運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1952-06-05 第13回国会 参議院 内閣・郵政・電気通信連合委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年六月五日(木曜日)    午後二時二十一分開会   —————————————  出席者は左の通り。   内閣委員    委員長     河井 彌八君    理事            鈴木 直人君            中川 幸平君            成瀬 幡治君    委員            楠見 義男君            竹下 豐次君            上條 愛一君            波多野 鼎君            栗栖 赳夫君            松原 一彦君   郵政委員    委員長     岩崎正三郎君    委員            石坂 豊一君            城  義臣君            駒井 藤平君   電気通信委員    委員長     鈴木 恭一君    理事      山田 節男君    委員            新谷寅三郎君            水橋 藤作君   国務大臣    郵 政 大 臣    電気通信大臣  佐藤 榮作君    建 設 大 臣 野田 卯一君   政府委員    電波監理長官  長谷 愼一君    行政管理庁次長 大野木克彦君    行政管理庁管理    部長      中川  融君    電気通信大臣官    房人事部長   山岸 重孝君   事務局側    常任委員会専門    員       杉田正三郎君    常任委員会専門    員       藤田 友作君    常任委員会専門    員       勝矢 和三君    常任委員会専門    員       後藤 隆吉君    常任委員会専門    員       柏原 榮一君   説明員    電気通信事務次    官       靱   勉君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○郵政省設置法の一部を改正する法律  案(内閣提出衆議院送付) ○郵政省設置法の一部改正に伴う関係  法令整理に関する法律案内閣提  出・衆議院送付)   —————————————
  2. 河井彌八

    委員長河井彌八君) これより内閣郵政電気通信委員連合委員会を開会いたします。  郵政省設置法の一部を改正する法律案郵政省設置法の一部改正に伴う関係法令整理に関する法律案を議題といたします。  前回に引続きまして質疑を続行いたします。通告によりまして水橋君の御発言を求めます。
  3. 水橋藤作

    水橋藤作君 長官がお見えになつておらないので私の質問はできないのです。
  4. 河井彌八

    委員長河井彌八君) ああそうですが。それじや少々お待ち下さい。
  5. 鈴木直人

    鈴木直人君 長官はすぐ来られますか。
  6. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 今問合せております。
  7. 鈴木直人

    鈴木直人君 そうでなければ大臣が来ておられるから、大臣質問のほうをやつてもらうということに水橋さんの御了解を得たらどうですか。
  8. 水橋藤作

    水橋藤作君 了解いたします。
  9. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 長官が見えましたから……。
  10. 水橋藤作

    水橋藤作君 この際先刻質問の残つておりますことを二、三長官に御質問申上げたいと思います。  今度の行政機構改革に伴いましてこの電波監理委員会郵政省内局になるわけなんですが、この機構改革電波監理委員会郵政省内局にするというには相当の理由があつたと思うのですが、先ず電波監理委員会の二年間の電波行政に関しての実績と、或いはその功績等からして、我々から考えまするならば、より以上この電波行政というものに対して国策的に、大きく対外的に、又国内の文化的に必要性感じでいるのでありまするが、その半面今度の機構改革郵政省の一部内局とされると、これにつきましての理由及び二年間の電波監理委員会の持つて来られたところの功績等に対しまして野田長官はどういうふうに考えておられるか、先ず御質問申上げます。
  11. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 今般の行政機構改革に伴いまして電波監理委員会が廃されましてその仕事郵政省内局電波監理局で取扱われることに相成つたのでありますが、これにつきましては、御承知のごとく今回の行政機構一つの重点といたとしまして、行政委員会というものは、審判的機能を主とするものを除きましてこれを主として内局にいたすという方針に基きまして、電波監理委員会機能等をいろいろと検討いたしまして、これは一般的な行政事務を主とする委員会といたしまして、委員会の形をやめて内局とすることにいたしたのであります。で、電波監理事業重要性につきましては政府も十分認識しております。又電波監理委員会が今までなされた働きというものも勿論政府としては認めておるわけなんでありますが、今後の日本行政機構のあり方といたしまして、行政委員会、これは御承知のように終戰後日本に輸入された制度でありまして、いろいろの今までの経験或いは今後の我々が電波監理に期待するところのもの等を併せ考えますと、この際の改正におきまして、これを内局化して郵政大臣直轄の下に強力にこれを推進するということが適当であると考えるのであります。
  12. 水橋藤作

    水橋藤作君 只今の御説明では、監理委員会に対する電波行政に対しての国家的見地に立つて必要性は認める。併しながら郵政省の一内局としてそれを十分活用するとの結論的のお言葉だと思いまするが、そのお言葉のままに我々は拝承するとするならば、監理委員会擴大強化を図るべきだと思うのに、行政機構という一つ改革をするがためにそこへ電波監理委員会無理矢理にはめたというような感じがするのであります。そこで今日まで我々は電波行政の使命といたしましては、公共性は無論、一貫性は無論、殊に一党一派に偏しない独立立場電波行政をやることこそが真の電波公共性を発揮し、又今後日本国民に文化的或いは経済的又は対外的のすべてに必要であり、有効であると思うのであります。その意味におきまして一政党なり或いは特殊な監理者監理者と申しましたのは取消しますが、特殊な政党政府がその監理委員会を自由にするというような恰好では、電波行政がそのときの政府如何によつて左右されるということが望ましくないと思うのですが、この点に対してどういうお考えをお持ちになつておるのですか。
  13. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 電波監理委員会をやめまして、その仕事郵政省内局たる電波監理局において取扱うことにいたしましても、決して電波行政を一党一派に偏してこれを取扱つて行くということは毛頭考えておらないのでありまして、今後も電波監理行政を力強く十分に適正に運営して行きたい、こういうふうに考えておる次第であります。
  14. 水橋藤作

    水橋藤作君 お答えとしては満足いたしますが、その目的を達するためには、やはり独立したほうが本当の目的を達し得られるのであつて、その政党大臣管轄下にあるところの内局にした場合、今長官の御説明の独自の立場電波行政を国策として運営するのに不十分でないか、又それが不可能じやないか。かように考えるのでありますが、どの点如何でしよう。
  15. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 現内閣といたしましては、電波監理行政郵政省に入りましても決して御心配のようなことはないと考えております。
  16. 水橋藤作

    水橋藤作君 そういたしますと、今の審議会なり委員会で決定したものは政党大臣に左右されないで、独自の立場電波行政を営んで差支えない、又大臣もそのままそれには屈服する、こういうふうな運営の仕方になるというように考えてよろしいかどうか。
  17. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) ここに郵政大臣もおられますが、自由党内閣郵政大臣は決してそんなに一党一派に偏したことはいたさないというこうを申上げておるわけであります。
  18. 水橋藤作

