○片柳
眞吉君 私は先ほど来の答弁を聞いておりまして、又私もこの前
質問いたしまして、やはりわからない点は二重
価格制の問題で、どうも
政府の答弁を聞きましても果して
はつきりやるのかどうか極めて不明瞭である。この点は最も
法案を審議する際の極めてキー・ポイントでありますので、更にこの問題で
質問はいたしたいと思
つておりますが、ただ我々今審議をしておりますのは
衆議院の修正案を審議をいたしておるわけであります。従
つてこの解釈は勿論これは勝手であ
つてはならんのであ
つて解釈は自由では困るのであ
つて、これを運用するのは国会で決定した線に沿
つて行政官庁が運用するわけでありますから、解釈が自由である、解釈は勝手であるということではこれは困るのであります。我々の解釈を一定してその線で
政府が運用してもらわなければならん、こう思うのでありますが、そこで
委員長に要求しておきたいと思いますのは、今審議をしておりますのは
衆議院の修正案を審議しておるわけでありまするから、従
つて衆議院でこの修正案を出されました責任者にここへ来て頂いて、それで一体再
生産を旨として云々ということはどういう趣旨なんだか、特に食管法の第三条の米の
価格とは少くとも文章が相当違
つておりますから違つた点はどういう違いがあるのかという点を明確にしておきたい。それから結果においてこういう修正案をした結果、附帯決議にあるようなこれは解釈上当然にこれは二重
価格制というものは起り得る、起ると断言するわけではないのでありますが起り得るという点を明確にして頂きたいのであります。我々はこの審議に更に入りたいと思うのでありますが、なるべく
〔
委員長退席、理事山崎恒君
委員長席に着く〕
早い機会に
衆議院のほうで修正案を提出されたかたの責任ある答弁を
一つ求めたいと思います。然るべくこれは御処置を頂きたいと思うのであります。
それからその次に
政府の当局に
質問したい点でありますが、これはこの
法案の根本論でありまして私もすでに一応の
質問はいたした点でありますが、更に今少し突込んで
質問してみたいと思うのでありますが、今度の
改正案を出されました新らしい管理方式を設定するという理由は、一言で言いますれば
食糧事情が安定して来ておる、こういうことが基本的な
説明だと思いますが、更にこれを分けて
考えますれば、第一にはCPS等の調査に関して、麦の実効
価格は公
価格と殆んど違わない、開きがないということを東畑長官も答弁をされておりますし、それからもう
一つの理由としては
配給辞退が相当多いのだ、こういうことが第二の理由としても挙げておるようでありますし、又
輸入関係も大体
心配がないと、こういうことを総合して要するに
食糧需給は安定をしたということが基本的な
政府の
説明だと私は了解をいたすわけでありますが、そこでこの問題は他の
委員のかたからも触れた問題でありまするが、大体その
配給辞退があるとか、或いは実効
価格が
配給価格と殆んど変りがないと、こういうようなことを
政府は理由にしておりまするが、大体私
どもの見るところではまあ一昨年も相当よくありましたが特に去年の麦が近来にない大豊作であつた。而も
政府の麦の
供出割当は非常に実はあまかつたことはこれは
政府も認めておるところであります。従
つて去年の麦は相当多量の麦が横流しをしておることはもう公然たる事実であると思うのであります。過般私は予算
委員会で国警当局に食管法の違反の検挙件数の調べを出してもらつたわけでありまするが、例えば二十五年は米の検挙件数が三十五万千二百一件と、麦の違反検挙件数が三万八千七百六十七件、ところが二十六年になりますると、米は大体同じ
程度の取締をしておりまして検挙件数が二十六万五千八百十七件でありまするが、麦のほうは僅かに五千四百三十一件で、国警当局自身の御
説明でも確かに麦の点は米に対しても大分それは取締の手心は加えておるということを言
つておるのであります。従
つて現在実効
価格が
配給価格に近ずいておる、言葉を換えて言えば麦の
統制は殆んど崩壊にひとしいという実態であるということは私は言いたくはないのでありますけれ
ども、これはむしろ去年の麦が非常に豊作であつたということと、
政府それ自身が殆ど取締をあえてしておらないというところから起きた現象であ
つて、
政府が自分で取締をしないでそれで麦の
