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1952-06-02 第13回国会 参議院 内閣・地方行政連合委員会 第7号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十七年六月二日(月曜日) 午前十一時十二分開会
—————————————
出席者
は左の
通り
。
内閣委員
委員長
河井
彌八君
理事
中川 幸平君 鈴木 直人君 成瀬
幡治
君
委員
横尾 龍君 楠見 義男君 竹下 豐次君 上條 愛一君 波多野 鼎君 栗栖 赳夫君 松原 一彦君 三好 始君
地方行政委員
委員長
西郷吉之助
君
理事
中田 吉雄君
委員
岩沢
忠恭
君 石村 幸作君
高橋進太郎
君
岡本
愛祐
君 館 哲二君 若木 勝藏君 原 虎一君
吉川末次郎
君 岩男
仁藏
君
国務大臣
国 務 大 臣
大橋
武夫
君
政府委員
警察予備隊本部
次長
江口見
登留
君
警察予備隊本部
長官官房文書課
長 麻生 茂君
警察予備隊本部
警務部長
山田 誠君
警察予備隊本部
装備局長
中村 卓君
警察予備隊本部
経理局長
窪谷
直光君
行政管理庁次長
大野木克彦
君
海上保安庁長官
柳澤 米吉君
海上保安庁次長
三田 一也君
事務局側
常任委員会專門
員
杉田正三郎
君
常任委員会專門
員 藤田 友作君
常任委員会專門
員
福永與一郎
君
常任委員会專門
員 武井
群嗣君
—————————————
○
保安庁法案
(
内閣提出
・
衆議院
送 付) ○
海上公安局法案
(
内閣提出
・
衆議院
送付)
—————————————
河井彌八
1
○
委員長
(
河井
彌八君) これより
内閣委員
、
地方行政委員
両
委員
の
連合委員会
を開会いたします。
保安庁法案
及び
海上公安局法案
を
議題
といたします。先ず以て
政府
から
提案
の
理由
の御
説明
を請います。
大橋武夫
2
○
国務大臣
(
大橋武夫
君)
只今議題
と相成りました
保安庁法案
の
提案
の
趣旨
とその大要について御
説明
申上げます。 御承知のように、
警察予備隊
は、
昭和
二十五年八月に
国家地方警察
及び
自治体警察
の
警察力
を補い、
治安維持
上特別の必要がある場合において
行動
することを
任務
として設置せられ、又
海上警備隊
は、先般施行せられました
海上保安庁法
の一部
改正法
によ
つて
、
海上
における
人命財産
の
保護
又は
治安
の
維持
のため緊急の必要かある場合において、
海上
で必要な
行動
をするための
機関
として発足し、いずれも各
関係機関
と
協力
して
治安
の
維持
及び
生命財産
の
保護
に当
つて参
つて
おります。 然るところ今般
政府
におきましては、
平和條
約の効力が発生した今日、
我が国
の
自主自立態勢
に即応して、現在の国力にふさわしい簡素且つ能率的で、
民主主義
の
原則
に立脚する
行政機構
を樹立するため
行政機構
の
改革
を実施することと相成りましたので、その
基本的構想
に基きまして、現在の
警察予備隊
と
海上警備隊
及びこれと密接な
関係
のある
海上保安庁
の
機構
で水路、
燈台等運輸省
に属さぜる部分を除いたものとを統合して、これが
一体的運営
を図り、以て今後いよいよ
重要性
を加えることが予想される
治安
の確保に万全を期することといたさんがために、新たに
保安庁
を設置することとした次第であります。 次に、
保安庁法案
の
要点
についてその概略を申述べます。
保安庁
は、
我が国
の平和と
秩序
を
維持
し、
人命
及び
財産
を
保護
するため特別の必要がある場合において
行動
する
部隊
を
管理
し、運営し、及びこれに関する
事務
を行い、併せて
海上
における
警備救難
の
事務
を行うことを
任務
とするものであります。このうち
海上
における
警備救難
の
事務
を行うのは、
保安庁
に置かれる
海上公安局
でありまして、これは、
従前
の
海上保安庁
の
警備救難部
を中心として設置されるもので、常時
海上
において、その
任務
を行うこととなるのであります。 これについては、その
任務
、
組織
、
権限等
から考えまして、別に
海上公安局法
を以て、これらの
事項
を
規定
することを適当と認め、本
法案
と併せて
海上公安局法案
を提出いたして御
審議
を願うことにいたしております。
保安庁
が
管理
し、運営するところの
我が国
の平和と
秩序
を
維持
し、
人命
及び
財産
を
保護
するため特別の必要がある場合において
行動
する
部隊
は、主として陸上において
行動
することを
任務
とする
保安隊
の
部隊
及び主として
海上
において
行動
することを
任務
とする
警備隊
の
部隊
であります。 本
法案
におきましては、
保安隊
は
従前
の
警察予備隊
の、
警備隊
は
従前
の
海上警備隊
の
任務
を引き継ぐものといたしまして、その
任務
、
目的等
につきまして
規定
するほか、今日までの
経験等
に鑑みて、これらの
任務
、
目的
の
遂行
上その
規定
の十分でなか
つた
と思われる点を整備し、且つ明確にして、その本来の
任務
を一層能率的に達成できるよう必要な
措置
を講じますと共に、
保安隊
及び
警備隊
の
管理
、
運営等
について、
民主主義
の
原則
に基き、政治が完全に手配し得るよう、
部局
の
組織
、
権限等
について必要な
規定
を設け、又
内閣総理大臣
が
保安隊
又は
警備隊
の
出動
を命じたときは、
国会
の
承認
を求めることとする等、特に意を用いております。その他
保安庁職員
の
身分取扱等
についても、以上の
趣旨
に
従つて
、
保安庁
の
任務
の
特殊性
を勘案の上、
職員
がよくその
職責
を
遂行
できるよう必要な
規定
を設けた次第であります。 本
法案
は、他の
行政機構
の
改革
と同時に、来る七月一日から施行することといたしております。但し、
警察予備隊
については、現在の隊員の大多数の
任用期間
が、本年の十月十四日までに満了いたしますので、それまでの間は、
警察予備隊
を存続せしめることとして、この
法律
の適用との
関係
において必要な
調整規定
を設けております。 以上を以て
保安庁法
の
概要
の御
説明
を終ります。
法案
の
内容
については、
政府委員
より御
説明
いたします。 何とぞよろしく御
審議
のほどをお願い申します。 次に
海上公安局法案
につきまして、御
説明
を申上げます。
我が国
は、
四面環海
の国でありますから、
海上
におきまして
人命
及び
財産
の安全を
保護
いたし、又
法令
の
違反
の
防止
その他
治安
を確保いたしますことの必要でありますことは、申上げるまでもないところでございます。この
目的
を達成いたしまするために、
保安庁
に
海上公安局
が設置されますることは、先に
保安庁法案
につきまして申上げた
通り
でございます。
海上公安局法案
は、
海上公安局
の
所掌事務
並びに
海上公安官
の
権限等
につきまして
規定
いたすことを
目的
とするものであります。
海上公安局
は、
海上
におきまする
法令違反
の
防止
、海難、
天災事変
などの際の
人命
及び
財産
の
保護
、
海上
におきまする
犯罪捜査
、
犯人逮捕等
の
事務
を掌る
機関
であります。
海上公安局
の長は、
保安庁長官
の任命にかかり、その
指揮監督
を受けることになりまするが、
海上公安局
の
職員
の
任免等
の
人事
に関する
事項
は、
海上公安局
の長が行うことにな
つて
おります。
海上公安局
には、
職員
の
訓練機関
として
海上公安
大
学校
、
海上公安学校
、
海上公安訓練所
を置き、又、
海上公安局
の長の諮問に応じて
海上公安
に関する
重要事項
の
調査審議
に当るための
海上公安審議会
を置くことといたしました。
地方機関
といたしましては、
地方海上公安局
、
地方海上公安部
、
港長事務所
その他の
事務所
を置くことといたしました。 又、
海上公安局
の
事務
を
遂行
いたしまするための
職員
といたしまして、
海上公安官
及び
海上公安官補
を置き、その
階級
について定めることといたしました。
海上公安官
は、
船舶
への
立入
検査、船内にある
犯罪容疑者
に対する
質問
、
犯罪捜査
のため止むを得ない場合におきまする
停船
、
船舶
の
回航等
の
命令
などの
権限
を有することといたしました。 又、
海上公安官
及び
海上公安官補
は、
司法警察職員
といたしまするほか、
職務
に必要な
武器
を所持し得ることといたしました。 なお、
海上公安局
の
船舶
は、
職務遂行
のために最小限度必要な
武器
を
装備
することができることとして、
犯罪容疑船
に対する
停船信号等
のため止むを得ない場合に
使用
できることといたしました。 最後に、
海上公安局
の
職員
を單位といたしまする
国家公務員共済組合
を
総理府
に設けることといたしたのであります。 以上申述べましたところが
海上公安局法案
の
提案理由
の
概要
でありまするが、何とぞ
愼重御審議
の上、速かに御可決せられんことをお願い申上げる次第でございます。
河井彌八
3
○
委員長
(
河井
彌八君) 次に両案の
内容
につきまして
政府委員
から
説明
を求めます。
岡本愛祐
4
○
岡本愛祐
君
議事進行
について……。
政府委員
から御
説明
願いますに当りまして、このたびの
海上保安庁法案
と、従来の
海上保安庁
乃至
警察予備隊令
との間におきまして、
職務権限等
について違
つて
おる点を詳細に御
説明
願
つて
おきたいと思います。
江口見登留
5
○
政府委員
(江口見
登留
君)
只今
の御
質問
の
職務権限
の比較、
相違点等
につきましては、欄を設けまして比較した表を差上げたいと存じております。それでは
保安庁法案
の
提案
の
趣言及
その
要点
については、
只今国務大臣
より
説明
がありましたので、以下私からは本
法案
の
内容
について、順を追
つて
御
説明
申上げたいと存じます。 本
法案
は、第一章
総則
、第二章
組織
、第三章
職員
、第四章
行動
及び
権限
、第五章雑則、第六章
罰則
の六章と
附則
より成
つて
おり、本文九十三條、
附則
二十一項であります。 第一章は
総則
で、この
法律
の
目的
、
保安庁
の
任務
、
権限
及び定員並びに
長官
、
次長等
について
規定
しております。 先ず
保安庁
は、
総理府
の外局として設置されるのでありまして、わが国の平和と
秩序
を
維持
し、
人命
及び
財産
を
保護
するため特別の必要がある場合において
行動
する
保安隊
及び
警備隊
の
部隊
を
管理
し、運営し、及びこれに関する
事務
を行い、あわせて
海上
における
警備救難
の
事務
を行うことを
任務
とするものであることは、先ほど
国務大臣
より
説明
のあ
つた
通り
であります。ここで
保安隊
と申しますのは、次に出て参ります
保安庁長官
、
次長
、
長官官房
及び
各局
、第一
幕僚監部
並びに第一
幕僚長
の
監督
を受ける
部隊
その他の
機関
を包括する
観念
であり、
警備隊
と申しますのは、
保安庁長官
、
次長
、
長官官房
及び
各局
、第二
幕僚監部
並びに第二
幕僚長
の
監督
を受ける
部隊
その他の
機関
を包括する
観念
であります。 次に
長官
及び
次長
については、他の類似の
機関
における大体同様の
規定
を置いております。ただ、
長官
には、
国務大臣
をも
つて
充てることとしており、又
部隊等
に対する
指揮監督
の統一をはかり、これが
執行
を能率的ならしめるために、第
一幕僚長又
は第二
幕僚長
の
監督
を受ける
部隊
その他の
機関
に対する
長官
の
指揮監督
は、それぞれ
当該幕僚長
を通じて行うものとしております。 次に
保安庁
の
職員
の定数は、
海上公安局
に勤務する
職員
を除いて十一万九千九百四十七人でありまして、うち十一万人が
保安官
、七千五百九十人が
警備官
で、その残りの二千三百五十七人が次に述べます
長官官房
及び
各局
や
附属機関
、
部隊等
において勤務するその他の
職員
であります。 第二章は、
組織
に関する
規定
であります。
保安庁
には、
内部部局
として
長官官房
、
保安
、
人事
、
経理
及び
装備
の四局並びに第一及び第二の各
幕僚監部
が置かれる外、
附属機関
、
部隊
その他の
機関
並びに
海上公安局
が置かれるのであります。 先ず、
内部部局
について申しますと、
長官官房
及び
各局
は、
保安隊
及び
警備隊
に関する
方針
の
策定
及びその
一般的監督
について
長官
を補佐することを主たる
任務
とする
機関
であり、第一及び第二の各
幕僚監部
は、それぞれ
保安隊
又は
警備隊
の
隊務
に関し
專門的助言
を行い、且つ、
部隊等
に対する
長官
の
命令
の
執行
に関する
事務
を行う
機関
であります。このように各
幕僚監部
は、
部隊等
に対して
長官
の
命令
を
執行
する
機関
でありますが、
保安隊
及び
警備隊
の
方針
の
策定
及び
一般的監督
に関しては、すべて
長官
は、
長官官房
及び
各局
の補佐を受けてその
職務
を行うものとしたのであります。そこで先ほど
国務大臣
の
説明
のありました
趣旨
に従いまして、
長官
、
次長
をはじめ、
長官官房
及び
各局
の
職員
のうち課長以上の
職員
は、三等
保安士
以上の
保安官
若しくは三等
警備士
以上の
警備官
の経歴のない者のうちから任用するものとしております。
政府原案
におきましては、旧
正規陸海軍将校
でない者のうちから任用するとの制限をも置いていたのでありまするが、この点は
衆議院
で削除された次第でございます。これと同時に他面、
長官官房
及び
各局
に、
保安隊
及び
警備隊
の
隊務
の実情を反映せさると共に
長官官房
及び
各局
と
幕僚監部
、
部隊等
との緊密な連絡を保持するために、
幕僚監部
又は
部隊
に所属する
保安官
又は
警備官
を
長官官房
及び
各局
に勤務させる途を設けております。
幕僚監部
は、
前述
のごとく
保安隊担当
の第一
幕僚監部
と
警備隊担当
の第二
幕僚監部
があります。
幕僚監部
の長は、
幕僚長
でありまして、これはそれぞれ
保安官
又は
警備官
を以て充て、
保安隊
又は
警備隊
の
隊務
に関し、最高の
專門的助言者
として
長官
を補佐するものといたしております。
保安隊
及び
警備隊
の
指揮権
は、すべて
專ら長官
に属するのでありまして、
幕僚長
は、
部隊等
に対してただ
長官
の
命令
を
執行
するものであります。又
幕僚長
は、
幕僚監部
の長として、
長官
の
指揮監督
を受けてそれぞれの
幕僚監部
の
事務
を掌理し、
保安隊
又は
警備隊
の
隊務
及び所部の
職員
の
服務
を
監督
するものといたしております。なお、
幕僚監部
には、部及び課を置き、
幕僚副長
その他の
所要
の
職員
を置くこと等について必要な
規定
を設けております。 次に
保安庁
の
附属機関
として(イ)
保安隊
及び
警備隊
の
管理運営
に関する基本的な
調査研究
をすると共にその
幹部職員
を訓練する
保安研修所
、(ロ)将来
幹部保安官
又は
幹部警備官
となるべき者を訓練する
保安
大
学校
、並びに(ハ)
保安隊
及び
警備隊
の
装備品等
について
技術的研究
を行う
技術研究所
を置くこととして、これに必要な
規定
を設けました。 次に
保安庁
に、
前述
のごとく
保安隊
及び
警備隊
の
部隊
を置くほか、第
一幕僚長又
は第二
幕僚長
の
監督
を受ける
訓練施設
その他の
所要
の
機関
を置くこととし、この
部隊
の
組織
及び編成並びにこれらの
機関
の
組織
及び
所掌事務
は、政令で定めることといたしております。、
前述
いたしました
保安庁
の
任務
のうち、
海上
における
警備救難
に関する
事務
を担当する
機関
として
海上公安局
を置きます。この
組織
、
所掌事務
、
権限等
については、先ほど
国務大臣
より
説明
があ
つた
如く
海上公安局法
をも
つて
規定
することとせられておるのであります。 第三章は、
海上公安局
に勤務する
職員
を除いた
保安庁
の
職員
についての
任免
、
分限
、
懲戒
、
保障
及び
服務
に関する
規定
であります。この
職員
の
給與
に関しては、別に
提案
いたされます
保安庁職員給與法案
に委ねております。 この
保安庁
の
職員
は、その
任務
の
特殊性
からいたしまして、現在の
警察予備隊
及び
海上警備隊
の
職員
と同じく、これを
国家公務員法
上の
特別職
といたしましたほか、
職員
の
身分取扱
についてはおおむね現在の
警察予備隊
及び
海上警備隊
の
職員
の
身分取扱
にならうことを建前として
規定
しております。 先ず、
保安官
及び
警備官
の
階級
は、現在の
制度
をそのまま踏襲して、
保安官
については二等
保査以上保安監
まで十四
階級
、
警備官
については三等警査以上
警備監
まで十五
階級
を設けました。また
職員
の
服制
、
任免等
についてもおおむね現在の
制度
になら
つて
規定
いたしました。ただ、
保安官
のうち
保査長
、
一等保査及び
二等
保査
は、二年を
期間
として任用されることとな
つて
おりますので、後に述べます
内閣総理大臣
の
命令
により
出動
を命ぜられている場合その他二年の
任用期間
が経過したことに因りこれらの者が退職することが、
保安隊
の
任務遂行
上に重大な支障を及ぼすと認めるときは、
長官
は、六月以内の
期間
を
限つて
二年の
任用期間
を延長することができるという特別の
規定
を設けました。
職員
の
分限
、
懲戒
及び
保障
についても、おおむね現在の
警察予備隊
及び
海上警備隊
の例になら
