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1952-05-30 第13回国会 参議院 内閣委員会 第33号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年五月三十日(金曜日)    午前十一時三十分開会   —————————————   委員の異動 五月三十日委員波多野鼎君辞任につ き、その補欠として赤松常子君を議長 において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     河井 彌八君    理事            中川 幸平君            成瀬 幡治君    委員            横尾  龍君            楠見 義男君            竹下 豐次君            赤松 常子君            上條 愛一君            栗栖 赳夫君            松原 一彦君            三好  始君   委員外議員            赤木 正雄君            田中  一君   国務大臣    建 設 大 臣 野田 卯一君   政府委員    行政管理政務次    官       山口六郎次君    行政管理庁次長 大野木克彦君    行政管理庁管理    部長      中川  融君    農林政務次官  野原 正勝君    農林省農政局長 小倉 武一君   事務局側    常任委員会専門    員       杉地正三郎君    常任委員会専門    員       藤田 友作君   説明員    農林大臣官房文    書課長     立川 宗保君    建設大臣官房文    書課長     小林與三次君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○理事補欠選任の件 ○連合委員会開会の件 ○恩給法臨時措置に関する件 ○農林省設置法等の一部を改正する法  律案内閣送付) ○建設省設置法の一部を改正する法律  案(内閣提出衆議院送付)   —————————————
  2. 河井彌八

    委員長河井彌八君) それではこれより内閣委員会開会いたします。  理事山田佐一君が辞任せられましたので理事補欠選挙を行いたいと思いますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 御異議ないと認めます。それでは理事補欠選挙をいたします。
  4. 楠見義男

    ○楠見義男君 理事補欠選挙につきましては成規の手続を省略して前例に従つて委員長から指名されることの動議提出いたします。
  5. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 楠見君の動議に御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 御異議ないと認めます。それでは委員長から指名をいたします。中川君にお願いいたします。   —————————————
  7. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 次に厚生省設置法の一部を改正する法律案について厚生委員会から連合委員会を開きたいという申出でがありましたが、これは同意することに御異存ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 御異議ないと認めます。ではさように決します。   —————————————
  9. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 次に農林省設置法等の一部を改正する法律案議題といたします。これはまだ予備審査であります。なおこの際行政管理庁長官から発言を求められまして、恩給法臨時措置ですか、恩給取扱をどうするかという点についての御質問がありまして答弁が留保されてありましたので、野田長官から発言を求められましたから発言を許します。
  10. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 恩給につきましては国家公務員法第三条及び第百八条によりまして人事院権限を有しておりますが、この第百八条によりますと、人事院は健全な保険数理を基にした、而も人事院によつて運用される恩給制度を速かに研究をいたし、その成果を国会及び内閣提出しなければならない旨を規定してあります。併し人事院はこの規定により現在勧告研究立案中でありますが、まだこの勧告が行われるに至つておりません。他面総理府設置法によりますと、附則第二項によりまして人事院恩給制度を運用するに至つた場合は、その限度で恩給に関する所掌事務権限人事院に移行する旨を明瞭に規定しております。この移行が行われるのは人事院から勧告が出された上で内閣又は国会で更に検討の上恩給法改正が行われたときであります。従つて現在では人事院では研究をいたし、総理府恩給局では恩給支給事務及び制度研究を行つているわけであります。  なお人事院研究しています恩給制度範囲は現在の国家公務員法における一般職職員範囲に属しておりますから、旧軍人又は遺族に対する恩給の問題や又特別職恩給の問題は一応対象外になつておるのでありまして、この件につきましては将来恩給局人事院に吸收されるときに当つて定めなければならんと考えております。
  11. 河井彌八

    委員長河井彌八君) それでは議題をもう一度繰返しますが、農林省設置法等の一部を改正する法律案議題といたします。予備審査であります。そうして昨日に引続きまして質疑をいたします。
  12. 楠見義男

    ○楠見義男君 私は昨日に引続いて農林省設置法等の一部を改正する法律案についてなお若干の御質疑をいたしたいと思うのでございます。昨日も申上げたように三好委員から御質疑になつた点について別の角度から質疑をいたしたいと思うのでありまして、昨日は一応部制の問題について質疑をいたしたのでありますが、本日はその次に外局の問題について先ずお尋ねいたしたいと思うのであります。外局の問題については栗栖委員から御要求になりました資料の御提出を待つて改めて検討の上いたしたいと思いますが、概括的に一点だけお伺いいたしたいことは野田大臣の今回の行政機構改革に関する趣旨の説明の中にも、外局は原則として総理府以外のものは審判的な機能を有するものに限る。こういうことでありますが、ただ特別の事情のあるものについてのみ認め、その一つの例として水産庁農林省外局になつておるのでありますが、私はこれは多少自分の意見に亙る点も附加えて誠に恐縮でありますが、私ども官庁行政経験のあつた者、特に農林部内に御厄介になつた者としての経験からいたしますと、水産庁外局というよりはむしろそれよりも林野庁或いは食糧庁のほうが外局としてはより一層重要でないかと思うのであります。と申しますことは単に事業分量とか或いは人員の数とか、こういうようなことのほかに特殊の性格を持つておる。いわば例えば林野庁をとつて見ましても、これは現業的の、昨日競馬関係について部制のときに申上げたのでありますが、一つの大きな林野庁事業経営をやつておるものであります。従つて本来その国有林林野事業経営のほかに一般林政の点も附加えられておりますけれども、こういつた特殊の現業的な機能、特に今回も労働関係三法の改正に当りましては林野現業員としては一般公務員違つた待遇が与えられて団体交渉権も認められる、こういうふうな状況であります。従つて事業性質又特質、更に今申しました労働関係等事業から見ましてもその必要性水産庁以上に林野庁或いは又食糧庁等にもあるかと思うのであります。これは併し意見でありますからこの程度にいたしますが、昨日の野田大臣の御説明によりますと特殊の性格が述べられたのでありますが、なお納得できないのでありまして、例えば農山漁家というふうに一体的に従来農林省はやつて来たのであります。即ち山村地帯では半農半山漁村地帯には半漁半農、そこで農山漁家に対する政策というものはその間に間然するところなく同様の観点から農林省はやつて来たと思うのであります。従つて単に水面における事業というだけでは私は特殊の行政として外局に残した理由は乏しいのではないか。むしろこれははつきりおつしやつて頂いたほうがいいと思うのでありますが、政治的意味相当つて水産庁残つたのではないかと思うのでありますが、その点についてもう一度御答弁を煩わしたいと思うのであります。
  13. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 水産庁水産庁として残して、今外局として残すという点につきましては、その他の仕事のいろいろの関係から申しまして農と林とは不可分であるということは、これは御承知のように非常にやかましく行政機構改革のときに言われております。絶対不可分而もそういう絶対不可分の問題は一箇所において先ず統一して所轄すべきものである。これは行政機構の根本の原理じやないかと思うのであります。そういう意味合において林野庁が内局として他の農林行政の部局と一緒にして統一した大臣、次官の下でおやりになるというか、筋が通る感じがするのであります。水産の問題につきましては前々から水産はほかの農林行政とは関係が薄いということは一般に言われておるわけでありまして、取扱につきましてもそういう取扱をされており、又先ほどこの前も申しましたが、委員会の運営におきましても水産委員会というものは初めから別に作つて農林とは切離してやつておりますような、こういうような事実もあり、又水産省設置法というものが参議院では殆んど全会一致のような姿で成り立ちかけていたというような事実もある。この事実の裏にひそむ水産というものを或る程度農林と密接不可分である、或る程度農林省所管には従来あるのだけれども、その仕事は他の仕事を或る程度切離して取上げる独立性をもつているものである、特殊のものであるということの事実に基くそういう結果である。こういうふうに我々は見ているわけでありまして、今度行政機構改革の案を練ります場合でも、農林省からこれ政府部内の話でありますが、水産庁だけは性質が違うから外局に残つてもらいたいという要求もあり、かれこれいろいろなことを勘案いたしまして、今回の機構案におきましては水産庁外局として残した、こういうような実情になつておるのであります。
  14. 楠見義男

    ○楠見義男君 只今の御答弁は従来野田大臣がお述べになつておられたことと全く同一範囲内でありまして、私はその範囲のほかに更に特殊性について御意見を伺えるかと思つたのでありますがこの程度にいたしたいと思いますが、ただ私はこれは質問でなしに一言だけ申上げておかないと気の済まないことがありますのでこれだけ申上げておきたいと思います。  それは水産省設置法の問題は私も提案者の一員になつたことがあるのでありますが、それは当時水産委員会委員長提案者としてこの委員会にも提案理由を御説明になり、私はその提案理由でうなずけるところがあつたものだから実は賛成をした一人でありますが、その理由はもう過ぎ去つたことでありますけれども、国際情勢観点から見た理由も実は非常に強かつたのであります。即ち日米加漁業条約を丁度結ぶ最中、直前でありまして、諸外国の特に又アメリカ或いはカナダ方面の意向からも、日本は水産省というようなものがあつたほうが日米加漁業条約締結の場合に非常に有利であろうという向う側のサゼツシヨンもあり、従つてこの条約締結は将来に亙る非常に大きな意味を持ち、而も今後続くフイリツピンとか或いはインドネシアとか韓国とか、そういうようなところと結ぶ漁業条約の先駆をなすものである。従つてそういう観点から私は水産省設置というものについては非常に重要性を強調せられた点に同感をしたわけであります。併しその事情は今日はすでになくなつたわけでありますが、その当時水産省設置法について署名は一番多くされて、而も一番それについてその成立を阻止されたのは自由党の諸君であります。この点だけは私ははつきり申上げておいたほうがいいと思いますからこの事情だけはこれは包み隠さず申上げておきます。それはそれだけでありますが、その次の問題として、外局の点については先ほども申上げたように御提出になつた資料に基いて更にお伺いいたしたいと思います。  第三番目は営林局の点であります。今回営林局の一営林局廃止、一営林局新設、そして又それに伴う管轄区域変更があるのでありますが、この点は所管大臣でない野田さんにお伺いするのは無理かと思いますから農林当局から御答弁を煩わしたいのでありますが、申上げるまでもないことでありますけれども、営林局行政即ち国有林行政というものは事業の面と同時に林政の面が非常に重要でありまして、特に国有林につきましては旧藩時代からの慣行とか、或いは明治の初年における土地の官民有区分査定とか或いは境界査定とかいろいろの経緯を経て参つて来ております。而も地元国有林との関係から言いますと、今申上げたように旧藩当時の林政が非常に重要な意味を持つておるのであります。この点は政務次官も長く林政に携われたかたでありますからよく御承知だと思うのであります。そこで昔もこの大林署時代にその地域の変更があり、又統合が行われた際に貴重な旧藩当時の文書或いは境界査定当時の重要な文書の散逸があり、従つてその後に林政携つた、私も多少携つたことがございますが、そういう場合に非常に困難を来たしたことを今思出すわけであります。従つて区域変更なり或いは新しい営林局新設或いは営林局廃止という場合に、ままいたしますとそういうことが非常に行われるのであつて、この点は特に注意をする点でありますが、そういう不便の点をふみこえて新しく管轄区域を変え又営林局長変更をするというにはそれ相当の強い理由がなければならぬわけであります。従来といえども流域についてそう相矛盾した造林とか或いは斫伐とかいうことが行われたり、又違つた施行案営林局の違うことによつて立てられるというようなことはなかつたと思うのであります。そういうような事情をよく御承知の上で営林局新設或いは廃止管轄区域変更ということが行われる以上は相当強い理由がなければならぬと思うのでありますが、その点についての御説明は先般伺つた程度ではなお十分納得しかねるのでありますが、この際それらの点について詳細に御説明を煩わしたいと思います。
  15. 野原正勝

    政府委員野原正勝君) 営林局移転或いは又新設でありますが、これは御指摘のごとく営林上の必要と申しますか、より一層国有林管理経営並びに民有林指導等機能を十分に発揮するための必要に基く変更でございまして、従来もございました営林局の中で特に長野営林局東京営林局というふうな点につきまして少しく詳細に申上げますと、昭和二十二年の林政統一がありまして当時御料林国有林一緒になつたのでありまするが、現在あります長野営林局はもとの木曾福島にありました帝室林野局支局になつておりました。それをそのまま長野営林局としたわけであります。長野県全部と岐阜県の一部を管轄しておつたのであります。それは木曾にありました木曾帝室林野局支局は御承知通り帝室林野局として御料林だけを管理しておつたわけであります。このたび新たに国有林全体が一緒管理経営されるという段階になりましたので、木曾の一帯だけでなしに長野県全部及び岐阜県をも含めたわけでありますが、いろいろ仕事をやります上に他の営林局との事情を見ておりますと、新潟県は戦時中に前橋営林局が疎開いたしました関係前橋営林局所管されておつたわけであります。非常に遠隔の地であり又非常に流域が違つておりまするので、山林の構造等もかなり違う面があります。従つて地理的に見て非常に形のいい管轄区域というふうな点を地理的にも見、或いは又国有林の面積或いは営林署の数というふうなものから考えますると、どうも従来の長野営林局という形では管理経営上どうも適正な管理の上に支障がある。これはやはり信濃川を一本の流域とする考え方をもつて長野県と新県潟一つにしたほうがよろしいと、そのほうが事務能率を発揮する上において非常によろしいというふうな点で長野県と新潟県は一つにしてやる、それから岐阜県の一部というのはこの際切離しまして名古屋営林局のほうに一緒にすることにいたしまして、そうして長野県の長野市に営林局を置くということに考えたわけであります。それから利根川流域は先ほど申しましたように前橋営林局があり、東京にも営林局が今日ありまするが、利根川流域をはるかにこえた信濃川下流地帯である新潟県まで一つにしまして前橋営林局があつたのでありまするが、非常に前橋では不便であり、又あまりにどうも流域が違う厖大なものでありまするのでこれはむしろ長野営林局のほうに新潟県を入れることを一つの機会にいたしまして、利根川流域というものは東京営林局一本にいたしまして群馬、栃木、埼玉、東京都、千葉、神奈川、山梨、それに茨城というふうなこの地帯を含めまして東京営林局ということにしたほうが好都合ではないか。それから又従来東京営林局管轄しておりました静岡県は地理的に見ましてもむしろこれは名古屋営林局のほうに一緒にしたほうが非常に管理経営上便利であるという点で名古屋営林局に持つて行くと、それから福島県は非常に国有林も多く管轄営林署も多いわけであります。従来宮城県が青森営林局管理になつておりまして、青森営林局青森、岩手、宮城と三県にまたがつてあるわけでありますが、宮城県から青森へというのは非常に地理的にも遠いわけであります。そこで非常に国有林の多い営林署の多い福島県は、福島市に営林署を置きまして、福島県と宮城県を一緒にして新しく営林局を作ると、前橋営林局は先ほどこれは申しましたように営林局廃止するというふうなことにするならば、国の全体から見まして非常に地理的にもバランスのとれた又営林署の数等も不当に、余りたくさんの営林署管轄するというふうな無理が救われるわけであります。そういう点で今回の営林局新設或いは廃止というふうなことは、飽くまでもこの営林行政を完全にやつて行くための技術的な考慮から考えられて、さような結論になつたわけであります。
  16. 楠見義男

