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1952-05-22 第13回国会 参議院 内閣委員会 第27号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年五月二十二日(木曜日)    午前十時五十八分開会   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     河井 彌八君    理事            山田 佐一君            鈴木 直人君    委員            中川 幸平君            横尾  龍君            楠見 義男君            竹下 豐次君            上條 愛一君            栗栖 赳夫君            三好  始君            松原 一彦君   委員外議員            和田 博雄君   国務大臣    文 部 大 臣 天野 貞祐君    建 設 大 臣 野田 卯一君   政府委員    行政管理庁次長 大野木克彦君    文部大臣官房総    務課長     相良 惟一君    労働政務次官  溝口 三郎君   事務局側    常任委員会專門    員       杉田正三郎君    常任委員会專門    員       藤田 友作君   説明員    文部省管理局著    作権課長    柴田小三郎君    労働大臣官房総    務課長     富樫 總一君    労働大臣官房労   働統計調査部長  金子 美雄君    労働省婦人少年   局年少労働課長  工藤 誠爾君   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○文部省設置法の一部を改正する法律  案(内閣提出衆議院送付) ○労働省設置法の一部を改正する法律  案(内閣送付)   ―――――――――――――
  2. 河井彌八

    委員長河井彌八君) これより内閣委員会開会いたします。  文部省設置法の一部を改正する法律案(閣法一〇二号)を議題といたします。
  3. 中川幸平

    中川幸平君 ちよつと法案の建前についてお尋ねするのですけれども、附則第六項の定員法のところで、文部省定員数字だけを書いて、この合計を書いてあるということは、最後に若し修正なつた場合に、非常にほかの法案にも障つて来るというふうな感じがするのですが、差支えないのでしようか。文部省定員だけにとどめて置くというわけにはいかんもんですか、それをお尋ねいたします。
  4. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 杉田專門員から御説明いたします。
  5. 杉田正三郎

    專門員杉田正三郎君) 今御審議願つている文部省設置法一部改正法律案は、衆議院修正せられたのがこちらの審議の対象になつているのでありまして、それによりますと、文部省の項中六万二千五百二十八人を六万二千五百六十一人に、それからやはり四百四十六人を四百五十一人に、それから同表の合計の項中八十四万一千六百三十五人を八十四万一千六百七十三人に改めるとされております。文部省の項の中の定員、それから四百四十六人云云というのは文化財保護委員会定員であります。その点は非常にはつきりわかつております。それから一番最後合計の項中のは行政機関職員総数でありまして、これも非常によくわかつておるわけなんです。
  6. 中川幸平

    中川幸平君 その合計を書く必要があるものかどうかということなんです。合計を書きますと、文部省設置法の、これは定員を直すときに合計が狂つて来る。そうすると他の法律に不都合を来たしやせんかと思うのですが。
  7. 杉田正三郎

    專門員杉田正三郎君) その点は全然狂いはございません。文部省のところで文部省定員だけの合計がこれこれになる。従つて政府職員総数はこれこれになる……。
  8. 中川幸平

    中川幸平君 差支えないものですか。
  9. 杉田正三郎

    專門員杉田正三郎君) 差支えありません。今までの例はみんなこの例で行つておりますので、少しも間違いはございません。
  10. 楠見義男

    ○楠見義男君 ちよつと数字の問題になりますから、細かくなりますからちよつと速記を止めて。
  11. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 速記を止めて下さい。    午前十一時二分速記中止    ―――――・―――――    午前十一時二十一分速記開始
  12. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 速記を始めて……。
  13. 相良惟一

    政府委員相良惟一君) 昨日御要求のございました資料をお手許にお配りいたしてございますので、それを御覧頂きたいと存じます。先ず訴訟事務につきましては、著作権法とそれから著作権に関する仲介業務に関する法律に関する事項と、それから第三に著作権に関する法令立案その他著作権に関する重要事項、多少包括的な規定でございますが、この中で著作権法法令制定或いは改廃に関するような事項をここで勘案いたします。それから次に委員構成につきましては、学識経験者関係民間団体から推薦された者及び関係各庁の職員の中から文部大臣が任命すると、こういうことを考えております。その委員の数は組織というところにございますように四十人以内で組織する、それで大体私どもの考えておりますことは、学識経験者が二十名以内、それから関係民間団体から推薦された者及び関係庁職員の中から選ばれる者が二十名以内と、こういうように考えております。そのほかのことにつきましては大体おわかりと思いますので、御説明申上げることを省略したいと思います。
  14. 楠見義男

    ○楠見義男君 ちよつとお伺いしますが、今の四十人に、委員を現在の二十五人から殖やした場合の選出の方法なんですが、ここに書いてありますのは学識経験のある者、それから関係民間団体から推薦された者及び関係各庁の職員、大体三つの範疇からお選びになるような案ですか、それぞれの三つからお選びになる大体の割合と言いますか、数をどういうふうに御予定になつておるのか、その点をお伺いしたい。
  15. 相良惟一

    政府委員相良惟一君) 只今申上げたよりもう少し詳しくでございますか……。只今学識経験者から大体二十名、それから関係民間団体及び関係庁職員の中から二十名と、こういうふうに二つのグループに分ちましたものからおのおの二十名以内ということを考えております。
  16. 楠見義男

    ○楠見義男君 私の伺つておるのは、あとのほうの二十名の割合ですね。
  17. 柴田小三郎

    説明員柴田小三郎君) 大体民間団体というのは、私の調べているところでは二十くらいございます。併し今又どういうふうなものがあるか、なお正確に調べて見ないといけませんし、又調べたものの中で解散しておるものもあるかも知れません。又官庁と言いましても、これは現在三名でございまして、條約局長と、それから文部次官、それから管理局長と三名になつておりますから、それで大体二十人以内という見当でございます。
  18. 楠見義男

    ○楠見義男君 そうすると、大体関係各庁の三名前後引いた残りの十五名前後というものが関係民間団体から推薦されたものとして委員に選ばれると、こう理解していいのですか。
  19. 柴田小三郎

    説明員柴田小三郎君) 学識経験者のほうにつきましても、二十人或いはそれ以内でございまして、若し関係民間団体のほうがどうしても多くなる、その間はいろいろ又出入りがあるのではないかと思います。
  20. 和田博雄

    委員外議員和田博雄君) 今の構成ですが、学識経験者、それから民間団体というものは、これはかなりダブルのじやないですか、この場合は……。
  21. 柴田小三郎

    説明員柴田小三郎君) ダブル場合もございます。
  22. 和田博雄

    委員外議員和田博雄君) 例えば団体のほうは相当数が多いですね。著作権協議会に加わつた団体だけ見ても相当あるし、十くらいじやなくて、相当たくさんあるのではないかと思いますが、こういう団体は……。それから学識経験者言つても、どういう学識経験者をお選びになるのか、その点も聞きたいのですが。
  23. 柴田小三郎

    説明員柴田小三郎君) 関係民間団体著作権に比較的関係の強い団体といたしまして、私のところで調べているものは二十ございまして、名前を申上げましようか。
  24. 和田博雄

    委員外議員和田博雄君) いや、結構です。
  25. 柴田小三郎

    説明員柴田小三郎君) 二十ぐらいございます。それから学識経験者は、やはり御承知のように著作権については過去のいろいろな條約や各国の著作権法、こういうふうなものを知つている人が委員として望ましいのでございまして、やはりそういう人はあるわけでございまして、そういう人をお願いしたいと、こういうふうに考えております。
  26. 上條愛一

    上條愛一君 審議会臨時委員を置くとありますが、臨時委員は何人くらい置いて、どういうふうに選出されるというようなお考えでございますか。
  27. 柴田小三郎

    説明員柴田小三郎君) 臨時委員は、例えば必要な場合があるときに置くということになつておりまして、その事項について人数制限ということは考えられないわけでございます。選出はやはり会長、或いは副会長、又は審議会委員によつて文部省と相談いたしまして、こういうふうな人を選任すると、こういうふうな形になつております。
  28. 上條愛一

    上條愛一君 この臨時委員の必要な場合ですね、これは所掌事務のうちの一、二の場合は、これはまあ正委員でやられることになるだろうと思うのですが、主として臨時委員の必要な場合は、三の著作権に関する法令立案、その他著作権に関する重要事項、こういうようなことを審議される場合に臨時委員を選任するというふうにも考えられるのですが、どういう場合に一体臨時委員を置こうとせられるのか、そういう腹案はないのですか。
  29. 柴田小三郎

    説明員柴田小三郎君) 臨時委員は必ずしも一、二の場合ではございませんでして、例えば……。
  30. 上條愛一

    上條愛一君 いや、臨時委員は三の場合、一、二の場合は正式の委員がこれはやられると思うのです。臨時委員を置く場合の必要の際に、我々の考えではこれで見ると第三の三項を審議する場合に臨時委員を置くというようなことになるのじやないかと考えられるのですが。
  31. 柴田小三郎

    説明員柴田小三郎君) 必ずしもそうではございませんでして、(一)、(二)、(三)の場合というふうに考えております。例えば従来も償金額の際に臨時委員を設けたりしたことがございました。
  32. 上條愛一

    上條愛一君 それじや問題によつて臨時にいつでもやるというわけですね、問題ごとに……。問題ごとにそうすると置いて、その問題の審査が終ればその臨時委員は解職する。こういうようなことですか。
  33. 柴田小三郎

    説明員柴田小三郎君) さようでございます。
  34. 和田博雄

    委員外議員和田博雄君) これは臨時委員人数制限ないのですか。
  35. 柴田小三郎

    説明員柴田小三郎君) ございませんです。
  36. 和田博雄

    委員外議員和田博雄君) ない。そうすると、場合によつて構成が崩されることがあり得るのですね。例えば事柄によつて臨時委員の数が多くなれば、その問題についての最後の決定の場合の比重というものはどつちかに傾く場合が可能だということですね。
  37. 柴田小三郎

    説明員柴田小三郎君) 臨時委員は、今まで私がこの仕事をやつている期間においては大概一名乃至二名という工合でございましてそんなに審議会委員よりも多くなるというふうなことはございません。
  38. 和田博雄

