○
説明員(靱勉君) お答いたします。電気
電通信事業を
公社及び会社に移行することにつきまして、
公社につきましては
只今野田大臣からお答えいたしたような趣旨でこの企業を最も
能率的に経営する……。我が国の電話は現在非常にまだ需要に対して供給がマツチしていない、又サービスの面におきましても更に改善して行かなければならんということで、相当前々から検討されまして、
公共企業体移行ということに最後的な
政府の
方針がきま
つたわけでございますが、この
電気通信事業を
公社にする場合におきましても、国内通信と国際通信を分離したほうが却
つて両事業のためにいいんではないかという面も前んからあ
つたのでございます。併し今回決定いたしました案におきましてはこれは会社といたした次第でございます。その
理由といたしましては、国際通信は国内通信と違いまして非常に国際間の競争が激烈であるという点で、事業の性質が国内通信とかなり違
つておるという点も挙げ得るのであります。御
承知のように非常に国際間におきましては通信の競争が激しいのでありまして、現在我が国におきましてま、
電気通信省だけで国際通信を経営しておりますが、この相手方というものはアメリカでも三社が入
つておりますし、又海底線と陸線を持ちました大北会社等も長崎まで来ておる、これらが通信の獲得には非常に一生応命競争しておるというような現状でございます。更に又世界的に見ましても、
日本は東洋における通信の非常なセンターでありまして、これは職地引から非常に国際的な通信センタである。従いまして各国とも或が国を中心とした通信ということについては非常な関心を持
つておるわけでございます。
一つり電報が一国から他の国へと行く場合におきましてはどこを通
つて行
つても差支えないのであります。具体的に例を申しますれば、欧州の一国からアメリカへ打つ電報でも
日本を中継して行
つて何ら差支えない、その間におきましては、全く、通信の競争と言いますか、それを獲得するという点が非常に強い競争の状況にある、のみならず国際通信につきましては最近の国際会議におきまして
電波の獲得は今後五年間の実績によ
つてきめるというようなことにな
つております。我が国の国際通信の現状は無線電信におきましては、まだ六割程度回路が復旧したに過ぎない。勿論占領下という特殊な事情から、波長の獲得、使用等について非常に制限されておりましたが、今回
独立いたしましたので、今後の国際通信の波長の獲得ということが
一つの大きな問題で、これにつきましてはただ使わない波長を持つわけに行かないのでありまして、相手方とよく協定いたしまして通信回路をどんどん持
つて行くということが非常に重要な要素になるわけでありまして、その際におきまして自由闊達な事業活動のできる
運営形態のほうがそれに有利であるというような過去のいろいろな実績から判断される次第であります。その間儲けがあるから民営に持
つて行くということでなくて、成るほど私どもの現在の決算的な見方をいたしますと、十三億余りの一応黒字になるのでありますが、一方利用者におきましてはもつと通信サービスを政善すべきである。その利益というものは国内通信の赤字に埋められてはかなわん、非常に高い通信料金を負担しながら
一つもサービスに十分還元されていないではないか、同じ企業体におきましてもこの企業会計をむしろ
独立させて国際通信のサービスの改善を図るべきだというような声も利用者面から非常に強く出ておるのであります。むしろこの利益というものは利用者に還元する、或いは通信回線が非常に少くして直接の通信回路を持
つて行くということが或る
意味におきまして我が国全体の利益であるということを
考えますと、必ずしも現在の利益をそのまま持
つて行くというわけでもないのでありまして、今後国際会社が国際通信の設備改善、擴張、サービスの改善というような面におきまして相当の経費も出るわけだと、こういうふうに
考える次第でございます。そういうような事情でございまして、併し非常に公共の利益にも
関係するであろうし、国際通信の
原則として独占的に行われる態勢にありますので、これを特殊会社としまして公共的支配に差支えないようにいたした、こういう経過でございます。