つて
規定
したのでありますが、ただ、
停年制
については、
海上警備隊
の例にならい、
警備官
のみならず
保安官
についてもこれを設けることといたしました。 又
保安
大
学校
の学生は、
一般
の
職員
とはその
身分取扱
を異にする必要を認めますので、その
分限
及び
懲戒
について特例を
規定
しております。 次に
職員
の
服務
につきましてもおおむね、現在の
警察予備隊
及び
海上警備隊
のこれに関する
規定
になら
つて
規定
いたしました。ただ、
保安庁
の
職員
の
職務
の
特殊性
に鑑みまして、その
団体的規律
を保持し、その
職務
を全うせしめる見地から、
勤務態勢
、
服務遂行
の
義務
、
指定場所
に居住する
義務等
を明確に
規定
することといたしました。そうしてこれらの
服務
に関する
規定
に関連して、第六章において、
上司
の
職務
上の
命令
に対し多数共同して反抗した者、後に述べます
長官
の
出動待機命令
を受けた者で
職務
の
場所
を離れ又はこれにつかないで一定の
期間
を過ぎたもの、正当な
権限
がなくて又は
上司
の
職務
上の
命令
に
違反
して
部隊
を指揮した者、
争議行為
、
怠業行為
をした
者等
に対する
罰則
を
規定
いたしました。なお、後述いたします
内閣総理大臣
の
命令
による
保安隊
又は
警備隊
の
出動
の場合は、
事態
最も重大で、まさに
職員
がその
職責
を盡し、使命を全うすべきときでありますので、この場合においては、上述しましたような
行為
をした者に対する刑を加重し又はその所罰の
範囲
を拡げる等の
措置
を講じております。 第四章は、
保安隊
及び
警備隊
の
行動
及び
権限
に関する
規定
であります。 先ず、
保安隊
及び
警備隊
の
行動
すべき場合についてでありますが、これには、
内閣総理大臣
の
命令
による
出動
、
都道府県知事
の
要請
に基く
出動
、
海上
における
警備行動
及び
災害
に際しての
救援
のための
派遣
の場合を
規定
しております。
内閣総理大臣
の
命令
による
出動
は、
非常事態
に際して
治安
の
維持
のため特別の必要があると認める場合に行われるものであります。この場合においては、
内閣総理大臣
は、
出動
を命じた日から二十日以内に
国会
の
承認
を求めることを要し、若し
国会
が閉会中であるか又は
衆議院
が解散されているときは、その後最初に召集された
国会
において速かに、その
承認
を求めなければならないこととしております。そして不
承認
の議決があ
つた
場合はもとより、
出動
の必要がなく
なつ
た場合には、速かに
出動
した
保安隊
又は
警備隊
に対して
撤收
を命じなければならないことといたしております。 なお、これと関連して
警備隊
にこの
出動命令
があ
つた
場合において特別の必要があると認めるときは、
長官
は、
海上公安局
の全部又は一部を
警備隊
の
統制下
に入れることができること、及び
事態
が緊迫し、この
出動命令
が発せられることが予測される場合において、これに対処するため必要があると認めるときは、
長官
は、
内閣総理大臣
の
承認
を得て、
保安隊
又は
警備隊
の全部又は一部に対して
出動待機命令
を発することができることを
規定
しております。
都道府県知事
の
要請
に基く
出動
は、
都道府県知事
が
治安維持
上重大な
事態
につきやむを得ない必要があると認める場合において、
当該都道府県会安委員会
と協議の上、
内閣総理大臣
に
要請
し、
内閣総理大臣
もまた
事態
やむを得ないと認めて、
部隊
の
出動
を命じた場合に行われるものであります。この場合におきましては
都道府県知事
は、
事態
の
收まつ
た後速かに
当該都道府県
の議会に報告しなければならないものといたしております。また、
都道府県知事
から
撤收
の
要請
があ
つた
場合は勿論、
出動
の必要がなく
なつ
たと認める場合には、
内閣総理大臣
は、速かに
部隊
の
撤收
を命じなければならないこととな
つて
おります。
海上
における
警備行動
は、現在の
海上保安庁法
中の
海上警備隊
に関する
規定
になら
つて
規定
されたもので、
海上
における
人命
若しくは
財産
の
保護
又は
治安
の
維持
のため緊急の必要がある場合に、
長官
が
警備隊
の
部隊
に
海上
において必要な
行動
をとることを命じたときに行われるものであります。ただ、
長官
は、この
命令
を発するには、
内閣総理大臣
の
承認
を得なければならないものといたしております。
災害
に際しての
救援
のための
派遣
は、
天災
、地変その他の
災害
に際して
人命
又は
財産
の
保護
のため必要がある場合に、
都道府県知事
その他の者の
要請
に基き、或いは特別の事情のあるときはこの
要請
をまたないで、
長官
又はその指定する者が
救援
のため
部隊
の
派遣
を命じた場合に行われるものであります。以上いずれの場合にも、
部隊
ば
行動
に際して、その
関係
ある
都道府県知事
、
市町村長
、
警察機関
その他の国又は
地方公共団体
の
機関
と相互に密接に連絡し及び
協力
するものとしてこれを明白に
規定
いたしました。 以上述べました各
行動
の場合において、
保安隊
及び
警備隊
がその本来の
任務
を最も有効適切に
遂行
するため必要な
権限
、
武器
の
使用等
について
規定
したのが、第六十八條から第七十五條までの
規定
であります。
内閣総理大臣
の
命令
により
出動
した場合には、
保安官
又は
警備官
は、その
職務
の
執行
については、
警察官
又は
海上公安官
と同じく
警察官等職務執行法
又は
海上公安局法
中
海上公安官
の
現場附近
の人又は
船舶
に対する
協力請求
、
船舶
への
立入
、
船舶停止命令等
の
職権
に関する
規定
によることにいたしております。また現在の
警察予備隊
の
警察官
及び
海上警備官
と同様この場合には
現行犯人
の外、
被疑者
の
緊急逮捕
ができることといたしております。
保安官
及び
警備官
は、この
出動
を命ぜられた場合には、これらの
規定
によ
つて任務
を
遂行
するのでありますが、ただこの場合の
武器
の
使用
については、
警察官等職務執行法
の
規定
による外、(一)
職務
上警護する人、
施設
又は物件が
暴行
又は侵害を受け又は受けようとする明白な
危險
があり、
武器
を
使用
するほか他にこれを排除する適当な
手段
がない場合、及び(二)多衆集合して
暴行
若しくは
脅迫
をし又は
暴行
若しくは
脅迫
をしようとする明白な
危險
があり、
武器
を
使用
するほか、他にこれを鎮圧し又は
防止
する適当な
手段
がないと認める相当の
理由
がある場合において
武器
の
使用
を認めることといたしております。尤もこの場合においても、
武器
の
使用
は、その
事態
に応じ合理的に必要と判断される限度で許されるにとどまることとしております。 なお、
武器
の
使用
については、
一般
に
正当防衛
又は
緊急避難
に該当する場合を除き、
当該部隊指揮官
の
命令
によらなければならないものとし、正当の
理由
なく
武器
を
使用
した者に対しては、第六章において
罰則
を
規定
しております。
都道府県知事
の
要請
に基く
出動
の場合における
保安官
又は
警備官
の
職務
の
執行
についても、前
同様警察官等職務執行法
又は
海上公安局法
中
海上公安官
の
現場附近
の人又は
船舶
に対する
協力請求
、
船舶
への
立入
、
船舶
の
停止命令等
の
職権
に関する
規定
によるのでありますがこの場合、
現行犯人
のほか
被疑者
の
緊急逮捕
ができることも前同様であります。ただ
武器
の
使用
については
警察官等職務執行法
の
規定
の
範囲
にとどめて認めることといたしております。
海上
における
警備行動
の場合の
警備官
の
職務執行
については、
海上公安局法
中
海上公安官
の
現場附近
の人又は
船舶
に対する
協力請求
、
船舶
への
立入
、
船舶
の
停止命令等
の
職権
に関する
規定
並びに
警察官等職務執行法
第七條の
武器
の
使用
に関する
規定
によるものであります。なおこの場合においても前
同様現行犯人
のほか、
被疑者
の
緊急逮捕
の
権限
をも認めております。
災害派遣
時の
権限
としては、ただ
海上
においてのみ、三等
警備士補
以上の
警備官
の
職務執行
について
海上公安局法
第十一條の
規定
を準用して
現場
の
附近
にある人又は
船舶
に対し必要な
協力
を求めることかできることとしております。 以上は
保安隊
又は
警備隊
の
出動
の場合における
権限
でありますが、このほか
保安官
又は
警備官
については、次のような
権限
を認めることとしております。 その一は、
保安官
又は
警備官
が
保安隊
又は
警備隊
の
武器庫
、彈薬庫又は
火薬庫
を警備するに当り、人又は
武器庫
等を防護するため必要であると認める相当の
理由
がある場合には、その
事態
に応じ合理的に必要と判断される限度で
武器
を
使用
することができることとしたことであります。但し、
正当防衛
又は
緊急避難
に該当する場合を除き、人に危害を與えてはならないものと
規定
しております。 その二は、
保安官
又は
警備官
のうちで部内の
秩序
維持
に專従する者は、現在の
警察予備隊
又は
海上警備隊
について認められていると同様、
保安官
及び
警備官
等に関する犯罪、
保安庁
の
使用
する
船舶
、庁舎、営舎その他の
施設
内における犯罪、
保安庁
の所有し又は
使用
する物件に対する犯罪について
司法警察職員
として
職務
を行うことができるものとしたことであります。 第五章は雑則であります。本章中には募集
事務
の
都道府県知事
及び
市町村長
に対する一部委任等に関すること、
保安庁
の礼式及び表彰に関すること、現在
海上保安庁
の航路啓開所で行な
つて
おります機雷その他の爆発性の
危險
物の除去及び処理を
警備隊
が行うこと、
保安隊
の訓練
目的
に適合する場合において国又は
地方公共団体
の土木工事を引き受け得ること、
警備隊
と水路官署及び航路標識官署との
関係
に関すること、
保安庁
の
使用
する
船舶
、航空機の標識に関すること等についての必要な
規定
が置かれております。 以上述べましたところのほか、本章中にはなお他の
関係
法律
の適用除外及び特例について
規定
を置いております。即ち
保安隊
及び
警備隊
の現状及びその
任務
の
特殊性
に鑑みまして、現在の
警察予備隊
又は
海上警備隊
についてと同様、労働組合法、船員法、
船舶
安全法、
船舶
職員
法、電波法等の適用を除外することとしたほか、銃砲刀劍類等所持取締令、火薬類取締法及び航空法について必要な除外及び特例の
規定
を設けることとしておるのであります。 第六章についてはそれぞれ
関係
のところで概略を述べましたので、最後に
附則
について御
説明
申し上げます。 この
法律
は、
昭和
二十七年七月一日から施行するのでありますが、既に
国務大臣
から御
説明
がありましたように、
警察予備隊
は、本年十月十五日に廃止することとしております。
従つて
保安庁
は、七月一日から発足いたしますが、この
法律
中
保安隊
及び
保安官
に係る部分は、
原則
として十月十五日から施行することといたし、それまでの間は、
警察予備隊
を
保安庁
の
機関
として置き、
保安庁長官
が同時に
警察予備隊
の長として、
次長
、
長官官房
及び
各局
並びに第一
幕僚監部
の補佐を受けてこの
事務
を行うこととし、この
趣旨
を以ちまして
警察予備隊令
の改正その他の必要な
規定
を設けております。 次にはこの
法律
の施行に伴う
職員
の
身分取扱
についてでありますが、
警察予備隊
及び
海上警備隊
の
職員
は、それぞれ
原則
としてこの
法律
施行の日において
保安庁
の相当の
職員
になるものとし、ただ、本年十月十五日以後においてなお
警察予備隊
の
警察官
としての
任用期間
の残
つて
おります者については、
保安官
と
なつ
た後においてもその任用條件、身分及び
服務
並びにこれらの者に対する
罰則
の適用についてはその間、なお
従前
の
警察予備隊
の
警察官
に関する
規定
の例によるものといたしております。 その他本年七月一日以後十月十四日までの間において
警察予備隊
の警査長以下の
警察官
に採用され又はこれに再任用される者の
任用期間
並びに本法の施行に伴い必要となる地方自治法等の一部改正の
規定
を置いております。 以上をもちまして本
法案
の
内容
の概略について御
説明
を終ります。
河井彌八
6
○
委員長
(
河井
彌八君) 次に、
海上保安庁次長
三田一也君。
三田一也
7
○
政府委員
(三田一也君)
海上公安局法案
の
要点
につきまして、御
説明
申上げます。
海上公安局法案
は、現行
海上保安庁法
と
内容
におきまして変
つて
おりますのは、今度、
保安庁
内に設置されますために現在あります水路部、燈台部、海事検査部この三部が運輸省のほうに移されますだけでありまして、あとは
機構
としては現在の
海上保安庁
と同一のものであります。 それから次に
海上公安局
の
所掌事務
につきましては、大要申しますと、
海上
における
法令
の
違反
の
防止
、海難、
天災事変
等の際の
人命
及び
財産
の
保護
、次には港則法の施行、それから
海上
の航路障害物等の除去でありまして、このうち機雷その他爆発物に
関係
するものは
警備隊
の
所掌事務
とな
つて
おります。次に
海上
における犯罪の捜査及び犯人又は
被疑者
の逮捕、その他
船舶
交通の安全の確保及び
海上
における公共の
秩序
の
維持
、これは
海上公安局
の
所掌事務
とな
つて
おります。 次に
海上公安局
は東京都に置くことにな
つて
おりまして、その内部
組織
等につきましては、
総理府
令で定められることにな
つて
おります。
海上公安局
の長は
保安庁長官
が任命することにな
つて
おります。
海上公安局
の長は
保安庁長官
の
指揮監督
を受けますが、
海上
における
法令
の
違反
の
防止
の
事務
については、それぞれの主管大臣の
指揮監督
を受けることにな
つて
おります。
海上公安局
には現在の
海上保安庁
における教育
機関
と大要同じような、
海上公安
大
学校
、
海上公安学校
及び
海上公安訓練所
を置くことにな
つて
おります。 なお
海上公安局
に
海上公安審議会
を置くことにな
つて
おります。これは現在の
海上
保安
審議
会と全く同一の
目的
によるものであります。
海上公安局
の
地方機関
といたしまして
地方海上公安局
、
地方海上公安部
、
港長事務所
その他の
機関
を置くようにな
つて
おります。
海上公安局
に
海上公安官
及び
海上公安官補
を置きまして、その
階級
は
法律
によ
つて
定めることにな
つて
おります。これは現行の
海上
土
保安官
と少しく変
つて
おるところがございますが、大体において
保安庁
の
警備官
と比較して、
海上警備官
と大体同じ建前の
階級
とな
つて
おります。
海上公安局
の
職員
の
任免
は、
海上公安局
の長が行うことにな
つて
おります。
海上公安官
はおおむね次に申述べますような行政警察権を與えられることにな
つて
おります。そのうちの一つは、
船舶
への立ち入り検査、船内にある
犯罪容疑者
に対する
質問
、第二は
犯罪捜査
のために止むを得ない場合における
停船
、回航、乖下船の制限、積荷の揚げ降しの制限、
命令
、それから
海上公安官
及び
海上公安官補
は
職務
に必要な
武器
を所持することができるようにな
つて
おります。 又
海上公安局
の
船舶
は、必要最小限度の武装をすることができるようにな
つて
おります。
海上公安官
及び
海上公安官補
は、
武器
使用
については、
警察官等職務執行法
等によ
つて
処理されております。
総理府
に
海上公安局
の
職員
を單位とする
国家公務員共済組合
を設けることにしてあります。 その他は
附則
でありまして、経過
規定
等がつけられております以上。
河井彌八
8
○
委員長
(
河井
彌八君) これより両案につきまして質疑に入ります。先ず通告によりまして御発言を請います。
三好始
9
○三好始君
議事進行
について……。
保安庁法案
は極めて重要な
法律
案であると思いますので、我々は
審議
に責任を盡したいと思
つて
おるのであります。つきましてはこの際、
政府
に二つの要求をいたしておきたいのであります。一つは、本
法律
案の
審議
に当りましては、單に個々の條章の具体的な
審議
を進めるだけでなくして、
保安隊
、
警備隊
の法的な性格、殊に憲法第九條との関連等に当りましても、根本的に検討しなければいけない問題がありますので、そういう基本的な問題を
審議
する際には、担当の
大橋
国務大臣
だけでなく、総理大臣並びに法務総裁の
委員
会への出席を要求したいのが一つであります。 もう一つはこの
法律
案を見まするというと、具体的な問題が
総理府
令或いは政令に委任されているものが相当多いのであります。これらの案文を拝見しないというと具体的な
審議
ができないというものが多いので、この際資料を要求しておきたいのであります。差当
つて
必要な資料として先ず
保安隊
並びに予備隊の編成予定表をお願いいたしたいと思うのであります。これにつきましては、
法律
案によりますというと、例えば第十八條の
幕僚監部
の内部
組織
に関する
総理府
令が出ることにな
つて
おりますがこの案文又は要綱、更に第二十四條の
部隊
の編成に関する政令の案文又は要綱、第二十五條の
訓練施設
その他の
所要
の
機関
に関する政令の案文或いは要綱、第二十二條の
職員
の採用方法及び手続に関する
総理府
令の案文又は要綱、次に第三十七條の條件附任用に関する
