運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1952-02-21 第13回国会 参議院 農林委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年二月二十一日(木曜日)    午後一時三十四分開会   —————————————   委員の異動 二月二十日委員清澤俊英君辞任につ き、その補欠として、小林孝平君を議 長において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     羽生 三七君    理事            西山 龜七君            片柳 眞吉君            山崎  恒君            岡村文四郎君    委員           池田宇右衞門君            瀧井治三郎君            宮本 邦彦君            森田 豊壽君            飯島連次郎君            加賀  操君            小林 孝平君            三橋八次郎君            松永 義雄君   政府委員    国税庁長官   高橋  衛君    農林省農地局長 平川  守君   事務局側    常任委員会專門    員       安楽城敏男君    常任委員会專門    員       中田 吉雄君   説明員    農林省農地局管    理部長     谷垣 專一君    農林省農地局建    設部長     櫻井 志郎君   食糧庁総務部長 松任谷健太郎君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○農林政策に関する調査の件  (土地改良並びに農地及び農業用施  設の災害復旧に関する件)  (昭和二十六年度米超過供出及び  匿名供出免税措置等に関する件)   —————————————
  2. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それではこれより委員会を聞きます。  本日の議事日程土地改良並びに農地及び農業用施設災害復旧の件に関してであります。土地改良並びに農地及び農業用施設災害復旧は、農業を維持育成する上においてその基礎をなす最も重大な問題であるわけであります。従つて、これが完遂に対し、かねて関係各方面から極めて熾烈な要望があるのでありますが、現状においてはいろいろな制約によつて、所期する成果を挙げるためにはまだ多くの問題が残されておりますので、今日は農林省当局からこの問題について、事業計画及びその実施に関する従来の経過、現状及び将来、事業施設に関する政府方針の変遷及び現況並びに事業実施上の問題点等について説明を聞き、審議を行いたいと考えるわけであります。今日は農地局長が都合惡くて、農地局建設部長の桜井さんが出席されて説明されることになつております。
  3. 櫻井志郎

    説明員櫻井志郎君) それではお手許にお配り申上げております資料を基本にいたしまして、簡單にお話申上げます。  第一番が、「第一表、昭和二十六—二十七年度予算による二十七—二十八年度における積極的増産効果」という、そういう見出しになつておるやつでありますが、先ずお詫び申上げておきますが、昨日委員会のほうから御連絡がありまして、きめられた資料を提出するようにというお話がありましたそうですが、それを担当いたしておりました者が急病で休んでしまいまして、甚だ申訳ない資料で御説明申上げることになりますが、惡しからず一つお許しを頂きたいと思います。第一表につきましては、これも御指定の項目でございますが、二十六年度予算及び二十七年度予算の執行によりまして、二十六年度予算によりましては二十七年度にどういう増産効果を発生するか、現在要求いたしております二十七年度予算がそのまま国会で議決されると、こう仮定をいたしますならば、それが二十八年度にどういう増産効果を発生するであろうかと、こういう表でございます。その中に入りまして、補助事業——灌漑排水土地改良開墾干拓、その他、小計と、こうございまして、この二十六年度現在執行いたしております事業内容をそこに一覧表にいたしました次第です。先ず灌漑排水予算から申上げますと、八十八億三千一百万円、そのうち国の財政負担は五十八億九千万円で、あとは県若しくは受益者地元負担であります。それによりまして増産効果を発生するいうふうに私どもが考えております面積は十四万二千百六十八町歩、それによりまして二十七年度以降増産を継続する可能性のものが四十一万三千石、こういうことに計画をいたしております。以下同様土地改良につきましては、そこに挙げました数字によりまして、その増産効果は十二万七千石、開墾のほうといたしましては七十一億九千七百万円の事業費で、四十四億五千七百万円の国家支出ということによりまして三十九万七千石、この開墾の三十九万七千石は当該年度のこの予算だけによる増産効果ではありません。と言いますのは、開墾は御承知のように初年度は非常に土地が未熟でございまして、増産効果が少い。二年目、三年目、四年目、五年目というふうに漸次増産効果が上つて参りますので、終戦直後から実施しております緊急開拓による開拓熟地化による増産効果も併せてここに考えておる、こういうことでございます。それから干拓、十七億八千二百万円、その増産予定面積が四百二十二町、増産予定量が三万二千石、これは干拓のほうは御承知通り予算の計上が割合少いのと、事業進度が非常に遅れております関係上、まだその増産効果を発生する面積が非常に少い。後年度におきましてこれが強く増産効果を出して来ることになります。「その他」とありますのは、これは防災施設その他を含めましたものでございます。以上の二十六年度現在実施いたしておりますもの、災害を除けましてでございますが、総事業費二百十六億八千万円余、国の財政負担が百三十八億三千三百万円、これだけの仕事によりまして二十七年度増産効果を発生されると、こう考えられますものが九十六万九千石、こういう計画にいたしております。
  4. 羽生三七

    委員長羽生三七君) そこでちよつとお尋ねしたいのですが、この「国家支出」という欄に括弧して「融資」とありますね。これは融資を含むということなのでありますか。
  5. 櫻井志郎

    説明員櫻井志郎君) この金額には融資は含んでおらないはずでございますが……。
  6. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 純粋な国の財政支出だけ……。
  7. 櫻井志郎

    説明員櫻井志郎君) 当初予算の百二十億、それから積寒地帯補正予算で組んで頂いた二十億、あれを加算いたしたものでございます。ちよつと私、この表を作つた者が休みましたのでわかりませんが、この国の財政負担と、それから地元負担に対しまして最高八割までの融資をすることができるとなつておりまして、あの農林漁業資金融通特別会計融資地元負担にも融資いたしておるわけでございます。その分を含んでおると、こういう意味融資と書いたんじやないかと思いますが、間違いがありましたら後刻訂正さして頂きます。  それからその横に行きまして、二十七年度と書いておりますのは、先ほど申上げましたように、今要求いたしております予算がそのまま議決されるものと、こう仮定をいたしました数字でございます。  それから次の非補助事業でありますが、この非補助事業融資事業融資だけによる増産効果というものを考えてみたわけであります。合計いたしまして二十六年度事業が完成いたすとしますれば、百十七万一千石、それから二十七年度の現在計画いたしておりますものが、完成すると仮定いたしますならば、二十七年度事業だけによる二十八年度増産量が百四十八万石、こういう数字でございます。
  8. 松永義雄

    松永義雄君 ちよつと聞きたいのですけれども只今八割まで融資ということをおつしやいましたね。それは法律上そういう規定になつているのですか。
  9. 櫻井志郎

    説明員櫻井志郎君) 政令で地元負担最高八割まで融資することができるということだつたと記憶いたしておりますが、実際の融資額はそれよりずつと小さいのです。
  10. 松永義雄

    松永義雄君 補助事業と非補助事業、これも法律で書いてあるのですか。補助し得る場合と非補助の場合と、その事業種類について法律で何か定義が書いてあるのですか。
  11. 櫻井志郎

    説明員櫻井志郎君) それは後刻ちよつと申上げようかと思つておりましたのですが、現在融資事業、金庫の金を融資する場合に、補助事業地元負担分融資するものと、全然国の財政補助のないもののみに融資する場合と二通りございますが、今の御質問の、どういうものをそれは非補助事業としておるかと、こういうお話かと思いますが、大体におきまして団体が行います土地改良事業を現在では非補助事業としておるわけであります。原則的には、併しこれは御承知通り積寒地単作地帯措置法できめられました積寒単作地帯につきましては、補正予算団体営の、一定の基準以上の土地改良事業は、補助対象になることになりましたが、その積寒地帯におきましても、農林省できめております基準以外のものは非補助になる。それからもう一つ積寒法で指定されておる地域以外におきましては、原則的には団体営土地改良補助対象にされておらない。従いまして、そこで行います団体営土地改良事業は非補助事業であり、融資対象としては非補助事業への融資、こういうことになるわけであります。  それでは第二枚目でございます。甚だ惡い印刷で申訳ないのでございますが、これは過去の実績がどうかという質問に対しまする数字でございます。で、左側の表は「かんがい排水事業完了実績」、括弧いたしまして昭和二十二年度から二十五年度まで。で、国営事業、県営大規模事業と、こういうふうに分けまして、二十三、四、五と各年度別にそこに記載をいたしております。例えて申上げますならば、国営事業では昭和二十三年度地区数三、受益面積一万町余、総事業費千二百万円余、それによります事業が完成しての増産効果五万六千三百二十四石、こういうふうに各年度完了したものにつきまして記載をいたしております。それからその横に行きまして「小規模土地改良事業完了実績」、二十三年度から二十五年度まで。その小規模土地改良事業で御覧頂きますと、昭和二十四年度におきましては、小規模土地改良事業のうち暗渠排水客土或いは農道というものが棒を引いてあります。それからなお、二十三年度に比べますと、用排水機械揚水、合せまして、例えば二十三年度面積といたしまして約三十万町歩対象になりますが、二十四年度はがたつと落ちておる、こういう点がございます。これは昭和二十四年度は御承知通り例のドツジ予算ということにおきまして、原則的には二十四年度から団体営土地改良事業予算の上から抹消された、こういうことでございます。で、そのうち特別に団体でありましても、特別に規模が大きく地元負担だけではどうしてもやれないという極く一部のもののみ継続しておるものであります。一部のもののみ取上げまして、ここに細々と用排水区画整理だけ補助を継続した、こういうことでございます。二十五年度になりますと暗渠排水客土農道というものが入つておりますが、これは北海道だけでありまして、内地は相変らずこの表には出ておりません、合計で出しておりますから出ておりませんが、二十五年度も引続いて内地では暗渠排水客土農道というものはないわけであります。  それから次の第三枚目でございますが、これは今度は開墾実績がどういうふうになつておるか、及び入植実績はどういうふうであるかということを表にいたしましたわけであります。これは緊急開拓実施されました昭和二十年度から二十五年度までの数字をここで集計して見ました。事業の種別といたしましては国営でやつております大規模国営開墾と、それから普通の国営開墾、それに委託をいたしております代行開墾及び小さな補助開墾、この四つの種類のものの集計をいたしまして、二十五年度までの計を出しております。これによりまする開墾面積合計いたしまして四十三万五千町歩入植戸数は十三万七千強、それから増反者既成農家でありましてこの開拓地から開墾地を受けておりますそういう増反農家は五十九万七千戸強、こういう数字なつております。次にその右側のやつは干拓関係であります。国営直轄及び県に委託しております代行干拓、こういうものを合せまして七十七地区、そのうち開田計画がどうであり、開畑計画が幾らある……合計といたしまして、そのうちには二万五千町歩強干拓計画を持つている。それから二十年度から二十四年度までの完了地区はどうであるかということをその隣りの欄に記載いたしております。それから次は本年度国会にお願いいたしております計画でございます。
  12. 羽生三七

    委員長羽生三七君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止
  13. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 速記を始めて。それでは次に災害関係について説明を願います。
  14. 櫻井志郎