    水橋藤作君 これはいたすいたさないは議論しても始まりませんが、若しいたさないとしたらその党に対して不忠だと思う、やることが当然だと思う。そういう意味においてそのお言葉をそのまま鵜呑みにはできない問題で、どうしてもやはり一党一派に偏する傾向があるのじやないか、こういうふうに考えるのですが、この点以何です。
  19. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 只今お話でありますが、御承知のように現内閣国利民福の増進を以てその政策の根幹といたしておりますので、それが即  一党派であると言えば国利民福を増進するために立派な電波監理行政をやる  ということは別に差支えない、こういうふうに考えております。
  20. 波多野鼎

    波多野鼎君 ちよつと関連して、野田長官行政委員会を廃止するという御意見はわかりましたが、特にこの電波監理委員会について、これを廃止しなければならんという理由はどこにあるのですか。
  21. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 御承知のように、今回の行政機構改革に当りましては、行政委員会制度というものを検討いたしたのでありますが、行政委員会制度というものは、御承知のように日本では曾つてなかつた制度でありまして、終戦後アメリカの指導の下に導入と言いますか、新らしく設けられた制度でありますが、この運営をやつて見ますと、いろいろと支障が起つた場合もありましようし、又これよりも他の形でやつたほうがより妥当に行くのじやないか、こう思われる節はいろいろありまして、その経験に鑑みて審判的機能を営むものは委員会でやるということは十分意味があるが、その他の一般行的なもの、或いは一般行政的機能を持つておるものにつきましては、これを普通の官庁の形にしたほうがよろしいという結論に到達いたしまして、今回の電波監理委員会にいたしましても委員会というものをやめまして、この一般原則従つてこれを局といたしたわけであります。どうしてもこうしても委員会ではやれない、そういう意味合いではないのでありまして、比較的の、相対的の意味において行政機構、それを正す、そうしてそれぞれの持つておる機能をその組織にふさわしい、要するに委員会なら委員会らしい仕事を取扱いたい、こういう行政機構を正すという意味もありまして、又責任関係とか、他の行政との責任ということも考えまして、電波監理行政郵政省において取扱う、こういうことにいたした次第であります。
  22. 波多野鼎

    波多野鼎君 電波監理委員会があることによつて支障を来たしたようなことがあるのですが、今まで行政……。
  23. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) これは私が申上げるよりもいろいろ所管の当該大臣からお答えを願つたほうがいいと思いますが、委員会制度というものは、とかく御承知のように内閣一般行政施策と離れて独立してやつておるのが実情でありまして、その間におきまして他の政府一般政策との間の乖離ということは起り得るわけでありまして、私はこれを具体的に申上げることを憚かりますが、その点において必ずしも十分行つていなかつたということは言い得るのじやないかと思います。
  24. 波多野鼎

    波多野鼎君 内閣方針から多少離れることがあるというのが委員会制度欠陥だというわけなんですね。そのことと、だから内閣方針にびつたり合わさるように電波監理委員会内局にするわけなんですね。そのことと、今質疑応答が繰返されておる一党一派に偏しないということとどういう関係にあるのですか。
  25. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 一党一派に偏するということの持つておる意味が、或いは一般のそのことを聞いた人に與える影響が非常に片寄るという意味だろうと思うのであります。公正だということが、一党一派に偏するということで、公正だという意味が現われないと思いますが、我々としては国家国民のために公正にして適正なる行政をやりたい、こういうふうに考えておりまして、その点から言いましてこの問題を考えて措置しておると、こういうふうに御了解願いたいと思います。
  26. 波多野鼎

    波多野鼎君 何が公正な政治であるかということは各党によつて違うのです。それぞれ政党を持つておる以上は、自分の政党はこれが正当だと考える、ほかの政党は不公正だと考える、それは政党政治の本来の姿であると思うのであります。そこで今水橋君が言われたように、監理委員会内局にするということは電波行政について当該政党の持つておる方針、公正なり考え方針電波行政の上に一〇〇%反映させるためにやるの唇ありましよう、それが公正なりと考えておる、そういうことなんですね。
  27. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 私もどうもその辺のところがぴんと来ないのでありまして、我々としては国利民福ということが中心であるのでありまして、その点から行政官庁で公正にやる、こういう意味であります。
  28. 波多野鼎

    波多野鼎君 それは政治哲学上の問題になりますが、何が国利民福であるかということは、それは自由党社会党とで違うのです。で、それだからこそ政党が対立する意味があるのです。電波監理委員会を廃止して内局にするということは、要するに時の政府が公正なりと考え、或いはこれが国利民福を増進するゆえんであると考えるその方針電波行政を通じて一〇〇%実現する、そのほうが委員会を置くよりも便利なんだという意味委員会を廃止して内局にされるのですか。
  29. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 大分同じようなことの繰返しになりますが、我らの意図するところは先ほどから繰返して申上げる通りでありまして、決して片寄つた党利党略というようなことを目的としているものではないということはもう繰返して申上げておる通りであります。それから党によつていろいろ違うとおつしやいましたけれども、勿論党によつて違うところもありますけれども、あらゆることが党によつて皆違うわけではないのでありまして、私たちはとにかく公正なこの電波行政をやるという点においては恐らく社会党と一致しておるのじやないか、こう思うのです。
  30. 波多野鼎

    波多野鼎君 それは、議論は盡きませんからやめておきますが、要するに内閣方針電波行政の中に一〇〇%実現するためには委員会制度じや不便だ、内局にしたほうが便利だ、こういうことなんでしよう。
  31. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 電波監理行政国家行政の一環でありますので、委員会という独立制度をとるよりも普通の官庁一般行政でありますので普通の官庁の形をとり、そうして責任大臣を置きまして、公正妥当な、且つ又強力な政治をしたほうがよろしい、こういうわけであります。
  32. 水橋藤作

    水橋藤作君 先ほどから質問したこと、私がしたこととそれから今波多野さんから質問されたことと大体関連しておりますが、この現行法設置法の十二條に、同一の政党委員が半数以上入つちやいかんというようなことを特に認つておることがやはりこの片寄つちやいかん、独自の立場運営させるのだという基本的のものを持つてつたわけなんですね。それが今度の機構改革によつてその上に大臣が居、その大臣政党の、政党政治の建前からその制作面にいろいろ電波行政が行われるということと根本的に違つて来るわけですね、そう違わなければならん理由はどこにあるかというと、先ほどから私が質問し、又波多野さんが質問され、要するに監理委員会不備欠陥があつたから変えるのだ、そうでしたらその不備欠陷を我々が納得すれば成るほどということがわかるのです。ただ行政機構改革するために、独立性のあるものだけでこれをかまうことないから一緒に入れてしまえと、要するに無理矢理電波行政というものを機構改革の型にはめてしまつた、それで電波行政は円滑に運営できるかどうかということが我々の心配する、先ほどから質問しておるゆえんのものです。これはまあいろいろ議論になりまするし、答弁も又同じこと、同じ答弁になると思いますので、一応これはこのくらいにしておきまして、公社問題と、それから会社問題の提案理由にもあります高能率、高賃金制によつて企業合理化を図るということを提案されておりますが、この高能率高賃金という方法がどういう方法によつて行われるか、御質問申上げます。
  33. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) 高能率高賃金、これは他の委員でも同種のお尋ねがありましたので、詳しく水橋委員にはお答えしたと考えておりますが、できるだけの能率を上げまして、そうして給與も改善して行こうということであります。そこで公社の案を見ますると、給與総額については、予算において給與総額が決定されるわけであります。その総額内におきまして運用上から能率を上げて、そうして給與の増額を図り得るというように措置したいというのでございます。と申しまするのは、総額は決定を見ておりまするが、事業官庁といたしましては、業務の繁閑も誹りまするし、又作業上工夫することによりまして各種の業績を挙げ得るのであります。かように考えますると、基本給自身は他の官庁との均衡もとつて参りまするが、作業官庁に特殊な各種手当等は考案して然るべきだと、かような意味合いでございます。
  34. 水橋藤作

