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1952-03-05 第13回国会 参議院 農林委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年三月五日(水曜日)    午後一時五十二分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     羽生 三七君    理事            西山 龜七君            片柳 眞吉君            山崎  恒君            岡村文四郎君    委員           池田宇右衞門君            瀧井治三郎君            宮本 邦彦君            森田 豊壽君            赤澤 與仁君            飯島連次郎君            加賀  操君            三浦 辰雄君            三橋八次郎君            松永 義雄君            鈴木 強平君   国務大臣    農 林 大 臣 廣川 弘禪君   政府委員    農林政務次官  野原 正勝君    農林大臣官房長 渡部 伍良君    農林省農政局長 小倉 武一君    農林省農地局長 平川  守君   事務局側    常任委員会專門    員       安樂城敏男君    常任委員会專門    員       中田 吉雄君   説明員    通商産業省通商    化学局化学肥料    部長      柿手 操六君    日本専売公社塩    脳局長     西川 三次君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○農林政策に関する調査の件  (塩価に関する件)  (昭和二十六年度米超過供出及び  匿名供出免税措置等に関する件)  (行政機構改革に関する件)  (いも作及びでん粉業維持育成に関  する件)  (石灰窒素生産流通に関する件)   —————————————
  2. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それではこれより委員会を開きます。日程を変更いたしまして、最初に塩価の件について審議いたしたいと思います。この件についてはかねてしばしば審議を行い、又政府に対して申入れも行なつて来たのでありますが、政府処置に遺憾の点もあり、特に昨年八月二十一日の申入れに対しては、今に至るもまだ何ら報告がないのでありまして、これらの事情に対して重ねて質問が要求せられておるわけであります。従つてこの問題から審議いたしたいと思います。
  3. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 私はかねてから問題になつておりまする塩の問題につきまして、更にいま少しく御質問をして、成るべく早く政府から適当な回答期待をいたすわけでありますが、まあこの問題はいろいろ質疑応答を重ねておりまするが、どうも我々には依然として政府説明には納得ができないのでありまして、根本的には塩の専売が一体どういう目的でやつておるのかというような、実は根本問題にまで発展をいたさなければならない感じを持つておるのであります。現在の塩の専売実態を見て参りますと、往時のように、相当専売益金を上げて国の財政に寄與するということは、現在では全然これはなくなつておるのでありまして、むしろ相当無理をして、漸く自前でやつて行けるというような、国家財政には何ら寄與しておらないというのが昨今の塩の専売実態ではないかと思うのであります。そうなつて参りますると、国家財政に寄與しないと、消費税を巧妙に取るというような、そういう目的は現在ではなくなつてしまつておるわけでありまするから、いわば塩の需給調整する、こういうことと、或いは国内の塩の製造業を或る程度これを保護する、こういう二つの意図以外には実は何ら存在理由はないのではないかというような感じがいたすのであります。そういう点で国内塩業を保護するということも私は異議はありませんし、又できるだけ国内で自給はするけれども、どうしても足らないわけでありまするから、外塩を輸入するということも了解ができるわけでありまするが、そうなつて来ると塩の需給調整するという点から、我々の要求は検討されて行かなければならんと思つておりますが、そういう点から見て行くと、今日までのお答えなり、或いは昨年の八月に、工業塩は据置にしながら、食用塩トン当り一万五千円から六千円に上げたというこの事情は、塩の需給調整をする見地からも実は理解がしがたいのであります。で、前にも申上げましたように、専売公社で塩の需給調整をするということから見て参りますれば、同じ一つの機関で外塩内地塩をここで一手に扱つておるわけでありまするから、どうしても私は塩の取得価格につきまして、国内から收納した塩と、外国から入れた塩とは、私はどうしてもプールをしなければおかしいのではないだろうか。これは言葉を換えて言いますれば、現在では安い外塩を全部これは工業塩に廻しておるわけであまするが、これは私は一つの非常に偏した扱いではないかと思うのでありまして、安い外塩食用塩が欲しいという場合においては、食用塩工業塩との需要比率で、安い外塩を欲しい場合においては、これは私は専売公社は拒否することはできないと思うのであります。安いものは全部工業塩に廻して、その余つたものを食用塩に廻しておる。それから食用塩は、高い内地塩とお余りの僅かの安い外塩をもらつておるわけでありまして、これは私は理解ができないのであります。安い外塩を、食用塩が欲しいという場合においては、食用塩工業塩との需要の同じ比率で、これは分けて欲しいという場合においては、これは拒否することは私はできないと思うのであります。そういう点から見て参りましても、私は専売公社が塩の需給調整するということが現在の目的であるとしますならば、少くとも原価は全部プールをする、こういうことがどうしても必要ではないかと思いまするが、この前の資料によりますれば、工業塩は殆んど特別輸入と同じような、別途の計算をしているに過ぎないのでありまして、高い内地塩は全部食用塩に廻しておるというような、こういうことはどうしても私は理解ができないのであります。更にそういう不均衡は、單に取得価格の点だけではないのでありまして、例えば販売費にいたしましても、専売公社の総裁以下の人件費にしても、それは白塩外塩に平等にはかつておらないのでありまして、こういう点は私は専売公社で全然一手にやるという意義は全然ないのであります。現在のような扱い方をしておりますれば、工業塩特別輸入をしておると全く等しいのでありまして、どうも私はこれは現在の塩の専売国家財政には何ら寄與しておらない、内地塩は保護するということも私は理解ができまするし、それから塩の需給調整するということも理解できまするが、こういう需給調整するのであれば、私は取得価格も、販売費用も、人件費も、すべて同じ程度に私はこれをプールすることでなければ意味がないと思うのでありまして、先ほど言いましたように、安い外塩を全部工業塩に廻して、その余つたものを食用塩に廻すということは、私は現在の専売法からも出て来ないのではないだろうか、その間に特別価格という制度はありまするけれども、昔のように国家財政に寄與しておる専売益金がある場合においては、益金食つて特別価格をするということもできたかも知れませんけれども、現在のように専売益金はゼロであるということでありますれば、工業塩を安くするということはそれだけ食用塩のほうが高くかぶるということにもなるのであつて、これは私はどうしても現在の塩の専売根本趣旨に触れて行かなければならんと思うのでありまして、これは或いつは本日政府委員からの答弁ではむずかしいかと思うのでありまするが、丁度農林大臣も御出席でありまするので……、これはどうも私は理由がないのじやないだろうか。ですから、食用塩も安い外塩が欲しいという場合においてはこれを拒否する理由は私はないと思のであります。この点は一つ成るべく早い機会大蔵大臣の御出席機会にそういう根本問題について私は一つお考えをお聞かせ願いたい。今までのような説明では、要するに工業塩専売公社で買うという具体的な必要性も何らないのであつてソーダ工業社等外塩特別輸入しておると全く同じわけであつてこういうことは塩の需給調整するという点からも、これはその趣旨にも反すると思うのでありまして、或いはこの点は本日の御答弁は困難かと思いまするが、農林大臣も幸い丁度御出席でありまするから、この問題を一応とくと御検討を頂きまして、はつきりした回答を頂きたい。  更に事務的な問題になりまするが、先ほど申上げましたような、例えば国内塩購入原価が一万四百三十五円、ソーダ用が五千四百四十二円と、こういうようなものをばらばらにして売つておることの不合理は先ほど指摘した通りでありまするが、例えば販売費用にいたしましても、白塩トン当り二千五百二円だ、それに対して工業塩は四百七十三円とかいうような非常に販売費用も同じ程度にはかけておらないのでありまして、勿論外塩等は船側で渡すということも聞いておりまするけれども、併しそれはやはり同じ専売公社で扱う以上はかかる販売経費は私は平等にかけることが正しいのではないだろうか。例えば米について申上げましても、米の生産県でも、運賃はかからない農村にすぐ近い消費地でもやはり米は同じ価格で買つておると同じような理窟であつて、こういう販売経費もやはり私は平等に内塩と外塩とにかけてもいいのではないか、特にこの人件費等はこれは私は差等をつける理窟はないと思うのです。例えば人件費等にしましてもやはり内塩と外塩との間には若干の開きが出ておるわけであります。ともかく輸入原価も全部これはセパレイトな計算をしておる、販売費その他の事務費人件費はこれはアヴエレージにはかけておらないといこうとは、私はさつき言つた現在の塩の専売専売益金を生み出すということではないので、塩の需給調整するという点からただ理解されるとしますれば、こういうことがすでにおかしいのではないだろうかというふうに考えるのであります。この辺につきまして、とくと一つ御研究を頂きたいと存ずるのであります。  更にやや細かいことでありまするが、それ以外に現在の塩の専売公社におきましては、例えば災害等で壊れた倉庫を復旧するとか、或いは新らしい製塩設備を作るというようなそういう建設費予備費等のものを、これは全然ソーダ用工業塩にはかけておらないのでありまするが、こういうものは私はやはり等しく各塩に平等に負担せしめてよろしいと思いまするが、もう一つは、独立採算制をとつてつて、最近災害等が非常に多いわけでありまするから、災害復旧等に要する復旧費建設費が現在は相当かかつておると思うのでありまするが、これを独立採算制見地からその手に建つたものは全部その年で回収すると、こういうことが私はやや不合理ではないか、そういう建設勘定等は或る程度次年度に送つて、平均にこれを回収する、こういうような考え方もできるのではないかと思いまするが、そういうことが果してできるかどうかも併せてお伺いをして見たいのであります。  それからも一つは、外国から買います塩の価格予算面には二十ドル程度計算を立てておられるようでございまするが、現在はどの程度で実際これが輸入されておりまするか、最近のCIFの価格をお知らせ頂きたいと思います。それから国内価格についても相当高いことは止むを得ないと思いまするけれども、国内価格についてもこれは生産費最高のものをとつて私は買つておるというようなふうにも理解しておりまするが、この国内の塩の収納価格最高生産費で買われておりまするかどうか、その点につきましても一つどういう事情になつておりまするか、その辺も一つ伺いをいたしたいと思うのでござま。いろいろ問題を提供いたしましたが、本日お答えのできまする点はお答えを頂きまして、これはあ余り長りくやても実はかたがつかないのでありまして、この問題は今言つた塩専売根本方針にも触れて来る問題だと思うのでありますので、大蔵大臣農林大臣等で至急一つ御相談を頂きまして、はつきりした回答を成るべく早くして頂きたいと思いまするが、以上の点につきましてできまする限りのお答えを本日頂きたいと存ずるのであります。
  4. 西川三次