    説明員櫻井志郎君) 甚だ資料がばらばらで申訳ございません。災害関係でございますが、災害復旧事業費進度表というこういう一枚刷、それで先ず申上げます。災害復旧事業費進度表という表で御説明申上げますと、災害全体といたしまして、Aの補助事業と、末項に記載しておりますBの直轄事業、この二つに分けておりまして、Aの内訳から御説明申上げます。補助事業の総事業費千二百六十億五千五百万円、こうなつております。これは昭和二十二年に発生いたしました災害から二十六年に発生いたしました災害累計額でございます。それが千二百六十億、こうなります。その千二百六十億のうち二十六年度までにどれだけの事業をやつたかというのが、その次の欄の五百六十七億五千八百万円という数字でございます。従いまして昭和二十二年から発生いたしました全体の災害のうち、二十七年度以降に残つております工事費でございますが、これが六百九十二億と、こういう数字になるわけでございます。その内訳を申上げますと、一般災害鉱毒被害とございまして、一般災害で申しますならば、例えば二十二年に発生しました災害が二百六十五億五千万円ありまして、それが二十六年度まで、本年度までに二百五十三億の工事が完成されることになるわけでございます。従いまして二十七年度以降になお残ります災害というものは十一億七千万円、全体のうち五%だけ残つている。こういう数字になります。で、二十三年災、四年災、五年災、こうございまして、二十六年災は秋のルース台風を含めまして農地関係全体の災害が三百二十一億七千八百万円、こうありまして、本年度補正予算でやつて頂くことになりましたものがその中の九%の三十二億七千九百万円、こうなります関係上、二十七年度以降に残ります二十六年までの発生災害が二百八十八億という数字に上る、こういうことでございます。従いまして、一般災害全体を集計いたしますと、二十二年以降二十六年までの災害のうち四五%だけが二十六年度までに片付けられる。五五%が二十七年度以降に繰延べられる、こういうことに相成るわけであります。
  15. 松永義雄

    松永義雄君 ちよつと質問……、これは総事業費(A)と書いてありますね。これは予算に計上されたのですか。これだけの仕事をしなければならないということですか。
  16. 櫻井志郎

    説明員櫻井志郎君) これが災害臨時措置法にきめております国の補助対象になる災害です。工事費の総額がこれだけある。そのうち二十六年度までに五百六十七億というものが片付けられ、この三月までに片付けられることになる、こういうことになるわけであります。
  17. 松永義雄

    松永義雄君 (B)というのは予算ですか。これは二十六年度までに計上された予算があつて言うのですか。
  18. 櫻井志郎

    説明員櫻井志郎君) これは予算に対応する工事費でございます。
  19. 松永義雄

    松永義雄君 実際の工事をやつたという実績じやないのですね。
  20. 櫻井志郎

    説明員櫻井志郎君) 二十五年度まではやつたものであり、本年度のものは三月までに片付けられる予定のものでございます。
  21. 松永義雄

    松永義雄君 そうすると、二十六年度までに計上された予算は、予算一ぱい使われて、それは実績を残す、こういうことなんですね。
  22. 櫻井志郎

    説明員櫻井志郎君) 三月末日になつたものと仮定いたしますならば、五百六十七億に該当する工事が完了した、こう見て頂いていいわけでございます。
  23. 松永義雄

    松永義雄君 わかりました。
  24. 池田宇右衞門

    池田宇右衞門君 今の御説明によりますれば、災害が二十二年度から二十六年度までで四五%だけは工事が完成したが、あと五五%完成しないと言えば、二十二年から三、四、五、六、五カ年の工事のうちに、勿論二十六年度災害が一番大きいという結果がここに証明されているだろうと思いますけれども、若し二十二年度工事が五年の後になお片付かない、同時に五年間も地方に対する災害復旧助成金が行かないというようなことに相成つておれば、その地方における災害を受けた町村は非常な苦痛の中に追い込まれて来る。私ども地方視察におきまして、常に災害復旧費が二年も三年もたつて、もう我々の自力によつて相当借財を生じて、復旧に努めたにもかかわらず……こういうことを始終意見として聞くのであるが、これらに対しましては順次補助金を支給いたしまして復旧に努めているかどうか。又、(「説明説明」と呼ぶ者あり)今後これらのものに迅速に補助金を支出して復旧させるという計画が立つているかどうか。この二点をお聞きいたします。これは重大なことですよ。
  25. 羽生三七

    委員長羽生三七君) なお念のために申上げますが、今のような補助金の問題になりまするというと、むしろこれは局長大臣のほうが適当だと思います。只今池田議員の御質問御尤もでありますが、お答えを願つたあとは成るべく今日は説明に重点を置いて、これを基礎にして適当な時期に次官なり大臣から……。今の池田さん御質問関係は重要だと思いますので、又改めて……。
  26. 池田宇右衞門

    池田宇右衞門君 了承いたしました。
  27. 櫻井志郎

    説明員櫻井志郎君) それでは一般災害復旧事業進捗状況図を御覧頂きますと、凡例にございますように、例えば昭和二十三年度をとつて申上げますと、横線から上に出ております百二十六億、これは上の凡例にございますように当該年度繰越額、こうなつております。百二十六億というものが繰越額、その上に斜線のハツチングをしてありますのは当該年度に新らしくできました災害、二十三年度で言いますと百六十九億の災害ができている。合計いたしまして二百九十五億の災害がそこに……。それからその横線から下を御覧頂きますと、ちよちよんとやつておるのがございますが、それが五十六億とこう書いてあります。この五十六億というのは、上の百二十六億の繰越額に対しまする当該年度補助をつけた工事費でございます。それから菱形みたいに書いてありますのが三十四、合計いたしまして九十億と書いてありますのは新規災害に対する当該年度割当工事費、つまり追加予算補助を出してもらわなければいかん工事費が三十四億、つまり二十三年でいたしますと、その前からの災害とその年に発生した災害と合せまして二百九十五億あつた。その二百九十五億に対しまして二十三年度どういうふうに災害をやつてもらつたかということになりますと、前年からの災害に対して五十六億、当該年度に発生した災害に対して三十四億、合計九十億の災害をやつてもらつた、こういうことになります。従いまして二百九十五億から九十億を引きました二百五億というものが二十四年度に繰越される。それが二十四年度柱状図を御覧になつて頂きますと、横線から上に二百五億、これが二十三年から繰越されて来た災害である。こういうふうに御理解を頂けるわけでありますが、この図面を御覧頂きますと漸次柱が長くなつて行つている。長くなつて行つているということは、例えば二十三年度では前年から繰越された災害が百二十六億であつたものが、二十六年で見ますと前年から繰越される災害が五百四億に及んでいる。で、本年発生いたしました災害工事費三百二十一億を加えますと、八百二十五億というものになる。こういう図でございます。これに対しまして今年度は繰越された災害に対して、百五億の工事費、それから追加予算によりまして三十二億の工事費合計いたしまして百三十七億のものを二十六年度に片付ける、こうなりますので、六百何十億というものが二十八年度に繰越す、従いまして、災害繰越額がどんどん累増して行つておる、こういうことを御理解頂けると思います。
  28. 松永義雄

    松永義雄君 それはどういうわけですか。
  29. 櫻井志郎

    説明員櫻井志郎君) 災害発生高に対しまして国の補助が伴わないと申しましようか、少い。従いまして、残額がだんだん累増して行く、こういうことでございます。
  30. 松永義雄

    松永義雄君 自然現象が年々荒れて行くというのか、今まで災害があつたけれども補助額が少くて、実際はもつと余計出さなければならなかつた額を、ここでまあ幾らかゆとりができたから殖やして行くか……。
  31. 羽生三七

    委員長羽生三七君) つまりこういうことでしようね。自然現象予算が追付けないのだということですね……。速記をとめて下さい。    〔速記中止
  32. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 速記を始めて下さい。
  33. 櫻井志郎

    説明員櫻井志郎君) 団体への灌漑排水と、いわゆる団体土地改良がございます。この団体土地改良の国の財政援助あり方というものと、農地関係災害復旧あり方というものに関連性があるのではないかということを、先ほど申上げたことに対して追加さして頂きますが、団体土地改良事業というものが、国の財政援助対象なつておりましたのは、御承知通り昭和二十三年度まででございますが、それが二十四年度から打切られた、こういうことが、一つはそういうような国の財政援助があるとすれば、農業団体はそういう土地改良事業をやるものとすれば、施設効果が十分発揮される、又耐久力のあるものができ上る。ところがそういう財政援助がなければ、私どもから考えれば、例えば、金を借りてやつてもなお採算がとれるというものでありましても、農民団体は自発的にやろうとはしないことからいたしまして、つい災害を受け易いものが放置され、又それが現実に災害を受ける、こういうことも一つの原因ではなかろうかというふうに考えております。
  34. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 私は災害復旧進度表で、この進度表実績というものは、政府補助金なり、或いは政府からの融資、公式に出た補助金なり融資の額から逆算と言いますか、それから計算された実績であるので、補助金も来ない、或いは正式の融資も来ないけれども、村で皆が出し合つて実際にやつておる、こういうものは実は或る程度あると思うのですね。これはこの表には出ておらないだろうと思う。そういうところはやはり相当高い金等を借りて、実際上これは政府援助が待ち切れないという意味でやつた所が相当あると思うのですが、これは入つておらないと理解しているのですが、そういうものは……。
  35. 櫻井志郎

    説明員櫻井志郎君) 今の片柳さんのお話通りでございます。
  36. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 それはその調査はされておりませんか。
  37. 櫻井志郎

    説明員櫻井志郎君) これはいわゆる確実な調査統計数字は持つておらないのでありますが、大体の推定数字、或る程度の報告と私ども推定とを加味いたしましたものが、従いまして統計としては甚だ不確実のものでございますが、大体の傾向を察知し得るという程度のものでございましたら、後刻表を提出いたします。
  38. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 そういうものがありますと、その農林省のあれから見れば、過年度災害でまだ復旧しておらない、要するに今後政府が面倒をみるべきだということになつておるのですが、今後予算がとれてやつて行く場合に、実際相当の犠牲を拂つて、目前でやつたところと、それから全然やらんで待つているところと、こう二つあると思うのですね。どつちを先にするという方針でやつておられますか、これは実はこの間九州へ行つたら実際そういう意見相当出ておるわけです。二つの解釈が立ち得るのではないかと、こういうような感じもするのですが、どんなような方針でお進みになつておりますか。
  39. 櫻井志郎

    説明員櫻井志郎君) 先にやつたものと、まだやらないで待つておるものと、補助対象の扱いをどういうふうにしておるかということでございますが、これに対しましては、もとより全然逆な見方二つ立つと思うのです。少し話がくどうございますが、先にやつたということにつきましては、どういうそれじや見方でやつたか、例えば農協あたりから金を借りてやつたと、こう仮定いたしますと、借金の利子というものがあるのじやないか、補助金が来るまでの借金の利子というものがあるじやないかという見方がありますが、全然逆の見方から見ますと、どうであろう。先にやつたことは先に増産効果を挙げているじやないか、やらなかつたものはやれなかつた、やらなかつたのじやないやれなかつた、こういう見方、こういう全然逆な見方二つ立ちます。例えば先やつたものは借金の利子があるから、当然先に補助金を出すべきだという意見が成り立ちますと同時に、今申しました逆な意見も成り立つということでございますので、これは私どものほうで実際の予算を処理しております建前から言いますと、どつちを非常に強く取上げて行くということは事実上ございません。
  40. 宮本邦彦