    水橋藤作君 只今佐藤大臣の御答弁は、私は電通委員会質問いたしまして拝聴したので、実は野田長官からこの御回答を得たかつたのであります。重ねて恐縮ですが、野田さんの見解を一つ……。
  35. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 大体佐藤大臣から言われたことと同様でございます。
  36. 水橋藤作

    水橋藤作君 野田さんにお伺いいたしますが、そうしますと高賃金……具体的に例を挙げますると、うんと働けばうんとやるぞと、こういう結果になると思うのですが、そういうふうに解釈してよろしうございますか。
  37. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) まあ、ものには限度があるのでございまして、その辺のところは他といろいろな関係を十分考慮してその原則を適用すべきものだと思います。
  38. 水橋藤作

    水橋藤作君 無論、ものに限度があることもよく承知しておりまするが、やはりこの公社には、固くきつく謳われている、要するに給餌準則とか或いは公務員とのバランスとか、或いは予算面において相当の制約を受けているんでありまするぞ、その制約と高能率……うんと働けばうんとやるぞと、そのやるぞがどこから出るかということが我々ははつきりしないのです。その点をお伺いしているわけなんです。
  39. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 私、御質問の趣旨がよくわからないのでありまするが、御承知のように給與の問題につきましても全部予算から出るわけであり、予算を組む場合に弾力性を持つてやられるような意図じやないかと思います。
  40. 水橋藤作

    水橋藤作君 そうしますと、公務員であると弾力性がないが、公共企業体従業員ですと、予算を組みながらもその中に彈力性があるということですね。まあ仮に例を国鉄に挙げまするならば、国鉄の場合は、これはもう予算総則で縛られていてどうすることもできないのだ、金がないんだと言われつ放しなわけなんですね。そういう面から行きますと、高能率高賃金というのは、仮に百人でする仕事を九十五人でやつた場合は、五人に該当するつまり報酬を何らかの方法でやるだけの彈力性があつるんだというふうに解釈してよろしうございますか。
  41. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) お答えしますが、今の設例は、私必ずしも設例通りには行かんと思いますが、どこの役所でも毎日、日進月歩でありまして、能率を増進することはこれはあらゆる官庁が心掛けておるわけでありまして、従いまして殖えたからすぐに給與を上げるということは、諸般の状況を考えて処置すべきであつろうと思います。
  42. 水橋藤作

    水橋藤作君 仰せの通りで、我々もそうあるべきだと思います。何も公共企業体従業員だからということでなく、あらゆる官庁もそれは高能率を上げるということはいいのでありますが、特にここに掲げてある高賃金ということは、これはそれがはつきりしなければ従業員を偏すことになるのではないかというふうに我々は考え、どういうふうな方面からこれを、よく働いた、つまりその予算面に縛られたほかにうんとやつてくれて、うんと働いて百人でやるものを九十五人でやる場合は、どういう方面からどういうふうに彈力件があつてやるんだということを明確にされることでなければ納得できないんじやないかというふうに我々は考えるのですが、重ねて御質問申上げます。
  43. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 只今お話のような概括的な原則の下に、具体的事情に即しまして他のいろんな関連の官庁その他のやり方というようなものも十分参酌しまして私は当局において適切に措置されるものと考えております。
  44. 水橋藤作

    水橋藤作君 時間もありませんし、重複いたしますから……、最後にもう一つお伺いしたいことは、現在のここの機構改革によりまして郵政電通或いは電話等が元の逓信省と同じ形に復活するわけなんですね。一時はそれがいけないとして、三つにも四つにも分れ、又その都合によりまして一緒になるというようなことが行われているのですが、これに対してもいろいろ聞きたいこともありますが、総括的にこれを郵政省とされておりますが、これをやはり元の姿の逓信省という名称に改めるのが妥当じやないかとも思いますが、両大臣の御意見を伺いたい。
  45. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 名前の問題はいろいろあるのでありまして、逓信省という名前を付けたらいいじやないかというような勿論議論もあり得るわけでございますが、いろいろと勘案した結果、先ず現状においては郵政省というのでいいんじやないかというような結論になつたわけであります。
  46. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) 名前は旧逓信省、それを取りまして逓信省にしたらどうかとか、或いは通信省というような名前にしたらどうかというようないろんな議論があつたのであります。殊にさような御意見の出ましたゆえんは、新らしい省ができのだからその際に新らしい名前を付けて実質とぴつたり合うような恰好にしたらどうかというお気持だろうと思うのでありますが、政府におきましても種々検討いたしたのでございます。併し御承知のように名前を変えるということになると、非常に部内的にも各方面に亘りまして整備を必要とするのであります。極めて簡單なことのようにお考えでありまするが、各官庁に出ております看板等も変えなければならないとか、或いは印刷物等におきましても、全部今まで名前が入つておるわけでございます。そこでそれらのことを考えますると、郵政省で不都合があるかどうかというので一応検討して見ますると、外国の例等を見まして、郵政省電気通信業務を担当しておる役所もあるのであります。かように考えまして、政府といたしましては、この際名前は変えないで郵政省のままで新たに電波監理庁業務、更に又公社監督業務をこれに附加する、かような考え方をとつておるのでございます。
  47. 水橋藤作