    ○楠見義男君 私はこれは意見を交えての質問になりますが、いろいろ疑問はあるのですが、それは長野営林局は今お述べになつたように長野県の管轄区域は従来と変らない。それに今新潟県が加わつた。ところがその新潟県のほうは従来もこれはずつと昔は東京営林局に所属しておつたのですが、国有林というものはそう多いとは思わないのですが、むしろ林政統一の結果は長野に多い。そこで従来は木曾支局御料林木曾支局として岐阜の一部を管轄区域にしておつた。今度新潟県が加わつてそして局が木曾福島から長野に移る、長野に移るということについて最初に申上げたように、今ある建物のほかに又長野営林局というものを一つ開設するために新しい設備を作らなければいかん。それから又区分署その他のものも移さなければいかん。むしろ長野県よりも新潟県のほうが国有林としてのいろいろな仕事が多くて、そして又その山村の人々が営林局にしよつちう行かなければならんような仕事が非常に多いということであれば、木曾福島よりも長野市のほうが新潟県には近いから、そういう人たち便宜も考えるということも考えられましようが、仕事分量長野のほうが多くつて、而もその長野は従来も木曾福島であつたとこういうことであれば、ことさら営林局というものを移してやる必要は、勿論絶無とはいいませんが移すことによつて失われるまあ損失といいますか、不便といいますか、そういうものとも彼此勘案をいたした結果は、やはり従来のその支局のあつた所において置いたほうがいいのじやないかという、これはまあ或いは素人的な疑問かもわかりませんが、そういうふうに思うのでありますが、長野市に移さなければならないという特に強いなんか理由はあるのですか。
  17. 野原正勝

    政府委員野原正勝君) 御承知通り木曾福島はああいう木曾谷中心地帯でほんとの山の中の林業経営、あの木曾御料林だけを対象とした場合は誠に絶好な場所なんであります。むしろ林業経営はああいう落着いた環境のもとにやるということが非常に実はいいわけなんでありますが、これはやはりこの旧御料林というものを対象としたときの考え方中心で、当時も御料林帝室林野局支局があつたわけなんであります。今日はまあその当時と大分事情が変つております。つまり長野県全域に亙つて相当たくさんの営林署があります。これらが営林局中心にしましていろいろと業務をやるわけでありますが、いろいろ職員出入り或いは又関係の各地の関係者出入り、或いは又地方の行政庁とのいろんな関係、いろいろな連絡上から言いましても実は木曾の元の御料林だけの通りならば、まあたいてい木曾福島で何ら差支えないというような程度でございましても、今日あれほどの全体を管理するようなことになりますと、当然県庁との関係やらあらゆる方面との関連が非常にこくなつて参ります。木曾福島におるということはやはりこの管理経営不便だという点が従来痛感されておつたわけであります。それから又御承知通り営林局相当職員を包容しておりまして、教育であるとか或いは又家族の疾病その他まあいろいろな点を考えましても、やはり木曾福島でははいろいろな点で不自由の点も相当あるというような点で、従来地元におきましていろいろとそれらの問題が考えられて、まあ長野県としてはどうしたらよろしいかというふうなことで、まあ木曾福島では飽くまでも福島に置いてもらいたいという強い要望があつたことは承知しておりまするけれども、県全体としてでき得べくんば長野市に移してもらいたいということが長野県会の決議となつて現われたというふうなことも伺つておるわけであります。あえて長野県だけを管轄するのであれば福島から長野ということを無理に急いでやるというふうなことは、これは考えなければならん点もあつたわけでありまするが、信濃川流域をできれば一つにしたいと、前橋営林局というふうな、前橋営林局そのものが御承知通り戦時中の疎開であそこに作つたというふうな関係もございまして、実は必ずしも適当な場所であるかどうかというような点でまあいろいろ検討されました結果、前橋からこのたび東京のほうに管轄区域が変ると、現地営林局便宜福島県に置くというふうな形になりましたのに一つのチヤンスでございますので、新潟県は東京へ持つて来るよりも信濃川流域としてやはりできれば一本のものにしたいということから、長野県と一緒にした営林局を作るという形にしたほうがよかろうということで考えますときに、やはりこの遠隔新潟のほうからそれぞれ皆木曾の谷まで入りこむということは、なかなかいろいろな点で便宜上困ることも出て来るというようなことで長野市に移すようなことに変つたわけであります。但し現在あります長野福島のいろいろな施設というものは誠に貴重な施設もありますししますので、現地におきまして十分その施設を活かすようなことは、林野庁としてももとよりこれは考えなければならんということでまあいろいろな施設の中で現地に残せるものはできるだけ多く残すと、あの現地営林上非常によいいい環境でありまするのであの環境を活かせる面は十分活かすようなことも考えておるわけであります。
  18. 楠見義男

    ○楠見義男君 私は地元で或いは移転反対運動があるのか或いは長野誘致運動があるのかそういうことは全然知らずに、ただ純理窟の上だけでお尋ねしておるのですが、さつき申上げたように新潟県からその人民がしよつちう行かなければならんというような仕事があつて、その便宜というものを考えることのほうが、長野県の木曾福島から長野市に移す不便損失よりも比較考慮の上多いということであれば、これは又一つ考え方であると思うのです。ただ新潟県はさつき申上げたように昔は東京営林局の管内で東京営林局東京市にあつたのだからそのことを考えると余り大して変りはないのです。若し長野市よりも木曾福島のほうが遠いという不便を感ずるのが、営林署長だとかとにかく営林所関係の役人のかたがただけだとすれば、多少その不便といつても現在或いは過去のことを考えるとそれは忍んでもらつてもいいじやないかということは、長野市に一つ営林局を作るということは五十人や百人の局舎じやないのですから相当やはり大きな建物も要るし、それに要する費用というものはばかにならんじやないか。いわんや現在木曾福島に住んでおる局員は今度新らたに長野市で家を見附けなければいかん。そのまあ材木は国民が持つておるからいいとすればそれまでの話だけれども、この局舎のことを考えただけでも相当の私はまあ大きく言えば国家経済上の損失じやないかと、だから忍べるものならばできるだけ現在の家は変えずにいつたほうがいいんじやないかと、まあこういうことなんです。併しこれは議論になりますから、私はできればそういうふうにこれは修正、直したほうがいいじやないかと国家財政の上からいつて相当これで助かる見込じやないか。こういうふうに思いますが、まあそれは意見でありますからこの程度にしますが。  次に東京営林局の問題なんですが、私は前橋営林局廃止して、東京営林局にするということは、これは私はそれでいいと思います。というのは今お述べになつたように私も当時の責任者であつたのですが、戦争中に官庁疎開を内閣の方針として命ぜられて、そうしてその東京営林局前橋に行き蚕糸製造家のチヤチな、そのおよそ役所としては余り適当でない建物を借りて疎開しておつたのですから、向うへ落着いた上は又東京に戻つて来るというのはこれはいいと思う。ところが福島の問題になつて来ますと、福島もこれは昔から東京営林局にずつと属しておつた。そこで別に大きな支障というものは、むしろこの参議院では、内閣委員会には郡山営林局を設置しろという請願が恐らく第一国会から十国会くらいまで続いたと思いますが、郡山営林局を設置してくれということを自由党の橋本という人でしたか毎年請願ざれたことがあるわけなんです。この委員会としてはそれはなお検討を要するというので、ずつと保留のまま続いて参つたんです。ところが福島についてはそういう事情があり、それから宮城については仙台大林区署それから盛岡大林区署、青森大林区署が一緒になつて青森営林局ができ、爾来もう四十年たちますか或いは五十年たちますか、そうひどい不便というものを感ぜずに来たと思うのであります。そこでわざわざそういうものを二つだけひつぱり出してここに作るということは、前橋営林局というものがなくなつたからその身替りに福島営林局を作ると、こういうふうに理解しなければ理解できないようなふうにも思えるのですが、その辺はどうなんでしようか。
  19. 野原正勝

    政府委員野原正勝君) この福島営林局のことでありますが、御承知通り東京営林局前橋東京に入れます関係で非常に大きなものになるわけであります。それから同時に青森営林局はもとの国有林だけでもすでに管轄面積が非常に大きくて、少し営林局としては管轄営林署の数なども多すぎるというふうに考えられておつたくらいであります。青森、岩手、宮城三県にまたがつておりまして、いろいろ人の出入り、その他非常に不便な点があつたわけであります。ずつと以前には宮城大林区がありまして、宮城県は独立しておつたわけでありますが、青森営林局になりましてからもすでに四十年以上たつておりますので、その後昭和二十二年に御料林青森営林局にも相当つております。管理経営の適正合理化のための営林署が殖えてきまして、現在ではたしか四十九あるかと思います。どうもおのずから営林局にはやはりこの管轄営林署というものの余りに多くなりますと、これは仕事は徹底を欠くというような点が考えられますので、福島県の分といい宮城県の分といいこれを東京に入れましても青森に入れましても、少しこれは数が多すぎる。これは福島県のごときはもう非常な国有林がたくさんございまして、あの厖大な国有林東京営林局なり青森に入れましても、どうも非常に地理的にも遠いし、それぞれ管理上非常に不便であるとかなんとか、現地に最も近い適切な場所にどこか適当な営林局を作つて、両県を一つにしてやるほうが合理的にいくのじやないか。たまたまあそこは阿武隈川流域として一本の水系に属しております。いろんな点で便宜からいいましても、これは林業の中心地である福島県に置くほうが、よかろうというふうな結論になつたわけであります。福島県の中で郡山というお話もありましたが、これは地方行政庁との密接な関係もございまするのでいろんなそういう点を考えますると、やはり福島市に置くのがいろんな面で便宜であろうというふうなことで、福島市ということに決定されたわけであります。
  20. 楠見義男

    ○楠見義男君 この事業分量の上からいつて、例えば官材の払下料とか斫伐とか、或いは造林の量とか、そういうものから見て熊本営林局と高知営林局と、それから秋田、青森福島、こういうものとの比較はどういうふうになりましようか。これは若し今お手許になければその各営林局におけるその事業分量についての、或いは管轄国有林野面積というものについての資料を、これは後ほどで結構ですからお出し頂きたいと思うのです。
  21. 野原正勝

    政府委員野原正勝君) 現在の営林局が十四ございますが、その中で御指摘の例えば熊本、青森、秋田等を考えましても、営林署の数は熊本四十五ございます、青森は現在四十八、それから特別な運輸営林署一つ、四十九でございます、前橋が三十四、長野営林局は二十の営林署と運輸営林署を入れまして二十一でございます、秋田は約三十六でございます。
  22. 楠見義男

    ○楠見義男君 それじやそういう数字とか国有管轄面積とか事業分量とかいうものを資料としてお出し下さいますよう、そうしたらその時に又伺います。
  23. 野原正勝

    政府委員野原正勝君) この資料はできておりますから早速差上げるようにいたします。この資料で御覧頂ければわかりますが、私は今度の地方営林局改正によりまして、従来よりも非常に管轄の区域がすつきりし、又営林署の数等も非常にバランスがとれるので非常に形の上ではいい形になるわけであります。尤も地理的には熊本或いは青森のごときはやはり相当数の営林署になりますけれども、その点は数字で一つ資料で御覧頂きたいと思います。
  24. 楠見義男

    ○楠見義男君 それじや営林局の問題はその資料を頂きましてからお尋ねすることにいたします。
  25. 栗栖赳夫

    栗栖赳夫君 根本問題はいずれ資料を得てからお尋ねしたいと思いますが、ただ簡単に問題をお尋ねしたいのですが、折角課長、局長が来ておられますから設置法の八条第一項の十号に「病虫害の防除及び輸出入植物の検疫に関すること」という条文があるのですが、これは今度は農業改良局でいつて十条の五の二として書いて内容は違いはございませんか、どうですか。局長でも課長でもよろしうございますからお答え願いたいと思います。
  26. 小倉武一

    政府委員(小倉武一君) 内容は変つておりません。
  27. 栗栖赳夫

    栗栖赳夫君 そういたしますと、輸出入植物の検疫という中には米とか麦の輸入するものの検疫が入ると思うのですが、それも変りありませんですか。
  28. 小倉武一

    政府委員(小倉武一君) その通りであります。
  29. 栗栖赳夫

    栗栖赳夫君 ところで米その他の主食の輸入の際の検疫ですが、現在地方営林署というものが幾つあつてどういうように散布されておりますか。
  30. 小倉武一

    政府委員(小倉武一君) 現在ございますのは海のほうが十九と出張所のほうが一つ、都合二十になつております。
  31. 栗栖赳夫

    栗栖赳夫君 そうすると、そのほかにいろいろ開港場その他があるわけですか。それは現在どのくらいそういう設備のないものがありますか。
  32. 小倉武一

    政府委員(小倉武一君) 開港場の数はたしか五十八だと思いますが、そういう所に従来船が入ります場合には法規上から申しますと検疫ができないということになつております。
  33. 栗栖赳夫