    委員外議員和田博雄君) 多くはならないで、不可分として、僕らは昔審議会を随分やつて来たのですが、場合によると、臨時委員の形で委員が入れば全体のバランスというものは崩れる場合が非常に可能だと思うのです。そこで私は結局(三)の「著作権に関する法令立案その他著作権に関する重要事項」ということを、こういう形の委員会でやるのは無理じやないかという、こういう気持なんですよ。非常に官制的なものでやるのがそもそも無理じやないか。それでこれだけの大きな権能事項を、こういう形の四十人を置いてやつて行く、而も四十人だけではうまく行かないので臨時委員を又置くというようなことでやるよりも、もつとほかにやりようがあるのじやないかという気持ですがね、前の(一)と(二)というのは、かなりきまつた範囲の非常に限定されたものであつて、それほどこれは例外はないと思うのです。例えばこれは大臣ちよつと聞きたいのですが、というのはこれは諮問機関でございましよう。
  39. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) さようでございます。
  40. 和田博雄

    委員外議員和田博雄君) 結局この委員会できめたことが政府にとつてやらなければならんという義務は結局何もないわけですね。
  41. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 義務はないと言つても、やはり道徳的義務はあるでしよう、けれども場合によれば必ずしも従わなければならんというようなことはないわけです。
  42. 竹下豐次

    竹下豐次君 どうでしよう修正の問題について速記を止めて懇談して…。
  43. 河井彌八

    委員長河井彌八君) お諮りいたします。だんだん御質疑が重なりまたので、もうこの程度で質疑を打切りまして、討論に入つては如何かと思いますが、如何でしようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  44. 楠見義男

    ○楠見義男君 異議ございませんが、討論に入る前に一応懇談機会を作つて頂きたいと思います。
  45. 河井彌八

    委員長河井彌八君) ではさようにいたします。討論に入りますが、一応この際面倒な法案でありましたから、懇談会を開きます。    午前十一時三十四分懇談会に移   る    ―――――・―――――    午後零時二十一分懇談会を終る
  46. 河井彌八

    委員長河井彌八君) それでは懇談会を終ります。それでは本案について討論を始めます。
  47. 楠見義男

    ○楠見義男君 私は只今議題になりました文部省設置法の一部を改正する法律案閣一〇二号の分でありますが、この法律案につきまして以下申上げます。修正意見を付し賛成いたしたいと存じます。先ず修正案を朗読いたします。  文部省設置法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。    第二十四條第一項の表の改正規定著作権審議会の項中「その他著作権に関する事項」を削る。  附則第一項を次のように改める。  1 この法律は、公布の日から施行する。但し、第七條第二項第一号の二の改正規定は、ユネスコ活動に関する法律昭和二十七年法律第  号)の施行の日から施行する。  附則第三項を次のように改める。  3 著作権法の一部を次のように改正する。    第三十六條ノニを次のように改める。    第三十六條ノ三主務大臣ハ第二十二條の五第二項又ハ第二十七條第二項ノ規定二依ル償金ノ額ヲ定メントスルトキハ著作権審議会ニ諮問スベシ  附則第六項を次のように改める。  6 行政機関職員定員法昭和二十四年法律第百二十六号)の一部を次のように改正する。    第二條第一項の表文部省の項中「六二、五八八人」を「六二、六二一人」に、「四四六人」を「四五一人」に、「六三、〇三四人」を「六三、〇   七二人」に、同表合計の項中「八四一、六六七人」を「八四一、七〇五人」に改める。  簡單に修正の要点を申上げます。最初の今回改正せられる著作権審議会について「その他著作権に関する事項」を削りましたのはかねてこの委員会著作権審議会に関する権限事項について種々論議があり、そして又只今懇談会の際にいろいろ各委員から御意見がありました通りでありまして、従つて詳細は皆さん御承知でありますので省略いたします。文部大臣もこの「著作権に関する事項」を削ることについて別段御支障のない旨のお話でもございましたので、この問題の、「その他著作権に関する事項」は削るほうが妥当と考えられますので、このようにいたしたわけであります。  その次の事項は期日の点でありますが、これは原案で「文部省設置法七條第二節第六号の改正規定並びに同法第二十四條第一項の表の改正規定教職員適格審査会及び教職員適格審査会の項を削る部分は、日本国との平和條約の最初効力発生の日から、それぞれ、施行する。」と、こういうふうになつておりますが、すでにこの最初効力発生の日は過ぎておりますので、従つて当然の修正といたしまして、こういうふうに修正いたしたのであります。  それから第三点の著作権法第三十六條の三の改正は、この委員会において竹下委員から指摘された点でありまして、現在の著作権法第三十六條の規定を見ますと、主務大臣は、著作権法「第二十二條ノ五第二項又ハ第二十七條第二節ノ規定ニ依ル償金額ニ付主務大臣諮問ニ応ゼシムル著作権審査会置ク」、こういうふうな書き方になつておりまして、一方著作権ニ関スル仲介業務ニ関スル法律を見ますと、同法律の第三條でありますが、第三條の三項で「主務大臣第一項ノ認可ヲ為サントスルトキハ公告日ヨリ一月ヲ経過シタル著作権審査会ニ諮問スベシ」と、こういうふうな書き振りになつておりまして而も最近は審議会或いは審査会のようなものはすべてそれぞれ各省設置法の中にその根拠を置かれ、而も只今朗読いたしました著作権法の三十六條の規定によりますと、特別に主務大臣償金の額を定めしむるためにこの審議会を設けることになつておりますが、新らしくできる審議会著作権法三十六條で命じておる審議会と性格の違つた他審議会が設けられるようになる。そこで同じ審議会であるにかかわらず、法律書き振りからいたしまして、二つ審議会が設けられるような誤解を生ずる、これは法律的な解釈からでありますが、誤解を生ずる慮れがありますので、現在の著作権法三十六條の三を仲介法と同じように、こういうように只今述べましたように改正をいたし、すべて審議会に関する根拠規定設置法において明らかにする、こういうふうにしたほうが立法技術上も適当と考えられますので、竹下委員御指摘のように、こういうふうに直すのを妥当と認めたわけであります。  それから最後行政機関職員定員法改正でございますが、衆議院からこの法案が回付されました後において、例えば国立学校設置法改正法律案等が両院を通過しまして、定員内容、具体的な数において異動が生じて参りましたのと、それと共にこの法律案によつて増加される近代美術館職員並びに先般の改正法改正されました文化財保護委員会の増員五名、こういうような数を整理いたしました結果、提案いたしましたような修正案によることにいたしたのであります。大体以上の点が修正案であります。  なおこの機会にこの改正法律案施行について、文部省に私の希望を申上げておきたいのでありますが、それはこの改正法律案の第二十四條において、今回中央教育審議会というものが設けられることになつたのでありますが、これは文部省もかねて御説明になりましたように、これからの我が国の教育に関する基本的な重要施策を決定するためにこういうような委員会が設けられたのでありますが、教育は申し上げるまでもなく民主主義国家の最も中核的な重要な事項であります。勿論教育以外にもいろいろ産業経済、広く申せば政治の面においてこの民主化の達成を図つて行かなければならないと思うのでありますが、なかんずく教育の問題は民主化の問題から申しましても、或いは産業経済の健全な発達の上から申しましても、万般の中核をなす問題でありますので、特にこの審議会重要性に鑑みまして、委員の選定については文部大臣かねて申されましたように、この人ならという、何人も納得できるような人を特にお選びになるように、これは希望を申上げますと同時に、その運営についても十分な御配慮を煩わしたいと思うのであります。  以上の修正意見並びに希望を付しまして、私はこの文部省設置法の一部を改正する法律案賛成をいたします。
  48. 三好始

    三好始君 私は只今楠見委員から出されました修正案を含む本案賛成いたします。  ただこの際技術的な問題で一点政府希望を申し上げておきたいのでありますが、それは定員法改正手続の問題であります。すでに懇談会の際にだんだん話が出ましたので、内容については政府案を一応了承している問題だと思うのでありますが、定員法制定趣旨から申しましても、定員法改正手続によらずして、個々設置法などで定員法改正することは非常に複雑な結果になるたけでなく、定員一定限度制限するために設けた定員制定趣旨が、そういう個々設置法改正されたのでは失われて来るだろうと思うのであります。勿論個々設置法附則等によらずして、定員改正はすべて定員法改正手続で行うということになりますというと、同一議会に数回定員法改正手続が必要になる、こういう事態も或いは起るかもわかりません。こうした点については政府側法律案提出の準備をする際に統一を図ることを十分に講じて頂きまして、解決されたいと思うのであります。個々設置法附則によつて定員法改正するということを改めて独立した定員法自体改正手続でやれないものかどうか、この辺を十分に研究して善処されることを希望いたしておきたいのであります。
  49. 鈴木直人

    鈴木直人君 私は楠見委員提案にかかる修正案を含む政府原案賛成するものであります。その理由は、先ほど楠見委員から申されたと同様でありますから、省略いたします。
  50. 栗栖赳夫

    栗栖赳夫君 私も賛成をいたします。
  51. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 速記をとめて……。    〔速記中止
  52. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 速記を始めて……。  それでは採決をいたします。先ず以て楠見委員の発議されました修正案について採決をいたします。本案賛成諸君挙手を願います。    〔賛成者挙手
  53. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 全会一致であります。  次にその他の部分について採決をいたします。これに賛成諸君挙手を願います。    〔賛成者挙手
  54. 河井彌八

    委員長河井彌八君) これ又全会一致であります。それ故に本案修正議決すべきものと決定いたしました。賛成諸君署名を願います。   多数意見者署名     鈴木 直人  山田 佐一     中川 幸平  楠見 義男     竹下 豐次  上條 愛一     栗栖 赳夫  三好  始     松原 一彦
  55. 河井彌八

    委員長河井彌八君) なお委員長報告委員長に御一任を願います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  56. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 御異議ないと認めます。それでは午後一時三十分まで休憩いたします。    午後零時三十八分休憩    ―――――・―――――    午後二時四十一分開会
  57. 河井彌八

    委員長河井彌八君) これより内閣委員会開会いたします。  恩給法の特例に関する件の措置に関する法律案につきましては、内閣官房長大蔵大臣も本日は出席ができにくいのでありまするから、便宜次の問題に移ろうと思います。  労働省設置法の一部を改正する法律案、これの予備審査でありますが、これを議題といたそうと思いますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  58. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 御異議ないと認めます。それではさように決します。前回政府から提案理由について説明伺つたのであります。本日はこの法律内容について政府委員から説明をこいます。
  59. 富樫總一