    ○宮本邦彦君 実は農林統計なんかを見ますと荒廃地、潰廃地というような面積がずつと出て来るのです。あの未復旧で終つておる数字がずつと統計に出て来るのですが、あれがずつと残り放しになつているとは私考えていないのですがね、いつの間にか今片柳さんの言われるように復旧されているのじやないか、そういうようなものの推定程度資料でもお持ちならば、適当な機会にちよつと簡単でいいから御説明願いたい、これだけ一つ……。
  41. 櫻井志郎

    説明員櫻井志郎君) 先ほどの片柳さんのお話とあなたのお話、大体これは資料をのちほど出しまして御説明申上げます。
  42. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 一応これで説明は済んだようでありますが……。
  43. 宮本邦彦

    ○宮本邦彦君 もう一つ質問ちよつと申上げてよろしうございますか。……実は私この前ルース台風のときに中国、関西、あつちのほうの視察に参りました。そのときにいずれの協議会でも必ず大きく取上げられた問題は、建設省のほうの工事に対する災害復旧の助成のあり方と、農林省関係災害復旧の助成のあり方とに非常に不公平な点がある、而もそのために災害復旧が非常に困難な状態にぶつかつておるという意見が非常に強かつたのです。で、過般知事会議でもその陳情が非常に強く出て、その具体的な一つの大きな問題が焦点になつたのは建設省関係のほうの災害に対しては、災害の激甚な所、それから頻度の高い所、そういう所は地方の財政と睨み合わせて殆んど全額国庫負担という制度が今日あるのでございます。ところが農林省関係災害復旧費に対しては、過去の南海震災とか、そういつた特定な災害に対しては高率の補助をその都度出した例はあるのでございますが、近年起つておる災害に対しては、そういう措置がとられておらないのでございます。特に今回の、昨年のルース台風の被害などは鹿兒島県、山口県等においては、過去の南海震災以上の大被害を受けておるのでございまして、特にそういう所は従来の補助率では殆んど復旧不可能というような状態のところが多分にあるのでございます。殊に山口県の錦川の沿岸地帯は、あの下流殆んどがそういう状態なんでございます。で、これを復旧するとすれば、低利資金を借りましても、少くとも農業だけによる収入では、この補助金以外の融資を受けたものの償還が半永久的に不可能であるというような状態なんでございます。で、こういうものに対しては、過去にそういう前例があるので農林省当局としてはお考えがあるそうでございますが、若しそういうたお考えに対して、大蔵省あたりと御折衝が或る程度お進みになつておれば、極く簡単で結構でございますから、その経過等を御説明願えたらと思います。
  44. 櫻井志郎

    説明員櫻井志郎君) 今のお話でございますが、簡單に経過と考え方を申上げます。御承知のように建設省でやつておるのと、農林省のやつておるのと不公平があるという見方は、建設省でやつておりまするのは、公共土木災害復旧事業に関する国庫負担法でありまして、こちらの関係補助法でございます。従いまして、建設省の関係のは地方の公共団体のものでございます。町村で申しますと、町村の中の公共土木の災害、いわゆる被害額とその町村の税収というものと比べて見まして税収に対して被害額が或る一定の限度を超えるごとに、国の財政負担率を殖やして行く、結局先ほど御指摘になつたように、非常に極端な場合は殆んど全額国庫負担というような形になるわけでございます。併し農地関係災害復旧補助法から申しますと、公共施設は六割五分、耕地の復旧は五割、こうきめておりまして、殆んど或る町村が潰滅的な打撃を受けましても、その補助率というものは変化がない、こういう現在のあり方でありますがために、非常にいわゆる不公平が出て来る、こういうことでございます。特にルース台風等の場合には御指摘にもありましたが、山口県の錦川沿岸、或いは熊本県、鹿兒島県、その他にあるわけでありますが、そういう大割五分乃至五割の補助率で復旧をいたすと仮定いたしますと、一つの農家の負担が例えば百万円を超えるような負担にもなつて来る、ところがその農家はそれでは一体その負担をどこから生み出すかというと、残つているものは自分の体だけなので、ほかに一切の収入というものがない、こういうひどい災害が出て来ておるわけであります。これはいろいろ要望もあり、御注意もあり、又私たち自身の考え方等もありまして、そういう一定の限度を超えた災害に対しましては高率の補助をやらなければ農地復旧保全ができないであろうという、こういう考え方からいたしまして、過般来改正法律案を立案いたしておるわけであります。その内容は、その町村の農地関係災害額が被害農家一戸当り八万円を超える場合には高率補助をする、こういう考え方であります。そういう考え方でいろいろ事務的に政府関係の折衝は殆んど終えまして、一月でしたか、閣議決定も済ませて議員提出法案ということで話を着々進めておるわけであります。ただ一部ではこれは事務当局の打合せでは二十六年度災害の、そういつた特定災害だけに対して高率補助をする、こういう法案になつておるわけでありますが、そういう二十六年災害に限らず、今後発生するであろう同じような條件の災害に対しても、当然高率補助をすべきである。こういう御意見が議員のかたのほうにございまして、その点で多少大蔵省との意見の食違いが現在残つておるということでございまして、事務的には殆んど手を離れておるということでございます。
  45. 松永義雄

    松永義雄君 この間、ここで御質問しました開拓地の取上げですが、それは一体どういうふうになさるか、契約という言葉が話に出ておつた、どういうふうにしてなさるか、新聞によると農地調整法でやると出ていますが……。
  46. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 只今松永議員からの御質問の点は、先般の委員各位の御意見を参酌しまして、各大臣宛詳細な、こちらから質問書を作りまして今印刷しておるので、それでこの次の機会に大臣の御出席を求めたいと思いますから、お含みを願います。  それでは次に、当委員会宛各団体或いは地方の議会等から参つております陳情の要旨を印刷して、お手許へお配りいたしましたが、例えば一般の土地改良については三百町歩以下の小規模事業に対しても補助を復活することとか、以下順次こういう内容の陳情をここへ印刷したわけでありますが、これについては昨年の当委員会においてかなり討議された点もありますが、なおこの機会に政府側から一応の御回答を、簡単でよろしいから承わつておきたいと思います。
  47. 櫻井志郎

