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1952-06-17 第13回国会 参議院 電気通信委員会 第42号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年六月十七日(火曜日)    午前十一時二十五分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     鈴木 恭一君    理事            山田 節男君    委員            大島 定吉君            新谷寅三郎君           小笠原二三男君            稻垣平太郎君            水橋 藤作君           池田七郎兵衞君   国務大臣    郵 政 大 臣    電気通信大臣  佐藤 榮作君   政府委員    電気通信政務次    官       平井 太郎君    電気通信大臣官    房審議室長   大泉 周蔵君    電気通信省業務    局長      田邊  正君    電気通信省業務   局国際通信部長  花岡  薫君    電気通信省施設    局長      中尾 徹夫君    電気通信省経理    局長      横田 信夫君   事務局側    常任委員会専門    員       後藤 隆吉君    常任委員会専門    員       柏原 榮一君   説明員    電気通信事務次    官       靱   勉君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○日本電信電話公社法案内閣提出、  衆議院送付) ○日本電信電話公社法施行法案内閣  提出衆議院送付) ○国際電信電話株式会社法案内閣提  出、衆議院送付)   —————————————
  2. 鈴木恭一

  3. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 私は先般政府から配付されました資料について二点お伺いしたいのです。「日本電信電話公社機構に関する方針案」という書類ですが、その中で三の「現業機構等」とあるところで、通信部をどうするかということなんですが、大体意味はわかりますけれども、これをもう少し具体的に御説明を願つておきたいのです。結局取扱局との関係をもう少し具体的にどういう抱負を持つておるのかお話をして頂きたい。  それからもう一つは、五の「郵政省への委託業務」のところですが、これも大体わかるような気がするのですけれども普通局特定局との間において相当委託業務について差異があるように書いてあります。これも或る程度わかりますし、尤もだと思いますが、もう少し別な見地から委託しようという業務はどういう種類の業務か、結局窓口事務集配事務ということになるのですか。それも或る局では集配のほうは任せるが、窓口のほうは任せない。成る局では窓口は任せるが集配のほうは又別にしてやるのだというようなことになるのですか。むしろ国民のほうから言いますと、その委託業務がどうなるかによりまして非常に便利にもなり、或いは不便にもなるかと思うのですが、この郵政省への委託業務というところに関連して、一体今どういうふうに本当の第一線の現場の仕事が運営されるか。その二点をこの資料について御説明願いたいと思います。
  4. 靱勉

