○
政府委員(正
示啓次郎君) お答え申上げます。
滞納は先ほど御質問がございましたが
未納を入れますと全部で千八十七億、これを
未納額と
言つておりますが、曾てやはり千億以上の
滞納を持
つておるということで非常に批判があ
つたわけでありますが、その後
徴収法を改正して頂きまして、
徴収猶予とか
執行停止とかいう新らしい
制度ができましたので七百四十九億ということにな
つたのであります。併し先ほ
ども御
指摘頂きましたように決してこれで成績を挙げたというふうには考えておらんのでありまして、まだまだ問題は残
つておることは御
指摘の
通りであります。
この
原因でございますが、これはなかなかいろいろあると思います。
只今お話のように
課税について異議があるというふうな面も確かにあるのでありまして、この問題につきましては
昭和二十五年度以来この
課税と
徴収面との
関係を一層緊密にする、
納税者のかたはどこまでも納得して初めてお払いになるのでありますから、そういうことで組織的にこれを解決するために、御
承知のようにこれは古い
名前で恐縮でありますがインターナル・コントロール・システムということを始めました。これは従来は
滞納処分をいたします際は大体
特定の時期を限りまして一斉
整理と、いうことをや
つたのでありますが、これは非常に
納税者のかたの反撃が強いのであります。そこでいわゆる
事務を常態化する必要があるというので、各
納税者のかた
ごとに名寄せということをいたしまして、カードを作りまして、或る
特定の
納税者のかたの何年度、何年度の
課税がどうな
つており、それに対する納付がどうな
つておるかということを、いわゆる
納税者ごとに一切のケースを総合しまして、そうして
税務署のほうの
計画によりまして
納税者に御
出署を願
つたわけであります。そこで一切の問題をさらけ出しまして、この年度のこの
期分は今こういう状態にな
つておるがどういうわけでしようというふうに、非常にこの
納税者のかたに一切の問題をさらけ出して
課税から遡
つてお話を聞く、こういうシステムを全国的に採用いたしたのであります。これによ
つて相当程度に
課税に対する不満ということによ
つて滞納が起
つておるものは解決をすることができたのでありますが、その結果やはり
納税者の
かたは課税のほうはこれは確かにそれだけの
所得はあ
つたことは認める、併しどうもその後不景気になり又自分のほうの
資金繰りが困難に
なつたとか、一時にこれを納めることができないというところから新らしく認められました
徴収猶予という
制度を適用いたしまして、いわゆる一度に納付せずに分納の
計画を立てて頂く、こういうことをや
つておるわけであります。
で、
只今の
成瀬委員の御
指摘の一体どこに
原因があるかということでございますが、これは実は
はつきりと何割が
課税で何割が
資金というものは出て来ないと思うのでありますが、今私
どもといたしましては、
両方に
原因があるわけでありまして、或る
かたは課税自体について納得をして頂いておらぬ、或るかたについては
課税については納得して頂いても
資金繰りがどうもうまく行かないというような
二つに亘
つておる点もありますから、それらの問題については
納税者ごとにお出でを願いまして御相談しておる。それから付加えて申上げますが、一部
世論調査をいたしたことがあります。これは時期は大分古くなりまして二十五年度の末にな
つておりますが、その際にはやはり
資金が思うようにならないので
滞納をしておるというふうなことが相当大きなパーセンテイジを占めてお
つたのであります。併しこれは時期によ
つて違
つて来ると思います。従いまして御
指摘のように一体どれくらいが
課税が
原因で、どれだけが
資金が
原因であるかということを
はつきり
割切つては申上げられませんが、私
どもといたしましては
両方に
亘つて原因があると思いまして、
只今申しましたように各
納税者ごとに
事情をこちらで拝聴いたしまして、その
納税者の
実情に副うように
対策を立てておるような次第であります。