    説明員西川三次君) 只今片柳委員からいろいろお話があつたのでありまするが、先ず第一に食用塩工業塩との価格の建て方において工業塩輸入コスト食用塩人件費とか販売費とか、そういうものを全部かぶつているというふうなお話でありましたが、この点は誤解がございまして、食用塩につきましては大体年間百万トン、こういうことになつておりますが、この二十六年度予算で申しますと国内塩が六十六万トンに対しまして不足額の三十四万トンは外塩によると、こういうふうなことになつておりますので、安い外塩分が全然入つていないというわけじやないのでありまして、要するに三十四万トンは外塩プールしまして、そのプールした価格によつて塩価が算出されておるわけであります。この点先ず一点申上げておきたいと思います。それから人件費販売費は全然食用塩にかぶさつているのだというふうな点につきましては只今申しました点もありますが、まあ全然外塩にはかぶさつたていないということじやないのでありまして、大体按分によつて、又その人件費にしても販売費にしても実際のコスト基礎にして按分して割振つているわけであります。  それから災害復旧費建設費関係一般用塩にかぶせてるというふうなお話でありますが、この点はその通りでございまして、これは事実災害にしましても国内塩についてのみ災害が考えられるわけでありますし、又建設につきましては塩の倉庫建設費になつておるわけでありますが、これも外塩は、実際上売渡しておる場合に、岸壁渡しということになつておりますからして、倉庫を使うことがないわけであります。実際から申しますと、一般用塩についてのみ、この塩の倉庫を利用しておる、こういうふうな事実に基礎を置いておるわけであります。要するに事実に基礎を置いて、その災害復旧費も、建設費も、一般用塩にかぶせておる、こういうことになつております。そこでこの建設費災害復旧費を、塩価にまるまる負担さしておくことの当否でありますが、これは今朝ほどお話がありましたように、理論的に申しますと、災害復旧費塩価にかけておるということは、この点は理論的にもまずい点があります、又建設費についても全額を、その年の塩価にかぶせておるということは理論的にはまずいわけでありまして、むしろ建設費については、年々の償却費程度塩価に加算する、こういう行き方が一番理論的には筋の通つた行き方だと思います。この点はいろいろ可否がありまして、又当然是正すべきことかと思うのでありますが、遺憾ながら一種のドツジ・ラインでありまして、特別会計についても、或る年度収支、又損益バランスをとる、こういう大原則がございますので、その原則に基いて、今のところは、そういつたふうなものも塩価に反映さしておると、こういうことでございます。この点は、まあ現在のところではどうにもならんと思いますが、財政的にも、名実共に独立するということになりますれば、その場合には、国内問題としまして、成るべく筋の通つた行き方塩価をきめて行くような方向に進んで行くべきだと思います。そのためには、例の特別会計インヴエントリイ・フアイナンス制度も開かれなくちやなりませんし、災害復旧にしましても、一般会計から、この種の特別会計補給を受ける、こういうことが必要になりますし、建設費については、これはまあそういう問題はありませんが、要するに建設費については、年々の償却程度塩価に織込んで行つて、その不足額については、災害復旧費とかと同じようにやはりインヴエントリイ・フアイナンスの途を開かなくちやならん、こういうことになるわけであります。  それから塩の専売制について根本的の疑問があるというふうなお話でありましたが、この点も、実はその通りでございまして、そもそもこれの根本原因は、やはり只今申しましたような、特別会計においては、収支、又損益バランスをとると、こういう大原則があるために、そういつたふうなことになつておるわけでありまして、この大原則を修正しまして、今申しましたような、理論的に筋の通つたふうな行き方をしますれば、当然、既往においてやつておりましたような、或る程度一般会計から補給を受けまして、それによつて食用塩、或いは工業塩なんかにつきまして、要するに国民経済的に見て、ウエイトの高い面については、或る程度安い価格で売ると、こういつたふうな行き方も可能であると考えます。それからもう一つ、前国会のときにもいろいろお話が出たのでありますが、関係当局で以て協議して、その結果を事務当局に報告しろと、こういうお話があつたのでありまするが、我々内部的には、二、三度会合をいたしまして、いろいろ相談したのでありますが、その結果、はつきり申上げますと、農林当局のほうで、予備費建設費を若干いじれば一般用塩を下げ得るんじやないか、そういう趣旨回答にしたい、というお話であつたのでありまするが、この点は現在の特別会計制度から申しまして、仮定論になるわけでありまして、実行上はできないことになつております。そういうふうな仮定論回答されることは困る、現在の制度の下において可能な回答をして頂くのは結構でありますが、現在の制度の下において不可能なことを回答されては困るということを、公社としては申上げまして、話合がついておらないというような状態であります。但し、先ほどいろいろお話がございますので、関係当局がもう一度寄りまして、要するに日本側で以て、独自にやれるようなふうになつた場合の塩価の合理的なきめ方について十分相談いたしまして、その結果を御回答申上げたい、かように存じております
  5. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 大体お話の筋も、わからんことはないのですが、そうなつて来れば、私先ほど言つたように、安い外塩食用塩も、一定の比率で欲しいという場合においては、これを私は回避するということは、これはやはりできないのではなかろうか。勿論特別価格で売つておるのだということになりますが、併しそれは、専売益金があつたときには益金を減らして、それだけ特別価格で売るということが許されておるが、現在は益金がないわけでありますから、特別価格で売れば、それだけ食用塩がかぶるということになるのであつて、ですから私は、今の塩脳局長のお言葉がわからんこともないのですが、そうなつて来れば、安い塩はやつぱり需要者に同じ比率で分けるということを我々としては希望いたしたい。そのことは、結論すれば、全部をプールすると同じ結果になるのでありまして、でありますから、これはすでに専売公社予算も出ておりますので、或いはこれをすぐさま直すということは、全面的には困難だとしますれば、或いは補正予算を組むなり、成るべく早い機会において、一つ根本的な解決をして頂きたい……そういうことについて、はつきりした言明でも結構であります。併し根本的な解決に至らんでも、私は何か或る程度のやり繰りは、現在の制度でもできるものではないか。実は数日中にこれは農林大臣大蔵大臣に根本的な解決案をすぐやるということが困難だとしますれば、二段構え次善策を先ずやつて頂いて、そして塩専売の根本問題に触れて来ると思うので、こういうものを一つ続けていいかどうかということも、一つの疑問になると思います。根本的にはどうするかということは、これは或る程度補正予算なりをやればいいので、一つ二段構えで、これは事務当局の御判断ではなかなかむずかしいかと思うのであります、閣議等で、一つこの問題をお取上げ頂いて、そういう二段構えで結構ですから、政府はつきりした御回答を、最近の機会に頂きたいということで質問を打切ります。
  6. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) 池田君ともよく相談いたしまして、期待に副うようにいたします。
  7. 羽生三七

    委員長羽生三七君) この点につきまして、他日、日を改めて検討することにいたしまして、次の問題に移りたいと思います。先日来、特に昨日、野原政務次官出席を求めまして、昭和二十六年産米超過供出及び匿名供出免税処置を中心に検討したわけでありますが、当委員会の、各委員会各位意見の意向としては、奨励金についても、匿名供出と同様な免税措置がとられることが、適当であるとの御意見でございました。これに対して野原政務次官から農林当局としては、同様な見解を持つておるという御答弁がありましたが、高橋国税庁長官は、必ずしも同様な意見とは見受けられませんので、今日は農林大臣から、この最後的な御意見を承わりたいと思うのであります。なおこの問題、しばしば回を重ねておりますので、今日は最終的な御意見を承わりたいと思うわけであります
  8. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) 超過供出匿名供出との税の対象の問題ですが、どうも池田君と話合つて見てもどこに区別をつけていいかわからんというのが本当のようであります。ただ最後に閣議了解のときは匿名供出については税の対象にしないということですが、いろいろ検討して見まするというと、どこでけじめをつけていいのかわからんというのが本当実態のようでります。ただ又国税庁のほうで税金を取る場合には反収でやるのであつて、その上のことは中位のことで、言葉がにごるようでありますので、私どもとしましては昨日野原君が答えたような方向に行くように現在も努力いたしております
  9. 山崎恒