    説明員富樫總一君) 労働省設置法の一部を改正する法律案内容について御説明申上げます。  前回提案理由において述べられましたように、改正の眼目が二つございまして、一つは統計調査部廃止して統計調査監を設けるということと、それから現在事実上設けられております地方の婦人少年室を正式にこの際労働省支分部局にするという、この二つでございます。なお併せまして、先般労働省関係ポツダム政令廃止に伴いまして、当然整理すべき労働省権限事項の整理がこの機会に行われておるのでございます。法律順序に従いまして、只今関連事項が條文技術的に織込まれておるのでございます。目次の改正は、只今婦人少年室を設けるために順序の変更をしておるだけでございます。第四條中二十号を削り、二十一号を二十号として以下順次これを繰上げる。これは先ほど申しました労働省関係ポツダム政令廃止によりまして、労働追放という制度がありましたのですが、その労働追放に関する例外免許権限をこの際整理して削る、こういうことでございます。第五條第二項を削ると申しまするのは、これは統計調査部を削るということでございます。それに代りまして、第五條の二として「大臣官房に、統計調査監一人を置く。」、こういうことであります。統計調査監仕事は、「命を受けて、第六條第十二号から第十八号までに掲げる事務を掌理する。」、これは従来統計調査部所掌事項であつたものをそのまま統計調査監が受継いで掌理するということでございます。第六條第二項もこれに関連して整理したものであります。第十四條中公共職業安定所云々というのは、婦人少年室を正式に追加したためでございます。第十五條第三項中云々統計調査部長統計調査監に改めたのであります。それからその次に新たに第三款を設けまして、婦人少年室を正規に設ける、これは先ほど申しましたように、現在労働省設置に際しまして、現在に至るまで事実上設けられておりました本省の婦人少年局の出先機関の婦人少年室を正規の本省の支分部局にする趣旨規定でございます。位置、管轄区域、所掌事項等は、現在通り各府県におきまし  て大体県庁の所在地に事務所を置き、本省の婦人少年局の所掌事項を地方において掌理するということで、最後婦人少年室の内部組織は労働省令で定めるということになつておりますが、これは目下のところ婦人少年室は極めて小規模な陣容を以て構成いたしますので、さしたる複雑な組織を考えておるわけでございません。普通の常識的な所掌内部組織を目下研究中である次第でございます。  以上簡單でございますが……。
  60. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 本案について御質疑がございますれば、この際お願いいたします。
  61. 上條愛一

    上條愛一君 第一にお尋ねしたいのは、統計調査部を廃して監とせられるということでありますが、部の長と監との身分上の違い或いは所管権限の相違等を御説明願います。
  62. 溝口三郎

    政府委員(溝口三郎君) 只今上條さんから御質問で部を改正しまして監になつたのだが、その権限等については、これは一般的の問題でございますから、行政管理庁のほうからお答えいたすことにいたしたいと思います。
  63. 大野木克彦

    政府委員大野木克彦君) 只今お尋ねの監の問題でございますが、御承知のように、従来認められておりました各官房及び局中の部は国家行政組織法によりまして、今年の五月末日限り廃止される臨時的な機構でございますので、それが廃止になりましたあとの措置につきましていろいろ研究いたしました結果、組織としては部は置けなくなりますので、それに代りまして特別な職を設けまして、従来部が所掌しておりました事務をその特別な職の下で所掌させるという方針にいたしました。勿論これは全部の部をそういうふうにするわけではございませんで、特に必要なもののみに限りまして、例えば只今問題になりました労働省ほか三省にあります統計調査の部のごときは、いずれも部を廃します代りに統計調査の監という職を設けまして、その下で従来の事務を所掌させることにいたしました。その監の下で所掌されます事務内容は従来通りでございます。
  64. 上條愛一

    上條愛一君 そうすると、この部を、部長を廃止して監にしたというのは、仕事内容任務が違つたということでなしに、ただ名前を改めたというだけですか。部を廃して監を置くというそれだけの違いでありますか、内容に何か違いがあるか、その点……。
  65. 大野木克彦

    政府委員大野木克彦君) それは組織としての部を、つまり課と局との間にあります、若しくは課と官房の間にあります組織としての部を廃止しまして、組織の長としての部長がなくなりまして、その代りに特別な職としての監というものがおかれたというのでございまして、組織はなくなりまして簡素化されたことになります。その代り特別な職が設けられまして従来の職を引続いてやる、こういうことになります。
  66. 上條愛一

    上條愛一君 そうすると、監の下には従来通りの課は存置いたすわけですか。
  67. 大野木克彦

    政府委員大野木克彦君) それは各省の組織規定できめられるのでございますが、恐らく各省とも従来のごとく課をおかれまして、その課の事務を監が統轄するということになると思います。
  68. 上條愛一

    上條愛一君 一体今度の機構改革によりますというと、部というものは各省に亘つて全部廃止するというのですか、存置しておる省もあるわけですか。
  69. 大野木克彦

    政府委員大野木克彦君) 部は法律規定がございますので全部廃止いたしました。ただ郵政省だけは、これは行政組織法上企業として特別な取扱いを受けることになつておりますので、郵政省の部だけはそのままでございますが、その他の省の部はいずれも廃止いたしました。もとより外局の庁、委員会の間にありますところの部はこれは別でございます。
  70. 上條愛一

    上條愛一君 そうすると、部を廃止してそれに代るべき監を置いても実際において何らの内容において違いがないというならば、何故に部というものを廃止しなければならないか。何か部を廃止して、そしてそれよりも縮小するとか、或いはその権限を違えるということであれば、これは名前を変えるという必要があると思いますけれども、同じ部長でも監でも仕事内容も何ら変らない、権限も変らないというものを何故に部長を廃止して監にしたかということが呑み込めないのです。その辺の御説明をお願いいたします。
  71. 大野木克彦

    政府委員大野木克彦君) これは行政組織の簡素化の趣旨によりまして、官房、又は局の下に部という中二階と申しますか、そういうような段階はなくして、すぐに課に連なるようにしようというのが行政組織法が立法せられましたときの御趣旨であつたのでありますが、この前、実は二十四年の行政機構の改正のときに局を縮小するようなものもございまして、政府といたしましては、そういうものについては止むを得ず例外的に部の存置をお願いしようとしたわけでございますけれども、やはり原則通りに行くべきだという御趣旨で、それは臨時的な機構として一年間だけ存続が認められまして、その後はこれを廃止するということにきまりました。ただその後全般的な行政機構の改正に伴なつて、それを実施するということで今日まで一年々々延びて来ておつたわけでございますが、このたびそれを法律規定せられております通りに実行して簡素化するということでございます。今問題になりましたようなところと、それから次長というようなものが設けられたところがございますが、全体といたしましては非常に多くの部が全部廃止せられまして、僅かな監、又は次長として仕事が残されるということに相成りますので、大部分監が今までの仕事をそのまま続けることになつております。ちよつとお断わりを申しておきますが、監になりまして、例えば統計なら統計の仕事そのものについては何ら変りはございませんけれども、庶務的な仕事を持つていたようなところがありますと、或いはそれが部が廃止されますと、そういうものはほかの官房なり局なりの庶務を扱うところで一緒にやるというようなことが起るところもあるかも知れませんけれども、プロパーの仕事につきましては変りはないと思います。
  72. 上條愛一

    上條愛一君 部を合併して部の数を減らすとか、或いは簡素化が行われて、これを縮小するというような意味合から部を廃止するというようなことなら我々も納得できるのですけれども、何ら仕事内容においても実質においても変らんというのに、何故部を一様に形式的にこれを廃止して、そして紛わしい監というふうな、一般国民から言えばどういう一体身分で、どういう権限であるかというようなことの不明確なものにするというお考えが、これが納得ができない。こういう点についてどう一体政府考えてこのような行政機構の改革をやられるのか、この点を一番重要な点だと我々は考えております。
  73. 大野木克彦

    政府委員大野木克彦君) これはやはり行政機構の簡素化という一般の方針から出まして、局と課を直結させるということが段階を減らし、簡素化になるという趣旨でございまして、この法律の要請に従つたわけなのでございます。それからその監が所掌する仕事は、法律上各省の任務の項目の中でどの任務については監が司るというふうに規定いたしておりますので、その点ははつきりいたそうと思つております。
  74. 上條愛一

    上條愛一君 これ以上は意見になるので申上げませんが、このような簡素化にならない、何か却つて複雑したこういう機構改革は我々は納得できない。これは意見になるからこの辺で打切ります。  労働省にお伺いしたいのは、今度の機構改革によりまして、統計調査部廃止して統計調査監にしたのですが、これは何ら今御質問申上げたように実質的には何らかの縮小ではないのですか、やはり監にしたというのは実質的にも内容的にも多少の差異を生ずるのか、その点について伺いたい。
  75. 溝口三郎

    政府委員(溝口三郎君) 労働省におきまして、従来の統計調査部廃止して統計調査監が統計に関する事務を掌理するということになつたのでございますが、その内容におきましては従前通り事務を掌理することにいたしております。
  76. 上條愛一

    上條愛一君 なお私はこの際お伺いしたいですが、ライス勧告によりまして、日本における労働統計なり、一般統計というものは充実すべきだという勧告を受けておる、それからもう一つは前の保利労働大臣が現在の吉武労働大臣事務引継の際に、労働統計はむしろ部を局に昇格してもつと充実を図るべきものであるという事項があつたよう承わつておりますが、現在の労働省当局としては、労働統計に対してこれを縮小して差支えないというお考えですか。なおこれを充実して行かなければならないという現状であるか、それについての御意見を承わりたい。
  77. 溝口三郎

    政府委員(溝口三郎君) 上條さんからの御質問でございますが、労働省におきます労働調査並びに統計の事務は、労働省におきまして特に重要な仕事の一つでございまして、年来労働に関する統計調査の充実については、これは労働省として最も希望しておるところでございまして、従来二十四年まではそういう意味で非常に重要な意味であつたのでございまして、労働省におきまして統計調査局があつたのでございますが、それが統計面については各省とも皆部に格下げになつたのでございます。併し現在労働省でやつております統計調査の仕事は、これは最近におきましては非常に資料として重要な資料が漸次整備されて来ておるのでございまして、これが労働行政といたしましては、この資料に基いて関係労使両方に生産能率等の向上の資料となりまするし、労使間の紛争の合理的解決のためにも、これがしよつちゆう利用されておるのでございまして、殊に国際的に日本の労働條件というようなものが、まだ各国にも理解されていないような部面もあるのでございまして、できるだけ正確な、立派な資料を今後ともますます整えて行きたいと思つておるのでございまして、内容についてはできる限りの充実は図りたいと考えておるので、決してこれ以上に縮小するというようなことは毛頭考えていないのでございます。ただ労働省統計調査部廃止して統計調査監を置くということにつきまして、只今大野木次長から統計調査監というものの性格につきまして御説明があつたのでございますが、従来部長は一般のところなんかは局長の下におるのだというような解釈にあるのでございますが、今度の統計調査監というのは、これは事務次官に直結して労働統計調査の事務を掌理するのだ、部長と局長との間のような私は性格じやないと思うのです。だから統計調査監という名前は新らしい名前でございますが、性格的に私ども考えておるのは、部長よりは多少格上げに考えられておるのじやないかというふうに考えておるのでございます。
  78. 上條愛一