    説明員(靱勉君) お答えいたします。この案は、この前申上げました通り一つの案でございまして、まだ現在の電通省としまして最終的に決定いたしたものではないのです。その点は一つ御了承願いたいと思うのです。そこで御質問通信部をどうするかという問題でございますが、現在御承知のように本省通信局通信部管理所取扱局と五段制になつております。これは必ずしも現在の機構運用如何によつては、理論的には一つ理論もあるわけでございますけれども、実際見ていますというと、どうも各段階において同じような仕事が重複しておる。これでは何のために段階を作るのかわけがわからん。そこで本社と申しますか、本省におきましては、ここに書いておりますような一つ機構を持つ。通信局はやはり経営執行の中核としまして、機関としてどうしてもこれは存在が必要になる。そこで通信部管理所取扱局をどうするかという問題でございますが、取扱局につきましては現在共通の長もございませんで、取扱局へ行きましてもそれぞれの仕事によつてそれぞれの長と話合わなければならない。又内部的に幾ら理論的に電通事業事務を分割いたしましても、利用者立場からいたしますればこれは何ら内部的な分離ということは問題じやないのでありまして、結局いろいろの要求というものが充足されることが必要なんでございますから、取扱局においてはここにおきまして共通の長を置くということをはつきり一応書いてあるのです。そこでそうなりますと中間段階通信部管理所はどうするかという問題でございますが、ここにおきましては管理所事務取扱局に移るけれども分割損を来たすことのないようにする。非常に共通事務を各局……丁度直轄局は全国に約八百局ございます。それを一々通信局と直接取引と申しますか、各取扱事務を全部分散するのがいいかどうか、これはやはり分割することのないようにして、而も取扱局事務取扱に支障なく、又公衆立場からしましても利用するに便利であるというところを狙わなければならんかと思います。そこで通信部の問題に移つて参りまして、管理所がそういう意味合いにおきまして結局取扱高に溶け込みますが、通信局との間にやはり八百の直接の局というものにつきまして主として施設系統におきましてはどうしても或るエアリアを持ち、殊にローカル的ないろいろの工事設計等につきましてはむしろ通信部相当におおまかに任したほうがいいのじやないかというようなことも、現実の経験によりまして必要性が認められるわけなんです。併しそうしますとやはり本社を通じまして四段階制となる。そこで通信部を何とかなくして、三段階制ということも一応白紙に還つて考えてみて、できないかということを検討いたしたのでございますが、どうしても取扱局八百局に分けるのは適当でない。それを通信局直属でやることも却つて能率的でないし、実際にそぐわない。そういうような事務通信部考えてみたらということで、ここに書いてあることはそういう観念を現わしておるのでございますが、実際上の見当といたしましては施設面におきましてはかなり通信部存在も必要がある。それのほうが却つて能率的であるし、又実際の工事が迅速にできる。又計画等も各地域の現状に即した計画ができる。何でもかんでも細かい問題まで通信局本省に取上げてやつておるような現在のやり方は、これは適当でないという結論でございます。同時に共通事務につきましても、或いは現在業務局系統のほうでやつておることにつきましても若干あるのではないか。併し観念としましてはできるだけ取扱高に任せるのは任せる、通信局でやつて差支えのないのは通信局でやる。而も本当にもう理論じやなく、実際に即して一つ考えてみたらどうかということで、ここに若干保留的に書いてあるのでございますが、総合的結論としましてはそういう性格通信部をやつて行くならば非常に業務運営上プラスになるであろうというような考えを持つております。  それから郵政省への委託業務関係でございますが、この点につきましてはやはり特定局という存在がありますし、かなり小規模の電気通信業務の運営に当つておるというところにおきまして、必ずしも全部直轄局にすることは経営上不利である。又必ずしもそういうふうな形態を取らないでも却つて公衆利便を増進できるという意味合いにおきまして、特定局電信電話業務委託するにつきましては細目について大きな変更はないわけであります。併しながらここに書いてあります手数料主義ということによりまして一つ業務委託する場合においてすぐ定員を算定してやるということは、実際におきましても非常にまあ経費増嵩と申しますか、又割切れない点もありますので、できるだけ手数料主義によりまして、現在集配事務取扱わない特定局におきましても電報受付とか、或いは通話事務窓口、こういうものはできるだけ委託して行くと、それだけ窓口機関を増置することになりまして一般利便を増しつてやろうと、そういう考えの下に御承知のように集配局、或いは交換事務取扱つておるような、委託された特定局につきましてはそういう機能を持つておりますが、いわゆる無集配特定局というものにつきましては、余り現在窓口の整備ができてない。こういう点は手数料主義によりまして何通取扱つたらどのくらいの手数料を出すということで、どんどん拡張して行つたらどうかというような考え一つと、普通局におきましては御承知のように、或る地域におきましてはなお局舎を同一にいたしまして窓口を分けておる。即ち電信電送、即ち機械を据え付けて他の局との電送を行い、又配達事務を行なつておるということになつておりますが、普通局におきましては現在の機能としましてはその業務直轄ということに相成つておりますが、これがいろいろまあ問題がある点でございます。併し電通事業分離という点と普通局程度の局におきましては、やはり直轄機関を持つということが一応本筋であるかと考えます。さればと言つて局舎を非常に別にするということによつて普通局では全然電報通話取扱えないということは、これは利用者の側から見ましても非常に不便である。従つて手数料主義によりますれば電報電話局からかなり近接したところでも窓口機関を持つていいのではないか。それは必ずしも電気通信事業経営上大きなコストを要するということになりません。併し現在のような体制におきましては、やはり何か業務委託しますれば、それで定員を算出してやるということではなかなか電報の赤字も解消いたしませんし、そういうふうなことを考えまして、ここに書いてありますように普通局においても電報受付、或いは通話事務窓口の新設ということも今後やつて行きたい。併し直轄しております現在のものが、局舎が別であるが故にこれを郵政省へ全面的に委託してしまうというような考えはこの際持つていないのでありまして、電報につきましては結局受付の問題が一番大事な問題でございますが、あと電送関係は、これは公衆の目に付かないところで結構な話なんであります。で、今後の方針としましては仮に公衆電話その他のところからでも電報をどんどん出すことのできるようにいたしたいと思つておりますが、いやしくも郵便事業をやつておる、窓口を持つておる普通局に対しましても非常に利用しいい対象でございますので、そういう意味合いでこういう事務拡張考えておるということでございます。配達等につきましては委託業務として配達委託しておる以外、地方の非常に通数の少ないところにおきましては、或いは他の機関配達するということも今後考えて行かにやなりませんですが、できますれば普通局程度におきましては、それらの問題は殆んど起つて来ないと考えております。まあ受付のことを主として申上げましたが、配達は割合に通数の少ないところにおきましては、委託という考えで現在でも相当集中的に行なつておるような形になつております。できるだけ経費は節約いたしますが、さればと言つて業者の不便を来たすような経費の節約の仕方は決して合理化じやないのでありまして、そこらは今後ますます便利のようにして行こうという考えでございます。
  5. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 大体わかりましたが、結局三の現業機構の問題につきましては、まあ要は通信部というものと取扱局ということが、又その権限の重複とか、或いは二重の手続を要するとかいうようなことにならないようにしなければいかんというのが、この案ではそれが重点だと思うのですが、私は電通省設置法のときにも管理機構段階に触れて、委任事項はつきりきめて、各機関にそれぞれ専決執行し得る事項をちやんときめておいて、どんどんとその範囲においては責任を持つてやるようにしなければ仕事は動かないのであるということを言つたのですが、当時の御説明では必ずそういたしますということだつたのですが、それが今日のように一向実行されなくて、今段階が多いだけに電話機構にしましても、一つ電話を引くにしましても非常に煩瑣な手続が要るのです。そして非常に中央集権的になつて来ている。これは当時の説明とは全く逆なんです。今度は性格を変えようということで、公社設立目的から言つてもそういう各機関がそれぞれの権限を持つてつて、その権限の中では全部責任を持つて自分が仕事に当ることができるのだと、それだけの責任もあるわけです。権限責任とを各機関にそれぞれに適当に与えて、仕事が重複することのないように、仕事が遅滞することがないように配慮されないと、こういうことをおやりになつても、又この前の蒸し返しにしかならんだろうと思います。この点は電通大臣も特に御注意を願いたいと思います。それからあとの、末端の集配事務というものにつきましては、御説明趣旨はわかりますけれども、例えば今特定局窓口行つて電報を打とうとしても電報が打てないですね、結局電報局のあるところまで行かなければならん。そこまで行く費用も大変だし時間も大変です。むしろ電報よりも高いくらいの電車賃や何かを使つて行かなければならんというようなことになつております。こういうものは郵政省との関係があるのでしようが、国民から見るとこれは実に困つたことなんです。それから配達なんかにしましても、最近ほうぼうからそういう申請やら陳情やら出るのですが、電話電信を託送することの可否は根本的にはいろいろあるでしようが、それでもやはり山間の特定局なんかで集配をやつておるところでは同時に電報配達もやらして欲しい、又やつて欲しいという村民の声が相当強いところがあるわけです。それなんかも非常に面倒で、これについては経費の点も関連するのでしようが、なかなか電通省のほうでは埓が開かないのです。これはもうおのずから説明するまでもなくよく御承知だと思います。そういうことはわざわざ遠い電報局から配達するよりも、経費から言つてもどんなに私は安く行くか知れないと思うのです。委託するについての反対給付といいますか、電通省から郵政省にどういうふうにして払うのであるかというふうな問題も関連するかと思いますけれども、ここに手数料主義と書いてありますが、いい方法を考えられて協定されて、そしてそういう機関がありながらそれが眠つてしまつておると、わざわざ電報電報電話電話郵便郵便だというふうに分離して、それぞれの系統において機構を確立するなんというふうな考えはお捨てにならないと、国民に対するサービスというものは、これはできないのじやないかと思うのです。その辺は少し個々事業の繩張りを取つて国民に最も便利なような仕組をこの際に作つて頂くことを、これを私は強く要望しておきたいのです。この点についてはもう更に御答弁は要りませんが、これは大臣、次官とも十分に御注意を願いたいと思います。
  6. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) 大臣がお見えになつておりますので、若し大臣に御質問がございましたらお願いいたします。  本日はこの会社法の逐条で、小笠原委員のが残つておるのでございますが、新谷委員からも何か大臣に御質問があるようにお伺いしたのですが、若しございませんでしたら小笠原委員の……。
  7. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 電通大臣お尋ねしたい点を二、三申上げますが、先般あなたがおられないときに政府委員お尋ねした問題を蒸し返すことになるのですが、この点は相当大事な問題ですから大臣からお考えを伺つておかないと、我々決心する場合に非常に困るのです。一つは十五条に書いてあります監督命令のことなんですが、これはまあ御承知のように非常にここでは広汎な監督命令規定が置かれておるわけです。それで公社の場合であればともかくとしまして、会社の場合になつて来ると、こういう広い監督命令が置かれてありますと、場合によつてこれはその会社が非常に、何と言いますか資金的にも、或いは経営収支から言つても非常に困るような命令でも監督命令として出さなければならん。つまり公共のためということになると、そういう場合も予想されるわけです。そこでこれに対して監督命令をこういう範囲で出すことを予想しておるのだというふうに、監督命令について制限をしなければならんという考えも起つて参りますし、その命令内容如何によつてはこの会社は初めはまあ公社全額、殆んど全額資本を持つているのですが、その公社の持つておる株は一般に結局公開されてしまうわけです。一般国民が株を持つという恰好になるわけですから、この規定運用によつて一般国民である株主が非常に不測の損出を埋めるような結果になりはしないか。場合によつて補償規定のようなものを入れておかないと、監督命令というものは動かないのじやないかという気がするのですが、その点について大臣はどうお考えになつておりますか。
  8. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) 至極御尤もなお尋ねだと思います。御趣旨のように会社に関します限り会社責任において業務遂行はできるように考えるのは当然であります。従いまして、この監督上必要な命令をすることは監督官庁としてはできるのでありまするが、この書き方といたしまして非常に明確を欠くのじやないか、又非常に広汎な監督権を行使するのじやないかという御心配のようでありますが、只今申すように会社を設立いたします限り、会社自由意思で行動が活發にできるようにしなければならないのは当然であります。そこで業務に関する問題といたしましてもおのずからその限度が生じて参る、さように私ども考えております。この会社仕事公共福祉関係があるのであるから、その公共福祉増進立場においては必要な命令が出せるのか。かように考えますると、これはまあ何でもできるということにはならないだろう。特に只今御指摘になりますような公益命令の下で設備を新たにするというようなことは考えられないのであります。これはひとり私どもがこれを解釈するばかりではなく、法案の審査に当りましても、この監督上必要な命令という言葉から当然出て来る結果でありまして、監督上必要な命令というだけでは業務拡張であるとか、新線拡張等命令のできないことは文理上当然のことでありまして、従いましてこの監督上必要な命令というものは、さような意味を含まない命令に限られますので、会社に対する補償等規定を必要としないという結論になつておるのであります。然らばどういうことになるのかと、積極的なお尋ねがあろうかと思いまするが、基本的な考え方で申上げましたように、会社会社責任において業務を遂行して行く、併しながらそれが場合によりまして許可認可等手続を必要とするというような場合におきまして、その手続をしないとか、或いは又会社自身会社法規定に反した行為をするとか、例えば外国人に株を所有せしめると、かような考えを持つておるというような場合に、この会社を作りました本来の趣旨から考えての業務上の必要な命令を出して行くと、かような意味合いでありますので、設備命令、或いは新線建設等命令すると、かような意味のものでないことを申上げておきたいと思います。
  9. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 電通大臣十分法律を私よりもよく知つておられるのですが、今のようなお答えでどうも、私少し素人論ですが、法律論としてもおかしいのじやないかしらんという気がするのですが、認可を受けなければならないところを、認可を受けないで勝手にやつたということになりますと、これには役人としては法律規定された義務を履行しないのだから、それに対する罰則規定もあるくらいですから、これは当然その各条項によつて処理されるべきだと思うのです。ですからこの法律に書いてあることは、これは個個の法律個々条項でそれぞれ処理されるべき筋で、それを守らないからこれを監督命令で守らせるようにするのだというようなことを考えて行きますと、これはすべての他の法令にも同様なことがやはり起つて来るのじやないかと思うのです。私はこれはちよつと法律組立方としては、非常に法律に明るい大臣にこういうことを申上げてどうかと思いますけれども、私としてもどうも腑に落ちない点があるのですがね。ですからこれはやはりこの間政府委員から御説明があつたのですが、第十条とか、十二条、十三条等に掲げてある許認可事項とは全然別個に、監督命令考えて行かなければならんはずなんです。私はそういうふうに考えるのですが、そういつたものを守らないから、これで行くのだということでなしに、十条から十三条まではそれぞれ条項によつて、これは役人はもう当然その規定を守つて行かなければならん。併しそのほかになお積極的な認可許可じやないのですが、命令を出してやらせなければならんことがあるというので、この十五条があるのだろうと思うのです。その点から言いますと、私は今のような御説明じや足りないと思うので、或いは今やらんとおつしやつたけれども設備命令をやるとか、或いは或る種の業務の開始の命令をするとか、いろいろそういつたことがないと、この十五条というものは要らなくなつて来るわけです。だから私は監督命令が全然なくてもいいとは言つていないのですが、第一に非常にこれが広過ぎるのじやないかということ、又公益会社利益というものが必ずこれは収支から言いますと食い違つて来るわけです。公益重きをおけばおくほど会社のほうの収支に響いて来るというのが当り前です。又その会社利益重きをおけばおくほど、或る部分は公衆利益になりましようが、公衆の、公共利益というものが阻害される傾向になる、ですからこれが非常に強く働くとすればどうしても補償規定がなきやならん。補償規定がないようなことを予想しておるなら十五条の監督命令規定が非常に広過ぎているのじやないか、ここまでのことはあなたも考えていないと言われるのだが、そうするとどの程度のことをここでやろうとするのか。これは非常におかしなことではないかという点を指摘しているわけです。
  10. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) 実は私も法律は全然素人であります。素人でありますから今のような御意見が出て少し説明がおかしいじやないかと言われますが、成るほど命令規定と申しますか、例えば許認可にかかる事項というものがはつきりしている。そういうようなものをやらないという場合には、それは罰則規定があるので、命令を必要としないのではないかと言われますが、行政的な処分といたしましては、いきなり罰則にかけるというのでは、行政上の目的を十分達するとは思えないのでありまして、こういう点は会社側悪意等の場合も多分にあるだろうと思います。監督上必要な命令一つの例に万一そういうような事柄があるならば、これは監督上必要な命令で、なぜ十条通り命令通りをやらないのか、許可を申請しないのか。かような命令を出すこともこれはあり得るだろうということを実は申上げたかつたのであります。こういうのが行政上の実際の問題といたしまして、直ちに処分規定を発動すべきではないだろう、併しながら会社自身が非常な悪意を以てやつておりますことでありますならば、いわゆるさような命令なり、或いは干渉の必要もない。それはいきなり罰則を適用することもあり得るだろう、かように考えます。どこまでも業務に関する監督上必要なことであります。その監督権はどこから生れて来たのかと申せば、只今申しましたような許認可事項が主たるものであります。従いまして監督上必要な命令と申せば、そういうような法文に明記してあるそれらの許認可事項がその基本になるのは実は法理論的には当然ではないか。私案は法律は非常に素人でありますので、よくわかりませんが、この法務府等の責任者説明等を聞きましても、只今申上げるような文理解釈をいたしておるようでありますので、その点を率直に御披露申上げた次第であります。従いまして新たなる設備命令をすることが業務に関する監督上必要なる事柄であるかどうかということを考えてみますると、これはこの言葉からは当然出て来ない。若しそういう事柄があるならば、御指摘のように補償の規定も必要だと思います。けれどもそこまでは法文上は出て来ないというのが今までの政府当局として研究いたしました法体系としては、只今申上げるような結論になつておるのでありまして、これは私の議論というよりも受売りの議論をいたしておる次第でございます。
  11. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 どうも素人同士で法律論をしても……(笑声)私はこれは固執はしませんが、監督上必要な命令を出されたために、今まで法律にちやんと書いてあつて許認可手続をして郵政大臣認可を受けなければならん、許可を受けなければならんというような問題が、この罰則もない監督命令をぽんと出されたからといつて、すぐに一遍に守るようになるというのは、これはよほど郵政大臣が政治力が強くて、睨まれたらとてもやつて行けんというかたでないと、そういうことにはならんと思います。法律論としてはどういうような大臣がおられても、今おつしやられたようなことになると、法律できめた罰則よりもなお強い政治力を持つているという場合でないと、そういう議論は成立たないので、やはりこれは私はその他のものを考えているのだというふうに考えざるを得ないのですね。ここで仮にその監督上必要な命令をした場合に、これは取締役会とかいうようなものの決議がなくても、そのまま命令によつて決議があつたと同じような効力を生ずるというような、監督命令の結果について法律が明定している場合は、その代執行のような観念で、或いは意味があるかと思いますが、併しこれは命令し放しで、ただやれということを言うだけで、別にそのためにそこに決議があつたものとみなすとか、或いはそれは認可の申請があつたものとみなすとか、そういつたことにはなつていないのですから、どうもその点は非常に素人法律論ですが、私はおかしいのじやないかという気がするのですが、これはもう少し私も研究しますが、あなたももう少し専門的に研究をした上で、法律的に明快な政府の解釈を伺いたいのであります。  その次の問題に移りますが、この会社案を拝見して、この設立の趣旨についてはいろいろの議論がありますけれども、更に掘下げて行きますと、一番大事な問題はこの会社の収益率の非常に高いこと、従つてこの設備をただ物理的に考えますと、そう大した資産ではないかも知れないが、大きな収益率を持つてつて、従つて公社にとつて相当の財源がこれによつて得られるはずであるのを、単に他の会社を作つて分離するというところに問題の一つがあると思うのです。そこでこの電気通信設備評価審議会というものが非常に公平な立場から時価を基準として、収益率を参酌しながら財産の額を決定するわけですが、第一にこの財産をどう決定されるかということにつきましては、非常にこれは公社の利害に、従つて一般公衆の利害に影響するところが大きいのじやないかと思うのです。それから第二にはこの決定された額によつて株式ができるわけですが、その株式を大蔵省に一応譲つて、大蔵省が今度は時価を基準にして……これは規定が多少私は不備だと思いますが、まあそういう意味だそうですが、時価を基準にしてこれを一般に公開するという方法をおとりになるというのですが、ここのところにいろいろな問題が考えられるのです。と言つてその法律で以てこの設備評価審議会のやろうとする財産額というものをきめることは、これは不可能なことでありますから、結局審議会に相当大きな幅の権限を持たす以外にはないということになつて来るのですが、その場合に果して評価の基準になる、この法律の施行の日におけるその財産の時価を基準とし、収益率を参酌しなければならんということだけで足りるかどうか。もう少し今申上げたような意味を含めて書いておかないと、公社の利害にむしろ悪い影響を与えるような結果になりはしないかということを私は恐れるのでありますけれども、その点は郵政大臣は別にこれについて指示権もないし、命令権もないわけですから、どうにもしようがないということですが、この法律の条文を離れて、どういうふうにお考えになりますか。それからこれに伴つて先般も政府委員と私討論をしてみたのですが、附則の二十一項、二十二項ですかに書いてありますところによつて、大蔵省が譲り受けた株式を大体時価で処分をして、それを公社のほうに支払うという建前が、ここでははつきりとしていない。つまり大蔵省の時価で処分をするということが余りはつきり出ておらないのみならず、一体その株式の時価というものが、こういうような特別の会社では取引市場でどんどん株式が取引されることはなかなか年数がかかるわけですから、一体時価というものはどうして出るだろうかということについて、これも私素人ですが、非常に疑問が起つて来るわけなのです。そういう点について、この株式の処分についてどういうふうな具体的な方法でやれば、こういうふうに時価が出て来るのだというような点についての御説明大臣から伺つておきたい。
  12. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) 会社を作ります際に、公社からその資産を先ず提供して、これこれのものは会社の資産にするということをきめて行かなければならない、そこに一つの問題があるわけであります。このきめ方如何によりましては、只今御心配になるような点が直ちに生じて参るのであります。従いまして過去の実績、過去の実績というのは旧国際通信会社のことでありますが、その場合の保有設備とは今回は別個に新たな観点からきめて参りたい、かように考えておるのであります。最も大きな点として相違を来たすのではないかと考えられますものは、国内幹線をこの会社が保有するかどうかという点でありますが、国内幹線につきましては、只今考え方では、この会社には保有さす要なしというような考え方をいたしておるのであります。各方面の意見等を伺いましても、公社業務遂行と、会社業務遂行との関係を如何に規律するかということについては、いろいろの御高見を拝承いたしておりますので、それらの御高見を取まとめてみますると、只今私が申したように国内幹線は保有の要なし、又保有さしてはならないのだというような結論ではないかと思つておりまして、さような線で出資範囲はきめて参りたい、かように考えます。  第二点の評価の問題でありますが、評価に関しまする規定をもつと詳しく書いたらどうかという御意見のように思います。確かにこれも一つの方法には違いないと思います。他の先例等を見ましても相当詳しく書いたものもある。又挙げて専門の審査委員会にその決定を待つておる向きもあるわけであります。郵政大臣として特にこれに対して関与をいたさないという方向をとつておりますゆえんのものも、もともとこの評価を如何にするかということは、純技術的な問題だと、かように考える次第でありまして、これは専門家の意見に待つべきが至当ではないか、その考え方から評価の方法等は評価委員会にお任せをいたしたい。その前にただ問題になりますのは、評価価額ということがいつも問題になりますし、帳簿価額だけで考えられて、いわゆる暖簾代を全然考慮に入れないということでありまと、いろいろ問題が起るように考えられますので、その点だけを法文としては明確にしておく。併しそれら率の計算方法その他につきましては、これは委員会の決定に任すべきじやなかろうか。御承知のようにこの点非常にむずかしい点でありまして、会社といたしましての事業遂行の面から見ますれば、設立の際の評価如何ということが、会社が設立後の十年なり、五年間を実は規律して参ることになるのではないか、かように考えます。かように考えまするが、これを作為的に評価いたすことはもつと危険があるように考えるのでありまして、この意味においては作為をできるだけ避ける、厳正、適正な評価方法を採用してもらう。そして事業としての素地をこの評価に当りましても強固に願いたい。かような考え方で評価委員会の決定に待つことにいたしておるような次第であります。  第三点は株式保有の問題に関するのでありますが、これも只今申上げるような建前で、この株式の処置等を考えて参つて、ここに誤解を生じないように、又不正の発生の虞れがないような処置をとることが望ましいのではないか。かように考えまして、株式は大蔵省に保有さすことにいたし、大蔵省はそれを処分しました場合に、恐らくこれは時価によつて決定して参るだろうと思いますが、その代価を公社に支払つて行く。その適正なる評価がなされ、その株式が時価によつて売却されるといたしますれば、公社といたしましても適正な価額を受取ることになりますので、先ずこれが考え方としては最も素直な考え方ではないか、かように考えておるような次第であります。そこでこの種の会社の株式の時価は如何にして生れて来るか。これは上場株でありますならば、直ちに時価がわかつて参ると思いまするが、それらの問題はまあ将来の問題になりましようか。法文といたしましては、有価証券市場の状況を考慮して、かような方法をとつておる次第であります。この点は各市場における一つの調整行為があるわけでありますので、それを基本にしてという意味合いでありますが、もつと正確な数字が出て参りますれば、又その時価によつて株式が上場されるということになりますれば、そこに時価が生れて来るようになりますから、さようなものを基準にして売却して参るわけであります。而して多額の株式を政府が保有するのでありますので、この処分如何は政府が売りに出るとならば、恐らく価格は直ちに変動いたすでありましよう。又非常に出方が少いとなりますると、株価は会社の力より以上のものが出て参らないとも限らないのであります。非常に困難な問題があると思いますが、御承知のように大蔵省は各種の株式を保有いたしております。株に戦後の状態から各方面の会社の株式等を保有いたして、この株価の算定等につきましては、いわば専門家であるようにも考えますので、大蔵省の処分に待つ。而も相当の期間、ここには速かにこれを処分せねばならないというだけで時期を明示しないことによりまして、株価に非常な変動を与えないで、適正な方法でこれを処分し得ると、かように考えておる次第であります。この点は株価の決定方法といたしましては御心配のような点も多々あろうかと思いまするが、その点は大蔵省が只今保有いたし、又処分しているその経験と知識とを頼りにいたしておるような次第でございます。
  13. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 あとの株式の処分のことは、これは非常にむずかしい問題で、なかなか法律はつきりした明文をおくことが困難かと思います。その点は大体了承するのですが、前の評価のところですが、仮にこの条文を収益率を基礎にするのだ、そしてそれに時価を参酌してきめるのだというふうに、逆にした場合には非常に弊害が起るだろうということでありますが、これは端的に意見まで申上げることになるのですが、まあ非常に資産の割合には収益の非常に多い状態になつておりますから、現在の状態だけからみると、時価だけを基準にして、そこに収益率をどの程度参酌するかという程度では、こういう特別の異例の資産については、評価方法としては余り適当ではないのじやないか。むしろ収益率というものを基礎にしてやれば、それは公社のほうも毎年幾らか電信電話から入つて来る収入というものが、株というものになつて一度に入つて来るということになるだけの話で、公社としては大して収支に大きな穴があくということは避けられるだろうと思うのですね。ただこの収益率というものも今の状態がいつまで続くかということが非常に不安定なものだということであれば、その点をむしろ逆に他の評価方法によつて参酌して修正をして行くということのほうが、この会社の特殊性から見るとむしろ適当ではないかと思います。それが公社収支に大きな穴をあけないで済むゆえんではなかろうかという気もするのですが、この点はどうお考えですか。
  14. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) 御承知のように公社の資産でありますが、それを処分いたします際に、財産の時価と、それから収益率、これを二つの基本条件から評価して値段をきめて参る。この場合にきめ方が、まあ例えば収益の上つておる業務会社のような場合に、収益率に特に重点がおかれて処分をされますれば、一度の処分でありますると、それによつて公社は非常に利益を受けるということもあるだろうと思います。又収益率の見方が非常に価格決定の面においては軽い取扱を受けますと、一時決済であれば公社は損をすることになるわけであります。併し御承知のように一応株式には書換えまするが、その株式はその後市場の状況等を勘案して処分をいたすわけでありますので、若しも非常に収益率のある事業を、収益率を価格決定の際に余り取入れなかつたと申すと、株式の時価は通常の理論で申せば非常に上る、額面如何にかかわらず高いところに参るということになるのではないか。逆に非常にできる会社に不利な評価をしたといたしますれば、株式の額面の維持が非常に困難になるのではないか。かように考えますると、受取るのは時価によつて処分されますので、評価の基本線が先ず生きて参りますれば、只今言われますような公社が非常な損を受けるとか、非常な利益を受けるとかいう問題も防ぎ得るのじやないかというのが、実は一つの狙いであつたわけであります。勿論評価は厳正であり、適正なものということを前提にいたしまするが、いずれにいたしましても評価委員は人間でありますので、場合によるとなかなか希望するものが出て来ないかもわからない。併しながら最後に現金に換算されます時分には、十分その事業の持つ社会的経済的な意義並びに価値等が株価のほうに出て参るのじやないか、それによつて現金化されるので、公社としては適正価額を受けることになるのじやないか、勿論これにつきましてもいろいろな議論があると思います。一旦でき上つた株価は人為的にも相当操作が可能じやないかというような懸念もあると思いますが、一応の、あらましの建前から見ますると、直ちに現金化するのじやないだけに、評価後の時期においてこれを処分いたしますので、その時価というものが評価されたものに、更に社会的批判が加わつて一層適正なものが注入される。こういうことに相成るのではないか、こういうようなことを考えております。
  15. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 理窟はその通りだと思うのですが、それで私この評価のところと株式の処分のところと並べてお尋ねしたのは、そういうことを考えてのことなんですが、一方株式の処分に関しては先ほど説明があつたように、結局これはなかなか時価というものがつかみにくい、それには大蔵省がいろいろな株を持つてこれを処分しておるから、大蔵省の手腕に信頼してやる以外にないのだということで、これが果してどの程度時価、従つて収益率なんかを反映するかどうかということに非常に疑問な点がある。そうなつて来ればこの十項のところに、初めの評価のときに一応基本線だけは抑えておかないと、抑えるところがないのじやないかということで、どちらかでもう少しはつきりした姿にしておいたらどうかというような気持を私は持つておるのですが、この十項で考えて行くか、或いは二十項、二十一項、二十二項のところで考えて行くか、それが両方とも……、これは一方はまあ大蔵省が然るべくやつてくれるだろう、一方は審議会が然るべくやつてくれるだろうというので任せておくと、その結果が非常に資産の額に比して収益率の多い、資産の評価に当つて公社としては、いわば非常に収支の上から言つて損失を招くような評価になる、或いは株式の価格で以て処分しなければならんということになりはしないかということを私は心配しておるので、何かどつちかで抑えたほうがいいのじやないかということを言つているわけなんです。この点は御説明でお考えになつておる点は大体わかりましたから、更に私も考えてみることにいたします。それから最後に伺いたいのは、先般政府委員にこれもお伺いしたことですが、あなたも鉄道方面で御経験がおありになるように、こういうふうに公社になり、或いは一部会社になつて参りますと、職員の交流というのが非常に行われなくなるだろうと思うのですね。併し将来はともかくとして、職員の交流が或る程度できるような仕組でないと、一体人事なんかの上では非常に困る結果になることは必然だと思うのです。私も鉄道なんかの例を仄聞しておるのですが、監督機構です。それから公社というものと非常に交流がしにくいため、人事の上では非常に無理をしなければならんというような例が再三あるようです。そういうふうなことが、今度は会社と三本建てになると非常に複雑になつて来ると思いますが、これについてはもう少し従来の鉄道公社とか或いは専売公社と建つて、人事交流が適材適所主義でやるような仕組を考えるわけには行かないだろうか、これも本来の雄前から言うと或いは無理かも知れません。併し今度は監督機構公社会社というふうになつて来ますので、殊に監督機構は、あなたの説明によると監理官が二人くらいで、あとはスタツフだということになりますと、その監理官が長い間勤めてでもくれないと、あとの人を入れる途がないのでありますので、そういう場合にやはり監督機構公社会社も、いわゆる適材適所主義で人事の交流ができるようにして置くと、こういう制度上の何かを確立して置くということが必要になつて来はしないかと思うのですがね。政府委員の御説明はこれは或る程度やれますと、併しどうもただやれますだけではよくわからないので、どういうことを考えてそういうことをおやりになるか、或いはなられるのか。これは大臣としての御見解を伺つて置きたいのであります。
  16. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) 前の、最初の答弁は要らないと言われましたが、もう一つ、評価の問題をもう一つ私のほうも説明を補足させて頂きたいと思います。これはもう時価でやるとか、或いは収益率一本でやるとか、こういう問題でありますれば非常に容易なものであります。併しながら事業というものは、二つを加味してとにかく評価をして行かなければならん。そういう場合には償却というような問題も出て参りますし、或いは利益率を二分の一に見るとか、或いは幾らに見るとかいうような、いろんな技術的な問題があるわけであります。これにつきましては、できるだけ広汎な資料も集めて、そしていわゆる世間も納得のできるような評価方法であるべきことが望ましいと、かように考えましたので、法律では資産の時価と収益率と二つを以て決定するのだという大原則だけを実は決定した次第であります。併し御指摘のような点は、只今の申上げます評価委員会においてこれを如何に取上げるかというような場合には、過去の実例ばかりではなく、国会の審議等によりまして、御意見の出ておるような点をも勿論参考といたしまして慎重に決定さるべきものでありますので、この点は非常に簡明な書き方をいたしておりまするが、それだけに慎重を期さなければならないものであるということはよく承知いたしておる次第であります。従いまして今後できるでありましよう評価委員の諸君におかれましても、只今申上げる基本線は十分守られて、然る上に評価をされるものだと、かように考えております次第でありますので、一言附加えて置きます。  次に人事交流の問題でありますが、これはなかなかむずかしい問題であります。御指摘の通りにむずかしい問題であります。いわゆる官吏が非常に若くしてその職を辞して、そしてそれがその会社その他に入りまして、過去の知識と経験をその会社等で十分に発揮するというのが今までの実は例であります。今度この公社ができ上りますと、公社職員の勤務年限、今の停年制があるわけではありませんが、こういう点は如何ようになるだろうかと考えますると、一般官庁の場合とは変りまして、恐らく勤務年限が延長されるのではないか。又延長すべきものではないかという感を強くいたすのであります。純労務を提供しております職員といたしましては、恐らく勤務は余り変らないでありましようが、その他の面におきましては永年勤続が官庁である場合よりも可能になるのじやないか。又会社の職員の場合におきましては一層さようなことが言えるのではないが。まだ勿論その停年制を考えてはおりませんので、一層そういう感がいたすわけであります。従いまして公社職員と会社との交流という問題につきましては、勿論適材適所、公社をやめまして会社でその知識と経験を買つてくれますならば会社の職員になる場合もありましよう。又公社といたしましても、国際通信の知識、技能なり、或いはその手腕等が立派でありますならば、そうやかましく言う筋ではないだろうと思います。会社から公社に変ることにつきましては、やかましく言う筋ではない。問題はむしろ官庁の職員であるとか監理官等が、或いは公社の職員になる、或いは会社の職員になるということが考えられるかどうかという問題になるのではないかと思います。これにつきましては監督機関が直ちに会社なり、公社に出て参りますことについては、いろいろの弊害を生ずる虞れがあることも勿論考えて参らなければならない。で、極く少数の監理官でありますので、これらの監理官の転職を考えます上にも、代りになります監理官は如何にして賛成するかということが実は非常に問題ではないかと思います。公社の問題といたしましては、勿論誰か既成の人たちに監理官に就任してもらわなければならないのですが、その後の問題についてはやはり養成の途も考えて行かなければならない。既成の人を直ちに監理官にして、それが又日ならずして会社なり、公社に出て行つたというのは、非常にうまく行きます場合は望ましいことでありますが、余り混淆をいたすことは如何かと実は思う問題であります。ただ私は事業体といたしまして一体として相互に同僚であり友人であり、その知識等をお互に交換し合つて励み合つている現状等から考えますると、窮屈な考え方はいたしたくないと思います。思いますが、極く少数の監理官、一般公務員としての監理官と公社職員であるとか或いは会社の従業員になると、当然収入等も違つておるでありましようから、これらの交流は理論上は可能であるが、なかなか実際問題としては御指摘の通り容易なものではないと考えます。ただ申上げますように、勤務年限というものは相当延長されるであろうということが予想されますので、在来の官庁職員のような早い交替とは、こと変りますので、事務等の問題につきましては、又おのずから別個の方法も考えて行くのが適正ではないか、適当ではないかと、かように考えておりますので、一番問題になりますのは、監理官を如何に処分し、監理官の代りを如何に養成して行くかということが特にむずかしい問題ではないかと、かように私ども考えておる次第であります。
  17. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 大体わかりましたが、結局交流は非常にむずかしいだろうという結論ですね。そこで将来は交流はむずかしいにしても、現在の職員の立場から考えますと、これはまあ郵政と電通とが分れたときにも問題があつたのですが、ずつと長い間電通で育つておつた人であるけれども、人事の関係でこれは郵便局長になつて、本来の自分の経験を活かしてないという人もあちらこちらに見受けられる。その場合に、単に電通省の現在の職員は云々ということは、この法律にも書いてありますが、もう少し広く、郵政省の職員を元の逓信省の職員であつたと一体と見て、希望によつて或いは公社なり会社なりに、この際に入ることをお認めになるようなことはできないものか。或いはその逆に、本来郵政省で育つたけれども人事の都合で、電通のほうに廻つて電信電話をやつている。本来は民間事業に帰りたいというような人もおるわけですね。こういつた人は希望に応じてそういう公社の設立に当つて、こういう交流をこの際にお認めになるのか。これは何とかして希望によつては認めて行かなければならんのじやないかと思いますが、この点はもう少し法律より幅広くお考えになる必要がないでしようか。
  18. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) まだ只今までのところ、御指摘のような問題が起つておりませんですが、従業員の希望と申しますか、これを無視する考え方は実は持つておりませんが、現在の電通職員、これは先ず公社に移つて行くと、これは大筋であります。そういう場合に電通省の職員が、どうも公社職員になるのは嫌だと、やはり公務員になりたいのだと、こう考えますれば成るべくその希望に副うべく努力して然るべきだと思います。それかと申しまして、只今さような募集をいたしておるというところまでには参つておりません。又逆に郵政省のほうからこの機会に公社のほうの職員になりたいとか、或いは会社の職員になりたいとか、こういう希望をしましても、現在電気通信省のほうを本体に考えて、公社なり、会社なりを作らなければならないのでありますので、郵政省職員のかたの希望は二の次になると、だから一般の部外の希望者よりも勿論優先しては考えますが、それを現在の電気通信省の職員と同じ立場において考えるのは如何かと思うのであります。と申しますのは、現在の定員の配置状況その他から見まして、新たに相当多数を受入れる能力は、現在の電気通信省側にはないようにも考えます。併しながら適当な交流と申しますか、電気通信省からも人は出て行くし、その穴埋めをどこからか採用するとすれば郵政省から採用することは、これは望ましいことだと、かように考えます。考えますが、只今のところは余り具体的には進んでおりません。併し先輩であられる新谷さんの御意見もありますので、こういうような問題は具体的に問題が出ましたので、十分誠意のある扱い方をいたして参りたいと、かように考えておる次第でございます。
  19. 稻垣平太郎