総理府
令の案文或いは要綱、それから最後に現在の予備隊乃至
海上警備隊
並びに
保安庁法案
が成立した場合の
保安隊
並びに
警備隊
の
装備
に関する資料、差当
つて
一応必要と認められるこれらの資料をお出し頂きたいと思うのであります。
河井彌八
10
○
委員長
(
河井
彌八君) 三好君にお答えいたします。総理大臣と法務総裁の出席は開会に先立
つて
要求をいたしておきましたところが、お二人とも本日は差支えがあるということであります。ただ法制意見
長官
は出席するということにな
つて
おります。まだお見えがないようでありますが、もう見えるだろうと考えます。その他の点につきましてはこれは
政府
から資料提出を願います。
三好始
11
○三好始君 総理大臣並びに法務総裁は若し本日差支えがあ
つて
出られないというのだ
つた
ら、次の機会には是非出られるように
委員長
のほうから手配せられるようにお願いいたしたいと思います。
河井彌八
12
○
委員長
(
河井
彌八君) 三好君にお答えいたします。その点は承知いたしました。
岡本愛祐
13
○
岡本愛祐
君 今日初めて
国務大臣
の
説明
を承わり、
政府委員
の
説明
を聞いたのでありまして、これをよく検討して
質問
をいたしたいと思うのでございますが、
只今
三好君が御要求になりました資料は
質問
に、
審議
に非常に大切なものでありまして、この次の
連合委員会
は土曜日にお願いができるということでありますから、その土曜日の前にお出しを願いたいと思います。水曜日ぐらいに出して頂いて、その検討をして、土曜日に
質問
いたしたい、こういうふうにいたしたいと思います。 今日時間がまだあるようでございますから、先ほど私が
政府委員
の
説明
をせられる前に要求しておいた、
海上公安局
のほうは現在の
制度
、
職務権限
と比較してお話がありましたが、
保安庁
のほうは明確を欠いておりますので、こういう対照表はもら
つて
はおりますが、この
保安庁法案
によ
つて
できるところの
保安庁
乃至
保安官
の
目的
、
職務権限
、その他について違
つて
いるところだけを詳しく
説明
しておいて頂きたい。
江口見登留
14
○
政府委員
(江口見
登留
君) 大体
職務権限等
につきましても、先ほど大臣からお話がありました
通り
、現在の予備隊の
職員
に対する
職務権限
を大部分においては踏襲いたしております。ただ先ほど御
説明
申上げましたように、例えば任期の問題につきましては、二年の約束で採用された者につきましても、二年が経
つて
やめられては非常に困る場合が起
つた
り、或いは
出動
中であるような場合、そういうようなときにはこれを六ヵ月延長することができるというような、従来にない
規定
を設けた例が一つ違
つて
おります。 それから従来この予備隊の
警察官
に対する
懲戒
の問題でありますが、この点につきましても現在は
懲戒
処分があるのみで、
罰則
は設けてないのでございます。併しながら予備隊の
出動
というような
理由
が考えられまするときに、その
出動
という
事態
が迫
つて
、
従前
のように任意に辞表を出してやめるというようなことがありましたのでは、折角予備隊を設けました
趣旨
を沒却することになり、
従前
は辞表を出せばそれを受付けないということもできます。併しながら本人が辞表を出して怠けておれば何ともいたし方がないのでありまして、結局そういう場合には
懲戒
免官ということでやめさせるよりほかはないのであります。むしろそうされることを本人は希望するというような恰好にまでなるわけでございます。それでは甚だ不都合でありますので、今度は
出動命令
が出たり、或いは
出動
の待機
命令
が出たような場合に怠る、やめたいような恰好を示すというような者に対しましては、先ほど御
説明
申上げましたように、
罰則
の
規定
でこれを処分して行くというふうにいたしまして、隊員がいざという場合に本当に御奉公できるようにというような意味で改正が加えられております。或いは又現在の
警察予備隊
の
警察官
が
出動
しました場合に、その
職務権限
につきましては、
警察官等職務執行法
というものの
規定
によることにな
つて
おりますが、これらにつきましても明確でない点がございますので、今回はそれらを少し明確にするというような点についても特別の考慮が払
つて
ございます。 大体大きな点は、以上が現在の七月一日からできまする
保安隊
の
職員
との
職務権限
の違いでございまして、詳細につきましては更に資料を提出いたしまする際に、もう少し段を分けて詳しく表にしたものをお目にかけたいと、かように存じております。
岡本愛祐
15
○
岡本愛祐
君 なおお尋ねしたいのですが、これも三好君の御
質問
に関連いたしておりますが、
海上公安局法案
のほうは、例えば附表で
地方海上公安局
をどこどこに置くというようなものでも皆明らかにな
つて
おるのです。ところがこの
保安庁
のほうは地方の基地と申しますか、そういう点も明らかにな
つて
いないのです。何も秘密のものでないでしようから、それは政令できめるのか
総理府
令できめるのかわかりませんが、そういうものも明らかにしてもら
つて
検討したいと、こう思うのであります。非常にこの
保安庁法案
のほうは
海上公安局法案
に比較するとわかりにくいのであります。その点をこの次の
審議
の数日前に明らかにしておいてもらいたい。
河井彌八
16
○
委員長
(
河井
彌八君)
政府
は承知したと申しております。
中田吉雄
17
○中田吉雄君
議事進行
について……、ちよつと実は
提案理由
の
説明
を私今日頂いたのですが、
只今
三好、
岡本
両
委員
からいろいろ資料について、審査に対する資料についての御
要請
があ
つた
のですが、
只今
大橋
大臣並びに
政府委員
のかたから
説明
つを受けますと、非常に重大な問題で、私これを読んだとき以上に非常に重要な問題、特に
警察予備隊
でございましたら国内だけにおるわけでありますが、
海上
におきまして、日本海なんかですと、中ソ両国との接触というようなこともあ
つて
、非常にこれは重要な
武器
の
使用
その他があると思いますので、
内閣委員
におかれては非常にたくさんの議案が山積しておりまして、議事の、この
法案
の審査の手順をすでに作
つて
おられるのですが、今日と土曜日だけではとてもこれはやれんのじやないか、何とか一つ今日は
提案理由
の
説明
をお聞きして打切
つて
、一つの皆さんの御了承を得れば何とか
議事進行
に妨げにならんような方法で、二回くらいでも今後開けるようなことにして頂けんものか。まあこれは皆さんの御都合もあるわけなんですが、非常にまあ大きな問題を含んでいると思いますので、如何なものでしようか。
河井彌八
18
○
委員長
(
河井
彌八君) 中田君にお答えいたします。本案の
審議
は非常に慎重にいたすべきものだと考えます。併し一方には期日も極めて迫ま
つて
おりまするので、できるだけ勉強いたしたいと考えております。従いまして今日と土曜日という二日だけにとどめるということでなしに、もう少し必要があれはそれに応じて連名
委員
会を開会したいと、かように考えております。併し本日はこれで
委員
会をやめてしまうことなしに、質疑のあるかたもありましようから、ずつと続行するつもりであります。それだけを申上げておきます。
中田吉雄
19
○中田吉雄君 それは結構ですが、一つ地方行政の
委員長
とお打合せ頂いて、事情が許しましたら
連合委員会
を今日と土曜日だけでなしに、やはり何とか途中でも結構ですから、開けるように一つ御考慮をお願いしておきたいと思います。それで私は結構です。
河井彌八
20
○
委員長
(
河井
彌八君) 重ねて申上げます。お話の
通り
にいたします。実は本日のことも
地方行政委員
長とはお打合せをいたしてあります。あとはどうぞお任せを願います。
鈴木直人
21
○鈴木直人君 今の
議事進行
について……。この
保安庁法案
のことについてですが、まあその他の
連合委員会
についても
連合委員会
をやる場合に、例えば
内閣委員
会の人たちはまあ全然やらない。そうしてほかの人たちの言うことを聞いておる。ところが他の
委員
のはまあ本質的な方面をずんずるお聞きになるような場合に、
内閣委員
会としても実は本質的な問題について併行的に聞いて行きたいような気もするのですが、
内閣委員
会としては他の
委員
会の
委員
のかたがたの
質問
されるのを一、三回聞いておられて、それを以て
内閣委員
自体の審査として、あとの残りを
内閣委員
会だけで
審議
するというような方法に、いつも
連合委員会
のときにはなるように思われるのですが、我々はそういうのはいいわけなんですけれども、いつも
連合委員会
を開きますと、本質的なものは他の
委員
がまあ聞いておられるというようなことになるのですが、これはまあ止むを得ないと思いますけれども、そんな感じがいたしますので……。
河井彌八
22
○
委員長
(
河井
彌八君) 鈴木君にお答えいたします。
委員長
といたしましては、やはり
内閣委員
会の
審議
が中心となるべきものであると、かように考えます。(「異議なし」と呼ぶ者あり、笑声)従いましてその取扱いは場合によりましてはいつでも連合を申込まれました他の
委員
の中心といいますか、そういうふうにならない場合がありまするから、どこまでもその意見は尊重しますが、併し
内閣委員
において責任を持
つて
決すべき事柄でありますから、そういうような運営をしたいと、かように考えます。ちよつと速記をとめて。 〔速記中止〕
河井彌八
23
○
委員長
(
河井
彌八君) では速記を始めて下さい。 それでは午後一時まで休憩いたします。 午後零時五分休憩 —————・————— 午後一時五十二分開会
河井彌八
24
○
委員長
(
河井
彌八君) これより引続いて
連合委員会
を開会いたします。
保安庁法案
外一件につきまして質疑を続行いたします。
岡本愛祐
25
○
岡本愛祐
君 それでは
大橋
国務大臣
にお尋ねをいたしたいと思います。この
保安庁法案
は、これは非常な重大な
法案
と存じます。法務総裁が戰力ということを定義されまして近代戰を
遂行
するに足る実力云々というようなことで御
説明
にな
つて
おるのでありますが、戰力は要するにその
組織
と
装備
と、それから規模の大小、それらによ
つて
戰力であるかないかが判断をされると思うのであります。然るにこの
保安庁法案
では、規模が非常に大きなことになり、
組織
は元の軍隊と殆んど同様であります。
装備
も今日の新聞にも出ておりますように、軍艦が五十隻もや
つて
来る、六十隻入手するというようなことにな
つて参
りまして、これは戰力でないとしても、戰力に非常に近くな
つて参
つた
のであります。国民の大多数は
政府
が戰力になりつつあるものを戰力でない、ないと、こう言
つて
、又は戰力であるものを戰力でないとして頬かぶりをしておるのだというふうに見つつあるのでありまして、私どもといたしましても、まだ戰力でないと答えられましても、戰力に近付いて来たというふうに感ずるのでありますが、
大橋
国務大臣
はこの問題に対してどういうふうにお考えにな
つて
いるか、それからお尋ねしたいと思います。
大橋武夫
26
○
国務大臣
(
大橋武夫
君) 戰力については、憲法上おのずから解釈があるわけでございまするが、
政府
といたしましては、
警察予備隊
にいたしましても、又
海上警備隊
にいたしましても現憲法の
範囲
内において国内
治安
のためにこれを
組織
する。こういう意図を以て進んで参
つて
おるわけでございます。無論
装備
は着々と充実いたしつつあるのでございまして、或る種の
装備
は無論今日の戰争において
使用
される程度の
武器
を備えておるということは、これは僞らざる事実でございます。併しながら今日
警察予備隊
なり或いは
海上警備隊
において、差当
つて
装備
すると予想せられておりますところの
装備
が完全に充足七られましたる場合におきましても、これを以て外国と戰争をなし得るかということになりますると、到底それだけの力はないりのでございまして、さような意味におきまして近代戰を
遂行
するだけの十分な戰力とこれを認める段階には達し得ないと存ずるわけでございます。殊に
政府
といたしましては
警察予備隊
、
海上警備隊
の
任務
といたしましては、飽くまでも国内の
秩序
を
維持
するということを主眼といたしておるわけでございまして、たびたび申上げておりまするごとく、
警察予備隊
を海外に
派遣
するというようなことは毛頭考えておらないのでございまして、飽くまでも国内の
治安
を確保するためにのみこれを
使用
すべきものであめる。こういう考えを持
つて
おるわけでございまして、かたがた憲法上職力というべきものではないと、かように確信をいたしておる次第でございます。
岡本愛祐
27
○
岡本愛祐
君
政府
としてはさように御答弁なさるであろうことは初めから予期してお
つた
ことでありますが、とにかく戦力に一歩々々、否、数歩ずつ近付いておるということは、
政府
といえども認識をなさらなければならないと思います。要するに私どもまだ戰力には立至
つて
ないと、こういう見地をとるものからいたしましても、戰力に近付けるためには、やはり近付けていいかどうかということを全国民の総意に問わなければならないと考えておるのでありまして、一歩々々、又数歩大巾に近付きながら、まだ戰力でない、戰力でないと言
つて
おることは、私は国民を欺くものである、こういうふうに信ずるのでありまして、そういう戰力を作上げるべきかどうかということは、国民の総意に問われよということをこの間予算
委員
会におきまして総理大臣に申したのであります。私はここに
保安庁法案
を
審議
するに当りまして、再びこの問題を強く申上げたい。総理がお出でに
なつ
たらこの問題を又蒸し返して申上げることにいたします。
大橋
国務大臣
に申上げるのはこの程度にいたして置きます。 次に、
只今
保安庁
の
任務
として
保安庁
は国内の
治安
の
維持
だけであると、こういうふうな御答弁でありました。併しその
任務
も第四條では必ずしも国内の
治安
だけでないという気がするのであります。国内の
治安
にも
関係
して参りますが、そうでないじやないかという気がするのであります。それは
警察予備隊令
の第二條では、「
警察予備隊
は、
治安維持
のため特別の必要がある場合において、
内閣総理大臣
の命を受け
行動
するものとする。」こういうふうにあります。而も第二項に「
警察予備隊
の活動は、警察の
任務
の
範囲
に限られるべきものであ
つて
、いやしくも日本国憲法の
保障
する個人の自由及び権利の干渉にわたる等その権能を濫用することとな
つて
はならない。」とあるのであります。ところがこの
保安庁法
の第四條におきまする
保安庁
の
任務
という條章には、「
保安庁
は、わが国の平和と
秩序
を
維持
し、
人命
及び
財産
を
保護
するため、特別の必要がある場合において
行動
する
部隊
を
管理
し、運営し、及びこれに関する
事務
を行い、あわせて
海上
における
警備救難
事務
を行うことを
任務
とする。」とあるのでありまして、一つには
治安維持
のためだけでなくて、
我が国
の平和と
秩序
を
維持
するため……、少し広いように思うのであります。尤もこれは
警察予備隊
の
目的
の場合には、
我が国
の平和と
秩序
を
維持
しという言葉を使
つて
おりますが、
任務
のところではそういうふうに、
治安
の
維持
のためというふうに限定してあるのであります。それからもう一つはこの
警察予備隊
におきましては、
国家地方警察
及び
自治体警察
の
警察力
を補うためと、こういうふうにしてあるのでありまして、こちらの今度の
保安庁法案
の第四條ではそういう予備的のものではないのであります。まして
警察予備隊令
にあるがごとき警察の
任務
の
範囲
に限られるべきものであ
つて
というようなこともありません。だから
任務
は非常に重く
なつ
た、広く
なつ
た。こういうふうに考えるのでありますが、その点如何ですか、御答弁を願いたい。
大橋武夫
28
○
国務大臣
(
大橋武夫
君) 第一の御
質問
は従来の
任務
といたしまして
治安維持
のため特別の必要がある場合に
行動
する、これが今回は平和と
秩序
を
維持
し、
人命
、
財産
を
保護
するため特別の必要がある場合、こういうふうに改ま
つた
点において
任務
が拡張せられたのではないかという点でございます。この点につきましては、私どもは警察の
任務
というものは国内の平和と
秩序
を
維持
し、
人命
、
財産
を
保護
するというのが警察の
任務
である、こういうふうに理解をいたしておるわけでございまして、かような字句それ自体が直されたということは、実質上
任務
が拡張せられたというふう
なつ
もりで書いたわけではございません。全く従来の
警察予備隊
に課せられたる
目的
、
任務
というものをそのまま引続き
保安庁
において担任すると、こういう
趣旨
で書いた次第でございます。 第二に、
警察力
を補うためという点が除かれておる点についての御
質問
でございまするが、従来は
目的
において
国家地方警察
並びに
自治体警察
の
警察力
の不足を補う
目的
である、こういうふうに書いてありましたが、今回の
保安庁法
におきましては、如何なる場合において如何なる手続を以て
行動
するかということを具体的に定めることといたした次第でございます。即ち第六十一條以下におきまして、総理大臣の
命令
によ
つて
出動
する場合又は
都道府県知事
の
要請
によ
つて
出動
する場合、或いは
災害
の場合に救助のために
派遣
する場合、
海上
における
警備行動
として
出動
をする、これらの個々の場合におきまして、詳細に
出動
の手続を
規定
いたしたわけでございます。従いまして如何なる場合に如何なる條件に基いて
出動
するかということは、おのずから六十一條以下において具体的に制限をせられておりまするので、