    上條愛一君 部長と監と比べてこれは上か下かというようなことは、これはまあ今度の実際の運営について我々の承知しなければならないところと思いますが、ただ私の感じでは、監というのは命を受けて事務を掌理するというようなふうになつておりまして、部長ということになれば相当権限を持つようになると思うのです。従つていろいろな点で独自の仕事の処理ができると思うのですが、現在においてすら労働統計というようなものにつきましては独立性を失つておる傾きがあるので、例えば現在でも臨時工の調査のごときは広くこれは発表することを拘束されておるという噂もありますけれども、部長が監になつたというようなことは、我々の考え方から言えばやはり権限が縮小せれて行くのではないか、その第一歩ではないかというふうに考えられるわけですが、これは今おつしやつたような見解もあるといたしますれば、この点については触れることを差控えたいと思いますが、なお私の御質問いたしたい重要な点は、一体労働統計というようなごときものは、労働省としてはこれは殊に独立国家となりまして後における、今後においては労働省の主要任務は労働統計であると我我は考えておる。労使関係にいたしましても、この具体的の事実に基いて労使間の合理的の処理をして行くということが重要であると思う。これは労働省も一番痛感しておることだと思うのでありますが、従来の労使の紛争ということが確固たる具体的の統計事実に基かずして、漠然たる感情というほどではありませんが、漠然たる問題で争つたということが合理的な解決の行われなかつた一つの重要な原因であると考えられておる。そこで労働省の任務としては、ますますこの労働統計というものは拡充強化して行くべきだ。殊に今おつしやつたようにILOに加盟いたすことになりますれば、国際的にやはり日本の労働統計というものが重要になつて参る。それから今後いずれ最低賃金制の問題などが労使間の重要な課題になつて参ると思うのですが、これらについてはやはり今から十分なる賃金に対する調査が必要である。こういうふうに考えられるわけでありまして、我々は行政機構の簡素化を行なつて行くということの根本方針については賛成でありますが、併し行政機構の改革というものは、申すまでもなく要らないものは減らして行くけれども、重要なるものはますます拡充して行くということであると考えるのでありまして、何故一体労働省はこのような重要なる時期に当つて、従来局を部に直して参つたとか、部を監というようなあいまいな名前にするというようなことを行なつて、社会的或いは国民から考えれば、何か労働統計については政府はだんだんその重要性を認めておらんという感じを与えるのでありまするが、なぜこの際このような重要な時期に当つて労働省は労働統計部を廃止して監というようなあいまいなものにして、拡充を図らずして縮限して行くというような印象を与えるような、こういう一体改正をなされるのであるかということについて納得が行かない。もつと具体的の御説明を願いたいと思います。
  79. 溝口三郎

    政府委員(溝口三郎君) 上條さんのお説の通り労働省におきましては、労働統計は最も重要なる一つであるのでありまして、この内容の充実拡充等については我々もこれは希望いたしておるところであるのでございますが、今回の行政機構の改革は原則として全部の部を廃止するのだという根本方針がありますので、それに従うことが妥当であると考えておるのでございますが、今後におきましては、この範囲の中で、現在におきましても改正によります労働統計監というものの権限は決して縮小はされておるわけではないのであります。従来と同様の事務を掌理することになつております。今後とも内容の充実強化については是非とも御協力を願つて、この労働統計の業務の発達については是非御協力をお願いいたしたい。
  80. 上條愛一

    上條愛一君 大臣がおりませんので、私はこれ以上あれいたしませんが、一体労働省はこの際に、なぜ部を局にして拡充を図るということを強く断行しないかということを私は希望するのですが、大臣がおりませんのでこの辺で……。
  81. 竹下豐次

    竹下豐次君 ちよつと簡単ですから、地方にありまする婦人少年室ですね、現在の規模と活動の状況、それからその成績等について簡單に御説明願いたい。
  82. 富樫總一

    説明員富樫總一君) 現在地方に配置されておりまする婦人少年室職員の員数は全体で百四人であります。原則として一県に二人でございますが、特に東京愛知、大阪は四名、北海道、神奈川、京都、兵庫は三名、こういうことになつております。これから申しましても、仕事の上におきましては常に手不足を感じておりまするが、職員はおのおのその職責の重要性に鑑みまして、涙ぐましき活動振りをいたしておる次第でございます。そのやつておる仕事でございまするが、本省の婦人少年局の仕事の万般に亘りまして、その地方出先となりまして、婦人の地位の向上に関する総合的調査、啓蒙の問題、それから婦人労働者の特殊の労働條件について調査をし、これを本省に報告すると同時に地方の基準局に対する勧告をする仕事、同じく年少労働者についての特殊の労働條件について調査いたしますと共に、基準局に対する勧告をするということでありまして、これを一つ一つ申上げますと……、あとで何か資料にして差上げます。随分いろいろ挙げますとたくさんあるのですけれども、実際には二人くらいでなかなか手が廻らないでくるくる働いておる。こういうことでございます。
  83. 竹下豐次

    竹下豐次君 今の御説明で大体わかりましたが、私も非常に少い人で熱心にやつていらつしやる。なかなか手が廻らないというふうに考えておつたのであります。今の御説明によりましても、この婦人少年室でお扱いになつておることが、もとより労働省関係のことでありまするから、婦人労働ということを中心にしていらつしやるのでしようけれども、そのほかの方面にもやはり手を延ばして行こうとするお考えがあるのか、ところが一方都道府県のほうですね、まあ社会教育の課と、それから婦人少年課というようなものもあるというようなわけで、そちらでも仕事をしている、そちらのほうはもうちつと組織が大きいのです。それでこの問題は非常に大事な問題でありますから、やはり力を入れなければならないということは私は当然のことと思つておりますけれども、成績を上げるためにはその県庁と連絡をとつて、その上で各方面に亘つて連絡のとりやすい仕事をなさるというほうが却つて成績が上るのじやないかと思います。平均二人というわけでありますが、二人くらいで仕事を広いところでやつても、幾ら働いてみたところで大したことはないというふうに伺うのです。もう少し県庁内部のことを考えましても、社会教育課と、それから婦人少年課というような、兒童少年課というようなものがあつたりして、そうして県庁内部でさえ両方に分れておるがために、婦人少年問題がうまく運営ができないというような実情なんです。ここで併せるというと三本建になるのですね、それじや私は却つて成績が上らないのじやないかという疑問を実は持つておるわけなんですが、その点如何でありますか。
  84. 富樫總一

    説明員富樫總一君) 竹下先生非常によく実情を御存じで申上げるまでもないと思いますが、元来労働省に婦人問題の部局を設けた趣旨から考えますと、婦人の問題は社会教育の面から見ますと文部省であるし、社会厚生面から見ますと厚生省であり、人権擁護、司法検察関係から言うと法務府であり、或いは農村の家庭生活の改善というような面から言うと農林省である、又婦人労働者、家庭婦人ということになると労働省に一番密接な関係がある、いずれにしましてもこれを全部中央で一本化するということは、これはなかなか言うべくして行われがたい、そこでどこかで連絡調整、連絡調整という仕事ぐらいは、どこか一本にしておいて、そこで総合の連絡を図り、何したらどうだろうということで、まあそれならば庶民階級と申しますか、労働大衆と一番接触の深い労働省にこの局を、その仕事をさせたらよかろう。現にアメリカでもそうなつておるということで、婦人少年局を労働省に設けたわけでありまして、婦人に関する行政そのものの全般を直接にやろうという趣旨ではないわけであります。そこで本省におきましては、婦人少年問題審議会というものを設けまして、各省関係の有力なるかたを委員に委嘱しまして、いろいろな問題を諮問し、建議を受けまして、それを又各省に流す。各省の仕事の状況を総合してお互いによく熟知し合う、こういうことをやつておるわけであります。お話のように地方の職員数は原則として二人ずつでありまして、余暇を拾つて御婦人のかたも自転車に乗つて駈け廻つて調査をいたしますので、本質的にはやはり地方末端における婦人問題における、各部局、基準局、県庁、県庁でも各部の中にそれぞれの仕事があります。司法人権或いは警察、人身売買や売春の問題などにいたしましても、そういう仕事というところの連絡総合をやります。又年に一度の婦人週間などにおきましても、企画立案の中心になりまして、実際にはこの各官庁の実質的御援助を受けて仕事をやる、こういうことになつておるわけであります。現状で事務的に十分とは考えませんが、そういう趣旨に基きまして、私どものほうとしましては一生懸命やつておるということで御了承願いたいと思います。
  85. 竹下豐次

    竹下豐次君 労働省だけの立場から見ますれば、今おつしやる通りのことだろうと思いますが、私は地方に知事というものがおりますから、社会教育問題については、これは文部省でやるとか、婦人の労働問題についてはあなたのほうでおやりになるとか、例えば兒童の問題については厚生省か知れませんが、そこでいろいろ企画立案して知事のほうに任せる、ずつとやはり大体分れておつても、知事のところでそれをまとめて、そうして一括して、手広く大勢の人で強力にやつて行くということのほうが、或いは婦人少年の擁護のために成績が挙るのではないか、各省の縄張りで別々にやつているから、こういうことになつて行けば二人くらいでは仕事ができない、幾らも実績が挙らないということは言い得るだろうと思います。その人が幾ら一生懸命になりましても、こういうことは労働省だけに申上げても仕方のないことだと思いますから強いて私は申上げませんけれども、よく各省とも連絡をとつて頂きたいと思つております。私は一応この程度で……。
  86. 楠見義男

