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政府委員(
花岡薫君)
只今の
お尋ねの点の先ず
最初の問題として、
法律の
施行の日における
財産の
時価ということでありますが、
評価をしておるそのときの現在価ということになりますと、実際問題として非常にむずかしいのでありまして、議論をして調書を作
つておるうちに、又時が過ぎるというようなことになりますので、一応
法律の
施行の日ということでピリオッドを打
つて、そこでいろいろな細かい調査をする必要があろうと思います。
会社の
設立まではかなりの日数がかかりまするが、
法律の
施行と殆んど同時に
設立委員が任命されまして、
設立委員が
定款を作成するという場合に、先ず一番
最初にぶつかるのがこの
現物出資の問題でありまして、この
評価の問題は、
法律の
施行の日からは
余り遠くないと思います。非常に近い日であろうと思います。
それから
収支の
見込みなども、いろいろ時期によ
つて違うという
お話を今承わりましたが、誠にその
通りでありまして、
国際通信の流れも或る
程度不規則に動いておりますので、その前途の
収支見込みも、その時期によ
つて多少異なるわけであります。でありますけれども、大体二十六年、二十七年、最近の
状態におきまして
国際通信も大体安定の傾向を示しておりますので、過去一年というようなことで抑えて行きますれば、そこに或る
程度信頼のおける
数字が出るものと
考えます。この場合に、この
収益率という問題についての
お尋ねでございますが、
会社の
資産が当然四十億或いは五十億に及ぶであろうと、こういう一応の見方をお洩らしになりましたですが、この
評価の
方法そのものがむずかしい問題でございまして、一応二十億というようなことも、これは非常な
仮定の上に立
つておる話で、ございまして、およその
見込みはどうかという
お尋ねでございますので、極く最も
仮定の上に立
つた余り責任を持
つて申上げられない
程度のものでございます。これは、
物価指数方式によ
つて算定する場合と、それから一般に言われております再
評価の
方式で一応計
つてみる場合と両方あります。この物価指数で行きますと、これも相当
仮定を加えたものでございましておよそ二十三億三千万、それから再
評価法で行きますと、二十三億九千万とい
つたような
数字が出る。ただ単なる
事務的の操作で出たものでございますけれども、併し個々の設備が創設以来の経過年数、それから現実にまだ
使用に堪え得る実際の
状態というようなものを一々具体的に当
つて見ますれば、これは又おのずから異
なつた
見地で
評価ができると思います。まあそうい
つた方式でやりまして、二十億乃至そ、れより若干上廻る
数字というようなことが出ているわけでありまするが、四十億、五十億というようなお説は、もうこれはただ一概に
収益率というものを見た或る抽象的な観念を加えて、物的
評価のほかに抽象的な要素を加えた場合に、或いはそういうことが言えるかも知れませんが、それも併し
最初は一体物的施設はどのくらいで、それに基いた
収支見込がどのくらいで、それから
収益率がどのくらいだというのが出て来るわけでありまして、
収益率が高いから
資産を割増しするというのは、あながち直ちに言えないところであります。これは丁度循環する問題になりまして、
収益見込を立てるには
評価というものを立てなければならない。
評価を立てるには
収益見込というものも一応要素に入れるというようなことになりまして、非常にむずかしい問題であろうと思います。一般に
収益率でいわれている年数法とかいうような専門家の説がございますけれども、それはそういう抽象的な学説でございまして、
国際電信電話事業というような非常に異
なつた、一般の営業観念と非常に異
なつた営業、民営後におきましては営業と申されておりますが、営業におきましては、どれだけ特殊性を考慮して、
評価、
収益率などの場合にそれを考慮に入れるべきかということは、これは非常にむずかしい問題でございますと同時に、専門の
評価審議会の決定を経ませんと、私ども
只今申上げた以上には申上げるのは非常に困難であろうと思います。