    稻垣平太郎君 さつき新谷さんの時価に関する御質問に対して、佐藤大臣のお答え、私非常に了承するのですが、ただそのときに、いわゆる時価と収益率と、こういう問題に関連してもう一つ考えなければならん問題は、この利益金の処分については、第十一条で第一に郵政大臣認可を得なければならない、こういうことになつております。そこで利益率というものは、私の考えでは一体幾らに配当するかという問題なんですが、幾らに配当するかという問題は、事業の性質上或る程度に制限されるであろうということは予想される。これが制限されるということになりますと、利益は非常に多かつたということを仮に仮定すると、その利益はどうやつて消すかという問題ですね。それは或る意味においては時価が相当高く、つまり資産を非常に高く評価されてもよかつたのだと、こういうことにもなると思います。それからして、そうでなければ或る意味において料金を下げるという原因にもなると私は思います。そこでとにかく認許可を第十一条で与えるということがある以上は、この収益率を基準にするというところに非常に問題が起きると私は思うのであります。それが新谷さんが心配になつた点じやないかと思いますが、その十一条の規定と、附則の今の第十五項ですか、それとの間を、一体関連をもう少しお置きになりませんと、これは郵政大臣が審議会の委員長でありますから、佐藤さんがやつておられる。私は非常に御信頼申上げて、今の御答弁に御信頼申上げたが、若し郵政大臣がその点について迂闊に考えておるととんだ評価が起きはしないか。但しここに新谷さんの言われた収益率という問題と時価という問題に大きな影響がある株価の問題は、私は郵政大臣の御説明でいいと思うのです。ということは、利益率その他によつて株価はおのずから市場できまります。その点はいいと私は思うのでありますが、ただ利益率を認許可にしたという点に重点があるにかかわらず、あとで収益率を基準にされると言つておられるのは一つの矛盾だと私は考えます。この点をもう少しはつきりさせませんと、法案の上で私は矛盾がある。これは実際の例を申上げておるのですが、その点について御意見を承わりたい。御意見を承わるより、それを考慮に入れてもらいたいということを私は申上げればいいんです。
  20. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) 今の稲垣さんの問題は至極御尤もだと思います。評価をいたします際に、非常な高い配当が予想されるような評価は、これはどうも不適正なものではないかということが一応言えると思うのであります。ところが今非常に問題になりますのは、一般の配当状況、経済界の配当状況を考えますると、今まで考えなかつたような高率配当をどんどんやつておる。これがどうも普通の形となつて参りまするならば、この評価の問題が非常にむずかしくなるのです。而も今御指摘のように政府認可をするという限り、いわゆる高率配当、三割だとか、四割だとかいうような高率配当は先ずやらないだろうとお考えになるのが、これは常識だと思います。又政府にもそういう高率配当をする考え方は、高率配当を許可する考え方は先ずないのであります。そういたしますると、評価に当りましてもこの点を当然考えて行かなければならない。委員会等におきましてこの配当率の最高を法律できめたらどうかと、こういうような御意見も一部にはあるやに伺うのであります。併し折角会社を作ります限り、この配当率の最高を法律できめますことは、会社経営といたしましては随分無理な処置だと考えますので、私どもといたしましては配当の最高限を法定することには実際に賛成しかねておるのであります。将来の問題といたしまして、相当の高率配当が可能であるように業績が上つて参りますれば、むしろ料金を下げるとか、或いは設備の改善、増強を積極的に図つて行くとか、或いはサービスの拡張をするとか、何らか利便増進の方向においてそれの使われることが望ましいと考えるわけであります。まあ問題は最初の評価に当つて御指摘がありました通り、この配当というような点をも考慮いたしまして評価は勿論考えて行かなければならない。その評価は非常に少額であれば配当率は当然高くなるのじやないかという問題になると思います。この辺が専門的にもつと検討を要する問題ではないかと実は考えておる次第であります。御指摘の通りの心配があるわけでございます。
  21. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) 暫時休憩いたします。    午後零時四十六分休憩    —————・—————    午後二時三十二分開会
  22. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) 午前に引続きまして質疑を続行いたします。
  23. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 前の公社法案の御説明を伺いました場合に、国際電信電話事業公社自体がやるようになつているのですが、それを第二条のこの法律によつて、郵政大臣認可を受けると会社がこれをやることができるということは法律的にはどういう訳合いになるわけですか。これは公社のほうに、会社にやらしたらどうだというふうに、公社自体に認可を与える。そういうことではいけないものでしようか。要するに一切の電信電話事業公社が権利として持つている。それを政府がその一部を会社のほうに法律で分けてある。それが公社には何ら関係なく法律的に行われるということが私にわからん。全くの素人流の考えなんでお教えを願いたいと思います。
  24. 靱勉

    説明員(靱勉君) 今第二条に関連して御質問のようでございますが、国際電信電話会社が国際電気通信業務を営むことは、この附則のほうで電信法の改正によつてそういう能力を与えられたというふうに考えております。それで公社のほうは勿論やはり施行法で電信法を改正いたしまして、公衆通信業務公社をしてやらしめるのである。やらすことができるようになつておりますので、結局ただ電信法の改正によりまして国以外のものが公衆通信業務を営むことができる半面解釈におきまして、結局その他のものは公衆通信業務はできないという形になつておるのでありまして、第二条におきまして認可を受けたということにつきましては、附帯業務その他第一条の目的を達成するために必要な業務を営むことができるというふうに書いてあるのでございます。そこで只今質問の点は、公社にも当然そういう業務を営むことが認められておつて公社に黙つて会社に又ひとしく認めたらどうかということでございますが、これは先般来御説明いたしております通り、国際業務会社に主として国際業務を行わしめる。併しながらなかなか現在におきまして国際会社にやらしめるのが必ずしも適当と思えないものにつきまして公社が依然として継続して行くんだというような政府の原案でございますから、政府の意思をここに書いてあるんでございまして、法案の内容というものはこの会社ができます場合におきましても、国際通信会社がやはり国会の承認を得る。即ち国民の意思がそういうふうに決定されれば、国際業務につきましては原則として国際会社に移つて行くのだということを予定して考えておるのでございます。その点は提案理由の説明等におきまして明らかになつておる次第でありまして、法律的に見ますればお示しの通り、これは結局両方でできるということで、公社から取上げ得るというような観念にはなつておりませんのです。
  25. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 電信法の一条ノ二の本文が公社に行わせるということに規定してあつて、但書で国際関係のものは会社のほうにやらせることができ得るということになつているだけですから、私はやつぱり公社権限があるものである。一般的にはそうであるのですが、そうでなくてやつぱり次官がおつしやるように、どつちにも平等に分けて与えておるというものでしようか。そうだとするならば「国際電信電話株式会社ヲシテ之ヲ行ハシムルコトヲ得」ではなくして、行わしむと断定してよいんではないか。行わせることができるということは公社自体の持つておるものを分割して、一つ会社というものを設立してやらせることが主務大臣権限としてだけ与えられたのであつて、主務大臣自体にその電信電話についての何といいますか、事業を行う権利ですね、業務権と申しますか、営業権と申しますか、それがあるのではない。私はそういうふうに素人流に考えるのですけれども、違いますか。
  26. 靱勉

    説明員(靱勉君) これはまあ一つの法文の形と申しますか、公社法案におきまして、明らかに公衆通信の用に供する電信及び電話に関する業務は、日本電信電話公社をしてこれを行わしむということで、総括的に公社に移つて行く形を規定しておりますが、会社法のほうの附則におきましては「但シ主務大臣ハ日本国外国間ニ於ケル電信電話ニ関スルモノハ国際電信電話株式会社ヲシテ之ヲ行ハシムコトヲ得」と、こういう規定を設けたことによりまして、この範囲というものは非常にまあこちらの原則として国際通信をこれに行わしめるような恰好をとりましても、必ずしもこの法律観念と反しておるとは思えないのであります。第一条ノ二に但書を加えたという形におきましては、公社は先ず国のやつておる電気通信業務を一切引継いでやるのだという体制を整えたのでございまして、そこで会社がその後設立されることを予定いたしまして「但シ主務大臣ハ」云々という但書になつて電信法を改正しておると、こういうふうに考えられますが、その方針といたしましては、先ほど申したように、全然公社から国際業務を取り外すということにはなつておりませんで、殆んど原則はこれにやらしめるという考えを明らかにいたしまして、提案理由といたしておるわけであります。
  27. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 主務大臣が仮に将来電信電話会社に国際関係事業をやらせないということになつて、この但書が削除になれば、私は本文だけが残るのだと思う。その意味合いで言えば、私はどうしても公社自体が一切の営業業務権限を持つようにこの電信法は改正するものと考えるのです。それが同時に両者平等な立場政府から取つたり与えたりと、そういうことが自由に行われるということ自体にも、私は疑問があるのです。そういう点から今の問題をまあ伺つているわけなんですが、この但書が削除になつた場合には、この電信法の第一条ノ二そのものが自動的に返つて行くのではないでしようか、この会社の営業業務権限は。それとも特定な法律規定をしなければ、それは宙に浮いたものですか。先ずその方面からお伺いしておきます。
  28. 靱勉

    説明員(靱勉君) 電信法の第一条ノ二の但書を取りますれば、これは公社だけということに相成ります。併しながらその際に国際電信電話会社法が施行されておつたらどうなるかということにつきましては、又別の問題になるかと考えます。
  29. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それで会社がなくなれば自動的に公社のほうにその事業が戻るのだということが公社事業を、公社の当然の権利の固有と申しますか、或いは国から与えられたと申しますか、そういう権利を国の力で以て会社のほうに分割するという規定になると思うのですが、そうですが。
  30. 靱勉

    説明員(靱勉君) これは電信法を改正することによりまして、公社にも国際業務権限能力を与え、国際会社に対しましてもその業務を営むことができる能力を与えたと、こういうことで、これは国の意思でございます。
  31. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そこでその点は一応具体的な問題としてはわかるのですが、公衆通信の用に供する電信及び電話に関する業務公社に与えられ、公社に与えられているものが分割されて会社が設立されるのですから、手続上からいつても……。だから電信法によつて初めから会社公社に分けて与えたというものではないというふうに思うのです。この但書のほうは、公社からこの会社法案によつて一つ権限が分割せられる場合に、分割しようとする場合の根本の規定になるだけのことであつて、私は権限としては公社自体が一切の権限を持つているのではないだろうかと思うのです。
  32. 靱勉

    説明員(靱勉君) これはその公社の能力を国際会社法及びその中に規定しておりまする電信法の改正によつて奪つたということじやなくて、これにも与えたと、こういうふうに解釈いたすのであります。ただ法文の体裁といたしまして、御指摘の通り、又実際におきましても公社法が先ず施行されまして、業務を開始して行くと、会社法の施行というものにつきましてはこの法案におきましては公社の設立が発足した後を予定することは明らかでございます。そこで公社に行つたものを今度取つて来て、国際会社に付加えるというようなことに実際の形はなるのでありますが、法律的には両方に、国際通信業務を行う権限を与えられたと、こういうふうに考えて差支えないものと思います。
  33. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 これはあとで関連して来る条項があると思うので、又伺いたいのですが、今次官のお話では与えたということですが、公社に或いは会社に……。そうするとこの電信及び電話に関する業務権限というものは、政府が持つておるのが原則になつて政府のものを公社会社にこの業務権を与えたのだと、こういうことですか。
  34. 靱勉

    説明員(靱勉君) 現在の電信法におきましては、政府が要するに電信電話を管理し、実際に経営を担当して行くという形になつてつたのであります。その法律を改めまして、公衆通信業務というものは公社をして行わしむるということで、公社に新たな権限を与えたと、それから国際会社のほうにつきましては、但し何々を行わしむることを得という、ここに電信法に根拠を設けまして、国際電信電話株式会社のほうの第一条の目的を設定して、そのための会社を設立したという考えでございまして、国がみずから経営いたしておりまして、一般の民営その他の形態による経営を認めていなかつたのを、ここで以て公社及び国際会社公衆通信業務をやらしめ得るようにしたいと、こういうことでございます。
  35. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると、公社の場合は話はわかるのですが、独占的な事業権限政府として持つていたものを、一民間のそれに与えるという場合には、これは一般の民間の会社等が、他の会社等に権利を譲渡するということと同様に、営業なり業務に対する権限というものについて、民間から何かそれに代るべき補償をとるわけですか。
  36. 靱勉