    ○楠見義男君 私は数点お伺いしたいのですが、先ず最初労働省統計調査監の問題について、先ほど上條さんから御質問がありましたことについて、それに対する御答弁ではなお十分に了解しがたいので、重複の虞れがありますけれども、二、三伺つてみたいのであります。最初に行政管理庁の大野木次長にお伺いしたいのですけれども、先ほど来の説明を伺つておりますと、私はこれはよしあしは別にして、現在の国家行政組織法で部がなくなることになつておるので、従つて善後措置として止むを得ずこういうものが形を変えて認められたということであればわかるのでありますが、そうでなしに行政組織の簡素化或いは行政の能率化という観点から、こういう監制度が設けられたということになると、これはちよつと私だけではなしに、一般の他のかたがたも了解しがたいのじやないかと思うのです。と申しますのは、むしろ従来の部のほうが一つの組織として、外部から見ましても或いは又内部の面から見てもむしろはつきりするのですね。ところが監というのは例えば、現在はどうか知りませんが、昔から内務省に内務技監の制度があつた。建設省にも現在あるかも知れませんが、そういう場合は所掌事務というものは持たずに、例えば技術関係における一つの何と申しますか、アドヴアイザーと申しますか、或いはどういうふうに言いましようか、具体的の仕事というものを持たずに、むしろ技術について眼を光らしているという者が内務技監の制度であつたわけです。従つてそういうような行政の今の経緯から鑑みても、むしろ監という制度を設けることによつて簡素化というよりも複雑化、理解の上において混淆を来たすような制度になつている、こういう考え方は、私は少くとも考えた場合には当然のことじやないかと思うのです。これ以上のことは意見になりますから申上げませんが、そこで具体的にこれからは労働省のほうから伺いたいのですが、その前に先ほどからお話がありましたように、現在国家行政組織法で五月末日になくなる。ところがこの法律は七月一日から施行されるということになりますと、六月の一月の間の部の繋ぎというものはどういうふうにお考えになつておるのか。現在これについての経過的な法律を用意しておられるのか、どうなつておるのか、この点を先ず伺いたい。
  87. 大野木克彦

    政府委員大野木克彦君) 初めにその繋ぎの問題をお答え申上げますが、これは先だつて提案いたしました国家行政組織法の一部改正の中に特に六月末まで存続を認めて頂くような趣旨規定を盛込んでおります。それで国家行政組織法は七月一日から施行いたしますので、その間の処置につきましては、只今專門員室のほうと打合せをいたしております。それから監の問題でありますが、先ほどその簡素化云々と申上げましたのは、実は局と課の間に部という組織を設けておくということが簡素化の趣旨に反するということで、部を全般的に廃止するという規定になつておるということを申上げましたが、結局只今おつしやつたその善後措置というようなことになるかも知れませんが、部が廃止されますが、併し或る面の仕事はやはり一つのまとまりを以て行きませんと、都合の悪いようなものもございますので、例えば今問題になつておる統計の事務のごときもの、これをどうするかということが問題に以前からなつておつたわけであります。たまたまこの前の二十四年の行政機構改革のあとで設けられました行政制度審議会におきましても、全般としてやはり法律趣旨従つて部の廃止は止むを得ないが、ただ殊に統計の事務につきましては、その重要性に鑑みて、この統計を掌理するために特に高い地位の職を設けて、その職によつてこの統計事務が掌理されるような工夫をしたらいいだろうというような御答申がありました。それでそれを参考といたしまして、今度こういうような特別な職を設けることにいたしましたような次第であります。
  88. 楠見義男

    ○楠見義男君 その部の制度があることによつて中二階になる。ところが監の制度になつてやはり所掌事務を持つて従来と同じ状態で行くということになると、いわゆる今おつしやつた中二階というものは一向変らない、むしろ変るところは、例えば統計については一番統計で問題にされておることは、一般の行政機能と分離して、組織的に一体的に継続的にその仕事をやつて行くという点が一番重要視せられる点なんです。そこでこれはまあ申上げるまでもなく御承知通りなんですが、そこで部という制度でやつてつてこそその点が明らかになるのですが、監という場合には、今申上げたように従来も内務技監は一つも所掌事務を持つていない。たまたまここでは第五條の二で第六條の十二号から十八号までに掲げる事務を掌理するということで、従来と同じように課をその下に抱えるということになつておるから、その点は明らかなんですが、若しそうでなければ極めて不明瞭なことになるのじやないかという点で、今おつしやつた点は上條さんと同じように実は私は納得できないのですが、それはそれとして、労働省にお伺いしますが、現在の統計調査部における人員の数ですね、これは他の例えば農林省のように地方にもそういう機関を持つておるとすれば、中央地方を通じて一体的に活動しておる統計調査部職員の数はどのぐらいあるのかということが一つ。それからその次には、現在統計調査部に属しておるところの課の数が幾つあるのかということが一つ。その次には労働省の統計調査関係で毎年使つておられる予算、例えば昭和二十七年度予算で結構ですが、昭和二十七年度予算が幾ばくで、その金が労働省全体の総予算の中でどの程度の割合を占めておるか。以上三点についてお伺いしたい。
  89. 金子美雄

    説明員(金子美雄君) 只今御指摘の点についてお答えします。他の局の分は手許には今資料を持つておりませんので、統計調査部関係だけについて御説明申します。本省について申しますと、二百四十一人、そのほかに地方に三百三十五人という人員が、これは一応都道府県労働基準局の定員になつておりますが、予算その他につきましては、統計調査部の要員として処理されておりますので、一応統計調査部の地方の人員という形で置いてあります。従いまして両方を通じますと、五百八十一名というのが二十七年度の新らしい定員でございます。本年度の予算でございますが、人件費、事業費合せまして、本省分で一億二千二百三十六万四千円、そのほかに先ほど申しました基準局関係の労働保護官署分がございまして、合計で一億四千六百万円ほどになります。こういう予算になつております。なお本省の統計調査部には庶務課、雇用調査課、賃金調査課、労働経済課及び製表課の五課が現在置かれております。
  90. 楠見義男

    ○楠見義男君 次に大野木さんに伺いたいのですが、婦人少年室ですね、これは一つの行政庁と言いますか、行政機関としておるわけですね、婦人室というものは……。従つて婦人室という名前で以ていろいろの行動をせられると、こう解釈していいわけですか。
  91. 大野木克彦

    政府委員大野木克彦君) これは労働省の一つの地方支分部局になります。それで婦人室という名前で今度地方支分部局ということがはつきりいたしますので、その名前でやることになつております。
  92. 楠見義男

    ○楠見義男君 実は私お伺いしておる趣旨は、こういう意味からお伺いしておるのですが、それは例えば婦人労働関係仕事に従事する労働省の役人が溜りをする意味の室というのは、常識的にはいろいろあると思うですが、ところが行政機関として新たに室というものが出て来る、一方では名称を新たに作つたり、或いは廃止したり、庁が院になつたり、簡素能率化、明確化ということが一貫した今回の行政機構改革についてははつきりしないのじやないかという点が、根本的には疑問があるのですが、そこでそういう意味から見て、他の官庁に室という名前で行政機関たるものがあるかどうか、これを一つ伺います。
  93. 大野木克彦

    政府委員大野木克彦君) 地方支分部局でございますので、法律上特に名称の定めがございませんので、従来の名前をそのままとることにいたしておるわけでございます。併し室というのは、大体において各省の内部の課と殆んど同じ性格の室があるだけでございまして、支分部局などにおきましてはないだろうと思います。
  94. 鈴木直人

    鈴木直人君 婦人少年室ですがね、これによりまして東京都は四人ですね、そうして婦人少年局地方職員室の業務に関する仕事ちよつと上つておりますが、現在やつておりまして、東京都に四人で以てどの程度の一体徹底した仕事がやられておるか、先ほど竹下委員から言われたように、これは各府県知事の下にがつちりした部課があるのですが、そこの中に入れまして総合力を発揮するというふうにしたほうが、国全体から見て、これは最も効果的であり、能率的であると信じておるのですが、実際東京都内を四人でどの程度目的とするものが徹底してやられておるか、その説明を具体的に、ちよつと確信のあるところを御説明を頂きたい。
  95. 工藤誠爾

    説明員(工藤誠爾君) お説のごとく、僅か四名でこの広い東京のいろいろの関係仕事をいたしますのですから、手不足なことは申すまでもございません。現在どういうような活動をしておるかということでございますが、実際問題としましては、労働基準監督署と事務上も連絡することは非常にございますので、監督署の援助、又職業安定所の援助というようなものによりまして、主として連絡により仕事を行なつております。それから他の官庁につきましても、例えば都庁に関しましても、或いは法務府系統の機関にいたしましても、常にこちらから出向いて助力をお願いし、援助をお願いするというような活動によりまして、現在は実際上四人ではございますが、非常に大きな力で仕事をいたしております。その他本省からの指示によりまして、調査、啓蒙活動というものを行なつております。従つて現在四人で、それ自体を見ますと非常にどれだけの効果があるかということについては御疑問が起るかと思いますが、実際上は実情に立入つて御覧願いますと、相当大きな仕事をしておるということについて御理解を頂けるかと思います。
  96. 鈴木直人

    鈴木直人君 仮にこの四人を東京都知事の下において、知事の総合力の一員としてこれを活用したという場合と、どつちが目的を達成する場合に有効であり、適切であるかという点について意見を一つ聞きたい。
  97. 工藤誠爾

    説明員(工藤誠爾君) 私どもといたしましては、現在の婦人少年局の地方職員室と申しておりますが、それの活動が本省のただ婦人少年局の指示に基いてやつておる、現在は婦人少年局長の手足となつていろいろの調査活動をし、啓蒙活動をしておるという点から見まして、他の機関の一部ということとなつてやるよりも、現在の形のままのほうがより有効適切に行われるものと信じております。
  98. 鈴木直人

    鈴木直人君 もう一回お聞きしますが、東京都知事をあなたのほうの局なり、課なりの手足として自由自在に使つたらどうですか、その点はどうでしようか。
  99. 工藤誠爾

    説明員(工藤誠爾君) 率直に申上げまして、婦人少年という問題につきましては、現在のところ力が弱い、従つて御理解のあるかたによりますれば、この問題が伸びて行くかと思いますが、併し必ずしもそれが期待できん場合もあるかと思いますので、現在のところでは現状のままのほうがより適切であるというふうに考えております。
  100. 楠見義男