    説明員櫻井志郎君) 先ず土地改良関係予算関係といたしまして大幅に増額するということが出ております。これは過般農地局長から予算要求に関しましてお話申上げましたことと存じますが、二十七年度予算要求におきましては、私どもは輸入食糧も或る程度圧縮して行きたい、数字的に申上げますと少くとも二十七年度予算の執行によりまして、三百万石程度増産規模を築きたい、こういうような形で予算要求をいたしておりまして、財政当局と折衝を重ねたわけでありますが、いろいろ各位の御援助を頂きまして二十六年度予算に比べますと相当の増額になつております、事務当局案は……。数字的に言いますと、二十六年度の当初予算は百二十億、それに補正予算二十億を加えまして百四十億の予算に対し、今国会に提案いたしております予算案は二百十三億、こういう数字なつております。従つてここで言われております大幅の増額云々という言葉に該当するかどうかは、これはまあ各人の解釈になるわけでありますが、絶対値としてはお蔭様で相当延びております。そういうことでございます。  次に国庫補助対象関係の、1の、三百町歩以下の小規模事業に対する補助を復活すること、岡山県でございますが、これは積寒法で指定されております関係の地域におきましては、御承知通り二十六年度補正予算におきましてすでに実施の段階になつております。残された問題はその積寒地帯以外の地域の問題でございますが、今日提出いたしております予算案の中では、ここに挙げられておりますようなものを或る程度は含んでおる。つまり三百町歩以下のものの或る土地改良事業はその予算案の中に含まれ、或る種の土地改良事業政府部内の意見は一致していないというようなことでございます。具体的に申しますと団体営灌漑排水事業、耕地整理事業は一応政府部内で意見の一致を見ておりますが、暗渠排水客土事業、こういうものにつきましては、私どもと大蔵当局との意見の一致を見ておりません。私どもはこういうものも補助対象にしたいという考え方で行つておりますし、大蔵当局はこれを否定しておると、こういう状態でありますので、一部においてはこの点が案としてまだ具体化しておらんと、こういうことでございます。それからそのうちのロ、五町歩以上を補助対象とすることと、和歌山県とございますが、これは積寒地帶分その他特定の地域二十町歩以上ということで進んでおりまして、二十町歩以下のものは全然対象にいたしておりません。従いまして積寒地帶は勿論のこと、そうでない地域におきましても、少くとも二十町歩以下のものを補助対象にするということは当分事務当局といたしましては考えておりません。ハ、百町以上を補助対象とすること、鹿兒島県云々、この問題は今申上げましたことで内容に含まれております。2の、畑地灌漑を補助対象とすること、新潟県、この畑地灌漑につきましては、二十七年度予算案では特定のものを取上げる考えで案を進めております。従いまして国会に提案しております予算の中にも畑地灌漑は補助対象として含んでおります。3、土地改良事業資金の利子を国庫から補給すること、この問題は現在では考えられておりません。それから「一般土地改良」の下へ行きまして「積雪寒冷単作地帶振興臨時措置法による土地改良」の項目で、1、大幅に予算を増額すること、富山県議会議長外とあります。これにつきましては、御承知通り二十六年度は二十億の補正予算を組んで頂いたわけでありますが、二十七年度の現在の予算案の二百十三億の中では積寒予算を約四十億考えております。二百十三億のうち約四十億、従いましてこの要望は相当程度予算案には入つておるということでございます。2、一般土地改良分と別枠の予算とすること、この別枠の予算とすることという意味合いは、これはちよつとはつきりいたさないわけでございますが、どういう意味で提案されたものか、或いは一般土地改良事業という予算一つでき、そのほかに別にこぶ付きで積寒予算と、こういう意味かと考えますが、今申上げましたように二百十三億の中でという政府案になつておるということでございます。3の、配分を一般土地改良分と別扱とすることということでございますが、これは二百十三億の中で積寒幾らと、こう相成るわけでありますので、従いまして配分につきましては一般土地改良分幾ら、積寒分幾らと、こうなることでございます」。それからその「国庫補助対象関係の、積寒関係、1、山間部を潤おすため、対象を拡大すること、2のイ、団体営への補助は次のごとくすることとありまして、灌漑排水が二十町歩以上、暗渠排水客土町歩以上、区画整理二十町歩以上、農道五百メートル以上と、こういうふうな数字を挙げております。この問題につきましては、灌漑排水区画整理につきまして特定の地域は二十町歩以上、一般的には五十町歩以上と、こうなつておりますので、これは普遍的に二十町歩以上ではありませんが、特定の山間地域二十町歩以上と、こういうことになつておりますので、この点では或る程度要望が満たされていることと思います。ただ暗渠排水客土町歩以上ということは、これも特定の地域二十町歩以上ということに相成つておりますので、五町歩以上という段階まで引下げて来ることは、一般土地改良のところで申上げました通り、事務当局といたしましては現在考えておりません。ロの、事業規模に制限を設けないこととありますのは、この意味はやはり事業規模ということでありますから、例えば面積制限等は設けないことと、こういう意味でざごいましようが、これは非常に予算が潤沢であるという前提がとり得るならばこういうことも考えられましようけれども、現在の国の財政上から考えますと、これはちよつと非常に無理な希望であると考えます。3、非補助事業として農林漁業資金の融通を受けているものも、補助対象とすることとございますが、これは一定の基準を以ちまして、例えば百町歩区画整理事業がある、そのうち二十町歩をすでに非補助事業の農林漁業資金を借りて仕事をやつたという場合を仮定いたしますと、その二十町歩分はどけまして、あとの八十町歩補助対象とすると、こういうやり方を以ちまして、この問題は相当程度解決されております。ただ非補助融資を受ける、その上に補助も受けるということは、これは農林漁業の非補助事業資金融通という趣旨から言いましてこれは不可能なことでございます。  それから下に下りまして「災害復旧」、1、大幅に増額すること、高知県云々、この問題は、先ほど予算の立て方、毎年度災害の繰越、新らしい発生等で御説明申上げました通り、事務当局といたしましても大幅に予算が計上されまして、少くとも相当程度規模災害でありましても三ケ年程度で完成したいと、こういう希望は持つておりますが、現状では大体五カ年かかると、こういうことでございます。私どもも同じような希望を持つておりますが、現状では困難があるということで御判断を頂きたいと思います。2、地盤沈下を対象として確立し、同対策の耕地関係補助金を大幅に増額すること、この地盤沈下は、これは東海震災及び南海震災を原因といたしまして、その後引続いておりました地盤の沈下による被害の復旧を対衆にした事業でございます。東海震災及び南海震災の起りました直後に起りました地盤沈下は、災害復旧事業として過去においてやり、まだ一部残つておることは御承知通りでありますが、その後引続いて起りました地盤沈下につきましては、農林当局といたしましては、災害復旧事業であるという主張を頑強に続け、又財政当局は長い間に起つたそういうものは災害復旧とは認めない。災害対策であると、こういう見解の相違を来たしましたが、最後に調整をいたしまして、災害対策、つまり改良事業災害復旧事業の中間的な存在として、現在補助対象としてはつきりきめてやつております。ただこの問題を災害復旧と同様に大幅に補助予算を計上するということは現在困難な状態にあります。それからその横に行きまして、十五万円以下の工事補助対象とすることとあります。この問題につきましては、現在補助対象にいたしておりませんが、ただこういう問題を取上げて行きますと、現在累増して行つている災害がいよいよ累増するということに相成りまするので、事務当局ではまあこれ以上は一つ我慢して頂きたい、こういう考え方で現在処置いたしております。次の2、原形復旧にとどめず、改良復旧をも認めることとありますが、これは現在の法律でも認めております。原形復旧の上に改良を認めておりますが、ただその改良は復旧ではございませんので、幾分補助率を下げている。幾分補助率を下げて改良復旧を認めております。  次に「補助関係」の欄に参りまして、補助関係では、一般土地改良のところにございません。「積寒地」のところに行きまして、1、補助率を引上げることとあります。これは従来の土地改良よりも今度の積寒地の団体営灌漑排水土地改良は約一割程度補助率は下つていることは御承知通りでありますが、これは過去におきまして、農林漁業特別金融金庫の融資というものがなかつた。併し今日ではその金庫がありまして、補助事業でありましてもその補助事業地元負担分に低利長期の融資がなし得るから、まあ一割程度補助率を下げてもいいじやないか、こういうことが補助率を下げている次第であります。2、少くとも四〇%以上とすることというのは、補助率のことであると思います。これも今第一に申上げたことで御了解を頂きたいと思います。  次に「災害復旧」の欄へ入りまして、1、耕地関係七五%、公共施設九〇%とすることということでございますが、現行法では農地関係五〇%、公共施設六五%でございます。先ほど申上げましたように、特別の激甚な災害につきましては、高率補助を適用するような改正法律案を目下提案中であるということで、この点は御了解を頂きたいと思います。2、ルース台風による農業土地施設災害復旧事業費は全額国庫負担とすることとございますが、この点も先ほどのことで御了解を頂きます。3、農地及び農業用施設災害復旧の総額を、この事業によつて利益を受ける耕作者の総数で除した額が五万円を超えるときは、その超過額の国庫補助率を九〇%とすることとございますが、この問題につきましても先ほどから申述べている通りでございまして、この五万円とあるのを今の案では八万円ということで進んでおります。もう一つ大蔵省ではこの八万円を二十六年度だけの高率補助でなければ十五万円、いわゆる恒久法とするなら限度を十五万円にしてくれ、こういう話が大蔵省から最近飛び出しておりますことも附加えて申上げます。  次に「金融関係」でございます。1、融資の枠を増額することとあります。これは融資の枠でありますが、二十六年度は当初全体の枠が六十億、それから追加の六十億、合計百二十億で執行され、そのうち農地関係ちよつと私今忘れましたが、そのうち農業関係は当初の六十億のうち約三十九億三千四百万円。それから追加の六十億のうち二十九億が農地関係合計いたしまして百二十億のうち二十六年度でありますが、百二十億の金庫の金のうち六十八億程度農地関係融資され、又されつつあるわけであります。で、二十七年度は、農地関係に現在では約百億持つて行く、こういう案でおりますので、相当額増額されるということで、この点は御了解を頂きます。2、の借入手続を簡素化することというこの希望は、非常に多いわけでございますが、目下事務当局で検討を加えております。次の1、予算増額困難なときは低利資金を融通することとありますが、これは一つの特定の地区で言つているのか、予算一般的に言つているのか、ちよつと私判断に苦しむのでありますが、特定の地区で言いまするならば、地元負担融資ということはできることでございますし、全般的に言いますならば、予算融資というものがやはり表と裏という形で或る程度処理することになりますので、この希望は或る程度容れられるものと考えられます。その次の、ルース台風による災害の中、緊急復旧を要する事業を速急に実施するため、予備金から至急補助割当を行うと共に、右補助金見返の短期融資を預金部資金で行うこと、(「簡単でいいよ」と呼ぶ者あり)そうですが、これも極く簡單にいたします。(「読まんでもいいよ」と呼ぶ者あり)それではやめて次に移ります。
  48. 森田豊壽

    ○森田豊壽君 要望は可か不可かということだけ聞いておかなければならない。
  49. 櫻井志郎

    説明員櫻井志郎君) 第1の、予備金から補助割当云々という問題は、これはすでに実施されました。それから補助金見返の短期融資を予金部資金で行うことということも、これも行われました。  次に「その他関係」、一番右のほうであります。1.の土地改良区設立手続の簡素化、これも目下考究中でございます。次の2.の、土地改良区組織変更期間を延長することということにつきましては、現在事務当局ではその延長は考えておりません。3.かんがい排水用電力料金及び維持管理費を国庫負担とすること、これにつきましても事務当局では全然考えておりません。曾つてこういう補助予算を要求した例はございますが、これは勿論通りませんでした。4.これはまあ現在いろいろ議論されている問題でございます。5.これは私からお答え申上げるのもどうかと思いますので、大臣局長からいずれお答え申上げることと思います。次ぎは、これは先ほども申した点と殆んど同じでございますので省略させて頂きます。次ぎ、災害復旧関係補助金……これは先ほど御指摘になりました点でございますが、実際災害の発生状況、予算というものから関連いたしまして、現実には不可能に近いということでございます。2.これは私ちよつとお答えできません。3.これもちよつとお答えできません。4.の、二十三、四、五年度に対する災害復旧国庫補助金を打切らないこととございますが、当然これは現在の法律に該当するものは打切りません。  以上でございます。
  50. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 御苦労様でした。
  51. 宮本邦彦

    ○宮本邦彦君 今日は局長、出られないといつて初めちよつと出て、又見えなくなつたのですが、出られないのですか、出るのですか。管理部長見えておるのですが、管理部長局長の代りを勤めるのですか。
  52. 谷垣專一

    説明員(谷垣專一君) そうじやないのです。今局長、何か予算委員会のほうに出ておるのです。ちよつと……。
  53. 宮本邦彦

    ○宮本邦彦君 それを済ませれば来られるのですか。
  54. 羽生三七

    委員長羽生三七君) ちよつとその辺わかりませんから、特別の御質問があれば管理部長に御質問つて、他に格別の御質問もなければ次の問題で……。
  55. 宮本邦彦

    ○宮本邦彦君 じや関連して一つ承わりたいのですが、この間から米軍の演習用地の接収ですか、それから予備隊の演習用地の接収という問題が大分問題になつておるのです。これは昭和十一年十二年頃、北支事変の始まつた頃と同じような状態が実はあつたのです。はつきり申上げますと……。その当時は農林省においては、やはりこれに対して單なる……、この間は大分補償の問題がやかましかつたのですけれども、單に金銭補償とか、或いはそういつた経済的な補償ばかりでなく計画上の、事業計画としての補償対策を実は立てたのでございます。そうして開墾助成もその当時はどこの県に潰地がどれだけできた、軍用潰地ができたというときには、農林省としてその代替地を特に開墾政策に、開拓政策に求めて、そうしてその人たちを優先的にそこに入植させる、帰農させたというような政策を実はその当時でさえ立てたのでございます。で、今日農林省ではそういうことを具体的に計画に入れておられるかどうか、又今後立てられる御意思があるのかどうか、そういうことを先ず取りあえず承わりたいと思います。
  56. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それで私からちよつと御了解願つておきたいと思うのですが、先ほど松永議員の問題と関連して、今の宮本さんからの御発言の問題等を含めて、近く農林大臣に出てもらつて、こちらから詳細な質問要旨を、この間の各議員からの要旨を全部取りまとめて、今作成して印刷中でありますから、それを政府に渡して政府は各部局間で責任のある検討をされた上で御回答願つて、その上で改めて御質問願うという段取を進めて、今印刷をやつておるわけでありますから……。
  57. 宮本邦彦

    ○宮本邦彦君 それでは極く簡單にその予算のうちに一部分でも計画が入つておるかどうかということを承われば結構でございます。二十七年度の要求予算の中に……。
  58. 谷垣專一

    説明員(谷垣專一君) 今の軍用地或いは予備隊の接収地の問題は、農林省のほうとしましては、原則的にそういう農地或いは開拓地を接収しないようにしてくれという申入れを関係方面にそれぞれいたしております。併し止むを得ん場合のことを考えなければならんと思ますが、そういう場合について、特にその連合軍……進駐軍或いは予備隊に接収された諸君に対する代替地という意味の、特にそれだけの意味予算は計上いたしておりません。当然それは農業に精進をする気持でやつておるわけですから、当然私たちのほうといたしましては、そういう場合が起きたときには、入植計画の中に優先順位を高くして入れたい。今のところは、先ず第一いろいろな協定その他については開拓地農地を取らない、こういう原則で話をしております。
  59. 宮本邦彦