    栗栖赳夫君 そこが私がお尋ねしたいところですが、野田大臣もお出でになりますから、大蔵省にも関係があると思うのですから一つお聞きを願いたいと思うのです。そうするとその検疫のない場合主食を外国から港に持つて来た場合にその検疫はどういうようにされるか。又どういうふうにする規定になつておるかをお伺いしたいと思うのです。
  34. 小倉武一

    政府委員(小倉武一君) 法律の建前で申しますと只今申上げました十九の港でなければ検疫をしていけないということになつておるのであります。港のどこか場所を検疫所で指定するということに相成つておるのであります。併し今お話のように実際問題といたしましては、十九の港以外に船が着かざるを得ないということもございますので、そういう場合は多少法律違反の虞れがございますのですが、便宜的に検疫官をそちらへ出張せしめて検疫をするというような便法を講じております。ただ終戦後検疫官の数もだんだんふえて参りましたが、それ以上に事業分量がふえて参つておりますので、それを十分にいたしておるというわけには参りませんけれども、成るべくさような便法を講じて遺憾のないようにいたしておる次第であります。
  35. 栗栖赳夫

    栗栖赳夫君 その出張検疫ということは規定はございませんか。任意で或いは法令に反してでもおやりになるという意味ですか、そこがどうでございますか。
  36. 小倉武一

    政府委員(小倉武一君) お話のように厳密に申しますとこれは法令違反になりはしないかと思います。併しそうばかりしかつめらしく言つてもおられませんので、現に出張してやらしておるということは実はあるのであります。ただこれは無制限にやることになりますと検疫ということの目的を達しにくいということになりますし又人員の関係からいいましても実際問題としてできないというような場合もございますのですが、止むを得ない場合は臨時検疫官を出張させて検疫をさせておるのであります。
  37. 栗栖赳夫

    栗栖赳夫君 ここに制度としてお考えを願わなければならんことがあるのですが、そうしますと規定の上からはこの十九カ所の地方検疫所のある所へ船を一度つけて、そうして検疫をして更に目的地である港のほうへ又そのものを廻さにやならんということになるわけですか。いわゆる俗にいう二港揚ということになるのですか。二港揚になりますと大体トン当りが二ドル、三ドル、或いは四ドルくらい値段が上るのであります。ここに国家の米代とか非常に上る、恐ろしい国民の大きな負担をかけることがあるのでございますが、野田大臣は御所管ではありませんけれども財政のことは私と一緒にやつてつたからよくおわかりのことと思います。そこでこの出張検疫をするということを何かきめて頂かないと主食などの場合には困るのじやないかと、こう思うのであります。先だつて私、私の国の山口県の岩国に帰つたのでありますが、そうしますと、それがないためにわざわざ広島まで持つてつてそうして更に山口県の岩国へ持つてつて倉庫へ入れたのであります。これは運輸関係その他で下関、門司のほうでは倉庫の関係でどうしてもできないのでそうしたのであります。その場合に広島まで持つてつてそうして二港揚になつてそうして非常な二ドル、三ドルの高いものを国家は払つておるのであります。これは国民の負担に関係するものでございますからこの機会に一つそういう場合には必ず出張検疫をしてもらう、こういうことをお願いいたしたいと思う次第であります。その辺はどういうようにお考えですか。こういう場合に出張検疫ができるかできないかということを又何か考えてしようというお気持があるかどうか、野原さんに一つお伺いしたいと思います。
  38. 野原正勝

    政府委員野原正勝君) 御指摘のように非常な御不便があり、二港揚というふうなことで非常に負担をかけるというふうなことがありますことは甚だ遺憾な点でありますので、その制度につきまして一つ十分検討いたしましてかような不便をできるだけ早く除くように努力いたしたいと思う。又制度につきましても改善を加えたいと考えております。
  39. 栗栖赳夫

    栗栖赳夫君 これはただ一つの例を私ども丁度帰るときに見ましたから申上げたのでありますが、全国でも大分あるようでございますのでその辺をことに主食については代価が上るということは問題でございますのでお考えを願いたいとこう思つております。この点を附加えて私の質問を打切ります。
  40. 三好始

    三好始君 ちよつと休憩前にお諮りいたしたいのですが、衆議院で保安庁法案が可決になつてこちらへ送付されたわけでありますが、保安庁法の今までの母胎になつておりました警察予備隊令その他が、大体において占領中のポツダム政令で出されまして、国会の審議を経ないで設けられて現在の警察予備隊ができておる。こういう実情でありまして、勿論これは法律案の一部改正法律としての効力を持つことにはなりましたけれども、この問題については相当国の治安の上からいつても又法律的な性格についても相当問題のある点であります。刻下の重要問題だと思いますので、審議の参考に資するために公聽会なり適当な方法で外部からの意見を聞く機会を作ることを委員会として決定頂ければ甚だ幸いだと思うのであります。
  41. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 三好君の保安庁問題につきまして審議の必要上公聽会或いは便宜これに代るべき外部の意見を聞く機会を作るようにという動議でありましたが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  42. 河井彌八

    委員長河井彌八君) では御異議ないと認めます。
  43. 楠見義男

    ○楠見義男君 私は希望を申上げますが、これは時日の関係もありますからそこら辺を見計らつて、その実質は今三好委員から御希望のように外部の意見をぜひ聞きたいということで御尤もだと思いましたから、その目的が達せられるように而もできるだけ能率的、簡易的に聽けるようなことができればそうして頂きたい。これは希望だけですから……。
  44. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 只今の三好君の動議に御異議ないということでありますからさように決します。これの取扱につきましては今楠見委員の御意見もありましたから十分考慮いたしまして又適当な時期を見計らいまして実行したいと思います。
  45. 楠見義男

    ○楠見義男君 これはですね、委員長及び理事のかたで御相談して……。
  46. 河井彌八

    委員長河井彌八君) ええ、相談します。
  47. 楠見義男

    ○楠見義男君 お願いします。
  48. 河井彌八

    委員長河井彌八君) それでは一時半まで休憩いたします。    午後零時二十九分休憩    —————・—————    午後二時四十四分開会
  49. 河井彌八

    委員長河井彌八君) これより内閣委員会開会いたします。農林省設置法等の一部を改正する法律案予備審査でありますがこれについて質疑を続行いたします。
  50. 楠見義男

    ○楠見義男君 余り私だけ時間を取るのも如何かと思いますからほどほどにしたいと思いますが、一点だけ最後にお伺いいたします。  それは外国為替予算の問題でありますが、今回の機構改革で外為委員会廃止され、そうして又経済安定本部における従来の権限がそれぞれ各省に移されることになつたわけでありますが、それに伴つて農林省においても、今回の改正法律案を見ますと、第四条の十六の四号に「所掌事務に係る外国為替予算案の作成の準備をすること。」こういうような字句で入つているわけでありますが、そこでほかの省の、例えば通商産業省のほうを見ますと、所管事務に「貿易に係る外国為替予算案を作成すること。」こういうことで、農林省関係においては「準備をすること。」というふうになつているのでありますが、何の法律でありましたか、この内閣委員会で今までに審議した法案の中で事柄は外国為替ではありませんが、たしか総理大臣国会に報告する、その報告案の原案を作成するという言葉があつたように思うのであります。そこでこれは大野木さんは御記憶だろうと思いますが、原案を作成するということと作成の準備をするということとどれだけの違いがあるのか、これを一つ伺いたい。これは大野木さんから伺つたほうがいいかと思いますが、御記憶ないですか。
  51. 大野木克彦

    政府委員大野木克彦君) 私は聞いておりませんでしたので……。
  52. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  53. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 速記を始めて。
  54. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 私から事柄の筋を先ず申上げまして、足りなかつたら事務当局からお聞きになつてもらうことにいたします。  外貨予算につきましては、この編成は行政機構改革後におきましては、貿易関係におきましては通商産業省で取りまとめ、貿易外につきましてはこれを大蔵省で取りまとめる。そういたしましてその両方のものを更に一本にするのは、大蔵省でありまして、それを閣僚審議会に提出いたしましてそこで審議を終えまして、それから閣議にかけて最終的に決定する。こういうことに相成つているのであります。従つて貿易関係は原案を通商産業省で作る。従いまして物資の輸出入に関する問題は農林省に廻り、厚生省に廻り、或いは運輸省に廻り、いろいろな役所に亙つておりますので、そういう意味からすれば、準備資料を作つてそれを通商産業省に持込んで、そこで通商産業省がいろいろ話を取りまとめて、それで大蔵省が作り、それを大蔵省が閣僚審議会にかける。そういうことになるという考え方で進んでおつたのであります。
  55. 楠見義男

    ○楠見義男君 そこでこの予算の作成の準備をするということと、どうせ予算案でありますから、今野田大臣のお話のように、最終的には閣僚審議会で御決定になり、その外国為替予算案について農林省所掌事務に関するその予算案を作成するのか……、作成の準備をするとここに書いてありますように、作成を準備すると、その作成の準備ということがどういうふうに予算案成立までの経過を経て行くのか。この点は実は事務当局からでも結構ですが、伺いたいと思います。
  56. 立川宗保

    説明員(立川宗保君) 予算案の編成の過程を申しますと、先ずこの準備という意味農林省、運輸省、通産省等から上半期においてこれこれの輸入をしたいという計画案を作りましてそれを通産省に持ち込む。で、通産省で又通産省の設置法にありますように、それを取りまとめて貿易に関する外国為替予算案をそこで一応編成する。で大蔵省では貿易外に関する予算案を一応編成いたしまして、そうしてその両者を大蔵省で更に総合調整をする。そうして初めてここに何年上半期の外国為替予算案というものが、一応原案ができまして、それを閣僚審議会で討議をして確定をする、かような手続になると考えております。
  57. 楠見義男

    ○楠見義男君 そうすると、伺いますが、農林省所掌事務、或いは厚生省とか、ほかの省は別にして、農林省所掌事務に関する外国予算案というものを農林省がお作りになつて、その作つたものを通産省に出した場合、通産省はほかの省の予算案とひつくるめて大蔵省に出すということになるのか、農林省作つた予算を通産省の立場から査定をするということがあるのですか、その点がわからないのですが……。
  58. 立川宗保

    説明員(立川宗保君) これは、ここまで来まする過程においては非常に論議があつた点でございますが、結局政府部内でかように決定をいたしました結論といたしましては、只今のお尋ねに対して、通産省がそれを査定をいたし、そして査定案を大蔵省に、通産省の通産大臣の責任で大蔵大臣に回付する、かようなことであります。
  59. 楠見義男

    ○楠見義男君 その査定をするという根拠は、通産省のほうには貿易に係る外国為替予算案を作成するという言葉遣いであつて農林省のほうでは予算案の作成の準備をするという、この準備があるからそういうことになるのですか。それともそれ以外の根拠で査定をするのですか、その点を伺いたいと思います。
  60. 立川宗保

    説明員(立川宗保君) その法律的な根拠は、通産省設置法の第四条の、「予算案を作成すること。」ということから発すると考えております。
  61. 楠見義男

    ○楠見義男君 そうすると逆に言えば、「準備」という言葉があるからそういうことになるとも了解していいのですか。
  62. 立川宗保

    説明員(立川宗保君) 若し「準備」を仮に削りましても、これは通産省の権限といたしまして、第四条に「外国為替予算案を作成すること。」とありますならば、結局貿易に関する外国為替予算を作成することは、通産省にあるということはここに確定をいたされておりますから、仮に「準備」という条項を削ろうと、削るまいと、通産省で外国為替予算案を作成することは間違いない。或いは農林省の設置法で農林省所管に関する外国為替予算案を作成することと並んで書いてありましたら、どこでまとめるか問題になりますが、一応「準備」ということを全部削りましても、通産省にかような規定があれば通産省で取りまとめることになると思います。
  63. 楠見義男

    ○楠見義男君 野田大臣に伺いますが、先ほどお述べになつた通産省は一応貿易に関するものの案を作り、それから貿易以外のものは大蔵省が作つて、それを一本にして閣僚審議会でおきめになるというお話でしたが、閣僚審議会できめるという権限の法的根拠はどこにあるのでしようか。
  64. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 貿易為替管理法であります。
  65. 楠見義男

    ○楠見義男君 貿易為替管理法では、私は今ものを持たずにこういうことを伺うのは失礼なんですが、閣僚審議会という言葉でやつているのですか、総理大臣という言葉ですか。
  66. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 閣僚審議会という言葉を使つております。
  67. 楠見義男