    水橋藤作君 名前を変えるといろいろ看板を変えなければならない、書類も動かさなければならん。だから今まで持つておるその名前でそのまま行つたらいいというお考えのようでありまするが、私はこの機構改革をし、電波監理委員会をやめて、そうして皆郵政省に包含する、こういうことから考えると、名前を余り変えることがいけないと言われるのと、この機構改革とかそういうものを改革することと比較すると問題にならんと思うのですね。で、成るほど看板も全国的に変えなければなりませんけれども、これは無理矢理に押付けた機構改革から比較すると問題じやないと思う。で、呼び声といたしましても、相当逓信省という言葉が昔から使われておる、逓信省といえば電通郵政も包含されているということは、国民普通常識としてすぐわかるが、ここに電信電話が一旦分離して残つたの郵政という名前が付けられてあるのに、今度は又その姿になつたにもかかわらず、郵政省ということよりも、むしろ元の姿の逓信省にされたほうがいいのじやないかということで、私は希望したわけなんですが、特に逓信省にすることによつて非常に大きな不便であるという点がただ地方の看板を塗り変えるのは不便だからという御意見か、逓信省という名前郵政省よりも一般に現実に即応していないんだと、郵政省のほうが適合するというお考えの下に、逓信省でなく郵政省と、そのままにして行くお考えか、御説明を願いたいと思います。
  48. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) 先ほどお答えいたしましたように、内部的な事務処理の問題もありますが、やはり役所と申しますものは相当通用していると申しますか、使い馴れた名前を存置することが望ましいのでございます。御承知のように郵政省が誕生いたしましてから、まだまだ二年そこそこでございますが、たびたび名前を変えるということは役所といたしましても避くべきことのように思うのでございます。で、かように考えますると、もう相当国民に馴染まれた名前でありまするし、その名前を変えなければならんという積極的理由もないし、又それをやることによりまして先ほど取上げましたような事務的な問題もあります。それらのことを勘案いたしますると名前を変えないほうがいい、こういう結論になつておるわけでございます。
  49. 水橋藤作

    水橋藤作君 これ以上は討論になりますからやめますが、希望といたしまして、現在の郵政省の姿のままでそれを郵政省を変えろと言うんでしたら形は違らと思いますが、実際問題といたしまして元の逓信省の姿になり、又郵政省にして郵政省と同じような機構のものが、形が変つて従業員とか、形は変つておりますが、或いは機構その他が郵政省に匹敵する大きな機構改革で合同するんでありまするから、この際に看板を塗り変えるとか、或いは文書の手数等によつて変えることはできないと言われるんでしたら私は当てはまらんと思いますので、一考を煩わしたいと思うのであります。質問を終ります。
  50. 岩崎正三郎

    岩崎正三郎君 質問してよろしゆうございますか。
  51. 河井彌八

    委員長河井彌八君) よろしゆうございます。
  52. 岩崎正三郎

    岩崎正三郎君 これは私は初めてこの委員会に出たので質問があつたかと思いますけれども、念のためにお伺いいたします。日本電信電話公社法案というものが提案になつておりまするが、これは大いに合理的に能率的にやつて行くんだと言つておられますが、いろいろ見ますとその会社の利益は政府に納入するのであるとか、その他会計とか、財務とかそういう点に対してなかなかやかましいあれがあるようですね。こういうことは折角公社にしたと言つても、まあ本当に政府機関と同じようなことになつちやうじやないか、なるとするならばなぜそんなに公社にしたいのかという積極的な御説明を聞いておきたいと思うのでございます。野田大臣でも結構です。
  53. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 私も公社は自分でも経験を持つておるのでありますが、やはり役所でやつておりましたときに比べますと、公社独立させまして、いわゆる公社の精神、できるだけ企業的に行うということにいたしますと、その精神で以て全部の人が動き且つ又これを監督する役所の上におきましてもその気持で対処して行きますから、すぐには参りませんけれども、時の移るに従つて漸次やはり民間の経営のよき点が吸収されて、漸次仕事が、何と申しますか、能率的になるということは私は否めないだろうと思う。それを公社に切替わつたからすぐそれと言つてもなかなかできません。第一これを形成しておる人間が変らない、同じ人間がずつとやるのでありますからその日からは行きませんが、漸次人の気持も変つて参りますし、外部の人も変るであろうし、或いは予算的、人事的に漸次変つて参りますので、私は公社にして電信電話事業のごときは営むほうが長い眼で見たならば必ず能率的に行くのではないかと、こういうふうに考えておる次第であります。
  54. 岩崎正三郎

    岩崎正三郎君 そういうわけで一歩前進するわけだと思いますが、それでその国際電信電話のほらは会社にしてしまう、片方は公社にする、而も国際、電信電話のほうはこれは聞くところによると国内の電信電話なんかよりも大いに儲けがある、儲けがあるやつを会社がやつて、儲けのないやつを公社にしておいて……そこの関係はどうなつておるのですか、一つそこの関係を御説明願いたい。
  55. 靱勉

    説明員(靱勉君) お答いたします。電気電通信事業を公社及び会社に移行することにつきまして、公社につきましては只今野田大臣からお答えいたしたような趣旨でこの企業を最も能率的に経営する……。我が国の電話は現在非常にまだ需要に対して供給がマツチしていない、又サービスの面におきましても更に改善して行かなければならんということで、相当前々から検討されまして、公共企業体移行ということに最後的な政府方針がきまつたわけでございますが、この電気通信事業を公社にする場合におきましても、国内通信と国際通信を分離したほうが却つて両事業のためにいいんではないかという面も前んからあつたのでございます。併し今回決定いたしました案におきましてはこれは会社といたした次第でございます。その理由といたしましては、国際通信は国内通信と違いまして非常に国際間の競争が激烈であるという点で、事業の性質が国内通信とかなり違つておるという点も挙げ得るのであります。御承知のように非常に国際間におきましては通信の競争が激しいのでありまして、現在我が国におきましてま、電気通信省だけで国際通信を経営しておりますが、この相手方というものはアメリカでも三社が入つておりますし、又海底線と陸線を持ちました大北会社等も長崎まで来ておる、これらが通信の獲得には非常に一生応命競争しておるというような現状でございます。更に又世界的に見ましても、日本は東洋における通信の非常なセンターでありまして、これは職地引から非常に国際的な通信センタである。従いまして各国とも或が国を中心とした通信ということについては非常な関心を持つておるわけでございます。一つり電報が一国から他の国へと行く場合におきましてはどこを通つてつても差支えないのであります。具体的に例を申しますれば、欧州の一国からアメリカへ打つ電報でも日本を中継して行つて何ら差支えない、その間におきましては、全く、通信の競争と言いますか、それを獲得するという点が非常に強い競争の状況にある、のみならず国際通信につきましては最近の国際会議におきまして電波の獲得は今後五年間の実績によつてきめるというようなことになつております。我が国の国際通信の現状は無線電信におきましては、まだ六割程度回路が復旧したに過ぎない。勿論占領下という特殊な事情から、波長の獲得、使用等について非常に制限されておりましたが、今回独立いたしましたので、今後の国際通信の波長の獲得ということが一つの大きな問題で、これにつきましてはただ使わない波長を持つわけに行かないのでありまして、相手方とよく協定いたしまして通信回路をどんどん持つて行くということが非常に重要な要素になるわけでありまして、その際におきまして自由闊達な事業活動のできる運営形態のほうがそれに有利であるというような過去のいろいろな実績から判断される次第であります。その間儲けがあるから民営に持つて行くということでなくて、成るほど私どもの現在の決算的な見方をいたしますと、十三億余りの一応黒字になるのでありますが、一方利用者におきましてはもつと通信サービスを政善すべきである。その利益というものは国内通信の赤字に埋められてはかなわん、非常に高い通信料金を負担しながら一つもサービスに十分還元されていないではないか、同じ企業体におきましてもこの企業会計をむしろ独立させて国際通信のサービスの改善を図るべきだというような声も利用者面から非常に強く出ておるのであります。むしろこの利益というものは利用者に還元する、或いは通信回線が非常に少くして直接の通信回路を持つて行くということが或る意味におきまして我が国全体の利益であるということを考えますと、必ずしも現在の利益をそのまま持つて行くというわけでもないのでありまして、今後国際会社が国際通信の設備改善、擴張、サービスの改善というような面におきまして相当の経費も出るわけだと、こういうふうに考える次第でございます。そういうような事情でございまして、併し非常に公共の利益にも関係するであろうし、国際通信の原則として独占的に行われる態勢にありますので、これを特殊会社としまして公共的支配に差支えないようにいたした、こういう経過でございます。
  56. 岩崎正三郎