    説明員(靱勉君) この法律体系におきましては、日本電信電話公社は原則として政府が今まで持つておりました権利義務というものを包括的に引受ける。要するに国に代つて公社が全部今までと同じような業務を、権利関係等も変更を来たさないように引取つて行くという形になつております。それから民営会社に移す場合におきましては、この法案は現在一般には政府以外のものは通信業務経営できないということになつておるのに、特に国際電信電話会社に対しましては、国際電気通信事業に対してはこれをやることができる。やらしめることができるということにいたしまして、その能力を与えたのでありまするから、新たに、これは国際業務経営して行くという観念であり、国がやつてつたのを代理してやるとか、或いは引継いでやるというような観念ではないのでありまして、これは全く新たにそういう能力を設定した。その際に公社のほうにおきましても同じ観念でございますけれども、今までやつて来たものを一切公社に移すという建前から、権利義務等の処置を明らかにいたしまして持つて行つた。これは或る程度事実的には非常に承継に似た形になると思いますが、法律的な観念といたしましては、電信法の改正自体では特にそういう、今まで一般のものができなかつたものをできるようにした。こういうふうに解釈できると思うのであります。
  37. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私まあ公社法のほうを見ると、どうしても政府事業を、直接の事業を引継いだというふうに考えられる。新たに公社というものが設立せられて、何と申しますか政府と一線を画して、一切の財産なり権利義務なりというものを引受けて仕事をやつて行くようなものだとは考えられない。それと同じ文章、表現になつている民間会社にやらせるということは、何もここになかつたものを、民間会社自体がこの事業を起してやるのだというふうには到底私には考えられない。政府の持つておつた一部のものを引継いでやつたのだという、やるのだというふうにしか考えられない。私このことは、法律的にはどういうふうになつているかということについては、ちつともわからないものですから、後でまあ関係する条項等があつて、だんだんお話をお伺いして行つて、この点は明確にして頂きたいというふうに考えます。  次に第三条の事務所、例によつてわからないことだけお伺いしますが、支店を置くということですが、これは商法によつては定款で支店は明記せられなければならないようになつているようでありまするが、殊更に法律としてこういう規定を設けておかなければならない事情はどこにあるのか。定款は郵政大臣認可を必要とする。そうすれば定款に記載されておる部分について、郵政大臣が発言権があるわけなんで、法律上こういう規定は必要がないのじやないかというふうに考えるので、お伺いするのです。
  38. 花岡薫

    政府委員(花岡薫君) お答え申上げます。お説のように第三条の事務所の設置、所在地の規定は、絶対にこれはなければならない規定ではございません。ただ会社の本拠を東京都に置くと  いうような点が非常に重要な点であるということ。それから同様に支店、出張所の問題も起き得るという点をはつきりとしたのでありますが、この法律全体といたしまして、法の体系上、目的事業事務所と、こういつた工合に法の体系の問題もありますので、これ冊はやはり法の一つの全体の仕組の問題から考えられたのであります。必ずしもこれはお説のように、なくても商法として商事会社或いは民事会社として当然こういつたような線は出て参ります。
  39. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 ですから法体系上、事務所の条項を置かなくちやならん、それはわかる。会社は本店としてそれは東京都に置かなくちやならん、これはわかる。これだけでいいのであつてあとは法体系の必要上、支店、出張所を置かなければならんという理由は何らない。であるとするならば、それは商法によつて定款等で明らかになることで、監督上何ら不都合も生じないだろうし、支店を置くということを明記しなければ支店が置けないというものでない限りは、こういうものは法体系上からも必要がないのじやないかと、一応思うわけです。
  40. 花岡薫

    政府委員(花岡薫君) 只今申しました通り、法の一定の体系というものを相当尊重しておりますので、実は戦前におきましても当然でありますが、戦争後におきましても、これと極めて類似の会社についてやはりこういうような体裁をとつております。この第二項の「支店又は出張所」については特に規定を設ける必要がないのではないだろうかというお話でございますが、まあこれも絶対的に二項がなければならんとは申しませんが、第一項によりまして「本店を東京都に置く」。こう書きますと、勢い二項について、支店は置けないのかというような一応の疑問も起りますので、これも体系上の問題でありますが、前例等に倣いまして一応の体系を整えたわけでございます。
  41. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 まあ体系を整えたということはわかりますが、本店を置くということだけを規定しておけば、支店は置けないのじやないかというふうに考える向きは、私のような素人だけがそういうことを考える向きがあるので、そうでない、これをやつて行こうというほうの人たちは、実際そういうことを考える余地はないと思う。だから今のお話は私は私のような素人に言うときにはそれでいいでしようけれども会社経営して行く者に言おうとするならばナンセンスだと思う。  次に移ります。四条ですが、第四条の一項のほう、この句読点は、どこが区切りになつて、どこがどこへかかるものか、私には何回読んで見てもわからない。大体私のわかつた範囲のことを申上げますと、「会社の株式は、」というのが大番大きなあれだと思う。一つの主体だと思う。「記名式とし、」というのが、これが一つ絶対的な要件だと思う。それから「政府、地方公共団体」、これが株式を持つことができる。ここまでは無条件だと思う。その次の「日本国民又は日本国法人」というこの二つに以下の条件がかかつていると思う。ところが「日本国民」というほうには下の表現のどこで条件が附せられているのかということがはつきりわからない。「日本国法人」のほうは大体わかるような気もしますが、これもちよつとわからない。それでこの条件になつているものは、それならば幾つに区分されるかというと、「業務を執行する役員の半数以上」、これが一つの条件で、それから「資本」、それから「出資の半額以上」、これが一つの条件、それから「議決権の過半数」、こういうのが一つの条件だろうと思うのです。この点一つよくわかるように一応御説明を願つておきますし、それからもう一つは、あれはどなたでしたか、東大教授で会社法の権威といわれる鈴木先生がおつしやつた、「属さない」というこの文章表現についてどうもおかしいと思う。どういう意味のことを法律用語として指しているのかわからんというような御意見がありましたが、この点も御説明つておきたいと思います。
  42. 花岡薫

    政府委員(花岡薫君) 只今小笠原委員から御意見と御質疑とございましたが、この第四条は非常に長い文句になつておりますが、この書き方は今御解釈になつ通りでありまして、その通り意味で書いてございます。日本国民とそれ以下の日本国法人に対するいろいろの資格制限の問題、これはまさしく御指摘の通りでございます。非常に読みにくいことは立案当初から十分に意識はいたしておりましたけれども、これは表現の技術の問題でありまして、一応立法の専門家に任せて表現を練つたわけでございます。同時にこれもやはり立法例がございまして、まあこれで差支えないのではないかという結論に達したわけでございます。最後に「外国法人に属さない」、この四条の中に列挙しておりますものの中に  「外国法人に属さない」という表現を使いますと必ずしもぴんと来ない部分があることを指して御指摘になつたのだろうと思いますが、これは確かにその通りでございまして、もつと区切るなり、切り離すなりして書けば、或いは他に表現の方法があるかも知れませんが、これも只今申します通り立法府の専門員に委せまして表現技術を決定してもらつたわけでございます。他の例もありますので、大体いろいろなものを並べまして、それを最大公約数的に最後に「属さないものに限り」といつたような表現で結んだ点が必ずしも的確でないではないかという御意見でございますが、そういう感じは確かにいたしまするが、まあ我慢できる程度の表現ではないかということで、こういうようになつております。
  43. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 では具体的にお尋ねいたしますが、「日本国民又は日本国法人であつて」というところの、例えば「又は日本国法人」というのを一応括弧の中に入れて、これを見ないで、「日本国民」というものにだけかけて表現を読んでみますと、「日本国民であつて社員、株主若しくは業務を執行する役員の半数以上」、その次がどこへかかつて行くのですか。
  44. 花岡薫

    政府委員(花岡薫君) 只今私「日本国民」ということで切つてあとのことを申上げたつもりでありましたし、又質問の要点をはき違えたかも知れませんが、「日本国民」で切つて、他の「日本国法人」以下の点についての御質疑とこう了解しまして申上げたわけでございます。「日本国民」で切れまして「日本国法人」、それから更にあとのいろいろな資格制限というようなことに書いてあるわけであります。
  45. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると、この「又は」という文章表現は、この「政府、地方公共団体、日本国民」、この三つに続いて最後に「日本国法人」というものがあるので、般の例にならつてただ単に読下す、列挙するだけではなくて、最後に一つ残つた部分があるから「又は」と一応そこで休んで「日本国法人」としたということで、「政府、地方公共団体、日本国民」、これはもう何らの条件なしに株式が持てる。問題は法人だけだ、問題は日本国の法人だけが、以下の条件を充たしていなければならないと、こういうわけですか。
  46. 花岡薫

    政府委員(花岡薫君) その通りであります。
  47. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それならその次の「社員」というのが多分「株主若しくは業務を執行する役員」と同様に考えられると思うのですが、そこでそこを一応ないものといたしまして、「社員の半数以上」、それがどこへかかつて来るのですか、あとは……。
  48. 花岡薫

    政府委員(花岡薫君) 「社員の半数以上」が「外国法人に属さない」、そこら辺の表現が少し……さつき申上げた通り必ずしもそれだけを表現すればもつとほかの適切な言い方があるにかかわらず、ほかと並べて言いましたために、少し精密さが欠けておるかということを申上げたわけであります。
  49. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 「社員」とこれは表現したのは、社員の半数以上が外国人であるような日本国法人ではいけな  いということではないかと私は思う。それが社員の半数以上が外国法人に属さないということは、どういうことなんです。
  50. 花岡薫

    政府委員(花岡薫君) この社員というのは合名会社とか合資会社の場合を指しているわけであります。あれは役員というような言葉は使つておりませんで、社員が構成要素というような場合が多いのであります。その社員の数が半数以上外国人である場合はこの第四条によつて資格が認められない、かような意味であります。
  51. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私は初めから、そういう意味だろうということは御説明を伺つてわかつておるわけです。併しこれを解釈すると、そういうことがどこから出て来ますか。社員の半数以上が外国法人に属さない、外国人に属さないというのならわかりますけれども、それもおかしな表現ですが、法律的にはそういうことを表現上言えるというのですか。
  52. 花岡薫

    政府委員(花岡薫君) 社員とか株主とかいう人間を並べておるわけでありますが、それが半数以上外国人でないもの、属さないものというものを外国人でないものと、かような意味であります。
  53. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると社員、株主、若しくは業務を執行する役員の半数以上というところは、議決権の過半数ということと同様な列挙されたこととして、それが外国人に属さないものに限りというふうになり、それから資本若しくは出資の半額以上が又外国人なり外国法人に属さないものに限つて株式を持つことができる。こういう意味合いを一緒に畳み込んで表現したのだというふうに考えておるわけなんですが。
  54. 花岡薫

    政府委員(花岡薫君) その通りでございます。
  55. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 なぜそういう廻りくどいことをしないで二通りに書き分けなかつたのですか。そのほうがすつぱりしていいと思うのですが、そこで問題は、そうなると鈴木先生がおつしやつたように、人の問題を外国人に属さないということはどういうことなんです。その法律的にですね、外国人に属さない。外国人に属さないということと、外国人でないということとは私は相当別だと思うのですがね。財産なり何なりが外国人に属さないというようなことはわかるけれども、人種そのものを属するとか属さないとかと言うようなことはあり得ないと思う。
  56. 花岡薫

    政府委員(花岡薫君) その点は先刻から必ずしも個々別々に表現したほど正確な基現が用いてないということを申上げておるわけであります。前例もありますので、やはりすでに存在しておつた会社についてこういうような立法例もございますので、一応読めるのではないかというふうに解釈しておるわけでございます。
  57. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 都合がよくなるとそう解釈して行くのがあなたたちの商売、というと大変失礼なことなんですけれども、常に考えられる考え方でありましようから……。一応次に移つて行きたいと思いますが、二項で、やはりこれも鈴木先生であつたかと思いますが、新株の発行ということで一々これが郵政大臣認可を受けなければならないということになつておるが、商法の株式会社のほうでは株式の配当準備金、これらについては株主総会の議決で当然新株の発行もできるし、新株を発行すれば定款も無論変更されるわけでありますが、そういうような関係からそういう株式までも新株として郵政大臣の直接の認可を受けるという形に考えておられるのかどうかという疑点があつたようでありますが、この点は如何ですが。それとも又これは定款変更のほうで、事後にそれが承認される形で認可になつて行くという程度のものに株式の配当準備金を以てする新株の発行がなるのですか。この点お伺いして置きたい。
  58. 花岡薫

    政府委員(花岡薫君) お答え申上げます。新株を発行する場合については、只今小笠原委員からお話がありました通りいろいろの場合があるわけであります。この新株の発行を監督大臣認可にかけた理由は、やはりこの増資をむやみにやるということは、その会社の将来の財政、利益処分というようなことに直接非常に重大な関係がありますので、こういう濫りに増資をすると、ともすれば商法上の普通の商事会社のやり方で行きますれば、そういうことはあり得るわけであります。株の人気のいいときに増資をする、そうしてその鞘を稼ぐというようなことは往々にしてあり得ることだと思います。そういうようなことや会社の財政の前途、公共事業でありますので資本金をむやみに膨らますということは重大な問題でありますので、一応これは主務大臣認可にかからしておるわけであります。ただこの新株の内容について今御指摘のような資本準備金が商法上それが株式に変る、而もこれは株主総会の議決を経ないでも一応やれることになつております。それから更にこの社債から転換して株式になる場合もありますし、株の中で種類の異なつた株式を出すというような場合もございますので、すべての場合を含むかどうかということにつきましては、まあ理論上当然この社債から株式に転換する場合、いわゆる転換社債でございます。それから株式の種類の変更による新らしい株式の発行、こういうようなことについては全くの新らしい株式の発行とはそこに意味が違い得るわけでありまして、そういうものまで一々認可を受けなければならんかということは、これは法の一番最初に申しましたような認可を必要とする趣旨からいたしまして、必ずしも必要のない場合が出て来るかと思います。これは先日の参考人の御意見もありましたので、一応そこまで申上げるわけでありますが、これは私の見聞いたしております範囲の知識で申上げるわけでありまして、監督大臣の最後的の意思がそうだというふうにここで申上げることはできませんが、理の当然の結果といたしまして、そういうような処理が行われるのではないかと、かように考えます。
  59. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると正確にお尋ねしておきますが、株式の配当、それから準備金、これらを新株としてやつて行くことについては郵政大臣認可を必要としない、こうですか、その部分は……。
  60. 花岡薫

    政府委員(花岡薫君) 資本準備金は、これは資本準備金という名前を用いておりますが、欠損補填等の意味も持つておりますので、必ずしもそれが直ちに資本を形成するということは言えないと思います。従いまして資本準備金からこれを株式にして株主に割当てるというような措置につきましては、これは新らしい株式を発行する場合に該当すると存じます。
  61. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると、商法の二百九十三条ノ三の準備金の資本組入という条項は、この会社では適用しないということになりますか。
  62. 花岡薫

    政府委員(花岡薫君) この商法の規定を排除しておるわけではございません。ただこれを濫りに行う虞れもなきにしもあらずということで、認可事項にかかわらせるだけでございまして、この商法の規定によつて行うわけであります。ただそのほかに認可という一つ行政段階が加えられたということでございます。
  63. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 株式の配当のほうもそうですか。
  64. 花岡薫

    政府委員(花岡薫君) その通りであります。
  65. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 株式の配当を新株として配当することは商法上差収えない。ただそれに一つ認可条項が加えられて効力を発生する、こういうことですか。
  66. 花岡薫

    政府委員(花岡薫君) その通りであります。
  67. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 手続上についてお伺いしますが、会社のほうはどういう手順を踏みます場合にこの認可を申請することができますか。取締役会というようなものだけの議決でそういうことをなす、或いは株主総会の議決でそういうことをなす。どの決議を以て認可を受ければ、又商法上どの決議を以て有効となつて行くわけですか。
  68. 花岡薫

    政府委員(花岡薫君) 新株のほうは取締役会の決議によつて認可を申請するということになります。それから利益金の処分のほうは、これは普通の商法の手続によりますと、取締役がそういう利益処分その他一連の営業期におきまする会計書類を作りまして株主総会にかけまして、その承認を得なければならないということになつております。従いまして今お尋ねの点はそういうような商法の規定と、それから認可に持つて行く時期や手続、こういう点のお尋ねだと思いますが、これは私の多少主観も入りますが、実際問題でありましてそのときに臨んで、主務大臣認可申請の手続なり時期なり、或いは附属書類なりについていろいろ指示、命令をするかと思いまするが、そういうことのない現在におきまして、ただ考えられますことを申上げますと、株主総会に付議する議案で、どうしてもこれは主務官庁に或る程度の非公式の連絡を設けて、そうして株主総会の決議があつたら速かに認可とか或いはその反対の場合もございましようが、行政措置が速かに行われるような準備手続を前以て講じて置く。これは非常に無理を生ずる点でありますけれども、どうも事柄が不認可なつた。又株主総会を開く、その結果持つて行つたら又不認可になるということでは際限のない話でありまして、やはりこれは事前の或る程度の措置によりまして監督官庁の意向と申しまするか、許可方針というものに照らしてやらざるを得ないと思います。その点は非常に窮屈でございますけれども、これは利益処分の問題ばかりでなしに、事業計画ということであれ、或いは設備の譲渡というような問題にいたしましても認可申請する。否認される、又初めから今言つたようなことを繰返すよりも、今申上げたようないろいろな事実上の事前措置はどうしても必要だと思います。無論利益処分のほうの問題は多少そこに法律上は無理がございますけれども、そういう実際上の手続をしなければ実情に即した措置ができないのではないかと考えております。
  69. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 この新株の発行は、発行として郵政大臣認可を受けるので、この割付については郵政大臣はなんら関与しないのでしようね。
  70. 花岡薫

    政府委員(花岡薫君) この新株の割当につきましては監督はいたしません。これは普通は定款によりまして株主に割当を受ける権利を認めるかどうか、或いは第三者に認める場合ならどういう場合であるかというようなことが、定款に記載されるのが例でございます。監督機能といたしましてはそういう点までは及びません。
  71. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 これは意地の悪い考え方ですけれども、新株の発行或いはそれによつて利益する者のために監督権を濫用せられたら、これは問題が起つて来ると考えて、実はこういうくだらんことの質問をしたわけですが、ところがあなたの今の御答弁中には私のやはり予想している通り株主総会を開いて議決して申請し、それが何らかの変更を見るという場合に、これは全面的に承認を得られない場合には必ず株主総会を開く。一部分承認されても他の利益金をどう処分するかということのためにはやはり株主総会を開くというようなことで手数になる。これはよくわかることです。但しそのことのために会社の役員が事前に郵政省管理官との間に話をきめておいて、そうして見通しのできる原案を作つて株主総会にかけて行くというところの動きの中には、官庁の役人会社との間に結託するならば如何なることでもなし得るというような、やつぱり一つの繋がりができて来るというような点が恐れられるのですが、そういう点が明確にならないとですね、やはり何と申しますか、利権的ないろいろの問題が会社との間に起つて来、腐れ縁が出て来るというふうに思われるのですが、そういう事前の折衝によつて了解の域に達するのか。或いは逆に株主のかたの有力なのが、政府与党なり内閣を動かして、郵政大臣の手を以て、事前にこうやれああやれというような政党の手がこの関係において伸びて来ないものだろうか。そういう点を心配するものですが、一切そんなことは杞憂であるとして、我々安心してこの条項考えて行つて、ようございますか。
  72. 花岡薫