目的
を
説明
いたしまして、
警察力
を補うためであるというような抽象的な字句を以て
行動
を制限する必要を認めなか
つた
のでございまして、飽くまでもかような
出動
をなす
趣旨
が
警察力
の不足を補うためのものであるという点につきましては従来
通り
観念
をいたしております。ただ表現といたしましてむしろそうして抽象的な字句よりも具体的な
出動
の場合及び手続を
規定
することがより適切である、かように考えてかような表現を用いた次第でございます。それから従来の
警察予備隊令
におきまして
警察予備隊
の活動は警察の
任務
に限らるべきものであるということを書いてございますが、これはもとより当然の事柄でございまして、如何なる国家
機関
といえども憲法の
保障
する個人の自由及び権利の干渉に亘る等、その権能を濫用するということは許されないことでございます。従いまして今回特にこの字句を用いることは経験上必要がなかろう、こういう
理由
で創
つた
だけでございまして、この点も又従来の根本的な
目的
並びに使命を拡張しようという
趣旨
ではございませんことを御了承願いたいと存じます。
岡本愛祐
29
○
岡本愛祐
君
警察予備隊令
における
警察予備隊
は、警察の
任務
の
範囲
内に限らるべき
任務
を持
つて
おるのでありまして、即ち警察の一部であると見られるのでありますが、この
保安庁
のほうは警察云々のことはどこにも見えてない、従いまして警察の一部でなくして警察以外において、
大橋
国務大臣
の言葉を以てすれば專ら国内の
治安
を
維持
すべきものである、こういうふうにとられるのでありますが、この点はどうですか。
大橋武夫
30
○
国務大臣
(
大橋武夫
君) 如何なる場合においてこれらの
部隊
が
行動
するかということは、六十一條以下に
規定
をいたしておるわけでございまして、これらの
規定
は
警察予備隊
の場合と同様に、いずれも警察を補うという場合に
出動
をする、これを具体的に示したものでございます。そうして又
警察予備隊
が
出動
をいたしました場合に国内において如何なる
権限
を行使するかという点につきましても、第六十八條以下に詳細なる
規定
をいたしておるのでございまして、これらの
規定
をその
通り
遵守いたしまするならば、その結果はおのずから
警察予備隊
の活動というものが警察の
範囲
内に限られ、又いやしくも憲法の
保障
する個人の自由及び権利の干渉に亘るべきでないということは
武器
の
使用
行使、警察、
保安隊
或いは
警備隊
の
職員
の
権限等
において具体的詳細に
規定
をいたしてあるわけでございます。
岡本愛祐
31
○
岡本愛祐
君 端的に伺いますが、それでは
保安庁
というものは広い意味における
警察機関
であるかどうか、その点をお答え頂きたいと思います。
大橋武夫
32
○
国務大臣
(
大橋武夫
君) 警察というものを如何なる意味に理解をするか。これは
法律
案におきましてもおのずから一定の解釈があると存ずるのでございますが、普通は警察というのは国内の社会
秩序
を
維持
するために或いは社会の危害を予防し、鎮圧するために国民に対しまして権利又は自由を制限する
行為
が警察
行為
ということに相成
つて
おり、これらの禁止制限を実行するための実力行使が即ち
警察力
であると、こういうふうに
観念
されると思うのでございます。従いましてかように
観念
いたして参りますると、
保安隊
或いは
警備隊
というものは国内
治安
を
維持
するための禁止制限、これはもとより他の
法令
により、他の行政
機関
によ
つて
禁止制限は命ぜられるのでございますが、これを実力を以て強制する
機関
であるという意味においては広い意味の
警察機関
であると存ずるのでございます。但しさような広い意味の
警察機関
といたしましては、現行法上はいろいろな
機関
があると存じます。先ず第一に各省大臣というものは
法令
によりまして公益に支障のありまする事柄について禁止制限をする場合がありまするが、そういう意味におきましては、各省大臣もそれぞれ一定限度において警察
権限
を持
つて
おりまするから
警察機関
であると言えると思います。併しながら特に各省大臣によ
つて
保有されておらないところの
一般
的
権限
につきまして、国内の警察権を行使するといたしましては、今日
国家地方警察
並びに
自治体警察
というものがあるわけでございまして、これらの
国家地方警察
並びに
自治体警察
は他の
法令
をその管轄区域内において遵守せしめ、その
違反
者に対しては遵守を強制する、或いは又犯罪を検挙する、こうしたことのみを
目的
として
組織
されておるわけでございます。これらは狭義の
警察機関
であると存じますが、これらの狭義の
警察機関
につきましては、すでに警察法において
国家地方警察
並びに自治警察というものが設けられ、これらはいずれも地方自治の
観念
によ
つて
自治的に運営されるという精神を生かしまするために、公安
委員
会
制度
の下に運用されるということに相成
つて
おります。併しながらこれらの
警察力
のみを以ていたしましては、今日
我が国
内の
秩序
と平和の
維持
ということが十分であるとは認められない。これを補うものといたしまして、現在の
警察予備隊
或いは
海上警備隊
ができておるわけでございまして、これらは同じく
警察機関
ではありまするが、
一般
警察力
を補うものといたしまして特別な
組織
を持ち、特に顯著なる点といたしましては、
内閣総理大臣
の指揮
命令
によりまして動くという点において
一般
の警察とは違
つて
おるわけでございます。併しながらそれが国内において働く力というものは飽くまでも警察の
目的
に出るものではありまするから、
警察機関
の一つであるということはさような意味において言い得ると存ずるのでございます。 なおとの点を国家の
目的
という点から考えて参りまするというと、従来国家学、或いは国法学におきましては国家の基本的な
目的
ということを申しておられるようでございます。この
治安
の
目的
を達するためにはいろいろな
機関
があろうと存じまするが、曾
つて
は主たるものは軍隊と警察であると、こういうふうに考えられてお
つた
と思います。
只今
憲法上軍隊というものを禁ぜられておりまするからして、今日かような
目的
に使われるもの、即ち
治安
目的
に用いるところの国家の実力行使の
機関
といたしましてはこれを警察であると
観念
すべきものではないかと存じまするが、かような線におきましてもこの
保安庁
というものは一つの
警察機関
であるということは言い得るものと存じます。
岡本愛祐
33
○
岡本愛祐
君 たしか
警察予備隊令
の一部
改正法
律案の
審議
のときに、
治安
の
維持
ということは国家の
事務
であるか、又自治体の
事務
として、東京都では、二十三区では自治体の
事務
とな
つて
いるかという
質問
をいたしましたときに、
大橋
国務大臣
個人の御意見として、国家の
事務
とか、自治体の
事務
とか言わないで、国家の意思によ
つて
その一部を自治体に委した
事務
というようなあいまいなお答えがあ
つた
のであります。で、個人的御意見では困るので、
政府
の公権的な意見を願いたい、又の機会にお述べ願いたいということを留保しておいたのですが、その点につきまして
治安
の
維持
は国家の
事務
であるか、自治体の
事務
であるか、それをまあ東京都を例にしてお答えを願いたいと存じます。
大橋武夫
34
○
国務大臣
(
大橋武夫
君) その点は
法令
の解釈に亘りますものでございまするし、且つ
関係機関
が多うございましたので、法務総裁におきまして答弁を統一して頂きまするように手続中でございまして、いずれ法務府から統一的解釈を下しまして、閣議で相談した上でお答えをするという運びにな
つて
いるわけでございます。御了承願います。
岡本愛祐
35
○
岡本愛祐
君 そこでそれでは又法務総裁のおいでに
なつ
たときに御答弁願うことにいたしまして、第四條の
保安庁
の
任務
は国内の
治安
の警察
事務
のみならず、不幸にして外国の軍隊が日本に侵入を開始して来たときに、それに対して第一に率先してこれをかなわないまでも防ぐべき
任務
がこの
保安庁
の
任務
にな
つて
いる。即ち一番初めに国内の
治安
の
維持
ということよりも広いのじやないかと言
つた
のはそういう意味でありますが、その点はどうお考えでありますか。
大橋武夫
36
○
国務大臣
(
大橋武夫
君) 国外からの不法侵略に対しまして国土を
維持
いたしまするということは、これは当然
我が国
の平和と
治安
を
維持
する上から言
つて
必要な事柄と存じますので、当然
保安庁
の
任務
に入るものと心得ております。
岡本愛祐
37
○
岡本愛祐
君 まあそれを国内
治安
の
維持
というか、外敵侵入を防ぐ
任務
というか、私は国内
治安
の
維持
のみならず、
保安庁
の
任務
として外敵侵入を防ぐ
任務
というものがこの
法案
によ
つて
加わ
つて
来るのだ、こういうふうに思うのですが、それは国内の
治安
の
維持
にとどまらない。それは近代戰を
遂行
するに足らないと、こういうふうにみておられるのだから、負けるにきま
つて
おるかも知らんが、とにかく他の日本を助けてくれる国の軍隊が助けに来てくれるまでの間は抵抗するという
任務
が加わ
つて
おる。その点は如何ですか。
大橋武夫
38
○
国務大臣
(
大橋武夫
君) 実は私は
警察予備隊
においてすでにさような
任務
があ
つた
と、かように理解をいたしておりまするので、この度の法規によ
つて
新たに加わ
つた
ということでなく、やはり従来の
警察予備隊
の
任務
なり使命をそのまま引き継いでおる、こうい問うふうに考えておるわけでございま旧す。而してこの
警察予備隊
がさような
任務
を持
つて
お
つた
かどうかという点は、この
目的
といたしまして、第一條に
我が国
の平和と
秩序
を
維持
し、公共の福祉を
保障
するのに必要な限度内で、
警察力
の不足を補、)。こういう表現の中には、
警察力
に不足いたしておりまする実力を
警察予備隊
が備え、その実力の行使によりまして国内法上当然一つの犯罪と考えられまするような、そうして又犯罪と同様の結果を生じまするところの国内
治安
に有害な諸事象に対しては実力
行動
を以てこれを阻止する。即ち外敵の侵略に対しましても、実力
行動
を以て阻止するということが本来の
任務
の中に当然入るべきものであると、こう考えてお
つた
わけでございます。
岡本愛祐
39
○
岡本愛祐
君 私はそれは少し……、大いに無理な御解釈であろうと思うのでありまして、
任務
のところには、この
我が国
の平和と
秩序
を
維持
して行くことが以前の
警察予備隊令
には書いてない。確かに
治安維持
のためと書いてあるのであります。それから而も第一條に「わが国の平和と
秩序
を
維持
し、」とは書いてありますが、それは「限度内で、」に続くのでありまして、「
国家地方警察
及び
自治体警察
の
警察力
を補うため」ということが明らかに書いてあるので、この
警察予備隊令
では少くとも外敵侵略までは考えていない。併しこの
保安庁法
では、この第四條で明らかにこれは外敵侵入まで考えておられるのだというふうに思うのでありまして、これも意見が分れますが、私はそういうふうに解釈をいたさざるを得ないのであります。 次に進みますが、指揮
命令
系統がどうなるか。
内閣総理大臣
と
保安庁
の
長官
と
幕僚長
、その
関係
がいろいろの文句が使
つて
ありますが、非常にあいまいである。はつきり重要な点でありますからこれを御
説明
願いたいのでありまして、
保安庁長官
は、
内閣総理大臣
の指揮を受けてそして庁務について統督をする。統督というのはどういう意味か。それから第一
幕僚長
、第二
幕僚長
に対する……、
長官
の
指揮監督
は、それぞれ
当該幕僚長
を通じて行う。そういうことも甚だあいまいであります。又
幕僚長
のほうは「最高の専門的助言者として
長官
を補佐する。」というようなことも書いてあります。そこらが非常にあいまいであります。これをはつきりどういうふうな指揮
命令
系統になるか、又どういうふうなお互い の
権限
、責任になるか、それを御
説明
願いたい。
大橋武夫
40
○
国務大臣
(
大橋武夫
君)
保安庁
は
総理府
の外局でございまするから、当然
内閣総理大臣
の
指揮監督
を受け、その管轄下に入ることは当然でございます。従いまして
保安庁長官
は
内閣総理大臣
の部下といたしまして、
内閣総理大臣
の
指揮監督
を受けるわけでございます。而して庁務につきましては、これを庁務を統括し且つ
職員
の
任免
及び
服務
を統督いたすのでございますが、この統督という言葉は、国家行政
組織
法において用いられておる統督という言葉をそのまま受けたものでございます。而してこの
保安庁
長律の直接の役所というものは
保安庁
でございまするが、
保安庁
の中には
内部部局
と
幕僚監部
というものができ上つしおるわけでございます。而してこの
内部部局
及び
幕僚監部
というものは
保安隊
並びに
警備隊
の各
部隊
を
指揮監督
し、これを
管理
することが
任務
とな
つて
おるわけでございます。従いましてこの
保安隊
の各
部隊
を
指揮監督
し
管理
するということが
保安庁
という役所の全体の仕事であり、
保安庁長官
の直接の仕事にな
つて
おるわけでございます。あとの各
内部部局
並びに
幕僚監部
というものは、 これはその仕事をいたしまするに当
つて
の
職務
の分担を示す内部構造を
規定
いたしてあるわけでございまして、この内部構造といたしましては、各
部隊
に対する全体の
指揮監督
権は、当然
長官
たる
保安庁長官
の
権限
に相成
つて
おりますが、これを各
部隊
に下達いたしまするに当りましては、
幕僚長
を通じて下達するということが
規定
されておるわけでございます。即ち
部隊
の統帥についての統帥権というものは、当然
保安庁長官
が行使するわけでございまするが、その行使の方法としては、みずから直接にその名を以て
部隊
に下達するにあらずして、必ず
幕僚長
を通じて下達するという形をとる。而してこの下達されるいろいろな
命令
のうちには、
保安庁
において決定いたしましたる政策に関するもの或いは重要なる
方針
に関する
事項
があると存じます。これらは
内部部局
が参画しなければ決定できないのでございまして、その決定についての補佐権というものは、
内部部局
にあるわけでございます。そうして
幕僚監部
というものは、この
内部部局
の助、言、
監督
によ
つて
保安庁長官
の決定いたしました
方針
の大綱を実施するところの面において
保安庁長官
を補佐する、こういう考えでございます。つまり大綱的なものは
内部部局
が担当し、実施面的なものは
幕僚監部
が補佐
機関
として当たる、こういう考えでございます。而して特に
隊務
に関しまする専門的な事柄につきましては、これらの
幕僚監部
の長でありまする
幕僚長
が最高の助言者として、専門的立場からの最高の助言者として
長官
を補佐して行く。無論専門的立場から
幕僚長
が助言をいたしましたる
事項
でありましても、政策に亘るもの或いは
方針
の大綱に亘る事柄については、その採否については、当然
内部部局
が助言、勧告を
長官
のためにいたし、その決定に当
つて
は
内部部局
が補佐することは当然であると思います。そういう
機構
に相成
つて
おります。
三好始
41
○三好始君 ちよつと
議事進行
について……。先ほど
大橋
国務大臣
は、統帥権は
保安庁長官
が持
つて
おるが、それを行使するときには
幕僚長
を通じて行う、こういう意味の御
説明
があ
つた
かと思うのであります。私は統帥権というような昔使われてお
つた
言葉をこういう
法律
案の
審議
に際して使う場合には、相当確信を持
つて
使われておるのだろうとは思いまするけれども、自信のある厳格な意味でお使いになることを今後においても希望いたしたいのであります。
大橋
国務大臣
は、前の法務総裁として、こういう
法律
用語、或いは
法律
的なものの考え方には緻密な考え方をしておるから聞違いはないと思うのでありますが、私は統帥権は
保安庁長官
が持
つて
おるが、それを行使するときには
幕僚長
を通じて行うという御
説明
は相当重大な
内容
を含んでおると思うのであります。後ほど私の質疑する際に深く掘下げてお尋ねいたしたいと思いますが、用語は自信のある正確な用語としてお使いに
なつ
たものと了承いたすのでありますが、特に念のためにこの点について今後も御留意されることを希望いたしておくのであります。
大橋武夫
42
○
国務大臣
(
大橋武夫
君) 私の申上げましたのは、統帥権は
保安庁長官
において行使をする建前にな
つて
おるが、その行使に当
つて
は
幕僚長
を通じて行うことが
法律
の
規定
であると、こう申上げたわけでございます。もとより統帥権というようなものを予備隊並びに
海上警備隊
について考えまする場合には、これは当然国家の権能であり、従いまして行
政府
の首長たる
内閣総理大臣
がその権能の最上の主体となるべきものである。その行使は
保安庁長官
が行使するという建前にな
つて
おるが、行使に当
つて
は
幕僚長
を通じて行う、こういうふうに申上げたつもりでございます。
三好始
43
○三好始君 私は
質問
の時間がありませんから、
質問
はいたしません。とにかく、統帥権どいうような表現については厳密な意味でお使いになられたいということを希望しておくだけであります。
岡本愛祐
44
○
岡本愛祐
君
幕僚長
とか、それから幕僚
機関
、十八條に「
幕僚監部
」とか、「幕僚
機関
」という字句があるのですが、その幕僚というのはどういう意味ですか。幕僚
機関
……。
大橋武夫
45
○
国務大臣
(
大橋武夫
君) 幕僚というのはスタツフというのが英語でございまするが、つまり補助
機関
でありまして、そうしてその助言、勧告によ
つて