    岩崎正三郎君 国際電信電話は非常に復旧その他もたくさんかかることだし、特別に会社にしてその利益を大いに注ぎ込んで国際関係の競争に負けないようにしたいというお話でありまするが、国際関係ばかりうまく行つても国内の電信電話が今日の情勢でも困るので、私ども素人考えでは国内も国際も同じくらいに、今の電信電話は国内も困りますから同じくらいにやつてもらいたいと思うのです。国際のほうはやるが、国内のほうはかまわないでおくということはこれは我々納得できないので、これはやはり公平にやつて日本国民が助かるので、だから、片方だけの制度合理化をよくやつて、片方はまあまあよかろうというのじやなくて、これは私どもに言わせればどうせ公社にするなら一本にして公社したらよいだろうとその間において公社はこつちのほうが余計だからこういうふうにしてこちらのほうは幾らか手心を加えておこうじやないかと言つてやれないことはないと思います。私ども聞きたいのは一方は会社に、一方は公社にしておく、その点もう少し突つこんだ説明を伺いたいと思います。
  57. 靱勉

    説明員(靱勉君) 今御承知通り国内をいい加減にしておくという考えでは全くないのでありまして、国内は今後これを改善して行くために非常な努力が要するものと思います。併し国際通信も決して生やさしいものではないことは只今申上げたような次第でございますが、これを一本にしてやるということでございますが、民営に移す場合に国内通信につきましても非常に世間には民営論も高いように私ども承知いたしております。併しながら、法案の提案理由にも御説明いたしてあるのでございますが、これだけの厖大な施設を民営に移すということは、政府としては賛成できない。国際につきましては、先ほどつたような国内通信とは更に性格の変つたものでありますので、そこに公社形態より更に一歩前進したと言いますか、企業的自主性におきまして、なお自主性を持ち基本的活動が自由になるような形態が選べないかどうか。それのほうがベターであるという結論から分離されたのでありまして、一体的な経営におきましても、先ほど申したように、或いは会計も別にしなければならんというような意見も当然出て来るかと思うのであります。併しながら一つの経営者におきまして両方やつて行くという場合におきまして、勿論経営者としましては、両者の発展を計画することは当然でありますが、実際問題といたしまして、或いはそれが国内の電信の赤字に流れるとか、そういうことも現実の問題としては否定できなかつたかと、こう考える次第でございます。併し、これは絶対に不可能ということでは勿論ないのでありますが、実際の姿というものはそういう形になつておる。最近までこれはいろいろ事情もあつたのでございますが、アメリカの通信網、海外通信を取扱うところにおきまして、日本だけの通信というものは、一番設備の悪いものを、旧態依然たるものを使つておりた、これの改善につきまして、向うのいろいろ特許の関係等もございますが、向うの機械を借りて改善したというような実例もありまして、現実問題といたしましては、両者を区分いたしまして、それぞれそれが発展して行くというような方法も、他の例にもとられることでありまして、これは非常に厖大な事業におきまして一部を分離して、それぞれにその特徴を発揮させる。又国内通信の急速なる整備改善に専心それに打込んで行くというようなことも一つ方法であるということは否定できないのではないかと考える次第であります。なお利益の分につきましてはこれは国際会社に現在の国際通信の資産というものを、現物出資をして行く形をとつておりますが、この評価が適正に行われることによりまして、それによつて現金に換えますればそれは公社に引取りまして国内の電信電話の整備改良にも用いたいというような立場で、現在の利益をそのまま国際に移してしまうという形になつていないのであります。法律の施行に当りまして一先ず電通省で行なつております公衆電気通信業務一切を公社に移しまして公社から現物を出資して行ぐという形をとつておるわけでございます。
  58. 岩崎正三郎

    岩崎正三郎君 野田大臣のさつきのお話はとにかく一歩を進めるためで、公社にしたからといつてすぐよくなるのではないが、やつて見たらだんだんそういう公社官庁経営と違つた面が出て来るという考え公社にしてやるのだと言いながら、片一方では一足飛びに国際のほうは会社にしてしまう、どうもその点わからない。野田大臣の御説明を願いたい。
  59. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 私今事務次官の説明を聞いたのでありますが、大体あれでよくおわかりになつて頂けるのではないかと思います。国際電気通信は非常に競争が激しいものであるからそれにふさわしい自由闊達な運営を図る、そういうことが初めからはつきりしておる分だけを切離して、電信電話会社が引継いだ財産をそれだけ出資して別に会社にしたい、これ又妥当な方策ではないか、こういうふうに考えておる次第であります。
  60. 岩崎正三郎

    岩崎正三郎君 この電信電話会社の問題、或いは公社運営ということをうまくやるかやらないかということはかかつて今後の問題だと思いますので、これは果して日本行政機構を民主化する点においてその線に沿うておるかどうかいろいろ疑問があると思いますけれども、自由党考え方からすれば何でも民営に移すことが民主主義と考えておられると思うのであります。その線で来ておると思います。ところで前に水橋君からの質問でありましたか、電波監理委員会の問題ですが、電波監理委員会はこれを廃止して内局にするということは、我々の常識的な見方からすれば折角委員会制度という民主主義的な行政機構を持つたのを、何か型にはめるものにしてしまうと思うのでありますが、野田大臣はこれを民主化の逆行と思われるかどうか、その点を御答弁願いたい。
  61. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 別に民主化に逆行しておるというふうには考えておりません。
  62. 岩崎正三郎