    ○楠見義男君 私は実はこの外国為替問題においてなぜこういうことを質問しますかというと、従来は経済安定本部という一つの総合企画官庁があり、又連絡調整官庁がありましたために、その点は必ずしも安本は十分な機能を果したとは思いませんけれども、一つの役割を果したと思うのであります。ところが最近の、例えばバターの輸入問題或いは油糧子実の問題等から見ましても、通産省は単純にポンド対策というような観点に重点を置いて、国内産業というものの重さを殆んど無視しておられるのではないかと思われるような節が多いのであります。そこで講和が発効して日本の経済或いは産業が国際的視野に立ち、そうして又その競争の荒波に立たされている場合に、国内産業を維持して行く或いはこれを健全に育てて行く、過ちなく指導して行くその責任は、それぞれの行政官庁の長である大臣が一応の責任を負つていなければならんと思うのであります。ところがバターの例を一つとりましても、日本の現在の製造総額の五分の一になるようなバターを、ポンド対策の観点からこれをやつて行く。一方では当該主管大臣は有畜農業というものを奨励するというので、廣川式の宣伝もありますけれども、併し非常に力を入れておるようであります。ところがそれをやつている一方において、バターを、五分の一にも及ぶようなバターを入れて、一方では有畜農業を奨励し、一方ではそれによつて酪農業というものを潰すような虞れのある政策をやつている。油糧についても油脂或いは油糧子実に関する当該責任大臣は農林大臣であるにもかかわらず、ポンド対策の観点から或いは極端に言えば一部局、一係官の面子からそれをぶち壊わすようなことをやつている。そこで外国為替について今申上げたように国際経済の荒波に出て行き、それにさらされているような今後の日本の経済において国内産業というものを、単純にポンド対策とかいうような……これはポンド対策を必ずしも私は不必要だとは申しませんが、そういう観点からやられることについて非常に危惧の念を持つわけなのであります。これは意見でありますけれども、そういう意味から、実はこの外国為替の問題は、今回の機構改革において非常に気になる問題なのであります。そこで農林省に伺いたいのでありますが、農林省の今回の改正案の十二条の二でありますが、この一号に「主要食糧、飲食料品及び油脂の生産、流通、消費及び管理に関する企画を行うこと。」とこうありますが、「油脂」というのは油脂製品をも含むのか。或いは油糧子実はどうなるのか。この点を先ずお伺いしたいと思います。
  68. 立川宗保

    説明員(立川宗保君) この油脂は、油糧子実を搾油いたしましてやられた油、それから水産関係の魚から搾つた油そのものでありまして、油脂製品につきましては、飲食料に供せられるものはその上の飲食料品の中に入る。飲食料に適しないものはこれに入らないということになります。
  69. 楠見義男

    ○楠見義男君 そこでその五号に、同じく「主要食糧、飲食料品及び油脂の輸出入の調整を行うこと。」、この「油脂」の意味はどういうふうな……。
  70. 立川宗保

    説明員(立川宗保君) この「油脂」も只今申上げました「油脂」と同じ意味であります。
  71. 楠見義男

    ○楠見義男君 そうすると油糧子実、及び油糧子実から搾油した油の輸出入の調整は農林省所管すると、こう理解していいですか。
  72. 立川宗保

    説明員(立川宗保君) これは通産省の権限におきましては、貿易に関する権限があるわけでありますから、その通産省の権限といわばダブつておるというふうには解しません。これはいわばさつきの輸出入の連絡調整といつたような意味で、通産省が輸出入に関しては責任を持つておりますから、それの内部的な連絡調整、かような意味であると考えております。
  73. 楠見義男

    ○楠見義男君 そうするとこの五号の「輸出入の調整」というのは、通産省との関係における調整と、こういう意味ですか。
  74. 立川宗保

    説明員(立川宗保君) その中で、ものによつて性質が違うと考えますが、例えば米麦等の主要食糧のようなものにつきましては、これは通産省設置法におきましても、第四条の二項でありますか、米麦等の主要食糧云々の「輸出及び輸入の基本的事項については農林大臣に協議しなければならない。」という規定がございまして、これについては明らかに農林大臣権限があるのであります。そのような意味において、米麦等の主要食糧についての輸出入の調整、それから例えば油脂についての輸出入の調整の書き方は同じ書き方をしてありますが、その実質上の意味は、多少ものによつてつて来る、かように考えております。
  75. 楠見義男

    ○楠見義男君 通産省との関連においていろいろ御検討になつたと思うのでありますが、通産省の官制、設置法を見ますと、油脂に関する言葉はただ一カ所、十一条の軽工業局における所管事項の中で、「油脂製品」という言葉だけが出て参るのでありまして、今お述べになつた油脂の漁業用油とか、或いは油糧子実、或いは油糧子実より搾油したる油、こういうものについての所管は、当然そうすると農林省にあると、こう理解していいのですか。
  76. 立川宗保

    説明員(立川宗保君) この通産省の設置法の四条ところでは、広く十六号とか、十七号とかの「輸出及び輸入を行うこと。」、或いは「輸出及び輸入を制限し、又は禁止すること。」といつたようなことがございまして、一般的に貿易について広く権限を持つておる。こういうことに相成りますので、従つて油脂については、この個別的に特掲をしてはおりませんけれども、輸出入の見地においては広く権限を持つ、かようなことになると考えております。
  77. 楠見義男

    ○楠見義男君 そうすると具体的に、先ほどあなたのお述べになつた、繰返し申しますが、油糧子実油、漁業用油、こういうものについての具体的の生産、流通、消費管理に関する権限はないが、併し輸出入の面から通産省は権限があると、こういうような御趣旨の御説明でありますが、一応そういうふうにした場合に、今もお述べになつた通商産業省の第四条第二項において、通商大臣は、いろいろ他の官庁における基本的な官庁の所管物資について輸出及び輸入の基本的事項を定める場合は、それぞれ当該大臣との間に協議をしなければならない、こうあつて、農林関係については、「米麦等主要食糧、肥料及び飼料」とあるのでありますが、油脂は今お述べになつたような意味における所管が農林大臣にあるにかかわらず、その基本的事項について農林大臣に協議をしないというふうになつておるのは、これはどういうことなのでしようか。ということを伺うのは、先ほども申上げたように、バターについて農林省の一枚看板のような政策を、一方ではポンド対策からぶつ壊そうとしている。或いは油についてインドからあまに油を、日本の国内産業の油糧子実を入れるという希望を押し潰してまで、ポンド対策の観点からあまに油を入れる、この点が私は実に全体の日本の産業を紊る暴挙だと思うのでありますが、その点がはつきりしておらないからこういうことになり、又こういう疑問を持つのでありますが、ここに通商産業省の四条の二項に油脂が入つていない理由は、農林省としてはどういういうふうにお考えになつておるのでしようか。
  78. 立川宗保

    説明員(立川宗保君) 率直に申上げまして、この今の問題については非常に何と言いますか、具体的な運営については大いに問題があると考えております。で、御指摘のように、輸出、或いは輸入に関する政策を定めます場合に、これは必ず国内産業としてのそれぞれの当該産業の運営に至大の影響を及ぼします。で、たまたま通産省は輸出入に関する全体の権限を持つておられますと同時に、所管物資については原局としての立場を持つておられますから、鉱工業生産物については、全体として一貫した考え方が省内で調整できるわけであります。ほかの省は暫く除きまして、農林省所管物資につきますと、例えば油脂について言えば、これは産業の立場と貿易の立場というものの問題が出て参るわけであります。そこでその問題は輸出輸入に関する調整を重しとして見るか、それとも産業の立場を重しと見るかによつて、その辺は非常に争われるわけでありますけれども、現在例えば外国為替予算の編成の問題をめぐつての論議にそういうことが出て参りましたが、さような解決をいたしております。そこでお尋ねのございました油脂について、こういうものがなぜなかつたかということについてでございますが、これは沿革的な問題でありまして、戦後昭和二十一年であつたかと思いますが、当時の商工省の、これは設置法、官制でありましたか、それをきめます際に、あの当時貿易庁ができまして輸出入の一元化という問題があつたわけであります。そこで従来ありました各省の権限を、全部当時の商工大臣に持つて来るということになりました際に、経過的には例えば主要食糧については食糧管理法上農林大臣が輸出入の権限を持つておるといたしますと、その法律関係の調整もありまして協議するという恰好でそこで調和したというようなことであります。ところが油脂につきましては省令で書いてあるに過ぎません次第でありまして、油脂の需給調整規則でありましたか、さようなものでありまして、これはこの際商工大臣に一貫して権限をまとめるのが妥当であるという結論でここに書かないということになつたはずであります。
  79. 楠見義男

    ○楠見義男君 私の伺つておるのは、そこで油脂という言葉が一方に官制にあり、一方には油脂製品という言葉があり、使い分けをしておるものだから、どうもどちらかに一本になつて、例えば油脂は通産省になつておればこういう疑問は起らないのですが、一方では油脂という言葉になつておるものだから、それについては生産、流通、消費、管理権限農林省が持つておられる。而もこれが飼料等々に比べるともつと重要なものであるというにもかかわらず、この通産省の四条の二項にそれが落ちておるものだから、その点がどうも疑問になつてつておるんです。
  80. 立川宗保

    説明員(立川宗保君) これは物資の所管といたしましては、油脂と油脂製品ということで二つにわけてあるわけでありますが、そのほかにも農林省所管物資でありまして、こういう油脂と同じような扱いになりますものについては、農林、水産業専用物品といつたようなものについて、或いは飲食料品もそうでありますが、物資としては農林省所管としてなおこれは油脂と同じく輸出入の問題については協議というところまで行かないで、通産大臣権限にあるということになつております。
  81. 楠見義男

    ○楠見義男君 そうすると油脂については主要食糧で、飼料、肥料のようなもので、農林省としては重要にお考えになつておらないから、この協議事項についても協議の必要がないと、こう了解してよろしいですか。
  82. 立川宗保

    説明員(立川宗保君) 決してさようではありませんで、油脂については飼料等と比べまして、決してウエイトは重すぎても軽すぎることはないという工合に考えますが、この辺はやはり昭和二十一年のときの沿革的な経緯であります。それをこの際変更するということは事実上できないものであるという工合に考えまして、暫く従来通りいたしたいと考えておる、かような結論であります。
  83. 楠見義男

    ○楠見義男君 この問題はこの程度にしまして、次は非常に細いことなんですが、同じく十二条の二の八号における「主要食糧、飲食料品及び油脂に関する団体の指導監督及び助成を行うこと。」こうありますが、この助成は現在どういう助成をお考えになつておるのか。或いは又将来どういうふうな助成を考えていられるのか、この点をお伺いします。
  84. 立川宗保

    説明員(立川宗保君) 助成は現在のところは該当しておる仕事はやつておらないと思いますが、曾つてそういう助成の仕事をやつたこともございます。差当りどうこうということは考えておりませんが、権限としてはかようなことが将来あり得るとも思いますのでここに書いてあるということでございます。
  85. 楠見義男

    ○楠見義男君 これはもう一つ農林省のほうに資料としてお願いいたしたいのでありますが、この改正法によつて新らしく機構が変つた場合における分課の状況を資料としてお出し願いたいと思います。
  86. 三好始

    三好始君 資料要求が出ましたが、序でに私からもお願いいたしたい資料一つあるのでございますので、併せてお願いいたします。それは設置法では具体的に外局と内局とでどういうふうに事務の運営の仕方が違うのかということが出ておりませんけれども、同じ内局のほうでも例えば現在の海運局の統計調査部は組織規程の上では、業務、会計、人事等に或る程度独立性を持つたような組織規程になつておるということも伺つておるのでありますが、審議の必要上現行の組織規程を資料として頂けるのだつたらお願いいたしたいと思うのであります。
  87. 河井彌八

    委員長河井彌八君) よろしいそうです。
  88. 楠見義男

    ○楠見義男君 私は一応資料提出を待つて改めてお尋ねすることにいたしてこの程度で……。
  89. 栗栖赳夫

    栗栖赳夫君 根本問題は先ほど申しましたように資料提出を待つていたしたいと思いますが、この条文を見てみると、実に農林省は大蔵省の仕事もできるような規定がずつとあるんですが、この法律案の六頁の十二号ですが、「資金に関する調整」とありますが、これは大蔵省の所管事務でなければならんと思います。一般に資金に関する調整をなさるのですか。そこはどうですか。
  90. 野原正勝

    政府委員野原正勝君) これは御承知通り農林漁業資金のことでございます。
  91. 栗栖赳夫

    栗栖赳夫君 農林漁業資金ということはどこでわかりますか、この条文について……。
  92. 立川宗保

    説明員(立川宗保君) これは実は整理のミスということになると思いますが、十二号の現行規定は官房のところに書いてございます。これを農林経済局のほうに移したのでございますが、官房の場合には官房の所掌事務の頭に農林漁業に関するというのがかぶつてつたわけでございます。農林経済局のほうにはかぶつておりませんので、その辺はいわゆる整理のミスで、従来は当然こういうことであつたのであります。それがここに持つてつて裸にして出して見ると、今度はちよつとおかしいということになるかも知れませんが、この辺は或いは申訳ないミスであつたと思います。もう少しはつきり調べます。
  93. 栗栖赳夫

    栗栖赳夫君 そうしますと、十七号の企業の整備、振興も一般であつたらこれは大変なことになるのでこれも……。それからその次の「商工業団体の指導監督」、これにも農林省所管がないといかんと思います。それからさつきの二十号に関する「外国為替予算案の作成の準備」も一向農林省に関するものとは出て来んのでありまして、これなど再考して何か忘れないように入れて頂かんと、官房の部分には立派な分掌があるのでありますから、と思つておりますが……、私はこれでよろしうございます。根本問題は別にいたしますから。
  94. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 私も栗栖委員の請求された資料が出ましたならば、改めて質問さして頂きたいと思いますが、差当つてお尋ねしたいのは、野田長官にお尋ねいたしますが、この行政機構改革に関する説明の中に、簡素且つ能率的なものとするのだというような趣旨の下に、こういうことが行われた。行政機構改革をやるのだということはわかりますが、そこで一、二と挙げられた二の中に、「各省の外局たる庁は原則としてこれを廃止し、各省の内局又は附属機関とすることであります。」と、こうなつておりますが、内局を外局にするとどれだけ事務が増すか、且つ能率的になつて来るかという点を原則的な問題として承わりたいと思います。
  95. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 普通組織的に見ますと、外局でありますると長官、場合によつては次長、部長、課長というような段階になつておるのでありますが、その外局仕事が本省に関連をしたとき、外局だけでやつて又本省のほうに相談をするという官房機構だけでも二重に通ることになる、でありますから、いろいろと協議をいたす場合におきましても内局であつたほうが横の連絡がいい。これは私は官庁の機構的に申上げます。というのは、外局は政治上独立をしているが、半独立であります。内局は相互に一体をなしておるのであります。そういう点から言いましても連絡の点が相当密になる、それから外局ですと局の中に部がある。普通分れておりますが、内局は部がありません。そういう点においても簡素になつて来る、いろいろな点があるだろうと思います。こういうような上下の段階の点もありましようし、或いは局内の相互の連絡ということもいろいろあると思います。
  96. 河井彌八

