肯定しなければならん。そこで
検査の
手数料の二十円を五円に減らせという
議論が出て、重ね重ねこの
手数料について問題に
なつた、農民のところへ行くというと、なぜ
手数料をこんなに拂わなければならんかと、こう言
つて農民は我々に対してこぼすのであります。これは一体
農家経済が現在どういうふうであるかという
一つの結論を出す証左となるのでありますが、あなたは農民は弱者であるとすでに肯定されておる。農民は経済的な弱者なんです。そういうものに対して、一体
手数料ということは国家的な
目的を持
つておるんですから、だから
手数料なんかとらないで、どんどん親切に
検査してや
つたらどんなものか、こういうことにな
つて来る。大蔵大臣と御相談しなければできないとかおつしやる、大蔵大臣と強力にこれは相談すべきであるというように結論がな
つて行くのではないかというふうに
考えるので、もう前々から幾多の同僚
委員から質問されておると同じ結論なんですが、私はこれはただでどんどん
検査をして行く。これは国家的な
目的を持
つているんですが、国家的の
目的を持
つているんだから、ただ單に
農家という層に対する利益ばかりでなく、国家的な
目的を持
つているんだから、だからその点からして我々大勢から税金をと
つて、そうして
検査してや
つたらどんなものか、こういうような結論に達する。それから先ほど池田
委員から御質問があ
つたが一第十四條の庭先
検査の問題でありますが、この第十四條には「
食糧事務所長が定めて公示した場所のうち、その指定する場所において行う。」、こういう規定がある。ものによ
つてはすでに庭先で
検査してお
つた例もあるが、これ又
予算関係或いは人的
関係で、先ほど来詳細に御説明があ
つたから
長官のお言葉を信じて、今日はその点は止むを得ないとして私は引下りますけれども、併しながらこれを国家的に見て、そうして農民の弱い
立場を
考えるときに進んでそこまで世話をしてやるべきが当然ではないか、
品質をよくするためには自由主義によ
つて飽くまで協力させなければならん、こう言
つておるその言葉の裏から、
検査をして
政府の権力を加えて行けば、そうすればよくなるんだという又矛盾した言葉が出て来るということは、それは農民の実情というものはそういうものであるということを断定し得るのである。それは
政府は進んでもう少し親切丁寧に農民を守
つて行かなければ、農民というものはなかなか立
つて行けない、それが現在農民の現状ではないかと思うのであります。昨日も話したんですが、すでに野菜の
統制が外されて、そうして、我々消費者は今日朝から晩までキヤベツを食べさせられているのですが、そのキヤベツ一個は、農民が売るときには僅か一円五十銭である、そうして或る警察署長の話ですが、その署長の奥さんが買
つて来るときにはそれが三円である。一体キヤベツは一反歩でどれくらいできるか、二千個くらいだろうという、詳しく計算して聞いて見なか
つたのですけれども、大体の当て推量で以て、これは
農家が困るんだなあ、こういうふうに我々は
考えたのであります。野放しにするということは、如何にこの農民に対して非常な窮境に陥れているかということがもうすでに如実に現われている。こうした一体窮状に対して
政府自体も、この改正
法律案は議員提出にはな
つておりますけれども、
政府が併しそこまで世話をしてやらなければ農民は立たない。而も現実にそういう状態がもうすでに東京近郊の
農家に起きている。だから
仕事を頼むのだから、その
手数料として
検査料ぐらいは拂
つたらいいじやないかということも一面の理論として成立つでしようけれども、あなた自身がすでに言われておるように
農家は弱者だと、こういうような言葉、その一言によ
つて私は
手数料なんかは全廃しなければならん状態でないかというふうに
考える。恐らく同僚
委員も同じ
考えでおつしやられたと思います。繰返してこういうことを重ねて御質問いたすのもどうかと思うのですが、ただ私がそういうふうに
考えているということをお伝えするために質問の形で申上げたのであります。