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政府委員(清井正君)
只今中国四国農業
試験場の問題について御質問があ
つたのでありますが、お話の
通り、当時農林
関係の
試験研究
機関につきまして
根本的な改革をいたしまして、中央におきましては、
根本的な
技術を研究いたしまするところの農業
技術研究所、それから各地域においてそれぞれその地域の特性のある研究をいたしますところの地域農業
試験場というものをまあ作
つたわけでございます。その際に中国と四国の問題につきまして、いろいろ御議論があ
つたのでございますが、私どもといたしましては、成るべく地域
試験場は当該地域が農業
関係上の気象、土壌、作物その他
試験研究の対象となるものについて成るべく同一的な地域を対象として
試験場を統一して参りたい、こういうような
考え方からいたしまして考えをまとめて参
つたのでありますが、その際の問題といたしまして、中国と四国を分けて
試験場を別にするか、或いは中国、四国を一緒にしてやるかという問題があ
つたのでございます。我々といたしましては、成るほど中国につきましては、山陰
地方はいわゆる瀬戸内海
地方と大分趣きを異にいたしておりますし、或いは四国につきましても、いわゆる瀬戸内海
方面と高知
方面とは大体農業上の
関係も違うというようなことがありまして、いろいろ苦慮したたのでございますが、問題となりまする特に瀬戸内海
方面は、特に気象その他の条件から申しましても、いわゆる瀬戸内海の中国
地方と四国
地方とは大体気象
関係或いは農業
関係も似ておるというような点を重要な問題としてとらえまして、中国と四国とを合せて一本にいたしまして、そして中国四国農業
試験場ということによ
つて発足をいたしたのでございます。本場は姫路に置きまして、栽培の、或いは畜産、農業経営、土地利用、それぞれ適当なる地域に分散いたしまして、従前ありましたところの国のそれぞれの
試験場を姿を変えまして地域
試験場の部ということで出発をいたしたのであります。その後いろいろ実施をいたして参
つておるのでございますが、成るほど私どもといたしましては、瀬戸内海の周囲の気象条件その他が同一である
地方の稲作等を主として研究いたす場合においては、成るほど中国、四国が一緒であ
つたほうが都合がいいのでございますが、又一方いわゆる暖地水田と申しますか、南海
地方の稲作或いは殊に傾斜地
方面の畑地
関係、或いは土壌浸蝕の問題、或いはそれに伴いまして研究いたさなければならんところの果樹の問題等、いわゆる稲作以外の畑作等の問題を研究いたす場合においては、四国においては中国と四国と異なる
一つの特色があるわけでございます。そうしたことを別にいたしましても、私どもといたしましては、中国四国ということで以て統一をいたして参
つておるのでございますが、実際問題といたしましては、四国は善通寺に本部を置きまして、それぞれ土地利用なり、栽培等につきまして四国の独特な問題を研究をいたしております。或いは本場のほうの姫路におきましては、栽培を中心といたしまして、或いは畜産なり、或いは経営等を研究いたしております。こういうようなことで進んで参
つておりまして、本場は姫路にありましても、それぞれの支場が各地に分散をいたすというようなことでありまして、まあ実際問題といたしましては、中国四国
試験場ではございまするが、
運営といたしましては、実際離れ離れと言
つては語弊がございますが、それぞれ別々に実際
運営をいたしまして、それを
試験場の本場において総合をいたす、こういう機能を果して参
つておるわけでございます。今回の問題におきましても、私どもといたしましては、四国と中国というものはこれは統一して行くという一応の形で以て進んで参
つておるのでございますが、飽くまでも問題は多少、中国と四国とは研究に特質のあることは御指摘の
通りでありまして、人員、経費等を仮にそのままにいたすということを考えまする場合においては、仮に中国と四国とが
機構上分れるということも考えられる問題ではないかというふうにも考えておるのでございますが、私どもといたしましては、今回は中国、四国はこのままで行きたいということで一応分離の問題については考えていないのでございます。但し
只今お話のありました
通り、
予算、人員等について、仮に
現状のままで行くということでありましたならば、その分離の問題も
一つの問題として考えられるのではないかというふうに考えておる次第であります。