    委員長河井彌八君) ちよつと成瀬君の御発言中でありますが、只今議長から、議場の議員の数が足りないから直ちに議場に来てくれ、こういうことでありますから、ちよつと一時休憩いたしまして議場に参りたいと思います。議事が済みましたら、すぐにこちらにお集り下さいまして委員会を続行しようと思いますが、さようにお願いいたします。ちよつと休憩いたします。    午後三時二十四分休憩    —————・—————    午後三時三十七分開会
  97. 河井彌八

    委員長河井彌八君) これより内閣委員会を開きます。  先刻に引続きまして御質疑を願います。
  98. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 今の長官の御説明では少し私も納得行かないところがあるのですが、これは意見にもなりますからこの問題は改めてということにしてもう一点質しておきたい点は、何か内局と外局の場合、職務の性質で区別をするというようなことを昨日も述べられておるのですが、その性質ということは、農林省の場合でいうと、何か農林行政関係があるとかないとかいうような意味水産庁と絡み合つておる、そういつたような職務の性質という意味合いでございますか。
  99. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 今度の外局は前にも御説明がありましたが、大体審判的な性質を持つた行政機構は除きまして、そういうものは外局として存置いたしますが、そうでないものは本省に大体統合する、そういう方法をとつたわけであります。そこで然らば水産庁は審判的性質を持つたものじやないじやないか、こういう御質問であります。まさに水産庁は普通の行政機関でありまして、審判的性質のものとは決して言えないのであります。これは一つの例外をなすのであります。どうしてこういう例外を作つたかという御質問になつて来たときに、水産庁は大きな農林省という中にありますけれども、他の農林行政とは関連が薄いと認められる。そうして且つ又国会においても水産委員会は別になつておるような事実があり、又水産庁設置ということが殆んど前にも皆さんの意見の一致を見たような事実もあり、そういう事実を十分斟酌し、又政府部内においても十分検討の上、今回の行政機構においてはそれをそういう意味合いで外局として残すことにした、こういう意味合いだということです。
  100. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 若干意見を申して恐縮なんですが、例えば食糧庁などに例をとりましても、むしろこう何か企業のですね、企業原則に基いた一つの独立採算制みたいなものをやつて、その点いろいろなことをやりまして、職務の性質でいろいろなことをやれば、むしろこちらのほうが水産庁と比較した場合に、非常に農林省の中に置いてやつて行く場合と一つの私は、どう言つたらいいか、独立性というような意味が強いように思うわけです。水産庁はその場合に外局にしておくが、食糧庁は内局にしたというような点においては、私は実はそういう面から考えた場合に少し納得の行かない面がありますが、これも一つ又あなたのほうの資料に基いて質問をやらして頂きたいと思います。  それからもう一点お聞きしたい点は、統計に対して今度見ますと、内閣、厚生、通産、農林、労働というようなところにあつた部制が全部廃止されたわけでありますが、その点については問題は別として、統計というものに対してあなたのほうはどういう行政上における基本的な理念として考えて今度機構改革をされたかという、その理念を一つ承わりたいと思います。
  101. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 統計というものは、今日のような厖大なる国家行政取扱う場合におきましては、統計は行政の基礎をなすものと思つております。これは極めて重要なものでありまして、我々は特に統計的な数字による場合が多いのでありまして、統計に対しては最も理解のある一人だと思つておりますが、しつかりした統計、しつかりした調査をしなければ立派な行政はできないという信念には、政府全体として変りはないわけであります。今回の統計調査部の廃止ということは、これは前々から申上げまするように、現在の国家行政組織法においては、局中の部はこれを廃止するという建前がすでに数年前に確立されて一年遅れに暫定的に繋がれておるような状態でありまして、明日を以て当然部はなくなることになつております。その行政組織法に基く局中の部を廃止するという原則は貫きたいと、そのほうが行政機構としてすつきりしてよろしいという考え方で進んでおりますが、併しこれに関連して統計調査というものを本当によい統計調査を作りたいと、こういう政府の意欲というものは全然衰えておらないで、むしろ強くなつております。これはむしろ部を廃止するけれども、統計調査というものはしつかりやつて行きたい。これには如何なる形をとつたらよいかということをいろいろ研究しました結果、統計調査監というものを設けようと、この監についてはこの前の委員会にも一応申上げたと思いますが、又詳しく申上げますと、この調査監というものは、私たちの考え方といたしましては、一般的な雑務というものを成るべく主務としないで、主務は飽くまで統計調査というものに専念する、そうして極端に言えば統計調査の神様みたいな人を持つて来て統計調査監に据えたい、そうしてそれは眼光紙背に徹して仕事をして行く、新らしい改革をして行くということに持つて行きたい、そうして煩わしい雑務のようなことは、その下にどうせ課がありますから、その課の課長であるとかそういう人たちにしてもらつて、勿論参考意見を述べたりするようなことはあると思いますけれども、統計調査監は統計調査に関する優秀な人を持つて来てこれに据えまして、それに成るべく専念させて立派なものを作つて行きたいと、こういう意図であります。これはまだ今後の問題でありますが、統計調査監をここに持つて来ますと、給与の点につきましても特別な配慮をしなければならんというような考えを持つておるわけであります。
  102. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 統計調査に対する考え方については私も長官と同感でございますが、そうしたものと、それからもう一つ行政上の独立ですが、調査統計というものは私は政治的にいろいろとなつていかんと思うのです。例えば米麦の統制の撤廃なんかに絡まつて数字が減つたり殖えたりしては大変なことになつてしまう。そういつた場合に、今度の監を置かれた場合、そういつた一つ独立性というものが何か制肘を受けるようなことになるようなことはないであろうかどうだろうかというようなことについて心配するわけですが、そういう点についてはどんなふうにお考えになつておりますか。
  103. 野田卯一

    国務大臣野田卯君) 私は今申上げましたように、統計調査監というものは統計のために死んでもよいと思つておるような、そのためにレポートする人を作りたい、そういう人を元締として、その人を主将として統計調査監はこれをやるのだということで、統計調査につきましてはこれが非常な責任者でもある。でありますからそういうような人がその仕事に関しましては実質上中心的になる。場合によつては局長以上の力を発揮するというようなポストに置いておりますので、独立性というものは維持できるのではないか、独立性というものを今のようなほかの原因からまぜくり返されるということはむしろ防げるのではないか。普通の部長でありますと、場合によつて当り障りがありますが、普通の行政官を持つて来てときどき替えてみるというような、統計調査そのものに一生を捧げてもいいというような人でなしに、出世の段階としてそこに来るような人が来られるような場合が相当あり得ると思う。そういう人がどんどん替つて来るというよりも、むしろそれに適して、ほかには余り融通はきかない、併し統計調査というようなことについては神様のような人が一生懸命やつてがつちり押えて行くということのほうが、今お話のような点が防げるのではないかと、こういうふうに見ておるわけであります。
  104. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 その点について長官の御答弁によりますと、人で以て防いで行けるというようなところに私はウエイトがあるやに聞えるわけであります。私はそれを組織上一つの官房なら官房に置いてしまつて、私はやはり政治的な制肘がむしろ加わり得るようになると思うのです。あなたのおつしやるのも私はよくわかりますが、それは人でやつて行くというので、そうじやなくて、法制上そういうことができなかつたものかどうかというのですが、これはまあ少し意見めいたことになりますですから、又後ほどやりますが、私は少くともあなたのおつしやるような調査統計の独立性というものに対しては理念がおありだと思う。その理念を貫くという意味で、政府が出されたすべての提案に対しては私は異議があるように思いますが、この点は又後ほどやることにいたします。以上であります。
  105. 栗栖赳夫

    栗栖赳夫君 若しできれば資料を頂戴したいと思うのですが、それは今度の行政機構改革から言いまして、これは高能率にし、事務を簡捷にするということが私は主体に相当つていると思うのであります。そうすると、この前の昨年の秋の定員法のときにも問題になりましたが、私どもは法律とか法令が随分多過ぎると思うのです。こういうように機構も動かされるとすれば、そういうものについても相当改廃が現に行われつつありますから、政令その他でどういうように変つて行くか、仕事のボリユームというような点も考えなければなりませんので、何か機構改革に一貫したお考えがあり、それが資料によつて頂戴ができるならば、それを頂戴したら非常にいいのではないかと思うのですが、如何でございましようか。
  106. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 現在政府のやつております行政事務が非常に複雑、厖大でありますので、これを何とか整理をいたしまして、そうして機構の縮小、機構の簡素化或いは人員の整理を行いたいと、こういう考えを持つておるのでありますが、今回の行政機構改革に当りましては、この政府の事務の整理ということにつきましても考えてみたのでありますが、結局政府の事務の整理ということは、その仕事の基礎が大体法令にありますので、法令の整理をやらなければならんということになります。法令の整理ということになりますると随分手間のかかる仕事でありまして、非常にたくさんの法律がありまして、複雑に規定されておりますので、これを整理して、許可制度或いは届出制度、或いはその他の制度をどう簡素化して行くかということについては専門的に研究して行かなければならんという関係で、時間の余裕もありませんでしたので、政府部内に法令整理本部というものをすでに設けまして、法制局、今は法務総裁でありますが、将来法制局長官が中心になりまして、関係各省の者等が集まつて、一々法令を見まして、そうして間引く法律、或いはその中で簡素化をする法律、その他いろいろと仕訳をする、それを至急具体化し、これに基いてこの次の行政機構改革或いは行政整理を行いたい、こういうふうに考えておるわけであります。
  107. 栗栖赳夫

    栗栖赳夫君 そうすると今の点は、この際の行政機構改革には上つて来ないというわけでございますな。
  108. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) この際の機構改革には全般的には上つて来ないわけでありまして、但し御承知のように、特別調達庁であるとか或いは経済調査庁であるとか、或いは安定本部とか、こういつた役所におきましては、従来その役所の任務としておりました仕事相当なくなるとか或いは軽減されたということがありますので、それに応じましてこれを廃止したり、事務を減らしたり、いろいろなことをしております。従つてそれに関連いたしまして機構もぐつと変つて参りますし、人員も相当整理をするということになつておりますが、全般的には今度の改革には織込め得なかつたということであります。
  109. 栗栖赳夫

    栗栖赳夫君 それからいま一つの点は、野田大臣も大蔵省の御出身だから丁度いいと思うのですが、私は日本の財政上、特に予算が非常に複雑であつて、外国と比べて非常に事務が簡素にもならず、余分な時間もかかると思うのであります。予算、決算でありますが、その実体を捉えるには、差引きいろいろ勘定をして初めてわかる。而も予算の作り方、会社の経理その他から見ますと、まだ大福帳式の精神が残つておると思うのでありますが、これをもつとわかりやすく、誰にもわかりやすく事務を簡素にするためには、財政法に関係しますが、そういうものを更めてこの機構改革と睨み合してやろうというようなお考えがあるかどうか、これは事務の簡捷の意味でございます。
  110. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 只今のお話の点は御尤もな点でありまして、我々といたしましては、できるだけ従来の官庁のいろいろな経理の方式、経理をいろいろ整理して行く方式を漸次民間式に改めたいと思つております。併し今までのところではいろいろな事情が違つておりますので、必ずしも民間のやり方と同じように持つて行くということはできないのでありますが、機構を作るというよりも、いろいろと会計制度検討する場合には、民間の方式で取入れられるものは成るべく取入れて近づけて行くということに努力をいたしておりますが、企業会計における発生主義だとか、いろいろな方式を新らしく取入れておりまして、今のいわゆる現金主義、あのやり方に対しまして発生主義をできるだけ広く取入れるようにやつて行きたいと検討いたしておりますが、まだ今後も引続いてこの方面につきましては研究を進め、改善を図つて行かなきやならんと、こう考えております。
  111. 栗栖赳夫

    栗栖赳夫君 そうするとまだそういうものについて改善、事務の刷新を図るというような機関とかというようなものはできておらんわけでございますか。
  112. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) その問題につきましては行政審議会という機関も行政管理庁に附置して置かれることになつております。そこで行政の執務のやり方というようなことも研究いたすことになつておるのでありますので、それの一環として行政審議会でも審議しておりますし、又行政管理庁でもそれを十分検討いたしたいと思つております。なお予算制度全体につきまして、今回の予算庁の設置とかいろいろな問題は一応見送られておりますが、予算制度全体の問題がやはりペンデイングになつておるのであります。こういう問題も今後引続いて研究をいたして、成案を得ましたならばこれをお諮りしたいと、こう考えておるわけであります。
  113. 竹下豐次