これらの
保安庁
の
権限
が行使される、こういう意味でございます。
岡本愛祐
46
○
岡本愛祐
君
只今
御
説明
のようでありますと、統帥権の行使は
保安庁長官
が
内閣総理大臣
の
指揮監督
を受けてやる。併しそれを行使するに当
つて
は必ず
幕僚長
を通じて行うと、こういう意味ですね。
大橋武夫
47
○
国務大臣
(
大橋武夫
君) さようでございます。
岡本愛祐
48
○
岡本愛祐
君 そういたしますとこの
幕僚長
の地位はよくわかるようでありながら、非常にそこに権力が集中する虞れがありはしないか。それに必ず
幕僚長
を通じて行われなければならないのでありますが、而もそこに
幕僚長
は最高の専門的助言者とこうな
つて
おりますが、そこで権力が集中をして元の軍に起
つた
ような幕僚に絶大なる権力が集まるというような虞れがありはしないか、その虞れはない用意はどういうふうにしてあるか、それを承わりたいと思います。
大橋武夫
49
○
国務大臣
(
大橋武夫
君) 誠に御尤もな御
質問
であると存じます。
幕僚長
にこの
部隊
活動についての
長官
の指揮
命令
権の行使、又
保安隊
なり或いは
警備隊
の隊員に対しまする
保安庁長官
の
命令
の下達に当
つて
は、必ずこの
幕僚長
を通ずる。のみならず専門的な最高の助言者たる地位を與える。こういうことによりましてこの
幕僚長
に
権限
が集中するということは確かに軍夫でございます。而してかような必要のありますることはこの
部隊
というものが厳格なる規律の下に一糸乱れず結束いたしまして、
保安庁長官
の
命令
が迅速に徹底的に厳守励行される。そのためにはかような一元的な統帥
機関
というものがあ
つて
、これからすべての
命令
が下達されて行く、その系統を追うて下達される。こういう
機構
にいたしますることが能率的な
行動
ということを可能ならしめる上から言
つて
必要であるとこう考えておるわけでございます。もとよりかような実力行使の
機関
が能率的に活動することは是非とも考えなければなりませんけれども、同時にそうした
機関
があ
つて
権力を集中するという場合において、その権力が不当に濫用されることによ
つて
民主政治の
秩序
というものを害し、或いは民主政治の根本を危うするということも懸念されるのでございまして、これに対しましてはおのずから他の方法によ
つて
さようなことのないようにが心がけなければならないと存じたのでございます。そこでかようなことのないようにいたしまする方法といたしまして、
幕僚長
は独立の官庁といたしてございません。これは飽くまでも
保安庁長官
の補佐
機関
の一つである、独立の
長官
たる地位を與えてないわけでございます。而してこの補佐
機関
であり、
命令
下達
機関
であるところの
幕僚長
に対しまする
長官
の
指揮監督
に当りましては、特に相当厖大なる
内部部局
というものを別に設けまして、これが
長官
の
指揮監督
についての補佐を行うということにいたしてあるわけでございます。これは即ち
次長
並びに
次長
の下にありまする官房、並びに
内部部局
、これらがそうした仕事を担当いたすわけでございます。 なおこの
幕僚長
というものは
一般
の公務員と異なりまして
特別職
であり、特に自分の
保障
ということをいたしてないのでございます。従いまして、完全なる
保安庁長官
の下に
人事
があるということによりまして、この
幕僚長
が
政府
の統制に服しないということのないような
措置
を講じてあるわけでございます。これらの
制度
の運用によりまして、御心配のような
事態
は十分避け得るものと考えております。而して又
内部部局
を真に
幕僚監部
に対しまして独立的な立場から
長官
を補佐し得るようなことのできるようにしたいという考えを以ちまして、
保安
或いは
警備官
の幹部の経歴のある者はこの
内部部局
の局長或いは課長以上の職に着くことは
法律
上制限せられている、こういうことにも相成
つて
いるわけでございます。
岡本愛祐
50
○
岡本愛祐
君 この第十條の今
内部部局
とおつしや
つた
その
内部部局
が「
保安隊
及び
警備隊
に関する各般の
方針
及び基本的な実施計画の作成について
長官
の行う第
一幕僚長又
は第二
幕僚長
に対する指示、」云々と、こうありますが、そういうところにも用意がしてあるのかどうか。基本的な実施計画の作成について指示する、その原案は各
部局
でやる、こういう意味ですか。
大橋武夫
51
○
国務大臣
(
大橋武夫
君) 基本的な事につきましてもいういろいろあろうと存じます。併しながら各般の
方針
並びに基本的な実施計画の作成ということは、これは終局的に
各局
の
任務
にな
つて
いるわけでございまして、専門的な
事項
については無論
幕僚長
が最高の助言者として助言いたしまするが、併しその助言に基いて、各般の
方針
及び基本的な実施計画が作成されまする場合におきましては、この
内部部局
が直接の補助
機関
として
長官
を補佐する。こういう考え方でございます。
岡本愛祐
52
○
岡本愛祐
君 そうでありますと、何か官房や
各局
長というようなほうが却
つて
幕僚、スタツフみたいな気がするのですが、何か
幕僚長
と、こう言うと、これは現実の作戰とか何とかということに対する補助者と、こういう意味でしようか。そこらが何かわかり切らない。今こういうことを考えると、局長や官房長のほうがスタツフみたいな気がする。
大橋武夫
53
○
国務大臣
(
大橋武夫
君) 予備隊の運営、
管理
に当りましてはいろいろな仕事が考えられるわけでございます。即ち平常業務といたしましては、隊員を採用する、これを訓練する、又これに対する
装備
、それから隊員の
任免
その他の
人事
、こうい
つた
いろいろの仕事がございます。これらの事柄のほかに、
只今
申上げましたような事柄は、
警察予備隊
、即ち
保安隊
、
警備隊
というものを一つの
組織
として作上げる、又それを
維持
して行くための必要な事柄であります。これらも勿論
幕僚監部
の援助がなければ計画が立たない事柄が多問いのでありまするが、そうした事柄につついては
内部部局
において直接に立案いたしまする場合もあれば、又
内部部局
において
幕僚監部
に命じて立案させてそれを検討するという場合もあります。或いは又
幕僚監部
が進んで立案して
内部部局
にそれを持ち込むという場合もございます。その場合において基本的な
方針
及び基本的な実施計画というような問題につきましては
内部部局
が補助者としては第一次的な責任を持つ、こういうのが第十條の
規定
なのでございます。それから
部隊
の
行動
、軍隊ならばいわゆる作戰計画という問題でございます。これは非常に専門的なものになりまするからして、当然こうした事柄につきましては
幕僚監部
といういうものが計画を立てて
長官
に助言をするということに相成りまするが、併しながらこうした
出動
の計画或いは
出動
の場合のいろいろな作戰の計画、こういうものか実施する場合においても、必ず
部隊
の
一般
的な政策或いは一 般的な
方針
というものに触れる面があり得るわけでございまして、そういう面に関しまする限りは
内部部局
が飽くまで
長官
の補佐
機関
として助言をする、こういう立場に立つわけでございます。従いまして先ほど私は統帥という言葉を申上げまして三好
委員
から御注意を頂きましたが、この
機構
におきましては曾
つて
の旧憲法時代における意味の統帥という実体はありますが、法的な意味はないわけでございます。即ち軍令、軍政を分けて、軍令について特に統帥権の独立というようなことを旧憲法時代には憲法解釈として申しておりましたが、そういう意味の統帥というものは全然ないわけでございまして、
機構
の面から申しますならば、昔の軍政、軍令というものの区別は全然ないわけであります。すべて事柄によりまして内
部局
長及び
幕僚監部
がそれぞれの助言者として
長官
を補佐して行く。そうして軍令
機関
、軍政
機関
というものが分離しておらずにこれが一体とな
つて
一元的に
部隊
の統制を図
つて
行く、こういう
機構
でございます。
岡本愛祐
54
○
岡本愛祐
君 いろいろその点についてもお尋ねしたいことがありますが、次に移りたいと思います。 この
海上公安局
には
法律
自体で、その
事務
を分掌させるために、
地方海上公安局
とか、
地方海上公安部
、
港長事務所
を置くということがはつきり書いてあるのですが、
保安庁法案
のほうには、第二十四條に、「
保安庁
に、
保安隊
及び
警備隊
の
部隊
を置く。」「前項の
部隊
の
組織
及び編成は、政令で定める。」、こういうふうに政令に委任してありまして、この重大な地方の
機関
、又附表によ
つて
その置かれる
場所
まですでにきめてありますが、それが
保安庁法案
では政令に委任してしま
つた
、これはどういう
理由
でありましようか。平仄が合わないと思うのです。
大橋武夫
55
○
国務大臣
(
大橋武夫
君) 誠に御尤もな御
質問
であると存じますが、この
海上公安局
というものは平常から行政面におきまして固有の
権限
範囲
というものを持
つて
いるわけでございます。即ち
海上公安局法
第一條に掲げてありまする事柄につきましては、これは
海上公安局
の固有の
権限
とな
つて
おり、そうしてこの
範囲
においては排他的に
権限
を行使することに相成
つて
いるわけでございます。従いましてこれは国の
行政機構
の上から一つの独立した分野を持つところの行政
機関
でありまするから、そういう行政
機関
が如何なる
組織
を持ち、如何なる配置をつされるかということは国民として当然承知して頂くということが必要でありまして、その件について国の代表者は誰であるかということを含んでいるわけでございます。勿論
海上警備隊
或いは
警察予備隊
、即ち
保安隊
、
警備隊
につきましても、固有の
権限
というものは当然あるわけでございまするが、併しその
権限
たるや平常は警察がや
つて
おることでございまして、警察の力の不足いたしました場合に、臨機に不足した地方へ
部隊
が
派遣
されて行くというような式にな
つて
おるわけでございます。従いまして
部隊
の編成なり
部隊
の所在地というものは、何ら
権限
に
関係
のない事柄でございまするので、これは
法律
にはつきりしておくことが、
海上公安局
の各
関係機関
ほど切実な
要請
はないとこう考えておるわけでございます。勿論さような点はさような点といたしましても、現実にこれが編成なり
組織
なりというものを固定いたしましてそうして
法律
で或る程度具体的に
規定
しておくということが可能ならば、これは何も可能なものをわざわざ政令に譲る必要はないと思
つて
おるのでございますが、実は現在の実情を申上げますると、
部隊
の編成というものも大体或る程度の考えはできておりまして、これはいずれ資料として近く提出いたしたいと存じておりまするが、併しアメリカから
装備
を借りておるというような状況でございまして、この
装備
の状況によりましてはその都度編成についても或る程度の修正を加える場合もあり得るわけでございまして、実は一昨年来今日までいろいろ編成
組織
というものも、その時々の実情に応じて編成をいたしております。従いまして今日の段階においてこれを
法律
ではつきりしてしまうということが、必ずしもこの
警備隊
或いは
保安隊
の
管理
の上から言
つて
適当であるかどうか疑問に思
つて
おるわけでございまして、この際は一応政令において
規定
をいたして参りたい、何分新らしい
機構
でもありまするし、
装備
をもらう予定についてもこちらの予定
通り
入
つて
来るとも限りません。いろいろそうい
つた
未定の要素がございまするために、成る程度情勢に応じて修正できるような形で定めたい、かように存じた次第でございます。
岡本愛祐
56
○
岡本愛祐
君
保安庁
の
地方機関
、これは国民の権利
義務
にそれほど大きな
関係
はないというお話でありますが、大きな
関係
があると思うのです。それは営舎の問題、それから演習場の問題もありますし、その他いろいろの
関係
が出て来るのでありまして、私は
海上公安局
の
地方機関
と同様にやはり
法律
で定めるほうが適当であると、こういうに思うのであります。次に進みまして、
附属機関
で
保安研修所
、
保安
大
学校
、
技術研究所
、この三つだけ挙げてあるのですが、この
保安
大
学校
をとりましても、こういう教育
機関
はひとり
保安
大
学校
にとどまらないで、もつと下級な
訓練機関
、養成
機関
というものがあるはずであります。そういうものをなぜ挙げなか
つた
のか。或いはそれはこの三節の「
部隊
その他の
機関
」であ
つて
、その他の
機関
の中に入
つて
おるというお考えかも知れませんが、一体この
保安隊
、
警備隊
の訓練その他教育ということは、どういうふうな
組織
でおやりになるか、一番上級がこの
保安
大
学校
で、これが
附属機関
とな
つて
おります。御
説明
願いたいと思います。
大橋武夫
57
○
国務大臣
(
大橋武夫
君)
保安隊
についての教育
施設
についての御
質問
でございまするが、
保安庁
関係
の教育
施設
殊に
保安隊
並びに
警備隊
の教育
機関
につきましては、大体二種類に分けることができるわけでございます。それはこの
保安隊
なり
警備隊
なりがそれぞれ保持するところの教育
施設
というものと、それから
保安隊
、
警備隊
が共同に
維持
して行くところの教育
施設
、こういう二
通り
に区別をいたすことができます。
保安庁法
におきましては、
保安隊
、
警備隊
が共同に
維持
するようなそうした
施設
につきましては、第二十三條の
附属機関
として挙げたわけでございます。従いましてこの二十三條の
機関
というのは、これは
保安庁長官
に直属し、
内部部局
の管轄下に属する
附属機関
でございます。このうちに教育
機関
は二つでございます。
保安研修所
並びに
保安
大
学校
でございます。このうち
保安
大
学校
から申上げますると、
保安
大
学校
というのは、これは
保安庁職員
と申しますか、
保安庁
の学生と申しますか、未だ
保安官
又は
警備官
として制服
職員
に任命されていない学主を教育する
機関
でございます。この
機関
といたしましては、曾
つて
は陸軍士官
学校
或いは海軍兵
学校
、こういうようなものがあ
つた
わけでございます。
保安庁
におきましては、
警備隊
、
保安隊
の双方の幹部要員に対する教育はできるだけこれをを一元的に行うことが政策上必要であろと、かような考えの下にこの両者を統合いたしまして
保安
大
学校
を作
つた
わけでございます。従いましてこれは
保安庁長官
直属の教育つ
施設
として無論教官、
職員
等には
保安官
或いは
警備官
を
使用
いたしまするが、併しその
管理
については
幕僚監部
の管轄下でなく、
内部部局
の管轄下に
維持
して参りたい、こういう考えでございます。その次の
保安研修所
というのは、これは
保安庁
の将来
幹部職員
となるべき者、或いは
保安隊
或いは
警備隊
の幕僚或いは高級指揮官となるべき人を養成する特別の研修
機関
でございます。(「陸海軍大学に当るものだね」と呼ぶ者あり)昔の考え方で申しますると、総力戰研究所或いは陸軍大学、海軍大学、こうい
つた
ものを統合したようなものであると言えるかも知れません。これはひとり制服
職員
の幹部要員ばかりでなく、文官と申しますか、制服外の
職員
として将来
保安庁
の幹部となるべき要員をも併せて教育をいたしたい、こういうふうに考えております。従いましてこの研修所というのは、これは再教育
機関
でございます。それからこの二つが
保安庁
直属の
機関
でございますが、その他の種類といたしましては
警備隊
、
保安隊
それぞれにその
職員
の養成の
機関
を持
つて
おります。これらの
機関
はいずれもすでに
保安官
或いは
警備官
として任用されました者を教育するということにな
つて
いるのでございます。これは士補の訓練をするものから又幹部の訓練をする
機関
、又再教育の
機関
、こういうふうに いろいろに分れているわけでございまするが、現在どの程度の教育
施設
があるかということにつきましては
政府委員
から申上げることのお許しを願いたいと思います。
江口見登留
58
○
政府委員
(江口見
登留
君) 現在予備隊として開校されております
学校
は五つほどございます。その一つは久里浜にございます総隊
学校
であります。これは幹部の養成及び幕僚勤務要員の教育を
目的
としております。その二つは、やはり千葉県の習志野に設立いたしました特科
学校
でございます。これは小口径の火器、或いは中口径の火器の幹部及び士補に対しそれらの点についての基本教育を施す
学校
であります。その三は、茨城の勝田に設置いたした
施設
学校
でございます。これは幹部及び士補等に対し
施設
業務に必要な技能を修得させることにしております。次に、最近開校いたしましたのが二つございます。一つは普通科幹部及び士補の養成及び基本教育を
目的
とした総隊普通科
学校
でございます。これは久留米に置いてございます。それから
武器
科の幹部及び士補の基本教育を
目的
とした
武器
学校
を立川にそれぞれ設立いたしております。将来そのほかに、現在
学校
と申さずに講習的な
内容
を持ちましたコースの
学校
式のものを持
つて
おりますが、それからももう少しはつきりしたものにして
施設
も充実して行きたい、かように考えております。その中身は多分通信
学校
、或いは衛星
学校
、或いは補給
学校
とか輸送
学校
、
学校
と申しますか、講習会と言
つて
もよろしうございますが、それが二十五條に
規定
されております「
訓練施設
その他の
所要
の
機関
」に該当するのであります。
岡本愛祐
59
○
岡本愛祐
君
保安
大
学校
というのは何人ぐらい常時入れるのですか。それから
保安研修所
というのはどのくらいの人数を常時教育するのですか。これは何カ月ぐらいですか。