    山崎恒君 この問題に対する大臣のお気持はよくわかるのですが、国税庁見解としては飽くまでも法に則つて税を徴収しよう、こういうことに相成りますので、これは要するに時期の問題と、要は国が今要請しているところの食糧の集荷であるというような観点で、集荷はやはり時期の問題であるというようなことから考えますれば、急速にこの問題を解決しなかつたならば、やはり米は他に流れてしまう。かように思われますので、昨日も私は当委員会におきまして野原政務次官の誠意ある答弁をお聞きしたのでありまするが、問題は、超過供出匿名供出も、いずれもこれはもう割当てられた以外の供出でありますので、超過供出だ、追加供出だというのには変りはないのでありまして、集荷買技術を、要するに匿名供出の形において買入をしてしまえば問題は残らないとかように思いますので、一切この超過分に対しては匿名の形で政府買入技術をそこに織込むのだというような方針で行きますれば、この問題は大臣政治的手腕期待して解決できると、かように思いますので、一つその点をはつきりときめて頂ければ私は解決すると思うのであります
  10. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) 実は解決をつけようと思つて今朝池田君のところに行つたのですが、どうも身体が惡くて休んでいて苦しそうだつたから、そこまで突込まなかつたのですが、そういうふうにしたいと私は考えております
  11. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 実は先般から匿名供出のことで、国税庁長官もおいでになつてお話を何ぼ聞いてもどうもうまく行かん。それで非常に困難であるからいろいろやつておりますが、実は東北大県行つて見ますと、もう騙されんと言つております。何を騙されんかと言うと、ああいうわけのわからんことを言うているが、やはり税金を取るから騙されんと言つている。そんなことはないと言つて来ましたが、今大臣お話のようにどうも区別が面倒だというお話でありますが、若し日にちを切つて区分をいたしますると非常な不公平ができると思います。そこで一つ農林大臣大蔵大臣本当に交渉して頂いて、区別をせんようなことにすることが一番いいことだ、そうすると農家も納得するし、あるだけは出ると思いますから、その点に最大の努力をお願いしておきたいと思います。
  12. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) これはやはりあなたのおつしやる通り地域差関係やいろいろなことがありまして、区別の問題は非常に困難だと私思います。それでむずかしい区別をつけるよりもそうでなく行つたほうがいいと思いましてそのように努力いたします。
  13. 森田豊壽

    森田豊壽君 大臣もその通りだという今までの質問に対しての回答であります。超過供出匿名供出とは、あたかも定期預金が匿名預金になつたと同じように、もともと余つているものを出した、預けた、或いは貸したということになる。これは二十六年度産米の割当以外のものに対しては匿名というその日附が二月の二日なら二日ということになつておりましても、これは二十六年度産の米の超過分には間違いないのでありまして、超過分、即ちこれを匿名として扱おうというふうに御努力下さつた農林省は、どこまでもその精神は供出を十分ならしめまして、国内の食糧需給を円滑ならしめようということでありますから、もともと税を取ることが目的でないことは言うまでもないのでありまして、これは国民生活の安定の上から言いまして、当然これに対してはその処置をとることは……。ただ税法の上から言つていろいろな支障が生ずるわけでありまして、その際は当然これはもう全部を匿名にしなければならん問題だと考えるのでありまして、今までの委員会におきましては幸いに食糧庁の長官も数字はなかなかの発表しなかつた。即ち全部匿名に入れようという気持を持つているのじやなかろうかと思うのでありまして、そういうあやふやでは我々は地方に行つて回答はできないわけでありますから、農林大臣はこの際におきまして、この二十六年度産米の割当以外のものに対しましては、これを成るべく農民のそういう気持になつたものは、これを奨励的な意味におきまして、国が特別の処置を講じて、こういうことをやるのだということで大蔵省とも話合つて頂きまして、数字が発表されておらないのでありますからして、この処置はお互いに話合えば政治的にできるのではなかろうかと私も昨日の委員会でその話をしたのであります。これは是非一つ大臣からかかる方法を以ちまして一つつて頂くようにお願いしたいことを希望申上げまして、その処置をして頂きたいと思います。
  14. 羽生三七

    委員長羽生三七君) この問題について当委員会で検討した場合の最も代表的な御意見は、匿名供出以前に進んで供出した普通の供出のほうがむしろ褒賞に値いするのではないかということを中心にして論議されたわけでありますし、又やはり政治的に含みを持たせてというようなことも、何か末端に行つて事務所の査定等で狂いが来ると困りますから、回を重ねてこういう議事進行をやつたわけでありますが、今大臣の御答弁大蔵大臣をもわざわざ訪問されたそうでありますし、恐らく又近く確固たる御相談をされることと思いますので、この点を信頼してこの問題はこの程度にいたしたいと思いますが、他に御発言がございますか。
  15. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 ですから今委員長の言われたように、農林大臣大蔵大臣はお含みで諒といたしましても、前回の例でも実は或る程度の通牒は出ましても末端でなかなかそうは行かないということが出ておりますので、今森田さんからも言われましたが、まあ通牒が匿名供出ということになれば、或いは全部匿名供出と見るという趣旨を徹底するか、或いは形式上の辻褄を合わすことかも知れませんが、その以前のものと……。匿名供出とみなすとかいうような、何かこじつけで、末端がはつきりいたしませんと、又前回のようなあれを起すと思いますので、その点を末端まで一つはつきり徹底するように希望を申上げまして、それ以上はお任せを申上げます。
  16. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) これは割り切りたいと思つております。
  17. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それではこの問題はこの程度にいたします。   —————————————
  18. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 次に昨日やはり審議いたした問題に今回の行政機構の改革と関連して林野庁を農林省から分離するといういわゆる機構改革の問題であります。これに対しましても野原政務次官から適切な答弁がありましたが、ただ農林省としてはこういうことを希望するということでは困るので、政府自体の方針としても、又農林省の方針が貫かれることを当委員会としては希望しておるわけでありますが、これに関連して農林大臣から一つ御所見を承わりたいと思うわけであります。
  19. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) 国会議員もすべてそうでありますが、農村を理解しない国会議員は私はないと思います。又政府内におきましても農業の実体の何物かをよく承知いたしておるはずでありまして、あの試案に見られるような結論にならないと私は信じております。のみならず、この河川等は今までのように單に海に排水するのでなく、これを十分利用いたしまして、この農地の培養、耕地の培養等に農林省としては使いたいとこう考えておるようなわけでありまして、決して農業と林業を分離するような行政機構の改革はないと信じております。
  20. 三浦辰雄

    ○三浦辰雄君 只今大臣から非常にはつきりした御決意のほどを承わりまして、一応は安心できるのでありますが、昨日も述べましたように大臣非常な有力な閣僚であられても、さてこの通りやれというようなことになることもあり得るので、この点は一つ更に一層の御理解と御奮闘をお願いするわけであります。それに関連いたしまして、又近頃一部には誠に笑うべき、誠に意味のないことでありまするけれども、ああいうふうに試案が出たからにはどうもただは引つ込めない、そこでいろいろ考えた末に、不正の初めから問題になつておりまする山林の中の治山をしなければ植林のできないといつたような荒蕪地、いわゆる山林の砂防工事を必要とする部面だけをまあ国土省の看板の手前、くつつけることによつて妥結をするほかはあるまい、まあこんなような話も一部にはあるようにも聞いておるのです。このことはすでに農山村、殊に山林のことを御承知の農林省のほうから言えば、全くおかしくて問題にならない。山林は農地と共に全体が生きているんだ、その生きてる一部分の、現在それはそういうふうな場所であるかも知れないけれども、それを簡單な砂防工事をすれば、いわゆる立派な植林の、木材、薪炭生産の基盤になると思われる、又一面において立派な山も取扱を粗末に惡くいたしますればそういつた状況に直ちになつてしまう、そういつたような不特定な場所とも見られるような部分だけを割いて、いわゆる無理に生木の一部分を裂いて行くというようなことには絶対にすべきものでもなければ、ならないとは思うのでありまするけれども、とかく一つの問題を変えようとする場合は、つまらないところであとから見て誠に臍を噛むようなことでも妥協をするというようなことがままないとも限らない。私はそういうことをするならば全く林政の非常な大きな破綻であり、更に農山村の広い意味の農政の非常な何と申しますか、損失であり、今後取返しのできない問題になると、かように考えるのでありまするが、その点について如何でございますか。それはほんの念のためでございます。これをお聞きしたいのと、それから昨日私及び片柳委員から話が出て、野原政務次官からこれ又明快なお答えがあつたのでありますので、大臣はすでにこの点を十分お話を聞いて出て来ていらつしやると思いますが、例の食糧事務所と、それから農業の統計調査事務所、これの関係一つにするというような案があるやに聞いているのであります。これは全く行政の簡素化、責任の所在の明確化というような点から行くと、これ又誠にお話にならないので、よもやこういうようなことにはならないとは思いますが、この点についてもお話を願いたい。
  21. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) これは特に專門家でおられる三浦さんからのお尋ねで、あなた自身が見てそういうことがあり得ないということがよくおわかりのように、政府部内においてもよくそれはわかつております。特に木村君はそういうことに一つもこだわつていない人でありまして、何ら御心配ないと思います。  それから食糧事務所と統計調査事務所の問題についても、これ又おかしな話で、こういつたようなものを一緒にするとか、或いは畜産局と蚕糸局と一緒にするとか、そういつたようなことは私はないと信じております。
  22. 羽生三七

    委員長羽生三七君) この問題の昨日の政務次官のお話と、今農林大臣お話と全く同一でありまして、伝えられている機構改革のようなことは当分なかろうし、又ないようにするという意味のお答えだと考えますので、そういう意味で善処されることを要望いたします。   —————————————
  23. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 次の問題は、いも作及び澱粉業維持育成の件でありますが、この件につきましては委員各位よりそれぞれ項目別に昨日野原政務次官に要望されたわけで、恐らく大臣もお打合せの上で御出席なつたことと存じますので、これの問題について意のあるところをお聞かせ願いたいと思います。
  24. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) これは非常にまあ農村としては大きな問題でありまして、特にこの澱粉のストツクにつきましてはいろいろ頭を捻つておりますが、非常にむずかしいのでありますが、昨日野原君が答えたと思いますが、金融その他を講じまして努力をいたしております。ただ去年の実情から見まして、この澱粉業者が非常に買漁りまして、半面アルコール製造業或いは酒造業者が買えなかつたという事実があるのでありまして、今年がこれが年のいも作農家が非常に安いいもを出すようになるのじやないかという心配があるようでありますが、私はまだそこまで悲観していないつもりでおります。それから又澱粉と不即不離の関係にありまするこの飴の物品税等については、どうしてもこれは私は外してもらう考えで交渉いたしております。党のほうでもこれは堅持いたしているようなわけであります。そうしてどうにかしてこの澱粉を製造した人たちの損害を或る程度にとどめたい、こう思つているようなわけであります。それから又この大事な酒の酒米として使つたのでありますが、すでにこのいもを主体として立派な日本酒が造れるような研究もできておりまするので、こういつたような方向にもいもを進めて行くと同時に、飼料その他にも向けましていも作の農家のことは十分考えたい、こう思つているのであります。
  25. 山崎恒