    ○楠見義男君 行政機構改革に関する一般的な説明は、先般管理庁長官である野田大臣からお伺いしたのでありますが、その狙いとせられておるところがたしか八つあつたと思うのであります。その八項目についてそれぞれ伺いたいと思つておりますが、丁度今部の問題が当面の問題として労働省における統計調査部に関連して起りましたので、その点からお伺いしたいのであります。それは先般も提案の御説明の中にありましたように、各府省の官房及び局におかれる部の制度を廃止する、これが今回の行政機構改革の八つの中の一つの項目になつておるのでありますが、先ほど来行政管理庁次長と各委員のかたとの間の質疑を通じて明らかになつたことは、或いはこれは多少意見に亘ることになるかもわかりませんし、又大野木次長の言われたことを十分に理解せずに言つておるかもわかりませんが、要点はこういうことなのであります。ただいいか悪いかは別にして、現在の国家行政組織法において各府省の内局、この官房なり、或いは内局における部の制度は暫定的の措置であつて廃止するということになつておるから、それに即応して部をやめたんだ、こういうことならば、そのいいか悪いは別にして、一つの結果としてはよくわかるんでありますが、そうじやなしに、行政機構の改革の一環として或いは簡素化を図つた、中二階というようなものを廃止して簡素化を図つたとか、或いは事務の能率化を図るために部の制度をやめた、こういうことであれば、その理由がよくわからない、ということは結局、例えば今の労働省統計調査部においてもそうでありますが、單に労働統計調査部というものが労働統計調査監というものに変つただけであつて、従来の部制度におけると同様に、その監の下に五つでありましたか、五つの課は依然として所属しており、そうしてそれが統計業務において一番大事な一体的組織的な行動は従来と同様にやつておる。変つたところは部長というものが監というような名前になつただけだ。そうすると、一向変りはないのではないか、変つた点は今申上げた点で、むしろそれは従来の行政職名なり、官名なりの常識から言えば、むしろ一体組織化と違つた感覚を受けるのである。従つて一方から見れば、何らそこに合理化され、或いはよくなつたという感じは起らない。従つて最初に申上げましたように、行政組織法の規定がそうなつておるから、それに従つたということじやなしに、ほかの理由でこれを大いに改めたとすれば、その真意は了解できない。一体どういうことなんだろうかということが問題になつた点であります。その点についてお伺いしたいと思います。
  101. 野田卯一

    国務大臣(野田卯一君) 楠見君の御質問の趣旨はよくわかりましたが、只今御指摘になりましたように、現在の国家行政組織法においては、官房の中又は普通の局の中、の部というものは認めないという制度になつていることは御承知通りでありまして、これは議会の意思としてきまつているわけであります。ところが二十三年にそれができましたけれども、二十四年に行政整理を大幅にやりました。そこで局をなくしたり、いろいろなことをしたために部をなくするという制度を二十四年頃より実行するということが実際上むずかしく、妥協的な一時的な産物として部を設けたものであるわけであります。そこで二十五年の五月末日までの暫定措置として部を置いた。それが二十五年の五月末日に、期限が切れますので、そのときに整理しようという考えでおりましたが、その当時第二次の機構改革が問題になつて従つて第二次の機構改革の中にこれを当然織り込んで行くということに相成りましたために又一年延ばす、ところが機構改革が遅れましたために又延ばすということになつて、本年の五月末日におきましては、放つて置いてはこれは当然消滅するという性質のものであるということは御承知通りであります。そこで我々といたしましては、部がなくなりましたあとそのままにしておいていいかどうかという問題があるのでありますが、仕事の中にはそのままにしておいていいものもあると思います。中には部が全然なぐなつて部長がなくなつてしまうというような場合に多少困るのではないかと思われるものがある。この多少困るのではないかと思われるものの中に一般的なものと特別の性質を持つたものがあるのでありまして、一般のものにつきましては、局に次長を設けるということにいたしまして、一時的な経過的な不便を取除いて行こうというふうに考えたのであります。特殊なものにつきましては、監という制度を設けまして、これが局の局長の補佐官といたしまして特殊な仕事、例えば統計調査というような仕事でありますれば、統計調査の仕事をいたしまして、補佐官としてそれをよく見て行くという制度を設けることにいたしたのであります。それからなお国家の行政機構改革全体を見ますときに、やはり機構全体を簡素化するという方針がありますので、この部を廃止するということは既定の方針ではありますけれども、文部を置いたらどうかというような意見も中にはあるのでありまして、それを明確にするために行政機構改革の一環としてそれを取上げて来られた、こういうふうな関係になつていることを十分御了承願いたいと思います。
  102. 楠見義男

    ○楠見義男君 その経過的な点は先ほど大野木次長から説明を伺いまして、大体わかつておるのでありますが、要するに問題は現在の国家行政組織法がこうなつておるから、その行政組織法に即応してやつたというふうにしか理解できないのですが、そう理解していいのですか。
  103. 野田卯一

    国務大臣(野田卯一君) これは例えば本来の建前から言いますると、五月末日に法律を改めない限りはなくなつてしまうものであります。併しながら部を廃止するということにつきましては、それを十分意識している人もありますし、そういう法律のあるということを意識しておらない人もあるわけであります。それでありますから、機構簡素化ということ、今度の機構改革のための一つの問題として、やはりこれは考え方がはつきりいたしておるということ、こういうふうに御了承願いたいと思います。
  104. 中川幸平

    中川幸平君 私もその問題についてお尋ねしておきたいのですが、運輸省で観光部を観光監と言つております。農林省で競馬監、そのとき私もおかしいと思つたのです。監というのは職名であつて機構ではないというような感じがするのですね。まあそうだろうと思うのですよ。それで国家行政組織法で、参議院としては成るべく簡素化にして部を廃止しようという強い意思を発表して決議しておるものですから、この機会にその参議院の意思を尊重しようというところの、苦しまぎれでされておつたような感じがするのです。と言つて郵政省のほうでも部が多少残つておる。そこまで苦しいものならば、やはり部を大幅に認めるように手続をとられたほうが私はいいんじやなかろうかと、かような感じがするのです。監という職名であつて、課や局と違つた、機構でないというような感じがしてならんのですが、大臣にお伺いいたしますが、どうお考えでありますか。
  105. 野田卯一

    国務大臣(野田卯一君) 只今御指摘の通りの、只今お感じになつ通りの一つの役目柄でありまして、これは局長の補佐でありまして、それで次長は一般的な局全体的な仕事を見るなり、或いは一部の仕事を見るなり非常に弾力性を持つた、局長が適当にやらせてやつておるものであります。監というものは初めからこういう仕事を担当して局長を補佐するだけということを明瞭にして、その仕事の特異性、特技を付けなければならんということをはつきりしたのでありまして、課とか、局とかいう組織ではないという点はお考え通りであります。
  106. 楠見義男

    ○楠見義男君 そこで問題になるのですね。組織ではないという大臣の御説明だけれども、具体的には、例えば労働省で行くと、「統計調査監は、命を受けて、」命を受けてというのは、今大臣の言われたのと違つて、直接大臣の命を受けて、従つて地位としては次官と局長の間ぐらいでむしろ昇格しておると、こういうような御説明があつたのですが、それはそれとして、「第六條や第十二号から第十八号までに掲げる事務を掌理する。」と、こういうようにあつて、そしてそれは従来と同様に統計監の下には課を擁して部と全く同じような形で行く、こういう御説明なんです。従つてだからまぎらわしいのです。今お述べになつたように職名だか何だかわからないような統計調査監というものはおかしいじやないかと、こういうことで先ほどから質問が行われておるわけでありますが、どうなんでしよう。
  107. 野田卯一

    国務大臣(野田卯一君) 一応大野木君から説明したのじやないかと思いますが、一応大野木君から説明してもらいまして、更に私から申上げます。
  108. 楠見義男

    ○楠見義男君 大野木次長から説明があつたのと、今野田大臣の言われたのが違うものだから……。大野木次長の言われたのは私が今申上げたようなことを言われたのです。そこで先ほど申上げたように、ちつとも変らないじやないかというのに対しまして、今野田大臣から、中川さんの質問に対して、中川さんのおつしやる通りだとこういう御答弁があつたから、こんがらがつて来たわけです。
  109. 河井彌八

    委員長河井彌八君) ちよつと速記をやめて下さい。    〔速記中止
  110. 河井彌八

    委員長河井彌八君) それでは速記を始めて下さい。
  111. 大野木克彦

    政府委員大野木克彦君) 統計監は只今申上げましたような特別な職で、それで要するに仕事の面を特に中心といたしまして監督するようになりますので、これは或いはその各省の組織規程がどういうふうに今後定まりますかわかりませんが、或いは人事とか、会計とかいうような庶務的な仕事は統計監の下では従来の部長と違つて抜けるようになるところもあるかと存じますが、この点は各省の問題ですからわかりません。要するにそういう特別な職でそういう仕事を中心としてやる、従来の組織上の地位ではないというところが違うわけでございます。
  112. 中川幸平

    中川幸平君 それは部長が調査監になれば職名が上つたような気持がしますけれども、その仕事自体は実際拡充整備されて、却つて部で置いたほうがはつきりしていいように思いますけれども、ただ参議院の意思を尊重して、苦しまぎれに部を監にされたという感じがしてならんのですが、そこまで苦しいものなら多少除外例を設けるという手続をおとりになつたらどうかと思うのですが、郵政省にも残したのですし、農林省にも一、二残したのだから、競馬監や観光監とか、そういう一人だけの待遇を考えるようなふうに聞えてならんのです、が、それで大臣のほうでお考えを願えんか。そのほうがより一層はつきりすると私ども感ずるのですが……。
  113. 大野木克彦

    政府委員大野木克彦君) ただ郵政省は御承知通りこの組織法の二十一條で「現業の行政機関については、特に法律の定めるところにより、第七條及び前條の規定にかかわらず、別段の定めをすることができる。」というその現業の機関の扱いをいたしておりますので、あれだけはちよつと例外なんでございます。そこでまあ今度の機構改革ではあれだけは残してあるのです。
  114. 野田卯一

    国務大臣(野田卯一君) 只今お話のありました点ですが、部長というのは部全体を、部に課が属すれば、一つの部に課が三つなら三つ、四つなら四つありますと、その三つ四つの課を全体をまとめて行く、あらゆることについて全責任を以てやり、あらゆる世話をするというふうに、我々普通の官庁ではそういうふうに考えているのですが、今度の何とか監というのは仕事についてのいろいろのことを面倒を見て行く、或いは世話をして行く、或いは監督をして行くということです。例えばお前はこれとこれとを見ろ、この点を見ろ、例えば統計なら統計を見るだけであつて、その下の一つの課の労働争議から全部を見て行くというのではないので、要するに我々が普通、部と言えば部のことはことごとくそれは部長が見ます。併し今度の監というのは統計調査というものは見ますけれども、それは例えばいろんな折衝をするとか、何とかということまでやらない、その内容の重要なことだけをがつちり見て行くというふうな見方をしたいと思つております。例えば私どものほうに技監というものが建設省にありますが、これは技術の面を見ているわけです。それ以外のものは見ない、技術のところは皆している、自分の下に二、三人は使つておりますが、その下に大きな組織は持てまい、併し技術をがつちり握つて行くということはしております。そうしたことはほかの省にもありましたし、過去にも今でもありますが、そういうわけで、この制度の運用は決して全部のものではありませんので、競馬監は競馬というものについてはこれは見て行くやけでありまして、それに従うあらゆることをやつて行く、部長と少しその点は感じが運行上において幾らか違つて行くというふうに私は思つております。
  115. 楠見義男