大橋武夫
60
○
国務大臣
(
大橋武夫
君) 実は
保安
大
学校
は今作るという
方針
はきめましてどういうふうに、これをやるかということにつきましては細目を研究いたしているのでございます。大体の考え方といたしまして高等
学校
を卒業いたしました者を競争試験の上入校を許しまして教育
期間
を四年間ぐらいにいたしたい。このうち一年程度を予科的な仕事にいたしましてそうしてあとの三年ぐらいを第一部第二部ぐらいに分けてみたい。これは即ち
保安隊
の幹部要員の教育を専門とする部、
警備隊
の幹部要員の教育を専門とする部とこの二部に分けて参りたいと思
つて
おります。校長は
保安官
或いは
警備官
でない者を任用いたして参りたいと思いますが、併し部長としましては
保安官
或いは
警備官
を以て当てるようにいたしたい。この科目といたしましては、従来の陸海軍の教育というものの弊害などを十分に研究いたしました上で、或る程度普通の常識を涵養するような、そうした面を相当力を入れて参りたい。無論専門的な
事項
につきましても遺憾なきを期して参りたいと存じております。收容力というものはまだ校舎の
施設
等もきま
つて
おりませんので、はつきりした百度を立てるところまで至
つて
おりませんが、併し何分にも将来の幹部というものは
原則
としてこの大
学校
を卒業したものから任用するようにいたして参りたいと、こういうふうに考えておりますから、毎年数百名を入れるというふうにしなければなるまいと思
つて
おります。併しその数等はなお研究中でございまして、はつきりしたお答えを申上げかねるのでこぎいます。
岡本愛祐
61
○
岡本愛祐
君 民間で言われておるところでは、今の
警察予備隊
を将来だんだん拡充して行かなければならん、それにはどうしても幹部の養成が必要であるから、この
保安
大
学校
において世時非常な多くの学生を養成して、いつでも拡張ができるようにするのだというようなことが言われておるのであります。つまり十二万近くの予備隊員並びに
警備隊
員に対しまして、常時どのくらいの数を大学で養成するか、それをお聞きしておるのであります。数百名ということはないだろうと思いますが、如何ですか。
江口見登留
62
○
政府委員
(江口見
登留
君) 大体今のところでは三百乃至五百ぐらいになるのではないかと思
つて
おります。毎年入れます分が……。但しこれは幹部の将来の消耗率と申しますか、やめて件く率とか或いは
停年制
の問題とか、いろいろ先のことを考えながら勘案しみければなりませんので、一定の人数を毎年同じように採用するのだというふうな計算はなかなか出にくいのでございまして、今申上げました見当で行けば、大体将来の幹部が賄えるのではないかと、かように考えております。
岡本愛祐
63
○
岡本愛祐
君 そうすると四百名として四年間ですから、千六百名程度が常時いる。こういうことになるわけですね。
江口見登留
64
○
政府委員
(江口見
登留
君) 四年目にはそうなろうかと思います。
岡本愛祐
65
○
岡本愛祐
君 ついでに
保安研修所
のほうをもう少し詳しく御
説明
願いたい。
江口見登留
66
○
政府委員
(江口見
登留
君)
保安
大
学校
につきましては大体構想をまとめつつあるのでございますが、
保安研修所
につきましては、こういうものが必至であるということ、たけを考えまして、この
法案
にも盛込んであるのであります。ここに收容いたしまする員数の点、例えば
保安官
或いは
警備官
が何名、その他の
職員
を何名ぐらい入れるようにしたらいいか、或いは訓練
期間
を半年がいいか、十カ月がいいか、一年がいいかというような点は、今後もう少し研究した上で固めて参りたいと、かように存じております。
岡本愛祐
67
○
岡本愛祐
君 それではついでに、地方
部隊
が駐屯する
場所
を政令できめられている、その
概要
を御
説明
願
つて
心きたい。或いは又その総嫁本部、そういう
組織
、管区本部、方面管区本部、それはどういうふうになるのか、それを
説明
して頂きたい。
大橋武夫
68
○
国務大臣
(
大橋武夫
君) 大体先般御制定を願いました
警察予備隊令
の
改正法
律案によりまして十一万人の増強をいたすことに相成
つた
のでございますが、この十一万人といたしましては現在の
保安庁法
が施行になりまするというと、現在の総隊総監部というのは当然第一幕僚部として
保安庁
自体に吸收されて解消いたします。併しながら現在総隊総監部の直属
部隊
というものがございます。この直属
部隊
には二
通り
ございまして、総隊総監部のいろいろな
事務
に従事する者を集めまして一つの
部隊
とな
つて
おりますが、これはそのまま
保安庁
の中に吸收され、
保安庁
直属の附属
部隊
として残
つて
行くと存じます。そのほかには
地方機関
とそのほかのものは全部所属
部隊
に相成るわけでございますが、所属
部隊
といたしましては大体現在では二
通り
に分けることができます。一つは総隊総監部の直属
部隊
及び直轄
学校
でございます。先ほど申上げました
学校
はいずれも総隊総監部の直轄
学校
、現在五校、なお数校計画中のものがございます。これらの
学校
は
保安庁
の第一
幕僚長
の管轄下の直轄
学校
ということに相成るわけでございます。それからそのほかに直属の
部隊
というものがございます。直属
部隊
といたしましては通信
部隊
、補給
部隊
、こうい
つた
ものがございます。これは補給所或いは通信所というようなものを
維持
、
管理
する
部隊
でございます。これらも第一
幕僚長
の管轄下の直属の
機関
として残るわけでございます。そのほかは
地方機関
に相成るわけでございますが、
地方機関
といたしましては現在はございませんが、十一万の増員に伴いまして近く北海道に方面総監部というものを設けたい、こう考えております。これは札幌に総監部を置くようにいたしたいと存じます。で、その直属
部隊
ができるわけでございますが、総監部直属
部隊
は主として北海道にできることに相成ります。この北海道におきまする方面総監部は北海道方面の予備隊の
事務
を担当するということに相成りまして、その令下に現在ありまする第二管区総監部というものが所属いたすことに相成るのでございます。この第二管区総監部所属の
部隊
は現在北海道及び東北の北部三県に所在いたしております。これらは後に印刷によ
つて
差上げたいと存じます。それから東北の南三県から関東及び中部これを所轄いたしまするものとして第一管区総監部、これは東京に総監部を置いておるのでございます。それから第三管区総監部は兵庫県の伊丹に総監部を置いておりまするが、これが大体近畿、山口県を除きました中国及び四国に所属
部隊
を配しております。山口県及び九州につきましては福岡県の福岡に第四管区総監部というものを置いております。これらの所属
部隊
は非常に多数に相成りまするので印刷をして差上げたいと存じます。
岡本愛祐
69
○
岡本愛祐
君
警備隊
のほうはどういうふうになりますか。この第二幕僚部のほう……。
柳澤米吉
70
○
政府委員
(柳澤米吉君)
警備隊
のほうは現在は東京に総監部を置いております。そのほか地方監部といたしましては横須賀に一カ所、そのほか将来におきましては近く舞鶴、佐世保等に置きたいというふうに考えております。基地その他の
施設
の
関係
でまだきま
つて
おりませんのですが、なお呉、及び大湊という所がございます。以上が大体今後にできまするであろうところの地方監部でございます。
岡本愛祐
71
○
岡本愛祐
君 それではそれを表で詳しく出して頂きまして、なお念のために聞いておきますが
保安
大
学校
というのは一校ですか。どこに置きますか。
大橋武夫
72
○
国務大臣
(
大橋武夫
君)
保安
大
学校
は今計画いたしておりますが、これは校にいたしたいと思います。そうしてそこで
警備隊
、
保安隊
双方の幹部候補生でございますから、これは同じ一校で教育する、こういうふうにいたしたいと存じております。
場所
といたしましてはできるだけ東京
附近
にいたしたいと思
つて
おります。建物等できるだけ既設のものを利用したいと思
つて
おりますので、今折角探しておる次第でございます。
岡本愛祐
73
○
岡本愛祐
君
保安研修所
はこれは東京ですか。それからもう一つ
技術研究所
、これも東京ですか。
大橋武夫
74
○
国務大臣
(
大橋武夫
君) どちらも東京のつもりでおります。
岡本愛祐
75
○
岡本愛祐
君 では次に移りまして、ずうつと飛んで六十七條について
質問
をいたしたい。これは「
部隊
が
行動
する場合には、当該
部隊
及びその
行動
する区域に
関係
ある
都道府県知事
、
市町村長
、
警察機関
その他の国又は
地方公共団体
の
機関
は、相互に緊密に連絡し、及び
協力
するものとする。」こうありますが
海上公安局法
の第十條を対比してみますと、そのほうでは第三項に「第一項の
規定
により
派遣
された
職員
は、その
派遣
を求めた行政庁の指揮に受けなければならない。」そういうふうに指揮者がちやんときめてあるのです。この六十七條の場合にこの主体は
部隊
が主体であるから
部隊
のそこの隊長といいますか、それが指揮官になるのか、中心はそれが皆中心にな
つて
そうして指揮連絡をするのであるか。どういうふうにな
つて
いますか。
大橋武夫
76
○
国務大臣
(
大橋武夫
君)
部隊
につきましては
部隊
内の
規定
によりましておのずから指揮官というものが定ま
つて
おります。従いまして
部隊
はその定められた指揮官、これは最上級者は当然
幕僚長
になるわけでございます。この指揮官からの系統を持
つた
指揮に従わずして
行動
するということはあり得ない建前に相成
つて
おるのでございます。併しながらこれらの
保安隊
の
行動
というものが他の
機関
と非常に
関係
がございまするので、指揮官が指揮をいたすに当
つて
、将来の
行動
の予定について
地方機関
と相互に情報を交換し或いは協議をするということは、これは当然あるべきことと考えられますので、そのことを六十七條で互いに連絡し
協力
すると、こういうことで
規定
をいたしたわけでございます。従いまして指揮系統がどうなるかというような点は全然触れておりませんし、
警察予備隊
の指揮系統というものは飽くまでも
保安庁法
の
規定
する指揮系統が如何なる場合においても
維持
される、と同時にこの
保安隊
の指揮官が他の
関係機関
を指揮するということは如何なる場合においてもあり得ない、こう考えております。
岡本愛祐
77
○
岡本愛祐
君 そういたしますとこの
協力
を求められた
機関
は独自の判断において口分で
協力
して行く、こういうふうになりますか。
大橋武夫
78
○
国務大臣
(
大橋武夫
君) その
通り
でございます。
岡本愛祐
79
○
岡本愛祐
君 六十一條に帰りますが、「
内閣総理大臣
は、
非常事態
に際して、
治安
の
維持
のため特に必要があると認める場合には、
保安隊
又は
警備隊
の全部又は一部の
出動
を命ずることができる。」こうあるのですが、これは非常の
事態
ということが一つの條件、
治安
の
維持
のため必要であるということが一つの條件、特に必要があるということが一つの條件、こういうふうに見られるのであります。そこで
非常事態
というのは誰がどうしてきめるのか、これと警察法の国家
非常事態
の宣言とどういう
関係
になりますか。
大橋武夫
80
○
国務大臣
(
大橋武夫
君) 用語といたしましては警察法の
非常事態
も六十一條の
非常事態
も同じ意味であると存じますが、六十一條に
規定
いたしましたる
趣旨
は
保安隊
或いは
警備隊
は
非常事態
でなければ
出動
しない、そうしてその
非常事態
において
治安維持
のためにでなければ
出動
しない。而して
非常事態
に際して
治安維持
のためであると言
つて
も、普通警察が処理し得るような
事態
であ
つた
ならば
出動
をしない。
非常事態
であり、
治安
の
維持
ということが普通の
警察力
によ
つて
処理できないという場合において、特に
保安隊
、
警備隊
が
出動
しなければならん場合、そういう場合においてのみ
内閣総理大臣
が
出動
を命ずるという
趣旨
を明らかにいたしたわけでございます。従いまして
非常事態
でありましても警察法の
規定
によ
つて
処理できる程度でありまするならば、そして又それが処理できるという見通しがありまするならば、
内閣総理大臣
は
出動
を命ずることはないわけでございます。放置しておいては
警察力
だけではどういう重大なことになるかもわからない、これはどうしても
保安隊
を応援に出さなければならんというそういう場合にだけこの
出動
をするという
趣旨
に考えてかような
規定
を設けた次第でございます。
岡本愛祐
81
○
岡本愛祐
君 そういたしますと、この六十一條は警察法の第七章の国家
非常事態
の特別
措置
とは違うのだ、それも含んでいるかも知れんが、それと違
つて
総理大臣が軍に
非常事態
と認めたとき、こういう意味ですか。
大橋武夫
82
○
国務大臣
(
大橋武夫
君) そういうわけでございます。従いまして普通
非常事態
と誰も認めまする場合でも、
非常事態
であ
つて
も、普通警察が努力すれば処置できるという場合には、警察法の
非常事態
宣言もない場合があろうと思います。又公安
委員
会において宣言を助言し
内閣総理大臣
が宣言するという場合もあると思います。多くの場合においてはそうした処置のあとに
保安隊
の
出動
が命ぜられるということが
事態
の発展の段階から言えば当然であろうとは思いますが、併し
非常事態
宣言を行
なつ
たところで、到底この
事態
は
警察力
だけでは処理できないだろうという見通しがあらかじめついておりまする場合においては、
非常事態
宣言がなくして
内閣総理大臣
が
出動命令
を出すということも当然考えられることでありまして、それは
事態
に応じて
内閣総理大臣
が適切に判断をいたす、こういう建前にな
つて
おります。
岡本愛祐
83
○
岡本愛祐
君
非常事態
宣言のときは、
自治体警察
であろうと又それに
協力
する各種の
機関
は皆総理大臣の管轄下に入るのでありますが、この六十一條はそういう場合のほかに総理大臣が
非常事態
と、こう認めた場合、それでまあ
治安維持
のため特に必要であるという場合に限るということで、それではそういう場合には
協力
団体は総理大臣の指揮下にも入らない。又
従つて
保安隊
の指揮下にも入らない、こういうふうつに認めていいのか、もう一度その点念をおして置きたい。
大橋武夫
84
○
国務大臣
(
大橋武夫
君) その
通り
でございます。
岡本愛祐
85
○
岡本愛祐
君 五十七條の私企業からの隔離の問題であります。二項に「
職員
は、その離職後二年間は、営利を
目的
とする会社その他の団体の地位で、離職前五年以内に従事していた
職務
と密接な
関係
のあるもので
総理府
令で定めるものについてはならない。但し、
総理府
令で定める基準に従う
長官
の許可を受けた場合には、この限りではない。」こういうふうに
規定
してあるのであります。これは
職員
全員を通ずる問題であろうと思うのでありまするが、それと五十八條の「
職員
は、報酬を受けて、第五十五條第二項に
規定
する国家
機関
及び
地方公共団体
の
機関
の職並びに前條第一項の地位以外の職又は地位につき、あるいは営利企業以外の事業を行う場合には、」云々と、こういうことが書いてあります。これは非常に適当でありますが、少し酷ではないかということにも見えるのですがその点を御
説明
願います。
江口見登留
86
○
政府委員
(江口見
登留
君)
只今
の御
質問
に酷ではないかという御意見が出たのでありますが、多少そういう考え方もできないではないと存ずるのでありまするが、併し
一般
の国家公務についてこういう
規定
がありまするのを、
保安庁
の
職員
だけに適用しないという又積極的な
理由
も甚だ探しにくか
つた
のでございまして、国家公務員にこういう同じような
規定
がありますので、これを予備隊の
職員
にも適用しようという考えを固めました上で、この條文を入れて御
審議
を願
つて
おる次第でございます。
岡本愛祐
87
○
岡本愛祐
君 国家公務員は長く勤めることが根本です。これは二年間というようなことなんです。私もこれか制限できれば非常に結構だと思うが、何だか二年間勤めてお
つて
、五年間をやつちやいかんというようなことは非常に酷のように思います。
江口見登留
88
○
政府委員
(江口見
登留
君)
只今
二年間というお話がありましたが、二年間の契約で
任用期間
をきめられて入
つて参
ります者につきましては、大体警査長以下がその大部分でございまして、その離職前五年以内に従事していた
職務
と密接な
関係
があるような地位に恐らくついたことはないだろうと考えられます。私が
只今
申しましたのは大体
幹部職員
についてこういう
事態
が発生するのであろうから、
一般
国家公務員と同じような
規定
をここに盛り込んだということを申上げた次第であります。
岡本愛祐
89
○
岡本愛祐
君 それではついでに、続けて
質問
をやれという地方行政のかたのお話ですから続けてやることにいたします。大体
保安庁法案
のほうはそれくらいにしておきまして、いろいろまだあります、細かい問題についてお尋ねしたいことがいろいろありますが、
内閣委員
会で又や
つて
頂き、又別に機会があ
つた
ら又繰返すことにいたしまして、今度は
海上公安局法案
のほうでお尋ねしたいと思います。 先ず第一條の第一号に、「
海上
」と書きまして「別に
法律
で定める港の区域を含む。」こうあります。どういうふうな港になるのか。で、これは
自治体警察
、又は
国家地方警察
との
関係
はどうなのか、あとにもこの問題が出て来て、その
職権
を奪うというものではないという
規定
もありますが、その
関係
を御
説明
願いたいと思います。
柳澤米吉
90
○
政府委員
(柳澤米吉君) 第一の「別に
法律