    ○宮本邦彦君 よくわかりました。この入植者の、そういつた措置で以てやつて行くということはわかりましたが、そうしますというと、食糧増産対策のあの根本計画の線からは抜けるわけでございますね。
  60. 谷垣專一

    説明員(谷垣專一君) 接収されました土地そのものについては、それだけ一応は面積は減ることになると思います。
  61. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それではこの問題はこの程度にいたしまして、先日当委員会で検討いたしました食糧の匿名供出に関する免税処置について国税庁或いは農林省から地方へ出された通牒について若干疑点があるということで、小林議員から発言を求められておりますので、この問題に移りたいと思います。なおお断わりいたしておきますが、東畑食糧庁長官は衆議院のほうに参つておりますので、食糧庁からは総務部長が来られております。それから国税庁長官が御出席であります。
  62. 小林孝平

    小林孝平君 先般超過供出及び匿名供出に関する免税の問題で本会議並びに当委員会質問をいたしたのでございますけれども、なお幾多の疑点を残してそのままになつておるのであります。その後国税庁長官から国税局長宛の通牒並びに食糧庁長官から各知事宛の通牒を委員会に配布されましたので、これを見ましたところ、この通牒が非常にわかりにくいということがわかつたのでありまして、特に国税庁長官から国税局長宛に出されたのは、これは内部のことでございますので、こういうことで十分理解が行くのかとも思いますけれども、これを受けて食糧庁長官から各知事宛に出された通牒は、これは一般の人には非常に理解がしにくい、現にこの通牒を見まして、各方面から、この通牒は一部ミス・プリントがあるのじやないか、又仮にミス・プリントでないにしても書いてあることがさつぱりわからんという意見が出ておるのであります。そこで私はこれを再読いたしましたら、大体これは国税庁並びに農林省がお考えになつていることは、農林省或いは国税庁の立場としては、これは一〇〇%に表現してある。併し一般の者にはわからんということを発見いたしましたので、これから一般の者にもわかるように一つ説明を願いたいと、こう思うのであります。そこで先ずお尋ねいたしますが、この国税庁長官からお出しになつた通牒の第一項の「匿名供出の事実があつても、この事実により当該農家又は当該市町村の昭和二十六年産米の収量の増加を課税上特に見込むことは、行わないものとする。」と、こういうことが書いてありまするけれども、私たちの承知しておるところ、大体本会議における大蔵大臣の御答弁並びに先般の長官の御答弁によりますと、これは当然なことであるはずでございます。こういう当然のことを特に長官から局長宛に通牒される必要があるのかないのかという点を先ずお尋ねいたしたいのであります。
  63. 高橋衛

    政府委員(高橋衛君) この一の匿名供出があつた場合に、この事実によつてその人の二十六年産米の収量の増加があつても見ないという点でありますが、お話通り大体当然のことであるというふうに考えております。併しながら例えば具体的な例を申上げますると、一人の農家のかたが我々のほうの調査又は農林省調査にしても同様でありますが、五石の大体収穫があつたというふうに調査をして来た。ところが相当に保有米が、保有米と申しますのは、自家の食糧に充つべき必要な数量があるにもかかわらず、相当大量な供出が行われたというふうな場合におきましては、普通自然それはその農家については、我々の調査は一応五石として調査したのだけれども、五石以上の収量があつたのじやないかという観点から、それを調査し直すというふうなことがあり得ないとは断言できないのでございます。従つてそういうふうな事柄を特に強いてなさないと、とにかく一応調査をして、大体事実に即したところの調査ができておつたならば、或いはその人の匿名供出相当多数になりましても、それで以てその人の収穫が匿名供出があつた故を以て収穫が多かつたのだという観点の下に収穫量を改めて見直して、そして所得の増加を見るというふうな事柄はいたさないようにすべきであるということを念のためにここに注意をいたした次第であります。
  64. 小林孝平

    小林孝平君 超過供出がありました際には、それを調べ直すとこうおつしやいますけれども、これは自家用を割いて出しておる場合もあるし、ともかく原則としては収量に基いてその収量に課税するという建前をとつておるのでありまするから、これは当然なことで、こういうことを通牒しなければならないと、而もこれは外部に出すものではなくて、国税局長に出すという通牒でありまするから、特にこういうことを掲げられるのは、従来もしばしばそういう収量に基いて課税しないで、まあとれたのだろうというようなことで課税しておる例がたくさんあるのではないか、こういうふうに我々は了解するのですが、その点如何ですか。
  65. 高橋衛

    政府委員(高橋衛君) 従来匿名供出を行いましたのは昭和二十三年だと存じますが、その後の超過供出とは関連がないと思います。只今お話のような、つまり超過供出が非常に大量であるために、その超過供出の事実を以て調査をし直して行く、収穫量を殖やすというふうなことはやつておらんと私ども考えております。併しながらままそういうふうな事実があつたかのごとき御非難を受けることがありますので、若しも万一そういうふうなことがあつては、全体として調査を紊るというふうな観点から、念のためにこういうふうな注意をいたしておるのであります。
  66. 小林孝平

    小林孝平君 ともかくこれはちやんと税法の基本的な問題であるのを念のために出すというようなことでは、今の課税の方針というものが非常にいい加減ではないかという疑念を一般に與えると思うのであります。私はこの一号のために、今の税務の実績というものが非常に適正であろうと、こういうふうに、想像しておりましたところ、この通牒の第一号で期待が全然崩れまして、どうも一般に言つておるように、税金というのはいい加減にかけられておると、こういうふうに私は了解し、又一般の人も事実この通牒が出たために、そういうふうに了解しておる人があるのであります。この点又後ほどこれに関係してお尋ねいたしますが、先ずこれはこの程度にいたしまして……。  その次は第二項の「昭和二十六年産米に対する匿名供出等にかかる奬励金は昭和二十六年分の収入には算入しないものとする。」と、こういうふうにありますが、この又文句が非常にあいまいであつて、而もそういう事実のないことを書いてある。「匿名供出等」と、この「等」というのは恐らく第一号の「匿名によらない超過供出を含む。」と、この「匿名によらない超過供出」を言うのだろうと思うのでありまするけれども、二十六年産米に対する匿名供出による収入分を二十六年度の課税に算入するということは、これはあり得ない。この収入は二月以降になるのでありまするから、こんなことは素人でもわかることであつて、そういう事案はないにもかかわらず、ここに「匿名供出にかかわる奬励金は昭和二十六年分の収入には算入しない」と、こういうふうに掲げたのはどういう意味でありますか。
  67. 高橋衛

    政府委員(高橋衛君) 従来超過供出というものが、大体大部分が行われておるのは年を越えてからであります。併し過去の実績によりますると、その前年中に超過供出が行われる、超過供出が行われることによつて当然従前の方式に従えば超過供出奬励金を受けるところの権利を発する、従つて若しも十二月までに超過供出が行われ、それに対して超過供出奬励金を受ける権利が発生すれば、それは年を越さない、前の年の所得に算入するのは法律上当然であります。併しながら今回は制度も変つておりまするし、費目も変つておりまするし、従つてその奬励金を受ける権利が現実に発生するという時期が年内には起らなかつたという、起り得べきじやないということが大体はつきりいたしましたので、我々のほうで食糧庁当局に伺つたところでは……。それで地方において、例えば年内に超過供出が行われたということが絶無とは言えないのじやないかと思いますから、そういう場合においても、それに対するところの超過供出奬励金を受取る権利はその後において発生したというふうに我々は考えざるを得ないという観念から、これも念のために政府が誤解を避ける意味において記載したのでありまして、全然無意味だとは考えておらない次第であります。
  68. 小林孝平

    小林孝平君 これはこの間から繰返して申上げた、国税庁長倉は我々が素人だものだからと、これは大臣もそうですけれども、これを繰返して言われて、肝腎のところは少しも言わない。これを非常に恩典のごとく言われますけれども、今御説明になりました昭和二十六年度の十二月までに出しました超過供出は多少ある。それも見ないということは言つてもいいのですけれども匿名供出にかかる分は勿論これは二月以降なんでありまして、ここに匿名供出にかかる奬励金云々という事実は全然ないのであります。これを特にここに掲げられたのは、何かこういう第一項とか、第二項とか、書かないでいいことを書いて、肝腎のこれから申上げますが、第三項の問題になる点をぼかしておる。こう見るよりほかしようかない。今の点どうですか。匿名供出は二月以降ということがはつきりしている。
  69. 高橋衛

    政府委員(高橋衛君) 先ほども小林さんが非常に正確にお読みになりましたように、匿名供出等というのは、第一項に書いてあるように括弧内のことを言うのだろうというふうに正確に御解釈になりましたように、これは文字が或いは足りなかつたかも知れませんが、そういう趣旨で、決して無意味だとは考えておりません。又いやしくも官庁部内の文書につきまして、自分の部下をごまかすということは我々としてはあり得べからざることであります。要するに我々の部内の人間がよく私どもの真意を了解して、そうして誤まりのないように、いやしくもそういうふうな事柄について誤まりを生じて一般に誤解を生ずるというようなことはとるべきことじやございませんから、そういうことを念のために強調しておる次第でございます。
  70. 小林孝平

    小林孝平君 これは先ほども申上げましたように、今申上げているのは部内のことである。ところがこの部内のことを受けて食糧庁が書いている、その食糧庁の文書は、この部内のを受けて書いておるから、誤解が生ずることを一般に知事宛に言つておる、こういうふうになつております。而も部内に出すのは、匿名供出が二月以降であつて昭和二十六年度の収入には算入されない、算入されるかも知れない、こういう疑問を持つような税務官吏があるはずがないと思うのです。念のためにとおつしやるけれども、ちつとも念のためになつておらんと思うのです。如何でございますか。
  71. 高橋衛

    政府委員(高橋衛君) 従前の例によりますと、超過供出奬励金という名前で、いわゆる買入費から支出をいたしました時代におきましては、年内に超過供出があり、年内にその権利が発生して算入した場合が普通なのであります。従つてその従前の場合と今度は変つているということをはつきり部内に周知せしめることが誤まりを来たさしめないゆえんであります。これは当然注意を要する事項であるというふうに考える次第であります。
  72. 小林孝平

    小林孝平君 それは部内にはつきり、私は税務関係のかたがたの常識はどういうものかわかりませんけれども、少くとも普通の、私も官吏の経験がありますが、はつきりさして頂くなら、ここはこう書かなくても、匿名によらない超過供出と、こうはつきり書いて頂けばわかるのであります。非常にわからないことを書いて混乱させておると、こういうふうに見るより仕方がないのであります。長官が強いてそうおつしやるなら、まあこれはこの程度にいたしておきます。  次はこの前奬励金を減免するのはこの法律でやるか、行政的措置でやるかということは、今研究中であるが、大体この奬励金だから、これは出荷奬励金であるから、供出奬励金であるから所得の対象にならんのではないか、こういうふうな御説明があつたのであります。極めてあいまいな御説明があつたのでありまするけれども、ここで問題になりますのは、仮にこの前のような超過供出奬励金だから所得の対象にならない、こういうことでありまするならば、私はこれは一体税法のどこに該当するのであるか。税法の第六條に数項目掲げてあつて、所得の対象にならない條件があつたように思いまするが、どうもそれにも該当しない、こういうふうに私は思うのであります。その点を一点お伺いします。又奬励金だから所得の対象にならない、こういうお考えといたしましても、それは奬励金という本当の内容を言つておるのであるか、或いはこの金が食管特別会計の集荷委託費というものから出ている名目的なものに考えられて、これに課税しないというのか、どちらなのかお伺いいたしたい。
  73. 高橋衛

