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上條愛一君 部長と監と比べてこれは上か下かというようなことは、これはまあ今度の実際の運営について我々の
承知しなければならないところと思いますが、ただ私の感じでは、監というのは命を受けて
事務を掌理するというようなふうにな
つておりまして、部長ということになれば相当
権限を持つようになると思うのです。
従つていろいろな点で独自の
仕事の処理ができると思うのですが、現在においてすら労働統計というようなものにつきましては独立性を失
つておる傾きがあるので、例えば現在でも臨時工の調査のごときは広くこれは発表することを拘束されておるという噂もありますけれども、部長が監に
なつたというようなことは、我々の
考え方から言えばやはり
権限が縮小せれて行くのではないか、その第一歩ではないかというふうに
考えられるわけですが、これは今おつしやつたような見解もあるといたしますれば、この点については触れることを差控えたいと思いますが、なお私の御質問いたしたい重要な点は、一体労働統計というようなごときものは、
労働省としてはこれは殊に独立国家となりまして後における、今後においては
労働省の主要任務は労働統計であると我我は
考えておる。労使
関係にいたしましても、この具体的の事実に基いて労使間の合理的の処理をして行くということが重要であると思う。これは
労働省も一番痛感しておることだと思うのでありますが、従来の労使の紛争ということが確固たる具体的の統計事実に基かずして、漠然たる感情というほどではありませんが、漠然たる問題で争つたということが合理的な解決の行われなかつた一つの重要な原因であると
考えられておる。そこで
労働省の任務としては、ますますこの労働統計というものは拡充強化して行くべきだ。殊に今おつしやつたようにILOに加盟いたすことになりますれば、国際的にやはり日本の労働統計というものが重要にな
つて参る。それから今後いずれ最低賃金制の問題などが労使間の重要な課題にな
つて参ると思うのですが、これらについてはやはり今から十分なる賃金に対する調査が必要である。こういうふうに
考えられるわけでありまして、我々は行政機構の簡素化を行な
つて行くということの根本方針については
賛成でありますが、併し行政機構の改革というものは、申すまでもなく要らないものは減らして行くけれども、重要なるものはますます拡充して行くということであると
考えるのでありまして、何故一体
労働省はこのような重要なる時期に当
つて、従来局を部に直して参つたとか、部を監というようなあいまいな名前にするというようなことを行な
つて、社会的或いは国民から
考えれば、何か労働統計については
政府はだんだんその
重要性を認めておらんという感じを与えるのでありまするが、なぜこの際このような重要な時期に当
つて、
労働省は労働統計部を
廃止して監というようなあいまいなものにして、拡充を図らずして縮限して行くというような印象を与えるような、こういう一体
改正をなされるのであるかということについて納得が行かない。もつと具体的の御
説明を願いたいと思います。