で定める港の区域を含む。」というようにな
つて
おりますが、この港というのは港域法で定められました港について、その港を含む、こういう意味でございます。
岡本愛祐
91
○
岡本愛祐
君 そういたしますと、その港を管轄しておる
自治体警察
又は
国家地方警察
、それは十八條の
規定
によ
つて
警察官
又は警察吏員が
海上
において、犯罪の予防、鎭圧及び捜査並びに犯人又は
被疑者
の逮捕の
権限
を行使することを排除するものと解釈してはならない。」この
規定
かあるのてす、そういたしますと、この
海上
並びに港湾におきまして
自治体警察
は今まで
協力
してといいますか、
海上
保安隊
と
協力
して犯罪の捜査、検挙をいたしてお
つた
のですが、
国家地方警察
のほうは今までできなか
つた
。それを今度は国家警察のほうもや
つて
いいということになりますか。
柳澤米吉
92
○
政府委員
(柳澤米吉君) 今までは
海上
におきましての取締り等は
海上保安庁
で殆んどや
つて
お
つた
のでございますが、事実上公共団体におきまするところの
自治体警察
におきましては、大体港域法で定められた港の
範囲
、或いはその
附近
におきまして協定によりまして犯罪の捜査その他をや
つて
お
つた
のでございます。今回の十八條によりまして、この法文によりますると、国家警察においても沿岸
範囲
には出で得るということになるわけです。併しながら実際問題といたしまして自治警察におきましては、すでに
船舶
施設
その他を水上警察の一部として持
つて
おる。併しながら
国家地方警察
においてはそういう設備が未だない、
従つて
大体におきまして
海上
におきますものはその
施設
のありまする
海上保安庁
において大体行うのではないかというふうに考えておりますが、財政が許し、そのほうが便利だということになりますれば、或る程度そういうように行くということは考えております。
岡本愛祐
93
○
岡本愛祐
君 従来その点いろいろ
質問
して来たのですが、これまでは
国家地方警察
のほうは
海上
に対して管轄がありながら実際
行動
ができないように制限されてお
つた
。併しもう総司令部もいないし、この
法律
によ
つて
十八條の
規定
もあるんだから財政力が許せばそれでは
国家地方警察
のほうも
海上公安局
のほうと
協力
して
海上
のほうをどんどん警備する、そういうことにして行
つて
いいのですね。
柳澤米吉
94
○
政府委員
(柳澤米吉君) お話の
通り
でございまするが、実際問題といたしまして日本の財政を考えまするときに、
海上
におきまする警備の力、
警察力
というようなものにつきまして、二分或いは三分いたしまして、経費のかかる
船舶
その他を持つというこには相当不経済ではないかというふうに考える。従いましてそういう
事態
がどんどん進行して行くかどうかということに疑問がある。併し一面例えば非常に海のすぐそばで、沿岸に近いところでいろいろな問題が起きたというときに、国家警察等が出られないということも非常に不便ではないかというとことで、今までの不便を除去する意味におきましてこういうふうにいたしたわけでございます。従いまして御
趣旨
のようなことは、どんどんな
つて
行くかという問題につきましては、現在の財政状態を勘案いたしまして、便宜にそういうふうにしたのでございまして、実際問題としてそういうことが起るかという問題につきましては、なおいろいろ議論のあることとかように考えております。
岡本愛祐
95
○
岡本愛祐
君 第一條の八号に書いております「前各号に掲げるものの外、
海上
における公共の
秩序
の
維持
」というのにはどんな例がありますか。主なものを挙げておいて頂きたい。
柳澤米吉
96
○
政府委員
(柳澤米吉君) 第八号につきまして、「
海上
における公共の
秩序
の
維持
」というようなことでございますが、これは例といたしましては漁民の紛争というようなことがございました場合、或いは
船舶
のうちに不穏の状況が発生して急を要するというような場合に、これに必要な警告を発したりすることであります。
岡本愛祐
97
○
岡本愛祐
君 この元のまあマツカーサー・ラインがなくな
つて
、そうしてその方面にどんどん出漁をしてくそうすると中共とかソウイエトの近くでまあいろいろ紛争が起る。そういうときには勿論これに当るのであろうと思いますが、無線電信があればすぐこれは驅けつけて行くということになりますか。
柳澤米吉
98
○
政府委員
(柳澤米吉君) 今までの例から申しますと、大体漁船の拿捕という問題でございます。こういう問題につきましては監視船がおりますところで拿捕された例は殆んどない。従いまして監視船が若し出ておれば、その区域内において拿捕されるということは先ずないのではないかというふうに考えております。
従つて
我々のほうといたしましては、現在の状況から判断いたしまして、できるだけ監視船を出しまして、漁船の
行動
その他を
保護
する上において見るということが最も大切なことではないかというふうに考えている次第であります。
岡本愛祐
99
○
岡本愛祐
君 そういうところで紛争が起れば、まあ監視船がおれば起らんと言
つて
も、起るときもあるだろうと思います。又そういう見えないところに相当近くにお
つて
、そうして無線電信ですぐ助けに来てくれというので駆けつけたというときに、不法、だと思えばこれは大砲を打つことになるだろうと思いますが、その動きはどういうふうになりますか。
柳澤米吉
100
○
政府委員
(柳澤米吉君) 現在のところ私たちが考えておりまするのは、先ほど申上げました
通り
監視船がおりますところで拿捕事件が起きたことがございませんから、大体監視船が
海上
におりますれば、そういう事件は先ず現在のところ起らないのじやないかと考えております。併しお説の
通り
にそういう
事態
が或いは起るかも知れないということを予想されないこともございません。そういう場合が起りました場合にも我々のほうといたしましては、その監視船がすぐ駈けつけて行きまして、そうしてその状況がどういう状況であるか、こちらが不法を侵しているのかということをはつきり認識する、と同時に向うに対しまして紛争を起さないような処置をできるだけとるということで解決したいとかように考えております。
岡本愛祐
101
○
岡本愛祐
君 なかなかむずかしい……。まあそのくらいにいたしておきましよう。 それから第十二條でこれはもとからの
規定
ですが、お尋ねしておきたいのです。今までどうな
つて
おりましたか、立ち入りですが、
法令
の
違反
を
防止
し、又
人命
若しくは
財産
を
保護
するために必要があるときには
船舶
に立ち入り、積荷なんかの物件を検査をする、又
質問
することができるということが書いてありますが、前にもあ
つた
と思いますが、そういうときにその船が拒んだらどうなるかということを
海上保安庁法案
審議
のときに尋ねたことがあるのです。その後はこれはどうな
つて
おりますか。つまり拒まれた、その立ち入りは困ると言
つて
向うが拒んだときにどうなりますか。
柳澤米吉
102
○
政府委員
(柳澤米吉君) 実際に現行犯その他の場合にはこれは実行できると思いますが、そうでない場合に犯罪等に
関係
のない場合に、拒まれるとこれは処置なしというふうに考えております。
岡本愛祐
103
○
岡本愛祐
君 この前のときにそれはいけるのだというお話で、それはいけないのだというので憲法論をしたのでありますが、今そういうふうにいけないのだ、こういうふうに認識して頂いておればそれでいいと思います。これはいいのだという解釈だと又議論をしなければならないと思うのです。まあ大体そういうことで
質問
を終ります。
河井彌八
104
○
委員長
(
河井
彌八君) 次は若木君に御
質問
を願います。
若木勝藏
105
○若木勝藏君 前に
海上保安庁法案
の一部改正並びに
警察予備隊
の
法律
に関する場合に私は
質問
したのでありまするが、その際には
海上保安庁
の方面からいわゆる
保安庁
のほうに
警備隊
として移管された場合に、
海上保安庁
にあ
つた
場合と性格が違うか違わないか、こういうことの
質問
に対しまして村上運輸大臣は変る、或るものはプラスされるというふうな答弁に対しまして、
大橋
国務相は性格は変らない、こういうふうな食い違いがあ
つた
のでありまするが、 〔
委員長
退席、
内閣委員
会
理事
中川幸平君
委員長
席に着く〕 今回いよいよ
保安庁法案
が出て参りまして、この
法案
を見ますというとその点について私ははつきりしたものが見られるのであります。先ず第四條の
保安庁
の
任務
のところになるのでありまするが、警察法におきましてはこれは警察の責務を決定しておると同時に、活動の限界を示してある、御承知の
通り
憲法の
保障
する個人の自由及び権利の干渉に亘る等権能を濫用することをしてはならない。こういうふうにして限界を示してある。それから更に
警察予備隊令
について考えて見まするに、これは明らかに
国家地方警察
並びに
自治体警察
の
警察力
を補うためにあるものであるということを明示しておるのです。同時にこの
任務
といたしましては警察の
範囲
に限る、これも警察法と等しくその点ははつきりしておるのであります。ところが今回のこの
保安庁法案
を見ますというと、第四條の
任務
のところでは何らそういう方面に触れておらない、そうして特別必要の場合においてするところの
行動
を、
部隊
の
行動
を
管理
する云々とこういうふうに出ておるのであります。そういう点からこれは明らかに性格が
警察予備隊
あたりと違
つた
ものでないか。こういうことを私ははつきり見ておるのでありますが、その点について伺いたいと思います。
大橋武夫
106
○
国務大臣
(
大橋武夫
君) その点につきましては本日最初に
岡本
委員
から同様の御
質問
を頂いた次第でございますが、
警察予備隊令
におきまして警察の
範囲
内に限る、個人の権利又は自由を不当に制限してはならないという
規定
があ
つた
のを今回は除いております。この点は確かにそうであります。併しこれを除きました
趣旨
は
警察予備隊
の根本的な性格をこのたび拡張しようという
趣旨
で除いたわけではないのでございまして、
警察予備隊令
におきましては権能の濫用の制限ということについて抽象的な
規定
をいたしておりまするが、併しこのことたるや国民の権利に非常に重大なる
関係
のあります事柄でありまするから、立法といたしましてはむしろより具体的詳細にどれだけの
権限
が行使できるかということをはつきり
規定
するほうが適当であるとこういうふうに考えた次第なのであります。従いまして
保安庁法
におきましては特に第六十八條以下に隊員の
権限
に関する詳細なる
規定
を置きまして
権限
の濫用の起らないような
措置
を講じました結果、
警察予備隊令
の
関係
の條文は排除しても差支えない、むしろこのほうが法規としては完全であるこう考えてかようにいたしたわけでございます。 それから
警察力
の不足を補うためのものであるということが
警察予備隊令
の第一條に書かれてあるのでございまするが、この点につきましても單に抽象的に
警察力
の不足を補うのであるということを
規定
するのみでは十分でないので、むしろ如何なる場合に如何なる手続によ
つて
出動
するか、そうしてその場合において如何なる
権限
を行使するかということをはつきり
規定
したほうが適当であろう。 〔
委員長
代理中川幸平君退席、
委員長
着席〕 即ち第四章第一節には
行動
に関する
規定
、第二節には
権限
に関する
規定
、こういうものを掲げまして、
出動
する場合の
内容
を具体的に
規定
いたしますると共にその際の手続を
規定
する、又先ほど申しました
通り
出動
の際における
権限
を具体的詳細に
規定
する。こういう方法によ
つて
本来の性格を法的に明らかならしめたい。こういう
趣旨
でや
つた
わけでございます。従いまして立案者の考え方といたしましては、
警察予備隊
に新たなる使命を附加するということではなくして、むしろこれを具体的詳細にすることによ
つて
本来の
目的
使命を一層明確ならしめたいとこういう意図に出でた次第でございます。
若木勝藏
107
○若木勝藏君 誠にこの
行動
の部面において示したほうがいいというふうな巧みなる御答弁をされております。併しその第四條の基本的なところにおきまして、それをはつきり入れるのが一体立法の建前じやないか、あと
行動
云云というふうないわゆる末節の方面におきまして書かれておるからしてこの問題は解決しておると、こういうふうに私は考えられないと思うのであります。何故に一体警察法においても、或いは予備隊令においてもああいうふうに明確に表わして、なお更に
行動
面についても巨細なく亘
つて
おるのに、この
保安庁法案
においてはそれを示さなか
つた
のか。この点について私は今の御答弁についてはまだはつきりしなか
つた
が、この一点をもう一遍お伺いしたいと思います。
大橋武夫
108
○
国務大臣
(
大橋武夫
君) 第四章第一節及び第二節全体を検討いたしまするならば、従来の性格がより一層はつきりする、又立法としてはこのほうが適切であろうと、こう考えた次第であります。
若木勝藏
109
○若木勝藏君 そうしますというと今の御答弁では、これは
警察予備隊
、そういうものと何ら変りないもので、ある、この点を主張されるわけでありますか、この点を伺います。
大橋武夫
110
○
国務大臣
(
大橋武夫
君) 根本の
任務
、
目的
は全く
警察予備隊
のものをそのまま引継いでおる、こう考えております。
若木勝藏
111
○若木勝藏君 そういたしますと、先ほど
岡本
委員
に御答弁になりました、いわゆる
出動
の場合でありまするが、
非常事態
においてこれは更に首相の考え方によ
つて
、判定によ
つて
出動
する場合がある、こういうことを附加されて来ることがありますと、これは従来の
警察予備隊
、そういうものとは著るしく変
つて
来るのではないか、こう考えるのでありますが、この点について……。
大橋武夫
112
○
国務大臣
(
大橋武夫
君)
警察予備隊
におきましても、
内閣総理大臣
が特に必要ありと認めました場合に
出動
するという
規定
をいたしておるわけでございます。その
出動
いたす場合については、今回は
非常事態
に際して
治安維持
のため特に必要があると認める場合には
出動
を命ずる。この点は従来の「
治安維持
のため特別の必要がある場合において、
内閣総理大臣
の命を受け
行動
する」という場合と表現は同様でございます。そうしてその場合の
権限
といたしまして、
警察予備隊
の活動ば警察の
任務
に限られる、
権限
の濫用はいけないという
趣旨
が書いてございまするが、この点は今回は特に第六十八條以下多数の
規定
を設けまして具体的詳細に
規定
をいたしておる、こういう次第でございます。
若木勝藏
113
○若木勝藏君 そこで私は最後にこの問題について伺いたいのは、又
警察予備隊
は軍隊であるかどうかということは随分論議されて両論にな
つて
おるのでありますけれども、
警察予備隊
の場合は国家警察並びに
自治体警察
の
警察力
を補うというふうな点がまだありまするけれども、今度の
保安隊
の場合においては、全くそういう基本的な重要なことが謳われておらない。そういう点から考まて、いよいよこれはいわゆる軍隊的な性格がはつきり出て来たのであります。言い換えれば憲法の九條の「その他の戰力」ということに該当することがいよいよはつきりして来たのじやないかと思うのでありますが、その点如何ように考えておられますか。
大橋武夫
114
○
国務大臣
(
大橋武夫
君) 従来から
警察予備隊
は
我が国
の平和と
秩序
を
維持
し、公共の福祉を
保障
するに必要な限度内で、
警察力
を補う。こういうふうに
規定
をいたしてあるわけであります。今回もこの
保安庁
の
任務
といたしまして
我が国
の平和と
秩序
を
維持
し、
人命
、
財産
を
保護
するために特別な必要ある場合において
行動
する
部隊
を
管理
する。こういうふうに
規定
をいたしてございまするから、この点は何ら従来のものが拡張せられたわけではないわけであります。強いて仔細に分析いたしてみまするというと、或いは第四條と従来の第一條とを比べまするというと、
警察力
の不足を補うためにということが第一條に従来は書いてある。これが今回は書いてないわけでありますが、従いまして
警察力
が不足して、おらんのにもかかわらず
出動
する場合があるということが言
つて
言えないこともございませんが、併しその
出動
る場合は、特に先ほど申上げましたるごとく、第四章に如何なる場合に如何なる手続で
出動
するかということを明らかにいたしてありまするから、その
出動
する場合を見れば、これはおのずから
警察力
不足の場合に、それを補うために
出動
する場合に限られるということがおのずと判然いたすと考えられる。こういうように考えておるわけでございまして、私どもの意図といたしましては予備隊に何かプラスしようというふうな意図は毛頭ないわけであります。
若木勝藏
115
○若木勝藏君 そういうふうな意図であるならば何故に第四條においてそういう点を明らかにしないかというのです。私はそこで明らかにしない末節の方面で
行動
の方面でこうだということにやりますと、根本が食い違
つて
おるのたからして、これはあなたがおつしやるような立場で
警察力
の不足を補うというような立場でなしになし得る可能性が出て来るのでありますが、いわゆる軍隊的に扱われるという可能性が大きくな
つて
来る、そういうふうに思うのであります。何故に一体そういうふうな意図があるならその点を基本において明らかにせられなか
つた
か、この点を伺いたいと思います。
大橋武夫
116
○
国務大臣
(
大橋武夫
君) これは考え方の問題になると存じますが、第四條いうものは基本的な性格を
説明
する條項でございます。この基本的な性格を明する場合に、基本的な性格として如何に
規定
をいたしましたところで、その基本的な性格が具体的な