統制は崩壊しておる、実効
価格は殆んど公に近いという
説明をされることは私は理解がちよつとしがたいのであります。而も去年のような豊作が毎年続くというわけには行かんのでありまして、現に今年の麦の
面積は七万町歩近いものが大量に減反をしておるのであります。従
つて昨年を中心とした豊作或いは取締を殆んどしておらん。こういう客観
情勢を以て今後を律して全体の主要
食糧、特に麦の需給は安定しておるのだということは私はやはり最近の特にいい年をとらえての事実で将来を推すことであ
つて、その辺に私はやはり更に慎重に検討をいたすべき点があるのではないだろうかという点が第一点でありまして、これに対する
政府の
見解を重ねてお伺いいたしたいと思います。
その次に
配給辞退の問題でありまするが、まあ現在の二合七勺でむしろ足りないというのが従来の
国民の声でもありましたのでありまするが、でありまするから
配給する主要
食糧を
辞退しても
辞退した
数量を食べないというわけではないのであ
つて、それは結局闇の米なりもつと良質な麦製品を買
つて食べておるということだと私は理解しなければならんと思いまするが、
政府はどう見ておりまするか、
配給辞退の多いということはこれ又さつき言つたような
食糧管理が殆んど取締がされておらないというところから闇で或る
程度手に入
つてその結果が
配給辞退である。それに加えて
政府の麦製品の品質も悪いというようなことも
一つ。それから麦の
配給価格が米に対して割高であるということも原因かと思いまするが、そこでこれはこの前も我孫子君にも言
つたのですが、これは本当に米の
配給辞退が十万トンとか二十万トンとかであれば、貴重な外貨を使
つて輸入食糧を入れておるわけでありまするから、本当に要らんものであれば、これはむしろ貴重な外貨を浪費をすることになりまするから、本当に要らんものであれば
輸入計画から切つたらどうかということを私は申上げておるわけでありまするが、そこまでの決意はないので、
〔理事山崎恒君退席、
委員長着席〕
或いはこの辺が……昨日私が言つた
輸入計画というものはかような新管理方式になれば絶対不足量を入れることは勿論でありまするけれ
ども、或る
程度需給調整なり
価格調整をやるとすれば、プラス、アルフアーの予備量を持たなければ、絶対不足量だけを入れたのではそういう需給調整ができない。従
つてこの
配給辞退を入れてありながらあえて
輸入計画から落さんということは、これは或る
程度アルフアーのリザーブと見る趣旨であれば理解できますが、そうでなければ、貴重な外貨を使
つて国民が
配給辞退をするものを、これを入れる必要はないと思いまするが、それは先にも御
質問いたしました絶対不足量プラス、アルフアーを入れなければこの新管理方式の
価格調整、需給調整はでき得ないという見地から私は
質問をいたすわけでありまするが、それをどういうふうに
考えておられまするか。
第三点は、先ほ
ども他の
委員からも御
質問がありましたが、特に
赤澤委員からは去年の十月、十一月頃の
政府の見ておつた
食糧の需給見通しと、現在の我々が審議しておる昨今の
情勢と大して
情勢の変化がないかということで、それに対してはないという御答弁であ
つたのでありまするが、私
どもはどうも或る
程度の変化がむしろある。
輸入関係は確かに船賃等も安く
なつたことは
一つのプラスと思いまするけれ
ども、併し
外国から買いまする米なり、或いは麦にしても、向うの
国内相場が相当上
つておることは事実であ
つて、それが故に今度の国際
小麦協定でも四割の値段を上げるというような問題も真劍に討議されておるのであ
つて、従
つて私は
輸入関係はむしろ去年よりそういう点からは悪いのではないだろうか。而も外貨の蓄積も、私は安本長官が言われたような外貨の蓄積は現在までのところでは相当むずかしいのではないかという感じを持つわけでありまするが、従
つてどうも
食糧事情が安定をしたと……確かに或る
程度の安定して来ておりまするが、今言つたような去年大豊作であつた麦作を中心としての客観的
情勢で今後をいつまでも見るということは、
一つの私は
心配の点があるのではないだろうか。その他
配給辞退等の問題についても、今言つた三点につきまして、まじめな意味で
一つこれは
政府のお
考え方を納得行くようにお聞かせを願いたいと思います。