    ○楠見義男君 今野田大臣の言われたような、従来の行政通念であるからここに問題が起つたのです。統計調査監というものは従来の何技監であるとか、或いは建設技監であるとか、そういうものと同じようにとられるのではないか、これはすらつとした考えですね。ところが実質はそうではなしに、従来例えば労働省統計調査部長が処理しておつたことと全く同じことを、同様なことをこの統計調査監がやると、こういうふうになつておるから却つてまぎらわしいのじやないか、それならむしろ従来通りに部にしておいたほうがいいのではないか。ところが部は国家行政組織法でさつき中川さんが言われたことから、参議院に対する御遠慮でそうせられたならば、これは参議院の問題ですから、参議院が過ちは改めればいいことなんですから、それはいいけれども、説明の点が実態と合わないものだから問題になるのです。
  116. 野田卯一

    国務大臣(野田卯一君) 私のほうの気持におきましては、今までの部長と同じようなことをさせようとか……、この條文がうまく現わされているかどうかわかりませんが、作つたほうとしては今までの部長とは違つた仕事をしたい、ただ違つた考え方をしております、ただエキスプレッシヨンが……。
  117. 竹下豐次

    竹下豐次君 部長の持つておる権限は何もかも包括するという御説明ですね、監のほうはそうではない。そうしますと、監のほうに移らない他の部分仕事については今度五つの課ができるということでありますが、課長たちは直接大臣の指揮を受けてやつて行くということになるのですか。
  118. 野田卯一

    国務大臣(野田卯一君) 局の中であれば局長が上におりまして……。
  119. 竹下豐次

    竹下豐次君 官房ですね。
  120. 野田卯一

    国務大臣(野田卯一君) ここであれば官房長官が……。
  121. 竹下豐次

    竹下豐次君 そうすると……。
  122. 野田卯一

    国務大臣(野田卯一君) 直接次官と繋るわけでございます。
  123. 竹下豐次

    竹下豐次君 そういうことになりますか。
  124. 楠見義男

    ○楠見義男君 これは意見になりますけれども、今の大臣の言われるようなことであると、多少伺いたいことがあるのです。それは労働統計にしても、或いは農林統計にしても、或いは厚生統計にしても、ありのままの姿を一体的に又組織的にやるというところに統計調査の妙味があり、又重要性があるわけなんですね。先ほど上條委員からもライス勧告についてのお話があつたのですが、だからこそ労働統計に関する五つの課も、統計監も官房に属する、そして一般の行政、その日その日の労働行政をやつておるところと離れてやつたほうが真実性がまぎれずにいいと、こういう点が一番大きな問題だろうと思う。その点について單に労働統計についてはそれぞれの課がそれぞれの業務をやる、それを統計技術的にアドヴァイスするというよな意味で統計調査監というものを設けておられるとすれば、逆にそういうふうな統計については一般行政と離れて組織的一体的にやる必要があると思うのだが、それについてはどういうお考えを持つているかということを質問せざるを得ないのですが、その点はどうでしよう。
  125. 野田卯一

    国務大臣(野田卯一君) 組織的に一体的にやるということと、部を置くということとの関係が私どういうふうなことになるかはつきりしないのですが、仕事としては一体的に組織的にやるということは考えられるわけです。それは大臣、次官もおりましたが、大臣、次官もその範囲を以てやつて行くことになる。
  126. 楠見義男

    ○楠見義男君 例えば現在の労働統計のほうで雇用統計或いは賃金統計をやる、労働経済統計をやる、こういう統計全体について、それをすべて処理して行くというのがこの統計調査監、文字通り解釈すればそれが必要じやないかと、こう思つたのですが、そうでないとすれば、雇用統計、賃金統計、労働経済統計というようなものはそれぞれ大臣、次官に直結して、ただ統計調査監というものは統計技術上のアドヴアイスをする、こういうふうにお考えになつておるのでしようか、どうなのでしようか。
  127. 野田卯一

    国務大臣(野田卯一君) その場合は、この統計調査監というものは、次官の補佐官としてそれを締めくくつて行くのであります。
  128. 楠見義男

    ○楠見義男君 そうしますと、従来の労働統計調査部長というものと、それからこの統計調査監というものは具体的にどう仕事内容が変りましようか。
  129. 野田卯一

    国務大臣(野田卯一君) 私は具体的な問題としては、統計調査監はどういう統計を作るか、どういう様式のものを作るか、どういう種類のものを作るか、それを又どういう様式でやるか、どういうとり方をするかという統計の選定、それからとり方、それに又集計の仕方、現わし方、累計の仕方というようなものについて、これががつちりやつて行くと思います。統計に従う人人の年金の問題とか、或いはそれらに対する給与をどうするかという全体の問題につきましては何ら頭を突込まない。勿論参考的にいろいろの意見を求められるけれども、その主たる責任はやつぱり統計を作るという仕事の面で技術的な仕事が多いと思います。こういう方面に主力が注がれる、こういうことにあると思います。
  130. 鈴木直人

    鈴木直人君 大体前の部長と統計調査監との仕事上の違いがはつきりしたような気がするのですが、そうしますと、今までは大臣官房に人事課とか、秘書課というものがあつて、別に統計調査部というものがあつて、そこに幾つかの課があつた。それが今度は大臣官房の中に秘書課とか、人事課とか、或いは五つの課が平等に置かれて、そうしてそのとき所掌をそれぞれ課長もやるが、ここに規定されておる通り、第五條の二項に規定されておる事務については全部次官の命を受けて統計調査監というものが総括、締めくくりをして、そうして課長を命令して事務を掌理して行く、こういうことになると思うのでありますが、そこでその五つの課の人事とか、庶務とかいうようなものにはタッチしない、それは官房のほかの人事課とか、庶務課というものが直接タッチしている、こういうことになるわけですね。
  131. 野田卯一

    国務大臣(野田卯一君) 恐らくその仕事は課が下にある官房なら官房に、人事課とか、庶務課とか、統計課とか、或いは統計第二課とか、或いは調査課というものがあるんじやないかと思う。調査課であれば調査課長が第一にその面倒を見るということになつて来るのです。この調査監になればそういうことは参考的にアドヴァイスするかも知れませんが、ほかの統計の本当の作り方とか、基本に関することは自分の仕事としてはつきりやつて行くけれども、そういうことは参考的に意見を求められたりいろいろするかも知れないが、主たる仕事には入れないようにして行きたい、こういうように考えております。
  132. 三好始

    三好始君 先ほど来から伺つてつて法律案の文章に現われた客観的な意図と大臣の主観的な意図との間に多少食い違いがあるんじやないかという気がしてならないのです。現行法の第六條第二項では、「労働統計調査部は第十二号から第十八号までに掲げる事務をつかさどる。」、こういう表現になつておりますし、今度の法律案では「統計調査監は、命を受けて、第六條第十二号から第十八号までに掲げる事務を掌理する。」、これが、違つておるのは、労働統計調査部という名称が統計調査監ということになつてつおるのと、現行法の「つかさどる。」という表現が「掌理する。」という表現になつておるのが違つておるだけでありまして、客観的に我々が受ける感じでは、統計調査監は第六條第十二号から第十八号までに掲げる事務について責任を負うという感じをどうしても受けざるを得ないのです。「事務を掌理する。」という表現になつておるので、單にアドヴァイスするというふうに軽く受取るわけに行かないのです。こういうことがどうも文面に現われておる客観的な意義と大臣の主観的な意図との間に食い違いがあるような感じがするのでありますが、法律は勿論でき上りますと、提案者の主観的な意思を離れて客観的な解釈をせらるべきものでありますから、私はどうしても文章の規定そのものを嚴格に客観的に解釈した立場で判断しなければいけないと思うのですが、この説明ちよつとわかりにくいのです。
  133. 野田卯一

    国務大臣(野田卯一君) 私はこれは法制の專門家でないので、あとは詳しくは法制の專門家から補つて頂きたいと思いますが、大体同じ書き方をしておつても、恐らく書いた法制局でも私の申上げる意味はよくわかつてこの法律を見てくれたんだろうと思います。そこで主体が組織であるという場合と、主体が職であるという場合によつて、大体同じような言葉を使つてつても、取扱いが変つて解釈されるんじやないかという感じがするのです。これは私の感じなんでありますが(「感じじやしようがない」と呼ぶ者あり)この点についてはなお法制局の人と打合せまして、それでこの趣旨が、この表現の方法しかないかどうか、まあこれでいいのかどうかという点も確めまして、お答えいたします。
  134. 楠見義男

    ○楠見義男君 その点はこういうことなんです。室という言葉、部屋という言葉が行政機関であつたり、それから政府という言葉がまあ御承知のように大臣の連合体であつたり、行政機関であつたり、やはりいろいろ違うのですね。そこで同じような書き方になつておると、監というと職名のようではあるけれども、これが一つの組織体のようにもとれるんですね。
  135. 野田卯一

    国務大臣(野田卯一君) 私は非常に俗つぽい法律考え方を申上げるのですが、大体同じようなことを表現してあつても、会社を何とか、かんとかするという場合と、社長を何とか、かんとかするという場合と同じようなエクスプレツシヨンを使つても、言葉の解釈の内容に違つたような場合が出て来るんじやないかと、まあこういうようなふうにちよつと感ずるのでありますが、この点はなおよく研究いたしまして申上げたいと思います。
  136. 鈴木直人

    鈴木直人君 それで一つお聞きしたいのですが。統計調査監という形において、人事とか、庶務とかいうものには関係なく、統計調査の仕事だけ掌理するという形で統一をとつて仕事をやつたほうが効果的で実際的であるか、長というもので人事、予算等も各課内で処置するような方法で統計調査の仕事をやつたほうが有効的であるか、どつちのほうが実際の仕事をやる上において効果的であるか、その御見解をお聞きしたいのです。
  137. 野田卯一

    国務大臣(野田卯一君) 私は行政簡素化の目的を達しつつ、而も部を置かれたときの気持或いはその当時の立法者の狙われたところを達成するという方法として、特殊な任務を持つところの監という職を置いてやらせる、こういうふうがいいんじやないか、こういう二つの、まあ行政を簡素化してすつきりしたものにするということと、部を置かれたときの意図ですね。意図というものを両者を最も適合した形において達成させるには、こういつた方式、こういう規則を置いてやられるのがいいんじやないかと、こういうふうに考えた次第であります。
  138. 楠見義男