    山崎恒君 この問題につきましては長い間政府にも要望して参つておりますし、昨日も当委員会におきまして野原政務次官の御出席を得まして政府方針を質し、その所信を伺つてこれが結果を期待しておる次第でありまするが、只今農林大臣からも概括的に一応資金の問題、或いは水飴、葡萄糖の物品税に関する今後の処理等の問題について力強いお話があつたのでありますが、本問題につきましては、先ず私は、昨日野原政務次官からも非常に意を強うする御答弁を得たのでありますが大臣に最後の二、三の点について決意をお伺いいたしたいと、かように思うのでありまするが、その一つといたしましては、澱粉の価格の維持の問題でありまするが、去る二月の二十九日に、政府閣議を以ちまして、砂糖の、四月からの統制撤廃を発表するや、その前日の二十八日には、全国の澱粉業者三千九百の工場の代表者が集まりまして、衆議院の第一議員会館において大会を開いております。大会を開いて、それぞれ十項目に亙るところのいろいろの要望事項を持ちまして、政府等に陳情に参つております。その翌日閣議が開かれたのでありますが、その閣議が開かれた途端に澱粉は五十円乃至百円下落しております。これはもう大臣も御承知の通りだと存じまするが、さような工合で、砂糖と澱粉の価格とは、全く密接不可分であるということを思わせられますので、ここで私どもは砂糖の管理の継続というような問題につきまして、今一応大臣の所信を質したいと、こう思うのでありまするが、自由党におきましては、昨年の十二月党議を以ちまして、輸入糖は一切政府が買上げて、価格を操作する制度をとるべきであつて、このための特別会計を残すべきであるというような党議がきまつたように発表されたのであります。この点、昨日野原政務次官に対しましてもお伺いしたのでありまするが、この問題に対しましては、野原政務次官は、十分一つ意のあるところを伺つて検討して見たいというふうな御答弁であつたのでありまするが、農林大臣がこの点につきまして政府管理の継続ということについて、すでに政府は十万トン現在ストツクを持つておる、又今後の買上げる問題についても、管理の方法をとられるかどうか、この点についてお伺いいたしたい、かように思います。  次は工場手持澱粉でありまするが、これは、昨日も申上げたのでありまするが、消化されないものが現在五千万貫くらいあるのであります。この五千万貫くらいあるものを幾分でもこれを大量に、一カ所に消化するということが澱粉の価格の維持の政策であると、かように思われますので、政府がこれを買上げまして、これをアルコール工場等に廻すなり、或いは現在配給する小麦粉にこれを混入するなり、或いは又只今予算に計上されておりますところの学校児童の給食、二十六億円の給食がありまするが、この方面の給食に廻すなり、そうした方面のために一千万貫乃至二千万貫のものを買上げる方法はないか。同時にこれは輸出澱粉として、只今塩の問題等も出ましたが、朝鮮あたりともバーターの方法がとれないか。こうした問題について、政府は一応買上げというふうな問題について、如何ような見解をお持ちになつておるか、この点について一つ大臣にお伺いいたし見たいと思います。  それから、次は只今大臣から御発表になりました物品税の廃止の問題でありまするが、これは当委員会におきまして、農林大臣大蔵大臣、安本長官に委員会の名においてお伺いを立てたのでありまするが、その回答が来ておりまするが、その回答にかかわらず、この水飴、葡萄糖の物品税の撤廃の問題については、只今衆議院等、或いは政調会等で相当研究されておるようでありまするので、この問題を急速に実現する方法をとつて頂きたい、かように思うのであります。その次は、資金の問題でありまするが、資金の問題も、昨日野原政務次官からそれぞれこの工業組合系統に流れておりますところの二十数億の金でありますが、これはそれぞれ二月の末に吸い上げるべき確約になつておりまするが、これを一つ延ばして欲しいというようなことで、政府にも再三申入れして、その斡旋方をお願いしてある。それに対しまして、政府は、この問題は手を打つてあるというお答えであります。昨日も野原政務次官からもその問題については、もうすでに手配済であるというようなお話でありまするが、本日今朝その問題を一部調査いたして見ましたところが、商工中央金庫では、政府からどういう手を打つたのかわかりませんけれども、強く取立をしておる、こういう現状であります。これは業者が本日も傍聽に来ておりますが、業者はこういう状況で、これはもうすでに手を打つて下さつたとこういうことであるが、きつい督促で、どうも困つておる、こういう状況でありますので、なかなか空念仏に終らないような方法を一つつて頂きたい。この点について特段の政府の温かい手を差伸べる方法をお願いしたい。  次に、最後に今後におけるところのいも作の保持育成に対してでありまして、この問題につきましては、昨日野原政務次官の言明をお聞きいたしまして、私どもは非常に意を強うし、速かにこの徹底的対策を期待しておるのでありますが、最後に、大臣がお見えになりましたので、私は今一つ問題を取上げて大臣の御意見伺いたいのですが、いもは、すでに三百万戸の農家が作つておる、而も六十万町歩に及ぶとこちの、北は北海道の馬鈴薯から、南はいも所であるところの鹿兒島、長崎に至るまで、いもは全く日本の畑作作物としては、いずれも作らない所はない、かような状況でありますが故に、いもの又利用価値も非常に多い。只今大臣がおつしやるように、立派な酒ができる、かような状況でありまして、又燃料にいたしましても、ブタノールにいたしましても、或いは葡萄糖にいたしましても、いずれも化学工業品として立派な役割を演ずるものでありますだけに、いもだけの研究所を作る意思がないかどうか、而も欧洲地方におきましては、砂糖に二割ぐらいの精製葡萄糖を混入して砂糖を販売しておる、こういうことを聞いておりまするが、さようなことになりますれば、飴を、直ちに作業転換いたしまして、立派な葡萄糖を作る、その葡萄糖を砂糖に混入して市販にいたしますれば、砂糖の輸入が減ぜられる、而も国内資源が高度に活用できる。かようなふうにも相成りますので、一つそうした点等を考えましていもの研究所を作る意思がないかどうか。本年度は、農林省には多分八百万円ぐらいの研究費用が予算に載つておるかと思いますが、そうしたもの等の御所信を一つ伺いいたしたいと思います。
  26. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) 最初にお尋ねの砂糖の管理の問題ですが、輸入等を全部管理するということはなかなか骨だろうと思います。ただ北海道のビート糖は本年に限りこれを買上げたいと思いまして、全量買上げる予定にいたしております。そうしてビード糖の今後の発展を望みたいと、こら思つております。それからあと、現在五十万トン近くの砂糖がありますが、これを出す場合には十分事情を考えてやりたいと、こう思つております。それから澱粉を買上げる意思がないかどうかというお話でありますが、今のところまだそこまで決断がついておりません。これは又検討をいたします。特に食生活改善の費用等もありまするし、又食生活を改善しなきやならん段階にありまするので、検討いたしたいと思います。  それから物品税については、先ほど申上げた通り、これは真劍に取組んでおります。所信を貫きたいと私は思つております。それから資金の点は昨日野原君が言われたように、我々のほうとしては話してあるのですが、あなたのお話のようであれば、なお一応強く私のほうから五月乃至六月頃まで延ばしてもらうようにこれは話を進めます。それから今後のいも作農家に対するお話でありますが、これは私決して先ほども申上げた通り悲観いたしておりません。特に先ほどは日本酒の話をいたしましたが、アルコールを主体とする合成酒造工業が非常に発達して参つておりまして、すでにアメリカからその機械を輸入する段取までついておるのであります。こういうようなことからいたしましても、いもの効用は決して下つていないのであります。それから今三百万戸に達するいも作農家についての研究機関でありますが、これは先年来千葉県等に非常に熱心に研究所設置の請願がありまして、私考えておりますが、まだそこまで行きませんが、当然これは考えなきやならん大きな問題であると思つております。本年八千万程度の助成金があるのでありますが、これは大体紐がついておるようなわけで、今直ちにこうしますとは私申上げかねるようなわけであります。
  27. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 只今山崎委員から大綱について話がありましたので私は一言蛇足を附加えたい。それは物品税廃止の問題について、これは大臣は恐らく御承知のことと思うのですが、言附加えたい。それは農産食品のうちで、物品税を背負つておるのは水飴と葡萄糖だけであるということ、例えばバター、チーズのごときですら物品税をすでに持つておらないにもかかわらず乳幼見及び学童の給食、その他実に大衆的な食品である水飴、葡萄糖というものは物品税を持つておるということは、どう考えても極めて非大衆的なこれは惡税であつて、速かに撤廃する理由がこの点からも私はあると思う。どうかこの点も一つ大臣は下情に通じておられるから御承知とは思うが、一つ物品税の廃止の場合に強調する一つ理由にして頂きたい。どうか速やかに、できれば一つ三月中に撤廃しもらいたい、こう思います。これは希望として申上げます。
  28. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) 承知いたしました。
  29. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 私も今飯島さんの言つた物品税の問題で昨日も申上げたのですが、政府からの回答で一番期待に反していると言いまするか、はつきりお断りになつたのは物品税の問題だつたと思います。昨日大蔵省の課長さんからお答えがありましたけれども極めて事務的な答弁だと思います。間接税は原則としてはこれはいじらないのだということからこれはむずかしいのだという極めてまあ事務的な御答弁でありましたし、それから政府からの回答もその砂糖その他の甘味品との均衡をとる上で物品税は外しがたい。問いに答えるに問いを以てするのであつて、物品税を外してそれを以て片方で関税を上げて、砂糖の消費税を上げ、それから物品税を外してもまだいもに換算して一貫目が十円にもならないのだ、これでもなお不均衡だとうこことで我々はお願いを出しているのであつて、この辺は逆に砂糖との権衡論からはこれは物品税を外せないのだというような実は逆なお答えであるので、これも私どもはやはり事務的な解決がむずかしいと思うのでありまして、昨日のお答えを得ましても関税と消費税を、やはり砂糖が別途国民の生活必需品でありますから、あれ以上に関税、消費税を上げることは困難だと思います。従つてもう残された途は物品税を外す以外に方法はないのだ、こういうふうに思つております。一応公文で回答頂きましたけれども、もう一遍政治的に一つ回答して頂きたいということを強く希望するものであります。
  30. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) 一応の回答はなつておりますが、実際は交渉は継続いたしております。
  31. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 甘味品のことをいろいろお聞きになつて答弁もありまして、大体了承はするのでありますが、実はそういうことになつているとは思つておりますが、実態は少し違うので、大臣の所信を聞きたいと思う点は、日本が独立、自立態勢をとつた今日一番大事なことは国内資源を一〇〇%生かすということであります。殊に食糧のごときは消耗品でありまして、決して投資的のものではないのでありますから、殊に今困つております甘藷、馬鈴薯の澱粉のごときは幾らでもその方法はあると思うんです。そこでだんだん高くなつております。殊にドル地域の砂糖は高いのでありますが、六十万トンも輸入するということでありますから、これは挙げて国内の適当な道に振向けて、そうして輸入を幾らでも制限することが最も大事なことであります。永い間非常に苦心をいたしまして、やつとでき上りましたいも作の耕作方式が今頃変るなんということは私はあり得ないことだと思う。大臣は御同意のようでありますが、それは国内資源を一〇〇%あらゆる面において生かすということになりませんと、今までのようにたつた一年で行詰りを生ずるというような誠に情ない状態になつておりますことを遺憾といたしております。そこで酒にいたしましても、御承知のように、自由党の堀氏は合成酒造の理事長でありますが、御自身は贅沢な方でありますが、いつでも合成酒の一級酒ばかり呑んでおる。それで決して合成酒は負けんと言つておられる。米を持つて来なくても何ぼでもできます。そのほかのものもできますが、そういうわけで砂糖の代用品を作り、酒造りをしますというと、安心をして耕作を続けてもいいことになるかと思いますが、政府方針が確たるものができませんと、ただ一応の答弁質問では不安だと思いますから、やつと育て上げて来ましたあの食糧不足の時分に息をついたいもを永久に生かしてもらいますように特段の改良によつて確固たる案を立ててもらうことを御希望申上げます。  それから物品税のことでありますが、これはどうも私は不思議でかなわんので、前の回答を見ますると、これは片柳君やその前の委員言つたように、比較にならない。他の品物と均衡上都合が惡いと書いてありますが、これはほかのものと比べて見たら全く問題外であります。食品は別でありますが、食品は先にお話がありましたが、これは余り言うとこちらは工合が惡くなるから申上げませんが、そのほかにも衣類でありますが、何万円もの帶でも、何万円もの着物でも一銭もかかつておりません。例えばタンスのごときも八万五千円以上はかかります。或いは我々のかぶる帽子も二千円以上で課税する。こうなつておりますので、そういものと比較しましても僅か十円札でこのまま買えます。幼児や児童の使うような栄養の糧になり、或いは病人が使つてもいいようなものに十円やそこらのものに税金をかけるなんてとんでもないことで、何も議論の余地にないと思うのですが、なかなか大蔵省もこだわつてうまく行きませんが、是非自由党のほうで早急に、延ばすといつては困りますので、それがなくなつたということは予算にも関係がありますけれども、どうしてもこんなものは問題じやないと思うのです。だから急速に一つ外してもらように大努力をお願いしたいと思いますが、どうですか。
  32. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) 国内の資源を一〇〇%に使わなければならないときに、いもに冷淡ではないかということは、全くその通りで恐縮いたします。併し過去を振返つて見ましていもが我々の食生活に與えた貢献した力は非常に大きいのであります。これはどうしても私は先ほどのお尋ねにもあつたように、一つの研究所を持つて大いにこれをやるくらいにまで努力をいたしたいと思つております。十分努力いたします、それからあと物品税の問題は本当に今真劍に取組んでおります。党のほうでもがつちりした決議をいたしておるようなわけでありまして、十分やりたいと思います。
  33. 山崎恒

