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1952-04-28 第13回国会 参議院 内閣委員会 第19号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十七年四月二十八日(月曜日) 午後二時十一分開会
—————————————
委員
の異動 四月二十五日
委員小串清一
君
辞任
につ き、その
補欠
として
玉柳實
君を
議長
に おいて指名した。 本日
委員西園寺公一
君
辞任
につき、そ の
補欠
として
松原一彦
君を
議長
におい て指名した。
—————————————
出席者
は左の
通り
。
理事
山田 佐一君
鈴木
直人
君 山花 秀雄君
委員
玉柳
實君 竹下 豐次君 成瀬
幡治
君 上條 愛一君
松原
一彦
君
政府委員
統計委員会委員
長
大内
兵衞
君
文部大臣官房総
務課長
相良 惟一君
事務局側
常任委員会專門
員
杉田正三郎
君
常任委員会專門
員 藤田 友作君
—————————————
本日の会議に付した事件 ○
統計報告調整法案
(
内閣提出
・衆議
院送付
)
—————————————
鈴木直人
1
○
理事
(
鈴木直人
君) これより
内閣委員会
を開会いたします。 本日
提案
されている事項は
統計報告調整法案
に対するところの
政府側
の
提案理由
の
説明
をお聞きすることにな
つて
いるわけですが、本日は
政府側
から
統計委員会
の
委員長
の
大内兵衞先生
が来ておられますから、
大内政府委員
から
提案理由
の
説明
をお聞きいたすことにいたします。
大内兵衞
2
○
政府委員
(
大内兵衞
君) 私が
只今
御紹介を頂きました
大内兵衞
でございます。本日副長官がこの席に
参つて統計報告調整法案
の
説明
をいたすべきでありますが、
只今
少し多忙のために私が代
つて説明
をいたします。
只今議題
となりました
統計報告調整法案
というのにつきまして
提案理由
及び要旨を
説明
いたします。 現在のところ
政府
の各
機関
及び
公共団体
が
民間
から求めるいろいろの
統計報告
は、それぞれの
機関
の立場から申しますというと、いずれも正当の
理由
を持
つて
おりますが、往々
相互
に類似した
統計報告
がほうぼうから
徴集
されるということがあり、又折角
徴集
した
報告
でも、その
徴集方法
或いは様式が拙いために
十分目的
を達しないという事実があるのであります。で、
政府
はそういうことは非常に遺憾に存じまして、特に
民間経済団体
からも
要望
がありましたし、昨年の四月に
アメリカ
から
統計視察団
が来まして、その
団長ライス博士
から
政府
に対しての勧告もありましたので、それをも取入れまして、いろいろの
政府
のとる
統計報告
につきまして、事前に
各省
がそれを
要求
する前に適切に
調整
を行な
つて
、そうして
国民
に成るべく手数をかけないようにして、それによ
つて
又
行政
の能率を向上させたいというのが今回この
法律案
を提出する
理由
であります。 それでこの
法律案
の
目的
を達するためにとる
統計報告
の
徴集
という、それを
各省
間の、或いはほかとの
統計
、いろいろの
統計
との
関係
を
調整
するために、この
法案
では
統計委員会
が特定の
報告
について、
各省
は
統計委員会
にその
承認
を求める。そうして
統計委員会
がその
調整
の任に当るというふうにしてあるわけであります。併し
各種
の
機関
の
特殊事情
がいろいろありますから、この
統計委員会
の
調整
につきましても、いろいろ
除外例
を設けるというような点を注意しておりますので、それらの点を二、三申上げます。つまりこの
法律
を施行するために
各省
、特に各
行政機関
の
権限
が不当に侵害されるのではないかということを恐れる点もありますので、その
各省
或いは各
行政機関
がそういう活動をするのに妨げないように、
法律
中にはいろいろな
規定
を設けてあります。それで
統計委員会
のほうからは、
行政
の
内容
には立入らないで、
專ら統計技術
上の見地から
調整
に当る、それに対してもなお
各省
或いは各
行政機関
においてそれを不当と認めるときは
異議申立