    ○竹下豐次君 農林省だけの問題じやありません。一般的な問題につきまして長官にお伺いしたいのですが、今度の行政機構改革によりまして局部等をお減らしになる御計画、それは大変結構だと思つておりますが、課の廃合ですね、この問題については今日まで殆んど質問応答が触れていないわけなんです。どの委員会でもそうでありますが、これはどういうことになるのですか。まあ私など見ておりますところによりますと、役所と関係のある民間人から申しますならば、局やら部を減らしてもらうということも必要でありますけれども、課が一番直接するところでありますので、一つの問題を解決するためにも幾課もあつちこつちしなければならないというようなことで大変迷惑している筋が各省で多いのじやないかと思います。田舎の県庁あたりでもそういうようでございますが、どうも課に触れませんというと、折角部局だけを整理されましても、本当に整理の目的を達しないということになつてしまうのじやないか、かようにまあ考えておるわけでありますが、この点はどういうふうにお考えでありますか。
  114. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 課の点につきましても我々は考えておるのでありますが、現在の政府部内の取扱いといたしましては、課の設置は各省に任せてあるために、課が場合によりますとどんどんと或るところでは作られ、或るところでは非常に引締つて作られないということで、大分でこぼこができておるように存じます。今各省並びに外局等の中にどれだけ課があるかということを調べてみますと、千九十あるわけであります。相当大きな数になつておりますので、今後の行政審議会におきましては、この課をどう持つて行くかということを十分検討して頂きたいと思つております。政府の考え方といたしましても、今後できるだけ課を大粒の課にしたい。今名前で一体何をやつているかわからないくらい細分化されてしまつております傾向がありますので、もう少し大粒な課にする方向に持つて行きたい。今これは閣議でもしばしば意見を皆そういうふうに合わしておるわけであります。今後厖大な数に上る課の整理と言いますか、これを整えると言いますか、それについては引続き努力して参りたいと、こう考えております。
  115. 竹下豐次

    ○竹下豐次君 私の意見みたいなことになりまして恐縮でありますが、今お話の通りに、各省、各官庁によつて非常にまちまちになつているというのが事実だろうと想像しております。ただ考えようによりましては、事務が非常に社会の進歩に伴つて細かくなつておりますので、課の殖えて行くということも必ずしも悪い部面ばかりじやないと思つております。それは十分考えなければならんことだと思つておりますけれども、少し分れ過ぎて、却つてそれがために事務を渋滞させるというようなことも非常に多いように思いますので、成るべくならばやはり政府のほうでもこの点には重点を置かれまして、期限でも切つてやはりその廃合を着々とお進めになることが非常に重要なことじやないかと私はまあ考えておる次第でございます。私の希望を申上げておきます。
  116. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) それからなお課の殖えました一つの原因といたしまして、給与制度の問題があるのでございまして、課長になれば月給が上がる、課長にならないと月給が上がらないというようなことがありまして、それがために、月給を上げたいためにいろいろな課を作つて課長にするということもなきにしもあらずで、これはやはり給与制度に絡む問題でありますので、その方面も十分研究いたしまして、そういつた給与のために行政機構改革するということのないようにいたしたいということを考えております。
  117. 竹下豐次

    ○竹下豐次君 私もちよつと言いたかつたんですが、遠慮して申上げなかつたのでありますが、そのほかいろいろな形でそういうものが現われておるように思いますので……。
  118. 赤松常子

    赤松常子君 さつき統計の重要性をおつしやいまして、大変力強く思つたのでありますが、それに関連いたしまして一、二御質問申上げたいのでありますが、統計調査監の身分関係はどういうふうにお考えになつていらつしやるのでしようか、又法制上の立場と申しましようか、そういうふうなもの、それから予算関係をどういうふうにお考えでございましようか。
  119. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 予算関係は、調査監ができますれば、調査監に関する経費が盛られるということだけで、別に変りはございません。法制的に……、今お話の点私誤解をいたしておるか知れませんが、例えば調査監の身分を保障するようなことを考えておるかどうかということにつきましては、調査監の身分の保障ということは現在の法制ではないかと思つております。特別の保障というものは統計調査監にはないかと思つております。只今まだそういう保障はありません。併しこれは一種の専門的な仕事でありますので、できるだけ人を余り替えるということをしないで、適材を十分重用して行くと申しますか、適材を簡抜して、この人に一生懸命やつて頂くような制度を漸次作つて行く、こういうことを現在考えております。
  120. 赤松常子

    赤松常子君 その人事権はどういうふうにお考えでいらつしやいますか。
  121. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 人事権は、普通の行政組織法等に基いて任命をするということになるわけであります。例えば大臣なら大臣がこれを任命する、こういうことになるわけであります。
  122. 赤松常子

    赤松常子君 それで公平妥当な調査が行えるようにしたいというお気持だと思いますけれども、それは完全に期せられるようなお見通しでございましようか。歪められない統計を出して行くということでございましようね。
  123. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 私は統計調査に関しては自分自身も相当関係を持つておりましたが、最近は統計調査が相当信用されるようになりましたが、数年前までは統計調査の話をいたしますと、閣僚の中でも余り信用しない人があるようなことがありました。実際の話でありますが……。というのはやはり各省で統計を作る場合に、作為的に政策的意図を持つて作られたりするものですから、統計を余り重んじたようなことを申すと、妙な目をして見られるような場合もあつたのですが、最近は、特に終戦後統計はたしか進んで来ておると思います。アメリカのほうの指導もあつたと思いますが、非常に進んで参りまして、相当信頼すべき統計ができつつあると思います。この信頼すべき統計ができつつあるということは、今後飽くまでこれを守り育てて行きたい。それがためにいろいろな給与制度とかその他の人事制度についても特に配慮をいたして行きたい。こう考えております。
  124. 赤松常子

    赤松常子君 最近私の経験したことでございますけれども、臨時工の調査をいたしました。労働省でそれを非常に正確、綿密に実態を調査いたしましたわけなんですが、それが発表を差押えられまして、何か非常に政治的意図の下で握りつぶされたということも聞いておるのでございまして、正しい統計、正しい調査というものが本当に作られることにいろいろと何か障害があるのです。そういうことも聞いておりますので、将来そういうことのないように、本当に正しい統計調査をやり得るようにお願いいたしたいと思います。
  125. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 統計委員会というものはなくなりまして、行政管理庁に統計基準部というものが作られまして、統計の元締をすることになつておりますが、勿論専門的なことでありますから、別に統計審議会というものを置きまして、専門家に入つて頂いて、内容的には十全を期したいと思つておりますが、今のような統計が歪められることのないように、折角いい統計ができかかつておりますから、これを今後力強くやつて参りたいと、こういうふうに考えております。
  126. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 諸君にお諮りいたします。農林省設置法の一部を改正する法律案、この審議はこの程度にとめておきまして、次に建設省設置法の一部を改正する法律案議題といたそうと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  127. 河井彌八

    委員長河井彌八君) この際諸君にお諮りいたします。建設委員会から理事赤木正雄君、同じく理事田中一君がお見えになりまして、建設委員会の御決定に基く御意見をこの委員会において御陳述になろうとするのでありますが、両君の御発言を請うことに御異議はありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  128. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 御異議がないと認めます。さように取り計います。それでは赤木理事
  129. 赤木正雄

    委員外議員(赤木正雄君) 特にこの委員会におきまして田中理事並びに私の発言委員長がお許しになるよう処理されたことを深く感謝いたします。建設省設置法の一部を改正する法律案につきまして建設委員会の大多数の意向を代表いたしまして二人からそれぞれの意見を申上げます。  私のほうから申すことは、第一に、この法律案によりますと、技監制を廃して、これに代るに建設技術会議を設ける、こういうことであります。これに対して我々の委員会といたしましては、その大部分はこれに反対であります。私の委員会におきましてなぜ技監を廃止するかということを政府に聞いたときに、政府の御答弁によりますと、昔の技術と違いまして、今日の技術は実は多岐に跨つておる、従つて一人の技術者を以てすべての技術を任すことはできないから、技監の制度はむしろ意味がない、それよりも技術会議をやつたほうがより多く技術の向上にもなる、こういうふうな御意見のように存じておりますが、それには我々は反対せざるを得ないのであります。御承知通りに今日一番大事なことは、殊に建設省といたしまして、国土の再建に大事なことは技術の向上であります。ところが技監を廃して果して技術の向上になるか。それには多大の疑問が我我はあるのであります。御承知通り先ほど私が申しました通りに、今は技術は河川も道路も砂防も建築も種々ありますから、一人の技監を似てすべての技術に最高権威たるは無論不可能であります。併し技術会議というものは実際どれほどの価値があるか。恐らく技術会議は責任があつて責任のないようなもので、この技術会議の権威がどれほどあるか。我々はこれによつていわゆる技術の向上は無論図れない。むしろ技監を廃して技術会議を置くことは、いわゆる建設方面の技術の向上ではなくてむしろ低下である。こういうふうに結論したのであります。  ではどうしたらいいか。そこで我々は、少くとも技監は今までのように置いて、仮に道路関係の人が技監になつておる場合には、或いは河川とか或いは建築とか、或いは砂防とか、それぞれの技術の最もその道に達した技術官を以て副技監にする、そうして技監及び副技監を置いて、ここに確固たる技術の道を明らかにする。殊に御承知通りにこの頃の政治は非常に多岐に亙つております。ややもすると技術を無視していろいろのことが行われやすい傾向がありますから、技術としては、日本のどの道に対してもこういう方向で行くのが一番正しい、いわゆる技術家をして一定の確固たる道を開いて置くということは、今後の政治部面において非常に大事なことであります。若しも、その技術の上から言えばこれが最も正しいし、一定の線を進めておりながら、それを仮に濫用することは、それは技術の冒涜であつて、それを冒涜する人が悪い、そういう議論が立つのであります。そういう観点からして我々は技監に次官と同等な位置の技監を置く、又局長にはこれと同等な副技監を置く、こうして初めて技術の陣営が確固たるものであります。これが私どもの趣旨であります。なおさつき私は大多数の意見と申しましたが、なぜ、大多数の意見と申したのは、技監を置くということは、これは建設委員会全員の要望であります。ただ副技監を置いて、その結果、局長が現在技術官の人がありますが、そういう場合にどうなるか。それでむしろやはり現在折角局長に技術官がなつておるのであるから、そのままに置いたらいいじやないか、こういろ意見を出す人もあるのであります。併しそれは私は見方だ。局長の位置は技術官でも事務官でも適材適所の人が当ればいい、局長の位置は技術官を以てとらなければならん、決してさようには思つておりません。局長にはもつと大きな使命があります。その道で行くのが日本の建設技術の向上と思います。でありますから、この観点からいたしまして、我々建設委員会におきましては、全員一致ではなかつたのであります。但し大多数としては技監、副技監、この制度に持つて行くことが正しいと大多数の意向が決定したのであります。そういたしますと、今河川局に次長がおりますが、これなんか何も要らない、そういう考えを我々は持つております。その点を明らかにしております。  もう一つの問題は、これは長野の問題でありまして、例の農林省の荒廃林地復旧工事或いは建設省の砂防工事、これはこの前の例の建設院を建設省にする場合に、政党政派の如何を問わず、あの国土計画の場合におきましては全員一致で、この次の行政改革には必ず建設省の中にこの農林省の荒廃林地復旧工事も合併して、そうして砂防局を置く、こういう強い要望を出しておるのであります。折角こういうふうに行政改革になりましても、我々多くの要望したものが一向実現されないでは効果がない。それに対して政府は、これはそういうふうな両省の争いは昔のことで今はない、かように言われますが、それは私は実情に適しない。ここに一つの例を挙げますが、これは静岡県の安倍川の仕事をした場所です。御承知通りに建設省の砂防といたしましては、主として整備工事、護岸とか堰堤とかそういう仕事をやりまして、山腹工事は余りやりません。又農林省といたしましては山腹工事、山に木を植える仕事をやつて、渓流工事は主としてやらない、こういう大体の建前、その結果これを御覧に入れますが、一つのほうは山腹工事ばかりやつて護岸工事はやつていない。又一つのほうは護岸工事ばかりやつて山腹工事はやつていない。これが最も適例なのであります。又こつちのほうは護岸をやつていますが、山腹をやつてないから効果はない、これがいい例なんです。もうそういうことは昔のことで今はないとおつしやいますが、それは実例を御承知ないのであります。私は一月ほど前にやはり神奈川の或る仕事場を見ました。やはり山腹は山腹、渓流は渓流とやつていながら、中には同じ場所で同じような所にやつておりながら少しも統合されてない。これほど馬鹿なことがどこにあるか、実に無駄がたくさんあります。こういうことであります。こういろ厳たる事実が各地方にあるのでありますからして、この点を行政改革においては是非ともこの際お考え願いたい。併しこの問題は我々といたしましてもなかなかやかましい問題で、全員一致でこれは決定することはできませんでした。大多数はこういう希望を持つております。併しこの農林関係の砂防をこちらへ持つて来るということは決定しなくても、もう一つ全員で決定したことがあります。それは今日の建設省の砂防の問題であります。河川局に属していまして、河川局の中にある砂防でありますからして、無論河川局も喜んで仕事をするはずでありますが、事実はこれに反することが非常に多い。つまり河川の技術と砂防の技術が相類していない点がある。或いは派閥の争いと申しますか、実にひどいのであります。それがためにこれは殆んど想像もできない……、むしろ砂防の予算を阻止しているものは河川局の中にありはせんかと、こういうふうの疑いも多分にあります。その観点からして万一両省の機構が一つにならない場合には、現在あるあの砂防は少くとも河川局から独立して砂防局にして欲しい。これは決して人の問題じやない。又工費の問題じやない。実際仕事をするのにはそういうふうにやるほかない。現在日本の各地で砂防工事をやつていますが、今は砂防の技術が非常に圧迫されておりますからして、そこで砂防が全国に行われていません。これはどこにあるかと申上げますと、至るところにあります。そういう事例もありますからして、殊に治山治水と申しましても、一番大きな問題は土砂を出す問題であります。その観点からして、この砂防技術を立派に現わして、治水の本当の実を挙げるためには、この際少くとも河川局から砂防課を独立して砂防局にお願いしたい、この点については全委員の一致した気持であります。  これを申上げて、特に本委員会におきましても建設委員会の意のあるところをお汲み取り下さることを皆さんにお願いする次第であります。
  130. 田中一