    政府委員(花岡薫君) 只今説明申上げましたのは、法律運用の問題について申上げましたので、今の職権を濫用する虞れはないかというような問題は、これはおのずから別問題ではないかと思います。ただ事前に連絡したから不正が行われやすいとか、事後ならばそれがないというようなことにも必ずしも保証はできないのでありまして、これは全体を通じての御意見と拝聴いたしますけれども、ただこの事業のほうは株式の問題であれ、その他財務並びに業務全般の運用の問題でございましても、すべてまあ生きものの問題でありまして、書類でポンと持つて来て、それで認可を受けるというようなことでなく、どうしてもこれは事業を円満にやつて行きたいためには、いろいろな意味で事前の連絡或いは示唆を受けるなり、或いは積極的にいろいろ報告を持つて行くなりというような措置は、どうしてもこれは必要ではないかと考えます。
  73. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 こういう点は、私たちとしては相当実際的な運用の面において、政府と特殊会社との関係がまあ不明朗になつて行くものではないかという批判的な考え方を持つている。で、これについてはあと大臣等の御意見を伺いたいのであります。一通り先に進みますが……。
  74. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) ちよつと申上げますが、今の問題でですね、山田委員が関連して質問があるそうですから、それをお含みの上で一つ先へ……。
  75. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 ええどうぞ。第六条でも、二百九十七条の商法規定中に疑義のある意見があつたわけでありますが、それは社債発行総額の制限の場合、第三項になつている部分は制限規定がないが、それは第六条によつては、やはり商法のそれによつて制限されないで募集できるのかどうかというような意見があつたようであります。これについて提案者のお考えを伺つておきたい。  それから第二点としましては、商法のほうではこの資本又び準備金の増額と財産額との関係においては、商法二百九十七条の二項にある「資本及準備金ノ総額ニ満タザルトキハ社債ハ其ノ財産額ヲ超エテ之ヲ募集スルコトヲ得ズ」とあるのと比較しまして、少ないほうの額の三倍を超えてはならないと規定してありますが、こういうふうに規定した根拠はどういうところにあるのか、一応伺つておきたいと思います。
  76. 花岡薫

    政府委員(花岡薫君) これは会社財政を堅実にして置くという考え方の現われでありまして、まあ三倍とは申しながらやはり基本は資産の状態にありますので、資本及び準備金又は最近の会計書類によりまして現存する純財産額の少ないほうを……余り水増しに多く出て来る場合を押えると、こういう趣旨でございます。  それからもう一点お尋ねの商法二百九十七条の第三項に、旧社債を償還するために発行する社債は、この社債発行上の制限額に算入しない。こういう規定がありまして、この点を参考人が先日意見を申されたと記憶いたしておりますが、これは法制局の意見も求めまして、この二百九十七条第三項の規定は当然それ自体が動いているので、第六条の規定の三倍とかいうような発行限度のほかに、旧社債を償還するために発行する社債は別である、こういうような解釈で書いております。
  77. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると第六条については、商法第二百九十七条の第三項が優先すると考えていいわけですか。
  78. 花岡薫

    政府委員(花岡薫君) 結果においてはその通りであります。
  79. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 次に移りまして九条、この表現はどうしてもこれは「会社は、」「会社は、」というふうに逐次並べなければならないために、こういうことにしたのですか。私はこれは正しくは郵政大臣はこの法律の定めるところに従い、会社監督する。こういうことであるか、或いは会社は郵政大臣がこの法律の定めるところに従い監督されるというのが、私は表現上正しいのではないかというふうに思うのですが、どんなものでしようか、念のため……。
  80. 花岡薫

    政府委員(花岡薫君) 実はさつき第四条の点につきましても、非常に精細な御議論で、誠に恐縮いたしたのであります。この法律の書き方は、こういう書き方を他の場合でもやつておりますが、私は法律の専門家でありませんので、理論的に御満足の行くように説明できませんけれども、日本の法律はよく……只今おつしやつたような意味でありますけれども、こういう書き方をするのが例になつているようであります。
  81. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 まあ例とあれば何をか言わんやですが、どうも私まあ素人が、会社監督するという結論のところを見れば、どうもおかしいというふうに考えるわけで、まあこの程度にしておきます。
  82. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) 山田委員、四条の第二項について関連して御質問がありますか。
  83. 山田節男

    ○山田節男君 さつきの小笠原さんの質問に関連してですが、この新株の発行、新株の発行は、これも新らしい商法によると、やはり定款変更じやないのであります。定款に書いてある場合にはそれでよろしい、書いてない場合には取締役会で以てこれは決定できるわけであります。問題は、そういう定款の変更じやない、又取締役会できめるようなものすらも郵政大臣認可を経なくちやならない、これはこの法律全体が、この法案全体がもうこれほどにがんじがらめにして、果して株式会社と言えるかどうか、何を以て公社にせずに民間会社にするかという、全般的に言えばそうです。その一部がここに現われているのです。花岡政府委員の御答弁だと、新株ということは増資の場合の株式発行なのか、それから新株といえども増資の場合の新株ばかりでなく無償株を出す場合もあるし、或いは株式を発行する場合もある。その前提としてはつきりしなければならんことは、今日の商法によれば、いわゆる授権株式資本というものがある。会社が株式資本として資本金が二十億円なら二十億円とします。これに対する授権資本というものがあるわけです。厖大な数に上るわけです。会社はどこの会社を見ておつても、授権株式資本に対していきなり五〇%も発行できるわけじやない。どんな大きな会社にしても、例えば芝浦にしましても、富士電機にしても、二十何億というような会社で授権株式資本というものに対して完全な支払をするような株式会社、これは一ぺんや二度ではできないのです。ですから、この第二項はいわゆる会社の、株式会社としての授権株式資本に満つるまでのいわゆる増資新株を発行する場合には郵政大臣認可を経なくちやならんというのか。或いは無償株をやる、或いは株式の分割をやる、こういう場合にも郵政大臣認可を経なければいけないのか。新株という言葉は商法上いろいろある。会社法のいわゆる増資新株、ところが新株ということは新らしく発行する株を言うけれども、いろいろな株式の種類があるわけです。ですからこれの、言葉を新株というだけで表現するのには、何か定義付けなければ誤解を招く。それから例を一つ言えば、ここまでがんじがらめにしたらば民営会社としての根本的な企業の弾力性というものがなくなるのではないか、そこに今のような疑義が生じて来るわけです。ですから、今の第二項のあなたの御説明では、今のこの授権株式資本に対して、或いは増資のための新株或いは無償株とか或いは株式の分割とかいうような場合のいわゆる新らしい種類の株、これが新株だけじや法律はつきりしないのです。今あなたの言うように、増資のための新株という定義にしないと、法律上非常に疑義を生ずる。このままで設立委員がこの趣旨を体して定款を作る場合に、はつきりした一つのこの法案を、来たるべき国際電信電話株式会社の定款になるべき骨子を今ここで作つているわけです。ですから誤解のないように、法的な疑義が生じないように、この新株とは何を意味しているのかということをはつきりしておかんと、いよいよ定款を作る場合にここに非常な疑義を生ずる。又場合によつたらばそういうことの逃げ道を作つて、不正を働きやしないかということの疑義を生ずるわけです。ですから、今あなたのおつしやつたのでは新株の発行、これは増資の場合の新株の発行だと、これははつきりしないと非常な誤解を生ずる。それから、拡張解釈をすればいろいろなことに使われる憂えがあるわけですね。ですから今あなたのおつしやつたことは、新株という意味は増資のための新株発行だ、これははつきり謳わないといけない。今の小笠原さんに対する説明の御回答を聞くと、増資のための新株発行だと、こう言つておられる。その他の新株発行とか無償株発行は、そうするとどういうふうにするのかその形式ではないのですね。だからそれを含めた新株というなら、もう少し書き方があると思うのです。
  84. 花岡薫

    政府委員(花岡薫君) お答え申上げます。只今お尋ねの、先ず授権資本制度と新株と、それの認可というような関係についてのお尋ねと思いますが、勿論新らしい商法で授権資本の建前をとつておりますので、定款には只今御指摘のように、実例といたしましても、ほうぼうの会社で将来発行すべき株式の総数というものを書いております。設立に際して発行する株、それから将来発行する株について割当権というような問題について書いているわけであります。この授権資本というような制度と一応ここでは離れまして、新株という言葉を単純に用いたわけでございます。そこで新株の範囲の問題になりますが、先刻ちよつと御説明申上げました通り、実質において資本増にならないような場合、今の社債の制度においてすでに会社の資本として、借入資本として動いておつたもの、こういうものについては多少そこに考慮の余地がある。これは勿論私の主観が多少入りますが、これも最小限の新株というものは全く文字通りあらゆるほうにおいて株式を新らしくすべて包含するという、いわばそういう解釈も不可能ではございませだが、実質において新らしい株を発行する場合、この社債から転換いたします場合には、増資ではございますけれども、先刻申しましたようなことが仮に容認されるとしますれば、一応認可制度にかけた趣旨から言つて除外してもいいのではないかということを申上げたわけでございます。無償株は、これは資本準備金を株式化する場合をおつしやつているのだと思いますが、これはやはり資本準備金を株式化することは、先刻申しました通り新らしく増資をする実質的の資本増である、かような見方ができますので、これもやはり新株認可の中に入つて来るのではないかと考えております。
  85. 山田節男

    ○山田節男君 そうすると、さつき言つたいわゆる社債を……いわゆる転換株式ですね。そういうものは認可が要らない。それから無償株とか、或いは株式分割の場合のことも考えられる。株式分割なんかも、資本というものを何も増資しなくても、やはり郵政大臣認可事項になるのか。それで認可を要するものと要しないものと、新株がそうであるならば、やはり法文に示しておかないと取締役……、実際設立委員が定款を作成するのに非常に困るのです。商法の実際上ですね。そこにはつきりこれを謳わなければ設立委員が困る。定款作成に困る。こんなあいまいなことじや困るでしよう。
  86. 花岡薫

    政府委員(花岡薫君) 只今御指摘の点は誠に御尤もと存じます。更に加えて御指摘の分割の場合とか、或いは又更に他の会社を吸収合併するような場合もあるかと思われますが、まあ新株全体を包括的に睨むというのが文字からは当然出て来ることであろうと思います。ただそういう文字を二、三に解釈をしてあいまいなことでは困る。こういうような御意見に思いますが、この認可形式はほかの場合でも、例えば利益処分とか、或いは事業計画認可申請と申しましても、やはり申請書に記載すべき範囲、規模その他いろいろな添付事項について、私はどうしても監督大臣が、或る程度の指示、命令を出して、監督関係を明確にしておく必要があると思います。そういうような関係からいたしまして、新株についての認可を受けろ。こういう原則につきましても、仮に監督大臣がそのときの情勢で、こういうものは認可を受ける必要がないということを仮に考える場合には、それは命令書なり指示事項といたしまして、詳しく被監督者にはつきりと監督関係を伝えておくのがよろしいのではなついかと存じます。そういうような関係からいたしまして、新株につきまして、私多少主観を申上げましたけれども監督関係は新株以外の問題につきましても書いたもので、被監督会社に対して明確に指示しておく必要はあろうと存じます。
  87. 山田節男

    ○山田節男君 これは今も花岡政府委員の言われたように、これははつきりしておかないと、今度会社の定款を作る場合に必ず問題が起るのです。それからもう一つ、さつき小笠原君の質問に対して、配当の制限はやるとおつしやつたのですか。
  88. 花岡薫

    政府委員(花岡薫君) 配当の制限をやるということは、はつきり申すことはできませんが、認可にかかつておりますので、実質的に制限を受ける場合が出て来るかと思います。
  89. 山田節男

    ○山田節男君 これは、今の第十一条の利益金の処分で配当の制限ができるというのですか。
  90. 花岡薫

    政府委員(花岡薫君) そうであります。
  91. 山田節男

    ○山田節男君 今朝の新谷委員質問に対して佐藤大臣は、配当は制限しない、株式の処分が問題になつたときに配当は制限しない、こういうことをはつきり言つてるのですね。私あのときに関連質問をしようと思つたけれどもはつきり配当の制限はいたしませんということだつたけれども、今のお話では飜つて、配当の制限はするのだということになれば、これはいわゆるこの会社はむしろ公社にしたほうがいいと思う。これ以下をずつと見ますと、前の国際電気通信会社では配当七分二厘にしておいて、そうして儲かるからもう施設の改善と減価償却は思う存分にやつている。あの場合よりか、このほうがよつぽどスタートにおいて恵まれている。配当を制限しなければ、今日の通念として二割以上の配当をするのが常識になつているのなら、六割、七割にもできるだろう。ですから、十一条に関連して配当が制限できるのならば、はつきりと謳わなくてはならないでしようけれども、益利金の処分は必ずしも配当ばかりではない。そこが今度の法案全体を見て非常に、公社と変らない、公社よりもつとひどいと思うのです。
  92. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 認可によつて制約を受ける場合があろうということだけ……。
  93. 山田節男

    ○山田節男君 これは大臣と食違つてる重大な事項ですから、靱次官が……。
  94. 花岡薫

    政府委員(花岡薫君) 今、午前中の大臣の御説明に触れて御意見がございましたが、只今一般会社におきましては非常に高率配当をしている。併しながらこの会社につきましてはさような高率配当はむずかしいのではないかというような趣旨に、私は実は大臣説明を聞いておつたのでありますが、これはあとで調査すればわかると思います。無制限の配当という大臣のお話ですと、只今申上げたのと明かにこれは食違いますけれども利益金の処分という言葉の解釈といたしましては、処分の方法なり、金額なり、全体に一応は及ぶのではないか、かような解釈が立つわけであります。
  95. 山田節男

    ○山田節男君 これは大臣はつきり、配当は制限いたしません、こう言つているのですから、私もこれは十一条がここに引つかかるのじやないかと思われるから、余りはつきり言われるから、今小笠原君の質問に対して制限はいたしませんというから……制限いたしますというと、十一条に引つかかつて行くのだと……。
  96. 花岡薫

    政府委員(花岡薫君) 私今ちよつと思い出しましたが、法律の制度の上において配当制限をしたらどうか、委員会に対しても大臣は多分御意見を拝聴できればというようなことを言つておられましたが、一つの方法として、法律規定を以て一割五分なら一割五分の配当で、それ以上は認可を受けるというような制度を考えたらどうかという考えの下に、法律の上で配当率を制限したらどうか。併しこの法律は、そういう制限はしておらない。こういう意味大臣が言われたんじやないかと、私、今思い出しましたけれども……。
  97. 山田節男

    ○山田節男君 それは、今、私があなたに御質問申上げたのと同じ趣旨なんですよ。法律として一割五分以上やつちやいけない。これは法律には謳わない。併し今度利益金の処分で、例えば二割以上はもう認可しないということになればできる。とにかく配当に関して一つ法律上には、そういう今あなたが、大臣がそういうふうに説明されたという御趣旨の法文がなくても、利益金の処分上一割五分以上はいけないということができる。これじや私はもう、いよいよこの法案を出される趣旨が、非常に何と言いますか、自分勝手に経営して能率を挙げる、サービスをよくするというような趣旨で、ますますこれは追利主義、資本主義の経営形態でやらせようというのですから、その根本は配当なんです。利益金なんです。これは非常に矛盾するから、今朝の大臣の言われたことは、今あなたの解釈されているような意味で言われたのかどうか。これはもう一遍大臣から確かめないと、私はそういう感じが今朝の新谷君の質問に対してしておるから、これは一つ大臣に次官も会われればよく確かめて、もう一遍発言して頂かんとはつきりしません。
  98. 靱勉

    説明員(靱勉君) 大臣には、なお、もう誤解がありますとあれでございますからお話申上げておきますが、立案者の法律の解釈といたしまして、利益金の処分の中には配当についても勿論監督の意思を加えることができるというふうに、私ども解釈いたしておるのであります。但しこれはまあ一定の利益金を限定するかどうかという問題もあつたのでございます。そういうことは、現在のようないろいろの経済自体の変動期におきまして、一定率を設けることは非常に困難である。むしろ利益金の処分で行こうというような形になつておるのでありますので、法律解釈といたしましては、べら棒に生ずる利益金を調査して、それを立案いたして配当して行くということにつきましては、これを制限するということは可能のように考えております。併しどの程度でやるかということは、やはり会社の本質と睨み合せ、事業、株式会社の本質も考え合せて決定して行くということで、具体的の事態に当つて見なければ、どの程度にやるかということはわからないのでありますけれども法律解釈としては明らかにそういう場合において配当制限ができると解釈いたしております。
  99. 山田節男

    ○山田節男君 今の靱次官の御発言ですね、これは私今更質問がましいことは言いませんが、この前の国際電気通信会社は七分二厘というふうに配当を制限してあるのです。これは一つの国際会社であり、政府が三分の二も出資しておるからということです。今回の場合は、これは公社から現物出資して、あとはもう政府が株式として処分してしまう。爾後国家或いは公社と何ら関係のない完全な民営会社になるのですね。而もそうしておつて、郵政大臣は、そういう国家のものであつたものを民営にしたものを事業の性質から言つてもう相当がんじがらめに郵政大臣はこれに対して監督する、或いは認可事項を非常にたくさんこれは作つておるわけです。従つて今の利益処分の場合の配当の制限を考慮すると、これは経済上の社会通念と言いますか、損をしない、或いは儲けておる程度に応じて一割五分か或いは三割か五割か、いろいろの何はあるだろうと思うのです。それにしても完全に民営会社になる以上はやはり一つの一番大きな魅力はやはりこの配当だろうと思う。又今日の商慣習から言えばできるだけ資本の蓄積よりも配当にしてしまうというような傾向が非常に強いということは御承知通り。ですからこれまでの利益金の処分で応分にそこでコントロールするのだ、こうしないで、むしろそれならば配当に対する最高限をきめておくほうが、それは私ははつきりしていいのじやないかと思うのです。それから次官の気持はわかりますけれども、併しいつも靱次官のような、或いはこの法を作つたような気持の人がその衝に当つておるかどうかということも、これは我々は考えなくちやならん問題です。ですからこれは速記にも残つておることでありますから、一応今の靱次官のおつしやつたと同じ御趣旨にしても、大臣政府を代表して一応やつぱり御確認になつた御発言を願いたいと思う。
  100. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 第九条で郵政大臣がこの会社監督する、或いは十五条で監督上必要な命令をすることができる。こういうことになつて監督するほうの側にとつては非常に結構な規定ですが、監督されるほうの会社は第十六条によつていろいろ罰則規定が設けられておる。監督するほうの大臣において……不都合なことが会社に起り、それが大臣監督権限上から起つて来るというような問題が生じた場合には、大臣会社の不都合な諸問題について責任を負うのですか。と申しますのは漠然としておりますが、大臣自体に監督する権限がある半面、会社には国会或いは国民に対して責任が明確にあるわけですか。
  101. 靱勉