    政府委員(高橋衛君) この点に関しましては、先般も詳しく御説明申上げたところでありますが、繰返して申上げますならば、今回の超過供出にかかるものに支給すべき金額は、費目が只今お話のごとく集荷委託費というものであるし、又供出されたものに対して支給する方法が相当つております。従つてどもといたしましては、その実体が果して従前の超過供出奬励金と同じ性質のものであるか否かという点、並びに例えばそれが従前のものと同じ性質のものであるといたしましても、それに必要な経費はどの程度であるかというふうな点、その他の点を今後食糧庁において実行のあとから検討いたしまして、それが所得という観念に該当しないと言い得るならば、それによつて当然に現在の税法の解釈上、課税の対象外になりますし、若しも現在の税法の解釈上それが課税の対象外にならないということになれば、立法上の措置で行きたい。政府全体としての方針でありますから、そのことを附加えて置く次第であります。
  74. 小林孝平

    小林孝平君 従来の超過供出といろいろ手続が違う、或いは支出の費目が違う、こうおつしやいまするけれども、仮にこれは自由販売になりましたときに、米を買うのになかなか買いにくいから、一つ特別に集めてくれというようなことで金を出した場合でも所得の対象にならんか、これはどういうことになりますか。政府が買う場合だけ集荷委託費というような名目で出せば所得の対象にならんのですか、その点一つ伺いたい。
  75. 高橋衛

    政府委員(高橋衛君) 所得税法上の課税所得になるか否かという点を農林省の実行の結果検討いたしまして研究いたしたい。そういうふうに申上げておるのであります。
  76. 小林孝平

    小林孝平君 私はこれは実行の結果とおつしやるのは、この間大蔵大臣の御答弁では、匿名供出が非常に多くて税法の執行上行政的にはできないというときには当然立法措置を講ずるというわけであります。こういうふうに御答弁になつておりまして、特に最後に本問題については高橋長官と廣川農林大臣と自分と三人完全に意見が一致していると、こういうふうにおつしやつておりまするから、今の結果を見てというのは、この余計集まるか、少ないかということでございますか。
  77. 高橋衛

    政府委員(高橋衛君) 私が申上げておりますのは量の問題ではございません。その性質、その金の性質が果して課税所得に当るか否かということを十分に検討いたしまして、そうしてそれに基いて課税所得と見なくてもいいという解釈が成立つならば、それは課税外にする。とにかくこの際政府として重要なことは、この匿名供出にかかるところの超過供出奬励金に対しては、とにかく何らかの方法によつて免税するのだという点に重点があるのだと、私ども解釈いたしておるのであります。
  78. 小林孝平

    小林孝平君 私たちも免税にしてもらうということについては全く同じなんでありまするけれども、それは税法上できないものを無理矢理してくれというようなことは申上げておるわけじやないのです。私たちは税法の権威のために、ちやんと税法のどこに該当して、この税法の改正を必要とするか、或いは行政的措置でいいか、長官は集めた結果とおつしやいましたけれども、集めた結果を見て云々というのは数量上のことでありまして、あとは金はもう集荷委託費から出るということははつきりしておる、集荷委託費から出て、それが免税の対象になるようなら、これは第六條の何号に該当するかというようなことは今直ちにもおわかりになる、幾ら素人が読んでも、この第六條の八項目にはどうも該当しないように思う。そこで今後御研究になるというのは、どういうふうに御研究になるのか、研究の方針をお伺いしたいと思います。
  79. 羽生三七

    委員長羽生三七君) ちよつと御答弁される前に……。問題を要約すると、こういうことじやないかと思うのですが、つまり超過供出の奬励金、これは匿名供出も同様でありますが、この奬励金に対しては免税を行うこと、所得税の課税対象としないという原則は政府部内に一致しておる。その場合それを行政的な措置で行うか、立法的な措置によつて行うかはこれから研究する。その研究の場合、今小林委員お話では、先般の大蔵大臣の本会議における答弁では、事情を考慮してという、その考慮が数量と解釈される点がある。数量でないとするならば、現在の諸般の情勢から、集荷委託費であろうと、どういう名前であろうと、あえて将来を待たなくとも、現にこの場において判定が下せるのではないか、そういう点を言つておられると思いますので、数量の点でなければ、現在の名目上ですぐ判断がお付きになるであろうから、この場合答弁してもらいたい、こういうふうに私解釈いたしておりますので、そういう意味も含めて一つ御答弁を願いたい。
  80. 高橋衛

    政府委員(高橋衛君) 委員長から御説明のありました通りに、政府としてはとにかく匿名供出にかかるところの超過供出奬励金に対しては、課税の対象外にするということを根本的に決定したのであります。併しながら、それに対して行政的な措置で賄えるか、又は立法的な措置を必要とするかという点については、その間必ずしも意見と申しますか、十分に検討が遂げられておりません。その結果といたしまして、当分検討いたしまして、結論の出次第、いずれかの方法で決定したいと、そういうふうに考えておるのであります。特に申上げておきたいと思いますのは、昭和二十七年度分の所得税の問題は今後相当期間があるのであります。小林さんよく御承知通り……。従つて今直ちにこの問題と取組んでやいやい研究して、すぐ結論を出さなければならんという事態にもございませんので、我々といたしましては、十分に検討いたしまして、そうして最も法律的にも妥当な正しい方法によつてやりたい、さように考えておる次第であります。
  81. 小林孝平

    小林孝平君 あなたが大分これは先のことだから、今わいわい言わなくてもいい、その結果がさつき申上げたように、一とか、二とか必要のないことを書いてカムフラージユしてしまうということになつて、一年たてばまあ百姓のことだから諦らめよう、又いつもの手を食つたということになるのです。だから今から税法でできないものなら、そんな免税にしてもらわなくてもいい。できるものならちやんと税法を改正してやれ。それから研究とおつしやるけれども、そんな超過供出の出た工合を見て研究なんということはちよつとおかしい。これは誰が考えてもそんなものじやないと思う。大蔵大臣は数量なんと言つておる。長官は何か更にわからんことをおつしやつておる。さつぱり……、研究なんというのは、ちやんと法律のここにあるのを、僕らは法律の專門家ではないけれども、一晩読んで見たらどうも該当しないということはわかつておるのですから、あなたが先般税法を改正しない以上はできないというふうにおつしやつて、我々を初め国民が非常にあなたを支持した。ところが心境の変化を来たされて、大蔵大臣と全く意見が一致してしまつたということになつたから、こういうことに今なつておるのでありまして、甚だ私たちとしては、この手で農家が又うやむやにされるということを心配しておるのです。それから更に、まあこれは幾ら言つても進展いたしませんから、私はこれに関連して申上げておきますが、出工合を見てやるというような話になると、又匿名供出の性格はどういうものであるかというふうに、先ほどの問題に戻つて来るのでありまして、これは衆議院の農林委員会でもお話なつた、そういうのが出たのじやないかと思うのですが、これは飯米を割いて出しておるのだから課税をすべきではないというのが最初の一つ意見なつて出たと思うのでありますけれども、飯米を割いて出しておるのだから課税をしないというようなことで話をしておりますと、これは又大変なことになるのであつて、農林大臣の御答弁を見ますと、超過供出について、普通の超過供出をやつたほかになおまだ米があるようでありますので、特に集荷云々というふうに、農林大臣は飯米を割いてなどと考えていないので、飽くまでも米が余計あるから出させようということでありますから、のちに又大蔵省はこれは飯米を割いたのでないから云々というようなことになつて来る虞れがあるのであります。そこで私はこの際食糧庁にお尋ねいたしますが、この匿名供出は飯米を割いて出しておると、こう考えておるのか、或いは余つておるものを出しておるのだと考えておるのか、一つお伺いいたします。
  82. 松任谷健太郎

    説明員松任谷健太郎君) 匿名供出制度につきましては、御承知通り、とにかく多く供出して頂くというための制度でございまして、その内容としますところが、或る農家におきましては飯米を割いて出して頂くところもございましようし、それから或る農家ではそうでないような場合もあると思うのであります。いずれにしましても、匿名供出という制度に剩つて参る供米ということを考えておるのでございます。
  83. 小林孝平

    小林孝平君 そこで私は最後に結論的にお尋ねいたしたいのは、こういうふうな今までの議論を辿つて来ますと、匿名供出であろうが、超過供出であろうが、片方を免税にするなら、両方免税にすべきであるという議論は当然出て来るのであります。この点この間から問題がぼけておる。特にこの通牒では、第二項では「匿名供出等」、第三項になると「匿名供出」、もう「等」はなくなる。こういうふうに、素人が見るとわからないうちにだんだんと国税庁の方針にはまり込んで来るような通牒が出ておるのでありますが、長官はこの課税の観点からいたしまして、この匿名供出を免税にするなら超過供出も当然免税にすべきであるとお考えになるかどうか、この点。その前に念のために申上げておきたいのは、この前、このお尋ねをいたす前にお尋ねをいたしたら、食糧庁の長官は、いや、この超過供出は一月二十八日に正式に通牒を出した、匿名供出のほうは二月の二日に出したから、その間五、六日しか期間がないから、殆んど普通の超過供出はないであろう。だから考える必要がない、こうおつしやつたのでありますけれども、私は新潟県に帰りましたら、東頸城郡一郡だけで四万石の割当のうち、すでに普通の手続きによる超過供出を八千石出しておるのであります。これは東頸城郡一郡でございますが、こういう例があるのでありまするから、その数量は少いであろうなんということでごま化されるわけには行かんと思います。そこでこの際はつきり普通の超過供出なら免税にするのであるが、免税にしないならば、どういう根拠で免税にしないかという点をお尋ねいたします。
  84. 高橋衛

    政府委員(高橋衛君) 私は責を逃れる意味ではないのでございますが、私が政府委員として権限を有しますのは、国税庁の長官としてでありまして、従つて税制に関する問題、まあその税をとるか、とらんかという問題については私は御答弁申上げる権限がないと思います。
  85. 小林孝平

    小林孝平君 この前もそういう御答弁がございましたけれども、それはちよつとおかしい。それはちよつとあなたが課税をされるのでありまするから、匿名供出のほうに免税という方針がきまれば、それは同時に全く同じであるから超過供出にも免税すべきであると、こういうことを申上げたと思うのでありまして、その点をあなたはどうされますか。とられるときどうされるか。おとりになるかということを聞いておる。
  86. 高橋衛

    政府委員(高橋衛君) 只今までの段階において政府が決定いたしました方針は、匿名供出にかかる超過供出奬励金のみに対して、これは課税の対象外にするということをはつきり方針として決定された次第でございます。
  87. 小林孝平