    岩崎正三郎君 私どもの見解として行政機構ができるだけ委員会制を以てやつたほうがいいということは我々もその点を従来から主張しておつたのであります。そして、まあ勿論それはいろいろな観点から立つてピンからキリまでそうでなければいかんというわけじやないけれども、従来この電波監理委員会が何ら欠点がなく、而も能率を上げつて来たというものをここでどうしても内局に推し進めなければならんというのが、單に大臣の話を聞いておるというとそのほうが行政関係のためにいいのだと実証的な説明がちつともなかつたようなんですが、実証的にこれがこういうところでどうしても内局にしなければ都合が悪いのだという説明がちつともなくて、ただこういうわけだからこういうのだと理窟で説明しているのだが、この点が悪いのだと、どうしてもこの点を内局にしなければ今後欠陷が生ずるのだという具体的な説明一つでも二つでも結構でございますが、あつたお話願いたいと思います。
  63. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 委員会制度にしておりまして直接閣僚がこれを担当しておらない、閣僚から独立しておるという場合に、電波監理行政というものが非常に重要な行政であつて国家行政全体の一つの大きな一環を成しておるという場合に主管の大臣がおらなくてその話が十分、政策を決定する場所である閣議にもよく反映されない、各議の意向が又よくそれに伝わらない、こういうようなことに実際上相成るのでありまして、これは軍に先ほど申しましたような一党一派に偏したというわけじやないのでありまして、国全体の行政の円滑にバランスをとつて政治をして行くという点からやはり相当な代表の人を覆いて閣議できまつたことを伝え、それを又他の国策に織込むことがあればそれを主張するというような非常にスムースな制度があるのでありますからその点に副うて行くほうがよろしい。今のような、半独立のような状態になつておりますことは結局電波行政を円滑にいたし、強力に推進する上においてはむしろ劣るのじやないか、というふうに我々は考えておるのであります。勿論今日までの電波監理委員会は相当の働きをしておられるのでありますけれども、私は必ずしも十分でないと、むしろ今度の改正しておる形のほうがよりよく電波監理行政を推進して行くのじやないか、こういうふうに考えておるのであります。
  64. 岩崎正三郎

    岩崎正三郎君 野田大臣はとにかく今の行政監理委員会は十分でないと、不十分だからそれを直せと、そういう御意見と承わつてよろしうございますか。
  65. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) これは今までの電波監理委員会機能はもう何も満足だとは申上げかねると思います。
  66. 岩崎正三郎

    岩崎正三郎君 その程度で結構です。
  67. 波多野鼎

    波多野鼎君 野田さん、今の問題ですね、どういう点がまずかつたのですか、電波監理委員会で……。それを少し話して下さい。
  68. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 電波監理行政というものが、第一電波監理行政というものは非常に重要な行政であるということは御認識を得ると思います。重要な国の大きな政策としての一環としての電波監理行政を代表すると言いますか、はつきり伝える大臣が実際閣議にいないわけであります。それでありますから電波監理行政の事柄が十分閣議に反映されませんし、閣議にも伝わりません。又閣議でいろいろな諸般の国政全般が議せられるのでありますが、そのことが電波監理委員会に伝わらない、こういう実際の問題があるわけであります。だから歯の抜けたような感じはこれは免かれがたいのでありまして、波多野さんが大臣をおやりになつたときにはどうだつたか知りませんが、恐らくそういう感じを閣僚としてお持ちになつたと思います。電波監理行政の問題が出ても誰も閣僚知らないということになつて甚だその点にもの足りないものがあると思う。こういうことはやはり委員会というものは独立しておりまして代表しておる閣僚を持たないということに制度的な問題があると、こういうふうに考えますので、先ほど言われましたように党利党略に走るような行政をすることを防ぐために独立委員会を作るという考え方は勿論あり得ると思います。併しながらそういうことは少くとも現在の我々は考えておりませんし、将来どういうような党派が日本内閣を立てることになりましてもそういう乱暴なことをやるとは思いません。それでありますからむしろ電波監理行政を適正に、より強力に、そして全体の国政との緊密な連関を以てやるという点から申しますと、私は今度改革を企てられておるようなふうにしたほうがいい、こういうふうに考えておる次第であります。
  69. 波多野鼎

    波多野鼎君 今言われたことは一般論ですね、一般論としてそういうことが言えるというだけの話で、具体的に何かあつたのですか。
  70. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 私の記憶では具体的に二、三問題があつたと記憶しますけれども記憶が薄くなつておりますからちよつと申上げるのを差控えたいと思います。
  71. 波多野鼎

    波多野鼎君 もう一つだけ聞きますが、先ほど審判的な委員会は存置するという方針で今度の行政機構改革をやつておると言われましたけれども、その審判的なというのはどういう意味なんですか。
  72. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 問題を仲裁するとか、さばくとか、或いは判定をする、こういうような機能を持つた委員会、即ち公正取引委員会とか、或いは土地調整委員会であるとか、労働委員会だとか、いろいろなものをさばく、仲裁する、判定する、審判するというような程度の委員会が相当数多いのであります。そういう委員会はこれを残して行きたい、こういうふうに考えております。
  73. 波多野鼎

    波多野鼎君 そういう委員会は、要するに内閣方針を実行に移す委員会じやないから存置すると、置いておくということなんでしよう。
  74. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) それはやはりものを公正に忠誠に判断するということが主たることで、ただその仕事に終始する機関であります。そして而も委員会制になつておるということは非常に独立性を持つた点であります。それは審判的性質、裁判に準ずるものであるということはやはり委員会制度でいいのじやないかと、こういうふうに考えております。
  75. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 連合委員会でございますが、私のほうでは余り発言いたさないほうが妥当だと思いますが、次に私の今後の審議の参考の資料にしたいために少しお尋ねしておきたいと思います。と申しますことは、国際通信はどのぐらいの資本が要りますか、そして資本が現に投資されておる、それに対してどのくらい年間において収益を挙げておるかという点を先ずお聞きしたいと思います。
  76. 靱勉

    説明員(靱勉君) お答え申上げます。国際通信につきましては只今この法案で計画いたしておりまするのでは取りあえず無線関係は国際通信でやる、有線関係と申しますのは結局海底線の問題でございまして、これは御承知のように殆んど大部分切断されております。而もその所有権の帰属は平和條約によつてきめられた原則によつて処理して行くということでございますので、結局無線電信電話関係のものが国際会社の業務内容の一番中心になります。それらの資産はこれは結局評価審議会によりまして適正な評価を時価と収益とを併せ考えまして決定することになつておりますので、その正確な額ははつきりいたしておらないのでありますが、一応資産再評価の方法によりまして極く限定された無線施設だけを考えて見ますと二十三億余りということになるかと思います。これは併しまだ収益率を見ておりません。従いまして資本金としましてこの会社はどのくらいにすべきかという問題は今後決定される問題でございます。そこで収益率の問題でございますが、この点は先ほどもちよつと触れましたのでございますが、本年度の予想としましては大体十三億から十四億の黒字になるという計算と相成つております。
  77. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 それに関連して国内のほうはどんなものでございましよう。
  78. 靱勉