    説明員(靱勉君) 郵政大臣郵政省設置法の一部改正等によりましても、この会社監督することが明らかにされております。この法律におきまして郵政大臣事業公共性から考えまして特殊会位としましていろいろ監督権限を持つておる。監督を適正に実行するということにつきましては国の行政機関として当然責任があると、こういうように考えております。
  102. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 一応十条に移りますが、この社債を募集し、又は弁済期限が一年を超える資金を借り入れようとする場合、大臣認可を必要とした根拠についてお伺いしたい。
  103. 花岡薫

    政府委員(花岡薫君) この会社監督は先刻来いろいろ御指摘の問題でありますが、大体会社の財政が重点になつております。社債の募集或いは借入金というようなものは直ちに会社の財政に相当影響を持つのであります。まあ会社の財政をなぜそのように立入つて監督するかということになりますと、これは公共事業に対する見方の問題にもなりますけれども、結局は公共事業の生命であるところの料金の政策というものについては政府は無関心ではあり得ないと思います。この点はアメリカあたりについて見ましても非常に自由主義的な、まあ監督は殆んどしないという建前をとつておりながら、この料金の一点から非常に立入つて相当広い範囲監督を実際問題としてはやつております。と同様に、やはり結局財政に影響し、更にそれが料金の適否ということに直接関係いたしますので、こういつたような社債、資本金、更にこの利益金の処分というような点は、一連のやはり会社財政を最低限度堅実な状態に置かなければならないという考え方に基いております。
  104. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 会社の財政ということに主たる監督上の理由があつてこの規定があるというふうに伺いましたが、これを大蔵大臣に協議するという十四条になつて来ますと、その意味合いから言えば、大蔵大臣に協議することは必要がないのじやないか。社債を一般市場で募集するとか、或いはそれが又長期資金を借入れるとかいうことが国の金融財政自体について勘案せられる部分があるとして大蔵大臣に協議しなければならないということになるのではございませんか。ただ単に会社の財政面を監督する、堅実ならしめるという意味合いから言うならば、私は大蔵大臣認可は必要としないと考えておりますが、如何ですか。
  105. 花岡薫

    政府委員(花岡薫君) 大蔵大臣に協議する問題につきましては、第十四条に五つばかり並んでおりますが、この社債につきましては公社の場合におきましても大蔵大臣に協議をすることになつております。で、この会社の社債ももう一応はマネー・マーケツトの面から見ましても非常に関連性があるという考えがいたしますので、公社の場合と同様、やはり社債についても大蔵大臣に協議をしなければ適当でなかろうかとかように考えた次第であります。
  106. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 だからこれが第十条における理由でしよう。ところが先ほどお尋ねした場合には、そうではない、会社の財政を堅実ならしめるがために郵政大臣認可を受けなければならないと、併しこれは郵政大臣認可を受ける実体というものは大蔵大臣と協議の上で認可がなされるのですから、それだけの理由で言うならば大蔵大臣認可は必要でないわけなので、そこでお尋ねしたわけです。それから公社の例を引きましたが、公社の資金計画についてはこれは国会の承認を求めなければならない建前のものがあるわけなんでして、その意味でも又、或いはそれぞれ四半期ごとの使途さえも明確にして大蔵大臣に報告しなければならないという点に相当制約せられておる部面が政府関係機関として当然あるから、これは大蔵大臣の本当の鑑定が出て来るのでしようが、民間会社公社と同様だということを類推して、大蔵大臣認可が必要だということはおかしいと思う。だから今あなたのおつしやつたほうの後段のマネー・マーケツトとの関連があるから、大蔵大臣がその面において協議の相手となり、郵政大臣会社の堅実な運営、運用という部面から内容に立入つて監督権を発動して認可をすると、こういうことなんじやないですか。
  107. 花岡薫

    政府委員(花岡薫君) 少し言葉が不十分でございましたので敷衍いたして申上げますが、会社財政の問題は第一点でございます。その点につきましても大蔵大臣に協議の必要がある場合があるわけであります。そのほかに只今申上げましたような理由も考えられるし、更に又会社が外貨債を起すというような場合に大蔵大臣……国の支払保証をやることになつております。そういうようなほうへも直ちに関係のある問題でございますので、やはり一連の考え方として社債は、郵政大臣認可のほかに大蔵大臣に協議をしたほうが適当であろう、かように考えたわけであります。
  108. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 今の御答弁で大体わかる点はわかるんですが、会社に対しての監督権は大蔵大臣にはない、郵政大臣にしかないのですね。それで外貨債のことが保証契約をするから大蔵大臣と協議をするのだということならば、それはそれで理由がわかり、それだけのことは私は納得できる。一般のことについて監督権がある郵政大臣会社の財政の堅実のために大蔵大臣に喙を入れてもらわなければならんということは私にはわからん。これは郵政大臣だけの固有の監督権限じやないですか。
  109. 花岡薫

    政府委員(花岡薫君) お答え申上げます。外貨債に対する政府保証という一つの角度から大蔵省が関係しておるわけであります。まあそのほかにも財政的見地、特に第十四条中の合併とか解散とかいうようなことは、当然それは……。
  110. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それは問題じやない。十条です。
  111. 花岡薫

    政府委員(花岡薫君) そういうような財政的見地から大蔵省が専門的な経験もあり、まあ同じような多数の場合について経験を持つておるところで見たほうが正しいだろうと……。
  112. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 余計なことですよ。そんなふうな考え方をするから大蔵大臣というものがここに出て来る、それはおかしいですよ。
  113. 靱勉

    説明員(靱勉君) これはもう郵政大臣がこの会社に対しましては監督権を持つておるのであります。ただ財政金融に関する問題につきまして、大蔵大臣としましても若干見ることが適当であろうというので、こういう規定を設けたのでございます。先ほどの説明で、単に会社の財政の健全性というだけでは大蔵大臣は関与する必要はないわけです。
  114. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると念のためにこの際伺つておきますが、大蔵大臣はこの会社設立の場合において、株式の額とか或いは株価とか或いは新株の募集とか、そういう会社経営に直接関係する問題について、一般的な金融財政上の事情等々の理由をくつ付けて、かれこれと容喙して来るということはないというふうに了解しておいてよろしうございますか。
  115. 靱勉

    説明員(靱勉君) 御承知のようにこの会社公社から全部出資ということになつておりますし、それから公社の得ました株式は一般会計のほうに譲渡するということになつておるわけであります。従いまして附則等におきましても、例えば評価審議会に大蔵省の職員を出す、併しその委員長は勿論郵政大臣只今おつしやつたような関係につきましては、この法律に書いてないことについて大蔵大臣法律に基いて発言することはないものと考えております。
  116. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私はその点はわかる、政治的に介入するというようなことはないかということです。
  117. 靱勉

    説明員(靱勉君) 権限のないことに介入することはないと考えられます。
  118. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 これはどうも次官に聞くことではなかつた。で又あとのことにしますが、もう一点聞いておくことは、第六条との関連で、第六条で社債募集の限界が示されておるのであつて、第十条で重ねて郵政大臣認可を受けるという点は、私は支払期限ということについて条件があつて認可を受けるということはわかると思うのです。ところが社債を募集するということについて漠然としたこういう表現で、これが一切郵政大臣認可だということは第六条の規定から言えば重複しておる部分があるのじやないかと思うのですが、主としてこれは社債額を指してこの場合は言つておるのではないだろうか。郵政大臣認可ということは具体的な金額を指して主としてここで監督をして行くことではないかと考えるのですが、それを使つていいとか使つて悪いとか、募集していいとか悪いとかいうようなことは、第六条のこの規定のある限り郵政大臣としては行過ぎではないかと考えられますが、その点は如何ですか。
  119. 花岡薫

    政府委員(花岡薫君) 第十条は具体的の額について認可を申請して、それによつて許可をするという場合であります。
  120. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると社債募集の適否については郵政大臣には監督権はないと第六条から考えてよろしいのでございますか。
  121. 花岡薫

    政府委員(花岡薫君) 第十条は具体的に社債の額を定めて認可を申請する。それに対して認可をするかしないかの問題につきましては、やはり適否の問題も一応考慮しなければならないと思います。
  122. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 これは私のほうも質問が適切でなかつたと思います。別にお尋ねしますが、社債募集について認可申請した場合にこれを全面的に却下する権限はない、こういうふうに考えてよろしうございますか。
  123. 花岡薫

    政府委員(花岡薫君) 「認可を受けなければならない。」という場合は、認可をする場合と、そうでなく認可をしない場合というものを含んでいると考えております。
  124. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それなら第六条と第十条は一緒になりまして、会社は商法による制限を超えても郵政大臣認可を受けた場合には社債を募集することができるということが正しいのではないですか。第六条で一般的な規定をしておいて、そうして第十条で郵政大臣認可を受けなければならないということを出して来たことは、第六条の全体について、募集することができるという一般的な権限を否定することができるのですか、十条で……。
  125. 花岡薫

    政府委員(花岡薫君) 第六条は会社の能力規定でありまして、第九条から以下は監督事項を取りまとめてここに並べたのでありまして、規定した趣旨が異なつておるわけであります。第六条のほうは会社の社債発行能力、それからそれに対して監督事項は別の規定で、立法の便宜と言えば便宜かも知れませんが、別のところに一応まとめたわけでございます。
  126. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると第六条と十条とが不可分の関係にあつて、初めて一つの行為ができる。それを分割して表現したのだということの意味のように考えられますが、私は法律の専門家でないからわかりませんが、第六条が社債の募集をすることのできる権限会社に与えておいて、そうして郵政大臣が今度はそれを同じ法律によつてどうにでもできるということが、どうも私としては呑込めないところなんです。他にもそういう例がありますか。
  127. 靱勉

    説明員(靱勉君) 第六条は社債発行限度の特例を規定してある。勿論第六条の枠におきまして郵政大臣も……、これを更に四倍も募集するような申請をして来ましても、これは郵政大臣認可はできないわけです。第十条は個個の募集の場合にそれを事業計画その他から考えて見まして、適当かどうかを判断しまして認可する、こういう形になる。認可趣旨としましては先ほど御説明したような次第であります。六条と十条は重なつておりませんし、矛盾もしておりませんと考えます。
  128. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 もう一点伺いますが、郵政大臣認可を受けなければならないということと、認可を受けなければ効力を生じないということとは同意義ですか。
  129. 靱勉

    説明員(靱勉君) 同意義ではございません。第十六条の範囲内におきまして、会社が郵政大臣認可を受けないで社債を募集しても有効でありますし、認可を受けなければ効力を生じないと書いてあれば、それは無論無効の無律行為ということに相成ります。
  130. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それでだんだんわかつて来たのですが、関連しますから飛びまして十六条に参りますが、この十六条の一号と三号でございますが、これは並んで記載されてありますが、一号の中に包括して入るものとは違いますか。
  131. 花岡薫

    政府委員(花岡薫君) 十六条の一号は認可を受けなかつた行為に対する罰則でございますが、三号のほうは認可を受けておつてもなお且つ違反する場合があり得るわけであります。一ぺん認可を受けてやつて会社財産等の変動によりまして、その限度の認可を受けてあるが、後に事情の変更によつてその限度が変つて来るというようなときには、例えば純財産の変動によりまして発行できないという規定は、これはやはりその場合にも適用されるので、それをかまわず発行するという場合がありまして、必ずしも一号と三号はその内容は同一ではございません。
  132. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 同一ではないし、罰則規定が同一に適用されないというなら、一つの行為について一号によつて十万円以下の罰金がかる、三号によつて十万円以下の罰金がかかる、こういうことになる場合があるように考えられますが、そう了解をしてよろしうございますか。二重に一つの行為が罰せられるということになるんじやないですか。
  133. 花岡薫

    政府委員(花岡薫君) 只今説明申しましたような場合について言えば重複する場合はなかろうと思います。認可を受けないということによつて第一には先ずかかりますが、第三の場合は認可は受けたがというようなものになつて来ると存じます。
  134. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 具体的に申上げますが、第六条の純財産額のいずれか少い額の四倍の募集をした。これは第三号によつて罰せられると思うのです。そういう場合に……、それが今度は郵政大臣に持つて来る場合にはまあ三倍以下の適当な文書で認可の措置を持つて来る。或いは持つて来ない。どつちでもようございますが、そういう場合には会社としては金額においては多少の差があろうとも、やろうと考えた行為そのものは一つなんで、それについて二方面からこれは罰せられ。こういうことはまああるのじやないかというふうに私は考えるのですが。
  135. 靱勉

    説明員(靱勉君) これは第一号だけでは第三号の場合必ずしも処罰することができないものですから、三号を特に書いたのでございまして、重なつて来る場合には、その場合に十万円以下の罰金に処するということにつきましてそれぞれ一つの行為が二つの事犯にぶつかつておるという場合におきましては、一般の場合に準じまして処分を受けることは当然だと思います。
  136. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 この辺のところはちよつとわからない点もありますけれども、先ず一応十一条のほうに入りますが、この公社のほうでは役員である理事は総裁の任命するところであつて政府機関の何らの承認を必要としないように考えられます。然るに民間会社であるこの会社は、理事のような者に該当する取御役、監査役まで全部郵政大臣認可を経なければならないというふうにしてあるのは釣会い上どういうことになりますか。
  137. 靱勉

    説明員(靱勉君) 釣合いとおつしやられますと、それぞれの理由で以て御説明をするより仕方がないのでございますが、この会社に対しましては勿論いろいろ監督規定はございますが、会社としてやはり非常に大きな公共事業経営して行くという意味合いにおきましてその経営者なり監査役の選任、解任につきまして郵政大臣監督相当強化している一つのこれは政策といえば政策であるかと存じます。公社のほうにおきましては、総裁、副総裁が内閣の任命、理事は、総裁を信頼いたしまして総裁が任命するということになり、又取締役、監査役の職能権限会社の理事の権限と、その間差異のあることは申上げるまでもないところかと思います。そういう意味で十一条におきまして役員の選任、解任を認可にかけたわけでございます。
  138. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 只今前段におつしやつた会社経営の規模が大きい、役員の職責が重大である。従つて監督も十分しなければならないという、その部分の理由は私は公社においてはなお大きいと思う。後段のほうの理事の公社における職責と、会社における取締役、監査役の職責とは差がある。差があるというのは取締役、監査役という民間会社の重役のほうは権限責任が重い。だからこれは大臣認可にしなければならない、こういうような理由のようにまあ聞き取つたわけですが、かりそめにも、公社のような大規模な経営について総裁を信任した、だから理事は、内閣の任命でなくてもいいということであれば……民間会社で特に株主の信任を持つているとすれば、選任した者一般について云々するのでなくて、私はやはり取締役会長とか、或いは社長とか、こういう会社を代表する者についてこの取締役会等における互選なら互選とか、その推薦によつて、まあ郵政大臣認可等をして行くというようなこと、そういうことでやるなら考えられますけれども、すべて何もかも郵政大臣認可を必要とするという根拠が必要ならば、直接的に差があるといつても、公社のほうにおいて仮に役員としてやる限りにおいては理事も内閣の承認なりを私は必要とするということが、当然でないかというふうに考えるのですが、御意見は如何ですか。
  139. 靱勉

    説明員(靱勉君) 先ほどお答えいたしましたのは、理事の権限が必ずしもこの会社の取締役の権限より重要でないという意味で申上げたのではないのでありまして、両者の比較というような御質問でありましたら、商法上の取締役の権能と、勿論公社におきます理事の権能とはそれぞれ差がある。併し内容、仕事につきましていずれを重しとし、軽しとしてお答えした次第ではないのでありまして、ただ結論としましては重いから認可にかけたのじやないかとおつしやるかも知れませんが、これは純然たると申しますと語弊がありますが、特殊会社といたしましてともかく会社経営でここに規定してある以外のことにつきましては全く会社自由意思でやる。而もこれは監督すると申しましても、いわゆる事業公共性というようなところから極く必要な事項を限定して抑えている。公社の抑え方と会社の抑え方との比較というようなものも別に成立つわけでございますが、一つの政策としまして、こういう民間企業にともかく任す。公社というものは、御承知のように非常に公的色彩の強い、政府関係機関と申しますか、これはまあ特殊会社でありますが、やはり株式会社たる性格を本質として持つているというような点から、特に役員であるかたがたに対する選任、解任に当りまして郵政大臣権限監督権限を強化した唯一の方針と申しますか、やり方でございます。
  140. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私何もいいとか悪いとか言つておるわけじやない。一般的に国の直営事業公社でするほうが、民営の長所を取入れて機能を十分発揮せしめ、又能率を上げることができるという原則から、ああいうことになつて、その役員の一部が総裁の任命、或いは総裁でないとするならば、まあ一般国民を代表する者によつて選任せられるというようなことでもいいでしようが、いずれにせよ政府は直接これに対してですね、具体的な人間についてかれこれという法律的な根拠を持たない。総裁に一任されておる。それよりももつと公社経営よりも、前進するものであるとして、この国際関係のこれだけは民営の企業がよろしいという建前で、民営にしておきながら、このこういう部分については公社以上な監督権限を強化しなければならないということが私にはわからんのです。そういう意味合いから、まあ全般的にこの会社法案について考えられる部分がありますが、ここで集約的に、具体的な例によつて立案者の御意見を伺いたい。どうも私は論理的にこういう点は矛盾しているのじやないかというふうに考える。そういう御心配があるならば、山田君等も再三言う通りにですね、公社であるのが最も望ましいのじやないか。心配があるならばもう公社がいい。任せるならば相当これは任すべきではないか。又それは到底任せられないとするならば、この会社経営責任者等に、直接の責任者等にこういう監督権限はとどめていいのではないか。或いは事前に、これも政府関係会社とにおいて話合えるような立場で、この問題を処理するというほうが、まるく運営されるのではないだろうかと考えています。而も選任のほうは一応それでも一通り成立つでしようが、株主総会等において批判を受けて、そうして解任するという場合に、その解任まかりならんということで、会社経営或いは会社に直接利害関係ある者の意思が無視せられて、そうして大臣考えによつては、不信任されておる会社重役がそのまま残つて、運営について総意を排して専断専行できるという可能性を、これは認めているというようなことで、おかしいのじやないかというふうに素人風に考えるわけです。そういう点から一つ御所見を述べて頂きたい。
  141. 靱勉