    小林孝平君 その点は更に大蔵大臣にこれはお伺いいたしますが、それならばもう一つ最後にお伺いいたしますが、先ほどから、この二千円は集荷委託費或いは超過供出奬励金だと、こういうふうな御説明をされておりまするけれども、これも又この前の大蔵大臣の答弁を見ますと、米価七千三十円を九千三十円に売られた二千円について云々と、収荷高ははつきりしておるけれども、この二千円をどうするかと、こういうふうに書かれておるのでありまして、長官はさつきから、これは集荷委託費である、或いは奬励金であると言つておられますけれども、大蔵大臣ははつきりと九千三十円で売つた二千円と、こう言つておられるのです。そこでこの点は、この前大臣は長官と意見が全く一致しておるとおつしやつたのですが、さつぱり一致しておらんですが、どちらが本当ですか。
  88. 高橋衛

    政府委員(高橋衛君) 私は私の意見を十分申上げておりまするし、その点恐らく大臣もさようにお聞きになれば同じことを考えておられることがはつきりするかと考えます。
  89. 小林孝平

    小林孝平君 今日は食糧庁長官もおられないので、ちよつと困るのですけれがも、食糧庁としては匿名供出に免税があれば当然性格が同じだから、超過供出をも免税にするということを大蔵省に要求されますか、されませんか。現にされておるのですか、どうか、もう匿名だけで十分だ、あとはどうでもいい、こういうことをお考えになつているのかどうか、お尋ねいたします。
  90. 松任谷健太郎

    説明員松任谷健太郎君) 長官にその点御相談しましてお答え申上げます。
  91. 小林孝平

    小林孝平君 現在しておるのですか、おらんのですか。
  92. 松任谷健太郎

    説明員松任谷健太郎君) 現在きまつておりますのは、只今国税庁長官の話されました通り匿名供出による超過供出奬励金だけについて免税措置が講ぜられておるという方針なつておるのであります。
  93. 小林孝平

    小林孝平君 現在きまつておる点をお伺いしておるのではなくて、今までそういうふうに要求されなかつたかどうかという点を、当然これは要求すべきであろうと思うのでありまするから、お伺いしたい。
  94. 松任谷健太郎

    説明員松任谷健太郎君) その点につきましては、この通牒が出ましたあとでいろいろ陳情もございました。農林省の考え方といたしましては、いろいろそれらの均衡の点も考えなければならんであろうというふうなことで研究しておるわけであります。
  95. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 大分御両者ともお疲れのようですから、私は極めてやさしいことをお伺いします。それは、この長官から国税局長宛の文書を見ますと、これはなかなか苦心の作のように見えるのであります。一、二、三のところで、特に我々素人が見ると「匿名供出」、それから第一は括弧して、二番目に来ると「等」と変つておる、三番に来ると「匿名供出」になつて何にもない。こういう苦心をなすつたのは、これは一人の作ではないと私は拝察いたします。これが経過なり、この解釈を一つ聞かして頂きたい。特に三番目について「匿名供出」、「等」もなければ括弧もない。これは一体何を意味しているか。それから二番目の「匿名供出等」いう「等」が入つているが、その「等」の内容を一つ明確にして頂きたい。私は極めてこの末節の字句のことを聞いているのですから、その字句が含む内容については一つ総務部長のほうが適任じやないかと思うのです。
  96. 松任谷健太郎

    説明員松任谷健太郎君) 実はこの通牒の点でございますが、国税庁と、出しますときに十分その内容につきまして検討を両方でいたしまして、文中まで実は一致さして出したような次第でございまして、前の一、二の関係につきましては、これは只今小林委員から御質問がありましたような、いろいろの誤解があるというところで、一、二は特にこれを明記して頂きまして、それで行わないというような意思的な表現になつておるのでございます。三につきましては、これは匿名供出にかかる今年の、昭和二十七年、暦年の間の所得課税を、来年の二月の確定申告の更正決定の際にも問題になりますので、それにとにかく税務御当局とされて免税の処置が講じられるようになれば私のほうとしては満足である。如何なる方法によりましても、課税の対象にならないということさえはつきりして、この際農家のかたに供出して頂けるということになりますればと思いまして、かような字句になつておりますのでございます。
  97. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 ではもう一言お聞きしたいのですが、第三の「匿名供出」という下には、これは「等」という文字は初めからなかつたのですか。あつたのが消えたのですか。
  98. 松任谷健太郎

    説明員松任谷健太郎君) この文章ができました経過につきましては、初めはかような文事なく、いろいろ違つた意味のことも書いてあつたのでございまするが、最終的に協議しまして出た結論がこういうふうになつておりますので、御了承を願いたいと思います。
  99. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 食糧庁へ聞かんとわからんですが、一体匿名供出の石数はどれくらい出しておる計画か、お聞きしたいと思います。
  100. 松任谷健太郎

    説明員松任谷健太郎君) 過般御説明申上げたと思いまするが、本年度の超過供出の絶対量が百二十六万石以上になつておりまするし、片方減額等の関係も百万石程度なつておりまするが、この超過供出といつたような、非常に何と申しまするか、供出の建前から申しますれば、緊急非常のような手段に訴えて懇請するというような建前になつておりますので、何らか農家のかたがたが出しやすいような形に作らなければいかんというのが、御承知匿名供出制度の問題になつて来たのでございまして、これも農林大臣から始終その趣旨におきまして説明があつたと思いまするが、今後この超過供出につきましては、大部分の農家のかたがたに、一般の超過供出の建前によるよりも匿名供出によつたほうが便利である、又結果において利益であるというようなことが徹底いたしますならば、私どもは大部分この制度が活用されるのではなかろうかというふうに期待している次第でございます。
  101. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 大分期待を持つておられるようでありますが、無制限に、石数に目安を付けないで、超過供出のように何ぼと言わないで、匿名供出は何ぼでも出れば買い上げるというのですか。それを一つお聞きしたい。
  102. 松任谷健太郎

    説明員松任谷健太郎君) 匿名供出の数量の枠などはきめておりませんので、全体の超過供出の期待量と申しまするか、それに対してこの匿名供出制度を活用されるように実は望んでいるのでございます。
  103. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 今度は国税庁長官も聞いて置いてもらわなければいかんと思うのですが、百姓というものは非常に平均に無知で、目の前、目先を非常に近く見るものであります。ここで私は自分も百姓なんですが、まあ余り供出が厳重でも……。どういう状態が来ても農家をやつている以上は、一年自分の食うものしか置かないで全部供出するというような下手な百姓ならやめたがいい。自分でそれを作るから、一年しかそれを食うものがないということは危険千万であつて、どんな災害が来るかわからんから、そういうことはいけないから考えておけと言うてもおります。匿名供出をやると非常に得だということになると、思う存分出る。実は長野県の例なんですが、委員長も御承知でしよう。二十五年に麦の超過供出を認めた。どうも今後麦の統制も軽くなりそうだという気配が見えたものですから、普通の三六〇%ほど一挙に出た。ところが驚いてしまつて、これは一体どういうわけだ、こういうようなことがあつたのです。そういうわけで、それはあらゆる手段を講じて、これには税金もかからないし、出したほうがいいというので、それこそ本年一ぱい食うものがあるというところまでやるかも知れんと思う。そのときに今度は又何だか開いているとあいまいなことをして置いて、それを二十七年度の収入と限られたのでは結局だましたことになる。これはどうしてもはつきりと法律にして置いてもらわんと、小林君が縷々申上げてなかなか応答をやつておられたが、私の心配はそこにある。これは実例がある。これは委員長承知だと思う。そういうわけですから、これははつきりして置いてもらわんと、石数に制限があれば、それはそれだけしか出ないが、石数に制限なしに匿名供出をやれ、こういう恩典があるからということになりますると、目先の近い欲だけを考えます百姓は思う存分出して、米の供出制度もそう長くないのだから匿名供出で出しても、あとなつて差引きせられるということになつてはいけませんから、食糧庁のほうでも考えられ、国税庁もしつかり考えられて、この無知な百姓を又困らせることのないように十分の御注意を願つておきます。
  104. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 私は前回欠席をいたしましたから、或いは質問がダブるかと思いますが、この問題で数点質問して見たいと思います。先ず当初に今回の奬励金でありまするが、実は食管会計の面からしますれば、集荷委託費という広義の行政費用から、かような実際上は奬励金と同じものを出すわけですが、普通の行政費用であれば税金の関係とは無関係と我々は理解をしているわけでありますが、こういう点が会計検査院等の目から見て、かような予算の支出が果して適当であるかどうか、而も集荷委託費でありまするから、集荷せんとする対象にこの金が出るわけであつて、この予算の使い方にも一つの問題があると思いまするが、さような点は会計検査院等の関係においてあらかじめ了解が付いているかどうか、この点を先ず私はお伺いしたいと思います。
  105. 松任谷健太郎