ができるようにする、そういうふうに
考え
ております。それから
各種
の
行政機関
と
統計委員会
との
関係
を密接にする必要がありますから、
各省
に
報告調整官
というものを設けて、その人を通じて
統計委員会
が
調整
の実務をやるということに措置してあります。そこでこの
法律
の施行には過渡的ないろいろの混乱が生じます危險がありますので、
経過規定
といたしましては、現在や
つて
いる
法律
、法令に根拠を置いてや
つて
いる
報告書
はそのままにしておきまして、三年間は有効であるというふうな原則を立てております。そしてそれは事実上
統計委員会
の
承認
を経たものと同じものとみなすというふうに書いてあります。 以上が本
法律案
の
提案
の
理由
、それから
内容
の大体であります。どうか愼重に御審議下さいまして、速かに御賛同下さるようにお願いいたします。
鈴木直人
3
○
理事
(
鈴木直人
君)
速記
をとめて……。 〔
速記中止
〕
鈴木直人
4
○
理事
(
鈴木直人
君)
速記
を始めて……。
大内政府委員
から更に補足的な御
説明
があるようですから、
一つ
御
説明
を伺います。
大内兵衞
5
○
政府委員
(
大内兵衞
君)
只今提案
の
理由
を
説明
いたしましたが、それを二、三補足いたします。 御
承知
の
通り
、
日本
は
戦争
中
統制経済
の段階に入りまして、ひどくいろいろなものを統制いたしました。これは
戦争
の必要上止むを得なかつたことと思います。それから戰後には、御
承知
の
通り進駐軍
が参りまして、これは又
アメリカ
と申しますのは、
日本
に比較いたしまして、特に
統計
を重んじ、
調査
を重んじ、それを重んずることによ
つて
、とにかく非常な大きな戰力を強く実現することができたという国でありますから、
日本
に対して政治上の
意見
を述べ、政策を
要望
する上におきまして、非常にたくさんなその
統計
と
報告
とを
要求
したわけであります。この
二つ
の
理由
によりまして、前のほうは
戦争
中、この
日本
ではそういうことの必要と申しまして、
民間
の
要求
、
民間
がどのくらいのそれが
負担
になるかとか、或いはどんな迷惑がかかるかというようなことは何らの注意をせずして、どんどんと
民間
にいろいろな
報告書
を出せということを
各省競つて
やつたわけです。で、そういうのが
一つ
の
習慣
になりまして、
日本
の
実業界
、
日本
の
事業家
、そういう人々は何も
政府
からそういうことを命ぜられても、決してそれに答える必要がないのでありますが、併しながら答えないというとほかの面で非常に迷惑……、ひどい目に会うということを恐れる
習慣
がだんだんできておりましたので、それが非常に困つた問題にな
つて
おりました。そこへ持
つて
来て非常に不完全な
統計
及び
報告
しか持たないのに、非常に高度なものを
要求
されたために
政府
もまごつきますし、
民間
もまごついて、ますます又弊害がひどくな
つて
参りました。
日本
の
統計
は
戰後六年間
に非常な進歩をいたしまして、とにかく世界的な水準に近寄りつつあるわけでありますが、併しながらそれは
統計
の
技術
がよくな
つたの
だと、
統計
に力を注いだためにそうな
つたの
ですけれども、
統計
、そのために又先ほど申上げたような点についての
民間
の
負担
というものは非常に殖えまして、今日
一つ
の
会社
でも、
銀行
でもいろいろな方面から、税の
目的
から、或いは
金融事情
を知る
目的
から、或いは
外国貿易
をする
目的
からというふうに責められて、たくさんな
報告
を出さなければならん。で、それが各
会社
では
一つ
の課を作る、その課の費用が相当高まる。そうして而も專門家を必要とするというようなことにな
つて
おりまして、非常に不平が大きくな
つて
おります。こういうことは
日本
のみならず、
外国
にもあるのでありますが、今から十数年前に、
アメリカ
では
政府
が
政府相互
の間で、それは少し気を付けなければならないというので、
アメリカ
には
予算局
というところに
統計基準部
というものがありまして、その
基準部
に大統領が
権限
を委任して、
政府
の出す
調査
及び
統計報告
の
要求書
に出す場合には、そこの一遍
審査