    説明員(靱勉君) 代表取締役と監査役だけの選任というような考え方も、勿論今おつしやいましたようにそれも一つ考え方であると存じますが、原案といたしましては、やはり取締役というものは取締役会を構成いたしまして、株主総会から任された相当大きな権限を持つておるということでありまして、認可事項にかけてあるのでありますから、解任の場合もかけておりますが、今おつしやつたような例においては、これは解任を認可しないというようなことは先ず想像し得ないのでありまして、在来こういう特殊会社監督につきましては、勿論法律の最後的な根拠はありますが、やはり会社に任した以上は、会社としてやはり相当自由に、又株主総会の意思を中心として動くという本質は、これは認めておるのでありますので、その本質の上に立つて、こういう監督事項を設けておるということにつきましては、この監督権限の行使というものにつきまして、やはりそこに一定の限度があるものと私ども考えておるのであります。無制限に何でもできるというようなものではないと思います。おつしやつた意味は、十分私どももよくわかるのでございますが、又こういう考え方もあるかというふうに考える次第であります。
  142. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 これも聞くことはどうかと思いますが、出て来たものについて郵政大臣はイエス、ノーというような範囲でだけこの認可権を扱うのか、或いは政府の意図する具体的な人物をこの会社の社長に据えろ、取締役にしろ、こういうような内容をも含んでこの認可という問題が考えられているのか。この際この点を明確にしておいて頂きたい。
  143. 靱勉

    説明員(靱勉君) 只今例にとられたような場合におきましては、勿論郵政大臣がこれをしろというようなことは言えないのでありまして、役員の選任を株主総会でいたしましても、それをただイエス、ノーということになるのでございまして、そういうことをこの法律は強制を認めているようなことは全然ございません。
  144. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 この設立に当つては……関係しますからお伺いしますが、設立の総会のときには、公社が手離したものに対する株式は公社が持つて臨んで行くのですか。もうそのときには政府に譲渡せられて、こういうような設立総会に臨むのですか。私はこれはもう当時において公社であろうと考えるのですが……。
  145. 靱勉

    説明員(靱勉君) これはもう附則等に会社設立の順序が書いてありますが、この際におきましては公社が持つております。
  146. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 而もこれは公社から譲渡せられる資産その他によつてできる株式ですが、株式の過半数は私はその当時においては公社が持つものと考えますが、そういう前提で話を進めてようござんすか。
  147. 靱勉

    説明員(靱勉君) 結構でございます。
  148. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 その場合に公社側では役員を大体出すようなお考えがございますか。又そういう意図がないとしまして、他の株主等の意向によつて、他の株主等の意向を尊重して、代表取締役、その他取締役をきめようというお考えでおりまするか。これはもう公社政府を背景にして、一切のそれらについては具体的な人物をこの会社重役に据え付けるというようなことになりますか、念のためにお伺いをしておきたい。
  149. 靱勉

    説明員(靱勉君) これは法律的に申上げますと、先ず第一に公社がどの程度現物出資をするか、会社の資本総額が幾らになるかという問題に先ずかかつて参りますが、先ず想像するのに、過半数を公社が持つのであろうということは先ず常識的に考えられますので、設立委員考えといたしまして、或いは現物出資をする面と有償譲渡を受ける面とございますが、一般公募株をどのくらいにするかということは主として設立委員がきめて参るのでございます。仮に過半数を持つというような場合を想定いたしますと、普通の株式会社におきましてはそれで役員の選考というものができるわけでございます。併し特殊会社としまして設立委員政府がこれを命ずる。設立委員は勿論株式を引受ける義務は商法の発起人のごとくにはないことは、これは特殊法人でありまして、そういう義務というものはないわけでございます。やはり役員の選考等につきましても設立委員において相当下ごしらえができるのではないかというふうに普通想像されるわけであります。公社がその株主権に乗つかりまして、そこで公社の意図によつて役員を選任するというようなことは、そういうことは考えてないものと私ども考えるのであります。そう意味におきましてはやはりこの役員の選任を郵政大臣において行なうという点において、仮に公社が非常な横暴を極めて、公社関係の者を役員に出すというようなことがあれば、それはやはり認可の問題として考えられると思います。こういう会社を作るのでございますから、会社設立の趣旨に則りまして、やはり株主総会の決定というものを尊重いたしますと同時に、この当初の出発におきまして、現物出資によりまして公社が株を相当持つというようなことが、それ自体で以て直ちに決定されてしまうということは好ましいことではないというふうに考えますので、勿論政府が或る者を社長に立てて、これでなければいかんというような形で行くものとは考えないわけでございます。
  150. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私は今の次官のお話を聞いて、次官の御答弁がそうであればあるほど私はこの問題については非常に意地悪く疑惑を持つ。この取締役及び監査役の選任及び解任こそは将来特殊会社として政府が自由に丸抱えにして密接な関係を持つて行くという部面において必要である以上に、私は設立の当初において、この問題があるとないとでは非常に重要な結果が出て来るというふうに想像されるのです。もうこれはこの十一条のこの部分の適用は当初の設立に当つて郵政大臣の胸三寸の中にあらゆる人物が自由にあつて、この会社へ配置でき得る。そういうことをこれはもう認められておるものだというふうに私は考える。公社が自己の主張をしても郵政大臣がそれを認可しないであろうというようなことが今の御答弁の中にも出て来ましたが、ましてや民間のその他残余の株を引受ける程度の株主において重要人事についての主張はもう実際的にはできないだろう。私はこれについては郵政大臣相当の構想を持つていられるのではないかというふうに考えられますが、事務当局にもお伺いしますが、新聞記事等に、過去において挙つた社長候補とか何とかいうようなものは一切あなたがたお知りにならんことだろうと思いますが、念のために御承知になつておられるか、どうか伺つておきたい。
  151. 靱勉

    説明員(靱勉君) 先ほど私がお答えを申上げたのでますますそういう疑惑を持つとおつしやるのでございますが、その意味は、非常に(「次官の言うことは正しい」と呼ぶ者あり)株を買い占めて、それで以て重役を独占するというような、そういう行き過ぎについて郵政大臣は最後の宝刀として認可、不認可の問題があるのではないかと申上げたのでありまして、郵政大臣が悪者に立つてやるという意味ではない。この会社を何のために設置するか、この会社の役員というものは当初におきましてこの会社仕事を十分理解して、而も職員の大部分は在来国の事業に従事していた人たちが行かれるものと考えるのでありまして、それらを按配をいたしまして、どういうかたが適任であるかということの判断、これは設立委員においても判断されるでありましようし、株主になるかたでも勿論この会社の発達のために考えられるだろう。そこは社会的に妥当な線というものを考えるのでありまして、この規定を以て直ちに郵政大臣が横暴を極めるというふうに解釈するのは少し……そういう解釈は絶対にできないかとおつしやられれば、法律的にはできるかも知れませんが、法律の精神はそこにあるものではない、こういうふうに申上げたいのであります。  それから最後に御質問の点でありますが、どういう人が社長の候補になつておるか私どもまだ正式に新聞に出たとも考えていないのでありますけれども、全然今のところ人事については承知いたしておりません。
  152. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 次官の答口弁のしようが悪かつたから、私はそういうふうに邪推するということではなくて、次官の答弁が正当であればあるほど私はそういうふうな可能性のあることを邪推するということを申上げておるので、次官の御答弁は私は御尤もな法律上そのままの御答弁であると伺つておるわけなんで、次官の答弁を誤解しておるわけではございませんから念のために申上げておきます。何しろ設立委員は郵政大臣の任命で、それが株主総会を主宰して、それが郵政大臣認可を受けるということは先ほど次官の御答弁にもあつた通り、形式的にそのときひよいつと機械的に出て来たものに対して認可の判を捺すことではなくて、事前にいろいろな工作があつて初めて人が生まれて来るのでございますから、それで次官の御答弁のようであればあるほど、これは設立の当初における会社の重役に対しては郵政大臣の直接の息が全部的に、或いは重要部分については決定的にかかるものだというふうに私は断定してもよいと思う。そういうふうにさえ想像するので、その点から申しますと、これはどうも余り望ましいことではないというふうな考えを関連して持つたわけであります。これは大臣にもそれぞれ伺いますが、それで念のために部長に伺いますが、やはりこの新株の発行のときに、御答弁にあつたように、十一条全般の場合においても株主総会なり取締役会なり、これらの決定前に非公式な実際的な認可上の交渉があつて、それが確定せられた場合に、初めて正規の機関の決定になるという取運びが実際的であるというふうにお聞きしてよろしうございますか。
  153. 花岡薫

    政府委員(花岡薫君) 先刻申しましたのは、利益処分認可の場合について実際上どう運ぶかということにつきまして主として申上げたわけであります。そういつた工合に、株主総会の当日決定をみるというような運びにするためには、そういつたような方法も必要であろう、こういうことを申上げたわけであります。その他具体的の場合に、ただ一片の書類を急に出して来るということは、必ずしも事業運用上円滑にやるゆえんではなかろう、こういうようなことを申上げたわけであります。
  154. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 どうも特殊会社、特殊会社ということに便乗して、民間会社経営を商法上やらせるという建前にしておきながら、都合のある部分については特殊会社であるからとして、株主以上の権限を各種の部面で発揮せらるるということは、これはどうも常識としてはおかしいように思うのですが、次の定款の変更でございますが、この会社法の他の条項によつて郵政大臣認可等を受けなければならないというものの条項のうち、それが結果としては定款の変更をしなければならないものはどれどれですか。それをちよつと列挙して頂きたい。私は二重にこれは郵政大臣監督権というものを発動するということがおかしいのじやないかという考えを持つてるから、その点を列挙して頂きたい。
  155. 花岡薫

    政府委員(花岡薫君) お答え申上げます。定款の、最初の定款はあとに附則のほうに書いてございます通り、全面的に郵政大臣認可ということになつております。それから定款のその後の変更についてこの法律に明記してあるという、認可事項のほかにどういうことを……。
  156. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 いやそうでない。明記している部分について……。
  157. 花岡薫

    政府委員(花岡薫君) 明記している部分につきましては、その認可で効力は発生するわけであります。あと定款の記載事項であります場合には、形式的には或いは重複して来る場合が出て来るかと思います。併し定款の変更の認可事項にいたしました理由は、そのほかにいろいろな郵政大臣として見ておかなければならない事項があるから、その点を主として考えまして、定款の変更につきましては認可を受けなければその効力を生じないと、こういうふうにいたしたわけでございます。
  158. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 だから私のお尋ねしているのは、認可事項になつている部分で、定款変更として定款に記載しなければならない部分はどれとどれが、具体的に指摘して欲しいということを申上げたのです。
  159. 花岡薫

    政府委員(花岡薫君) ちよつと失礼ですが、今の認可事項でどういうことが定款に記載……。
  160. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そう。
  161. 花岡薫

    政府委員(花岡薫君) 合併、解散というようなことは記載されます。あとは取締役の氏名とか事業計画、そういうものは定款事項に普通は挙げておりませんですから、この認可事項について挙げてありますもので同じことを定款に書くというものは、合併、解散というような以外にはここに見当りません。
  162. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 新株の発行はどうですか。
  163. 花岡薫

    政府委員(花岡薫君) 新株を発行するときに認可を受けるわけでございます。
  164. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それは定款変更としての記載事項ではございませんか。
  165. 花岡薫

    政府委員(花岡薫君) それは定款にはあらかじめそれについて書いておく場合がございます。新株の発行の時期に発行するということについての認可でございます。その他の発行の条件、時期、そういうようなことが若し定款に書いてあれば、それはその点については或いは重複するかも知れません。
  166. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 定款に資本金額が書かれる場合において、新株を発行したから資本金額の変更で定款が変更になるということになるのじやないですか。
  167. 花岡薫

    政府委員(花岡薫君) 資本金そのものでございますると、まあ新商法の全体の趣旨から言いますれば、資本金は定款事項でない。前の商法では定款の必要事項になつておりましたけれども、普通は資本を書く代りに、先刻山田委員からお尋ねがありました授権資本、つまり将来発行する株式の総数というような形で挙げるのが普通のようでございます。但し資本金が変更された都度登記を必要としますけれども、その点は新株の発行とは少し変つた問題ではなかろうかと思います。新株につきましては定款事項になつておりますが、定款に記載された範囲で或いは重複する場合が出て来ると考えております。
  168. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それであなたのお話では、郵政大臣認可を受ける事項は、認可を受けたとき効力を発生する。定款の変更がそれに伴つて必要な場合には、定款の変更は形式的なそれは変更であり、認可である。効力上には関係のないことであるというふうな御説明であつたようでありまするが、そうでありますと、附則の十七の商法第百六十七条、定款の公証人の認証という問題、これによつて私は商法上は効力が出る。而もそれによつていろいろこの紛争の処理ができるように考える。そのことのために私は公証人の認証を必要とするというふうに考えるのですが、この会社では郵政大臣認可があつたときに効力があつて、定款の変更ということの必要をまあ認めないというか、必要がないというようになりますならば、まあそのために公証人の認証ということを排除して、郵政大臣認可するということでいいということにしたということになつて来るでございましようが、いろいろの紛争が起る場合において時期の問題としてですね、問題が起つて来るんじやないでしようか。定款の変更を以て効力が発生するというほうが正しいのではないんですか。この公証人の認証というものから除外して、それに代るものとして郵政大臣認可ということになつた、形式上は。それを具体的に個々の問題として郵政大臣認可した。そのときにおいてもう公証人の認証に代る効力が発生して来た。こういう考えになるわけですか、この辺はどうですが。
  169. 花岡薫

    政府委員(花岡薫君) 今挙げられました百六十七条は、会社設立の際の定款の認証の規定でございますが、これに代えて、今小笠原さんの御指摘の郵政大臣認可でよろしいという制度をとつたわけでございます。それて一番最初に言われたことに対しまして申上げますが、新株の発行につきまして認可を受けて、それで効力を発生するわけでありますが、その認可を受けた内容が、できておる定款と異なつた内容であるとすれば、その部分は合せて定款の変更ということになりまして、そこのところが形式的には重複すると思いますが、実際の処理上におきましてはやはり合せて同時に認可を受けることが必要であろうと思います。
  170. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると定款に規定せられていることで、個々の問題が郵政大臣認可なつた場合には、その個々の問題として認可なつたときに効力を発生するということではなくて、定款の変更の認可の期日からその効力が発生するのだ。そうでなく定款に関係のないものは個々事項として認可されたその時から効力が発生する。こういうふうに聞いてよろしいんでございますか。
  171. 花岡薫

    政府委員(花岡薫君) この認可事項認可を受けなければその効力を生じないというのは、この規定が優先してその効力発生の時期はこれによると思います。ただ只今申します通り、この認可が同時に定款の変更を伴うような場合には、これはやはり認可申請、同時に認可と、こういう実際上の手続をとることが必要であろうと思います。
  172. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 関連して今お尋ねしましたのでお尋ねしますが、公証人の認証に代えるに郵政大臣認可を以てしたということは、この法律的な体系としてはどういうふうなことになるのですか。
  173. 花岡薫

    政府委員(花岡薫君) この会社の設立の関係につきましては、商法に対してかなりの例外を設けて設立委員をして処理させるという建前をとつておるわけでございます。その結果定款の作成、効力発生というようなことをやはり一応例外として明記したわけでございます。勿論定款の内容とか、そういうようなこの法律に書いてないところはやはり一般の商法の規定に従うという趣旨でございます。
  174. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私のお尋ねしているのは、郵政大臣行政権者だと思う。公証人というのは行政権者ではないと思うのですが、或いはそうであればそれでもいいわけですが、そういう関係において代替し得るものかということについて私わからないから、公証人と郵政大臣を並べて、そうして、それを私はお聞きしておるわけなんです。
  175. 花岡薫

    政府委員(花岡薫君) この公証人の性格は私ここで立派に御答弁するだけの自信もございませんが、郵政大臣が定款を認可することによつて、百六十七条に規定しました「公証人ノ認証」と同じ効果がある。かような趣旨規定をいたしたのであります。
  176. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 その趣旨はわかるのです。その趣旨はわかるが、だから公証人に代つて郵政大臣がやり得るのだという、何と申しますか、権限上の共通性があるのですか、公証人と郵政大臣は。私わからないから聞くので、わかればそれでいいのです。ただ書いただけだというのではわからない。
  177. 花岡薫