    委員外議員(田中一君) 今議題にかかつていないこの調達庁の問題について、建設委員会のこれも大多数の意見として希望を申述べて置きたいと思います。  第一の点は、庁に次長を置いてくれということであります。これは従来から調達庁の業務は占領軍と接する面が多くて、対外折衝を円滑に処理するためにも長官の下に次長が置かれておつたのでありますが、今後も不動産とか労務その他の調達業務がたくさんございます。駐留軍によつて国民が損害を受けたような場合の補償、駐留軍と日本人業者間の紛争の調停等、駐留軍との関係において多分にとの渉外能力と申しますか、そういうものを発揮して、国民の権利を擁護する必要がある。又不動産の接収、解除、不動産の補償、労務調達、これらの点についても十分考慮しなければならない点がたくさんある。こういう点につきまして庁の次長を現在のまま置いて頂きたい、これが第一点でございます。  第二点といたしましては各部の次長でございます。総務部の所管事務は庶務、人事、会計等の内部管理事務のほかに、行政協定の第十六条に基く損害補償、紛議処理、及び行政協定第十二条に基く調達協力業務など頗る広汎であります。これらの広汎な、殊に性格の異つている業務を処理するためにも部次長が必要であると考えております。不動産業務については従来部長の下に次長が置かれておつたのでございます。民間からの各種の陳情とか要求、その他政治考慮を要するいろんな問題につきまして円滑な処理をして来たのでありますが、今後接収の不動産の大量解除に伴いましてこの種の業務がますます複雑且つ困難化すると見られるのであります。こういう観点から言いまして、是非、従来もありますところの次長制をそのまま存置して頂きたい、かように考えます。それから労務部次長の問題でありますが、駐留軍の使用する労務者は、現在ではたしか二十三万に上つておると考えております。従来これらの労務者は国家公務員法特別職としての身分を持つておりまして、技能系労務者の賃金等は労働大臣がきめておりました。これを今回特別職をとりまして、一般の日傭労務者として、調達庁の長官が賃金その他の問題をきめるようになつております。無論労務管理業務、これらも従来と違いましてますます複雑化する、かように考えます。殊に労働組合との折衝についてもますます忙しくなるというように考えられますので、労働部次長を存置して頂きたい、これが第二点であります。  第三には、呉調達局をこのまま存置して頂きたい、これは従来の呉局の管轄下には駐留軍の施設相当ありまして、今後においても相当残存するばかりでなくて、不動産の解除に伴う補償業務も相当厖大に上るのであります。これらの業務を地域的に遠隔の大阪調達局に処理を任せます場合には、被接収者との関係におきまして非常な不便がある、こう考えますので、呉局の廃止は取りやめにして頂きたい。併しながら今後、今申しましたような補償業務その他がだんだん解決されまして、全く呉調達局としての局としての存置の理由がなくなつた場合には、いつでもこれを廃止する、こういうように考えております。  以上三点を建設委員会の多数の意見としてここに申述べさして頂きました。皆様の御共鳴をお願いしたいと考えます。有難うございました。
  131. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 私は赤木委員にちよつとお尋ねしたいのです。あなたの御意見ですか、これは多数の意見か、ちよつと聞こうとしたのですが、技監を次官と同等に、そこのととろです。もう一つ副技監を置く、そこのところもう一つ……。
  132. 赤木正雄

    委員委員(赤木正雄君) 実はこれも申しますと、技監制は、最初の技監は荻野博士でしたが、その頃政治的からして、或いは日本のうちに政治関係から、どの河川をやつてくれとかいろいろな問題が起つたのです。無論そのときの内務省の大部分の仕事は河川局です。そのときに荻野さんは日本全体を考えまして、今はこの河川をやつて、その次が経済関係からこつちをやる、ちやんと仕事を行う順序をきめたのであります。それで仮に一つの例を申しますと、原内務大臣がこの河川の仕事をやりたい、こういうふうに言われても、荻野技監の同意を得ないとできなかつたのです。それほど荻野技監は正しい意見を持つておりました。政治的にどうか知らないけれども、技術的から日本全体を見るときには、先ず以てこの河川をやるのが当然である、こういうふうに技監は必ず正しい意見を持つていましたから、実際におきましては、技監はその当時局長、次官と同じ、今でも恐らく次官と同じ関係か知りませんが、むしろ次官以上に権力があつた、技術に関しては…。荻野さんがうんとおつしやらなければ仕事ができない。仮に国会が非常に紛糾いたしましても技術に関して荻野さんが一度国会に顔を出すと、すべて納つてしまつた。それほど正しい判断をしておつた。私はそういう位置に技術官を持つて行きたい。それでこそ初めて技術の正しい判断ができる。今のように技監制度廃止いたしまして、技術の関係というものは何の権限もない。それからもう一つは、技術の技監は専門職になつておりますからして、専門職、それで進めばいい。技術の方面において次官がどう言おうが、大臣がどう言おうが、技術としてはそういうふうにすべきだ、そういう判断を下すことが今の場合において一番大事だと思う。その意味で少くとも次官と同一に置かなければいけない、こういうふうに考えます。  それからもう一つ、副技監という問題は、併し今は技術が決して河川だけではありません。道路も悪い、砂防も悪い、建築も悪い、従つて一つの技術官ですベての技術を示すことはできません。それで技監を補佐すると言いますか、そういう意味で各専門の技術官の最も優れた人を副技監にしておく、その人の位置は局長と同一にしない以上は、やはり局長の下に置きましては、かれこれ言われて、正しい技術を行うことはできません。従つて今は局長の下に技術官がありますが、私は局長はいわゆる適材適所、これは技術官でも事務官でもどつちでもいい。いわゆる局長の職務と技術の職務とはつきり区別する、そこで初めて技術が向上する。今の情勢ではますます技術は低下する一方です。それを言うので、どうしてもこういうふうに改正して頂きたい、こう言うのです。
  133. 竹下豐次

    ○竹下豐次君 赤木さんの御希望を承わつたのでありますが、あとの機会にでも、政府のほうでどういうふうにお考えになつておりますか、承わりたいと思います。
  134. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 答弁しますか。
  135. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) それではお尋ねによりまして、只今の赤木さんからお話の点について申上げたいと思います。  技監並びに副技監を置いて、純粋に技術に専念し、又他から技術がいろいろと容喙されないような機構を作る必要があるという御意見でありますが、それは私は考え方としては、一つの筋の通つた意見であろうと思います。併しながら現在の機構におきまして、技監を作れ、副技監を作れ、局長は事務系統になるわけでありますが、そのことがいいかどうかということにつきましては、更に検討を要する、実情に照しまして検討を要するのではないかと思います。  次に技監制度廃止いたしました今回の行政機構改革における方針は、次官と並んでおるような、いわゆるダブル・システムになつておるようなものは、一応これを全部改めまして、一本にまとめて行こう、行政系統の統一ということを、今度の機構改革一つの狙いといたしましたので、各省に、各省全部でありませんが、数省にありましたこの種の組織は全部これをなくすることにいたしたのであります。併しながら建設省におきましては技術が極めて大切でありますので、従来技監が営んでおりました機能を更に高揚する必要があると考えまして、これに技監というものをなくして、技術面について最高の権威を以て決定して行く機関がなくなつたというので、これに代るに技術の最高会議というものを作つたのであります。これには建設省の技術の最高ブレーン数名、場合によりましては建設省外の人が入るかも知れませんが、建設省の最高のブレーンをここに集めまして、複雑困難な技術の問題はここで決定するというふうなことにいたしたい。そういたしますと従来の技監制度の持つてつたよりも、むしろ技術の点から言いますと、もつといい結果が生れるのではなかろうかというふうに考えておるのでありますが、先ほどちよつと赤木さんが触れましたが、技監と申しましても、人が一人でありますから、どうしても片寄るのであつて、例えば建築の専門家であるとか或いは河川の専門家であるとか、或いは砂防の専門家であるとか、或いは道路の専門家とか、いろいろどうしてもそれぞれ専門があるのでありまして、一人でそういういろいろなものについて四通八達という工合に行かないのでありまして、そこに一つの欠陥が生じ、ここに又技監制度が十分批判されている現状であります。従つてこれに代るに最高技術会議を以てしますならば、各方面における最高権威をすべてこれに投入いたしますので、ここにその欠点を十分にカバーし得るのではないか、かように考えております。そしてこの最高技術会議はこういうわけで、非常に建設省としての必要性から生れて来ておるのであります。これは十二分に今後活用して行きたい、こういうように考えております。  なお技術の独立と申しますか、いろいろの建設事業が、純技術的な観点から計画を立て、それが実行されなければならんのが、時の政治勢力によつて、或いはその他の関係から歪められる虞れがあるので、それを何とかチエツクしなければならないというお説がありましたが、それにつきましては私は、技官という一個の人を以てするよりも、最高技術会議という会議体を以てこれに当らせることがより独立性を確保し得るのじやないかという感じを持つております。今日の段階におきましては特に技官が事務次官にもなるというような慣習が、そういうような傾向があるのでありまして、政治にかなり関係の深い事務次官に技官がなるというようなことになりますと、果して技官というものが、本当の意味の技術の純粋性を保持し得るや否やということにつきましては、制度的に申しましても、相当考慮を要するのじやないかという点もありまして、かれこれ慎重審議いたしました結果、この最高技術会議を以て、会議制を以て最高のむずかしい技術問題を解決して行く、こういうことにいたしたような次第であります。  それからその他の砂防の問題につきましては、お説非常に御尤もな点がありまして、この問題につきましては我我も前々から頭を悩ましておるのでありますが、今回の機構改革におきましては、砂防の問題を統一することができませんでした。山腹砂防、渓流砂防を統一することができませんでしたので、遺憾でありますが、今後の考え方といたしましては、山腹砂防を掌つておる農林省の林野局、それから建設省の河川局というようなものが相提携いたしまして、只今考えておりますことは、砂防会議というようなものを設けまして、その砂防会議の議長なり会長なりは、或いは大臣級とすれば農林大臣と建設大臣が交互にこれをやる、或いは次官級を以て当てる場合には農林次官と建設大臣が代る代るに議長なり会長を務めて、そうして会議の構成員は両省の関係局長或いは課長、それに大蔵省の中立的な人も入れまして、そうして砂防に関する一元的な施策を策定して、バランスのとれた砂防行政を実施していつたらいいのじやないかということを、目下農林、建設両省間で相談をいたしておるのであります。若しこれができまして、有効に運営されて行くならば、今仰せになりましたような砂防のちぐはぐ、所管を異にするためのちぐはぐが相当程度これを除去できるのではないかと考えておるのであります。なお河川局内におきまして、砂防というものがとかくいろいろな関係で、何と言いますか、別扱いになるというような傾向が過去にあつたというお話でありますが、そういう点につきましては今後特に注意をいたして行きたいと思つております。砂防の問題につきましては今日国会におきましても極めて重要視しておりまするし、政府当局も砂防の重要性は特にやかましく考えております。最近電源開発に関連いたしまして各地に巨大なるダムが建設されるのでありますが、かかる巨大なるダムも、若し砂防ということがないがしろにされたならば、何らダムの意味をなさなくなる。こういうような国家的な大問題でありますので、今後砂防につきましては今までよりも一段と力を入れて行きたい、こういうような考え方を持つておるのであります。
  136. 田中一

    委員外議員(田中一君) ちよつと大臣質問していいですか……。  只今技術会議が外部の最高権威の人を入れる場合があるという御説明がありましたけれども、我々建設委員会の御説明では、建設省内部の局長を以て当てるというような御答弁があつたように記憶しておるのであります。大体建設省の中で、行政面と技術面を持つておる局長の中に、無論半分くらいは技術官であり、半分以上は事務官であります。その局長が、内部的の会議を以て最高なる技術がかち得るかどうかという点については多大の疑問を持つております。殊に今初めて聞いたのですが、外部からの最高権威を入れようとも考えておるというのですが、一体大臣考え方は何か本当でございますか、伺いたいと思います。
  137. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 私は、最高技術会議のメンバーの主な者は、建設省内部における最高権威を以て当てて行きますが、そのほかに外部からも必要に応じて建設技術に関する権威者を入れ得るようにいたして行きたい、あとで政令できめるのですが、そういうような考えを持つておるのであります。
  138. 田中一

    委員外議員(田中一君) 現在の構成ですね、局長の構成は事務官と技官とどういうことになつておりますか。
  139. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 只今は河川局長、道路局長は技術官であります。技監は勿論技術官、それから地方の地方建設局というもの、普通、全国に建設局がありますが、これの局長は全部技術官であります。
  140. 田中一

    委員外議員(田中一君) 先般住宅局長がやめました。そのあとに今度事務官の局長が見えております。従つて局長としては、五局ございましたね、その中の三名が事務官で、二名が技官となつておりますが、無論建設省の仕事には行政面と、行政面も含まれておりますが、先ほど赤木理事が言つたように、事務官を以て局長に当てるということは、いけないというわけではない。併しながら一体今日の建設省の技術陣が最高なるものとお考えになつておるかどうか、その点もう一遍大臣から伺いたいと思います。
  141. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 私は自分自身、下におる部下の者を批評することは困難と思いますが、私は最高のものでなければならんと考えております。
  142. 田中一

