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説明員(立川
宗保君) 今国会に
農林省関係の法律案で、水産
関係は別といたしまして、
農業林業
関係の法律案は、議員依頼の提出法案を含めまして十七と予定いたしております。先ずその進行
状況を簡單に申上げまして、あとお手許に大体成案がまとまりましたものにつきまして資料を差上げてございますので、それを簡單に御
説明申上げたいと思います。
十七の予定をいたしておりますもののうち、すでに国会に提案済のものは
一つ、ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く
農林関係諸命令の措置に関する法律案、極めて簡單なものでございますが、これは提案済であります。それから
政府部内の手続がすでに済みまして、もう
閣議も全部済みまして、極く近日中に国会に提案になりますものが
一つ、これは
農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案、あとで申しますが、災害復旧の補助を特例として引上げたいというわけでございます。それからそのほかに
政府部内の手続が全部終了いたしておりますが、まだ
閣議にかか
つていなかつたり、
関係方面のほうの手続が済んでおらなかつたりいたしますもの、これが十、これは法制局の審議などが全部済んでおりますが、あとは簡單に極く近日中に手続が済む、それが十ございます。そのうちただ
二つは、
政府部内において若干調整を要する法律がございます。これだけは少し遅れるかと存じます。大体これはここ一週間なり、十日間なりの間に全部出て参るかと思いますが、そのほか五つまだ残
つておりまして、これは
農林省の内部でなお研究中でございますし、或いはいろいろ非常に課題がありましたりするようなもので、内部の討議を完了しておらないものが五つございます。そんな進行
状況でございます。
そこで次に簡單に法律の内容を申しますが、文書がいろいろございますが、大体各局の順序で申上げたいと思いますが、一番初めに一枚紙の
農林漁業資金融通法の一部を改正する法律がございます。これは二行書いてあります
通りでございまして、今まで昨年から資金融通法が運用をいたしておるわけでありますが、現在金利が一番低いのは七分、これは例えば
農業倉庫の新設などにつきまして非常にいろいろ要求がありまして、従来は補修だけでありましたが、今度新設についても融通をいたそうと考えておるわけであります。それには七分では新設の場合は到底立ち行きません、四分に下げたい、こういうのでその特例を設けたい、こういうわけでございます。それから少し大きな主要農作物種子
対策要綱、種子の法律がございますが、これはたくさん書いてございますが、内容は極めて簡單でございまして、非常に近頃、戰時戰後にかけまして農作物種子が非常に混淆をいたして大分品質が惡くな
つている、これをよくしたいということの一助といたしまして、米麦の種子についてでございますが、少しいろいろな力を入れてやりたい、そのために第三、第四というあたりに書いてございますが、市町村なり、更に県内で種子の普及更新の
計画を立てます。そしてそういう種子についてはその採種圃があるわけでありますが、その採種圃につきましては、まだ立毛のうちから圃場検査をやりまして、これは
農業改良員とか、いろいろなそのほかの適当な人々が事前に審査をし、且つ親切に
指導して、成るべくいい種子になるようにお手伝いをする。そうしてその審査に合格をいたしましたものにつきまして、
農産物検査法に基く種子検査をやる、で、その検査に合格したものを種子とする。従来はその圃場審査と言いますか、その事前の
指導が十分でありませんでしたのを、こういうふうにいたしまして、圃場審査が済んでいなければ種子検査が受けられない、こういうようなことにもなりませので、まあ事前に国の力、それから生備考の力と相待
つていい種子を作
つて行きたい、こういう工合です。それから若干国の補助がありまして、種子
計画を立てるための経費或いは種子の緊急貯蔵、こういつたようなものの経費を国家が補助をいたすということでございます。それからその次に
農業改良助長法の一部改正の法律でございますが、これも内容は余り大きなものはございません。従来の
農業改良助長法が昭和二十三年からできましたが、これで県の試験場とか、研究機関に
政府が補助金を出しておりますが、その補助金の対象になる試験場の数が限定されておつたわけであります。そういう数の制限を削りまして、或いは
農業普及事業として法律に書いてありますその内容を更に殖やしまして、青少年クラブの
指導者の普及活動の
協力或いは普及員の養成、研修、こういつたようなものも普及事業の中に入れる。それから今まで、まあ非常によく知られるようになりました言葉で、改良普及員とか、專門技術員という言葉があるわけでありますが、これが法律上の規定がございませんので、いろいろなところで肩身が狭かつたり、どうも役所の手続でうまく行かなかつたようなところがございましたが、法律上にこういう根拠を置くものにしたい、こういうことであります。
それからその次は、