    山崎恒君 最後にこの問題は、現在五千万貫残つております澱粉は昨日も政務次官に申上げたのですが、大体大臣お話にもありましたように、本年度は澱粉業者が買焦つたというようなことで大分この頃のアルコール卸業者或いは酒精業者が買えなかつたと、こういうような点が発表されたのですが、二十六年度のいもは当初相場の上つたというのは、一昨年のいもが大体三十円乃至三十五円くらいであつたのであります。ところが今年度は、澱粉業者が一昨年二十五年度のいもは買うことができなかつた、そのために今年は九月頃にアルコールの卸業者或いは酒精業者は先に相場を出した、大体三十円から三十五円で以て一つこちらに買いたいという尻結びの相場を出して来た。そこで澱粉業者が慌てて買い始めた、そのために片側が相場を出して来ましたので、両方で買い焦つたために、農家のほうは相場は下落せずに、そのままずつと二十六年度のいもは処理された。こういう結果になつておるのでありますが、いもは御案内のように、放つて置けば商品化されるまでには、又国民の口に入るまでには、少くとも三割くらいまでは腐つてしまう、こういうしろものですから、これはどうしても澱粉業者を維持育成しなかつたならば、いも作農家というものは立つて行けないということは自明の理でありますので、現在持つておるところの澱粉が仮に五千万貫、政府の砂糖の統制撤廃ですでに値下りしておるということで、これが昨年度のいもは大体平均価格十貫当り二千五百円に売らなければバランスがとれないというところで現在二千円を割つている。そうしますと概算数字で行きましても、現在十貫当り五百円と申しますと、五五、二十五億円の赤字になる。そうしますと三千九百の澱粉業は半倒れになつてしまう。こういう結果になりますので、只今のお話では急速に水飴物品税の問題を処理する。又特にこの砂糖処理の問題如何にかかつて、澱粉の価格の持続ができると、かように思われますので、特にこの問題は等閑に付さずに、現在の相場から見て、これは綿糸業等の糸ヘン等と違いまして、最初から儲けようとしてかかつた仕事でありませんので、農村工業として普遍的にある工場でありまして、これを潰してしまつたならば来年は再起ができない。そうすれば、農家がいもを作つても来年は叩かれる、かような面が招来されますので、この際今のストツクしておるところの澱粉の処理につきましては、この価格の維持につきまして砂糖の操作如何にあると思いますので、一つ格段の配慮を煩わしたい。かように思いますが、その点特に一つ希望としてお願い申上げておきます。
  34. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) 承知しました。
  35. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 大臣の時間もありますので、先ほど来御討議を願いました超過供出の免税の件並びに行政機構の改革の件、それからいも作及び澱粉業の維持育成の件についてはこの程度で終りたいと思います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)各委員の御発言の趣旨に副つて大臣の善処方をお願いする次第であります。何かこの機会に特に……。
  36. 松永義雄

    ○松永義雄君 議事進行について……この間私欠席をしておつたのですが、委員会の申合せで農耕地の取上げに関する善処というようなものを大臣に提出されて、大臣から御答弁があるというお話でありましたが、それについて私のほうから先走つて質問することもできないと思いますから、何か御答弁ができましたらして頂くし、御答弁ができなければ、又の機会ということになるのですが、その点どうぞ一つよろしくお願いいたします。
  37. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 只今の松永委員質問お答えいたします。この件に関しては当委員会から去る二月二十日附を以て政府回答方を申入れたのでありますが、政府のほうから二十七日に回答があるという予定のところ、なお各方面との打合せのためにいま一週間回答を延期してくれということになつておりますので、その回答の提出が一両日中と思いますので、それを見た上で、今の松永委員の御趣旨に副つて委員会を開きたいと思いますので、御了承をお願いいたします。  もう十分くらいなら時間がおありのようですから、この機会に今の問題以外で何か大臣に御質疑のあるかたはどうぞ。
  38. 三橋八次郎

    ○三橋八次郎君 肥料の問題でございますが、肥料の需要期を控えまして特に石灰窒素は肥料の性質の関係から早く使用しなければならん。今需給状態を見ますると、かなり逼迫しておるようでございますが、その点につきまして細かい点は事務当局のほうから伺うのでございますが、この逼迫しておる状況を切拔け増産いたしますように特に農林大臣にお願い申上げたいと思います。
  39. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 実はこの石灰窒素の問題につきましては本日の日程に載つておりまして、これから農林省当局から意見を聞いて審議しようと思いましたのでありますが、今三橋さんの御発言もありましたので、この件について大臣から御回答があれば丁度幸いだと思うのですが……。
  40. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) これは御指摘の通りでありまして、我々としてはいろいろ増産手を打つておるのでありますが、まだ思うように参りませんので、私よく数字の点は承知いたしておりませんから、これは事務当局から御説明いたします。
  41. 森田豊壽

