○
山田節男君 これは今
大臣が丁度おられるから、総括的な
質問の
意味で御意見を伺うのですが、今回この国際
電信電話会社ができるについて、前の国際電気通信会社の株主の連中が当
委員会に請願を出して来たので、過日来持株整理
委員長或いは清算会社の代表者並びに
政府の当時折衝したかたがた等から詳細
事情を伺
つたわけです。それで当
委員会としては、この問題については、
関係者の意見を、或いは当時の
事情を十分聞いたわけです。前に私申上げたと思いますが、これは占領軍政下において、いわゆる法律を超越した、又法律よりも強い当時の連合軍最高司令官の覚書によ
つて、
政府が何ら
希望せずして、無理やりに押付けられたという経過が実ははつきりしておるのです。のみならず、
政府としては、過日山岸
政府委員の説明によ
つても、旧国際電気通信に関しては、非常に好意を持
つてや
つたと、これも私は十分
政府が最善の
努力をされたこともわかるのです。ところが今回こうして国際
電信電話を民営に移される。いわゆる
公社にしないで、三段跳びに一挙に民営に移行する。これについて請願を出された旧国際電気通信の株式会社の願意というものが、これは法的にはともかくとしても、こうい
つたような問題は、一種の政治道義と申しますが、殊にこの問題は占領軍政下において最高指揮官の覚書によ
つてや
つたのだ。農地法によ
つて土地の解放が行われた。これに対して犠牲を受けた者はやはり今日そのままであ
つて、国家に何ら補償を求めることもできない。こういう理窟もこれは立ちます。併しこれは、農地解放については、少くともこの場合におけるようにいわゆる帳簿価格によらないで、時価によ
つてや
つた。それは勿論小作人として、十分これは従来の小作人が自作農に
なつたという点においてまあ利点がありまするし、又それ以上経済上の利益もあ
つたろうと思う。併しこの場合は、とにかく終戦後これが
政府の所有とな
つて以来、先ほど来水橋
委員が
指摘されるように、とにかく一ヵ年間十七、八億から二十億のまあ黒字にな
つてお
つたということは、これは間違いない事実です。ところで今日こういう民営に移ることに
なつた。而もその移る、今度
政府が、国家が出資する現物出資の主なる面は、旧国際電気通信会社のものであ
つた。而も
資本金が二十億円以上になる。こういうことになりますと、やはり又旧株主として、法的にはともかくとしても、道義上何とかしてもらわなければいかんというのが我々に出されたこの請願の
趣旨だろうと思うのです。そういうわけで、つまり今後この
法案が成立しまて、いよいよこれを設置する場合に、こうい
つたような
輿論、それから私も零細な株主だ
つたので、いろいろ出され委任状というものを見ますと、成るほど零細な株主が多いのです。数にしても六千人ばかりあるのです。これに対して何かの、補償というとおかしいですけれども、これに対して
政府として少しでも……。非常にアンフエアな結果に
なつた、これは
政府の意図しないことであ
つた。
政府に罪はない。けれどもとにかく民営にするということに際しては、そういうことについて、何らか
大臣としてお
考えにな
つているかどうか。その点をお聞きしておきたい。