農産物検査法、これは昨年いろいろ御審議を頂きまして成立いたしましたわけでありますが、これはまあ米麦とか、「いも」とか、或いは白米とか、小麦粉とか、そういつたものについては、二十種類の
農産物について国営検査を実施するというのでありますが、現在
農産物検査法に入
つておりません品目で、例えば粟だとか、稗だとか或いは澱粉だとか、そういつたようなものについて追加をしたほうがよいというような御
意見が国会でもございましたので、そういつたことを取入れまして品目の追加をいたすということが内容でございます。ここに出ておりませんが、食糧の
関係では食糧管理法の一部改正の法律を提案の予定でありまして、これは御
承知のような麦の統制の問題についての統制の方式を変えると言いますか、緩和と言いますか、そういうものについて目下これは省内で検討中でございます。それから次に農地法案の概要、それから農地法施行法案の概要という
二つがございます。これはまあ非常に法律としては大きな法律にな
つておりますが、百條に及ぶような大法律でございますが、これは内容は、現在農地に
関係して三つ法律及び政令がありまして、農地調整法、自作農創設特別措置法、自作農創設特別措置法及び農地調整法の適用を受けるべき土地の譲渡に関する政令、この三つの法律で農地
関係の農地改革及び農地のいろいろな異動の調整等をや
つて参つておりますが、これを一本にまとめましたのでありまして、初めはもう少し内容を積極化と言いますか、農地の林道化のようなことも意図してお
つたのでありますが、それが必ずしも実現いたしませんで、できました内容は現在ある三つの法律を
一つにまとめたので、簡單と申しますか、全部をまとめて一貫して見られるようにした、これだけの内容でございます。現状と変
つておりません。施行法案は、この農地法の施行に関する諸事項を規定しているというだけで、併せて出す予定であります。それからあとは開拓者資金融通法の一部を改正する法律案、これはここに書いてございます
通り、入植後三年以上を経過した開拓者に対しまして、その営農を促進なるために中期資金を貸代ける。資金の種類は営農資金で貸付條件は五分五厘の年利でありまして、三カ年の年賦償還、その前に二カ年の据置期間を置くというような若干の変更をいたしておるというわけでございます。それから先ほ
どもちよつと申上げましたが、
農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律の一部改正、タイプライターでないものでございます。これは二十六年の災害が非常に激甚な地帶がございまして、該当事業費が非常に高くて、これの復旧に非常に困難をしているというようなところがございますので、この補助率を引上げること、そこの一頁の左のほうに書いてございますが、農地
農業用施設につきましては、
農家一戸当り八万円までは現在の補助率でありまして、農地の災害復旧に十分の五、
農業用施設、用水施設その他のものは十分の六・五、六割五分でありますが、八万円を超える
農家の災害につきましては、農地が八割、
農業用施設は九割、林道は次に書いてございますように、一メートル当り千円までは現状
通りでありますが、千円を超えます場合は、奥地幹線林道は九割、その他の林道は七割五分というような災害復旧費の率をきめております。その次は蚕糸の
関係でありまして、閉鎖機関
日本蚕糸統制株式会社が積立てた繭糸
価格安定資金の処分及びこれに関する課税の特例に関する法律案要綱、これは繭糸価安定法の成立に
関連いたしまして、閉鎖機関にな
つております蚕糸統制株式会社の持
つております昔積立てました繭糸
価格安定資金を国庫に引渡し、そうして繭糸
価格安定の運用の資金に使う、こういうわけでございます。そのための法律でございまして、この金額は一億でございます。それから林野
関係の法律が三つございますが、先ず森林法の一部を改正する法律案、内容はたくさん書いてございますが、簡單でありまして、土地收用法という新法案ができたわけでありますが、この現在の森林法の中にも土地收用法の規定を多く援用して従来や
つておりましたが、それが法律が、土地收用法が変りましたために、こちらの法律も変えるということであまりす。国有林野法もこの法律で同時に変えております。あとは細かな事務的な手続きの少し手直しをいたしておるというだけのことであります。それから次は、森林火災国営保險法の一部を改正する法律案、これは現在は森林火災国営保險の目的にな
つております森林は幼齢林に限
つておりますが、最近壯齢林の被害が年々増加をいたしますために、幼齢林に限らず、壯齢林についても国営保險の対象にいたして参りたいということであります。最後に松くい虫等その他の森林病害虫の駆除予防に関する法律の一部を改正する法律案、これは現在の法律では松くい虫等の穿孔虫類に対象を限
つておりましたが、これを最近いろいろな病害虫が非常に多いので、更に擴げまして、駆除予防の対象を擴げる。それで昆虫類だとか、菌類とか、バイラスといつたようなものにつきましても擴げまして、それから防除方法につきましても、薬剤防除とか、或いは卵のかたまりを取除いて焼捨てるといつたような新らしい内容も附加えまして規定をしておる、こういうことであります。大体以上であります。