    森田豊壽君 肥料の問題につきまして御質問したいと思いますが、政府は現在の肥料の価格余りに高過ぎることはよく御承知であるわけでありますが、これはやはりメーカーに対しましてのいろいろの生産費関係もありましようし、いろいろ現われました通産省あたりの計算その他は私どもといたしましては、あれは余り生産費が多過ぎると考えておるわけであります。一体現在の供出を非常に早期要請し、而も匿名供出までいたしまして農家に自分の飯米まで出させようと、又出してもらおうという考え方であるときに、その根源をなす肥料に対しまして政府は根本的の対策をこれは打たなければならんと思うのであります。農林省が現在におきまして農民の経済を安定ならしめる上におきましては、少くとも肥料問題を第一に現段階においては取上げなければならんと思う。その点から行きまして今の化学肥料でありまするあの硫安或いは過燐酸、今石灰窒素が問題になつておりまするが、この価格は一体農林省はどのくらいの価格を押えて妥当なりとお考えになるか。現在の状態ではこれ以上高くなるということは農家経営を破壊するものであり、破綻せしめるものである以上は、ここに何とか手を打たなければならんということは当然のことでありまして、この考え方は農林大臣はその方面と始終御折衝でありますから、この際に内容をお聞かせを願いたいと思います。
  42. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) 肥料の点は非常に大事でありまして、これは私どもはよくメーカーが来て、上げてくれというようなことを言うのでありますが、現在の価格より少くとも下げないうちは輸出は私は承知しないと、こう言つて頑張つておる最中であります。又ほかの省から価格生産費の資料が出ておりますが、我々の見たところではほかの省の資料よりももつと安くなつていいんじやないか、それを関連してあなたがたが一番エキスパートであられるんですが、全購連等も全機能を発揮して、メーカーに安くさせるくらいの力を発揮して頂きたいと私は思つておるのであります。それから又最近問題になつて来ておりまするのは、硫安等の肥料の使い過ぎから起る病虫害に対して非常な批判が出ておりまするので、こういう点も特に農村出身のあなたがたのほうで手を打つて欲しいと実は私思つておるのでありまするが、私たちの肥料の見通しから見ますると、必ずこれは先安だと私は信じております。
  43. 森田豊壽

    森田豊壽君 大臣は肥料の見通しについてまでお話があつたわけでありまして、この前私もこの委員会におきまして同様な意見を申したのでありまするが、メーカーに対しましてとかくこつちは受身になりまして、現在の肥料政策というものがメーカーの育成になつておるという状態にあることは、これは公平に見て間違いはないと思うのであります。メーカーにすべてをどのくらいで引合うかということを出さしておいて、それによつて価格を承認し、而も輸出をやつておる、肥料の輸出をしないということで、肥料が上らんとするときには輸出をさせないようにすることが、これが下ることであつて、余分のものがあるときには下るはずがないのであります。従いまして経済の原則としては上るときには、これはどうしても二割や三割の余分のものを持つていなければならんことは言うまでもない。買付その他の関係から見まして当然のことであります。下るような状態になつて来ましたときにはその反対になることもこれは明らかであります。従いまして現在の段階においては農林省に一つうんと頑張つてもらいたい。只今全購連とおつしやつて我々関係者に対しては……、我々も大いに考えますけれども、併しながらこれはやはり政府におきまして、農林省あたりが抑えて頂かないというと、通産省あたりの計算が馬鹿に一般に信じられることになるわけであります。これは是非やつて頂いて我々それに対して安いものを買いますのは当然であります。又安い肥料を供給するのが我々の系統機関のこれが使命であるわけであります。できるだけやりますが、政府がその関係をしつかりやつて頂かないと工合が惡いのでありますから、農林省におきましてはこういう点におきましては大臣政治的手腕によりましてこれは一つつて頂きたい、そうしてお話のように下るようにすることをお願いしたいと思うのであります。どうぞよろしく願います。
  44. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) この肥料のことですが、今特定の品物を作つておるメーカーは下から伝票が上つて来ないので参つておるようです。金融についても参つておるようです。又そうなるのが当然でありまして、終戦後肥料の増産のために育成をというか、復旧のために非常に力を国として入れたのでありますが、その惰力がまだ残つておるようであります。もはや平常に達したと私は見ておるが、それと並行して農家の肥料の使い方も適正化いたしまして、節約をして、そうしてやはりこれは将来は輸出をする、こういうことが一番大事じやないかと思つております。
  45. 池田宇右衞門

    池田宇右衞門君 森田さん、三橋さんその他の各位から肥料問題について質問があり、大臣からあらゆるところから答弁がありましたが、一番根本は、すでにあらゆるところに対して政治的にも農村問題を研究する大臣に対して、今更かれこれ言う必要はないと思うのですけれども、最後の政治的決意に対して、方針に対して欠けておるところの点があるように、かように考えまして、この際本当の決意を一つ促がしたい。申すまでもなく方針として自給度を高め、国内の農産物の生産を増収さして食生活の安定、国民生活の安定を晝夜怠りなくこれを高進させる大臣といたしまして、少くとも肥料問題はこの際通産省より農林省所管として、全国の肥料消費の農家のあらゆる点を十分研究して、どの地方にはどの肥料、そうしてどの農作物にはどの肥料と、化学、有機いずれが適当であるかということにおいて初めて農家の近代経営ができ、そこに経済も安定し農産物の増産は自然と増収することは論を待たないのであります。然るに今この所管が通産、安本、農林等三者一体になつてこれを解決せざれば肥料のすべてが解決できないというようなことは、大多数が、殆んどが消費は農家である、農家であつたならば農林省が所管するのが当然である、その当然の所管から初めて肥料の需給に対して最善法が生まれて来るということは、これは農家にあるものは誰でも肯けることであります。これに対して先に野原政務次官は十分にその意を研究し、当然であるが大臣ともよく相談すると言つたが、この際政治的手腕において我々の最も期待し、又最も信頼し、農林が安心する日の早からんことを待つておる農林大臣の御答弁をお願いしたいと思います。
  46. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) これは前から問題になつておりまして、実はこの前に行政管理庁におつたときにそういう案を作つたのでありますが、一体化した案を作りましたが、不幸にしてあの案が出なかつたのでありますが、今度の行政機構の改革については各省と相談したいと思つております。
  47. 松永義雄

    ○松永義雄君 昔東京市内において空家が二割あると、そうすると賃貸借がうまく廻つて行く、こういうことを言われておりました。今肥料のお話がありましたが、どうにか肥料は間に合うだろう、こういうお話のように聞いております。ところが実際は所によつては肥料の廻りが遅くて早く使いたくても思うように行かない、その原因はどこにあるかという点でありますが、聞くところによると、メーカーのところに足をしばしば運ぶものが勝である、更に又地方のかたがたの手廻しが機敏を欠く、そのいう点から来る弊害かとも聞いておるのであります。このことは、農林省が管掌してやるべきことではないでしようか。併し今お話がありましたように、肥料関係の製造のお役所ならお役所を通じて、メーカーのところへお辞儀をたび重ねるもののほうが勝だということになると、十分、余りのあるものならば何とか廻つて来るでしようけれども、どうにかこうにかやつて行くという程度では廻りが十分でないという弊害が生ずる虞れがある。その点について地方の農民組合なんかから不平を言つて来るのであります。農林省としては十分その点を各お役所とお話し願つて、まあ露骨に言えばメーカー、会社の重役さんにお辞儀をすれば早く廻るといつたような、そういう弊害を除いて頂きたいというのが私の希望なんですが、どうでしようか。
  48. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君)  各省ともよく相談しまして、そういうことのないようにしたいと思います。
  49. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それでは大臣に関する質疑はこの程度にいたしたいと思います。  なお先ほど三橋委員から御発言のあつた石灰窒素の件に関しまして、農林通産両政府委員出席されておりますので、この機会に継続してこの問題を審議したいと思います。
  50. 三橋八次郎

    ○三橋八次郎君 石灰窒素は最近におきましてその使用が著しく普及し、その上水稲の秋落防止の重要な手段でありますところの無硫酸根の肥料として農林省の指導によりまして、その需要はますます増加せられるものと考えるのであります。この現象は増産上最も喜ぶべきことであります。政府におきましては肥料の需給計画を立てるに当りましても、この点を十分考慮の上作成せられたものと思うのでありますが、併し配付せられております資料につきましてこれを見ますると、政府昭和二十六肥料年度は肥料の増産に対しまして、大いに努力を拂つた、と言つておりますが、併し石灰窒素に関する限り、昭和二十五年肥料年度生産実績は四十三万二千トンに対し、昭和二十六肥料年度は四十一万六千トンでありまして、前肥料年度よりもむしろ減産となつておるようでございます。この点につきまして政府のお考えは如何でございますか。  それからなお今後三月、四月及び五月の需要期を控えまして、大いに増産いたしまして、この公約を果すべきであると思うのでございますが、その点政府の御所見如何でございますか。
  51. 柿手操六