    ○楠見義男君 部の問題はこれだけでもやはり一日も二日もかかりますから、この程度で保留しておきたいと思うのですが、ただ私はこれは意見になりますけれども、例えば統計調査監の下にある五つの課でそれぞれの仕事をして行く場合に、統計調査監は單に統計技術のアドヴアイスをするようなふうだけでは行政運営としてはうまく行かないんじやないかという意見を持つておる。例えば予算を編成するにしても、或いは人事の問題にしても、むしろ自分が掌理している仕事を実際やつて行く場合には、どういう予算が組まれるか、これもよくわからない、或いはどういう人がやられるか、せいぜい例えば労働省のように二百人そこそこの人間であれば、官房の秘書課なら秘書課でもできましようけれども、これが例えば他の農林省のごとく、一万人もいる人間を一つの組織体として動かして行かなければならんというときには、それは全然わからずに、官房の秘書課なら秘書課というところがやつて行くことが行政運営の上から行つて能率的であるのか、従来のように組織体として部なら部、局でも結構ですが、それがまとめてやつたほうが行政組織体として行政運営上有効であるのか、これは意見でありますから、これ以上申上げられませんが、この点は参考までに伺つておきます。
  139. 野田卯一

    国務大臣(野田卯一君) 只今の点は監というのは、その仕事を助けると言いますけれども、その掌理する仕事については、やはり責任をとるという建前をとつて行きましてただアドヴアイスということじやなく、統計なら統計そのものについては飽くまでも責任をとるのでありますから、真劍にやらなければならん責任者でありますし、それからこれは楠見委員なんかよく御存じですが、農林省に近藤という調査局長を迎えられたことがある。これは大学の教授、統計学の大家です。併しこの人のところに予算で折衝したことがあるんですが、予算のことはプーアなんです。殆んどわからない。統計のことは神様みたいだけれども、人事とか、会計とか、予算とかは全然わからない。それは下の課長のほうが有能なんです。ですから私は人間のいい人をとろうとすると、労働の交渉とか、或いは何を世話するとかいうようなことはやらせないほうが、それを突つ込んでやり得る、いい人を得られる。そういう点から言いまして、何もかもやらせるということになりますと、つまらんことに追い廻されて、雑事というものは案外時間をとる、それで肝心の統計そのものをよくやるというエネルギーが他のほうの雑務に使われるということになりますと、私はむしろ課長なり或いは参考意見を述べる、相談を受けることはあると思います。それは主たる仕事になつて来るとだんだんそつちで煩わされる。これからだんだん世の中がうるさくなつて来ますから、本当に統計の専門の人が突込んでやつて行く。雑務のことはほかの人がやるということにすれば、よりよき統計ができるのではないかという感じを持つております。この点御参考までに申上げておきます。
  140. 松原一彦

    松原一彦君 私は極く新らしいんで沿革を知りませんが、今度の次長が監に変つた場合における條件でございますね、それは技術者としての方面から御撰択になるのか、つまり今特殊の技能に優れた人を御撰択するのであつて、今の次長が名を変えて監になると心得てよいのでございますか。
  141. 野田卯一

    国務大臣(野田卯一君) それは各省によつてさまざまの状況を呈すると思います。現在すでにエキスパートのおられるところもありましようし、そうでないのがおられるところもある。それぞれの局、たくさんの地位がありますので、そう一概には言えません。
  142. 松原一彦

    松原一彦君 念のために伺いますが、部長が監に変るというのは幾つあるのでございますか。
  143. 野田卯一

    国務大臣(野田卯一君) 次長が監に変るというのは……。
  144. 松原一彦

    松原一彦君 部長です。
  145. 野田卯一

    国務大臣(野田卯一君) 九つです。
  146. 松原一彦

    松原一彦君 例えば厚生省のところなんかも、国立公園部長が国立公園監に変る、併し部屋もその組織もまあ少しも異動はしないというように私たちは聞いております。技術者が事務的な仕事をして局長にもなつておられる例もある、技監といつたようなかたが昇格せられた例もたくさんありますから、別に不思議でもありませんですが、今の御説明によるというと、事務官的なものではなくして、技術的な能力の優れた人を当嵌める意味のように伺いますから、ただ名を変えて部長の居坐りというものではないと、こう考えていいわけですね。
  147. 野田卯一

    国務大臣(野田卯一君) 私たちこの案を立てましたものといたしましては、監というのはこれは特殊なものでありまして、一般的なものは次長というのがやつております。監というのは特殊なものでありますから、その特殊なものにその適任した人がそこに坐つて頂くことを我々としては希望いたしておるということを申上げます。
  148. 竹下豐次

    竹下豐次君 監というものの設けられることについて能率を挙げるために、これは大臣のお話の通りだと思つておるのですが、今問題になつております労働省だけに局限して考えて見ますというと、従来部長が各課の仕事をまとめて全責任を以てやつておる。内部を治める。又外に対して交渉をする。有力に活動しておつた。こういうことのようでありますが、そこにその部長の働いておつた仕事の一部分を今度監がやつて、他の部分が残る。他の部分については各課が例えば五つ残るとすれば、五つの課があつてそれが次官に直属して、そうして次官は、併しながらほかの局のことも全般を見なければならないんで、その五つの課に関する仕事というものがまあ傍ら仕事みたいなことに、ほかの言葉で言うならば、従来の部長が集中して五つの課をまとめてやつたほど、次官がそれをまとめて有力に働かせるということが困難になつて来はしないか。若しそういうことにでもなつてしまえば、今度の制度の改正のために統計調査部というものが今までよりも弱いものに変つてしまうという心配もあるのですね。こういうふうに考えられたのですが、その点はどうですか。
  149. 野田卯一

    国務大臣(野田卯一君) その点につきましては、各課の仕事のまあ中枢というか、仕事の中心部面は、その監が統計調査監なら統計調査監が見るわけです。それで今の人の問題だとかいろいろな雑務になりますと、それを課長がやる、その雑務とかという問題につきましては、それは次官が各課長と繋がるわけでありますが、私は次官と課長の繋がりで大体そういうことはできると思います。官房のこともありますし、仕事の連絡も付きますし、その程度のことでしたら課長がよく働きましてできると思いますし、又先ほど申上げましたよううに、参考にいろいろアドヴアイスした統計調査をまとめるということも考えられるということで、運営には私は差支えなく行けるのじやないかと、そういうふうに考えております。
  150. 三好始

    三好始君 どうも大臣の御説明が、さつき私が申上げました法律案の全面から受ける客観的な意義と食い違いがあるような気がして仕方がないのです。これらの法律案から申上げますと、統計調査監は第六條第十二号から十八号まで掲げる事務については責任者だという印象を受けるのです。これは法律案の文面から言うとはつきりしておると思うのです。ですからこの範囲においては煩わしい仕事は責任から解放されるのだという印象を受ける御説明がどうも当つておらないように思うのです。やはり十二号か十八号については責任者だということが、これからはつきりしておると思うのです。これがどうもそうでないような印象を受ける御説明であるので問題が複雑になつて来ると思うのですが、この点については更に先ほどお話がありましたように、法律的な立場からの検討をされた上で、次回に納得の行く御説明を頂きたいと思うのです。
  151. 野田卯一

    国務大臣(野田卯一君) 承知いたしました。
  152. 中川幸平

    中川幸平君 成るほど現業官庁以外は部を置かんということにきめたけれども、その部を無理に廃止するために、なおまぎらわしくなるということであつたならば、よほど考えなければならんが、その点もよほどもう一つ長官におかれてもお考えを願いたい。郵政本省においても嚴格な意味において現業官庁ではないのです。現業官庁を処理しておる官庁であつて、嚴格な意味から言うと現業官庁と言い得るかどうか、そういう省の関係で部を置かなければならんじやないかという関係にあると思うのです。それで局にするにも、小さい課にするわけにも行かないということで、幾つかの部を残さなきやならんという手続をとつたほうがいいんじやないか。何々監ということで職名にもあらず、機構にもあらずというまぎらわしいものを置くということは、煩雑なものを置かなければならないということでありますから、もう一度お考えを願いたい。
  153. 鈴木直人

    鈴木直人君 只今部を監になおしたということの根本的な考え方は、一つの大臣考え方だと思いますが、ところが他の例えば建設省については技監ということでなくして官房長としておられるのですが、技監はなくなつて官房長ということになるのですが、それの理由はどういうことになるのですか。
  154. 野田卯一

    国務大臣(野田卯一君) 只今の建設省の設置法改正案で、技監をやめて官房長を置くということですが、これは技監をやめます理由は、今回の行政機構改革ではああいう事務次官と並んだような、ああいう制度は数箇ありましたが、全面的に廃止したわけです。それで建設省につきましては、今まで一体技監はどういう機能を営んでおつたのかというと、技術面の最高の統轄をしていたのが技監の仕事であつたわけであります。そういう仕事をやる人がなくなつてしまうと、建設行政の上に技術面が薄弱になるのじやないかというような心配がありましたので、これを補う方法として最高技術会議というものを設けたのであります。そうして建設省内の最高技術者の人々数名を以てがつちりした最高技術会議というものを作りまして、そうして建設省関係の技術のむずかしい問題、重要な問題はここに皆付議して、その決定によつて仕事を進めて行く、こういうことにしたわけであります。それは今まで技監が営んでいた作用を組織を以て代替しようとするのであります。官房長にやらせるということではないのであります。今までざつくばらんに申しますと、技監制度もいろいろと批判がありまして、技監というものは皆技術者かなられるのですが、技術者は例えば河川に関する技術者とか、港湾の技術者とか、或いは道路の技術者、建築家とか、いろいろ分れてしまつております。その方面では神様みたいな專門家ですが、他の部面についてはやはり弱いということで、河川の專門家に建築を持つてつてもどうもぴんと来ない。だからすべての技術の最高のものは得られるということは不可能に近い、それでいろいろな非難があつたのです。それで今度はその代りに建設省内に最高の技術者を集めました最高の技術会議というものを作つて、それに附属の機関を作りまして仕事をさせるということであります。
  155. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 諸君にお諮りいたします。本日は労働省設置法の一部を改正する法律案議題といたしたのでありますが、本日はこの程度に止めまして、更に明日続行したいと思いますが、如何でしようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  156. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 御異議ないと認めます。それでは本日はこれにて散会いたします。    午後四時三十三分散会