    説明員松任谷健太郎君) 会計検査院等にも一応連絡の上予算の面の実行を期しているわけであります。
  106. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 その点は了解いたしましたが、そこで問題はこの両長官の通牒が出て、第三項で方法はいろいろ議論がありまするが、結論としては、いずれにしても課税対象から除外をする、免除をするということがはつきりして来ますると、実は匿名供出のようなややこしい手続をとることが殆んどこれは意味がないと思うのであります。又今後の米価のバツク・ペイとの事情を考えて見ますれば、そういう点からも本当の意味匿名供出がやられたのでは追加拂いもできないというような今後の問題も起るのでありますが、先ほど小林君が指摘をされたように、実際上免税をすることがはつきりして参りますれば、あえて匿名供出というようなややこしい制度を作る必要はないと思うのでありまするが、それでもなお匿名供出を謳う必要性がどこにありますか。これがその次の点であります。それからそうなつて参りますると、匿名供出制を謳いました以前の自発的な超過供出との関係が、小林君の言われたように何らその間には相違がないのであります。むしろかような餌が出ない前に自発的に出したほうが実質的には褒賞に値すると思うのでありますが、この点は昨日の予算委員会でも私から質問をいたしまして、食糧庁長官は匿名供出によらない超過供出がどのくらいあるかまだはつきりしないが、その数量等を調べた上でできるだけ同じ扱いにして行きたい。こういう答弁があつて大いに意を強くしたのでありますが、実は数目前に私は農政研究会の派遣で岩手県と宮城県とを見て参りましたが、実は宮城県では匿名供出以前に相当量の超過供出があるのであります。これが果して免税になるかどうかが頗るまだはつきりしないのであります。而も本日のこの質疑を通じまして得ました結論は、現状では少くとも匿名供出によらないそれ以前の超過供出は、これは免税をされないというふうに理解されるのであります。これは私は極めて不均衡だと思うのであります。供出問題は言うまでもなく横の均衡というものは一つの大きな問題だと思うのであります。これは是非とも一つ同様の取扱いにして頂きたいと思うのであります。特に先ほどの通牒の解釈を私が聞いておりますると、非常にこの第二項と第三項との関係意味がないと思うのであります。第二項で匿名供出等にかかる奬励金、これには年度内に匿名供出によらない普通の超過供出を謳つているのだということになりますると、それを二十六年度の所得に加算をしないで翌年度の所得に見送るということは、これは何ら意味がないので、本来ならば長官の言われたように二十六年度内に債権なりが発生した場合においては、普通であれば二十六年度の所得に加わるべきものを、一応二十七年度の所得に送つておるわけでありまするが、送つてもそれがはつきり第三項で課税対象から除外されないことになれば、これは頗る私は意味がないと思うのであります。この二項と三項との関係がどういうふうにこれは理解していいか、匿名供出による奬励金は、これは翌年度の所得に入つて、併し対象からは外されるということで意味がありまするが、それ以外のものを送つてもこれは第三項ではつきりこういうふうな解釈であれば意味がないと思うのであります。従つて私は法理的に理解をすれば、匿名供出によらない奬励金も一応送つておいて、或る程度今後これは免税の対象にするという余地がなければこれは意味がないと思うのであつて、どうもこの二項と三項との関係がどうも理解ができないのであります。その辺の含みがありますれば、これはお聞かせ頂きたいと思うのであります。それから二項の解釈で私は当然入つておると思つたのでありますが、匿名供出等にかかわる奬励金には超過供出の二千円ははつきり理解ができまするが、もう一つ、この文章で私は入つておると思いますのは、最後の供出完遂の奬励金一千円も、これは二項、三項の書き方を対照しますると、一千円の供出完遂の奬励金も入つておると文章上理解ができるわけでありますが、果してそういうふうに解釈をしてよろしいかどうか、その点も承知をいたしたいのであります。いずれにいたしましても、先ほど小林君が指摘されましたように、匿名供出というものが免税ということにはつきりすれば、匿名供出ということはこれは殆んどナンセンスに近いのであつて、而もこれが各人の名前がはつきりしませんければ、先ほど言つたように、今後の追加拂いもできないわけでありまするから、そうなつて来れば、普通の超過供出といわゆる匿名供出の間には何ら実体的の差異はありませんし、むしろ言えば、強いて言いますれば、実体的にはかような餌がなくても、出した農家のほうが私は奬励金に該当すると思うのであります。これは單なる理窟ではないのでありまして、宮城県でも非常なこれは強い要望があつたのであります。幸いどういう関係か、二項では二十六年度所得には加算しないというわけで一応送つておりまするから、今後是非とも第三項の匿名供出に係わるが、匿名供出等にかかわるというようなふうになりますることを強く要望いたすのであります。そうぜんと、どうも二、三項との意味が何ら連関性が、実体的な連関性が出て来ないのであります。そういう点につきまして、御意見を重ねて承知いたしたいと思うのであります。それからこれは私が在官当時にもやつた例でありますが、超過供出のある場合に反当の収穫高を増加しない、これも実は一定のきまつた算式があるわけではないのであつて、いわば腰だめ的に反当収穫高を決定するわけでありますから、普通に当然計算で得らるべき反当収穫高にプラスをしないと、こう言つても実は大した意味はないと思うのでありますが、それは別といたしましても、むしろ従来の、過去の超過供出を奬励しました場合におきましては、超過供出をされるような、そういうような収穫高を挙げる半面には、或いは肥料なり、或いは労力等を相当にこれは普通以上に多量に投下をしておるのだ、要するに控除すべき経費が相当かかつておるのだということを曾つて大蔵省と連絡をして、さような通牒を出した例もありまするが、従つて奬励金の免税だけでは私はむしろ足らないような感じもするわけでありまして、それに加えて必要経費の控除の場合にも、普通控除すべき費用以上にこれは見るというような解釈が従来されておりますが、そういう点につきましては何ら考慮されておりませんか、どうか。いろいろありまするが、以上の数点につきまして一つお答えを頂きたい。
  107. 高橋衛

    政府委員(高橋衛君) 随分何項目かになりまして、ちよつと整理がしにくいかと思いますが、漏れましたら……。この第二の匿名供出等の中には、第一に書いてある括弧内の匿名によらない超過供出を含むの意味のほかに、完遂奬励金も含むのではないかという御質問であります。それはその通りに私ども解釈いたしております。而してこの点は、先ほど小林さんの御質問に対しても御答弁申上げました通り、今回の経費の支出の方法が従来と変つておりますので、従つてその具体的な支給の方法が決定するまでは、例えば超過供出があつた場合におきましても、それがそのときに具体的な受取るべき権利として発生したとは考えられないという観点から、念のためにこれは二十六年度の収入には算入すべきものではないということをはつきりさせただけの意味であります。従つてその次の御質問でありますところの第二と第三との関連において、そこに何らかの含みがあるということは全然ありません。ここに書いてある通りでございます。要するに私どもがここで明らかにせんといたしました趣旨は、匿名供出にかかわるところの超過供出奬励金に対しては課税の対象にしないという政府方針をはつきりさせて、誤解を解くという点に重点がある次第でございます。而して先ほど小林さんに対してお答え申しました通り只今のところ政府において方針の決定いたしておりますのは、匿名供出にかかわるところの超過供出奬励金に対しては課税の対象外にするという点だけであります。なお最後にお触れになりました従来も超過供出をする際においては、そういうふうな農家はどちらかと申しますと、篤農家に近く、肥料その他の経費もかかつておるのが通常の状態であ参る。そういうふうな収入に対してはそれに必要な経費として相当よく見ておる慣例だというお話であります。その点はお話通り、私どもも大体従来の実績から超過供出奬励金に対しては四割乃至五割程度の必要な経費を確実にとつたと考えております。而して今度の匿名供出にかかわるところの場合においては、その点をどう考えるかという御質問でありますが、これはもともと全部その課税の対象外にするという政府方針でありますので、その経費が幾らかかつたという点は何ら考慮の必要がないかと考える次第であります。
  108. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 この通牒の記の二項の解釈でありますが、或いは私の誤解かも知れませんが、先ほど小林君に対する回答を私が理解しましたのは、本来であれば、二十六年度分の所得に算定すべきものもあるけれども、それも便宜翌年度の所得に送つておる、勿論二十六年度の所得にならないものは、これは当然二十七年度に入るわけでありますが、一部は債権等が確定して二十六年度の所得に加算すべきものがあるから、それも含めて全部二十七年度へ送つたのだと、こういうふうに私は理解したわけでありまするが、それで間違いがないかどうか。
  109. 高橋衛

    政府委員(高橋衛君) 私が先ほど御答弁を申上げましたのは、今回の予算の組方が集荷委託費というような経費でありまして、その具体的な支出の方法がまだ二十六年度にはきまつておりません、私ども承知いたしておるところでは……。従つてそういうふうに如何にして具体的にその人に分配又は支給されるかという、又そのときがいつであるかということがはつきりしない場合においては、二十六年中の状態においては供出をいたしました際におきましても、それに対して超過供出奬励金その他のものについて権利が発生したと見ることは事実に反するのではないかというふうに解釈をいたしておるのであります。決して本来二十六年の所得として、二十六年分の收入として計算すべきものを二十七年に持越すということを考えておるのじやございません。法律の解釈上当然そうなるべきものであるというふうに解釈いたしまして、その点を念のためここに明らかにしておる次第であります。
  110. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 これは総務部長にお聞きしたいのですが、二千円の超過供出のほうは、或いはまだ通牒を発する当時はきまつておらなかつたかも知れないが、例の供出完遂の一千円は大体当時きまつてつたのではないかと思いまするが、如何でしようか。
  111. 松任谷健太郎

    説明員松任谷健太郎君) この通牒を出しますときには匿名供出制度その他の奬励金のことに関しましては、集荷委託費の関係等の見通しを付けて通牒を出したということでございます。
  112. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 ちよつと明確を欠いたのでありますが、一千円のほうは、もう昨年の知事会議の際に大体これが方針がきまつておるのであります。これは二千円というのは勿論これはまだきまつておらなかつたと思いまするが、一千円の分は大体きまつてつたと私は理解しております。それで間違いないでしようか。
  113. 松任谷健太郎

    説明員松任谷健太郎君) 完遂した一割の一千円の分の御質問だと思いますが、その点は予算上きまつてつたと思います。
  114. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 そうすると、先ほどちよつと高橋さんのでは、二号は全部これは当然所得に加算しないのであるから、それを念のために書いたのであるということは、千円の分については少くとも本来は全部では勿論ないと思いまするが、一部は昨年にも供出を完遂した農家が相当でございますので、従つて千円の分は債権としても確定し、或いは一切の所得に帰したものもあると思うのでありますが、まあそれはこの問題と関連がありませんから、そう強く追及いたしませんが、当然なことを書くということになりますると、この小林君と同じ意見になりまするが、二項には供出督励等にかかる奬励金と謳つて、三項で匿名供出にかかる超過供出奬励金に対する云々ということは、極めて余計なものを二項で書いたということになると思う。私はこの文章がどういう経路でかようになつたということは追及いたしませんけれども、幸いにも二項で、これが二十六年度所得には本来の超過供出の奬励金も加算をされておらないわけでありまするから、高橋長官からここで答弁はむずかしいかと思いますが、実体上どうしても同じ取扱いをしなければ非常な不均衡がありますので、是非ともそういうような扱いにしてもらいたい。強い希望を付しまして私の質問を終ります。
  115. 小林孝平

    小林孝平君 この問題はなお今片柳委員からもお話がありました通り匿名供出と超過供出とは区別すべき性質のものでない。又匿名供出というものは意味をなさんということがはつきりしておるのでありますから、数回に亘つて長官のお答えを促したのだけれども、答えが得られませんので、農林大臣と大蔵大臣の御出席を願つて、はつきりして頂きたい。こういうように希望をいたします。
  116. 羽生三七

    委員長羽生三七君) この件に関しましては、だんだん問題の詳細が明白になつて参りましたが、特にその点は、第一点は、あえて匿名供出と限定しなくとも、超過供出については普通の超過供出という名目においても十分所期の目的を達成し得る、特に匿名供出制度が声明される以前においての超過供出等のほうがむしろ奬励に値するという見地から、匿名であろうと或いは普通一般の超過供出であろうと、同様な取扱いをなさるべきだということが第一点、それから、その次に、若しそういうことが可能であるとするならば、先ほど小林さんの御発言の中に、税法上不可能ならばあえてそれをやつてもらおうとは思わないという御発言がありましたが、それはつまり税法上不可能なときは行政措置でやつてくれということを要求するものではないという意味に私どもは解釈しているので、税法上不可能の場合には、税法を改正して、立法措置によつて課税対象から除外する措置を講ずべきであるというふうに言われていると思いますので、この点等も明確にして頂いて、近い機会に大蔵大臣、農林大臣の出席を求めて、本日委員会において各委員から御指摘になつた点の疑点を質し、併せて長官、総務部長、御出席の政府委員から、できる限り最大限の努力を以て、それを普通一般の超過供出も匿名供出と同様の取扱いをされるよう希望するわけであります。いずれこの件につきましては、只今申上げましたように、近く両大臣を当委員会に出席を求めまして、十分最後的な検討をいたしたいと考えております。  それでは本日はこの程度で散会いたします。    午後四時十九分散会