    委員外議員(田中一君) 無論これには職階制がネツクになつておる点がある。局長にならなければ月給が上らない、身分も上らない。それで無論職階制の問題と関連しまして、ますます技術官が希望を失うわけであります。局長になるのは二人しかないのだ、或いは先般住宅局長が技官であつたのを、大臣は事務官にお取替になりました。従つて大臣の構想として、或いはほかの河川局長並びに道路局長も又事務官にお変えになるような考えじやないか、これは大臣は事務官でいらつしやるから、事務官であつたこともあつたから、そういうような構想に向つて行くのじやないか。今あなたは建設省の技術の尊重、立派な技官を持ちたい、最高技術を持ちたいとおつしやるけれども、どうも最近の人事を見ますと反対の方向に進んでおるように考えますが、大臣の真の意図はどういうものですか、技術尊重、将来技術官に希望を持たせるような方向に持つて行くのか、技術官というものは行政面にタツチさせないのだという構想でいらつしやるのか、建設省の機構改革については、本当のことをもつと、先だつてつたのですけれども、本当のことを話して頂きたい。
  143. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 私は決して嘘は言わないのであります。いつも本当のことを申上げておるのでありますが、私は非常に技術を尊重しておるのであります。私同時に事務官も技術を修得しなければならん、特に建設省の事務官はもつと技術を持たなければならん、こういう考え方を持つておるわけであります。私は技術官を尊重すると同時に、事務官も技術を尊重して身につけなければいけないということまで言つておるのであります。  住宅局長の問題につきましては、田中さんもその方面の専門家であり、熱心な人でありますが、私は今日住宅問題は極めて重要でありまして、ただ家を建てるというよりも、家を如何に建てるかという大きな社会問題であり、又財政問題であり、経済問題である。こういうような多面的な大きな意味を持つておることは御承知通りでありまして、その観点から言えば、そういうことに精通しておる適任者を選んだということでありまして、決して技術を尊重していないということではないのであります。なお只今今度の行政機構改革を通じまして、行政機構改革におきましては技術官を尊重しない傾向がありはしないかといういろいろの説を承わるのでありますが、私は例えば役所の局長は技術官ではいけない、事務官がいい、だから技術官を単なる局長の下の適当なポストに据えなければいかんという考え方はどうかという批判をしている。適材適所でなければいかん、技術官でもいい人はどんどん抜擢して、局長でも次官でも何でも参画させたらいいじやないか、私たちはそういう考えを持つているのであります。
  144. 田中一

    委員外議員(田中一君) ちよつともう一点。それではこの技術官に希望を持たす意味において閣議において御発言願いまして、大臣の推進力で職階制を改正するというような点についてお考え下さる御親切がございますか。
  145. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 私は職階制というか、現在の給与制度がいろいろな点において不合理を含んでいると思います。そういう点におきまして今後もつと実態に即応し、又本当に専門的な技術なり或いはその他の技能を持つている人を十分尊重し、又その人が役所に長く働き得るような態勢を、給与制度を職階制において設ける必要があるということを痛感いたします。
  146. 赤木正雄

    委員外議員(赤木正雄君) もう一言簡単に……。大臣は技術会議を以てますます技術の興隆を図るようなことをおつしやいましたが、私どもの委員会では、技術会議は決してそういうことにならん、結局やはり会議は何らの権限も持つてないのですから、むしろ技術の硬化になる。これは委員会委員意見でありましたことを特に附加えておきます。又今の職階制のことが出ましたが、すべてのことにおいて技術の向上を図る場合に、局長にならなければ給料もこれこれしか取れんからというようなことでは駄目です。これは十分考えて頂きたい。こういうことを特にお願いしておきます。
  147. 河井彌八

    委員長河井彌八君) この建設省設置法の一部改正案の内容について一応政府の説明を聞きまして、その後で、今両君が来て希望を述べられましたから、それに関連する質疑応答だけをしたわけであります。つきましては政府から建設省設置法の一部を改正する法律案の内容について御説明願いたいと思います。
  148. 小林與三次

    説明員小林與三次君) 私より設置法改正案の要点を御説明申上げます。  今度の改正は、その根本方針は申上げる必要はないと思います。建設省の設置法は実はこの機会にいろいろ字句の不備な点を変えたほんの整理の部面も相当ありますので、条文につきまして先ほどお配りいたしました要綱を中心にして要点を申上げたいと思います。  第一番は建設省の内部部局はこれまで管理局、河川局、道路局、都市局、住宅局の五局と営繕部の一部、これだけでありますのを改めまして、計画局、河川局、道路局、住宅局及び営繕局の五局、こういうことにすることになつたのでございます。もう少し言い換えますというと、従来管理局の中に営繕部がありましたのですが、その管理局と都市局を併せて計画局になり、営繕部が独立して営繕局になる、結論的にいえばこういう恰好になるのであります。そこで計画局におきましては、今申しました通り管理局から営繕部に関する事務を離したものを主として集めているのでありますが、その中で国土計画、地方計画等に関する事務で建設省が所掌しております主として地方に関係のある事務、それから土地収用に関する事務、こういうふうな一般的な事務と、それから都市計画事業に関する事務、それからあとから申上げますが、首都建設委員会に関する事務、そういうものを合せて、いわゆる計画的な事務を全部総合的に計画局において所掌する、こういうことで計画局が作られたのでございます。そこでこの計画局に行かなかつた管理局の事務のうちで、例えば建設行政に関する事務というような各局に関係のある事務は、これを官房において扱うことにいたしまして、官房に官房長を置くことにしたのであります。それから管理局のうちの営繕部につきましては、官庁営繕の事務は成るべく統一するというこういう方針の下に一歩を進めることにいたしまして、今度保安庁になります予備隊の営繕の関係の事務のうちで特殊な営繕事務以外の一切の事務をこの建設省において所掌することにいたしまして、そこで従来営繕に従事しております各省の事務と合せて取扱うことにいたしましたのですが、いろいろ事務の分量も極めて殖えますし、現在の営繕部では所掌が困難でございますので、これを営繕局として、全部まとめてやる、こういうことになつたのでございます。  それから次には従来総理府外局でありました首都建設委員会、これは御承知通り首都建設法という特別法に基いて設置されておつた委員会でございますが、これを建設省の外局といたしまして、その外局に関する事務を先ほど申上げましたように計画局において併せて扱う。そして首都建設委員会の事務局の職員は計画局の職員を以て兼ねて法律上当然任命されることにいたしまして、計画局において先ほど申上げました通り国土計画、地方計画、都市計画、首都建設計画、そういうような事務を総合的にまとめて行う、こういう体系にいたしたのでございます。  それから次には先ほどいろいろ議論になつておりました技監の制度廃止して、その代りに附属機関として建設技術会議を置いて、技術に関する重要事項を審査する、こういうことにいたしたのであります。それにつきましてはいろいろ大臣からも御説明がありましたので、詳細は省略いたしたいと思います。  次に建設省に監察官十人以内を置いて建設省の所管行政の監察と共に建設省の助成にかかる事業の実況の検査を併せて行う、こういう制度を確立させることにいたしました。監察官につきましては、従来建設省におきましても内部的な組織規定を以て監察官を置いて、建設省の公共事業重要性に鑑みまして内部監査を徹底的に行う方針の下に参つたのでありますが、いよいよこの仕事をはつきり責任を以てやらせる必要を感じまして監察機構を強化する、こういう建前の下に監察官十人以内を置くことにいたしたのであります。  それから従来は主として直轄の事業の監査のみを行なつてつたのでありますが、これだけでは不十分でございまして、建設省では土木関係の大きな補助事業を助成する、監督する責任がありますので、補助事業につきましても都道府県、その他市町村等における事業の執行の実況を検査したいということを設置法に明記することにいたしたのでございます。  以上申上げましたのが大体大きな改正でございまして、その後は従来経済安定本部の物価局において所掌しておりました地代、家賃に関する事務を経済安定本部の廃止に伴つて建設省の住宅局で所掌する、こういうことにいたしたのであります。それから従来住宅緊急措置に関する事務とか、或いは特殊物件に関する事務というふうな事務が建設省で行なつておりましたが、これはその事務もなくなりましたので整理をするということにいたしたのであります。  なお測量審議会の件の改正でありますが、測量審議会はこの前の設置法の改正で、昭和二十八年の三月三十一日まで実は存置することにいたしたのであります。建前としては去年審議会を廃止するが、審議会の事務がなお残つているので、今年の三月まで一年間だけ廃止を延期する、こういうことに去年きまつてつたのでありまするが、本年度におきましてもなお審議会にかけんならんというような事務が一部どうしても残つておりまして、審議未了のままになつておりますので、その事務の始末だけをつけさして、これを廃止したいというのでもう一年だけ廃止を延長いたしたいとこういう改正を考えているのであります。  そのあとは実は建設省の内部的な権限の整理をやや行なつたのでありますが、その一つは地方建設局におきましては従来直轄工事の施行を行う、こういうことになつてつたのでありますが、事実上よんどころない必要がありまして、場合によつてはやつてつた場合もないではないのでありますが、これは直轄工事を施行するに伴いまして、それに関連のある附帯工事、それから直轄工事のために補償工事等でどうしても建設省の仕事一緒にやる必要があるものがしばしばあるのでありまして、いずれも軽微な仕事でありますが、これを直轄工事と併せて行い得るということを制度上はつきりさせるという必要を感じましたので、そういう意味の規定の整備を行つたのであります。なおこれに似たようなことで、土木研究所及び建築研究所において特殊な河川の工作物、例えばダム等の工作物についての調査、試験、検定というようなものを公共団体の委託に基いて行い得るという途を開く必要がありましたので、そういう規定を入れました。  大体以上申しましたようなことが改正案の実質上の問題でございまして、そのあとは先ほど申しました通り主に字句を整理したにとどまつているのでございます。
  149. 河井彌八

    委員長河井彌八君) ちよつとお待ち下さい。成瀬君、御質疑がありますか、成瀬君。
  150. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 先ほど伺いますと、この技監制度廃止して、建設技術会議を附属機関として設立するとありますが、これは政令で定められるわけですか。
  151. 小林與三次

    説明員小林與三次君) 建設技術会議を置くこと自体はこの設置法の改正で定めまして、その審議会の内部の問題は政令で定めようという考えであります。
  152. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 それずつとできているわけでしようね、案は。ありましたら資料として一つ……。或いは若しできてなければ要綱なり何なり資料一つ提出願いたい。
  153. 小林與三次

    説明員小林與三次君) 最終的には固つておりませんけれども、大体考えている事柄はございます。
  154. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 あとでどうせやらなくちやならんから、資料として要求いたします。  それからもう一つ、測量審議会の廃止が二十七年の三月三十一日限りになつてつたわけですね。今御承知のように五月でありますが、それまでどうなつているのですか。
  155. 小林與三次

    説明員小林與三次君) 実は測量審議会は測量法に基いて行われているのでございます。測量法はこの前の設置法の改正では、測量法はそのまま改正になつておらなかつたのです。設置法のほうで附属機関の一覧の表のほうにおいては測量審議会を除きまして、附則で一年間だけでやめる、こういうことになつてつたわけです。事実上三月から今までは審議会は今まで仕事をやつておりませんから、これによつて又復活する、設置法の建前では復活をして又なくす、こういうことになつております。
  156. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 そうするとその審議会委員とか、そこに働いておつた事務系統の人たち、そういう人はそれじや全部辞令が出てやめておられるのですね。今度又やられるというと、新らしく任命されることになるんですか。
  157. 小林與三次

    説明員小林與三次君) これはもう委員がおりましただけで、あとは事務は地理調査所で全部やつておりまして、特別の職員がそこにいるわけでございません。委員につきましては、なお法律研究する余地があると思うのですが、置いている実体法の、測量法の上では廃止になつておらないのです。それですから当然に牴触しないのじやないかと、こういうふうに考えておりますが、なおその点研究いたしたいと思います。
  158. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 これはもういろんな点において一つの前例になると思いますから、これは一つ法制局なり、適当なところへ尋ねてしつかりした結論をお立て願いたいと思います。
  159. 松原一彦

    ○松原一彦君 野田長官のいるときに御説明を伺つておきたいのですが、今後ここには官房長が新たにできますが、一体官房長を置くとか置かんとかいうものにはどういう標準があるのでしようか。
  160. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 標準といいますか、大体官房には原則として官房長を置いてあります。併し仕事が官房長を必ずしも置く必要も認められないというところにつきましては置いてないのが二、三あるのであります。
  161. 松原一彦

    ○松原一彦君 置く必要がないとか置く必要があるとかという、その何かそこに一つの標準があるのでしようか。例えば局が五つ以上あるところは官房長を置くとか、それ以下は置かんとかいつたようなことを聞いたのですが、そういうような内部規定が、或いはあなたのほうの御査定の上の標準があるのでしようか、ないのでしようか。
  162. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) それはその点は幾つ以上は置く、幾つ以下は置かんということは記憶いたしておりませんが、一時はこういつたところを見ると、そういうことになつてつたということがあつたかと思います。
  163. 松原一彦

    ○松原一彦君 それはまあそのただ必要があるとかないとかというのは見方の一つでありますが、例えば今後ここでも五局で官房長が新たに置かれた、官房の中に或る一つの事務が入つたということはありますが、厚生省のごときは七局になるのですけれども官房長はないのであります。厚生省には官房長が要らない、建設省には官房長が要ると、その差別、区別は一体どこでおつけになるのですか。ちよつとこの設置法をば全体から眺めた場合、我々には標準がわからないのでありますが、一覧表でも一つつて、官房長のある省とない省、そうしてある省の必要の理由、規模、或いは構成等を何か知らして頂くことができましようか、如何でしようか。あるのでしようか、ないのでしようか。
  164. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 大体今度の、今厚生と文部、労働がないと記憶いたしますが、三つないと思います。これは現在なしにやつているところも、内容的には殆んど支障がないところはそのままになつている。こういうふうに考えております。
  165. 松原一彦

    ○松原一彦君 ただ内部的にその支障がないというても、勢力のある大臣のところには官房長がいるといつたような、まあ厚生省なんかは専任大臣もいないものですから、今度の設置法を見ますというと実に変なものになつている。専任大臣がないというとああも損をするかなあというような感もないではないのであります。あなたがおやりになつているところだからというわけでもありますまいけれども、五局のところで官房長が取れて、七局あつても官房長がないということになると、審議の上から見れば不均衡の感じがいたすのであります。事務分量はどれほど違うかどうか、一応一覧表でも作つて、その条件を御明示を頂きたいということを希望いたします。
  166. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 只今の御希望の点は調べて何いたします。
  167. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 諸君にお諮りいたします。本日はこの程度委員会を閉じたいと思いますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  168. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 御異議ないと認めます。  それではこれを以て散会いたします。    午後五時二分散会