行動
なり或いは
権限
において如何に現われて来るかということは、これはむしろ
行動
なり
権限
なりを具体的に明確に
規定
するほうが法的な扱いとしては適切であると考えます。具体的な
行動
なり
権限
なりが明確に
規定
されました場合において、それはその
機構
というものが如何たる性格のものであるかということにかかわりなく、それだけの
権限
は、或いはそれだけの
行動
はなし得るもの、又なすべきものというふうに考えるわけでありまして、法的な扱いといたしましては疑わしい
規定
を避け、明確に
法律
上の疑問をなくすという点において、私はむしろ、末節と言われますが、
行動
なり
権限
なりを具体的に明確にするほうがより適切な方法であり、
法律
の
規定
としてはより親切な
規定
と存ずるのであります。勿論この場合におきましても、末節のほうをはつきりすると同時に根本もはつきりして行くということにいたしますれば、これは至れり盡せりでありまして申し分のない
規定
であるということになりましようが、私どもは
行動
、
権限
を明確にすれば、根本の
規定
においてはこの程度で足ると、こう考えた次第でございます。
若木勝藏
117
○若木勝藏君 なかなか答弁が上手でありまして、まあ問題はその辺にしておきまするが、次に、私は第六十一條の
命令
による
出動
の場合についてお伺いいたしたいと存ずるのでありますが、先ほどこれはやはり重要な條項であろうと思いますが、
岡本
委員
の
質問
があ
つた
のでありますが、総理のどうしてもこれは
出動
しなければならないというふうな判定によ
つて
出動
するのだ、こういうふうな御答弁がありましたけれども、私はまだ抽象的で、はつきりわからない。具体的に言
つた
らば、どういう場合にそういう判定が下されて行くのであるか。これをお聞きしたいと思います。
大橋武夫
118
○
国務大臣
(
大橋武夫
君) この第六十一條の
趣旨
は、
治安
の面におきまして、普通警察の手にあわない
事態
に処するために
出動
を命ずるということを表現いたしたいと思いまして、こうした表現をいたしたわけでございます。そこで具体的にということになりますると、普通
警察力
で処理できないような
事態
を具体的に列挙するということになるわけでございますが、例えば内乱、暴動等の勢が激しくて、その地方におきまする
警察力
の全部を挙げて動員してもこれが処理できない、そういうことが明らかに判定される。或いはそういう
事態
であるということが十分な根拠を持
つて
認められる。そういう場合に
出動
するというのがこの六十一條の
規定
であります。従いまして場合といたしましては、内乱とか、騒擾とか、或いは外部からの不法なる侵略とか、そういう
事態
が六十一條の具体的な例に当ると考えております。
若木勝藏
119
○若木勝藏君 次にこの六十一條の
国会
の
承認
の件について私は伺いたいと思うのでありますが、「
出動
を命じた日から二十日以内に
国会
に付議して、その
承認
を求めなければならない。」こういうふうにな
つて
おるのでありますが、これは併し、すでにもう
出動
してしま
つて
おる。この事実りのいわゆる事後
承認
ということになるのですか、この点を伺いたいと思います。
大橋武夫
120
○
国務大臣
(
大橋武夫
君)
承認
の議決のあ
つた
日までのことにつきましては、事後の
承認
でございます。併しながら将来に対しましては事前の
承認
ということになるわけでございます。若し
承認
すべからざるものと議決せられましたならば、
内閣総理大臣
は直ちに
出動
を停止しなければならない、こういうことに相成
つて
おります。
若木勝藏
121
○若木勝藏君 不
承認
の議決ということは、そうしますというと事後のことについてのことになりますか、事前に遡るというようなことはありませんか、その点を伺いたい。
大橋武夫
122
○
国務大臣
(
大橋武夫
君) 不
承認
の議決がありますれば、事前に遡るということになるかも知れませんが、併し実際上は
出動
いたし、又それによ
つて
引起
つた
事態
に対しましては、これはもう事実問題でございまするから、議決を以て取消すということは不可能であると考えております。従いましてつ事後に対してのみ効力を有するものと考えられる次第でございます。
若木勝藏
123
○若木勝藏君 そうしますと、いわゆるすでに
出動
したということに対して不
承認
の議決がなされた場合に、この総理大臣の責任問題はどういうふうになりますか、この点を伺いたい。
大橋武夫
124
○
国務大臣
(
大橋武夫
君) これは
一般
に議会の事後
承認
を要する
事項
について……事後
承認
の定めるところによります。
若木勝藏
125
○若木勝藏君 私の伺
つて
おるのは、事後
承認
でなしに、この
出動
したということに対して遡
つて
不
承認
であると、こういうふうな議決が行われた場合には、総理大臣は如何なる責任をとりますか、こういうことなんです。
大橋武夫
126
○
国務大臣
(
大橋武夫
君) それは責任の
一般
原則
による以外にないと思います。特に
保安庁法
によ
つて
その責任を
規定
をいたしておりません。ただ
保安庁法
で
規定
いたしております事柄は、不
承認
の議決のあ
つた
場合においては、速やかに将来に亘
つて
撤収をいたす、こういう責任が
内閣総理大臣
につ生ずる。このことだけがこの法規の
規定
いたしてあるところでございます。
若木勝藏
127
○若木勝藏君 これに関連して来るのでありますが、第六十四條の、
都道府県知事
は、
治安維持
上重大な
事態
につき止むを得ない必要があると認める場合には、
内閣総理大臣
に対してその
保安隊
、
警備隊
の
出動
を
要請
することができると、こういうふうにな
つて
おるのであります。総理大臣がとにかく
出動
を命ずる場合と、それから都道府県からの
要請
という場合とは、これは実際にどういうふうになるのでしようかな。その別々にやはりこういうことが行われることになるのでありましようか。例えば都に起
つた
とか、或いは千葉県に起
つた
というような場合でも、
要請
にかかわらず、
内閣総理大臣
は
出動
を命ずると、こういうふうなことになるのですか。その辺の
関係
はどうなんでございましようか。
大橋武夫
128
○
国務大臣
(
大橋武夫
君) 第六十四條の
出動
要請
は、
都道府県知事
の
権限
に属せしめてありますので、これが当然
出動
を
要請
いたしましたる県知事の管轄する都道府県の区域に最密に限らるべきものと考えております。従いまして、千葉県知事の
要請
に対しては、千葉県に
出動
をいたす場合においてのみ六十四條の
規定
が適用されるわけでありますので、若し千葉県に起
つた
事態
を契機といたしまして、隣の府県、即ち東京都においても
出動
をしなければならん。その場合に東京都知事は
出動
の
要請
をしない。而も総理大臣は
出動
すべきものと判断をいたしますならば、それは第六十一條によ
つて
、東京都に対しては
出動
をする、こういうふうに考えております。
若木勝藏
129
○若木勝藏君 この
都道府県知事
の
要請
の場合には、特別に
国会
の
承認
を求めるというようなことがありませんのですか。これはどうしてこういうふうになるのですか。その点を……。
大橋武夫
130
○
国務大臣
(
大橋武夫
君) 警察法におきましては、
自治体警察
の区域について
自治体警察
が
事態
を処理できないと考えました場合において、
都道府県知事
が
国家地方警察
に応援を
要請
する
権限
を與えられておるわけでございます。
従つて
この根拠と相成
つて
おりまする点は、
都道府県知事
というものは、直接法規上の
権限
はなくとも、その性格から見まして、その区域内における
治安維持
ということについて十分な関心を持ち、又
事態
を十分に判断し得る立場である。こういう立場にあるものという考えに基いて警察法の
規定
ができておると思うのでございます。で、従いまして都道府県の区域内の事柄につきまして、
都道府県知事
に一応の判断の機会を與え、そうしてその判断に基いて
警察予備隊
、或いは
保安隊
を
出動
せしめるということが適当であると考えたわけでございます。で、かような地方的な
事態
につきましては、地方的
機関
の責任において一応
出動
の
要請
をさせる。そうしてこれに対しては、地方議会の
監督
の下に置くということが適当であると考えまして、第六十四條では、
都道府県知事
はこの旨を都道府県議会に報告するという
規定
を設けた次第でございます。
若木勝藏
131
○若木勝藏君 その際に
国会
においてはとにかく
承認
を求めると、
内閣総理大臣
の命によ
つて
出動
をした場合に……。併し都道府県の場合には、今御答弁のあ
つた
ように、報告にとどま
つて
、これの
承認
を求めるということにしなか
つた
のはどういうわけですか。
大橋武夫
132
○
国務大臣
(
大橋武夫
君) これは警察法の二十條の二におきまして、
自治体警察
の区域に
国家地方警察
の応援を
都道府県知事
が求めまする場合においても、こういう手続に相成
つて
おるわけでございます。従いまして
一般
警察力
の不足を知事が認識して、そうして
保安隊
、
警備隊
の
出動
を
要請
する場合においても同様の手続を以て十分であろう。こう考えましたので、全く警察法の先例を踏襲した以外に意味はございません。
若木勝藏
133
○若木勝藏君 大分遅くなりましたから、もう一つだけ伺
つて
おきます。それは携帯するところの、或いは備えるところの
武器
の限界について、六十八條に示されておりますが、それを伺いたいと思うのであります。「その
任務
の
遂行
に必要な
武器
を保有することができる。」この限界であります。
大橋武夫
134
○
国務大臣
(
大橋武夫
君) 限界は極めて抽象的でございまして、
規定
上は、
任務
の
遂行
に必要な
武器
と、こうな
つて
おるわけであります。
任務
といたしましては、先ほども申上げましたごとく、騒擾、内乱、暴動、或いは外敵の不法侵略、そうした場合に実力を以て国内の
秩序
を
維持
回復する、これが
任務
とな
つて
おりまするので、その
任務
に必要な
武器
を所持するというふうに考えておるのでございます。併しながら現実の問題といたしましては、しばしば申上げましたるごとく、現在は小銃、ピストル、それから
機関
銃、ロケツト発射装置、迫撃砲、こうしたものを持
つて
おるのでございまして、なお今後小口径の火砲等を備えたいというふうには考えておりまするが、何分今日の
方針
が、すべての
武器
は当分のうち米国の貸與に仰ぎたいというふうな
方針
をと
つて
おりまするので、将来の点につきましてはなお先方と十分に協議の上、必要な
範囲
で備えるようにいたして参りたい、こう思
つて
おります。
若木勝藏
135
○若木勝藏君 最後に七十八條の募集
事務
の委任について伺いたいのでありますが、これは
事務
の依頼でありますか。或いはいわゆる下手をすると、徴兵制が布かれるように考えられるのでありますが、どういう点になりますか、その点を伺いたいと思います。
大橋武夫
136
○
国務大臣
(
大橋武夫
君) これは單なる
事務
の依頼でございまして、予備隊の隊員の募集をいたしまするには、
一般
の応募者に募集をいたしておるということを周知徹底させ、そうして応募者から申込をとらなければなりません。これがためにいろいろ
政府
といたしましても、ポスターなどを印刷して、普及徹底を図るような
措置
をと
つて
おります。従いましてこうした仕事を頼んだり、又或いは役場に願書の用紙を備付けて、志願者にこれを渡し、記入した願書の受付
事務
をお願いしたい、こういう程度でございまして、この点はすでに
警察予備隊令
の一部
改正法
律案に同様の
規定
が設けられまして、これに基く政令においてその点が明らかと相成
つて
おります。
若木勝藏
137
○若木勝藏君 今の御答弁で、單なる
事務
の依頼ということになりますと、
内閣総理大臣
の
指揮監督
を受けるというようないかめしいところの言葉も必要ないと思いますが、実際にはそれ以上に亘るのではないかと思うのですが、実際のところを伺いたいと思います。
大橋武夫
138
○
国務大臣
(
大橋武夫
君) この
内閣総理大臣
の
指揮監督
というのは、確かにお説のようにいかめしいので恐縮しておるのでございまして、実はそれほど
指揮監督
しなければならないような重大な仕事を頼むわけではなく、今申しましたように、管内にポスターを貼
つて
頂きましたり、或いは願書の受付をしてもらうという程度でございまして、
指揮監督
というほどの実質のある仕事ではございません。ただなぜ
指揮監督
という字句があるかと申しますと、地方自治法によりまして、自治体の長に国の
事務
を委任いたしましたときは、当然に内閣総現大臣が
指揮監督
をするというのが建前にな
つて
おります。そのことを念のため明らかにしただけでございます。
若木勝藏
139
○若木勝藏君 もう一つ伺
つて
終りにいたしたいと思います。
海上
の
治安
というふうなことになりますと、
海上
として、非常に漠として現わしておるのでありますが、これは非常に私は場合によ
つて
は、あの
通り
海は広いのでありますから、いろいろな場合が出て来るだろうと思います。実際においてこの
海上
というふうなものの
規定
する
範囲
というふうなものを、どういうふうにお考えにな
つて
おりますか。
柳澤米吉
140
○
政府委員
(柳澤米吉君)
海上
と申しますと、御承知の
通り
に領海及び公海というふうにな
つて
おります。それと沿岸におきましては港というものがございます。従いましてこれらのものを普通ひつくるめて
海上
というふうに考えておる次第でございます。
河井彌八
141
○
委員長
(
河井
彌八君) 三好始君。
三好始
142
○三好始君 私は実は
保安庁法案
の個個の條章に入るまでの基本的な問題、特に
保安隊
並びに
警備隊
の法的性格に関連する
質問
事項
が約三十項目ありまして、この問題を明らかにするだけで、多分まる一日ぐらいかかるだろうと思
つて
おるのでありますが、もう時間が相当た
つて
おりますから、本日は
質問
をいたさないで、次回に延ばして頂きたいと思うのであります。
河井彌八
143
○
委員長
(
河井
彌八君) それでは諸君に伺いますが、他に御質疑がありますれば、この際御発言願いたいと思います。
中田吉雄
144
○中田吉雄君 私も数時間に亘
つて
御
質問
したいと思うのですが、大変遅く
なつ
たのですが、どうでしよう、この次……。
岡本愛祐
145
○
岡本愛祐
君 ほかの
委員
のかたも
質問
があるのですけれども、今日はまだ
説明
書を見たばかりだから、次回までに調べたいと思いまするので、今日はこの程度で……。
三好始
146
○三好始君 ちよつと私
政府
側に希望を申上げておきますが、私は抜打ち的な
質問
をして答弁に困るようなことはさしたくないと思います。あらかじめ
質問
事項
を印刷して、先ほど
政府
側にお渡ししておきました。十分に研究されて、自信のある御答弁をされるようにお願いしたいと思います。
中田吉雄
147
○中田吉雄君 先に
岡本
、若木両
委員
、その他いろいろ御
質問
にな
つて
、調査資料を要求されておるのですが、間に合うように一つお願いたいします。
大橋武夫
148
○
国務大臣
(
大橋武夫
君) 木曜日までに……。
中田吉雄
149
○中田吉雄君 もう一つ殊にお願いをしておくのは、
海上保安庁
の
装備
、
施設
の現況並びに二十七年度における拡充計画に関する資料というのがありますが、その二の、米国から貸與を受ける
武器
種類、数量、金額等についてはまだ不明でありますとな
つて
おりますが、恐らくアメリカの国民の各位が高い税金を払われて、それでできた
武器
がどうな
つて
おるか、数がわからんようなことで私は貸與されておるとは思わないわけであります。そこでアメリカの
武器
貸與法、並びにはつきりとそんなものがわからんというようなことは
政府
とされてもないと思いますので一体どの
武器
がどれだけあ
つて
、その製造年月日、金額というようなものを一つはつきりと、これはやはり基本的な重要な問題でありますので、一つ是非お願いしたいと思うわけであります。若しこれが出ませんとすれば、こういう問題を不問に付してずるずると、末節と言いませんが、そうして
通り
ますと、日本の将来にと
つて
も必ずしも暗影なしとしないわけでありますので、一つ是非契約の
内容
その他について一つはつきり、あとに問題を残さないようにするほうが大切だと思うわけであります。例えばアメリカが第二次大戦におきましてソヴイエトに
武器
を貸興しておる。それが最近米ソの対立が激しくな
つて
、ソヴイエトはただでもら
つた
ように思
つた
のに、それを全部金額に見積
つて
返せというようなことに
なつ
たりいたしまして国際的な紛争も招いていますので、一つこの点はつきりと我々が十分情勢を判断するに足るような資料をお願いしたいと思います。
河井彌八
150
○
委員長
(
河井
彌八君) 最後に申上げ。この
委員
会はまだ継続しなければならんと考えております。その時期は追
つて
お知らせをいたします。
委員
諸君にお願いいたしますのは、広汎な
法律
案でありまするし、
関係
するところが極めて重大でありまするから、願わくは御
質問
は成るたけ重複を避けてそうして精細にお願いしたいと思います。その結果は
内閣委員
会の
審議
に支障を生ずる場合があるかも知れんと考えまするから、そういう場合には
委員長
は
内閣委員
会に諮りまして適宜処置したいと考えております。そういう意味を御了承願
つて
おきます。本日はこれで散会しようと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
河井彌八
151
○
委員長
(
河井
彌八君) 御異議ないと認めます。それでは本日は散会いたします。 午後四時二十二分散会