    説明員(靱勉君) 国内のほうは、大体国内電信におきましては、これは非常に長い期間なかなか黒字にならないという実績になつております。年間或いは四十億くらいの赤字というようなことも見受けられるのでありますが、あと電話のほうにおきましては、市内電話におきまして大体トントン、市外通話におきまして只今のところいろいろ回線状態も十分に用意されてない関係上、非常にまずい制度でございますが、特急通話という制度を設けております、これは御承知通り普通料金の三倍の料金を頂戴いたしておるわけでありますが、これらの収入というものによりまして、大体総合いたしましてトントンという形になつております。
  79. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 大変念を押すようで相申訳ないのですが、国内のほらはプラスマイナスなし、片方の儲かるほうはお聞しますと、二十三億ちよつとで大体年間十三、四億プラスがある、こういうふうに三つに分けて考えることもできるわけですね。
  80. 靱勉

    説明員(靱勉君) その点につきましては現在はもう全部一括して経理しておりますので、その収入を見込みまして、国際通信の利益も見込みまして大体トントンという形になつております。そこで結局予算の問題になるわけでございますが、御承知のようにこれは損益勘定の問題でございまして、収入を見てそれから一般の維持運営に要する経費を見ますが、その中に減価償却の費用をどのくらい見るか、或いは非常に戦争中から戦後にかけまして維持の状況が十分でない、それで特別の維持をするためにどれくらいの経費を使うかということで、予算としましては只今までの予算ではすべて収入支出がぴつたり合うようにきめられておるわけであります。今のように分離して申し上げますれば、十三億というものは一応黒字としても、他のほうと比較してトントンになつてつてつておりますから、十三億程度のものは収入としてはそれだけ見込みより減るという形になるわけであります。従いましてその点におきましては本年度いつから会社が実施されるかという点も睨み合せましてそれの措置を要するということに相成るわけであります。
  81. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 これは野田大臣にお尋ねしたいのですが、仮にこういう電信電話とかいうものについて公共性ということと、一つの企業性とか或いは独占性というのですか、公共性と企業性という問題についてどんなふうに考えておられるか、一応御意見を承わりたいと思います。
  82. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 我々が言つている企業性というものは儲けるということを言つておるのではなく、企業としての状態を以て能率的に組織的に運営するという点から企業性と言つております。これは公共性は公共の生活に非常に密接な関係を持つており、且つ又これは独占事業であるというような観点から公共性ということが主張されておるのであります。
  83. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 その点であなたはどちらを先に考えるかということです。
  84. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 私は両方とも考えております。公共的なものは公共性を勿論尊重しなければなりません。同時に企業としては企業らしく運営して行かなければならない。両立しないものではなく、並行して行けるものだと考えております。
  85. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 並行だとおつしやるし、ウエイトは私はやはりこれだというと意見になるわけですけれども、儲かるのは民営に移して行くというのは、やはり公共性よりも私は一つの利潤追求のほうを先にとつておるのじやないかというようなことが考えられるわけでございますし、意見としては持つておるわけでございますが、その問題は又どうぜ委員会でそういうような機会も與えて頂けると思いますからこの次にいたします。  もう一つお尋ねしたいのは、この電信電話公社と、それから国際電信電話株式会社に移行したときに大臣官房の中に電気通信監理官を置き、右の公社及び会社に対する監督並びに有線電気通信の規律及び監督に関する事務等を行うことといたしますと、こう書いてございますが、全体どのくらいの職員組織でこんなことをおやりになろうとしているのか、その辺のところを一つ説明をお願いしたいと思います。
  86. 靱勉

    説明員(靱勉君) 公社並びに会社の監督及び有線電気通信施設の規律につきましては、今回の措置といたしまして監理官二名及びその他それのスタツフと申しますかの職員を十名程度予定されておる次第であります。
  87. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 野田さんにお伺いしますのですが、国鉄のほうはやはりこういうようなことにあると思いますが、国鉄のほうの監理官とか職員というものはどのくらいございましようか。
  88. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 国鉄のほうは相当ん数が多いように思います。それから同じ公共企業体である専売公社は管理官が一人、それについておるのが二、三へかと思います。国鉄に対するやり方と、それから専売公社のやる監督の仕方が違う、我々としては専売公社のようなやり方がよろしい、国鉄のようなやり方は今後改めるべきではないか、というような感じを持つております。
  89. 山田節男

    ○山田節男君 これで今日最後の連合委員会になるのですか。
  90. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 大体そのつもわであります。
  91. 山田節男

    ○山田節男君 私は過日電気通信委員会で野田大臣には郵政省設置法の一部改正についてかなり詳しく御質問申上げたのであります。過日本連合委員会佐藤大臣並びに網島電波監理委員長の出席の前で御質問したのでありますが、今日が最後の連合委員会ということでありますから、多少重複いたしますが、私は重ねて野田大臣行政管理庁長官としての御意見を伺つておきたいと思います。と申しますのは、この電波監理委員会郵政大臣の諮問機関という問題であります。そのそうすることの極めて不合理であり、不能率であり、又不公平であるということは詳細大臣に申上げておるから、この際は重ねて申上げません。ただ併し前に申上げましたように、この電波法、放送法、これはいわゆる電波という国民公有のものに対して飽くまで公平に分配し、又最も国民の利福に合致するような工合に電波を利用し、又放送法或いは更に言論の自由ということも保障するということは電波監理法の原則になつております。これはもら憲法から申しましても、飽くまで守つて行かなくちやいけない。然るに今回これを一大臣の諮問機関にしてしまう、ここに私は憲法上非常にこれはいわゆる反動的になる、悪く言えば官僚主義にしてしまう、女史に悪く言えば党利党略に利用されるという危険が多分にある。殊にこの電報に関しまして、或いは放送に関しまして必ず免許という問題が起きて来る。免許ということはこれは一つの利権になる憂えが多分にあるのであります。これは丁度公益事業委員会が昨年九分断されるときにいろいろ噂に上つたと同じような、もつと熾烈な形においてこれが行われるのであります。而も今電波監理委員会が行なつておる電波行政は、占領軍政下においていろいろな制約を受け、又技術的に外国に非常に遅れておりますので、今日まで本質的な発達をしていない、今後この数年間においては全く測り知るべからざる発展をするのであります。従つて行政組織の上においても煩填になるし、又最初に申上げておるように、この電波行政、放送行政というものは言論の自由或いは電波の、万民公有の電波の公平なる有効且つ適切なる利用という本質を持つておる。これを一大臣が主管するということは非常にこれは危険性がある。わたしはいろいろ詳しく説明を申上げて大臣もこの点は御了知のことだと思う。そこで今回やはりこういう法案を本参議院に出されまして、かようなもう非常な……あなたは行政の簡素化、合理化能率化という建前で今回の行政機構の改組をやつた責任者でありまするが、この郵政省設置法の一部改正案について、電波監理委員会の存置問題に関する限りにおきましては、これは私は、極めて失礼な言い分でありますけれども、認識が足りないと思う。そこに非常な危険が包蔵される、又国民の利害が不公平に扱われるという危険が多分にある。これは私は国民の一人として判断しまして誠にこれは不合理極まるものである、危険千万なものであると思うのでありますが、重ねて私はお聞きしておきますが、野田大臣としてはこれが最上のものである。たとえ次期の総適挙の結果、自由党が再び内閣をとつてもこの一年、二年は絶対に変えないのだ、それだけの自信を持つてお出しになつているかどうか、この点を私は重ねて確認しておきたいと思います。
  92. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 電波監理行政を実施するために今回の機構改正におきまして電波監理委員会を廃止しまして、その仕事郵政省電波監理局で行うということは、私は現在並びに将来の電波監理行政重要性に鑑みまして適当であるというふうに考えておりまして、先ほども一党一派に偏したようなことになつて国民に対して非常に不公正な電波行政をやるのじやないかという御心配がありましたが、我々といたしましては、現内閣としては絶対そういうことは考えておりませんし、又他の党が内閣をとられましてもそういうことはないのじやないか。やはり飽くまで公正に、憲法の示すところによつて行政をなすべきものである、こういうふうに考えております。その点は私は余り心配いたしておりません。飽くまで公正に、立派な電波行政をやつて行きたい。電波行政にこれから測り知るべからざる重要性があるということにつきましては、私は内閣といたしましては郵政大臣が直接の担当責任者となりまして、今後最善を盡してそれに善処して行かなければならんと、かように考えておる次第でございます。
  93. 山田節男