    説明員柿手操六君) お答えいたします。去年の八月から今年の七月までの二十六肥料年度生産の計画及び実績を申上げますというと、合計、年間で四十三万七千六百トンの生産計画をいたしております。ところが昨年の九月末以来非常な渇水でございまして、十月、十一月、十二月におきまして、相当の減産をいたしたのであります。そこで一月末までの累計を申上げますというと、年間四十三万七千六百トンの計画に対しまして、約二万一千トンばかりの減産をいたしておるのであります。そこで一月以降におきましては市販カーバイド或いは有機合成用のカーバイド等もできるだけ石灰窒素に製造するように特に指導をいたしまして、昨年の十月は石灰窒素生産が二万三千トン、十一月は一万九千トン、十二月は二方七千トンというふうに減産をいたしておりましたのを、一月は百万三千トン、二月は三万四千トン、三月は四万四千トンというふうに生産の計画を上げまして、所定の年間四十三万七千六百トンに達するように指示をいたしました。特に農林省、安本等の関係官庁とも協力いたしまして、石灰窒素製造業者の皆さんとも一致いたしまして増産協議会というものを先般設けたのであります。さようにいたしましてこの計画を、少くともこれを最低線に確保しようというふうに計画を進めて参つておる次第であります。更に将来の問題でありまするが、先般農林省で調査された各農村からの需要量を見ますと、年間四十八万一千五百トン程度の要望があるということを農林省から連絡を受けておるのであります。従いまして私どもといたしましても、来年度は是非ともこれに幾分のアロウアンスを見まして、最小五十万トンの生産計画は達成せられるように、主としてこれは電気の割当の問題でありますが、安本に強力に働きかけまして、二十七年度の電力計画におきましても、この五十万トンが達成されるように目下協議をいたしておるような次第でございます。
  52. 三橋八次郎

    ○三橋八次郎君 今肥料年度における石灰窒素需要見込は、今配付されております資料によつて見られる通り、甚だ窮屈でございます。更に石灰窒素はその性質から見ましても、施肥期を早めなければならぬのと、又一方におきましては基肥専用の肥料と言わなければならぬのでありまして、需要期はほかの肥料に比べきして急に最大需要に達するというような性質を持つておる肥料でございます。従いましてこの実需期というものから考えまして、一層窮屈になるのではなかろうかと思うのでございますが、この実需状況におきまして、政府は只今も御答弁されましたけれども、その計画通り是非とも実績を挙げて頂きまして食糧増産に遺憾ないように処置をして頂きたいと思うのでございます。なおそういう実需期に対しまして、逼迫を感ぜしめないような措置とでも申しましようか、そういう具体策を何かお考えになつておりますかどうか伺いたいと思います。
  53. 小倉武一

    政府委員(小倉武一君) 只今の問題といたしましては、早場米地帶に対する石灰窒素の元肥の供給ということでございます。三月におきましてその辺がどういうふうになるか、農林省といたしましているいる検討いたしました結果、需要量が三万七千トン近くございまして、約一万二千トンほど供給が不足するということに相成つておりますので、全購連、それらメーカーのかたがたに協力をお願いいたしまして、今月の不足分を何とかして埋めたいというように考えております。なお又石灰窒素の増産のことにつきましても、通産省のほうにお願いいたしまして、その不足分をできるだけ最小限度にする、更に政府のほうには四月に少し時期を延ばして頂きまして、成るたけ早場米地帶のほうに供給を増加するといつたような措置を現在とりつつあります。
  54. 三橋八次郎

    ○三橋八次郎君 幸いに三月、四月、五月は豊水期でもありますし、肥料の生産用の電力の割当の枠を思い切つて擴大いたしまして、而してその電力を石灰窒素生産に優先的に割当て、需要に即応する石灰窒素の大増産を図られたいと思うのでございます。なおこの問題に関しまして今ここで即答しかねますならば、直ちに各省で協議をなすつて頂きまして、その結果を速かに当委員会に報告されたいと思うのでございますが、如何でございましようか。
  55. 柿手操六

    説明員柿手操六君) お答えいたします。只今も申上げましたように、最近の調査によりますと、少くとも四十八万一千五百トンという数字が出ておりますが、私ども生産を管理するものといたしましてはどうしてもそれに応じて参りれい。少くとも来年度は五十万トンの石灰窒素を最低に確保したいということで関係官庁である安本にお願いしているのであります。これは安本としても非常にその必要性を認めまして、二十七年度の電力需給計画にその案を織込みまして、目下作業をいたしているのであります。これを、電力需用の関係から公益事業委員会が、電力の供給量についての手当をいたすのであります、これは同時に電力料金の問題にも関係して参るようなわけでありまして、二十七年度はどの程度の供給にし、料金もどういう程度の料金とするという、両面から二十七年度需給計画ができるわけであります、目下その点につきまして公益事業委員会、安本を中心にいたしまして計画をいたしているのであります。私どもといたしましては、是非ともその線は最低線として要求いたしておるのであります。これが少くとも今月末までにはきまらなければならないものでありまするけれども、まあ例年の例で申しますと、なかなか土壇場に行くまできまらないというような実情でございます。やはり月末までにならないと確定的なお答えができないのじやないか。かように思うのでありますが、とにかく私といたしましては、是非とも農村で必要とするという数量は来年度は確保して参りたいという強い熱意を持つて交渉して参つている次第でございます。
  56. 三橋八次郎

    ○三橋八次郎君 確保してもらいたいのじやなくて、是非とも一つ確保いたしまして、肥料の逼迫状況打開に御努力を願いたいと思います。なお北海道、東北、関東及び北陸地方等の早場米地帶の需要に対しましては応急手当が必要だと思うのでありますが、三月及び四月は各月それぞれ一万二千トンの不足を生ずるようでありますが、この不足をどういうようにして補なわんとしているのでありますか、その対策がございましたらお伺いしたいと思います。
  57. 柿手操六

    説明員柿手操六君) この問題につきましては、先ほども農政局長からもちよつとお答え申上げておつたかと思うのでありますが、総体の量も不足でありまするけれども、特に実需期の関係から、早場米地帶が特に欲しいという御要望がございますので、先月の十七日でありましたか、早場米地帶の各地県のかたが見えますし、私どもも出まして、メーカーのかたも出まして、早場米地帶にどうしても要る数量の調達方を懇談協議いたしたのであります、その結果やはりどうしても三月中に今の計画しているところでは足らないという結論が出ましたので、先ほどもちよつと出ましたが、四月に四万四千トン計画いたしたのでありますが、その前の計画は三万八千トンの計画であつたのであります。それを特に生産のほうも六千トンほど増しまして、四月に作るべきものを三月に作ると、これは毎月要ります市販カーバイドその他の三月に出すべきものを少し延ばして、それを石灰窒素に向けるというような工夫を各会社にしてもらうという点で、三月に特別に生産量を計画以上に上げるということが一方起りまして、同時に今度は、全体の生産量の中で、西のほうの、関東及び北陸よりは遅れる地帶に対して売出す計画になつておるものをできるだけ四月以降に延ばして、三月中に早場地帶に出荷するというようなことを、各県当局の間で懇談をしてもらつて、一万二千トンを早場地帶の足らないという問題に対処して行こうというふうに一応いたしておる次第でございます。
  58. 三橋八次郎

    ○三橋八次郎君 今日この石灰窒素において見られるように、肥料の需給が不円滑の場合は、政府において時期的に、又地方的に、肥料の需給及び配給の調整を行うことができるような措置が必要であると思うのでありますが、政府はこの点につきまして何か御計画がございますか、どうですか。
  59. 小倉武一

    政府委員(小倉武一君) 只今のところそういう特別の計画を法制的に確保しようといつたようなことは考えておりません。石灰窒素の問題はこれはほかの肥料と多少趣きが違つておるような点がございまして、需要量が最近非常に逼迫しておるというような事情でございますので、根本問題はやはり増産、生産を確保するといつたことにあると存じますので、特にこの点に重点を置く必要があるのではないかというふうに考えまして、通産省にもお願いをいたし、先ほど部長からもお話がありましたように、増産協議会といつたようなものを設置いたしまして、増産上のいろいろの隘路を打開して行こうというようなことになつて来たのであります。
  60. 三橋八次郎

    ○三橋八次郎君 増産もとにかく必要でございますけれども、増産したものを地方的に、或いは時期的に円滑に配給をする、少いものを効率的に使うというような意味から考えます場合におきましては、どうしてもそういうような調整の措置ができるようにならなければ、本当の実力というものは出て来ないと思うのであります。今伺いますると、政府のほうではまだその準備がないという話でございますが、若しないならば、このことにつきまして速かに一つ対策を練つて頂きまして、その結果を委員会に報告してもらいたいと思うのでございます。如何でございますか。
  61. 小倉武一

    政府委員(小倉武一君) ここで申上げるような対策は持合わしていないことは先ほどお答えをした通りでございますが、常々研究はいたしております。現在のところ別段法制上の基礎はございませんが、関係省及び関係団体、メーカーといつたようなかたがたと適時話合いをいたしまして、時期的な、或いは地域的な需給の不円滑を来たさんような行政的の措置は講じておるのであります。なお研究いたしました結果、報告ができる段階になれば折を見まして適時提出いたしたいと存じます。
  62. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 肥料部長にお伺いしたい。先般の農林委員会で私は肥料製造のために割当てられた電力によつて生産された肥料原料用カーバイドを、他の用途に転用しておるという事実を指摘しておきましたが、この件について調査されたかどうか。
  63. 柿手操六

