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国務大臣(
佐藤榮作君)
会社を作ります際に、
公社からその資産を先ず提供して、これこれのものは
会社の資産にするということをきめて行かなければならない、そこに
一つの問題があるわけであります。このきめ方如何によりましては、
只今御心配になるような点が直ちに生じて参るのであります。従いまして過去の実績、過去の実績というのは旧国際通信
会社のことでありますが、その場合の保有
設備とは今回は別個に新たな観点からきめて参りたい、かように
考えておるのであります。最も大きな点として相違を来たすのではないかと
考えられますものは、国内幹線をこの
会社が保有するかどうかという点でありますが、国内幹線につきましては、
只今の
考え方では、この
会社には保有さす要なしというような
考え方をいたしておるのであります。各方面の意見等を伺いましても、
公社業務遂行と、
会社業務遂行との
関係を如何に規律するかということについては、いろいろの御高見を拝承いたしておりますので、それらの御高見を取まとめてみますると、
只今私が申したように国内幹線は保有の要なし、又保有さしてはならないのだというような
結論ではないかと思
つておりまして、さような線で出資
範囲はきめて参りたい、かように
考えます。
第二点の評価の問題でありますが、評価に関しまする
規定をもつと詳しく書いたらどうかという御意見のように思います。確かにこれも
一つの方法には違いないと思います。他の先例等を見ましても
相当詳しく書いたものもある。又挙げて専門の審査
委員会にその決定を待
つておる向きもあるわけであります。郵政
大臣として特にこれに対して関与をいたさないという方向をと
つておりますゆえんのものも、もともとこの評価を如何にするかということは、純技術的な問題だと、かように
考える次第でありまして、これは専門家の意見に待つべきが至当ではないか、その
考え方から評価の方法等は評価
委員会にお任せをいたしたい。その前にただ問題になりますのは、評価価額ということがいつも問題になりますし、帳簿価額だけで
考えられて、いわゆる暖簾代を全然考慮に入れないということでありまと、いろいろ問題が起るように
考えられますので、その点だけを法文としては明確にしておく。併しそれら率の計算方法その他につきましては、これは
委員会の決定に任すべきじやなかろうか。御
承知のようにこの点非常にむずかしい点でありまして、
会社といたしましての
事業遂行の面から見ますれば、設立の際の評価如何ということが、
会社が設立後の十年なり、五年間を実は規律して参ることになるのではないか、かように
考えます。かように
考えまするが、これを作為的に評価いたすことはもつと危険があるように
考えるのでありまして、この
意味においては作為をできるだけ避ける、厳正、適正な評価方法を採用してもらう。そして
事業としての素地をこの評価に当りましても強固に願いたい。かような
考え方で評価
委員会の決定に待つことにいたしておるような次第であります。
第三点は株式保有の問題に関するのでありますが、これも
只今申上げるような建前で、この株式の処置等を
考えて参
つて、ここに誤解を生じないように、又不正の発生の虞れがないような処置をとることが望ましいのではないか。かように
考えまして、株式は大蔵省に保有さすことにいたし、大蔵省はそれを
処分しました場合に、恐らくこれは時価によ
つて決定して参るだろうと思いますが、その代価を
公社に支払
つて行く。その適正なる評価がなされ、その株式が時価によ
つて売却されるといたしますれば、
公社といたしましても適正な価額を受取ることになりますので、先ずこれが
考え方としては最も素直な
考え方ではないか、かように
考えておるような次第であります。そこでこの種の
会社の株式の時価は如何にして生れて来るか。これは上場株でありますならば、直ちに時価がわか
つて参ると思いまするが、それらの問題はまあ将来の問題になりましようか。法文といたしましては、有価証券市場の状況を考慮して、かような方法をと
つておる次第であります。この点は各市場における
一つの調整行為があるわけでありますので、それを基本にしてという
意味合いでありますが、もつと正確な数字が出て参りますれば、又その時価によ
つて株式が上場されるということになりますれば、そこに時価が生れて来るようになりますから、さようなものを基準にして売却して参るわけであります。而して多額の株式を
政府が保有するのでありますので、この
処分如何は
政府が売りに出るとならば、恐らく価格は直ちに変動いたすでありましよう。又非常に出方が少いとなりますると、株価は
会社の力より以上のものが出て参らないとも限らないのであります。非常に困難な問題があると思いますが、御
承知のように大蔵省は各種の株式を保有いたしております。株に戦後の状態から各方面の
会社の株式等を保有いたして、この株価の算定等につきましては、いわば専門家であるようにも
考えますので、大蔵省の
処分に待つ。而も
相当の期間、ここには速かにこれを
処分せねばならないというだけで時期を明示しないことによりまして、株価に非常な変動を与えないで、適正な方法でこれを
処分し得ると、かように
考えておる次第であります。この点は株価の決定方法といたしましては御心配のような点も多々あろうかと思いまするが、その点は大蔵省が
只今保有いたし、又
処分しているその経験と知識とを頼りにいたしておるような次第でございます。