を経なければいけない。その
審査
を経たのでなければいけないということにな
つて
、その
審査
を経た
報告書
には、
報告書
の形にはこういう形で
報告
しろ、こういう形ならば許すということになりますと、それに
はんこ
を捺します、
スタンプ
を捺しますと、それに対して
民間
は
スタンプ
を捺したやつは非常に
尊重
をしてよく
返事
をするが、
スタンプ
を捺さないやつは、これは
法律
上の
義務
がないのみならず、
政府
が
十分審査
をしてない
要求書
であるとして、
民間
がそれを拒んで受けないというふうな
習慣
が確立しました。これは
政府
と
民間
との協調によることでありますが、それが非常ないい成績を攻めておるということになりまして、去年
日本
に来られた
ライス博士
は、
日本
でもそれをやらなければいけないのじやないかということでありました。そのことで今回の
報告
ができておるわけです。この
統計報告調整法
は、
各省
が
行政
上の
目的
からとる
統計
及び
報告
につきましては、
統計委員会
みずからは少しもそれに干渉するわけでなくて、むしろただ私こういう
報告
を
民間
からと
つて
もいいかということを
統計委員会
に聞きますというと、
統計委員会
は、そういう
報告
は結構であろうというので、やはり
スタンプ
を捺すわけであります。
スタンプ
を捺したやつは
民間
が特に
尊重
をして
返事
をしてもらう、捺さないやつは必ずしも
返事
をしないでいいというわけではありませんが、
従つて
これはまあ
会社
、
銀行
、
国民
に対しての
義務
を負わせることですから、
返事
をしなくても
政府
は何とも言えないということになりまして、おのずからそこで
調整
ができるようにしたい。そういう
考え
の
法律
でありまして、これは
アメリカ
の
法律
と比べますというと、
統計
に関することだけに
日本
のやつはな
つて
おるので、
アメリカ
のはほかに
調査類
にもな
つて
おりますが、
統計委員会
、現在の
統計委員会
は非常に
行政能力
が殆んどないので、非常に少いのでありまして、
行政機構
の
改革
がそのうちにあるので、
統計委員会
は廃止になるはずでありますが、当然
統計委員会
の
仕事
は
行政管理部
に入るということにな
つて
おります。
機構
の
改革
はあると思いますが、併し
予算
が殖えるということは今度の
機構改革
で許されないような実情にありますので、そこで大体その範囲において
仕事
のできる分量ということを
考え
まして、それで純粋に
統計
の
目的
を以てとる
報告
だけを今のような
方法
によ
つて統計委員会
に
各省
は届けをいたしまして、そうしてそれを
統計委員会
で
審査
して、これは
各省
のほかの省とも衝突しない、二重にならないということと、この
報告
ならと
つて
も
政府
は使えるだろう、これならばまあ使える、これくらいのことならば
民間
も
返事
ができるだろうという
目安
、それを
目安
にして許可をして、そうして
スタンプ
を捺して、それによ
つて民間
の
負担
を軽減しようという
考え
で、勿論
民間
の
意見
をそれについて十分
尊重
して、特に
民間
の
委員会
を
作つて
、それの
意見
を聞くという組織にしてまあや
つて
行きたいというふうな
考え
であります。これは問題は
各省
のほうが幾分か、こうするというと
行政
上のじやまになりはしないかという御心配があります。それらの点もうまく今のところ
承認
を得ております。それから
民間
のほうが非常にこれは
要望
が強いが、特に有力な
経済団体
はすべて
是非
これはやれということにな
つて
おりますので、ただこれが少し
手温るい
じやないかという
意見
がありますけれども、今申上げたような
意味
で、
二つ
の
意味
でこの
十分力
がありませんので、先ずこれくらいのところから
一つ
始めて見たらどうかというところが今の
政府
の
考え
であります。どうぞ
一つ
十分御審議頂きまして、
是非
とも戰戦時中及び戦後における過重なる
政府
の
民間
に対する
負担
を成るべく軽くしたいというふうに
考え
ております。
鈴木直人
6
○
理事
(
鈴木直人
君) それでは本日の
委員会
はこれを以て散会いたします。 午後二時三十一分散会