    政府委員(花岡薫君) 商法百六十七条に定款は公証人の認証を要するということをきめました趣旨は、公証人に認証させまして、そのあとからいろいろなごたごたが生ずることがないように定款の内容をはつきりする、公けにはつきりするという趣旨だろうと思うんです。それで附則の八項に「定款を作成して、郵政大臣認可を受けなければならない」といたしましたので、郵政大臣認可をいたしました場合には、公証人と同じように、その定款の内容につきましてそれが公けにはつきりできるというふうに考えまして、従つてそういう意味から百六十七条はこの場合には適用しないという規定をいたしたわけでありまして、お尋ねの公証人と郵政大臣、或いは郵政大臣が公証人に代り得るものかどうかということに対しましては、これは両方とも性質が違つておるものでありますからして、郵政大臣が公証人の代りになれるというふうには考えませんけれども、百六十七条の立法の趣旨というものが、郵政大臣認可によつてその趣旨は達成できるというので、この際改めて百六十七条を適用する必要がないだろうというふうに考え規定いたしたわけであります。
  178. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 どうも私それだけ聞いたのでは何と申しますか、立法府にあるものとして納得できないのです。法律規定がありさえすればどうにでもやり得るのだということに、それは論理的にはなるのだと思うんですが、そういうことになるのかどうか。そのこと自体に疑問を持つておるんです。次にこの会社法はですね、商法による株式会社との関係で私は特例的な規定ができておるんだと思うんです。併し私は特例においても限界があるのだと思うのです。それで公証人というものによつての認証というものが自由に行政機関認可というようなことで代替し得るというような一般的な基礎が私にはつきりしないというと、これでいいのか悪いのかということがわからんのです。この立法の趣旨はよくわかるのです。この立法の趣旨は……。私のお尋ねしておるのはそういう意味合いでお尋しておるのではないのです。おわかりでしたら一つもう少し公証人というものはどういうもので、なぜ公証人でなければ、一般の商法において会社の定款の認証ができないのか、若しもそれが公証人でなければできないという理由があれば、それを侵して郵政大臣でやつてもいいのだという理由が……又もつとえぐつて言えば、根本的な理由としてどういうものがあるのか。そういうことが法律的に私はわからないから、はつきりさせて頂きたいというだけのことなんです。何も追究したり何かしておるわけではないのであります。何でも法律できめればきめたので行政府がやれるのだ、そんなことを言うならば、このことに対する裁判は郵政大臣がやるのだときめれば、それで郵政大臣ができるのだ。私にはそうは到底考えられないから申上げておるのです。
  179. 靱勉

    説明員(靱勉君) お答えいたします。今政府委員からお答えいたしましたように、何のために定款は公証人の認証を要するかというその趣旨でございます。その趣旨を郵政大臣認可によつて達しておれば、それは二重にやる必要はないということでございまして、結局定款の、何というか、確定力といいますか、その通りであるということをここで認証する、主務大臣に定款を認可申請した場合におきまして、そこでこれで差支えないといつたことで、定款につきましていろいろ紛争が起きないという考えで、主務大臣認可だけで重複してやる必要はないという、それだけの問題でございまして、特別に私は主務大臣が司法的な行為をやつたとか何とかいう問題ではないと思つております。おつしやるように法律で、裁判でも何でもやれるかというと、勿諭そういうようなことはできない。法律には限界がある、こう考えております。
  180. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 次官の御答弁はなかなか有効適切な御答弁でありますから、一応承わつておきますが、ただ私は郵政大臣認可ということは、非常に政治的な問題を含んで来る場合があると思うのです。それで今、政府委員がおつしやつたような公証人の認証は、紛争の生ずることに対してこれを予防する等の意味合いから公証人の認証ということになつておる。併し公証人の認証のほうは、会社の内容その他についてかれこれ言うことではなくして、機械的な認証を与えておくだけのことである。ところが郵政大臣認可の場合は、会社側において、或いは株主等の意向によつて紛争が起りそうだ、起つておる、或いはそれが政治問題化しておるというような場合には、今日認可すべきであろうと考えたものも認可しなかつたり、或いは逆に本日認可してはならないものを逆に認可してやつたりして、そのことから内部的には会社の紛争を助長する、或いは政治問題を惹起するというような場合も起る可能性も私はあると思うのです。そういうことを一切排除するためには、私は公証人の認証などというものは、これはやつておいたほうが、機械的にすぱつとしてしまつていいのじやないかというふうに考えられる向きがあるので、内容に立至つてお話しても、私は郵政大臣認可で以て公証人の認証に代えるということが必ずしも適当であるかどうかということについて疑義がある。全然関係のないものにおいて、客観的に機械的に認証をされて行くということが望ましいので、内容にもタツチし、監督権限も持つておるものが、公証人の認証と同一の効果を上げ得るような行為をするというようなことは、どうも私はおかしいのじやないかというふうに考えて、以上のような質問をしておるわけなんです。而も次官のおつしやるように、法律には限界があるということであれば、公証人の認証の権限権限とし、郵政大臣の内容に亘つて見渡した認可認可として、これは分離すべきものじやないだろうかというような考えが起つて来るわけです。それでお尋ねしたわけですが、これは又重ねて最後に総括的に何かお話がある場合にお伺いしたいと思います。
  181. 靱勉

    説明員(靱勉君) ちよつとその点について補足申上げますが、今小笠原委員がおつしやつたように、公証人の認証は本当の認証なのでございます。そこで郵政大臣認可にかけましたのは、会社目的に見まして、この定款がどうであるかということを更にプラスしてやつておりますので、但書の、認可にかけたということは今おつしやつたように、いろいろと会社目的的に従いまして定款が適正であるかどうかということも考えて行こうという趣旨が現われておるのであります。それで郵政大臣が定款についていろいろ干渉してはいかんとう基本的な立場があるとすれば、これはまあ別問題でございますが、ただ公証人というものは、会社の定款をそのまま認証するというだけでありまして、会社の本質或いは目的というようなものについて、十分理解を持つていない。当然十一条におきまして、定款の変更等認可にかけておるように、初め作る場合におきましては、当然郵政大臣認可にかけるのが至当であるという観念から、たつて認可事項に当初の定款作成をかけた、その場合におきまして、ただそれをそのまま認証するという手続は二重にする必要がないというだけの問題かと私ども考えておる次第であります。
  182. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 その通りの筋合いの話でわかりましたが、私の、これは商法とも何とも関係がないのですが、非常に変なほうにだけ頭が走つてものを考えたがるたちなんで、今度は突拍子もないことをお伺いいたしますが、これについてもお教え願いたい。認可した郵政大臣に対しても、定款上、定款の問題について争われる場合があるのじやないかということさえも私は考えておるわけなんです。それはこの会社に対して利害関係を持つ者が、財産権その他の憲法上の規定によつてつて行くという場合に、こういう定款について認可を与えた監督権者である郵政大臣に対してまで争いを起して行くことができるようにすべきじやないか。それで認可を与えた郵政大臣も、その定款を決定した会社当事者も、公証人の認証の前には争う相手と平等の立場に立たなければ財産権等が保護せられないという場合があるじやないか。そういうように、私商法のほうは知りませんが、商法で一切規定されておつて、そういうことはもう一切ないのだということならば何でございますけれども、併し郵政大臣は無上権限者で争いの対象にならないのだというようなことはどうも考えられない。単にこれは行政部門の一担当者であります。だから国民の側から言えば会社に対する権利の問題から、認可を与えておる郵政大臣まで争いの対象として行く場合があるのではないだろうか。こういう突拍子もない考えを持つから、公証人の認証ということが何か一つ上のほうにあつて、そうしてその公証人の認証という枠の中で、郵政大臣であろうが、取締役であろうが、相手にして裁判上争えるというのが何だかいいのじやないかというふうに考える部面があるので、これは無論突拍子もない質問ですが……。
  183. 花岡薫

    政府委員(花岡薫君) 郵政大臣が定款に対して認可を与えたものに対して、更に何か特定の利害関係人から、或いは権利を侵害された、或いはその他の理由でこれを救済することを申出る途がないかというような御趣旨と思いますが、これは設立委員そのものが設立事務というこの法律上の公務に従事しておるものでありますから、その面で何らか或いは不正があり、或いは他人の権利を侵害するというような場合については、これは国家賠償法とかいうような、一般の職権濫用とかというような面から訴訟によつて救済される途はあると思います。そのほかに民事的に考えましても、この法律只今御指摘の附則第十七項の中で除外しておりまするが、百八十五条にこういうような規定がありまして、これは公証人が認証をいたしました場合もやはり百八十五条というような規定、その他まだ二、三あると思いますが、定款の内容が変更されることは商法上もあり得るわけであります。この法律では行政大臣として定款の確定をさせたいという建前から百八十五条は除外しておりますけれども、その他何か不正事実或いは職権濫用或いは甚だしいそれによつて権利の侵害を受けたというような場合については、これは別の法律で救済の途があるかと思います。
  184. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 一応この場合はこの程度にしまして、前に進みたいと思います。十三条の会社が資産を譲渡し、或いは担保に供する、こういうときには認可を受けなければならないとした理由を伺つておきたい。
  185. 花岡薫

    政府委員(花岡薫君) 十三条の規定趣旨は、この会社の本来の目的であります通信業務の運営ということから重要な電気通信設備処分しようということになりますと、只今申したこの会社の本来の使命に重要な影響があると思います。従いましてこういう極めて重要な事項は郵政大臣認可を受けなければならないと、かように考える次第であります。
  186. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 大体ここで郵政大臣認可を受ける、或いはそれによつて効力を生ずるというところのお話を一通り伺つたように思いますが、それでさつきお話のありました郵政大臣認可によつて利益を受けるという場合は、郵政大臣認可そのものは一つ行政でしようから、行政事件訴訟特例法ですか、それによる仮処分の申請等でその認可についてちよつと待つたというようなことをやり得ますか。
  187. 花岡薫

    政府委員(花岡薫君) 今御指摘の場合は一応行政事件訴訟特例法の対象になると思います。
  188. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 十四条に参りまして、合併及び解散の決議について郵政大臣が大蔵大臣に協議しなければならないということは、どういう理由と必要を以てこうしたのですか。
  189. 田邊正

    政府委員(田邊正君) 会社の合併及び解散の場合におきましては、事業の継承ということ、その事業を誰が受継ぐかという問題が当然出て来ると思いますけれども、その場合におきまして、やはり国が財政的にその財産の措置などにつきまして、国が関係せんならんという事態も生じて来るわけでありまして、そういうことを考えまして、大蔵大臣との協議を必要とするように規定いたしたわけであります。
  190. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 公社から会社に対する財産の譲渡については、公社或いは政府において条件が付くのですか。
  191. 田邊正

    政府委員(田邊正君) 公社からは条件はつきません。
  192. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 政府からは……。
  193. 田邊正

    政府委員(田邊正君) 政府からは条件と申すと何でありますけれども、この法律公社から会社に対しまして国際電気通信業務を行うに必要な設備を出資するということをきめたのは、会社におきましてそれによつて国際電気通信を行うという趣旨であります。従つて出資いたします場合に、政府としてはその設備によつて会社が国際電気通信業務を行うということを前提としておるわけでありまして、そういう意味から条件と言えば条件であろうと思います。
  194. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 民間の財産であることは法律上間違いがないので、それについて、大蔵大臣が何か措置するというようなことが法律上、権限上あり得るのですか。
  195. 田邊正

    政府委員(田邊正君) これはまあ会社が解散するというようなことは、今のところ何も予定されておりませんけれども、仮に会社が解散するというふうな場合を考えてみますというと、その場合に国際電気通信事業を誰かがそれを引継いでやつてもらわなければならんわけであります。従つてその場合に、その国際電気通信業務をやつてもらいます場合には、どうしてもそのときまで会社が扱つて参りました電気通信設備を使用しなければならないわけでありまして、それを貸してもらうなり、或いは譲渡を受けるなり、そういうふうな場合にはやはり財政的に国として関与する場合があるであろう。その場合に例えば国においてその財産を買取るとか何とかいうような措置が考えられるわけでありまして、そういう場合もあり得るかと考えます。
  196. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 その意味合いは、解散の決議を認可しようとするとき必要なことであるのではなくて、その前の問題になるのではないですか、そういうことは……。
  197. 田邊正

    政府委員(田邊正君) それはおつしやいます通りにその前のことでありますが、会社が解散の決議を持つて参りまして、そうして郵政大臣が直ぐ解散の決議を認可するということは、これはおよそ考えられないわけであります。これはもう国際電気通信業務は一日といえどもやめることはできませんので、そういうことは考えられないわけであります。併し会社が解散したいというふうなことを言いました場合に、それならば解散したならばそのあとの措置をどういうふうにするかということは、郵政大臣会社の解散を認可する前に、いろいろと考究し、取り運ばなければならない問題が相当あると思うのでありまして、その間にそれは国の財政当局のやはり関与を必要とする場合もあろうというふうに考えられるのであります。
  198. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 この特殊会社について解散ということを認めているのはどういうことですか。法律上の体裁からですか、実際上そういう場合があり得るということを考えて、解散というようなことを考えているのですか。
  199. 田邊正

    政府委員(田邊正君) これは先ほどもお答えの中に申上げましたように、現在におきましてこの会社が解散するということは毛頭考えておらないわけであります。従いまして、なぜここに解散ということを書いたかとおつしやいますと、これは法律の体裁と申しますか、そういうふうにお答えするよりかお答えせざるを得ないわけであります。ただこれはこの法律全体の構成が株式会社ということを中心とし、或いはそれを基調として書いてありますので、会社にとりましては当然合併、解散ということは起り得べきことであります。従つてここへ合併及び解散というものを書いた。また言葉を換えて申上げればまあ体裁と申しましようか、この法律の構成からそういうふうにいたしたというふうに考えます。
  200. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 合併ということは会社と他の法人と一緒になるという意味合いだろうと思うのですが、それに関連してお尋ねしますが、公社はこの会社に対して設立の当初資産を譲渡する分と、或いは出資する分とがある以外には、その後において公社からこの会社に財産の譲渡、そういうようなことはあるのですか、ないのですか。
  201. 田邊正

    政府委員(田邊正君) この会社公社との国際電気通信業務を行う関係につきましては、たびたび御説明申上げましたように、会社のみが国際電気通信業務を行うのでありませんで、公社も国際電気通信業務を行うことができるわけであります。この会社を設立いたしました場合に、設立当初国際電気通信業務を行うに必要な設備の譲渡を受けますが、会社のほうにおいて国際電気通信業務を行なつて参りまして、それを公社が手を引いて、会社が行うという場合も考えられるわけでありまして、そういう場合におきましてはそれに必要な設備公社から会社に譲渡するという場合もあるわけであります。
  202. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 次に十五条に移りますが、十五条の二項の「この法律を施行するため必要な限度」ということはどういう限度ですか。
  203. 花岡薫

    政府委員(花岡薫君) この十五条の第二項のこの「報告を徴する」場合でありますが、これはここに書いてあります通り法律を施行するため」というのが限度でありまして、その内容といたしましてはこの法律に挙げてあります認可事項、この認可を適正にやるに必要な場合はまあ大体この認可事項、その他この法律に明記してあります郵政大臣権限を執行する上において直接必要な事項、こういうふうに解釈しております。
  204. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 この十五条全般については、この会社監督する監理官のほうにおいて会社監督についての内規的なものを作つてやるわけですか、その都度々々本当に必要に応じてそれぞれ措置をするのですか。
  205. 花岡薫

    政府委員(花岡薫君) この十五条による監督権の実施でありますが、内規というようなことを申されましたが、これは正式にはやはり監督事項をどの限度までやるか、又例えば認可事項に記載すべき範囲とか、幾日前に書類を出せとかいつたようないろいろな手続、そういうようなことが一応内規といたしますれば、そういうようなことははつきりいたしまして、会社の方面にも通達をいたしておくべきものと考えます。
  206. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 第十六条に移りますが、この会社業務は大なり小なりすべて郵政大臣認可を受けなければできないというふうに私は考えますが、そういうふうに考えてよろしうございますか。
  207. 靱勉

    説明員(靱勉君) この法律規定してあるだけでありまして、大なり小なり認可を受けなければこの会社事業はできないというふうには考えておりません。
  208. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 第二条の、「国際電信電話株式会社は、国際電気通信事業を営む外、郵政大臣認可を受けて、これに附帯する業務その他前条の目的を達成するために必要な業務を営むことができる。」、この条項から見ると、それ以外のことはできないのですから、従つて認可を受けない事業はできないというふうに私は考えるのですが、そうでないのですか。
  209. 靱勉

    説明員(靱勉君) そういう意味でしたら国際電気通信事業を営むほかは認可を受けなければなりません。国際電気通信事業の内容というものは相当内容がありますから、例えば社員の給与をきめるとか、そういうようなことは一切会社が勝手にやつてよいのであります。
  210. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そこで十六条の一項の二号ですが、「第二条に規定する業務以外の業務を行つたとき。」とありますが、第二条に規定する業務で郵政大臣認可を受けないでやれるのは国際電気通信事業そのものであり、その他の事業は全部郵政大臣認可を受けなければならない事業であるわけでありますが、そうすればこの第二号の規定は一号に入るのじやないですか。
  211. 靱勉

    説明員(靱勉君) 二号は……二条に規定しておるのは「附帯する業務その他前条の目的を達成するために必要な業務を営むことができる上で、これは認可を受けてやる。受けないでやつてもその業務自体は無効にならないのであります。そこでこれに該当しない以外の事業をやる。例えばこの会社が船会社をやつたというような場合には、どうしてもこの二号の規定が必要であると考えております。
  212. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 一号のほうで伺いますが、「郵政大臣認可を受けなければならない場合において、その認可を受けなかつたとき」ということですが、これは時期的にも、どういうときにこれは罰則が適用になるのか。私ちよつとわからないので、どういう時期を指して言つているのかお伺いしたい。
  213. 田邊正

    政府委員(田邊正君) 郵政大臣認可を受けなければならないのは、それぞれの認可を必要とする事項が自然出まして、認可を受けずにそういう行為をやつた場合にこの条項に該当すると思います。従つて事項によつて違いまして、その時期が非常にはつきりしているものもありましようし、事項によつてはその時期がはつきりしないものもありましようけれども、これを統一的に申しますれば、とにかくそういう認可を受けなければいけない事項認可を受けずに、そういう事項をやつたときというふうに考えております。
  214. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 認可を受けないで……手続中の場合はまだ違反行為ではないのですか。
  215. 田邊正

    政府委員(田邊正君) 只今までの御質問に対してお答えいたしましたように、事柄によりましていろいろ変るかと思います。手続と申しましても、例えば認可を受ける事項につきまして準備的な行為をするというような場合におきましては、これには直ちに該当しないと思うわけであります。その場合に認可を受ける意思ありやなしや、これは忖度することは極めて困難でありますので、さように考えるわけであります。併し認可を受けなければ着手できない事柄を始めた場合には、これに該当するものと考えております。
  216. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 会社機関によつて議決をしたというだけでは、一般的にはこの罰則は適用にならないということですね。
  217. 田邊正

    政府委員(田邊正君) 会社機関によつてそういう議決をしただけでは、一般的に申しますればそれはこれに該当しないと思います。と言うのは、認可を受けます事項は多くは会社機関において決定をして、そのあと大臣認可を求める。そういう手続になると考えますので、そういうように考えるのであります。
  218. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 附則についてはあとに廻して、ここらで一応とどめたいと思います。
  219. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) 本日はこれで散会いたします。    午後五時五十九分散会