    説明員柿手操六君) お答えいたします。昨年の一月から十二月までに石灰窒素工場で製造いたしましたカーバイドは、三十七万約三千トンであります。それで石灰窒素生産高は三十九万二千トンであります。石灰窒素一トンを作るに要るカーバイドの量を工場により幾分の差はございますが、平均いたしましてトン当り七百五十キロといたしますというと、石灰窒素三十九万二千トンを作るに必要なるカーバイドは二十九万四千トンということになります。生産いたしました全カーバイド三十七万三千トンから二十九万四千トンを引きますと、七万九千トンということになるのでありまして、この石灰窒素以外の七万九千トンという数字は当初このくらいのものができるだろうということを考えました数量より幾分上廻つた数字ではありまするが、二十六年十二月末に繰越しましたカーバイドが三万八千八百十六トンということになつております。これを石灰窒素に換算いたしますと約五万二千トンに相当いたすのであります。そこで先ほどもちよつと御説明申上げましたが、このカーバイドを主として重点的に三、四月の需要期までに、石灰窒素にするというふうな指導をいたしまして、去年の十月には二万三千トン、十一月には一万九千トン、十二月には二万七千トンという実績であつたものが一再には三万三千トン、二月には三万四千トン、三月には四万四千トン、四月からは四万八千乃至五万トンというところまで上げて行くつもりであります。御指摘のような点につきまして、今カーバイドの配給統制もないのでありまして、詳細にはわかりませんけれども、とにかく非常に窮屈な電気を特に肥料増産のためにとつてやるということを私ども常に主張しております立場からいたしますと、もらつた電気を最も適正合理的に使つて、單位当りの電気から石灰窒素の増産が少しでもできるような態勢を作りまして、関係官庁と業者が一体になりまして相戒めて行く、いやしくも飯島委員のおつしやるようなことのないように、厳格に増産協議会を活用してやつて参りたい。時期的に言いますと、或る区間を石灰窒素を少し何して、カーバイドのほうの出荷が予定より多いというようなこともありまするけれども、私どもとしては全体を通じては、そういうようなことのないように厳重に指導をして参りたいと、かように考えております。
  64. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 只今の御回答で大体了解したのですが、只今三橋委員からも御質問があつたようにこの三、四、五月という月の需要給供を拝見すると、一番大事な三、四月とも、いずれも供給不足、而も一万二千トンという供給不足をよんでおるわけでありますが、実は私どももこういう事態が来ることを懸念をして、先般の質問においてそういうカーバイドを他に転用する  ことは一つ厳重に注意して頂きたいということを申上げたわけであります。只今の御回答によりますと、増産協議会等を通じて相戒めるというお話でありましたが、私は転用の事実の顯著な工場はおわかりになつていることでありますから、そういう工場に対しては三、四、五、こういう月の他の用途に向うカーバイドの生産を一応中止せしめて、全力を挙げて石灰窒素を製造させるような措置がとられるかどうか、この点を一つ伺いいたしたい。
  65. 柿手操六

    説明員柿手操六君) そういうふうに工場別にこの工場はカーバイドをどの程度出す、又は全部石灰窒素にして出すというふうに個々に工場に廣報を以て指示をいたしております。御希望のようなふうに強力な指示をして参りたいと、かように考えております。
  66. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 これは最後は希望を申上げておきますが、どうか農林省、それから通産省或いは安定本部その他関係のかたたちにおかれまして、とにかく石灰窒素の不足に対する需要者、農民の不安と、それからこの不安から来る一つの人気高、これは相当の深刻の度をよんでおりますので、この点十分勘案なすつて頂いて、この一番最大の需要期である三月、四月の供給不足に対しては強力、全力を集中して何とか一つ私が先般御指摘を申上げたようなそういう事実が農民、生産者側に伝わりますと、やはりこの中央部に対しても非常によくない影響、政治的な影響をもたらして参りますから、そういうことがないように善処されんことを、私は要望しておきます。
  67. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 柿手肥料部長に一応伺つて見たいと思うのですが、心配しておつた肥料はお蔭様で御承知の通りに、石灰窒素を除く他のものは大体順調に行つております。そこで、石灰窒素だけが需要と供給の面がマツチしないでおるのでありますが、私はこれは、ほかの肥料と違つて石灰窒素は、メーカーは非常に製造コストが高くなる、高いならば高いなりに思うように売れればそうでないと思うのだが、それがうまく行かないために、現に工場ががあつても製造を停止したり、それが原因のために結局思うような増産ができず、今飯島委員からお話のあつたカーバイドヘの転用もそうだと思う。そこで、幾ら高くても売れるというならば問題はないが、それがそうでないがために、生産してもコスト高になるからうまくないということになつておると思うのですが、その点どうか、お聞きします。
  68. 柿手操六

    説明員柿手操六君) 増産をすればコストが高くなるから増産をしないということは私はないように思うのであります。増産をすれば、それだけコストが安くなる。ただ電気の事情が非常に御存じのような状況でありますので、なかなか我々が主張する通り思わしくないという状況でありまして、増産をすれば必ず原材料の価格に高騰がない限りは、原材料が同じであるならば、物価が変らんとすれば、増産すればそれだけ原価は下るのであります。大体コストのうち三割ぐらいは生産の如何にかかわらずかかる固定費があるのであります。増産すれば固定費分は下ります。併し又原料の原單位も増産することによつてやはり下つて来るということでありますから、両方面から増産できれば必ず下つて行く、こういうように考えております。
  69. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 石灰窒素は、私に言わせると、何か方法を講じてやれば又できると思う。と申上げますことは、御承知の旭川の工場は今休んでおる。私もこの間行つて来たんですが、なかなか製造しても高くつくので、休んでおります。これは電気の事情もあるのですが、今柿手部長は、増産すれば安くなると言われたが、私はそれを言つておるのではありません。増産してもその割合に儲からん。高く売れないから、石灰窒素は非常に電気を食う仕事なものですから場所によつてはどんどん製造してもその割合に儲からんということは、これはもり業者の論ですから、そういうので思うように増産ができないじやないか。若し政府のはうで何らか措置がとられて、旭川工場なんかは遊んでおるのですから、そういうものを動かせば何も今石灰窒素の不足なんということを言う必要はない。ところがそう行かんものですから、殊に北海道は電気が高いために引合わん、こういうふうになつておりますが、そういうところから見ても、やはり製造コストが高くつくからたくさん製造すればするほどどうもうまく行かないということになつておると思うのですが、それと違いますか。
  70. 柿手操六

    説明員柿手操六君) 現在のところでは増産したいから電気を増配してくれというメーカーのほうからも要望がありまして、それが思う通り行かないのは、電力の割当が行かないということだけが増産の隘路になつておるようなわけでありませんで、今少し電気の割当をやるから増産をしろというのに対して、どうもそう作つても高くは売れんし、引合わんから、電気を割当ててもらつても作れませんというのが目下の状況であります。
  71. 宮本邦彦

    ○宮本邦彦君 私は非常に素人のようなことを申上げて相済まんのですが、肥料が安く農村に入るということは、これはもう欲しいことであり、同時に又今不足しておるということも現実の問題なんです。先ほどから皆さんのお話を承わつておるのですか、私この問題はもう少し柿手さんから資料でも出して願いで、少し研究さしてもらつたらどうかという気もするのです。と申しますことは、これは根本問題は、いつまで行つたつて、三橋先生から今統制のようなお話もあつたけれども、一方御存じのように、石灰窒素というのは、最も化学産業、化学繊維の方面と関連の深い化学肥料なんです。従つて、これは必ずしもカーバイドが横に逃げたからどうということは取締ることはできないじやないかと思う。根本的には、それはできればもう少し研究したいと思うのですが、現在日本の国にあります石灰窒素の工場、その工場の生産能力、キヤパシテイ、一体そういうものはどれだけの施設があるものか、そうして戦後どういうような発達をして、どういうような加工をやつておるか、それから関連産業として、カーバイドだけを作つておる、或いはそれが化学繊維のほうと自由にゆききしておる工場というものはどの程度あるか。それから、できれば極く大ざつぱなもので結構ですが、電力の割当がどういう順位でやつて来ておるか、電力の割当の順位は実は余り高くないと思う。私はもつと上げていいじやないかと思う。そういうことと、それからコストが、実際に皆さんのほうでお考えになられるコストが、石灰窒素の値段の問題が非常にやはり問題です。コストは一体どのくらいかかるものかというようなことが極く概略ででいいですけれども、資料として頂けるならばお願いしたいと思うのですが……。
  72. 柿手操六

    説明員柿手操六君) 石灰窒素の工場のキヤパシテイその他の形営の実態に関する資料は取りまとめまして御報告いたします。それからカーバイドの横流という言葉はちよつとどうかと思うのでありますが、今カーバイドの統制はやつておりませんから、法律的には、それはお説の通りでありまするけれども、石灰窒素肥料の増産のために、特に非常な電力上窮屈な際にかかわらず、石灰窒素工場に、飛躍的に今度五十万トンにしよう、四十万トンそこそこのものを五万トンにしよう、何割増すために電気をよこせということを言う以上は、電気はその目的のために使うということは行政指導によつて強力にこれはできると思いまして、先ほど飯島委員お答えしましたように、公式に協議会を開いて相戒めることは勿論でありてまするが、公文等でいろいろな指示をいたして、事実上それは一トンも間違いないようにとは行きせんけれども、とにかくそれに近いように指導して参りたいというように考えております。それから、コストの問題でありますが、これは私どもといたしましても、生産指導の面から常に検討はいたしております。手許にあることはあるのでありまするが、これは役所の機構から申しまして、物価の問題は物価庁が主管を持つておるということになつておりまして、先般も衆議院の農林委員会において、コストが問題になりまして、物価庁のほうからそのコストの調べを出しまして、どういう形式か私存じませんが、御報告したはずだと思うのであります。物価庁のほうにも伝えまして、御要望の点をできるだけ御説明するように申上げておきたいと思います。
  73. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 大分時間も経過いたしましたので、本日はこの程度にいたしたいと思います。日程に載せました特需木材の件、これは先般三浦委員から御発言になつた問題に関連してでありますが、この特需の問題の件と、河川法及び道路法改正の件は後日に譲りたいと思います。なお請願及び陳情の件は、文書表の第一回乃至第五回報告によつて委員会に付託せられた請願及び陳情はお手許にお配りしてある一覧表の通りでありますが、便宜上こちらであらかじめ調査をした上で御検討を願いたいと思いますので、よろしく御了承を願います。  では本日はこれで散会いたします。    午後四時一分散会