    ○山田節男君 これは私は野田大臣とこの問題については見解の相違というのじやなくて、あなたはやはりこれがもう永久に正しいものであるとおつしやる。併し見解の相違というよりか、要するに電波行政というものの現在並びに将来に対しても認識の相違から来ていることである。今野田大臣はそういう確信を持つて、そういうことをおつしやるならば、私は一応大臣言葉として記録にとどめておいて、後日この言葉が正しいか、私の言葉が正しいかということは、これはもう今後の事態が証明すると思うからこれ以上私は議論いたしません。  それから次に名称の問題でありますが、郵政省ということを存置して、電気通信省を廃止して郵政省というものを残しておく。そうして今回電気通信省の主要の業務電信電話を一会社、  一公社に分断してしまつて、あとは電波監理局にする、これを郵政省にくつ付けるというのはこれは又私は一つの合理的なやり方だと思う。ところがこれは見解の相違でなくて、認識の問題でありますけれども、電波監理委員会大臣の諮問機関にして、而もその審議会の諮問事項は例えば行政処分に対する異議の申立をやる、聴聞をやる、そうして調書、意見書並びに決定書といつて大臣はこの決定に従つて決定する、こういうような工合になつております。併し先ほど申上げたように、これは非常な危険性を持つておる。そうして先ほど申上げましたように、非常に複雑化して、又準立法、又準司法、又行政機関の三つの性格を持つた特殊の行政事務というもの、厖大なものです、それを郵政事業という一つの何と申しますか、特別会計のものに対しまして電波監理委員会はこれは一つの監督行政であります、従つて一般会計のものであります、而もその性格の署しく、例えば郵便事業なんか水と油くらい相違がある、そのものをくつ付けてそれを全部郵政省という名称は何としても私は納得できない。この点が例えば電気通信省で公社、或いは国際電信電話会社を作る場合に初期のいろいろな、初め頃の試案によりますというと通信大臣という言葉をすでに使つておる。これから臆測いたしましても、電通省といたしましては将来合併した場合には少くとも通信省とするくらいな私は相当強い輿論があつたに違いないと思う。然るに常識に反してあえて郵政省の一部に、この厖大なるべき重要な行政機関である電波監理業務郵政省に入れて、郵政省看板の下に置くということは、これ又大臣行政簡素化と合理化という面から極めて矛盾した結果になつて来ると思うのです。これはどういうわけでこういう非常識な、郵政省の中に電気通信監理官を置き、更に電波に関するものもこの中に入れる、なぜこういう不合理な看板を置くことになつたか、この点を一つ私は確かめておきたいと思います。
  94. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) その問題につきましては先ほども御質問がありまして、大分郵政大臣委員との間に長い問答があつたのであります。名前につきましては勿論行政機構改革を審議します段階におきましては、いろいろな名前が出て来たのであります。いろいろな名前が出て来ましたが、結局現状におきましては郵政省を据置こう、こういうことに相成つでおりまして、逓信省としたらどうかとか、或いは通信省としたらどうだろうかと、いろいろな名前が出ておりましたのでありますが、いろいろと考えました結果、先ずこの段階におきましては郵政省という名前を変えずに置く、こういうことになつたわけであります。
  95. 山田節男

    ○山田節男君 今の御答弁によるとやはり郵政省がいいという……、又これも常識的にいえば名は体を現わす、国民一般から見て最もわかりやすいものでなければならない。そういう点から業務的に見ても私は郵政省郵政という名前は殊に不合理だと思うのですが、これはもう手続上からいえば郵政を逓信或いは通信或いはその他もつと国民にわかりやすい名前にすれば、これは極めて簡單だと思うのでありますが、大臣としてはもうやはり郵政大臣がいいと、郵政がいいというお考えなのかどうか、これ又あとのために一つつておきたい。
  96. 野田卯一

    国務大臣野田卯一君) 只今といたしましては郵政でいいではないかというふうに考えておるのでありまして、この点につきましては先ほど随分長い論議が交されましたので、速記録も十分御覧を願いたいと思います。
  97. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 何か電通関係の汚職事件まいろいろとありましたね。それでまあそんなものを本省のほうでお調べになつておれば、そういうような資料がございましたら一つ資料として御提出をお願いしたいと思います。というのは、どうしてそういう汚職事件が起きておるか、私はここで御答弁を願わなくてもいいのですが、新聞紙上で電通の汚職事件が相当大きく取上げられておつたと思います。それでどうしてそういう事件が起きて来たかということが私は知りたいのですから、それについての資料が若し何かあなたのほうで報告されたものがあつたなら、それを資料としてお出しを願いたいと思います。
  98. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 他に御発言がないとM認めまするから、本日はこの程度にとどめまして散会いたしますが、その前にお諮りをいたします。内閣郵政及び電気通信委員連合委員会はこれで終了するものと決しまして御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  99. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 御異議ないと認めます。それではさように決します。散会いたします。    午後三時四十三分散会